ゆうかりぃぃぃぃん! 俺のこの迸る熱いパトスを受け止めてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!
こんな感じで気づいたら小説書いてました。処女作です。よろしくお願いします。
突然だが俺は妙な能力を持っている。マジで。
……別に酔っ払ってるわけでも、頭が狂ったわけでもない。マジです。大マジ。
アニメやら漫画やらゲームやら、まあ所謂『オタク』と呼ばれる人たちが好むジャンルによく存在したりするアレだ。
けどここは現実だ。こんなの素面で言い出す奴がいたら俺は間違いなく引く。友達だったら最寄の病院に行くことを勧めて、とりあえず着信拒否するレベル。
でも……実際持ってんだもん。
持ってるモンはしょうがないとしか言い様が無い。気付いたら使えるようになってた。
それに周りの人に迷惑をかけるほど危ないものでもない。ついでにそんなことする度胸もない。てか使い方によっては人助けとか出来ると思うし。目立つのが苦手なチキンだからそんなことはしないけど。
今だからこそこんだけ気楽に向き会えているが昔は凄かった……。あれは、そう。俺の暗黒の黒歴史。中 学 時 代。
あの頃の俺はゲームの中の住人のような能力を持っていることを特別だと思っており、調子に乗っていた。
急にブラックのコーヒーを飲んでみたり、洋楽を聞き出したり、全部否定から入ったり……うわぁイテぇ。思い返すと鳥肌が立つ。もしタイムマシンがあったら全力でぶん殴りたい。
早い話が『中二病』である。
暇さえあれば能力が暴走した時のことを考え、自分の中の闇と戦う脳内シュミレーションをし、異世界に渡ってしまった時のことを考え、脳内シュミレーションをし、魔法が使えるようになった時のことを考え、オリジナル魔法ですんごく強い敵を颯爽と倒す脳内シュミレーションをしていた。
暇人すぎワロタ。
しかし高校三年になった今、さすがにもうそんなことはやってない。まあその手のジャンルへの苦手意識は無い。むしろ友達の少ない俺としては唯一とも言える癒しだ。というわけでオタク文化を楽しむのは普通に好き。
今年は人生最大の試練になるであろう大学入試が待っている。中学の卒業間際に自分が痛いって気付くけてよかったとしみじみ思う。気付いてなかったら「人生は死ぬまでの暇つぶしだ……」とか言いながら、ニヒルに笑ってたかもしれない。ちょっと身震いした。
……と、まぁここまで特に意味のない愚考を行っていたのにも訳がありまして。
「……えっ」
────なんで俺こんな向日葵畑に座り込んでますのん?
一面が見事な向日葵だ。空は青くて、太陽は眩しくて。遠くには……あれは、森だろうか。
よし、現状把握。
────全く訳分からん。どゆこと? ここはどこ?
というか少し前までの記憶が無い。
最後に残っている記憶。それはコンビニに行ってアイス買って街でブラブラ散策していたことだった。休日にぼっちだ。ちょっと泣きたい。だがまあそんなことは置いといて。
それがなんで向日葵? え? ってかまずこの辺はまあまあ都会だ。こんな立派な向日葵畑があるわけない。それに、十七年間この街で生きてきたけどこんなとこ知らない。
誤解を避けるために、俺はぼっちではあるが引きこもりではないことをここで明記しておこう。よって俺が全然外に出てなかったから知らないだけで意外と近所、なんて話はありえない。
さてここで冒頭の回想に繋がるわけなんだが……ようするに、
俺能力持ち→急に知らないとこ→異世界キタコレ!?
というわけである。現実逃避とも言う。むしろそれ以外の何でもない気もする。
これが夢という可能性はない。何故ならついさっき立ち上がろうとしたら石で躓いて転けて地味に痛かったから。アホか。……てか、地味にじゃなくてすげぇ痛ぇんですけど。ド畜生。
まぁそれのおかげで賢者タイムの如き冷静さを得てるんだけど。
今度こそ慎重に立ち上がり、もう少し広く見渡してみる。……うん、辺り一面がだだっ広い向日葵畑。感想は特に変わらなかった。
ホントに異世界なのだろうか。え、マジで? 俺異世界に迷い込んだ時の最初の場所って言ったら山とか想像してたんだけど。
んでなんかモンスターとか現れて、ひぃぃぃ助けてぇぇぇとか言って逃げ回ってたら可愛い女の子に助けられてそのままお家に泊めてもらう、みたいな。
そのあとは能力覚醒とか、聖剣に選ばれてとかで冒険しながら仲間集めて、右曲左曲あって、魔王倒してヒロインとランランラン。
てこれ中学時代のシュミレーションじゃねーか!
一人ボケツッコミも飽きたのでそろそろ探索をすることにした。思ったよりパニックに陥っていない自分にちょっと驚く。
とりあえず、じっとしているのも何なので、少し歩いてみる。
「よく見ると……すごい綺麗だなぁここ」
都会っ子なもんで、向日葵を生で見たのは初めてかもしれない。空に向かって、身体を大きく伸ばす黄色い花はとても綺麗で、元気という言葉がよく似合う気がした。
ふと思いつき、大きく深呼吸してみる。こういう場所に行くとよくする行動だが、それも納得できた。
んー……空気がうまいっていうのはこういうことなのかね。都会の汚い空気とはやはり違うような感じだ。濁ったような排気ガスの感じがしない気が。
あとこの向日葵畑、これだけ辺り一面に生えているのに混雑してないってことは、やっぱここは誰かが手入れしてるのか。うーんGJ。きっと『いいね!』ボタンがあったら即効で連打したことだろう。
と、またしょうもない愚考を繰り広げているその時だった。
「あら、どちら様かしら」
────背後から凛とした美しい声がした。
その音色は、例えるなら………鈴、だろうか。スッと心の中に入ってきて、心の奥に沈んでいくような。そんな、とても心地のいい声だった。
慌てて後ろを振り返って声の主に視線を向ける。
「ぃっ……っ」
ちなみに今の声。俺のものである。ビックリし過ぎてなんか変な声出た。というのも……。
目で捉えた彼女が……度肝を抜かれるほどに美しかったからである。
翡翠色の癖っ毛ショートヘアは風に抗うように揺れており、深い紅の双眸は不思議なものを見るようにこちらを覗いている。
白くすらっとした手はまるで絹の様。
体に纏うオーラは神秘的で、どこか人間を超えた美しさで。
赤いチェックの服装と右手に持った日傘が特徴的な……とんでもない美女だった。
「ねぇ、聞いてる?」
気付けば彼女は目前まで歩いてきており、思わず心臓が高鳴った。
か、顔が、近い! 近いよ!!
バクバクなってる心臓を気どられないように、ポーカーフェイスを作る。ちなみに俺のポーカーフェイス、ババ抜きをしていると『お前超わかりやすいな』という評価を頂いたことがある。ダメじゃん。
ひゃいっ、とまた変な返事をしつつ、彼女を見ると目が合った。こうすると思っていた以上に至近距離にいるのがわかる。こちらの目を伺っているようだった。
クラッ。音で表すなら、今の俺はそんな感じである。
だって……滅茶苦茶良い匂いするんですけど。鼻の中をふんわりと、なんとも形状し難い心地よさが走る。これは持論だが、女の子の可愛さと良い匂いは比例の関係にあると思う。ソースは今。
おまけに身長的に俺の方が少し高いため必然的に上目遣いになっていたりする。こ、これはなんなの? 何のご褒美なの? め、めちゃくちゃかわいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!
ふと少し目を落とせば服を内側から押し上げる非常に魅力的で豊かな双丘。こ、これは……エベレスト。いや、まさかチョモランマか!?
ちなみにこの二つって周りからの名称と現地民からの名称なだけで、同じものを指すらしい。果てしなくどうでもいい。少なくとも、今は。
きっとその頂にあるのは男のロマンなのだろう。やかましいわ。
「あっ……あのっ、ですね!」
「なに?」
カオスな脳内とは裏腹に、早く何か返事を! 開かれた口だったが、出た声は潰れたような甲高い声だった。キモい。まあ俺なんだけど。
しかし女性は気にした様子もなく、俺の一挙一動を見守っているよう模様。緊張が走る。まるで入学時の自己紹介のようである。あれマジで廃止して欲しい。コミュ障なめんな。前日から用意しても本番噛んで台無しとか泣きたくなった。
必死に声を絞り出す。
それにしても、声を出すのがこんなに難しいと感じたのは初めてだ。
「こっ……ここは! どこです、か?」
「ここは太陽の畑よ。それよりあなたは何者? 先に聞いたのは私だったと思うのだけれど」
イントネーションがもはやちょっと頑張っている外人みたいだった。もちろん俺は純日本人だ。頭の悪い事を言うと、東北と九州のハーフだ。どうでもいい。
しかし、彼女は全く気にせず答えてくれた。
太陽の畑。
えーと、向日葵は確か太陽の方向を向いて回るんだっけ。となると向日葵に覆われているこの土地が太陽の畑と名付けられているのも分かる。
て、んなことは後でいいんだよ。問題はジッとこちらから目を逸らさない彼女。
その顔つきは少し怪訝なものに変わっていた。
……でも上目遣いでその顔は、ヤバい。
反則だと思うんです。可愛い的な意味で。
ただただ可愛い。可愛い、ホントに。
可愛いの上の言葉があるとしたらそっちを使いたい。英語的に言えば最上級で the可愛いest。
うーん……謎だ。俺の脳内が。
とりあえず、童貞の俺には刺激が強すぎた。うかうかしてるとテント張るレベル。うーん元気だね、俺。
じゃねぇよ。
どんどん方向逸れてんじゃねーか。テンパりすぎだろ俺。
人見知り特有の『女性に話し掛けられると笑えるレベルで頭の中が混乱するスキル』発動してしまっていた。スキルレベル? マックスですよド畜生。
聞かれたことはちゃんと答える。常識だ。質問に質問で返すのは失礼にあたる。
……OK、少し落ち着いた。
「す、すいません、テンパってました! はじめまして、立花 春です! 高三です!」
訂正、まだテンパってる。ついでに言うと足とか隠してるけどブルッブル震えてます。生まれたての子鹿状態だ。
まぁ噛まなかっただけさっきよりはマシか。
そう、マシったらマシ。アイドルでもないのに無駄に高三です! とかいらないものまで付けたしてしまったが、マシなのだ。
むしろこんな美女に、しっかりと口を開いて話せたんだから、褒めて欲しい。目線は合わせれなかったけど。
「たちばな、はる、ね。別に名前を聞いたわけではないのだけど。こちらも答えるべきなのかしら」
あまりにも緊張している俺の言動に、ふふっと苦笑する彼女。
か、かわいぃぃぃぃぃぃぃぃ! な、なんだこれ可愛すぎワロタ。
その姿はまるで女神。後光が差していても何ら不思議じゃない。
俺は今日のことを忘れる日は無いだろう。この人綺麗で可愛いとかヤバい。テレビに出てる女優やらアイドルなんか足下にも及ばないわ。
間違いなく、俺の人生史上ナンバーワンの美人。
この気持ちが……一目惚れ、ってやつなんだろうか。
「初めまして、風見幽香よ。四季のフラワーマスター……とか呼ばれているわね」
幽香さん。ゆ う か さ ん。
インプットした。絶対忘れん。
綺麗な幽香さんに、とても似合う名前だと思った。名は体を表すとはよく言ったものだ。
……俺はどうなんだろ。頭が春なのかな。うーん合ってるような。
てか四季のフラワーマスターってなんですか。四季……お店かなんかだろうか。
となるとフラワーマスターだから……わかったぞ! 四季っていう花屋の店長さんだな、間違いない。
名探偵俺。これは身体は子供で頭脳は大人なメガネくんもビックリ。
ところでこの子供と大人入れ替えたらすっごくエロく感じるのって俺だけなの? うん、どうでもいい。
花の世話をしてる幽香さんを想像するとすごく和んだ。
美人は何をしても絵になるが、幽香さんのイメージには尚更ピッタリだった。
想像して、勝手に和んでいるところで、幽香さんが口を開く。
「ところであなたは人間よね?」
「……え?」
……何を言ってますのん?
素っ頓狂な声。自分の喉から出たものだと気付くのに時間がかかった。
唐突すぎて、質問の意図が理解できない。
え。俺ゴリラとかに見えます? や、やだなーもう幽香さんってばお茶目。あっはっは。
などと春な頭で考えていたが、幽香さんは全然ふざけている感じではなかった。微笑んではいるが、なんというか、ただ事実を確認しているような。
「どうしてこんなところに人間が来ているのかしら。こんな大妖怪の住む土地に人間が来るなんて珍しいわね」
「大妖怪!? え、あの……ちょっと待ってください。ここどこですか!?」
背中に変な汗が吹き出した。おいおいおいおい待て待て。
何だかんだでだいぶ忘れてたけど……これマジでさっきの妄想の通りだったりするの? ていうか妖怪とかいんの!?
妖怪……そう言われてまず思いつくのは、ゲゲゲな感じだった。いやでも幽香さんとか超美人だしな……。
今まで可愛いと思ってた芸能人と幽香さんを脳内で横に並べてみる。うん、比べるまでもないか。圧倒的大差で幽香さんの方が可愛いです。そういう意味では確かに妖怪かもしれない。人間超えてる。
閑話休題。
焦っている割によく無駄なことを考えられるものだと自分でも思う。いや、案外焦っているせいで余計なことを考えてるのかもしれない。
まあ、その、つまりここって……異世界? アニメやらマンガやらでよく見るそんな感じのアレ?
よっぽど狼狽していたのだろうか。幽香さんは俺を見てきょとんとすると、不思議なものを見るような目をしていた。
「? 何を焦っているの? ……ああ、なるほど。あなた、幻想入りしてきたのね」
「幻想入り……?」
その目が納得、といったものに変わる。
うんうんと納得したように頷いている幽香さんがすげぇ可愛かったり、それにしてもどうしてここに、とか呟いているが俺はその前の幽香さんのセリフに呆然としていた。
幻想入り。
まぁ意味はよくわからない。が……今までの情報を整理すれば大体の予想はつく。
幻想入りとは、世界を移動することを指しているんだろう。
恐らくここは……違う世界だ。
あっはっはっは。
────いや笑えねーから。
主人公の元いた世界は我らが日本で、アニメやゲームとか普通にあるけど、ただ、東方Projectの存在はありません。なんでってだってそうしないと都合がだね……。はい、ごめんなさい。設定よく練ってないからです。
プロットもなしに、いきなり書き始めたんで、かなり行き当たりばったりです。
設定がおかしかったり、なんなりすると思いますがどうか、よろしくお願いします。
感想や指摘など頂けるととても嬉しいです。泣いて喜びます。
ゆうかりんかわいいよゆうかりん。