異世界はスマートフォンとともに 改 作:Sayuki9284
第1話を中心に修正を加えましたが、第1話以外はほぼ変化などないので、修正が気になる方は第1話だけ見ていただければ万事大丈夫です。
翌日、優輝翔たちは昨日同様に午前中に依頼を終わらせると、エルゼは再び1人で依頼を受けるためにギルドへ、優輝翔は今日は姉よりも頭がいいという(まぁ見た目からも滲み出てるが……)リンゼに文字の読み書きを教えてもらうため、リンゼとふたりで『銀月』へと戻った。
自室に戻ると道すがら買ってきた紙と羽根ペンを手に、リンゼに隣で教えてもらいながら一生懸命頭に叩き込む。もともと優輝翔は物覚えがかなり良い上、神様に記憶力の向上までされたので、1度紙に書いて読み上げた文字はその瞬間に頭の中にインプットされていた。
そしてそのお陰か、優輝翔は僅か数時間後にはリンゼの作ったテストで満点を叩き出したのだ。
「優輝翔さん、すごいです//このテスト、今日習ったばかりの人には絶対に満点を出せない程難しく作ったのに…//」
「てかそんなの出すなよ。」という言葉は言わない方がいいだろう。優輝翔は空気が読める男である。たぶん。
「まぁな。もともと物覚えはかなりいいんだ。でもそれだけじゃなくてリンゼの教え方が上手かったのも確かだから、ありがとな。」
「ふぇっ///あ、えっと、……はい…///」
優輝翔がそう言ってリンゼの頭を撫でると、リンゼは顔を真っ赤にしながら辿々しくそう返した。優輝翔はそんな初心で可愛らしい反応に自然と笑みを浮かべ、ほんの少しだけ長めにリンゼの頭を撫でていた。
「さて、じゃあ勉強タイムは終わった事だし、下に行って何かミカさんにデザートでも作ってもらうか。」
「あ、はいっ//」
優輝翔の言葉にリンゼが頬を染めながら頷く。そしてふたりで1階まで降りたのだが、1階の食堂で何やらミカさんとエルゼ、それとあと1人、優輝翔の知らない女の人が3人で難しい顔をして話している様子が見えて、二人は顔を見合わせて同時に首を傾げた。
「どうしたんですか?ミカさん。」
「あ、優輝翔君っ。お勉強は終わった?」
「ええ、まぁ。ところでそちらの人はミカさんの友人ですか?」
優輝翔が初めましての人を見ながらそう言うと、その女の人は少し驚いたように声をあげ、少し緊張気味に自己紹介し始めた。
「あっ、は、はいっ!私はミカの友人で、アエルと言いますっ。」
「俺は白鷺優輝翔です。あ、呼び方は優輝翔でお願いします。」
「分かりました、優輝翔さん。」
優輝翔の頼みにアエルさんは快く頷く。するとミカさんがアエルの隣にやって来て、補足事項を加えた。
「ちなみに、この子あの喫茶店『パレント』の従業員よ。……」
「へー。あそこのですか。俺達も昨日行きましたよ。とても美味しかったので、またお邪魔しますね。」
「ほんとですかっ?それは是非!」
優輝翔の言葉にアエルさんは嬉しそうに手を胸の前で叩いてそう言った。優輝翔がその姿に笑みを浮かべていると、ふと自分の服が後ろから少しだけ引っ張られてるのに気づき後ろを振り返る。するとリンゼがまたも可愛らしく、若干頬をふくらませながら少し拗ねた感じで抗議してきた。
「優輝翔さん……私も混ぜてくださいよぉ……」
「あー、ごめんごめん。」
優輝翔がそう言いながらリンゼの頭を撫でると、リンゼは一瞬で期限を直して優輝翔のなでなでを堪能する。優輝翔はその様子に柔らかな笑みを浮かべ、そのままアエルさんにリンゼを紹介した。
「アエルさん。この子はリンゼ・シルエスカ。そこにいるエルゼの双子の妹なんですけど……」
「まぁっ、それで似ていたのね。」
「……その様子だと、もう自己紹介自体は終わってるみたいですね。」
「当たり前よ。」
優輝翔の呟きに、ここで初めてエルゼが口を開いてそう返す。
「言ったでしょ。相談してるって。」
「いや、言ってねぇから。」
「あれ?そうだっけ?」
「あはは…。エルゼちゃん、実はまだ優輝翔くんたちには話してないんだよねぇ…。という訳で優輝翔くん。リンゼちゃんも、ちょっと相談に乗ってくれない?」
「「相談??」」
そう言ってまたも綺麗に同時に首を傾げる二人にミカさんは苦笑しながら、相談してた内容を説明してくれる。何でも、アエルさんが新作の女性受けするお菓子を作りたいそうで、そのアイデアを出してほしいということらしかった。
「女性受け……難しいですね…。」
「確かにな…。…………アイスクリーム、は単純すぎるか?」
「「「「アイスクリーム????」」」」
「えっ?」
優輝翔の言葉に今度は優輝翔以外の4人が一斉に首を傾げる。それに釣られて優輝翔も思わず声を漏らしてしまった。
「もしかして……アイスクリームを知らないのか?」
「えっと、氷……ではなく?」
「ああ……なるほどな。なら作ってみるか。」
リンゼの言葉に優輝翔はある意味納得した。考えてみればこの文明の遅れた世界に冷蔵庫などというものがあるはずも無く、それならばそんなすぐに溶けてしまうようなアイスクリームはなくても当然であろう、と。
だが……
(作ったって、その場で食べきれば問題ないか。てか氷魔法使えばよくね?)
そう思って優輝翔はスマホを取り出すと、パパっとアイスクリームのレシピを検索する。そして4人に手伝ってもらいながら、5人分のアイスクリームを作り始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜〜〜〜
しばらくして、アイスクリームが完成した。
「美味しい!」
まず最初にと、1口食べたアエルさんがそう反応する。いや、実際はそれよりも先に優輝翔が毒味(?)をしているので、最初ではないのだが……
「ほんとっ。美味しいね、これ。」
「すごく甘い……」
「うん。冷たいけど、それも美味しく感じます…。」
どうやら4人の口に問題なくあったらしい。優輝翔としてはこの世界と元の世界との味覚の違いに不安を寄せていたが、問題なかったようだ。
「どうですか?アエルさん。保存方法に関しては先程(※アイスクリームを作る時に、リンゼの氷の魔法を使って固めたこと)のように水属性の適性がある人に氷を作ってもらって、それを砕いて周りに固めて置いておけば小一時間くらいなら軽く持つと思うんですが…………」
「そうですねっ//アイスクリーム、すごくいいです!//ありがたく使わせて頂きますね!//」
アエルさんは嬉しそうにそう言うと、一目散に優輝翔から貰ったレシピを持って『パレント』へと帰る。優輝翔はそんなアエルさんに苦笑しつつ、ひとり頭の中で考える。
(今度はパフェのレシピでもあげてみようかな。)
と……