異世界はスマートフォンとともに 改   作:Sayuki9284

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一週間ぶりです(。ᵕᴗᵕ。)

今話もよろしくお願いします(。ᵕᴗᵕ。)


第50話 新居

 

数日後、優輝翔は公式の場で陛下から予め伝えていた3つの報酬を授かった。

 

1つは国宝。これは既に貰っているので、公式の場でもそのように発表された。

 

2つ目は冒険の拠点となる家。そして3つ目が、同じく冒険者業のための資金だ。

 

授与式は午前中に行われたため、優輝翔は午後から八重と婚約者全員を引き連れ、もらった家に向かった。え?パーティー?会食?優輝翔が出るわけない、うん。

 

 

「それで、その家はまだなの?」

 

 

王都の中を歩いていると、優輝翔の横についていたエルゼが優輝翔の顔をのぞき込むようにして尋ねてきた。

 

 

「ああ、まだ先だな。」

 

「住所はどの辺りなのですか?優輝翔様。」

 

 

エルゼと逆の横についていたユミナが、こちらは顔だけを優輝翔の方に向けて尋ねる。え?リンゼが隣じゃないのかって?そりゃまぁ、リンゼには正妻の余裕というものがありますから。後ろで八重と仲良く話しながらただついてきてますよ。

 

ちなみにアルマはユミナのさらに隣にいて、たった今優輝翔からユミナに渡された住所が書かれた目録をユミナと仲良く見ているところだ。

 

 

「西区、パララン通り21A…ですか。」

 

「どんなところなんですか?ユミナさん。」

 

「位置的には外周区ですが、割と裕福な層が住む区域ですね。こちらは優輝翔様が指定されたんですか?」

 

「いや、俺はボロくなくて広い家がいいって言っただけだな。あとは貴族エリアはやめてくれとも言ったが……」

 

「なるほど…。それならいい場所かも知れませんね。この辺りは裕福な層が住む場所故に、綺麗なのはもちろん、大きくて広い家も多いですから。」

 

 

ふたりがそんな話をしていると、いつの間にか優輝翔たちは西区へと到達し、やがてもらった家の前にも辿りついた……のだが、

 

 

「……デカいな。これは流石に予想外だ。」

 

 

優輝翔がそう呟いてしまうのも無理がなかった。優輝翔たちの目の前にあったのは白い壁に青い屋根の三階建ての立派な洋館だったのだ。

 

無論、公爵や子爵のそれには及ばないが、それでもいわゆる豪邸の類に入るそれは、優に2、30人の人が住むのを可能にするほどの大きさを持っていた。

 

 

「とりあえず、中に入るか……」

 

 

立ち止まっていてもなんなので、優輝翔はもらった鍵で門を開け、1番に足を踏み入れる。左右にある広い草むらがそれぞれ一列に並べられた花壇によって区切られ、その中央を通る石道を進んだ先には小さな噴水のついた池があった。よく見たら離れや馬小屋のようなものまで置かれている。

 

 

「大した設備だな。」

 

「これで馬も買えますね。」

 

 

ここで初めて、リンゼが優輝翔の隣に来てそう告げる。

 

実は優輝翔たちは冒険者業をするに当たって馬車がほしいと話し合っていたのだが、如何せん今まではその置き場所に困っていたのだ。しかしここならば、そんな心配は無用である。

 

 

「まぁな。でも流石にすぐは無理だ。馬の世話もそうだが、この家の広さだとさすがに誰か雇わないとやってられないだろ。」

 

「あっ、それなら私にお任せ下さい、優輝翔様//いい人材を知っています//」

 

 

優輝翔の発言にユミナが即座にそう告げる。すると優輝翔は少し考え込んでから、「よしっ」と言ってユミナに答えた。

 

 

「なら任せる。必要な役職などはユミナに任せていいな?俺としては家を掃除するメイドや馬の世話をする厩務員とかがほしいが、ユミナなら他に必要な役職も思いつくだろ?」

 

「はいっ//おまかせくださいっ//」

 

「ああ、頼りにしてる//」

 

「っ///はいっ///」

 

 

優輝翔がユミナの頭を撫でながら笑みを浮かべてそう言うと、ユミナはとても幸せそうな笑顔で拳を可愛く握りながら頷いた。

 

その後優輝翔たちは家の中を一通り見て回ると、引越しの準備をするため銀月へと帰ったのだった……

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

3日後、優輝翔たちは午前中の間にリフレットでお世話になった人たちに挨拶回りを行い、王都へ引っ越した。

 

荷物に関してはほとんどを優輝翔が「ストレージ」でしまい込んだので、特に馬車なども必要とせずに引越しを終えられた。そして優輝翔が6人の部屋にそれぞれの荷物を出し終え、それぞれ自分の部屋を片付けていると、ふと誰かが優輝翔の部屋のドアを叩いた。

 

 

「ん?誰だ?」

 

「優輝翔様。ユミナです。少しよろしいですか?」

 

「ああ、どうした?」

 

 

優輝翔がそう言うと、ユミナは「失礼します」と言って部屋に入ってくる。

 

 

「優輝翔様。雇う者達の件ですが、まず家令を務めてくれそうな者が来ましたので、お会いしていただけないでしょうか?」

 

「家令か。分かった。」

 

 

優輝翔はそう言ってユミナについて下に降りる。そしてリビング予定の大部屋に入ると、ひとりの老人が姿勢よく椅子に腰掛けていた。

 

老人は優輝翔が入ってくるとすぐさま立ち上がって頭を下げる。

 

 

「お初にお目に……いや、2度目でございましたな。ライムと申します。以後、お見知り置きを。」

 

「2度目……ああ、授与式の。ライムさんって言うのか。でもいいのか?ライムさんは王様に使えてるんだろ?」

 

「いえ、恥ずかしながらもう歳でして…。ちょうど引退を考えていた時に姫様にお誘いいただいたものですから。残りの人生、弟の命の恩人に報いるのも悪くないと思いまして。」

 

「弟?」

 

「レイムと申します。」

 

「ああっ。どうりで似てるわけか。」

 

 

優輝翔はそう言って納得すると、頭の中で少しばかり思考する。そして「よし」と言って頷くと、ライムさんに告げた。

 

 

「じゃあライムさんは家令として採用するけど、本当にここでいいのか?正直うちより高待遇な所は山ほどあるぞ。」

 

「いえ、私はもうここと心に決めましたので。」

 

「そうか……なら頼む。仕事内容は……まぁ、ライムさんなら説明するまでもないか。一様言っとくと、この家の管理業務全般だ。」

 

「畏まりました。ではまず、他の雇用したい人材を集めて参りますので、私は1度失礼させていただきます。」

 

 

ライムさんはそう言うとリビングを出ていった。優輝翔はそれを見送って、隣にいるユミナをぎゅっと抱きしめる。

 

 

「ひゃっ//ゆ、優輝翔様…?//」

 

「ユミナ、ありがとう//」

 

「ぁ……///」

 

 

優輝翔はそう言ってユミナの髪を撫でる。ユミナはその言葉と優輝翔のなでなでに顔を赤くし、ぎゅっと優輝翔の背に回した手で優輝翔の服を掴むと、めいっぱい優輝翔にくっついて額をすり寄せた。

 

 

「優輝翔様…//」

 

「今回はユミナにほんと助けられた//これからもよろしくな//」

 

「はい//お任せ下さい…//」

 

 

ユミナはそう言って幸せそうな顔で優輝翔に身体を預ける。今まであまり構ってもらえていなかったユミナにとって、優輝翔に褒めてもらえて、感謝され、甘やかしてもらえるこの時間は、何にも代えがたい至福の時間と言っても過言ではないのだった……

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

全員の片付けが終わった後、みんなで他に足りないものがないかリビングで話し合っていると、不意にリビングのドアがノックされてライムさんが入ってきた。

 

 

「旦那様。雇用したい者達を連れてまいりました。身元もしっかりしておりますので、どうか雇っていただけないでしょうか?」

 

「旦那様って……」

 

 

優輝翔はそうボヤきながら、ライムさんが連れてきた人たちを見る。メイド服の女性2人、戦えそうな男2人、あとは穏やかそうな男性と女性が1人ずつだ。

 

その中で、まずはメイド服の女性2人が一歩前に出て頭を下げてきた。

 

 

「メイドギルドから参りました。ラピスと申します。どうぞよろしくお願い致します。」

 

「同じくセシルと申しますぅ〜。よろしくお願い致しますぅ〜。」

 

 

真面目な黒髪ショートがラピス、ほんわかゆるゆる茶髪のウェーブがセシル。この2人の自己紹介が終わり2人が1歩下がると、今度は戦えそうな男共が前に出てきた。

 

 

「トマスと言います!元・王国重歩兵です!」

 

「ハックと言います!自分は元・王国軽騎兵です!」

 

 

重歩兵が太い方。軽騎兵が細い方。何とも失礼な覚え方だが、優輝翔は勝手にそう頭に入れた。そして最後に、穏やかそうな見た目の二人。

 

 

「庭師のフリオと申します。こっちは妻のクレアです。」

 

「クレアです。調理師です。」

 

(ああ…。やっぱり夫婦か。)

 

 

優輝翔はそう納得しながらふたりの事も頭に入れると、全員に採用を言い渡した。

 

 

「ありがとうございます。それでですね、旦那様。トマスとハックの二人は王都の中に家があるのですが、私も含め他の者達はこちらでの居住を希望しているのです。それについて許可をいただけないかと……」

 

「ああ。それに関しては構わない。部屋も余っているしな。それと、夫婦のふたりは離れを使うといい。あそこも人が住めるみたいだし、夫婦で過ごすなら離れの方が色々都合がいいだろう。」

 

 

優輝翔がそう言うと、夫婦含め5人は一斉に頭を下げる。そして優輝翔はひとまず雇った7人に十分な資金を渡すと、ここでの仕事や生活に必要なものを買い込むように命令した。そして再び優輝翔と婚約者、八重の6人だけになると、優輝翔たちは先程の話し合いを再開したのだった……

 

 

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