世界は戦争が多い異世界へと転移したようです 作:スターリニウム
前回国防軍が登場すると書いてましたが次回に回して頂きます。すいません。
2036年1月25日午前10時頃
ー日本国 総理官邸 大会議室にてー
アーテリカ王国海軍がキルーシュカ魔法連合王国から絶望的な被害を負っていたその日から、日本国では大会議室で、あれ以来毎日のように国家安全保障会議を行っていた。マスコミは今日も総理官邸前で集っていて、それを見ていた通行人は共通して、懲りないなと思っていた。
大会議室はいつもの5つの行政機関の大臣と長官が集結していて、その顔は、連日の会議のせいで疲れたような顔をしていた。
だが、今回の会議は違った。何故ならアーテリカ王国の国王アルフィルク8世を招待しての会議だからだ。
「それでは、ただいまより会議を始めます。まずは国王アルフィルク8世のお言葉がございます。」
そういうと、アルフィルク8世は座っていた席を起立する。
「では、私からお話をします。日本国の官僚殿はご存じないかと思われますが、我が王国の戦列艦艦隊が一昨日...キルーシュカ魔法連合王国の巨大な軍艦から攻撃を受けました。」
その言葉に大会議室は緊張した雰囲気に包まれる。
国王アルフィルク8世の説明は続く。
「その巨大な軍艦に関することですが、運良くその攻撃から生き延びた戦列艦の艦長や指揮官に聞いてみたところ、どうやら我が王国の戦列艦をも越える大きさと威力だったと言っていました。」
すると、総理大臣は隣に座っていた国防大臣に小声で話しかけているのが見えた。
「あの...総理大臣殿?」
「あ、これは失礼しました。」
この光景に国王は、本当に国防の全てをまかせていいのかと悩んだ。
すると、国防大臣が国王に話し掛ける。
「国防大臣です。突然すみませんが、国王は我が国の国防軍の参加に許可をいただけないでしょうか?」
国防大臣からの、日本国国防軍の参加の許可という内容に国王は頭が追い付けなくなる。総理大臣との会談で流れは大体つかめているが、今回は初めての戦略会議なので、流れが今一つだ。
「と、言いますと?」
「貴国の戦列艦艦隊がその巨大な軍艦を目撃し、それと同時に攻撃を受けてしまい甚大な被害を及ぼしたのは分かりました。ですからその代償として、我が国がキルーシュカ魔法連合王国に対して攻撃をします、なのでその許可をいただけませんかということです。」
「な、なるほど。そういうことですか...我が王国、いや、ケレジウス大陸全部の国で戦っても到底あの軍には勝てはしないでしょう、日本国国防軍の参加に許可します。」
「許可を頂き、感謝します。少しでもお力添えになるように、我々も出来る限りの援護をしたいと存じます。」
そういった流れで会議は、意外と早くおよそ3時間で終了した。この会議での結論は、次のようなものである。
日本国国防軍の軍事的関与を許可する。
キルーシュカ魔法連合王国からの攻撃を大陸共同で阻止する。
といった事が会議によって確定事項となった。
この影響で、現地の人々はアーテリカ王国にキルーシュカ魔法連合王国が上陸するのは不可能と思われていた。会議直後にキルーシュカ魔法連合王国の上陸部隊が上陸するまでは.........
同日午後0時56分
ーアーテリカ沖 魔法連合王国軍上陸部隊ー
その頃、アーテリカ沖では、灰色の船の大群がアーテリカ沖に集結していた。後方にはあの超弩級戦艦も入っている。
太陽は真上に位置し、赤道に近いためか冬ても暖かい。
キルーシュカ魔法連合王国の上陸部隊は、大勢の兵士や兵器を敵地に早く送り込むために多くの戦車揚陸艦や、攻撃輸送艦が列のように作戦開始の指示を待っていた。
この作戦では、アーテリカ王国のワイバーン対策のために数隻の航空母艦が派遣されているのだ。
その航空母艦の艦載機であるアルクテュルス戦闘機は、最高速度は570km/hというワイバーンを余裕で越える速度だ。武装は7.5mm機関魔法銃四丁だけだが、発射レートが早くてオーバーヒートしにくく、かなり扱いやすい武器なのだ。
超弩級戦艦には、艦長のアルゲーディと、作戦司令官のバナーレクが艦橋からアーテリカ王国があるケレジウス大陸を見つめていた。
すると作戦司令官のバナーレクがアルゲーディに話し掛ける。
「もうすぐだな。」
「はい、今回の上陸作戦は新たなる大陸支配のための第一歩になるでしょう。」
「うむ、誉れ高き魔法連合王国がこの世界に転移してはや2ヶ月、遂にこの世界の文明と交戦する時が来たとはな。所詮木造船ごときの国なんかに負けはせん。」
「私も、この世界の海軍と戦いましたが、やはり木造船の集団はあっさりと撤退しました。」
「そうか...作戦開始の時まであと3分。各船の状況はどうだ?」
「現在、魔法連合王国海軍遠征艦隊の全艦艇の主砲及び副砲の装填が完了しており、上陸部隊を乗せた戦車揚陸艦と攻撃輸送艦の準備は万端ですので、今作戦は余裕で成功するかと。」
「なるほど......」
「さらに言えば、敵の抵抗が激しかった際に備えて、普通の戦車群の中に特殊戦車も混じっています。」
作戦開始の時が来るまで、二人は会話を続けていた。
そして、作戦開始時刻である午後1時まであと10秒を切ると、作戦司令官は魔通信を通して全艦艇に圧のかかった声を発っする。
「作戦開始ぃぃぃ!!!」
そして、午後1時アーテリカ王国上陸作戦が開始した。
同じ頃
ーアーテリカ王国 王都アーテリアから北に145キロ離れた海運都市エスパリスー
日本国での会議がちょうど終了した頃、海運都市エスパリスの港は、被害を負った戦列艦の修理や、行き来する船で溢れていた。
アーテリカ王国の海運都市エスパリスは人口46万人で、王国の貿易拠点でもあり、アーテリカ王国海軍の軍港でもある。だが港の両側にあるきれいな白い砂浜は、夏になると大勢の観光客で押し寄せるのだ。
この海運都市エスパリスに在住するラチェスは若くして修理士の仕事に入り、現在王国海軍の戦列艦の修理を仲間としており、今は遅い昼食を仲間と食べている。
「なあ知ってるか?あの戦列艦があんなに大破しているのは巨大な軍艦からの攻撃らしいぞ。」
「本当か?」
「ああ、あの戦列艦に乗っていた艦長がどうやら見たらしい。」
「へぇ、で、どれだけ威力を持ってるんだ?」
「それなんだが、艦長に聞いたら、とにかくその船の砲弾が当たったら船は爆発しながら沈むんだってさ。まあ出港した時よりもかなり減ってたし、そもそもそんな国は日本以外ないから、どっちかといえば信用できる話だな。」
「そうか?日本が王国を裏切って攻撃したんじゃないのか?」
「それは流石にないだろ。」
そう会話していると、仲間の一人が何かを誘いに話し始める。
「なあ、ここんとこ戦列艦の修理で疲れてるし、一回外に出てみようぜ。」
「お、そうだな。」
仲間の一人の提案に乗ったラチェス達は、戦列艦の修理をしている施設から出て、近くの砂浜でリラックスした。
「なんか久々に外に出たかのような気分だな。」
「昨日もここに来ただろ。」
そう仲間が言うと笑いが起こる。
「なんか、この国は戦争状態なのに、平和みたいだな...」
そう言いながらラチェスは、砂浜から見える海を眺めていた。仲間は疲れのせいか、砂浜でぐっすり寝ている。
(なんて綺麗だろうか。)
そう思いながらふと水平線を見つめると、そこには明らかに自然の色ではない何かが水平線上に整列していた。
(...え?何だあれは?まさか夢じゃないよな?)
試しに自分の顔を平手で軽く叩くが、水平線上に浮かぶ何かは消えなかった。
(夢じゃない...?てことは!)
その時、平和な日常を過ごしていた海運都市エスパリスのあらゆる地点に突如火山が噴火したかのような爆発が起こった。
実は水平線上に浮かぶ何かはキルーシュカ魔法連合王国の上陸部隊が待機する戦車揚陸艦や攻撃輸送艦の群であり、火山が噴火したみたいな爆発を相次いで引き起こしているのは魔法連合王国の遠征艦隊の艦砲射撃である。
仲間はこの音に飛び起き、何が起きているのか理解できていなかった。
「お、おいラチェス!一体何が起きてるんだ!!」
「わ、分かんねえよ!水平線上に浮かぶ何かを見ていたら、いきなり火山が噴火したみたいな爆発がしたんだよ!」
そうこうしていると、ラチェス達が寝ていた砂浜にまで艦砲射撃の砲弾が着弾していく。
「とにかく逃げるぞ!」
ラチェス達は、安全なアーテリカ王国軍の駐屯地へと向かってすぐさま走った。エスパリスへの艦砲射撃は段々と濃密になってくる。
海運都市は大混乱に陥っていた。辺りは安全な場所へと向かうべく走り惑う住民や、艦砲射撃の砲弾を回避しながら中心部へと向かうべく、ボルトアクションライフルみたいな旧式魔法銃を構えた戦士隊や、ステッキを大事に持つ魔術師などで溢れかえっていた。ラチェス達は、逃げ惑う住民の中に紛れながら、駐屯地へと向かっていた。
「おい、駐屯地に行くってどういうことだよ!」
「駐屯地にいけば、そこで軍隊が食糧や飲み水だってある。」
そう説明していると、艦砲射撃によって家屋に砲弾が直撃し、辺りに瓦礫を撒き散らすが、そんなことを気にせずにラチェス達は走る。
すると、たまたま近くを通った駐屯地方面の貨物用馬車にすぐさま乗り、しばらくの間はこの馬車に乗ることになった。
海を見れば、綺麗な白い砂浜は艦砲射撃によって所々地面に穴が出来ていて、空を見上れば、光るなにかが暴風雨のように降り注ぐ。街を見れば、瓦礫の下敷きによってもがき苦しむ者、運悪く砲弾が近くに着弾し肉塊を撒き散らす者など、この世のものとは思えないような光景が広がっていた。
「俺達...なんか悪いことでもしたのか?」
と、ラチェスは疑問に思いながら抑揚のない呟きをする。さっきまで笑顔だったラチェス達の顔は、今や見てはいけないものを見てしまったような表情だった。
同じ頃、アーテリカ王国の砂浜に近い道路にある塹壕では、戦士隊が旧式の魔法銃を構え、魔術師は後方で攻撃魔法を撃つ準備をしていた。
戦士隊隊長のケフェズは、愛用の魔法拳銃を手に構えながら水平線を見ていた。
「隊長!水平線から灰色の小さい舟が近づいてきます!」
そう兵士が言ったので目線を向けると、水平線から無数の上陸艇が砂浜に近づいてくるのが見えており、その中に一つだけ戦列艦並の大きさくらいのが迫っている。
「構えぇぇぇ!!!」
ケフェズが大声で言うと、戦士隊は旧式魔法銃のサイトを覗き、魔術師は攻撃魔法の火炎玉をチャージしていた。
そして、上陸舟が砂浜に着岸し、前方のハッチが開いた瞬間声を荒らげた。
「撃てえぇぇい!!!」
そう言い放つと、旧式魔法銃から弾丸が発射し、魔術師の攻撃魔法の火炎玉が一斉に放たれた。
旧式魔法銃の弾丸は突撃してくる魔法連合王国軍兵士の肉体に入った瞬間すぐさま倒れ、魔術師の火炎玉は地上に着弾すると火炎瓶を投げたかのように一気に火が広がり、それに巻き込まれた兵士は海に入っても鎮火しない仕様の火なので、もがき苦しみながら死んでいく。
その流れに応じて、騎士団数個師団を砂浜まで一気に送り込み後退させるという方法で対抗した。
だがいくら戦士隊や魔術師を呼び出しても技術力に勝る魔法連合王国軍が負けるはずもなく、すぐさま反撃に転じる。
魔法連合王国軍兵士の主武装でもある新式魔法銃は、我々で言う半自動ライフルみたいなようなものなので、ボルトアクションのようにいちいちボルトを動かす必要が無くなったため、効率的に敵を殺傷させることが出来た。さらに一部の兵士には発射レートの高い軽魔法機関銃を持たせており、まさに魔法技術の最高峰といっても過言ではなかった。
そのため、軽魔法機関銃の攻撃で突撃する騎士団がばったばったと倒されるのを見たケフェズは、すぐさま手元の魔通信で航空支援を要請する。
「こちら戦士隊!現在魔法連合王国軍の上陸地点にて交戦中!至急ワイバーンによる支援攻撃を要請する!」
「了解、ワイバーン部隊の距離はあと数キロだ。それまで耐えてくれ。」
あと数キロというワードにケフェズは心が沈むが、気を取り直して魔術師や戦士隊に報告をする。
「全兵士に告ぐ!もうじきで我々王国のワイバーン部隊が支援攻撃をしにくる!それまでここを守りきるんだ!」
ワイバーン部隊が来ると聞いた瞬間、やる気になったのか戦士隊や魔術師の攻撃の速度が上がった。そのおかげか、かなりの敵兵が死んでいた。あとはワイバーンの部隊さえ来たら、ここの防衛は突破されないと思っていた。
だが、その希望は一つの戦列艦並の揚陸艦の着岸によって絶たれる。
戦列艦並の揚陸艦が砂浜に着岸すると、前部のハッチが開き、鋼鉄の箱が生き物のように砂浜へと前進し出した。魔法連合王国の戦車だ、しかもその中に一台戦車の砲塔上部に複数穴の開いた小さな箱のようなものまである。これを見た魔術師や戦士隊は体が固まる。
「お、おい、これが話で聞いた戦車ってやつなのか...?」
「怯むな!あんな鋼鉄の箱なんぞ、ただの飾りに過ぎん!攻撃魔法をひたすら喰らわせ続けば爆発す──」
すると、魔法連合王国の戦車の砲撃が始まり、その砲弾に巻き込まれた兵士達は勢いよく上に飛ばされ体の一部分を失いながら死んでしまう。
この瞬間を見たケフェズは悩んだ。もし後退なんかすれば、兵士達の士気は下がる。かといってここで戦い続けるには限界がある。そのため、ケフェズは最後の手段を選ぶことにした。
「全員ここから突撃するぞ!ワイバーン部隊の到着は待てない!」
そう言うと、戦士隊は銃剣の付いた銃口を前に向け、魔術師達は魔法杖やレイダークラブを持ち、格闘のためにいつでも殴れるように構えた。この時、魔法連合王国軍の大群はアーテリカ王国軍の塹壕に着々と進んでいた。
そして、ケフェズは死を覚悟して憤激の雄たけびを上げる。
「突撃ィィィィィィ!!!」
その叫びと同時に戦士隊や魔術師達も凛とした声で叫び、塹壕から飛び出す。
「王国ばんざぁぁぁぁぁい!!!」
その瞬間、砂浜に向かって大勢の軍が津波のように魔法連合王国軍に襲い掛かってきたのと同時に、魔法連合王国の攻撃が始まった。
だが攻撃のタイミングが遅く、アーテリカ王国の騎士団、戦士隊、魔術師達は魔法連合王国と格闘戦闘を始める。そしてこのタイミングで、ワイバーンの部隊が砂浜に到着した。
砂浜の近くは、今や修羅場と化していた。砂浜は艦砲射撃や戦車の砲撃で無数の穴が開いており、ワイバーンからの火炎攻撃も始まっていた、ある者は手に持っているレイダークラブで敵兵の頭をかち割り、ある者は銃剣突撃によって地面に叩きつけられて死ぬ。またある者は、突撃してくる敵兵に対して近くにあった剣を腹部に刺し殺し、ある者は怪我して動けないところを戦車の無限軌道に踏み潰されながら絹を裂くような悲鳴を出すなど、阿鼻叫喚を極めたような状況で、それは中世の時代がそこにあるかのようなものだった。飛び交うものといえば、魔法連合王国軍の魔法銃から放たれる弾丸と曳光しかない。
だが、その光景を麓にある山から双眼鏡で見ている者がいた。その者が着ている服は、魔法連合王国とは違い、緑や茶色などの色が混ざった斑模様の服を着ている。
「これは酷いな...まるで硫黄島の戦いぐらいの熾烈な戦いが起きているな。」
「はい、今のうちに我々も支援攻撃を行わないと、エスパレスは確実に敵の手に落ちます。」
「だな、よし神田、このことをすぐに支局に通達しろ、ついでに航空支援もな。」
「了解です岩田陸曹長。」
そう言うと神田は無線に、攻撃ヘリや戦闘機の火力支援を要請した。
そして遂に、日本国国防軍の牙が魔法連合王国へと向く......
もし良ければ感想や評価をして頂けると嬉しいです。
次回は日本国国防軍が魔法連合王国を返り討ちにする予定です。
次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です
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異世界の国が突如日本に宣戦布告する
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異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
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異世界の国に対し日本が宣戦布告する
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その他(日本じゃないどっかの国が舞台)