割と早めに書けたような気がします。それではどうぞ。
あ、新作を書き始めたので、よろしければそちらも見ていただけたらなー……なんて、宣伝してみる。
「魔理沙ー、これ切ってくれ」
「ん、了解だぜ」
ようやく解放され、料理をすることになったんだが、白黒の魔法使い……魔理沙が協力を申し出てくれたので、
ありがたく受け取って、手伝ってもらっている。
にしても怒涛のトークだった……最終的には幽香さんが魔理沙の喉元に傘を押し付けて終わったんだが……。それを笑って受け流す辺り魔理沙はかなり肝が座っている気がする。いや、気がするってか座ってる。
「ほい、出来たぞ」
「え、はやっ。魔理沙料理出来んのか」
「……馬鹿にしてるのか?」
「……正直できないと思ってました」
そうそう、さっきの会話で魔理沙とは軽口を叩き合うぐらいは出来るようになった。少々年下だが、好奇心旺盛な辺りとかがなんだか、少年っぽい。
え、でも意外だわ。だって口調はだぜだし、ちょっとガサツなとこあるんだもん。
「これくらい乙女の一般教養だぜ」
乙女、ねぇ。ほー。ふーん。
「へー」
「……なんだ、喧嘩売ってるのか?」
「まあ、そんなに怒るなよ。んじゃ座っててくれていいよ。あとやっとくから」
「まだ下拵えしかしてないだろ? いいからなんかやらせろ」
うーむ、人に仕事を与えるのは苦手だ。やっぱ俺は誰かの下について仕事をやらされる方が体にあってるな。
社畜根性万歳。日本人の鑑だぜ。ハッハッハ。
……若干ヘコんだ。
「うーん……ならこれ炒めといてくれ。宴会ってようはみんなでワイワイ酒を飲むんだよな?」
「わかったぜ。まぁ平たく言えばそうだな」
「ってことはあんまり腹にたまらないおつまみくらいでいいよな。あ、そういや人数はどんくらい来るんだ?」
「知らないぜ。聞きつけてきた奴が来るかもしれないけど……まあ十人分も作っておけば大丈夫じゃないか?」
「余ったら頑張って処理すればいいか……よし」
方向性が決まったところで、本格的に調理に移る。魔理沙はホントに料理が出来るようで、終始テキパキ動いてくれていた。
なんか、いいな。妹がいたらこんな感じなのだろうか。一人っ子なので妹に淡い幻想を抱いてしまう。
少年っぽいとか思ったけど、やっぱ美少女は何やっても結局美少女なんだよな。美少女はズルい。
「なぁ、春」
「んー?」
ジャガイモを使ってポテトを作っている時だった。
カラカラと、芋が上がる音に若干の楽しさを覚えていると、また手持ち無沙汰になった魔理沙が話しかけてきた。
「お前人間なんだよな?」
「そうだよ」
「なんでそんなに霊力があるんだ?」
「また、唐突だな……。んー、能力的な問題?」
思わず疑問系で返してしまった。
というか、俺はそんなにある方なのだろうか。幽香さんが言うには人間では多い方らしいが……さっき見えたんだが霊夢とか化け物みたいな量だったぞ。
それにそういう魔理沙だって普通に俺より多い。霊夢ほどじゃなさそうだけど。でもなんだろ、この感じ、霊力とは少し違うような……?
あ、魔法使いだから魔力か。やっぱ力によって少し感じが違うんだな。そういや幽香さんの妖力もそうでした。
魔理沙は俺が能力持ちだと知って驚いていた。
「ななっ、どんな能力なんだ?」
目を輝かせて子供のように尋ねてくる魔理沙には悪いが……お前に言うと間違いなく弄られる気がする。
「たいしたもんじゃないさ。………………マジで」
「な、なんでヘコんでるんだよ」
自分で思うだけならいいけど、口に出して言うとちょっとダメージがでかかった。
持ってないよりは持ってる方がいい。当たり前だ。
…………でもこんな微妙なアレなんだもの。
あー………………料理楽しいナー。
「目が死んでるぞ!?」
「……まあ、ホントにたいしたことないから。とりあえず副産物として霊力が増えたみたいだ」
「凄く気になるが……追求はしないでおくぜ」
ありがたいです。実は気遣いできる魔理沙に若干の感動を覚える。
「霊力は元々そんなにあったのか?」
「いや、最初はホント全然なかったんじゃないかな。幽香さんの推測によると、能力を使うたびに、少しずつ霊力を使ってるから、それで増えてきたんじゃないかって」
「ふーん……」
「だいたい幻想郷に来るまでは霊力なんて知らなかったしな。多分来た直後は今の八割くらいしか無かったし」
それにしても半年も経っていないのにこんだけ増えてるのはまぁ上出来なんじゃないだろうか。まだまだ幽香さんには遠く及ばないが。
と、話したあたりでポテトがいい感じになっていたので、霊夢に頂いたいらない新聞の上に置く。
ていうか幻想郷にも新聞あるんだね。なになに、文々。新聞? てか日付今日だけどいいのかこれ……。
塩を振ってから魔理沙に試しに味見させてみると、美味いと喜んでくれた。
「なぁ、ならなんで幻想郷に来てそんなに霊力増やしてるんだ?」
「んー……まあちょっとした目標がありまして」
さっきのポテトで大体の料理は完成だったので、魔理沙と皿を運んでいたら、またさっきの話の続きになった。
何がそんなに気になるんだろうか。まあいいんだけど。
目標……すなわち、幽香さんに認められるくらい強くなって、告白するというアレだ。
「目標?」
「それは……ちょっと言いたくないです」
「そんなこと言わずに。大魔法使いの魔理沙さんに相談してみるといいんだぜ」
「なーに言ってるんだまだまだガキンチョだろ」
「春、お疲れ様」
魔理沙と軽口を叩きながら部屋を移動していると、さっき霊夢がいた部屋の襖が外されていて、大部屋っぽくなっていた。
ちょうどそこに入ったあたりで俺に気付いた幽香さんが労ってくれる。
ああ相変らず天使の微笑み……巷では幽香さんの微笑みを見るとストレスの四分の三が消失するとかなんとか。
「いえ、お安い御用ですよ!」
「……あら? 春、ちょっとこっちに来なさい」
「え、あ、はい」
料理を机に置いてから、幽香さんの目の前まで歩く。
ふわっと花の香りが鼻を擽る。毎日のように嗅いでいるのにこの匂いは相変らず……なんて言うんだろ。すごく……興奮します。
ううっ……相変らず綺麗だ……慣れてきたと思ったけど至近距離に来るとやっぱすげぇ緊張する……!
「な、なんですか?」
「目、瞑りなさい」
「えっ」
「ほら、早くしなさい」
幽香さんに右頬を右手で固定される。ああ柔らかい……じゃなくて!!
な、なんだこの状況……め、目の前で目を瞑れ? しかも右手でロックされてる?
これらが指し示すのは……つまり……
き、ききき、ききききキ………!!
「ゴミ。付いてるわよ」
ーーーーデスヨネー。
ゴミ付いてただけでした。
左目の睫毛の辺りに柔らかい感触。離れたとわかってから目を開けると目の前には微笑んでいる幽香さん。
まぁ……そりゃそうだ。霊夢も魔理沙もいるのにんなことあるわけがない。
何を舞い上がっているんだ俺……。
ーーん、待てよ?
い、今幽香さん今俺の顔に触ったんだよな。……うああそれもだいぶ恥ずかしいぞ!!
あの綺麗で絹のようで真っ白ですべすべそうなお手手が……俺の、顔に……。
よし。今日から俺は顔を洗わないッ!
とかなんとか思っている内心とは裏腹に、どんどんテンパっていく俺。ゆ、幽香さんの顔が直視できない……!
「あ、ああ、ありがとう、ございます」
「何を真っ赤になっているの?」
「いいいや、その……あ、俺まだ持ってこれてない料理運んできますね!!」
ダッシュ。全力で退避する俺。乙女か! と自分で突っ込みたくなるレベルで初心である。
か、顔が熱い……!
恥ずかしい……幽香さん引いちゃってるかな……。
と、とりあえず、お水を。お水を一杯飲んで落ち着こう……。
「ほぉう……これはとても面白そうな匂いがするぜ」
「見ていて微笑ましいわね」
「……? 魔理沙、霊夢。春はどうしたのかしら」
「さぁなぁ。私がわかるはずがないぜ。…………あー、脈なしか?」
「私も全く見当がつかないわ。…………気付いていないだけなんじゃない? あんなに近付ける男なんて霖之助さん以外見たことないし」
「何をこそこそ話しているの?」
「いーや、別に? ていうか霊夢だらけすぎだろ。働かざる者食うべからずだぜ。…………ちょっと待てその話詳しく聞かせろ。そんなことあったのか?」
「……なんだか、バカにされている気がするわ」
「気のせいよ。あと私は場所を提供してるからいいのよ魔理沙。……いつかね」
「物は言いよう、だな。……絶対だぞ」
「はいはい。それじゃ、日も暮れたし、そろそろ飲むわよ!」
おう宴会あくしろよ(他人事)
流石に次には入ります! 宴会が終わるかは別として……(震え声)
感想などお待ちしておりますー!