世界は戦争が多い異世界へと転移したようです 作:スターリニウム
どうぞお楽しみください。
2036年1月21日午前7時頃
ーアメリカ合衆国 ホワイトハウスー
大陸戦争が終結してから約9日が経過した。
大陸戦争で、作戦報告などで日々忙しかったホワイトハウスは、終結してからすっかり今までの平和な日々が戻った。
「ふぁぁ......暇だな...」
ウォレス大統領は、大陸戦争が終結したことによって、対中国ロシア方面に軍の偵察を集中することが出来たが、その分時間をもて余していた。
すると、ドアノックが鳴り、ドアが開く。
「大統領、おはようございます。」
「やあ君か、おはよう。」
大統領の机へと向かうと、副大統領は大統領が座る机にコーヒーを置いた。
「いつもありがとうな。」
そう大統領が言うと、副大統領は近くの椅子に腰掛ける。
「大統領、あの戦争以来すっかり平和な日々になりましたね。」
「そうだな、平和になったから中国やロシアに目を向けれるのはいいが、なんか時間をもて余しているような気分だ。」
「ええ、こんなに平和な日々になると、やっぱり時間をもて余すので暇ですね。」
そう会話していると突然、ドアノックが鳴った。
「入ってよろしいでしょうか?」
その声は、合衆国国務省長官のアレクサンダー・フォルケンバーグだ。
「どうぞ、入れ。」
そう大統領が言うと国務省長官は部屋の中へと入った。
「大統領、突然ですがお話があります。副大統領もご一緒に。」
「わ...私もですか?」
「ええ、突然ですいませんが...」
そう言うと国務省長官は、タブレットを持ちながら説明を始める。
「本日の早朝、リミー王国と名乗る集団約10人が、我が国と国交を結びたいということで大統領に接触したいと言ってきました。そのリミー王国と名乗る集団ですが、見た感じは人間に見えますが...ちょっと信じられない内容となっております。」
「構わん、続けろ。」
「そのリミー王国の集団一人一人が、頭に猫耳が生えていて、更には猫の尻尾が生えているんです。」
人間なのに猫耳と尻尾が生えているというワードに、大統領一行は頭が混乱する。
「......は?、すまないがもう一回言ってくれないか?」
「頭に猫耳が生えていて、更には猫の尻尾も生えてるんです。」
「猫耳と尻尾?君の見間違えじゃないのか?」
大統領は疑い始める。
「そんな訳ないです。嘘だったら、私はわざわざ執務室に来てまでそんな嘘は吐きませんよ!」
「まあ落ち着け。やっぱり異世界の国のことだ、この目で見ないと分からないものだな...そういえばリミー王国という集団は現在何処にいる?」
「現在集団は外交官応接室にて待機させています。」
「そうか...スコット、交渉に行くぞ。何しろあっちが国交を結びたいと言っているんだ、こっちが行かなかったら失礼な態度をとることになる。」
「ですね。では行きましょう。」
そう副大統領が言うと、国務省長官と共に外交官応接室へと移動した。
同日午前7時半
ー外交官応接室 リミー王国使節団ー
その頃、リミー王国の使節団は、急遽用意した席に座って大統領が来るのを待っていた。
一人一人の顔は緊張しており、もし王国にとって不平等な条約を押し付けられても、それを受け入れる覚悟があった。
その中の一人、リミー王国使節団団長で女性のアネットは、16歳という若さで使節団に編入されたので、かなり緊張していた。
(ここに到着した時から思ったけど、正直列強の国でもここまで発展している国はないかも...)
大統領が来るのを待っていると、突然ドアが開いた。
すると、最初に入ってきた男が話し始める。
「使節団御一行様、まもなく大統領が入室します。」
そう言われたので使節団一同は皆気持ちを引き締める。
そして、大統領らしき人物が入室した。
「こんにちは使節団の皆様。私はアメリカ合衆国第48代目大統領のアンソニー・ウォレスと申します。この度は、はるばる遠くからおいでいただきありがとうございます。どうぞ気を休めてください。」
「こ...こちらこそ、貴国のお気遣いに感謝します。」
そう言うと、大統領は使節団の前に座った。
「あ...あの──」
「使節団の皆様は、我が国に国交を締結するためにここにいらっしゃった、間違いないですか?」
「は...はい...間違いないです。」
そう言うと、大統領は近くにいる男に紙をもらった。
「では、こちらの文書にサインをしてください。」
大統領は使節団団長の机に、事前に用意していた文書とペンを置く。
その文書には、大陸共通語でこう書かれていた。
【貴国は、我々アメリカ合衆国と正式に国交を締結し、貴国の防衛のために領土内の一部区間にアメリカ軍の駐屯基地を設置する事に同意する。尚、この文書に同意すれば、貴国に我が国のインフラを設けることを約束する。】
そうアネットがおおまかに見終えると、何か不可解なのか、困った顔をする。
(この文書...大陸共通語で書かれている...)
「すみません、ちょっとお時間頂けませんか?」
「はい、いいですが...」
するとアネットは、隣にいる男に小声で助けを求める。
「ねえ、これって何て読むの。私大陸共通語が読めないから代わりに読んでくれない?」
「お、おお分かったぞ。」
そう言うと男は、彼女に聞こえる程度の声で内容を伝える。
「そういうことね、分かった。」
するとアネットは、文書にあるサイン欄に、丁寧に文字を書く。
(やっとか......)
大統領は、使節団がやっと書き終えてくれたので、少しホっとした。
「では、使節団が文書にサインしていただきましたので、我が国との国交は正式に結ばれました。本日は遠くからおいでくださったので、さぞかしお疲れでしょう。本日は、我々が特別に使節団を宿泊できるホテルへとご案内します。」
その言葉に使節団一行は、頭が混乱する。
「あ...ありがとうございます。」
「そうですか。ではホテルへと向かう車に案内します。どうぞこちらへ。」
そう大統領が言うと、使節団一行は、ホワイトハウスの前に止まっている車へと向かう。
「大統領、こんなに接待して大丈夫なんですか?」
「まあいいじゃないか、遠くから来てるというのに宿泊できる場所が無かったら、疲れがとれないだろう。」
「まあ...そうですね...」
そう言うと大統領達は、仕事が終わったので執務室へと戻った。
同日午後10時前
ーアメリカ ワシントンD.C ポトマック川沿いにある高級ホテルにてー
このあと使節団一行は、ポトマック川沿いにある高級ホテルへと移動し、そこで長旅の疲れを癒していた。
そのホテルにある二人部屋の個室には、アネットと、使節団の仲間である女性がくつろいでいた。
「ふぁぁ...眠いなぁ...まさかこんな扱い受けるとは思わなかったよ。」
「それにしても、私達ってラッキーだよね。ベッドはふかふかで、ホテルの夜景は王国より綺麗、更に部屋は快適だし、なんか楽園にいるみたいよね。」
「本当よね。だって捻れば水が出るんだもの、こんな簡単に水が出るような機能が王国にもあれば、苦労はしないんだけどねぇ。」
そうアネットが言うと、仲間の女性が掛け時計を見る。
「もうこんな時間か...アネット、そろそろ寝ようか。」
「そうだね。」
「おやすみ。」
そう言うと、二人部屋の灯りは消灯した。
ーその日のアネットの日記にてー
私は、このアメリカという謎に満ちた国に訪れた。最初に上陸して思ったのは、あまりにも高い建物が多かったことでしかない。更にあの白い小さな宮殿みたいな所に到着するまで、辺りには謎の鉄塊がものすごい速さで動いてた。私達が住んでいる王国の移動手段である馬車よりかなり速い。しかも大統領という国家元首が、我々を敬うかのような口調で話し、ついでに我々を快適な宿場へと送ってくれた。私達猫人族は、普通は人間から見下されてもおかしくないというのに、こんな扱いを受けるのは生まれて初めてだ。
正直言って、こんなに文明が発達している国は、列強国でも無いかもしれない。私は、列強国を上回る技術力を持っている、アメリカという国と国交締結が出来た事に感謝している。
同年1月22日午前8時前
ー日本国 総理官邸ー
東アジアに属する、技術力が格段に高い国、日本。
この国は、アメリカとロシアに次いで異世界の国と接触し、その中で唯一異世界の国々との外交を多く築いており、いわば成功した国家なのだ。そのため、日本から東に2300キロ離れている『セクノラティア大陸』や、元々サイパン島があった地点に発見された、ニューギニア島の2倍くらいの面積の『ケレジウス大陸』といった所まで外交を結んだのだ。
日本は、2020年代末までに、自衛隊から国防軍に組織名を変更し、更に国防軍に正式に変更した後、対中国のための軍備拡張を行い、結果として、戦後日本が保有できなかった航空母艦であり原子力空母の『あしたか』が就航し、更には原子力潜水艦の『くろしお』形が就航。その規模はもはや、かつての大日本帝国海軍の復活そのものだった。
国防陸軍は、弾道ミサイル──JAXAのロケットを改造した物だが──を開発し、中国からいつ攻撃されてもいいような体制だった。
休日が終わり、これから通勤通学ラッシュで忙しくなり始める時間帯の東京。朝は寒く、人々は長袖のコートを着る姿が目立っている。
そんな東京にある、総理官邸の記者会見室には、朝にも関わらず大勢のマスコミ関係者がカメラを構えていた。
何故なら一昨日、マスコミ関係者に対して、政府から、重要な記者会見を行うと告知されてたので、これを聞いたマスコミはかなり早くからカメラをセットしていたためである。
マスコミ関係者は、官房長官が登場するのを今かと、首を長くして待っていた。
だが、記者会見開始予定時刻の午前8時を過ぎたが、まだ官房長官は出てこなかった。
そのせいなのか、一部のマスコミ関係者はあくびしながら待っていた。
すると1分後に、スーツに淡い青色のネクタイを着用した男が記者会見室に登場し、それと同時にカメラのフラッシュが瞬く間に点滅する。
彼は、官房長官の
マスコミ関係者は、よほど緊急かつ非常事態なのかと注目しており、これを見ていた視聴者もどんな事を発表するか注目していた。
そして、辻谷官房長官が発表の準備を整えると、マイクに向かって声を発する。
「ええ本日は、政府からの重要な会見に出席いただいた報道関係者の方々に感謝します。これは、内閣だけでなく、国民全員の脅威になりうる話でしょう。」
彼はマスコミに対する感謝と国民に対する注意の一言で会見が始まった。
「...では、本題へと移ります。我々は、一ヶ月前に国交を締結した、キルーシュカ魔法連合王国という名は、記憶に新しいかと思われます。この国も、我々と同じく転移国家ですが...一週間前に、キルーシュカ魔法連合王国が、我が国に宛てた手紙を送りました。外務省がその手紙の内容を読み、意味を解読した結果、キルーシュカ魔法連合王国が、我々日本国及び、ケレジウス大陸の国家に対して、宣戦布告してきた事を、国民の皆さまにお伝えします。」
そう真実を伝えると、一気にカメラのフラッシュが辻谷官房長官に向けられる。
そしてその記者会見を見ていた国民は、あまりにも唐突すぎる内容に、開いた口が塞がらなかった。
「現在我が国は、宣戦布告してきたキルーシュカ魔法連合王国に対して、外務省がこの状況を回避すべく、文通で和解を求めております。ですがキルーシュカからの返信はほとんどなく、これは完全なる戦時体制に入ったと言っても間違いないでしょう。国民の皆様、我が国と皆様の安全は必ずや我々が守ると約束しますのでご安心してください。」
そう言うとマスコミは本能を抑えきれず、ついに質問要求するように手を挙げ始めた。
辺りは「官房長官!」といった声が響いており、メディアから見ている者でも緊迫感が分かるくらいだ。
「ネット上での書き込みによると、転移したキルーシュカ魔法連合王国の超弩級戦艦が、日本国の海域に派遣されているとの憶測がありますが、それらは真実でしょうか?」
「現在それらに関することは何も情報はありません。」
すると別のマスコミ関係者が質問し始める。
「その魔法連合王国の戦争主導者はどうするつもりでしょうか?」
「ラフザーという名で知られるアクベンス13世という国王に関する情報の詳細は分かりませんが、早ければ居場所を突き止めてそのまま暗殺する方針です。」
そう言うと辻谷官房長官は、次の質問をするマスコミに指さしをする。
「キルーシュカ魔法連合王国が、魔法結界が張られている空飛ぶ空母を開発しているとの情報がありますが、それに国防軍はどう対応していくのですか?」
「対空能力がある兵器は出来るだけ戦地や航空機に配備し、更に魔法国家特有の防護結界があるだろうと推測されるので、仮に対空ミサイルが防護結界を貫かない場合は、対艦ミサイルを使用して対応します。」
そう答えると、更にマスコミの質問が増えており、官房長官は対応に追われていた。
「異世界外交の今後は?国交を結んでいる国々と協力したりしますか?」
「現在キルーシュカに近い大陸であるケレジウス大陸の一部国家に協力し、事態を収束させようと急いでいますが、今回の出来事によってどれくらいの被害が起こるかは分かりません。」
そう答えると辻谷官房長官は、退出する準備をし始めた。
「本日の記者会見及び質疑応答は以上になります。どうも、これで終わります。」
辻谷官房長官は、記者会見室を退出し始める。
「「「最後にもう1つ質問を!!」」」
そうマスコミ関係者が言うが、辻谷官房長官はそのまま退出した。
もし良ければ感想や評価をお願いします。
読者様、長らくお待たせしました。遂に日本国編が開幕します。
次回は恐らく会議だけになると思います。
何しろ日本国の政治に関する知識が乏しいので...
次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です
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異世界の国が突如日本に宣戦布告する
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異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
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異世界の国に対し日本が宣戦布告する
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その他(日本じゃないどっかの国が舞台)