世界は戦争が多い異世界へと転移したようです 作:スターリニウム
2036年1月3日午前6時頃
ーオーラウト王国 旧ホルムストール軍野営地 現オーラウト-NATO陸軍補給地点ー
一昨日、野営地などの前線付近に居座るホルムストール軍の軍事施設の制圧で始まった新年の幕開け作戦。あれから2日経った今日、新たなステップを迎えていた。
この日は、アメリカ空軍とオーラウト-NATO陸軍合同で、オーラウト王国の元領土にある都市、ノーブレーとイザンツァを今日中に奪還する予定なのだ。
なぜこの2つの都市を先に奪還しなければいけないかというと、実はオーラウト王国にとって軍事上重要な都市だからだ。
ノーブレーとイザンツァは共通して、異世界では希少な光る石の産出地でもあり、なおかつ、オーラウト王国が現在開発中の純国産戦車、『AL-35』の原動力に必要な素材だからだ。
このAL-35戦車は、アメリカから少しの技術を借りており、性能は冷戦時代の戦車とそう変わらないので、実戦配備すれば間違いなく異世界の列強と軍事面で渡り合える。
オーラウト王国は、開発中のAL-35戦車を実戦投入したいがために、この二つの都市を奪還するということをオーラウト王国の国王がNATOの司令部にお願いした。
NATO軍にとっては何の利益にもならない話なのだが、NATO軍の上層部はこれを受け入れた。
そして今日、オーラウト-NATO陸軍と、アメリカ空軍がノーブレーとイザンツァ奪還に向けて、APC《装甲兵員輸送車》の群と、オーラウト王国に配備されているNATO軍の一部の戦車が参加し、空軍からは、F-16ファイティング・ファルコン、B-1ランサー、A-10 サンダーボルト II、そして攻撃ヘリコプターのAH-64Dアパッチ・ロングボウが主な戦力となっている。
ここはNATO軍の物資補給地点だ。辺りはNATO軍の戦車や装甲車両、それにAH-64Dが浮上準備をしていた。
ここにも、カーソン達が補給地点にいた。
カーソンがいるところでは、ちょっとした会話がしていたのだが、ここにグレイソンも入る。
「よしお前ら、こんな機会は滅多にないぞ。オーラウト王国の都市を奪還するチャンスが来た、しかも戦略上重要な都市をな。報告によれば、その都市はノーブレーとイザンツァという所だ。だがここにいる敵の守りは堅く、そこには召喚魔術師も防衛に加わっているとの報告がある。だがノーブレーとイザンツァを掌握すれば奴らの主導権をこっちに移すことが出来る。いずれにせよ、俺達の勝算が高いのは確実だ。」
「それはすごいことですね中尉。」
そう言うと、カーソン達は喜びながらもEFV遠征戦闘車に搭乗し、最初の目的地ノーブレーに到着するのを待った。
カーソン達が乗っているEFV遠征戦闘車を含んでいる車列の周りは、雪がとても積もっており、辺りは一面雪化粧と化していた。
しばらくすると、兵員達全員に無線が入ってきた。
「戦闘車両に搭乗している兵士達、もうじきに目的地のノーブレーに到着する。皆、準備をするように。」
そう無線から聞こえたので、兵士達は自分の緊張を和らげるために、深呼吸する者、煙草を吸う者でいっぱいだった。
そして、車列の先頭車両がノーブレーに到着すると、先頭車両の運転手が門の近いところに到着したのを確認した。
ノーブレーの周囲は、少し高い防壁に囲まれており、車列は防壁の門の少し前に停車していた。
「いいかお前ら、先頭からの報告によると、どうやらノーブレーの防壁門に到着したようだ。このあと後方に展開する戦車に門を破壊してもらう。門が爆発したら、その拍子に一気にノーブレーの市街地に突入する、いいな?」
グレイソンが兵士達に説明すると、いつ降車してもいいように、兵士達は武器を構える準備をした。
そして午前8時前、大雪がノーブレー周辺に降りかかる頃、後方に展開していた戦車群の発砲によって火蓋は切られた。
発砲された砲弾は見事に防壁門に命中し、その爆発の勢いによって、頑丈な門はすぐさま使い物にならなくなった。
この爆発音は、ノーブレーの中心にまで聞こえたので、中心にいる部隊はすぐさま防壁門に駆けつける。
「よし!全員突撃するぞ!」
グレイソンがそう言うと、装甲車両から一斉に兵士達が銃を構えながら降車し、上空からAH-64Dや、F-16戦闘機がノーブレーに同時侵入してきた。
防壁門の近くはまだ爆発の煙が上がっていたので、兵士達は、防壁門付近の身を隠す場所にすぐさま隠れた。
そして爆発の煙が晴れると、すぐさま銃弾や攻撃魔法が飛び交い始める。
とそこに、AH-64Dが、隠れているNATO軍の先頭に出て、攻撃魔法で攻撃してくる黒魔術師達はすぐさま防護結界を張るのと同時に、M230機関砲が火を噴く。
M230機関砲から放たれる焼夷榴弾は、防護結界を貫き、黒魔術師達は体の部位がえぐれていた。
厄介な黒魔術師達が攻撃ヘリコプターの援護によって死んだので、オーラウト-NATO陸軍は進む道を開けた。
上空では、アメリカ空軍の爆撃機や、攻撃機が常にノーブレーを防衛するホルムストール軍に攻撃を続け、ノーブレーでは常に爆発音が鳴り止まない。
だがすぐにホルムストール軍の第2波が来る。
今度は上空からワイバーンおよそ200騎が飛んできた。
「ワイバーンだ!狙われないよう散開しろ!」
そうグレイソンが言うと、固まっていた部隊と戦車部隊は、ワイバーンからの攻撃から避けるべく、複数の分隊に分裂し、ありとあらゆる方向へと向かった。
カーソン達の分隊は、市場が行われる広場へと向かっていた。
広場へと向かっていると、1体のワイバーンがこちらを狙って急降下してきた。
「ワイバーンが急降下してきたぞ!全員路地裏に隠れろ!」
そうグレイソンが言ったので、カーソンの分隊は路地裏にへと逃げ込んだ。
「ったく!あいつらどんだけワイバーン持ってんだよ!」
カーソンが少し焦りながら言った。すると分隊の仲間が携行していた、FIM-05 携帯式対空ミサイルを、ワイバーンに向けて発射した。
ミサイルはワイバーンの左翼に当たり、そのワイバーンは飛行不能状態になり、そのまま家屋へと衝突した。
「気が利くな!」
そう言っていると、空軍がワイバーン撃墜に着手し始めたので、カーソンの分隊は広場にそのまま向かった。
この頃、空軍による火力支援によって、ノーブレーを防衛しているホルムストール軍の戦力を半分に削った。
作戦行動を再開したカーソンの分隊は、歩き始めて数分後、ようやく広場に到着した。
広場には、仮設のテントが多く設置されており、周辺には監視する槍兵がいた。
「さてと、広場を制圧しちゃいますか。」
そうグレイソンが言いながら出したのは、LSAT軽機関銃だ。
監視する槍兵にバレないように、照準を監視する槍兵に向けた。
そして、グレイソンが引き金を引くと、軽機関銃の連射が始まった。
監視する槍兵達は、分からない方向から来る銃弾に、みるみるうちに倒されていき、しまいには人の気配ですら感じなくなった。
「こちらオスカー分隊、ノーブレーの広場を確保した。」
「こちら司令部了解、手に負えない味方の援護をするように。」
そう司令部が言ったので、分隊は他と交戦している分隊を探し始めた。
すると、また無線から連絡が入ったので、グレイソンは無線を取る。
「こちらは司令部、全分隊に告ぐ、各方面に展開している分隊は、ノーブレーの防壁の外に退避せよ。繰り返す、全分隊は、ノーブレーの防壁の外に退避せよ。」
その連絡を聞いて、カーソン達は何が起こるのかを悟った。
それは、クラスター爆弾を大量に積んだB-1 ランサーが、もうすぐでノーブレーに到着するのだ。
カーソン達はすぐさま防壁の外へと向かった。
防壁の門へと退避するよう指示されておよそ5分後には、全部隊の退避が完了した。
そして、上空にあるB-1ランサーが市街地に侵入すると途端に、大量のクラスター爆弾CBU-97がノーブレー全体にばらまかれた。
爆弾が投下されて数十秒後には、クラスター爆弾は見事に爆発し、たくさんの子爆弾の爆発音がノーブレー全体に被害をもたらした。
ノーブレーを防衛していたホルムストール軍の部隊は、子爆弾の爆発による影響でホルムストール軍の兵士達のほとんどは死亡、あるいはかなりの重傷を負うこととなった。
「どうやら収まったみたいだな。1回確認してみよう。」
そう兵士が言うと、他も爆撃後のノーブレーを確認すべく、中心街へと足を運んだ。
兵士達は、中心街とは思えない荒廃した光景を見ては、思わず写真を撮ってしまう。
さらに石畳の道路はひび割れ、その上にはミンチよりも酷い状態の死体が散らばっており、中心街にあった銅像も半分に折れていた。
イザンツァもノーブレーと同じような状況になっており、イザンツァの防衛部隊のほとんどがこの世を去った。
この結果、かなり残酷な一手でノーブレーとイザンツァの攻略を完全に終わらしたNATO軍だったが、その結果、オーラウト戦線の主導権は、オーラウト-NATO合同軍に移り変わり、オーラウト-NATO合同軍が大陸戦争での勝利は確実した。
だがその裏で教国は、ソヌヴァ連邦に対する戦争準備を着々と進めていた。
そして......教国の破滅へと導くソヌヴァ戦線が今、始まる。
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次回は、主にソヌヴァ連邦がメインの予定です。
次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です
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異世界の国が突如日本に宣戦布告する
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異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
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異世界の国に対し日本が宣戦布告する
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その他(日本じゃないどっかの国が舞台)