世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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番外編 ロシアに送られた魔術師と兵士達

ーリスチーネハムンのとある広場ー

 

リスチーネハムンの全部隊が降伏してから、約10分程が経った。

 

辺りには建物の瓦礫や、死体、装甲車両、エクリクシス兵、ロシア兵、魔術師でいっぱいだった。

 

「降伏しちゃったけど....これでよかったのかな?」

 

イヴァナは、シャリアに問いかける。

 

「これでよかったの、死ぬより、まだ生きているほうが良いから。」

 

そう話していると、ロシア兵が声をかける。

 

「おい、今からあのトラックに乗ってもらうぞ。ついてこい。」

 

そう言われたので、イヴァナ達は仲間が乗っている輸送トラック(ウラル・タイフーン装輪輸送車)に乗車する。

 

この時点で、物理攻撃ができる武器はすべてロシアの部隊に取り上げられている。

 

乗ってみると、中は狭く、仲間達で満員だった。

 

その後、なにか音がし始めてまもなく、輸送トラックは移動を開始する。

 

前を見てみると、トラックの車列や、AFV(装甲戦闘車両)が見える。これは、もはや逃げることが出来ない。

 

そうすると、青髪の若い女性魔術師が、運転手に話始める。

 

「ねえ、私たちってこの後、拷問されたりしない?」

 

そう言うと、運転手は答えた。

 

「ああ、そうさ。ただし、俺らに情報提供をしてくれたらの話だがな。」

 

その事に、魔術師達は動揺する。

 

「何も言わなかったら結局殺されるのかよ。」

 

「それって本当?」

 

「はぁ、死にたくないよぉ。」

 

ごちゃごちゃと言っているうちに、トラックがいきなり停まった。どこに着いたのか疑問に思っていると、ドアが開いた。

 

「さあほら、とっとと降りろ!」

 

そう怒鳴られて、急いで降りた。だが、次の指示がくる。

 

「手を頭にのせろ!」

 

手を頭にのせると、並んでいる列へと行った。すると、ロシア兵が説明を始めた。

 

「今から本土に向かうために、あの船に乗ってもらう。ちゃんと指示した通りに動け。」

 

そう説明しているといきなり、近くで、一人の魔術師が逃げ出そうとした。

 

だが逃げてまもなく、銃声が響き、弾丸はその魔術師の背中に複数穴を開け、その後死んだ。

 

「逃げたらこうなるぞ、わかったか。」

 

撃った兵士が捕虜達に警告する。

 

その後、最前列が最初に船に乗リ始める。

 

「・・・次!」

 

次々と乗船し、最後列が乗り終えると、船は出港した。

 

船の中はというと、狭くて暑く、ぎゅうぎゅう詰めの状態だった。

 

ようやく到着したのは、およそ一時間後くらいだった。

 

ー午前0時15分 チェリャビンスクから数十キロ離れた港にてー

 

下船した彼らは、すぐに身体検査を受けた。なにか武器になりそうなものが見つかれば、すぐに殺されることが起こりうる。だが、シャリア達は、運良く疑われることはなく検査をクリアした。

 

「私たち生きてて良かった。」

 

そうシャリア達は心の中で呟く。

 

次の移動手段も、結局輸送トラックで、最初に乗った時に感じた狭さも、もう慣れている。

 

しばらくすると、チェリャビンスクの市街地に入った。

 

「すごい大きい街ね。」

 

そうイヴァナが呟く。

 

「本当ね。」

 

またしばらくすれば、チェリャビンスクの郊外に停車した。

 

降りてみると、そこには、有刺鉄線が敷かれた壁や、広い敷地、多くの監視塔、鉄格子の窓があり、文字通り収容所に来たのだ。

 

「ねぇシャリア、なんか怖い予感がする.....」

 

「ちゃんと指示に従えば、なんとかなるよ。」

 

収容所に入ると、中は清潔で、彼らの思う収容所とは違い、驚いていた。

 

そして、尋問室に近いところで、彼らは順番を待たされていた。もちろん兵士が管理の下でだ。

 

そして、彼らの尋問が始まる。

 


 

「まさか異世界文明の人間に尋問するとは、聞いていないぞ。」

 

そう話すのは、今回の尋問を担当することになった、ヴァシレフスキーだ。

 

「仕方ないだろ、急きょ変更になったんだからよ。いちいち文句言ってると、上の人間に聞こえるぞ。」

 

「仕方ない、ほら、入れ。」

 

そう呼ぶと、金髪の若い女性が、入ってきた。そして、静かに椅子に座った。

 

この尋問室には特殊な仕掛けが施されている。

 

尋問室の隣にある小さい部屋は、尋問室の様子を伺えるが、尋問室からはその部屋は見えない。つまり、監視されていることをカモフラージュするための仕掛けが施されている。

 

「では、あなたの名前は?」

 

「私の名前は、アンネッテ・リネーア・シャリアです。」

 

「年齢は?」

 

「17歳です。」

 

「どういう職業をしているんだ?」

 

「魔術師です。今までは魔術師の見習いとして勉強していました。」

 

すると、ヴァシレフスキーは睨みながら質問した。

 

「その魔術とやらは、どのような種類があるのか、またどうすれば作動するのか、教えてくれないか?」

 

「攻撃魔法や、治癒魔法等の、簡単な魔法は、その魔術の名前を言い放つとその魔法が作動します。反対に、防護結界等の大きい魔法となると、大気中にある『マナ』を呪文で結集させて、それを魔法に変換するんです。」

 

ヴァシレフスキーや、尋問室の隣の部屋で監視していた人達は『マナ』というものがなんなのか、謎に思った。

 

「で、我々でも魔法を作り出すことができるのか?」

 

そう言うと、シャリアは少し考えると、話始めた。

 

「おそらく難しいでしょう。そもそも魔法は、魔術スキルを習得しないと、どんな人間でも簡単に魔法は作動しません。」

 

ヴァレンフスキーは、良い情報を手に入れたと思った。

 

「よし、尋問は以上だ、情報を提供してくれたことに感謝する。」

 

「こちらこそ。」

 

お礼を言った後、シャリアは尋問室を退室した。

 

「何なんでしょうね『マナ』ってやつ。」

 

そう監視していた人がヴァシレンフスキーに聞く。

 

「さあな、でもどうやら『マナ』というものは、あいつらにとっては重要なものなんだろう。」

 

「なるほど。」

 

その後も、尋問は続き、中にはなにも話さない者や、ずっと抗い続けて結局殺された者もいた。

 

だが、このようなトラブルは少なかったので、意外と尋問は早く終わった。

 

ロシア国防省に、今回の尋問で獲得した情報を伝えると、尋問中で出てきたマナという単語や、魔法の詳しい内容に興味津々だったそうな。

 

その後、ロシア国防省は、魔術師達だけで構成された部隊を新設させることになった。




もし良ければ感想を。

次回はついにエクリクシス戦のフィナーレです。
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