世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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第19話 一定期間の同盟

同年1月3日午後5時半

ーソヌヴァ連邦 とある国境検問所ー

 

NATO軍が、ノーブレーとイザンツァを奪還してからおよそ6時間が経過した。

 

ソヌヴァ連邦のとある国境検問所では、一人の男が見晴らしの良い雪原地帯を監視していた。

 

「今日も相変わらず寒いな...」

 

彼は、運よく戦地に駆り出されることはなかったが、その代わりに、周りは何もない国境検問所の仕事をすることになったのだ。

 

国境検問所とはいえ、国境地帯の監視をするというのも任務に入っているので、彼は双眼鏡を手に取り、周辺を確認する。

 

「異常なし。異常なし。異常な...?」

 

彼はいつものように、全て異常なしで終わるはずだったのだが、遠方から見たこともないような人の群とワイバーンの群が見えていた。

 

「なんだよ...ホルムストールのやつらこんなに呼んで。何かの演習か?」

 

彼はホルムストール軍の演習だということで片付けようと思ったのだが、その予想はまったく外れていた。

 

彼は、国境地帯の確認を終えたので、検問所にある窓からホルムストール軍の演習を見てみることにする。

 

すると、ワイバーンと隊列を組んでいるホルムストール軍が、国境検問所へと少しずつ迫ってくる。

 

「おい、まさかこっちに喧嘩を売る気じゃないよな...?」

 

すると、遠方から赤色の光が検問所へと迫ってくる。

 

「いや、完全に喧嘩を売っているぞこれは!」

 

そう言った彼は、迫りくる赤色の光を回避し、幸い火炎の攻撃魔法で済んだが、安心してはいられず、緊急用の伝書鳩に、ホルムストール軍が侵攻してきたという内容の紙を、彼はすぐさま近くにある本部へと送った。

 

その後も彼は、検問所にあるボルト・アクション・ライフルで迫まりくる敵を倒していくが、あまりにも多すぎるため、ホルムストール軍の攻撃魔法を受けてしまい、その後死亡した。

 

そして彼は、ソヌヴァ戦線で最初の被害者となった。

 

午後6時頃

ーソヌヴァ連邦 交易都市 カリーツィンー

 

国境検問所から、およそ30キロ離れた位置にある交易都市、カリーツィン。

 

ここは戦前、他の国との同盟を持たなかったソヌヴァ連邦の唯一の交易都市として、様々な文化が入り交じっており、その影響からか、カリーツィンに定住している外国人は他と比べると多く、異世界では数少ない多民族居住地なのだ。

 

ここにある、ソヌヴァ連邦軍ホルムストール方面司令部では、長い冬を生き延びるために、首都のピョトルブルクから届いた小麦などの穀物類の整理をしていた。

 

「今年も首都からの支援物資が多いな。」

 

「ああ、そうだな。むしろこんなにいらない気がするな...去年なんかカリーツィンにある農場だけで住民の食糧を賄えたし。」

 

「まったくだよ。こんなに送ってくれるのはありがたいのだが、多すぎて司令部の倉庫だけじゃ入りきらないんだよな。」

 

そう話しているのは、ホルムストール方面軍司令官ベネディークと、副司令官のヴァウテルスだ。

 

彼らは階級の差があるのだが、元々訓練兵だった時同期だったので仲がよく、二人の時はため口で会話しているのだ。

 

彼らは、たくさん届いた穀物類をどこに保管していくのか悩んでいた。

 

「司令部の倉庫を拡張するのはどうだ?」

 

「やめとけ、司令部にある倉庫はこれ以上拡張出来ないんだ。だから、住民に分けてみたらどうだ?」

 

「それはいい考えだな。だが...こんなに寒い時期に今さら配っても仕方ないと思うんだがな。」

 

すると、窓から伝書鳩が副司令官に向かって来た。

 

「ベネディーク!一通の伝書鳩の手紙が来たぞ!」

 

「どれ、読み上げろ。」

 

「こちらはホルムストール方面にある国境検問所。先程、検問所にてホルムストール軍が唐突の攻撃を仕掛けてきた。もう少しすればホルムストール軍がカリーツィンを攻撃するだろう。偉大なるカリーツィンの防衛をお願いします。」

 

「ホルムストール軍がこっちに侵攻してきただと...!クソッ!」

 

するとベネディークは、通信機器を使用し始め、カリーツィンにいる全部隊に戦闘準備をするように話始める。

 

「全部隊、こちら司令部。各部隊は、ホルムストール軍が侵攻するカリーツィンに集結し、襲いかかってくるホルムストール軍の勢いを弱らせろ!」

 

そうベネディークが伝え終えると、すぐさまヴァウテルスの近くに行った。

 

「ヴァウテルス、久々の仕事が俺らに入ったぞ。すぐに部隊が集結している広場に出発だ。祖国は我々を必要としているのだ、急がねば。」

 

「はいはい、分かったよ。」

 

そうヴァウテルスが言いながら、二人はリボルバーと司令官の印であるサーベルを装備し、二人はすぐさま広場へと急ぎ足で出発した。

 

「なんだよ、夜なのに兵士達は騒がしいな......」

 

そう住民が走り去る二人を見て言ったのだが、なぜここまで騒がしい理由は知る由もなかった。

 

「なあベネディーク、俺らってそんなに必要とされているのか?」

 

「分からんが、とにかく行かないとまずいことになるだろ。」

 

そう言っていると、カリーツィン上空に対空射撃のためのライトアップが始まり、それを見た二人は遅かったと思うのだった。

 

しばらくすると、二人は広場前に到着し、兵士達の前に無礼な格好はさせまいと、服を整え、広場へと入る。

 

広場は一面、モスグリーン色の軍服で埋め尽くされており、二人は少し高い台へと登壇する。

 

「偉大なる祖国の英雄達よ、こんなときに広場に呼び出してしまい申し訳ない。君達は、なんの予告もなしに攻撃し始めたホルムストールのやつらの勢いを、この都市カリーツィンで阻止しなければならない。ただ、ホルムストール軍の数は多く、阻止は困難を伴うだろう。だが、仮にこの地で死んだとしても、祖国は我々を敬い続けるだろう。なんとしてでもここ、カリーツィンでホルムストール軍の勢いを止めるのだ!」

 

そう演説し終えると、兵士達は士気が高揚し、手に持っているライフルを空に上げた。

 

「よしヴァウテルス、我々も行くとするか。」

 

「分かったよ。」

 

そして今、カリーツィンの戦いが幕を開けた。

 

ホルムストール軍が侵入してくるであろうカリーツィン南部辺りには、ホルムストール軍が到着する前に塹壕を掘り始めており、一部の塹壕には機関銃が設置されていた。

 

塹壕には、いつでも襲いかかっていいように兵士達は戦闘配置についており、一部の兵士は機関銃を構えていた。

 

ベネディークとヴァウテルスもその一員に入っており、二人は、いつ敵軍が現れてもいいように、常に双眼鏡を構えていた。

 

「ヴァウテルス、ホルムストール軍は見えるか?」

 

「いえ、今のところは。」

 

すると、遠くから、無数の馬や、人の人影が見えてきた。

 

二人はホルムストール軍が来たのだと思った。

 

「まだ撃つな。」

 

そして、その人影がはっきりと見えてくると、ベネディークは声を言い放つ。

 

「攻撃開始!!」

 

そう言うと、歩兵が持っているライフルと、一部の兵士の機関銃の引き金が同時に引き、辺りは銃から放たれる曳光と銃弾の破裂音しかなかった。

 

射程距離は共に長いライフルと機関銃は、射程距離が少ししか届かない攻撃魔法に比べ、早射性にも優れており、ホルムストール軍にとっての遠距離攻撃手段である攻撃魔法はこの距離では扱えないため、突撃してくるホルムストール軍の騎士団はあっけなく機関銃の餌食になる。

 

だがすぐさまホルムストール軍の第二波が塹壕で戦う兵士達に襲い始める。今度は騎兵団ではなく、4頭くらいの馬が馬車を引いていた。チャリオットだ。しかも多くて、馬車には機関銃が設置されている。

 

「ベネディーク司令!敵軍の第二波が来ます!しかもかなり多いです!」

 

「怯むな!ここカリーツィンがあいつらの手に落ちたら、祖国を見棄てるのと同等の行為だぞ!なんとしてでもここを守るのだ!」

 

そうベネディークが言うので、兵士達は仕方なくこの場で戦い続けることにした。

 

だがベネディークもこのままの戦力で戦い続ける訳にはいかず、仮設の通信所で空軍の爆撃部隊に助けを求めていた。

 

だが空軍基地とカリーツィンまではおよそ20キロあり、すぐには到着しないことは分かっている。それでもこの場で戦い続けるしか祖国を守る手段はなかった。

 

ソヌヴァ連邦陸軍は、厄介なチャリオットから放たれる機関銃に苦戦を強いられており。そのせいか、一部の兵士はチャリオットからの機関銃で負傷しており、戦闘に参加できる人数は減っていった。

 

「畜生!爆撃部隊はまだか!」

 

ベネディークはあまりにも多い敵軍の兵力にかなり焦燥していた。

 

すると、上空から巨大な複葉機と、その護衛の複葉機がこちらへと向かっているのが見えた。爆撃部隊だ、そう思ったベネディークは少し気が落ち着いた。

 

爆撃部隊が塹壕線を越えると、巨大な爆撃機は、突撃してくるホルムストール軍に向けて爆撃し始める。

 

爆弾は突撃してくる兵士やチャリオットをあっさりと吹き飛ばし、戦争地帯を消し去った。

 

爆撃部隊のおかげで、戦争地帯に突撃してくるホルムストール軍の兵士はおらず、辺りは静粛な空気になった。

 

「ベネディーク司令、これで終わったのでしょうか?」

 

「分からないが、恐らくこちらが勝ったのではないか?」

 

ベネディークは、ホルムストール軍がこちらへと突撃してこないので、カリーツィンの戦いは勝利したのだと思っていた。

 

双眼鏡で見ても、ホルムストール軍らしき人影は見えない。

 

その言葉通りに、突撃してきたホルムストール軍の部隊はソヌヴァ連邦の陸軍と空軍共同で殲滅させたので、突撃できるホルムストール軍の兵士は現状はいないので、この戦いでソヌヴァ連邦が勝利したといってもいいかもしれない。

 

この戦いでソヌヴァ連邦は数百人の兵士を失い、ホルムストール軍はおよそ2万人の兵士が命を落とした。

 

だが両国との戦争は開戦したばかりなので、手加減はせず、ソヌヴァ連邦は戦争に毒ガスを使用し始め、ホルムストール軍は召喚魔術師を使用し始めるといったイタチごっこが始まろうとしているのだった。

 

 




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次回は、オーラウト-NATO軍に舞台は戻ります。

次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です

  • 異世界の国が突如日本に宣戦布告する
  • 異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
  • 異世界の国に対し日本が宣戦布告する
  • その他(日本じゃないどっかの国が舞台)
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