異世界はスマートフォンとともに 改   作:Sayuki9284

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王城、そして、婚約ダッシュ?
第35話 古代遺跡


 

あの事件から10日ほどが経過した。リンゼもほぼ完全に復活したということで、優輝翔たちは久しぶりに依頼を受けるために王都のギルドに出向いた。何故王都かといえば、エルゼがたまには違う街の依頼も受けてみたいと言い、それに皆が賛成したからだ。

 

そしてそこで『廃墟に巣くうデュラハンの討伐(報酬:金貨2枚)』を選択し、優輝翔たちは今、その廃墟前の茂みにいる……のだが……

 

 

「なんで一角狼がいっぱいいるのよっ!」

 

「いや、俺に言われても……」

 

 

そう、廃墟にいたのはデュラハンだけではなく、共生しているかのように一角狼もざっと二十匹ほど住み着いていたのだ。

 

 

「仕方ないな。リンゼ、任せる。」

 

「はい。優輝翔さんもお気をつけて。」

 

「おう。」

 

 

優輝翔はそう言うと勢いよく飛び出していこうとしたのだが、それを慌てて止めたのはふたりのコミュニケーションに全くついていけなかったエルゼたちだ。

 

 

「ちょっと、何ふたりで盛り上がってんのよ。」

 

「そうでござるよ。拙者たちにも説明求むでござる。」

 

 

と、怒られてしまった。

 

 

「ああ、悪い。作戦だが、一角狼の数が多いのを考えて、そっちを3人で当たってくれ。」

 

「ちょっと、じゃあデュラハンは優輝翔ひとりじゃないの……」

 

「大丈夫、なんでござるか…?」

 

「問題ない。負ける気がしない。」

 

 

そう言って優輝翔は今度こそ茂みを飛び出すと、一直線にデュラハンに迫った。その間一角狼も襲ってくるが、1度躱せば、もう2度と追ってくることはなかった。

 

1度目はあっても、2度目は最愛のパートナーが赦さないという事だ。それに加えてエルゼと八重も茂みを出て狼たちの行く手を阻むので、もはや狼たちは優輝翔よりもリンゼたちの相手をせざるを得なくなっていた。

 

 

「ふんっ!」

 

キーンっ!!

 

 

優輝翔の刀とデュラハンの大剣が火花を散らす。そのまま2度3度と打ち合うも、両者の力加減は互角だった。いや、正直にいえば僅かに優輝翔が圧しているものの、倒しきれない状況だ。

 

 

「ちっ。やっぱアンデッド相手に刀は無理か。」

 

 

優輝翔はそう愚痴りながらチラリともう片方の戦況を確認する。狼の数は早くも10匹ほどまで減っていそうだ。

 

 

「……しゃーね。終わらすか。」

 

 

優輝翔はそう言うと猛スピードでデュラハンへと突進し、刀をぶつけた。デュラハンもその禍々しいオーラを放つ大剣で受け止めるも、力負けして身体ごと後ろの大岩にぶつけられる。

 

 

「終わりだ。『マルチプル』!『光よ穿て、輝く聖槍、シャイニングジャベリン』!」

 

 

『マルチプル』で増やした魔方陣から『シャイニングジャベリン』、通称光の矢をデュラハンの身体の節々に叩き込む。流石のデュラハンも弱点の光属性の攻撃には耐えきれず、闇の霧となって消え去ってしまった。

 

 

「終わったな。そっちはどうだ?」

 

「はい。全て殺し尽くしました。」

 

 

優輝翔の元に歩みよりながら、リンゼが満面の笑みでそう告げる。それに対し後ろからついてきていた2人は少し引いたような顔をしたものの、優輝翔は気にせず、むしろ嬉しそうにリンゼを抱きしめた。

 

 

「そうか//お疲れ//」

 

「優輝翔さんもお疲れ様です//」

 

 

さっきまでの激しく打ち合い殺しまくっていた状況とは一転、幸せオーラ全開の2人にエルゼと八重はただただため息をつくことしか出来なかったのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「はぁ〜……もう色々あって疲れたわ……」

 

「拙者もでござる……」

 

 

その後やっとの事でふたりのラブラブを中断させたエルゼと八重は、倒れた柱の辺りに来て同時にドスっと勢いよく座り込んだ。

 

 

「悪いな……ついリンゼが可愛すぎて…//」

 

「ゆ、優輝翔さんだって…かっこいい、です…///」

 

「ほら、そこ。イチャイチャしない。あぁ…もうっ!なんかこの二人ちょっと見ない間に仲良くなりすぎじゃないの?」

 

「そうか?」

 

「このくらい普通かと……」

 

 

エルゼの言葉に手を繋いで仲良くくっついて座っていた二人は顔を見合わせながら首をかしげた。まぁ実際はつい数日前にあった出来事が二人の仲を加速させた要因でもあるのだが、まぁそれは置いといて……

 

 

「もぅ〜、せっかく昔の王都ってところに来たんだし、イチャイチャよりも財宝の山を見せてよね〜。」

 

「いや、それはなかなかに無理な注文だと思うでござるが……」

 

「うーん……なら、まぁ試してみるか。………………『サーチ』」

 

 

優輝翔は少し歩き廃墟の真ん中付近に近づくと、探索魔法を唱えた。そして廃墟を隅から隅まで探ること十数秒、優輝翔の探索に1つの物体が反応を示した。

 

 

「これはっ……デカいな。」

 

 

優輝翔はそう呟きつつ、振り返って3人に何か見つけたと告げる。すると一瞬で3人が優輝翔に詰め寄り、目を輝かせながら何を見つけたのか聞いてきた。

 

 

「いや、まだ大きい何かとしか分かんないな。まぁとにかくこっちだ。」

 

 

そう言って優輝翔は3人を連れ発見した物体のある場所に向かう。瓦礫を退かし、地下に潜り、地下通路を進んで、4人は1つの大きな部屋の中に辿り着いた。

 

 

「ここだな。というより、この奥だ。」

 

「この奥……でも、壁ですよ?」

 

「なんか変な文字は書いてあるけど……」

 

「全く読めんでござる。」

 

「俺もだな。リンゼは読めるか?」

 

「うーん……」

 

 

リンゼは優輝翔の言葉に唸りながら壁へと近づき、自身の作った灯りで壁を照らす。

 

 

「……すみません。ちょっと文字が古すぎて分かりませんでした。」

 

「そうか。まぁ気にするな。ありがとな。」

 

「はいっ//」

 

 

優輝翔がそう労いながらリンゼの髪を撫でると、リンゼは頬を染めて笑顔を見せる。優輝翔もその笑顔を見てもっともっと撫でていたくなったが、流石に今度はエルゼに拳をぶつけられそうなので控えた。

 

 

「さて、仕方ないから4人で手分けして何か手がかりでも探すか。さすがにここまで来て帰りたくないだろう?」

 

「はいっ//」

 

「当然!」

 

「任せるでござる!」

 

 

3人は元気よくそう答え、それぞれ壁に手を当てたりして調べ始める。優輝翔もライトの魔法に加えてスマホの光でも壁を照らし調べていると、ふと茶色の魔石のようなものに手が触れた。

 

 

「これは……3人とも、少し壁から離れてくれ。」

 

 

優輝翔はそう言って魔石に土属性の魔力を込める。するとその直後、優輝翔の目の前の壁が土砂崩れのように細かな砂となって崩れ落ちた。

 

 

「これは……道?」

 

 

そこから現れたのは1本の道。その先で待ち受けているのは、4人の予想とは遠くかけ離れたものであった……

 

 

 




どうでしたか?

一部、某スライムさんのアニメのセリフを含んでいるのですが、気づいた方はいらっしゃいますでしょうか?

さて、次回はあのイセスマには切っても切れない必要不可欠な魔物の登場です!

お楽しみに!
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