ある日の朝目を覚ましたオレを、
「ちょ、ぎゃあああああ!!」
家の天井を貫いて降り注いだ光が包み込んだ。
――目を覚ますと、そこには大勢の人がいた。
老若男女。
大人、子供、老人。
起き上がるとどよめきが起き、気にせず回りを見渡せば、そこは立派な装飾をあしらわれている馬鹿みたいに広い場所。
今度は立ち上がり、正面を見据える。
群がっていた者は皆左右に分かれ見えたのは、赤い絨毯の先にあるでかい椅子に座っている2人の男と女。
男は王冠、女はティアラを着けている所を見ると、その2人は王と王女なんだろうが……今の日本にそんな奴等は存在しない。
皇帝ならいるが、まあどうでも良い。
とりあえず、現状把握が先だ。
一番近くにいた紺色のローブを纏った女に話しかける。
返事は、確かに日本語で聞こえた。
その女に状況を聞き分かったことは大きく分けて2つ。
ここは地球ではない。
オレは2度と還ることができない。
フザケンナ。
至極当然であろう感情が沸いてきた。
ギリギリで抑え込み、座っている2人に近付く。
違う世界の住人であるオレが珍しいのか、すれ違う奴等は例外なく好奇の目を向けてきた。
余計に腹が立ってくる。
2人の前に辿り着いた所で一言放つ。
「――クタバレ」
身を返し、静まり返った玉座の間を外に向け歩く。
馬鹿でかい扉を潜り暫く歩いた所で見つけた部屋の中から、適当な服を見繕い身に纏う。
部屋を出て出口があると思われる方向へ進むこと約10分。
巨人の股を潜って外に出れば、そこに広がっているのは日本と掛け離れた景色。
一歩街の外に出れば常に死の危険が付き纏う様なこの世界で、オレは一生を過ごすことになった。
何が勇者、何が魔王、何が世界の危機だ。
自分達の世界なら自分達の力で何とかしろ。
人の存在を勝手に抹消しやがって。
力なんかいるか。
名誉なんかいるか。
富なんかいるか。
オレが望むモノは――とっくに持っていたのに。
一瞬で全部無くなった……何の関係もない世界のお陰で。
こんな世界がどうなろうと知るか。
オレはオレが生きたい様に生きてやる。
滅ぶなら勝手に滅びやがれ糞野朗が……!