世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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投稿がかなり遅れてしまって申し訳ありません

駄文展開ですのでご了承を。


第22話 大陸戦争の終結

2036年1月12日午前8時

ーホルムストール教国 聖地ベイト・カーメル 主要道路にてー

 

アメリカ軍の核ミサイル攻撃によって荒廃した都市、ベイト・カーメル。

 

この都市にはホルムストール教国の主要都市としての意味は失い、辺りは家屋の瓦礫しかなく、所々に散らばる死体かどうか分からない肉塊、象徴的存在の宮殿は柱の一部分が飛ばされており、今までの賑やかさとはまるで嘘みたいだ。

 

核弾頭がこの地に着弾して以来、空は黒い雨を降らす雲によって支配されていたが、その雨も止み、今日は所々に雲があるが晴れている。

 

そんなベイト・カーメルでは、瓦礫が散らばり、家屋の跡地が目立つ主要道路に、ベージュ色や灰色の軍用車両が車列をなしてで進んでおり、それに乗る兵士達の顔はガスマスクに被われている。

 

そう、NATO軍とオーラウト陸軍がベイト・カーメルの被害状況を確認しに訪れたのだ。

 

すると1台の装甲車両から一人の男が窓から顔を出して、周囲の被害状況を確認している。

 

顔を出しているのは、オスカー分隊長のグレイソンで、その装甲車はオスカー分隊の兵士全員が乗っている。

 

「これは酷いな...まるで砂漠だ......どこを見渡しても家屋はまったく見当たらない。いくら大統領もさすがにやり過ぎじゃないか?」

 

そう言うとカーソンが返答する。

 

「ここにいる誰もがそう思っていますよ、もう少しマシな終わり方があったろうにって。」

 

「だろうな。俺は長い間軍人として戦場に赴いてきたが、こんな酷い有り様は初めてだ。むしろこれ以上のものは、どこを探してもないんじゃないのか?」

 

そうグレイソンが言うと、前方からなにやら巨大な建物が見えてきた。

 

「...ん?何だあの神殿は?」

 

グレイソンは見たこともない巨大な神殿に首をかしげる。

 

「あれですか?オーラウト兵によると、どうやらあの神殿は、我々で言うホワイトハウスみたいなところらしいそうです。」

 

「そうなのか。にしては巨大すぎる...」

 

グレイソンはあまりにも巨大すぎる神殿に目を奪われる。

 

しばらくすると、車列は宮殿のエントランスらしき所で止まり、それに気づいたのか一気に兵士達が降車し、宮殿のエントランス前に入る。

 

宮殿の中は核攻撃によって少し天井に穴があるが、それ以外は大した被害ではなかった。

 

するとカーソンが近くの仲間に話しかける。

 

「なあ、俺らの核ミサイルでも吹き飛ばされなかったのはすごいと思うのは俺だけか?」

 

「いいや、俺も同じことを思ってたよ。」

 

「おいお前ら、今回やる調査の内容を手短に伝えるから静かにしろ。」

 

そうグレイソンが間入りすると二人はすぐに黙った。

 

「いいか?俺らはここ周辺の被害状況を確認するために調査しに来た。もし生存者がいれば、すぐに俺に報告してくれ。いいな?」

 

「イエッサー」

 

そう静かに返事をすると、分隊は宮殿を出て、周辺を調査し始める。

 

分隊は主に主要通りとは違う通りを調査していて、ここも相変わらず瓦礫とやらが散乱していた。

 

「ていうか、こんな更地に生存者なんているはずがないだろ。」

 

「ああ、正直言ってここを探索したってなんの成果にもならないってのによ。」

 

そうカーソンと兵士がブツブツ言いながら周囲を探索しているが、どこを見ても何も無さすぎて違う通りを探している別の分隊が見えるほどだ。

 

「うむ...どうやらここに生存者はいないようだな...。」

 

そうグレイソンが見渡して断言すると、カーソンが何かを見つけたのか、突如声を出して指さした。

 

「分隊長!あっちに人影が見えます!」

 

「何だと!どこにいる!?」

 

グレイソンがカーソンの指さした方向を見ると、そこには一人の人間が途方に暮れながら歩いているのが見えた。

 

するとグレイソンは無線を手に取り、生存者を発見したことを報告する。

 

「こちらオスカー分隊、探索中に生存者と思しき人間を発見した。至急応援をお願いする。場所は宮殿前の通りだ。」

 

「こちらフレディ分隊了解、直ちに現場に向かう。」

 

そう無線で連絡を取ると、右側から数人の分隊が加わってきた。

 

「よし、今から生存者にコンタクトを取る。もし生存者が暴れたら射殺しても構わない。いいな?」

 

そうグレイソンが部下に命令すると、聞こえないように小声で返事をする。

 

「了解です。」

 

そう言うとグレイソンと部下の二人の兵士は生存者にコンタクトを試みる。

 

近づいてみると、その生存者は少し背が低く少女で、髪色はちょっと分からないが少し長かった。

 

すると生存者は、瓦礫の上で突如座りこんだ。二人の兵士は心配して、先にコンタクトしようと話そうとすると、言う前に生存者から言葉が出てきた。

 

「.........ずが...い」

 

「え?何て言ってるんだ?」

 

「みず...が...ほし...い」

 

そう聞こえたのでグレイソンは、軍用の飲料水を生存者の口につけて飲ませる。

 

「よし、これで大丈夫だろう。」

 

「分隊長、この生存者はどうしますか?」

 

「とりあえず名前は聞かないとな。軍に報告する際、名前が分からなかったら話にならないだろ。」

 

そう部下に言うと、グレイソンは近寄って名前を聞き始める。

 

「やあ、君はなんて名前なのかな?」

 

そうグレイソンがいつもとは優しい口調で話の話題を作ると、答えが返ってきた。

 

「私...ラジェナって...いうの。」

 

「ラジェナか...いい名前だね。」

 

そう言うとグレイソンは、話の話題をすぐに変える。

 

「君は元気がないね、俺たち仲間と一緒に来るかい?」

 

「う...うん。」

 

そう首を縦に振りながら言うと、グレイソンは自分の軍用飯とスプーンをラジェナに1個渡した。

 

「ほら、これでも食べて元気だせ。」

 

そう言うと、ラジェナは恐る恐る中身を開けると、手渡されたスプーンで軍用飯を食べ始めた。

 

「分隊長、本当に連れて行くんですか?」

 

兵士の1人が分隊長に確認をする。

 

「仕方ないだろ、生存者は出来るだけ生かしておかないと、逆にこっちが悪者扱いされるぞ。」

 

「はいはい、分隊長が言うなら仕方ないですね。」

 

そう兵士が分隊長の考えに同意すると、オスカー文隊一同とラジェナは、陸軍の兵員輸送車が駐車している宮殿前へと向かった。

 

陸軍の車輌が駐車している宮殿前の道路に到着すると、調査を終えた他の文隊が集まっており、中には廃墟となった宮殿内を記念に写真に収める者もいた。

 

オスカ一分隊とラジェナは車輌に乗ろうとすると、近くにある別の分隊長に声をかけられる。

 

「よおグレイソン、お前どうやら生存者を見つけたらしいそうだな。」

 

「ああそうだ。こいつはラジェナって名前だ。くれぐれも変な真似はしないでくれよ。」

 

「分かってるって。」

 

そう別の文隊長が言うと、ラジェナの頭を軽く撫で始める。

 

「ラジェナ...だったけ?俺はフランクリン、こいつの友達だ。これから宜しくな。」

 

そう言うとラジェナは、堅い口を少しだけ開けた。

 

「よ...よろしくお願いします。」

 

そうラジェナが言葉を返すと、フランクリンは彼女の手にチョコレート数粒を渡した。

 

ラジェナは、軍人から渡された、丸くてカラフルな色の何かが一体どんなものか気になっていた。

 

「あの...これは一体何です...?」

 

そうラジェナが不思議そうに見て言うと、フランクリンは答えた。

 

「ああこれか?そいつは『チョコレート』っていうやつだ。とても甘いぞ。」

 

チョコレートという初めて聞く単語に、ラジェナは更に謎が深まった。

 

試しにそのチョコレートを口に入れてみると、噛むと同時に甘みが口に広がってきて、彼女の少しの空腹感を満たす。

 

「どうだ、美味いだろ?」

 

「は...はい...とても美味しいです。」

 

「もっと欲しければあげるぞ、どうだ?」

 

「い...いえ... もう充分です。」

 

そういった和やかな会話はベイト・カーメルから撤退するまで続いた。

 

同日午前11時半

ーオーラウト王国 王都ゼフテート 王城前通りにてー

 

オスカー分隊が、ベイト・カーメルで生存者のラジェナと会話していた頃、王都ゼフテートにある王城前通りでは、数ヶ月の間工事していたゼフテート地下鉄の完成式典と同時に、国際会議場の完成式典が開かれていた。

 

ここの通りは元々、王城の景観を損なうので、あまり高い建造物が無かったが、国王がアメリカが考案した都市開発計画に同意してくれたので、開発区域の建物を全て解体し、建設が始まったのだ。

 

周辺の建物は以前に比べ、現代的な超高層ビル群が目立っており、その中にある国王の名が由来の『ローレン・センター』は、異世界では最高峰の462mという驚異な高さだ。

 

その通りにある地下鉄駅、ゼフテート・シティ駅では、完成した地下鉄を一目見ようと大勢の住民が訪れていた。

 

そんな駅前の混雑から少し離れた場所に、国王ローレン5世とその護衛が王城の外から眺めていていた。

 

すると国王は、アメリカから輸入したコーヒーを飲み始める。

 

「うむ...とてもよい眺めだ。まさかアメリカの都市開発でここまで発展するとは予想にもしなかった。」

 

「ええ、まったくです。今回の戦争での勝利に、王都の都市開発、さらに夢を見ているようなくらいの建造物の高さ...アメリカはこの世界の列強国にも対抗出来るくらいの国力を確実に持っているでしょう。」

 

この世界には、まだその大陸にどんな国があるのかが未解明の大陸が、解明されたのと比べても数多くある。

 

その大陸の一部には、周辺諸国を圧倒するような経済力、技術力、知能、そして軍事力に富んだ、『列強国』という立場が存在する。

 

この列強国という立場の国は共通して、周辺諸国を見下す傾向がある。そのため、その国と外交する際、威圧的な態度を取ることもおかしくないのだ。これは植民地時代の欧米諸国と変わらないレベルだが、列強国がその国と戦争になったときに、その飛び火が付近に広がり、戦争が長期化するのだ。だからこの世界は戦争が絶え間なく続くのだ。

 

「そうだな...だが恐ろしいのは、アメリカだけじゃなく、他の国もこの世界の列強国に対抗できる力を持っている国があるって大統領から聞いたくらいだ。考えるだけでも恐ろしいよ...」

 

「ええ、その国も...アメリカみたいな友好的な国だといいですが......」

 

「そうだな...アメリカによれば、その国はここの大陸から海を超えてかなり離れているらしいのだ、だからあの国の政治家にはあまり注目されていないそうだ。まあ例えその国が列強国みたいな態度の大きい国だとしても心配することはないのだが。」

 

国王はゆっくりとコーヒーを飲み干す。

 

「さてと、もうすぐで昼食の時間だ。そろそろ戻らねば。」

 

そう言うと、国王と護衛達は王城内へと戻った。

 

 

同日午後1時頃

ーリミー王国 王都リミアー

 

オーラウト王国が属する大陸から180キロ離れた少し南西に位置する島、リリア島。この島は、クレタ島より少し大きいくらいだが、冬でも少し温暖で、夏になると大陸に住む人間が観光目的で来たりするのだ。

 

そんな島には、たった1つの王国があった。

 

リミー王国。この国は異世界では数少ない、人間が統治していない国だ。

 

面積はリリア島全般を領土としており、この島に住んでいる9割が猫人族なのだ。

 

元々この王国の種族は猫人族だけなので団結力が高く、全盛期には大陸まで勢力圏を拡大していったが、その後の人間の技術発達と魔術発達により島へと押し返され、現在は大陸にある周辺諸国と仲を保っている。

 

そんな王国の王都リミアにある、女王が住む城のある部屋には、諜報員が集合していた。

 

そこには大陸で情報収集していた諜報員達と、女王アネレア4世が集まっていた。

 

「ではこれより、大陸の政治状況の報告を始める。各諜報員は、大陸で収集した情報を一人ずつ報告するように。」

 

女王の言葉で、閣僚達の顔は引き締まる。

 

「まずは、ソヌヴァ連邦に赴いていた者から聞こう。」

 

「はっ、ソヌヴァ連邦の近況を報告します。ソヌヴァ連邦は...」

 

このような近況報告が続き、最後のオーラウト王国担当の出番が来る。

 

「では最後に、オーラウト王国担当に聞こう。」

 

「はっ、オーラウト王国の近況を報告します。オーラウト王国は、ホルムストール教国との戦争中、アメリカ、イギリスが中心の同盟国が参戦し、戦局が逆転、更に教国の都市に同盟国が巨大な爆裂魔法を使用したのを確認しました。これは教国を担当していた諜報員も見たと言っています。」

 

オーラウト王国担当の諜報員が報告すると、辺りはざわつき始める。

 

「静粛に!ホルムストール担当はどうだ?」

 

「はい、私はその爆裂魔法の範囲から離れていたので助かりましたが、その爆裂魔法は突如近くに雷が落ちたかのような音を出し、しばらくすると、教国の聖地の方角に巨大な雲が見えたんです。恐らくこの魔法は列強国でも開発したことがないと推測します。」

 

そう言うと、部屋はまたざわつき始めた。

 

「静粛に!静粛に!つまりオーラウト王国の同盟国であるアメリカやイギリスは、我々の世界の列強を超える軍事力があるとでも言うのか?」

 

「はい、そうとしか言いようがないです。でないとあんな爆裂魔法はまず使えません。」

 

そう教国の担当者が女王に手で動作しながら話すと、女王は何かを考え始める。

 

(本当に列強国じゃないだろうか...いくら列強国があんな魔法が使えないだとしても、我々が知らないうちにその技術が開発されているのかもしれないはず......だが、ここでアメリカとやらの国と同盟を結ばなかったら、王国の技術力は大陸国家に追い付けなくなる...)

 

そう考えた女王は、考えた事を口に出した。

 

「ホルムストール担当が言いたい事は分かった。我々もアメリカやイギリスに同盟を結ばない事は、王国の発展を遅らせるに等しい。今後王国は、オーラウト王国の王都ゼフテートを経由し、アメリカの首都に向かい、外交を結ぶための使節団を送ることに決定する。だがもしアメリカが拒否すればイギリスに使節団を送る。異議はないか?」

 

「は...はい」

 

「分かった。ではこれにて報告会は閉幕する。今回の報告会によって、列強国を超える技術力の持ち主、アメリカとイギリスに国交を結ぶよう使節団を送ることに決定した。皆はアメリカと安全に国交成立するよう努めていただきたい。神よ、リミーの民を護り給え。」

 

「「「神よ、リミーの民を護り給え!」」」

 

報告会は、国のモットーで閉幕した。

 

 




もし宜しければ感想や評価をしていただけると励みになります。

次回は読者様お待ちかねの日本が、ちょっとですが登場する予定です。

次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です

  • 異世界の国が突如日本に宣戦布告する
  • 異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
  • 異世界の国に対し日本が宣戦布告する
  • その他(日本じゃないどっかの国が舞台)
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