異世界はスマートフォンとともに 改 作:Sayuki9284
今話もよろしくお願いします(。ᵕᴗᵕ。)
P.S.
先週は18禁編でした。18歳未満で見れなかった方は突然1週空いた形で申し訳ございませんでしたm(*_ _)m
2日後、昨日丸一日かけて壁画写真を『ドローイング』という転写魔法を見つけ用いて十数枚の紙に移し終えた優輝翔は、それらを束ねて朝から公爵家へと出向いた。
ちなみに刀などは自室に置きっぱなしだ。流石に公爵家に刃物を持ってズカズカとは入れない。まぁと言っても、ナイフ類は隠し持っているのだが……
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「うわっ!」
優輝翔が「ゲート」を潜り抜けて来た瞬間、その先にいた門番が声を出して驚きを顕にした。だが実のところこれはいつもの事なので、優輝翔は無視して公爵家に足を踏み入れようとしたのだが、ふと目線の先から1台の豪勢な馬車が走ってくるのが見えて足を止めた。
「ん?出かけるのか?」
優輝翔がそう呟いて馬車を眺めていると、ふと馬車が優輝翔の真ん前で停車し、公爵が飛び出てきた。
「優輝翔殿!ちょうどよかった!頼む!乗ってくれ!」
「えっ?あ、はあ……」
優輝翔は曖昧な返事で半ば無理やり馬車に載せられると、そのまま馬車はどこかに走り出していった。
その馬車の中で、優輝翔は公爵からここに至る経緯を聞き出す。その結果は以下の通りだ。
『
・向かっているのは王宮
・公爵の兄、現国王が毒を盛られ非常に危険な状態
・優輝翔には「リカバリー」で毒を消すことを依頼
』
「なるほど。あらかた理解しました。」
「ああ。もちろん報酬は弾む。兄上もそうするはずだ。やってくれるか?」
「いや、ここに乗せた時点で返答は予測できてたでしょ。やりますよ。俺と公爵の仲ですし。」
優輝翔がそう言うと公爵はバッ!と優輝翔の手を両手で握りしめ、「ありがとう……ありがとう……」と涙ながらにお礼を伝えた。
「構いませんよ。それより、犯人の心当たりは?」
「私としてはスゥを狙ったのと同じ人物だと思っている。」
「なるほど。ほんと嫌になりますね……」
優輝翔がそう言って少し表情を厳しくすると、公爵も苦笑いしながら、色々とこの国の事情を説明してくれた。
「なるほど。要は新興国かつ亜人の国であるミスミドと国交を結ぶのに反対しているバカ共の仕業ってわけですか。」
「まぁ……そうなるな。」
馬車が城につくとふたりは公爵が先導して早足で中へと突き進んでいった。しかし入ってすぐの吹き抜けエリア正面の階段を登る際、ふと目の前に1人のデブの身なりだけはいいおじさんが立ち塞がる。
「これはこれは公爵殿下。お久しぶりでごさいますな。」
「っ!……バルサ伯爵……」
「ッ!!!」
『バルサ伯爵』
優輝翔はその名前を聞いた瞬間、とてつもない殺気と歓喜を湧き上がらせた。それを表に出さなかったのは、奇跡と言えよう。そんな優輝翔の心の内なんて知りもせず、バルサ伯爵は地雷を巻き続ける。
「ご安心ください。既に国王陛下を狙った輩は取り押さえましたぞ。あとは首を跳ねるだけです。」
「なっ、なんだと!」
「犯人はミスミドの大使ですよ。陛下が倒れる直前に飲んでたワインがその大使が送ったものでしてな。ついでに抵抗したので大使の妹や護衛も全員引っ捉えて鎖で繋いでおりますぞ。」
「っ!…………ふっ。」
その言葉を聞いた瞬間、優輝翔の中で何かが切れた。
抵抗したアルマが捕らわれた。それはつまり、何らかの暴力行為も受けた可能性を示唆する。それを理解した瞬間にもう、バルサ伯爵の運命は、地獄から地獄の地獄へと、どんどん格下げされていったのだった……
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「リカバリー」
そう唱えた優輝翔の手のひらから出た光が、衰弱しきった国王を包み込む。そして気づけば国王はすっかり元通りになっていた。
「これは……どういう事だ?」
「お父様!」
「あなた!」
ふたりの少女と女性、恐らく娘と母が勢いよく起き上がった国王に抱きつく。そばに居た主治医?も王様の急な変わりように目を見開いていた。
「アル…アルフレッド。この者はいったい…?」
王様が自分を治した優輝翔を信じられないような目で見つめる。
「兄上。この者が我が妻の病を治し、娘を助けてくれた白鷺優輝翔殿です。」
「おー!彼が!」
国王はそう言ってキラキラした目を優輝翔に向けた。そんな国王に優輝翔は苦笑いを零していると、不意に後ろから背中を軍服の男の人に叩かれた。
「よくぞ陛下を救ってくれたな! 気に入ったぞ!」
「あ、ああ。いえ、別に大したことはしていないので。」
「そんなに謙遜するな!ガッハッハッ!!」
軍服の男がそう言って何度も優輝翔の肩を叩く。優輝翔がそれに流石に迷惑していると、男の横にいた翠色の髪の女性が男を止めてくれた。
「将軍、そのへんで。しかし、あれが無属性魔法「リカバリー」ですか。興味深いですわ。」
女性の言葉に優輝翔が苦笑いしていると、ふと後ろから公爵と王様の会話が聞こえてきた。
「兄上、それでミスミド王国の大使についてですが……」
「ん?大使がどうかしたか?」
「兄上暗殺の首謀者として親族護衛共にバルサ伯爵に拘束されております。いかがいたしましょう?」
「なんだと!?有り得ん!!ミスミドが私を殺してなんの得がある!?これは私を邪魔に思う別の者の犯行だ!!」
王様が怒鳴りながらそう言うと、先程の男と女性が王様に口を挟んだ。
「しかし実際、大使から贈られたワインを飲んで陛下はお倒れになられた。そしてその現場を多くの者が見ております。」
「だとすれば、大使から贈られたワインに毒が仕込まれていたのは事実です。これを覆さない限り、大使の容疑は……」
「ううむ……」
ふたりの言葉に王様は少し考え込む。しかしここで、優輝翔がふと今の女性の言葉に疑問を感じ、口を開いた。
「ひとついいでしょうか?」
「?何でしょう?」
「いや、今の話を聞いたところ一見とても筋が通ってるように見えたのですが、ちょっと裏付けがないように思えたので。そこで質問ですが、あなた方はワインの中から実際に毒を見つけたのですか?」
「それは……しかし陛下は……」
「見つけてないんですね。」
「………………」
優輝翔の攻めに女性が黙り込む。すると国王は優輝翔に首をかしげながら尋ねた。
「やけに大使の肩を持つようだが……もしかして、君は大使と知り合いか何かかね?」
「ええ、まぁ。それで陛下。俺に犯人探しを任せてはもらえませんか?どうせ犯人の目星はついているんでしょうし。」
優輝翔の言葉に国王は少し考えてから、チラリと公爵の方を見た。公爵がそれに頷くと、国王も優輝翔に首を縦に振る。
そこで優輝翔はその場にいる全員を引き連れ、王様が倒れたそのままの状態であるという大食堂に向かった。
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「広いな……」
大きなホールのようなその部屋に、優輝翔はポツリとそう呟く。そして将軍の男に手渡された例のワインを片手に、「サーチ」で毒探知を行った。
「っ!まさか、「リカバリー」だけでなく「サーチ」まで……」
後ろから女性の驚きの声が聞こえてくるが、優輝翔は構わず探知を続ける。そして……
「……はぁ。終わったな。」
優輝翔はそう言って後ろにいる全員に毒のありかを話すと、全員驚いたように目を見開いた。
「まさか……そんなところに毒が……」
「流石優輝翔殿だ……」
「まさか「サーチ」まで使えるなんて……」
「カッコイイ…//」
約1名、少し違った反応を示しているものの、皆一様に優輝翔の言葉を信じてくれたらしい。それを見て、優輝翔は全員に一芝居依頼をした。