東方入郷記   作:あおのん

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だいぶ間隔あけちまった……。

ごめんなさい。何でもするから許してください><




出掛けよう(十分)

 

 

 

霊力って不思議だ。

 

ホント今言われてみれば最初から持ってたような気がするんだけど、知覚するまでは全然解らかった。

 

何て言うんだろ。俺にこんな力が!? っていうよりは、あー……こんなのあったねぇ、これが霊力だったのかー、の方が近いか。実際はもっと感動してるんだが。

 

 

さて、霊力を扱えるようになってからまだかなり日は浅いが、テレビもゲームも無い幻想卿では、幽香さん見てほっこりするか、幽香さん見て和むか、修行するぐらいしかやることが無いため、くだらない考え事をしながら霊力を物質化させて触手みたいにして伸ばすくらいは出来るようになった。

 

さらっと言ったけど俺結構凄い。えっへん。ただし、幽香さんが褒めてくれないということはそんなにたいしたことでは無さそう。うぇぇん。

 

 

 

現在は食べ終わった食器をその触手で運んでいるところだ。ちなみに俺の癒しの元であり、ここ最近の生傷の元でもある幽香さんは、昼飯を食べると、そのまま何処かへ出かけてしまった。

 

それと、今日は幽香さんにシゴかれる修行は休みだ。五日に一度、休みの日がある。幽香さんが言うには、身体を休めることも大切よ、とのこと。その分修行はホントきついんだけどな……まあ自主トレは禁じられてないし、身体に影響が出ないくらいはしようとは思うけど。

 

 

 

ここまで俺が修行三昧な理由としては、幽香さんとマトモに戦えるようになりたいというのが第一だが、次に幻想卿に娯楽が少ないことも挙げられる。文明レベルはかなり低いし、電気も普及してない。

 

あ、そうだ。電気といえば。

 

霊力でスマホが充電できた。ビックリである。つまり俺は電気人間になってしまったわけだ。もしかしたらゴロ○ロの実の能力者だったのかもしれんな。フフフ。

 

 

冗談はさておき、電気が使えると解ると、色々と欲しくなる物が出てくる。ゲームとかな。スマホにはほとんどそういうの入れてなかったし。

 

 

こう生活していると、如何に現代には娯楽が溢れていて、そして依存しているかわかる。

 

 

「よっと……」

 

流しに上手いこと触手で持った食器を置き、洗う。うーん、水がひんやりして涼しい。相変わらず夏の暑さは厳しく、暑がりで寒がりの俺には辛い。

 

 

 

 

 

 

「おし、終わりっ」

 

キッチリ洗うと、暇になった。霊力のトレーニングでもしようか。いやでもここ最近俺これしかしてなくね?

 

朝起きて花に水遣りして修行して寝る……謎だ。

 

ちょっと出かけてみようか。

 

 

 

一応机の上に出掛ける旨を書いた紙を置いておく。

 

なんか持ち物は……うーん、無いな。まず持ってるものが少ないし。

 

 

 

 

外に出ると、今日も元気に向日葵たちが咲いていた。うーん、綺麗だなぁ相変わらず。

 

空は少し雲があるものの滅茶苦茶良い天気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思ってたんだが。

 

 

「なんだあの赤い雲……」

 

 

前に釣りをした辺りを目指して歩き出してすぐだ。

 

 

何の前触れも無く、正面の上空から赤い雲が広がってきた。

 

 

なんだアレ怖っ。幻想卿はこんな天気があんの? 怖い。幻想卿怖い。

 

ホラー映画のワンシーンみたいだ。気付けば頭上……というか俺が見える上空の景色はだいたい赤い雲で染まってしまった。

 

 

「うぇぇ……何アレ」

 

 

凄い酸性の雨とか降ってきそう。怖い。

 

……よし、帰ろう。

 

 

まさかの家を出て十分で帰ることを決意。いやでもなんかすげぇ怖いんだも……って今度はなんか雲が降りてきたぞ!?

 

 

雲……ってか霧なのか? 今度は上空の景色どころか見える視界全てが赤く濁った。ひぎゃぁぁぁぁなんか身体に良くない気がする!!

 

 

霊力の触手を背中から出せるだけ出して、ぶんぶん振り払うが、全く何処かに行く気配なし。おまけに太陽の光が遮られているからなのか、少しずつ気温が下がってきている気がする。さっきまで暑かったので今は涼しいくらいだが、このまま行くと肌寒くなりそうだ。

 

 

 

 

「こうなりゃ……全速力で帰る!!」

 

 

触手をしまって、目を閉じる。

 

さぁ久々の出番ですよ、俺の微妙能力くん!

 

 

 

二メートル五十センチの移動。距離的に言えばたいした事はない。だが……連続で使えばできれば話は別だ。

 

二回で五メートル。

三回で七メートル五十センチ。

四回で十メートル。

 

 

そして俺が連続で能力を使うのに必要な再待機時間、所謂ディレイはコンマ二秒くらいである。

 

ちなみにこれは中学時代の練習の成果だ。

 

 

もし効果音が出るならシュシュシュシュシュシュシュンって感じだろうか。なんかカッコいい。ついでに相手の反応は、バカな! この目で捕らえ切れんだと!? だと燃える。

 

……誰と戦ってるんだ妄想俺。

 

 

 

ただしこれは同じ方向への連続移動の場合に限る。

 

一度移動した状態から、少し角度を変えるくらいの移動ならラグはたいしたこと無いが、一度移動した状態から真反対とか、視界に移らない位置に移動するとなると、コンマ三秒から五秒はかかる。意外と難しいもんだ。微妙なのに。……微妙なのに。

 

 

とりあえず、直線移動ならこっちの方が速い。空を飛ぶのも結構な速度が出るんだが、空を飛ぶと、なんとなく顔に思いっきり赤い霧付きそうで嫌だ。

 

 

 

 

 

 

 

「あー、怖かった」

 

一分もせずに家の正面まで来た俺は、少しだけドアを開けて霧が入らないようにして入った。

 

そしてとりあえず手洗いうがい。なんか体に影響及ぼすものだったら困る。

 

 

 

身体を見るとさすがに霧はついていなかった。まぁそりゃ気体だしそうか。

 

でもなんか凄い不快な感じだった……風呂入ろうかな。

 

 

と、そこで大事なことを思い出す。

 

 

 

 

「幽香さん大丈夫……だよな」

 

 

そう、出かけたままなのだ。それにまだ出かけてから三十分ちょっとくらいなので、よほどのことが無い限り、帰ってくるのはまだ先のことだろう。

 

 

あああああ、まずい。凄く心配だ。大丈夫だよな? 大丈夫だよな? 幽香さんが倒れるとことか想像できないし、ああでも吸い込んだら身体に悪くてなんか急に顔色悪くなる幽香さんが脳裏に浮かん……ぁぁぁぁ!! なんてことを考えてるんだ俺は! んなこと万に一つもあるわけが無いだろうが!! ふざけんなよクソ脳ミソ!!!

 

 

一度生まれた疑念は何故か消えず、しばらく俺はモヤモヤしていた。

 

探しに行くにも行けないので、ただただ幽香さんが無事なのを祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

……幽香さんが帰ってきた。

 

 

「ただいま」

 

「おがえりなざいゆうかざぁぁぁぁん! 無事でよがっだぁぁぁぁぁ!」

 

「な、なんで泣いてるのかしら……。あとどうして正座……」

 

 

俺は玄関で正座して、幽香さんの帰りを待っていた。ちなみにそろそろ二時間。

 

感動の余り俺は立ち上がろうとするが、二時間の正座によって痺れまくっていた両足は、脳の信号を無視し、代わりにビリビリとあの痒みともいえない絶妙なイタさが襲ってくる。

 

 

「あででででっ! あ、赤い霧が急に出たので心配で! これ身体に悪影響だったりしませんよね!? お身体は大丈夫ですか!?」

 

「落ち着きなさい」

 

「んぎ────っ!?」

 

 

呆れた顔をした幽香さんが、俺の痺れた脚をツンツンする。

 

それはダメです幽香さん! ぎゃぁぁぁぁぁ目覚めるぅぅぅぅぅぅ!

 

 

 

 

 

 

「あの霧は異変ね。どこかの妖怪が好き勝手やっているんでしょう」

 

「異変、ですか? 本当に身体に影響は無いんですね?」

 

「ええ、霊力に免疫の無い人間は長時間触れていると危ないかもしれないけど……まあ、明日か明後日には元通りだと思うわ」

 

「え、勝手に消えるんですか?」

 

「異変が起こると博麗の巫女が解決に動くのよ。たまにそれ以外の者が収束を図るときも有るけど」

 

 

ふぅ、危うく脚の痺れでMの扉を開くところだった。ってんなことはいい。

 

 

 

聞いてみるに、アレは妖怪たちが大きな規模で幻想卿に影響を及ぼしたもの、通称『異変』らしい。

 

博麗の巫女というのは、代々、幻想卿の人間と妖怪の関係を安定させる役割を持った巫女さんらしい。つまり異変解決のスペシャリストってやつか。ほうほう。

 

 

まあ解決するなら得に文句は無いです。お願いします。

 

 

「それより、今日はお酒があるの。春は飲めるかしら?」

 

「酒ですか? いや、飲んだことは無いですね」

 

「物は試しよ。とりあえず今日は米はいらないわ」

 

 

幽香さんはそういえば帰ってきたとき手になんか持ってたな。あれお酒だったのか。

 

 

そういえば酒を飲んでる時に満腹になると、気分が悪くなるらしい。だから飲んでる時はあまり食べない人が多いようだ。

 

 

「あ、じゃあおつまみでも作りますね。親によく作らされてたんでおつまみは結構作れますよ」

 

「そう? ならお願いするわね」

 

 

 

よぉっし、俺の料理テクで幽香さんをメロメロ……きもいな、うん。幽香さんが喜んでくれたらいいや。

 

 

 

 

 

酒を飲んで幽香さんの頬が少し赤く染まっているところを想像して、最高にニヤケながら料理をする俺だった。

 

 





サブタイトルで出かけるといったな、あれは嘘だ。

……()付けたからいいよね(ごめんなさい)


紅霧異変なんてなかったんや。

春くんが今の状態で絡ませれば間違いなく死にますしね。
まあ、いずれキャラは出る機会はあるかと思います。


この後は一応原作の異変を起こしつつ、同時進行で春くん修行アンドゆうかりん攻略、かなぁ。

とりあえず来週数ⅲテストの中間テストだから更新はまた遅れるかもですごめんなさい。

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