『姉さんこんなことはもう止めてくれっ!』
『あら、どうして?』
『それは・・・姉さんのファンが悲しむからだよ』
『あら、そんなことを気にしてるのね。でもそんなことどうだっていいじゃない。所詮彼らは外面の私しか見ようとしないもの、誰も気付かないわ』
だから、一ツニナリマショウ
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
「あぁぁぁぁぁっ!!!!!」
まただ、また同じ夢だ、最近は見る数が増えてきた、クソッどうして、どうして夢の中まで干渉してくるあの姉は!
「6時か、起きて弁当作らなきゃ」
俺は冬月翔(ふゆつきそら)、今は一人暮らしで訳あって親の旧姓を名乗っている。ちなみに高一である。学生だが一応声優とイラストレーターの仕事をしてる。わざわざ校長の許可証をもらって、面倒くさい紙に何故やるのかと自分の意志を書いてまでもやっているそうしないと金欠になるからだが・・・まぁそれはいいクラスメイトにはばれてないし最近じゃぁ入学式やオリエンテーションも終わり、仕事に追われながら日々を過ごしていたら気が付けば6月の最初の週に入っていた。社畜かな?
「さて、記憶を整理しながらだとぼーっとして卵焼き焦がすこともあるし料理に集中するか~」
高校は羽丘だ、元は女子校だが数年前から少子化による各校の合併や共学化によるものである。日本人は製品の製造は良くて子供の製造はダメなのかな?
まぁいいか、だが元女子校とだけあって男子は少ない全体の3割ほどしかいない。なので入学した男子の大半は女性に飢えた奴かただ家が近いからといった理由の奴が多い。
「あ~平和っていいな~」
中学卒業までのあの頃に比べたらまだ平和だ、まだ
時刻は七時半そろそろ登校する時間だ
「筆記用具と財布と、よし大丈夫か、さてと行くとするか」
基本的にひとり言が多いが自分でもわかってるだがこの癖は治らない
音楽を聴きながらいつもどうりに登校する。
学校には7時50分頃に付く、教室に入り『おはようございます』と言いすぐに自分の机に座り本を読むこれが最近の行動である。周りは談笑に浸っているが彼は誰とも会話せず朝のSHRまでひたすら本を読んでいる。要するに陰キャである。なお未だに友人と思える人は居ない。
『あぁ~どうせ気が付いたら放課後になってんだろうな~』
基本的に彼は、授業などは真面目に受けるが頭の中では、ゲームのチャートか次に描くイラストのことなどを考えている。そのため気づけば大体放課後になっていることが多い。
「で、気づけば本当に放課後かよ。今日は仕事も休みだしイラストもすでに納入したし久々に暇だな、平日だしやることも限られるからな~そういえば今日はアンサンブル部が休みだったたけ、音楽室の鍵借りて少し弾いていこうかな」
「そうと決まれば誰かに見られる前にさっさと行くと・・・・・」
「やぁ翔、久しぶりだね」
「か、薫せんぱい?」
「あぁそうだよ君の知っている瀬田薫さ」
「・・・えぇお久しぶりです。在学されていることは分かっていましたがお会いするのは4か月ぶりですかね?」
「何故敬語なんだい?まぁいいさ、つまりそういうこと、なんだろう」
(どういうことだよ)
「ところで自分に何か用なのですか?」
「そうさ、是非とも演劇部入って」
「嫌です」
「・・・。」
「入部の勧誘ならお断りします。話はそれだけですか?なら自分は急ぎますので」
「まってほしい、話はまだ残っている」
「・・・何でしょうか」
「家には、あの家にはもう帰らないのかい?」
「・・・・・・・・・・。」
「そら?」
「話はそれだけですか、薫さん」
「」
「フリードリヒ・フォン・シラー曰く『お前が刹那から追い出したものを永遠は返してはくれない。』あいつに言ってください。俺は物じゃない。と」
「・・・。」
「では失礼します。」
(クソッ、やっぱり今日は帰ろう。さっさと寝て今日のことは忘れよう。)
千聖、どうやら彼は本当に戻る気がないらしい。