世界は戦争が多い異世界へと転移したようです 作:スターリニウム
それではお楽しみください!
ーエクリクシス大皇国首都ヒルデガルド 王室にてー
「何だと!?我が国の精鋭ワイバーン部隊が、あのロシア共にやられただと!?ふざけるな!!!」
そう部下に怒鳴っているのは、ロシアに宣戦布告を宣言した、エクリクシス大皇国皇帝エーヴェルト3世である。
彼は、自分が生まれ育った国に対して、かなりの愛国心を抱いており、その愛国心は時々、悪い方向に導いたりする。また、自国と同盟締結していない国に対しては、即座に格下扱いをするということが多々起きている。
その為、もし皇帝に、我が国より優秀な国が付近にいると報告すれば、彼以上に他国に対して嫉妬する人間はいないだろう。
それが、この結果である。
「ですが、あれは我が軍が敵に数で勝っていなかったからです。なので、ロシアの侵攻予定地と思われる、リスチーネハムンに我が陸軍を総動員で集結させました。リスチーネハムンに集結させた兵士は、予備兵力も含め、約300万人です。しかも、優秀な魔術師達がそこに多く住んでいます。これなら、流石のロシアでも侵攻を防げるでしょう。」
部下が自信満々に伝えると、皇帝は少し気分がよくなった。そのせいか、微笑みながら独り言を呟いた。
「ロシアよ、見ていろ。お前らは次の戦いで大敗北を味わうがいい!」
そう言うと、皇帝は口を大きく開けながら笑った。
2035年11月14日
ーロシア陸軍 リスチーネハムンからあと2キロ地点ー
ロシア軍は、作戦当日の朝ごろに出発し、出発してから約10分が経とうとしていた。兵士達は朝だということもあってなのか、まだ眠たそうにしている兵士もいた。
そんな中、主力部隊が突撃する前に攻撃準備前射撃が始まろうとしている。
「いいか、今から、待機しているロケット砲大隊がリスチーネハムンに攻撃する。発射し終えたらその後、装甲車両を先頭にリスチーネハムンに向かって俺らが突撃する。いいな?」
「「「了解!」」」
「ロケット砲大隊、発射準備はいいか?」
『こちらロケット砲大隊、発射準備完了。いつでも撃てます。』
「よし、俺らに宣戦布告したことを後悔させてやるぞ。」
それは、リスチーネハムン全域が地獄絵図になる前のことだった。
ーリスチーネハムン クラリビツァ地区ー
一方その頃、リスチーネハムンの全域はこのあと地獄絵図になることを知らず、穏やかな朝を迎えていた。だが、通りには鎧を着た兵士達や、無防備に見える魔術師達が、常に周辺を監視していた。
その中の1人、魔術師のイヴァナは、ここ最近、深夜のリスチーネハムン外部の監視で疲れきっていた。
「はぁ.....なんでこんなことしないといけないのよ.......」
彼女は、魔術師になったばかりの人間であり、いわゆる新入りだ。その為、使える魔術は、軽い治癒魔法と、火炎魔法しか扱えない。
すると、向こうからラッパが聞こえてきた。 起床の合図だ。
お腹が空いたので、朝食が売られている広場に行くと、そこにはお腹を空かせた兵士や魔術師達で溢れていた。
リスチーネハムンは、軍需施設が集結しているので、ロシアの爆撃目標に入ってしまい、かなりの建物が被害に遭ってしまったため、商店街も復旧にかなり時間がかかる。なので、朝昼夜の内、ある時間帯に開く市場は、街のエネルギー源になっている。とはいっても、戦時中なので復旧をほったらかしにしているのだが.........
そんなこんなで、朝食を購入すると、広場にある椅子に、金髪のロングヘアーの若い女性が座っていた。彼女は幼馴染みのシャリアだ。
「おはよう、イヴァナ。」
「おはよう、シャリア。そこに座っていい?」
「いいわよ。」
イヴァナは、シャリアの前の席に座った。
「今日は、ちゃんと起きれたみたいだね。」
「起きれるわよ、子どもじゃないんだから。」
「じゃあ、昨日の訓練で誰よりも遅くなって来たのは誰だったっけ?」
シャリアは、そんなに古くない昨日の訓練のことをイヴァナに聞いてみた。
「もう、そのことは忘れてくれない?」
「ごめんごめん。どう?この生活にも、慣れた?」
「うん、少しはね。」
「そう、それはよかった。」
二人がそうにこやかに話しながら食事をしていると突然、一人の魔術師が大きく叫んだ。
「空から光るなにかが降ってくるぞ!!!」
一同が空を見上げると、そこには無数の光るなにかが降ってくる。
「ねえシャリア、なんか嫌な予感がするけど。」
「ええ、私も同じ。」
そう呟いた途端、光るなにかが、地面に着いた瞬間、爆発し、爆発付近にいた人達は、全身ごと吹き飛び、その遺体は原型をとどめないぐらいだった。
「嘘でしょ、まさか訓練で言われたロシア軍の攻撃!?」
仲間が次々と、ロシアのロケット砲攻撃に吹き飛ばされていく。しばらくすると、辺りは爆発の痕や、苦しむ仲間、血で溢れかえった石畳、崩壊した建物、まさに地獄絵図だ。だが、その光景を黙って見てはいられなかった。
「早く治療しないと、このままじゃ、みんなが死んじゃうよ!」
そうシャリアが言うと、イヴァナ達は、まだ生きている仲間達で、もがき苦しんでいる人達を助けに行った。イヴァナは、足全体が無くなっている兵士を助けに行った。
「大丈夫ですか?」
「あぁ....熱いし痛いよ.......直してくれぇぇ.........」
彼女は、治癒魔法を兵士にかけた。
だがもうすでに手遅れだった。魔法をかけて数十秒も経たたないうちに、死亡する。
「シャリア、そっちはどう?」
「だめ、今の魔力じゃ完全復活できない。」
すると、何やら奥から、鋼鉄の箱の郡が、こちらに接近する。そう、この中には、あの凶悪な車両も含まれている。
「私たちも攻撃しないと!」
「そうね。」
彼女達は、魔術師達と一緒に、火炎魔法などを鋼鉄の箱の郡に撃ち放った。
だが、どんな魔法を撃ち放ってもびくともしない。
その事に気づいた一部の魔術師は、死んだ兵士の剣やダガーを持ち、突撃する人もいた。
だが無意味にも突撃する人達は、火炎放射器によって、火達磨になっていた。
戦争映画で出てくる火炎放射器は、文字通り炎を吹き出しているが、実際は火のついた可燃物を高圧で吹き飛ばす兵器だ。
そのため、普通の家なら数秒もせずに火達磨にできた。その威力を生身の人間が喰らうともなれば、ただでは済まない。
「ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「助けてくれえぇぇぇぇ!!!!!!」
「水!みずうぅぅぅぅ!!!!!」
そうわめくと、彼らは燃えながら、バタンと倒れた。
今度は、無数の光る槍が、残った仲間を殺していく。
光る槍を避けるべく、ベテラン魔術師が結界を張り、他の魔術師達が攻撃を再開する。だが、結界を張ったのと同時に、戦車からの砲撃が始まる。
すると、あっさり貫通し、付近にいた仲間は皆、大ケガをしていた。
「うぅ......痛いよぉ.......」
「誰か......俺を回復.......させてくれぇ......」
この状態では、もはやリスチーネハムンをロシアから守るのは不可能に近い。
二人が必死に回復させても、魔力には限界がある。
「どうする?シャリア。」
「仕方ないわ、降伏しよう。国には申し訳ないけど。」
その言葉に守備隊の皆は、これ以上死者を出したくないと思い、夜の10時頃、リスチーネハムンの全部隊が、ロシアに降伏した。
降伏した彼らは、この後、本土へと送られ、収容所で尋問をさせられた。その後、殺すわけにはいかないので、情報を聞き出せなかった人以外は、ロシアの兵士になったそうだ。
リスチーネハムンに今までたなびいていた旗は、 深緑、白、黒の三色旗に、真ん中から左に少しずれた所に、紋章で構成されてた、エクリクシスの旗だった。
だが今は、白、青、赤のロシア国旗が、リスチーネハムンで高くたなびいていた。リスチーネハムンは、ロシアの手に落ちたのだ。
ロシアは早速、異世界で手に入れた魔術師達を集め、新設した魔術師部隊に配属させた。その部隊は別名、短剣部隊とも呼ばれている。由来はほとんどの魔術師が、華美な短剣を携帯していたことから、この名が付いたそうだ。この中には、二人も入っていた。
ー首都ヒルデガルド 王室にてー
「リスチーネハムンの全部隊が、死守命令に逆らい、全部隊が降伏しました。」
部下が報告すると、皇帝はまたもや機嫌が悪くなる。
「くそっ!、こうなったら.....」
「何でしょうか。」
「緊急命令だ!首都に在住する男子全員、皇国突撃隊に入隊させろ!入隊を拒否する奴は容赦なく死刑にさせておけ!分かったらとっとと軍事司令に伝えろ!」
そう怒鳴ると、部下は口を細めて言った。
「りょ....了解しました。」
そう言って部下は、軍事司令に伝えに行った。
「ふふふ......待ってろよロシア共め......私を舐めるなよ.............」
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次回は、番外編をするつもりです。