東方入郷記   作:あおのん

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今回はだいぶ今までとは違う感じ? です。

初めてガッツリバトル書いたなぁ。うーんボケ倒したい。


少々長めです。



初めての弾幕ごっこ

 

 

 

 

 

 

 

「弾幕ごっこ? 何それ。ごっこってなんだ、ごっこ遊びか?」

 

 

弾幕……某動画サイトのコメントがふと思い浮かんだ。いやいや違うだろ。

 

 

 

酔いも少し回ってきて気持ち良くなってきた頃である。なーんでかなかなかいなくなってくれない魔理沙が弾幕ごっこしようぜ! と言ってきた。

 

 

あの……そんなんどうでもいいんで幽香さんと二人きりにしてもらえませんかね。お願いします。なんなら土下座でも土下寝でもなんでもしますから。

 

 

ちなみに幽香さんはまだまだ飲む気のようでお酒を飲みながら料理を漁っていた。

 

あ、それ俺が作ったやつ……って幽香さんがこっち見た!? そのまま微笑んで……ま、まさか俺が作ったのわかるの!?

 

 

あ、ちなみに料理は全て俺が作ったというわけではない。

参加者がいくらか持ってきた物も混じっている。

 

 

それらをほぼランダムで各机に配置したのだが……幽香さんはどうやら俺の作った料理がわかったらしい。

 

 

め、めちゃくちゃ嬉しい……感無量だ。今なら空も飛べるかもしれない。

あ、飛べるわ俺。

 

ともかく、少し涙腺にじーんときた。

 

 

 

「そうかまだお前は新参者だったな。簡単に言うとだな……」

 

 

 

こちらは何故か酔いが若干覚めてきたらしい。落ち着き出した魔理沙の説明を受ける。

 

 

つまりまとめると……ドラゴンボールで言う気弾的な物をぶつけ合う戦い?

 

なにそれ凄い物騒なんだけど。

 

 

一応弾幕は非殺傷にしなければならないだとかいうルールもあるみたいだが……。

 

 

「幻想郷では不思議なものが流行ってるんだな」

 

「流行ってるというかまぁ流行らざるを得なくなったんだけどね」

 

 

素直に思った感想を呟くと、なんだか意味深なことを返す声があった。

 

声の方を向けば、霊夢がお酒を持ってこちらに近づいてきていた。

 

 

 

「どゆこと?」

 

「妖怪と人間、どっちが強いと思う?」

 

 

 

また唐突な……。

 

少し顔が赤いが、あまり酔っているようには見えない霊夢はそのまま魔理沙の隣に腰掛けた。

 

 

 

「そりゃ霊夢みたいなのとか魔理沙みたいなの除けば妖怪なんじゃないのか」

 

 

「そうね。例外的なのを除けば人間と妖怪の力の差は歴然だわ。もし戦争なんかになればあっという間に人間は皆殺しね」

 

「で、それがどう関係するんだ?」

 

 

「弾幕ごっこ……スペルカードルールはね、人間と妖怪の実力差を埋めるためのものなの。このルールだったら完全にとはいかなくてもかなり対等な条件での勝負が可能になるわ」

 

 

「ーー対等な、勝負?」

 

 

「そう。殺し合いをスポーツに昇華させるもの。それがスペルカードルールよ。弾幕ごっこはスペルカードルールに則った遊びね」

 

 

 

対等。人間と妖怪の実力差を埋める。

 

 

 

「まあ元々は異変解決のーーってちょっと、聞いてる?」

 

 

つまりその弾幕ごっこだかスペルカードだかなんだかなら、俺は『死なず』に『対等な条件で』幽香さんと戦うことができる……ってことだよな。

 

 

 

 

 

「あー、その子、たまに自分の世界に入って行っちゃう時があるのよね」

 

 

「随分真面目に聞いてたし興味は持ったみたいだけど……無視とはなによ」

 

 

「こいつ人間のわりに霊力多いし、やらせたら面白そうだと思ったんだよな私は」

 

 

「まあいずれ教えるつもりではあったわ。少し早まったけど、そろそろいいかもね」

 

 

「お前とやると春死ぬんじゃないか?」

 

 

 

これは……ピッタリすぎる。

 

 

正直、幽香さんと戦ったりしたら、最悪俺殺されちゃうんじゃないか、とか、あり得ないけどもしかすると何かの拍子にひょっとしたら幽香さんに怪我をさせてしまうんじゃないか、とか考えてた。

 

でもこれなら俺そんな心配ないじゃん! しかも実力差も埋まるんだろ!?

 

 

やる気が起こるのは当然だ。

 

 

 

「スペルカードルール、だっけ。ちょっと詳しく教えてくれ」

 

 

「お、おう、急にやる気だな」

 

 

「考案者の一人である博麗の巫女もいることだし、詳しく聞くといいんじゃないかしら」

 

 

「……まあいいけど。じゃあいい? まずスペルカードルールで大事なスペルカードっていうものがあって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっしゃあ、かかってこい魔理沙!」

 

 

「言っとくけど私は手加減なんてしないからな? まあでも今回は春はスペカも持ってないわけだし、純粋な弾幕だけでやってやるぜ。先に二発被弾したら負けだ」

 

 

「OK、わかりやすくていいな」

 

 

 

ヒューヒューと周りは歓声というか冷やかしというか、とにかく俺たちを見せものにするらしい声で沸いていた。

 

 

 

だいたいルールは覚えた。

 

暗黙の了解として、絶対に避けることのできない弾幕を打つことは控えなければならないらしい。

 

もともとこの勝負は強さうんぬんではなく、美しさを競う物なのでそこらへんも考慮しなければいけないのだろう。

それ故かは知らないが女子供に人気だそうだ。

 

 

 

今回が初めてだが、負ける気はない。

……違うな。負けたく、ない。

 

 

何故なら、じゃあやってみるかという空気になった時に、幽香さんが近寄ってきて、

 

 

「魔理沙はきっとあなたをかなりナメてるわ。……頑張りなさい」

 

 

と言ってくれたからだ。

 

 

最初に感じたのはいい匂い。

次に感じたのは距離の近さによる興奮と緊張。

最後に感じたのは純粋な喜びだ。

 

 

幽香さんが耳元で俺に頑張れと呟いてくれた。

 

 

これ以上に俺を突き動かすものがあるだろうか。

 

 

否、絶対に無い!!

 

 

「……目が血走ってるんだが」

 

「気のせいだ」

 

 

とりあえず、気だけは抜かないように。相手は俺より二つか三つ下のいたいけな少女だが、間違いなく、この勝負においてはキャリア的な差がある。

 

油断大敵だ。

 

 

 

軽く目を閉じて深呼吸をする。

 

幽香さんに、霊力の扱い方を教えてもらった。

 

空の飛び方を教えてもらった。

 

どう避けるべきか体に叩き込んでもらった。

 

弾を打ち出すコツも教えてもらった。

 

 

 

頑張れって言ってもらった。

 

 

 

十分だ。むしろ過剰といってもいい。

 

ここらで俺の成長を幽香さんに見せたい。本音言うと……頭撫でて欲しい!!

 

 

 

「よし、じゃあ……いくぞ魔理沙!」

 

「さっさとかかってくるんだぜ!」

 

 

 

そんなこんなで……俺の人生初の弾幕ごっこが開始された。

 

 

 

「っしょ!」

 

 

先手必勝。

 

正直勝手が全くわからないので、本来は待つべきなのかもしれないが……なんだか気持ちが高ぶってそうもいかないようなので、溢れ出る思いを乗せて霊力を打ち出した次第である。

 

 

 

一発目は速度を意識して、俺の頭くらいの大きさのものを、円錐状に。

 

 

「おお? なんだ意外と普通にやりそうだな」

 

 

だがまぁさすがに距離が少しあったのもあり、簡単に避けられてしまった。

 

ちなみに避けた弾は霊夢が張ってくれた結界があるので問題ない。

空中で見えない壁に当たり霧散した。

 

 

 

さて、相変わらず俺はナメられているみたいだな。

 

だがそれが俺の狙い目だ。油断しているスキを突く。

 

汚い? 勝てばいいんだよっ!

 

 

「お返しだ!」

 

「うおっ!?」

 

 

無駄なことを考えていたら物凄い速度の青白い弾幕が目前に迫っていた。

 

空中に飛ぶことによって回避したが、思ってたよりかなり速度がある。うーむ俺のさっきのなんか目じゃないな。

 

 

「ふんふん、空も飛べるみたいだしこれは面白くなりそうだぜ」

 

 

魔理沙は年相応の笑顔を浮かべていた。

……良い笑顔してらっしゃること。こちらは冷や汗かいているというのに。

 

 

さて、どうやったらあの小憎たらしい笑顔を驚愕に変えれるのか。

 

 

スピードで意表を突くのは……今の俺では難しそうだ。さっきのは実はほぼ最高速度で打ち出したようなものである。

 

 

……いや、ウダウダ考えるのはやめよう。俺は初心者だ。別に言い訳にするわけじゃない。でも最初からそんなに深く考えてどうする。まずは精一杯、足掻いてみよう。

 

 

両手から弾幕を放つ。サイズも方向も適当である。

つまるところの質より量作戦だ。

乱射ともいう。

 

 

む、発射口が二口だと少々心許ない。

 

が、どこから撃つ? 口か?

発射口だけに。……ビジュアル的に却下。

 

 

 

その気になれば多分全身から撃つこともできるんだが……あ、待てよ?

 

手から撃てるなら、手と同じように扱える触手からも撃てる、か?

 

 

しかも触手は無色透明にすれば向こうからは見えない。見えないところから弾幕が放たれることになるわけだ。

 

……使えるんじゃね?

 

 

物は試しである。一本背中から伸ばし、両手から撃つのに混じって、触手からも撃ってみる。……普通に出来た。

 

ガッツポーズしたいところだが、自重する。

 

 

 

そうと分かれば。

触手を背中から四本伸ばし、出来る限り伸ばす。

 

 

正直言ってこの操作めちゃくちゃ難しい。

 

両手から弾幕を撃つことを忘れずに、触手に意識を割かねばならない。

 

一本ならまだしも、四本である。うーむ天津飯って凄かったんだな。あれはマジもんの腕だけど。

 

 

……あ、無理だ。触手とりあえず二本にしよう。

 

 

 

魔理沙と俺の距離は直線距離で十メートルあるかどうかというところだ。

 

魔理沙は俺の乱射を、箒に乗って危なげなく躱していた。

 

 

 

……ギリギリまで触手が伸びきった。感覚的には、今二本の触手は魔理沙にかなり近い位置まで行っているはずだ。

 

 

ここから……弾幕を放つ!

 

 

「わっ!? と、ととっ」

 

 

サイズを意識せずにただ我武者羅に霊力を撃ち出した。

が、当たれという思いとは裏腹に、間一髪で避けられてしまった。

 

 

追撃しようかとも思ったが……やめておく。今の魔理沙……反応が早すぎるように思えた。何かタネがありそうだ。

 

 

……クソ。でも惜しい。なかなか良い線いってるんじゃないだろうか。

 

そう思っていたのだが、避けきった魔理沙が、話しかけて来た。

 

 

「何かしようとしてたの、バレバレだぜ。まぁ結構危なかったけどな。見えなくても、霊力は感じれるんだぜ?」

 

 

勿論魔力や妖力もな。と付け足してニシシと笑う魔理沙。

 

そうか、俺だって幽香さんや霊夢や魔理沙の力を感じていたじゃないか。目で見えなくても察知する手段はいくらでもあるわけだ。

 

 

 

きっと口振りから察するに、魔理沙はギリギリで避けることによって自慢して見せたかったのだろう。ぐぬぬ。

 

ち、当たればよかったのに。

 

 

 

……次だ。思い付くことを片っ端から試してやる。

 

 

「おおおお、らっ!」

 

 

両手で大きな弾幕を作る。簡単にはよけられないサイズならどうだ。

 

 

普通なら溜めるような時間はないだろうが、ラッキーなことに魔理沙は余裕綽々といった顔で待ってくれていた。

 

 

ありがたいけど……手加減無しじゃなかったのかよ。

 

口に出して思い出されても困るので言わないが。

 

 

「喰らえ!」

 

「嫌だぜ!」

 

 

撃ちだすと同時に体を少しの虚脱感が襲う。ああ、結構霊力を込めたからだろうか。

 

全身の霊力を確認して見たが、何気に結構使ってしまっていた。あと……六割くらいか。

 

 

さて、ピンチだ。無駄遣いもダメ。

霊力の節約も考慮しなくてはならなくなってしまった。

 

 

大きな弾幕が魔理沙に向かって行く。

 

最初の弾幕より少し遅い。けど俺としてはまぁまぁなものだと思う。

 

 

 

このままだと魔理沙は普通に、軽々と避けるだろう。

 

撃っておいてなんだがかなり無駄な攻撃だったな。なんとかできないものかーーーーん? できるかもしれない。

 

 

魔理沙からは今、俺は見えないはずだ。俺からも見えない。二三メートルはある弾幕が互いを隠している。

 

 

まだ出しっ放しにしていた触手二本を、さっきの大きな弾幕に繋げる。

 

こうすればさっきの弾幕は一応俺の触手の延長上にあるわけだ。

 

 

触手は俺の支配下にある。ならば、一度撃ち出した弾幕をもう一回操ることだってできるはずだ。

 

 

「威力重視なのは結構だけどな、もうちょっと考えないと私には当たらないぜ?」

 

 

箒で上昇し、やはり簡単に避けられてしまった。

 

が、今回はそれが狙いだ。

 

 

弾幕を弾けさせる。無駄に大きくした甲斐があった、かもしれない。

 

 

大きな弾幕が、中心から分かれて四方八方に散らばる。

 

 

「なに!?」

 

 

油断していた魔理沙は……それでもなんとかほとんどを避けるが、そのうちの一つに当たってしまった。

 

 

……って当たった?

 

…………。

 

 

 

 

「うおっしゃー! どうだ魔理沙!」

 

 

思わずガッツポーズ。やったぜ、一発当たった!! こっちは初心者だぜ? はっはっは、ザマー!!

 

 

「いてて、油断したぜ」

 

 

初心者にやられたことが恥ずかしいのか、魔理沙はぽりぽりと頬を掻いていた。

 

 

……調子に乗りたいところだけど、やめておこう。

 

 

 

 

だって魔理沙さん怒ってるように見えるんだもの。

 

 

 

「やってくれたなァ、春……」

 

 

ーーそこで怒るのはお門違いだと思うんですけど、魔理沙さん。

 

 

「もう手加減しないぜ!!」

 

「最初にも手加減しないって言ってたど……あぶなっ!?」

 

 

口が危うく滑った。口封じのためか、ヒュンヒュンと弾幕が迫ってくる。

 

早いしサイズも俺の頭くらいはある。

 

 

 

 

 

さて……大変なのはここからなようで。

 






書いてて思ったんだけどこの弾幕ごっこスピード感無さ過ぎじゃね……? うーん戦闘描写は難しいなぁ。



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