終盤の必殺技シーンは美しさも感じてしまいましたが……分かる人いますかね?
やぁ画面の前の皆、主人公だよ。
ところで皆は人とぶつかったらどう謝る?ごめんなさい?それとも土下座?
それじゃあ人にレンガを投げたらどうする?
「お前……人に向かってモノを投げるとか……どう教育されてるんだよ、ええ?」
「すみません。僕じゃなくてコイツが悪いんです」
『え、だってお前が何とかしろって』
僕だったら正直に答えるよ。
……え、この場合は責任転嫁だって?あー、ごめん。なんて言ってるか分からないなー!
何気に何事も無さそうに復活した敵の……死柄木だっけ?そいつは額を抑えながらこちらに向かって呟く。
「そうか……じゃあ、殺すしかないよなぁ」
『殺す?おい。アイツ、オレ達を殺すんだとよ。それじゃあオレ達がアイツを殺しても問題はねぇよなぁ!!』
「やめろシンビオート!」
いや、確かにこちらに非があったけど!その頰を叩かれたら叩き返すような理論はやめて!
……あぁ、こりゃもうグダグダ言っても意味は無いみたいだね。
「随分と教育がなってないな……。ママに人を殴っちゃ駄目って言われてなかったのか?」
『悪いなぁ。あいにくママのしつけがなってなくてなァ!!』
「皆ッ!今の内に相澤先生を!」
三人に向けて叫ぶ僕に緑谷君が心配したような声色で口を開いて来る。
「来正君は!?」
「化物には化物を、ハルクにはハルクバスターを。怪人には怪人をだ!コイツは僕等が相手をする!」
『オレ様は怪人じゃあ無いが、暴れられるんなら怪人でもイイぜ!!』
正直、勝てるか分からない。でもヘイトが僕に集まっている今なら相澤先生を安全に避難させる事ができる。せめてクラスの皆が脱出するまで持ち堪えられれば理想的なんだけど。
……もし、キャップやアイアンマンがこの立場だったらさ。必然的に皆を守る為に戦うよね!
「シンビオート、戦闘準備だ」
『やっと出番か。喜べお前等 待ち望んだオレ様の晴れ舞台だ』
おっと、第四の壁的な発言はそこまでにしてもらおうか。そろそろシリアスなシーンに突入するから。
「クソ、なんなんだお前等。さっきから変な事ばかりグチグチと……此処は漫才の会場なのか……?あぁムシャクシャする、気が狂いそうになる……!毒だ、お前等は毒だ!徹底的に殺してやる……!」
『毒呼ばわりとは酷い野郎だ』
「その酷い野郎に二度もレンガをぶつけた君が言える立場じゃないけどね」
けど、毒。毒かぁ……、いいなソレ。
確か毒って英語で
「……
『ヴェノム?良いセンスだ、それじゃあそう名乗ろうか』
えっ、何で名乗るの?何故このタイミングで?
……いやヒーローらしくて良いかも。それじゃあ名乗らせてもらおうかな。タイミングは合わせてよね?
「僕等は毒だ お前達にとっての
「カッコいいなぁ その台詞。それじゃ───
「『
「殺せ、脳無」
直後、
『随分と無口だなァ!その口は飾りか!?』
顔面を掴みグルグルと振り回し投げ飛ばす。しかし脳無と言う敵は壁や地面に衝突しながらも体勢を立て直してしまう。
見たところシンビオートと同じパワータイプか!
『おい!返事くらいはしろよ!』
「来てるぞシンビオート!大盾だ!」
跳躍しながら振りかぶってきた腕を形成した大きな壁で防ぐ。瞬間、脳無の攻撃を受け止めた盾の一部が拳に変化し顔面を殴りつけた。
『……おっ』
「効いてない?」
強めに殴りつけた筈なのに微動だにしない。結構、脳が揺れるくらいの衝撃だったのに……いや、脳は剥き出しだけどさ。
『ぶっ倒れておけッ!』
近くにあった街灯をへし折り脳無に叩きつけた……が、効いてない。 くそっ!表情をピクリとも動かしやしない!せめて痛そうな表情でもしてくれたらよかったんだけど!
『効いてねぇなッ!』
「なんだコイツ、さっきから……っ!」
殴っても、投げても、腕をハンマーのようにぶつけても何度も立ち上がるどころか攻撃が一切効いてないみたいだ。
まさか、コイツの個性なのか!?
「シンビオート!さっきから戦って違和感は無いか⁉︎」
『違和感?そりゃ、さっきから手応えが無いし何も無い所を殴ってる感じだ』
手応えが無───うぉッ!?
コイツ、僕等の足を掴んで投げ飛ばしたのか!?
『ッ───!ブッ潰してやる!』
「落ち着けシンビオー……って、ちょっと!?」
その場に落ちていたと言うかシンビオートが折った街灯を持って僕等に向かって飛んできた!!
「嘘だろッ!」
『HolyShit!』
咄嗟にその場から飛び退いた直後、さっきまでいた場所に街灯が突き刺さる。
危なッ!あとついでに突き刺すなら元の位置に戻して欲しかったんだけどなぁ!!
『アイツやりやがったな……!』
「体勢を立て直すッ!」
片手を盾に、片手をハンマーのような形へ形成させる。
「アイツは確実に突っ込んで来る。なら、取るべき戦法はカウンターだ」
『それならラクでいいな』
「───ッ!」
来たっ!5m、4m、3m……そこだッ!シールド!!
盾を前に突き出すと同時に相手の拳も突き出され、互いに衝突し合う。……瞬間、盾が融解し脳無の腕を飲み込んだ。
「今だッ!」
『
腕が飲み込まれ身動きが取れない状態の脳無の顔面にハンマーをガツンと撃ち込んだ。流石にこれは応えたのだろうか。一瞬、後退するような素ぶりを見せた。
『ハハハッ!ザマァ見ろだ!』
「シンビオート……いや、脳の部分を殴らなかった分良かっ───ッ!?」
直後、脳無が片方の腕をこちらの顔面に伸ばして来た。
僕は飲み込んでいた腕を解放すると咄嗟に身を黒い巨体を持つ敵を一本背負いの要領で投げ飛ばす。
『Shit!まだピンピンして……!』
「いや、違う!そもそも"効いてなかったんだ"!」
先程の攻撃は僕等の一撃に怯んだのではなく、攻撃に勢いをつけるために一歩引いたのだと理解した。
いくら攻撃しても感じない手応えの無さ、そして顔面に対する攻撃もほぼ無傷。
これらから推測すると───
「衝撃吸収の個性かッ⁉︎全身ヴィヴラニウムなんて大概にしろッ!」
これじゃブラックパンサーの立場が無いぞ!またワカンダからヴィヴラニウムが密輸されたのか⁉︎
そんな馬鹿馬鹿しい事を考えていると、横の方から声が聞こえて来る。
「思ったより苦戦してるなぁ、なんだよ実力は口だけか?」
『うるせぇレンガぶつけんぞ。そもそもお前が戦え』
「おいおい頑張れよなヒーロー。これくらいの障害乗り越えてみろよ」
『面倒臭い。殺すか』
「やめろシンビオート!殺すな!」
片手を斧に形成し始めたシンビオートを抑える。このまま勝手な事をさせる訳には行かない。
『キョウセイ!コイツ等はオレ等を殺しに来たんだぞ!それじゃ殺しても別に構わないだろう!』
「だからと言って殺していいわけ無いでしょ!」
『目の前に居るのは敵だ!殺しても問題無い!』
「目の前に居るのは人だ!殺していい訳無い!」
「……なんだよコイツ等。いきなり仲間割れか?」
うるせぇレンガぶつけんぞ。
そう心の中で毒づきながら言い争いをしているとシンビオートが『チッ』と舌打ちをする。
……おい、シンビオート コラ。
『それじゃあ殺さなければ良いんだろ!』
そう言うと斧の形に形成した腕を脳無の足に叩き込む。すると刃は深々と黒い肉体に食い込む結果となった。
『よぉし、食い込んだ───おおおおッ⁉︎』
直後、脚をまた掴まれグルグルと遠心力を利用して振り回される。
うおおおおおッ?もしかして最初の方にジャイアントスイングしたのを根に持ってるの⁉︎
『〜〜〜ッ!いい加減にしろッ』
振り回されながらもシンビオートは腕を伸ばすと鋭利な爪を突き立て脳無の顔面に傷をつけた。
すると掴んでいた手の力が緩み勢いよく投げ飛ばされる。
「〜〜〜〜っと」
『クソ、やってくれるなアイツ!やり難いったらありゃしない』
受身を取り、ダメージを抑えながら立ち上がる。確かにやり難い相手だろう。
……が、先程シンビオートの爪による
「シンビオート、とにかく奴に色んなものをぶつけて攻撃しよう!足を止めるんだ!」
『シューティング!ヘッドショットで高得点狙うか!』
そう僕が言うとシンビオートは嬉々として足元のタイル。街灯、近くの壁と言った設置されたものを剥がしたり取り外し、ソレを脳無に向けて投げつける。
脳無はソレを受け止める、体当たりで壊すなどをしながらこちらに向かって来る。
徐々に僕等の周囲が酷い有様になっていくけど……うん。まぁ、あれだよね……、敵の所為でこうなったと言う事にしておこう。
『ハハハ!これは中々面白いな。次はどうする!』
「うん、周りが酷い事になってるけど……とりあえず良し!」
僕がそう言うと体を低姿勢の四足歩行の状態で脳無に向かって走らせる。
残り数m。互いがぶつかり合いそうになる瞬間、僕は
「うっ───おおおおッ!!」
『随分なムチャをするな。さすがはキョウセイだ』
個性を解除した事により黒塗りの巨体から元の姿へ変化する。そうすると自ずとサイズも小さくなる為、脳無の股下をスライディングする形で潜り抜けた。
「シンビオート!後ろから掴め!」
『来たか!』
直後、再びシンビオートを全身に纏うと勢い良く後ろから押さえつけるように脳無の後頭部を掴み地に叩きつける。
「気付いた?シンビオート」
『何がだ』
「コイツ、再生しているぞ!」
『………何?』
今さっき気付いた事だけど足と顔面にあった筈の傷が見当たらない。斧や爪による裂傷がそんな簡単に治る筈も無い。恐らくだけど、この脳無と言う敵は複合型の個性持ち。しかも
「やばいぞコレは……!」
『つまりはブッ飛ばし放題で傷つけ放題のサンドバッグって事だな』
シンビオート!?
いや、違うから!そんなつもりで言った訳じゃないからあの脳味噌剥き出しの敵を物欲しそうな目で見ちゃいけません!
あんなの家に置いとけないからね!
「コイツに対してダメージを期待できないって事!」
『成る程、それじゃどうするんだ?』
「脳筋的な戦法になるけどコイツの再生を上回るダメージを与える。物理攻撃は吸収するけど、それ以外の方法でトコトンやるしかない」
『つまりは?』
そう問いかけるシンビオートに僕は答える。
「好き放題にしろ」
『……これだからお前と一緒に居るのはやめられないなぁッ!!』
両手の爪が鋭利なモノとなり脳無の身体に突き立てられる。直後、肉を裂くように縦、横、十字と言うように切傷をいくつも作っていく。
時折、敵の攻撃を来る事を伝えシンビオートは上手く避けてくれる。
……駄目だ。やっぱり引っ掻き程度じゃすぐ再生される!
『それじゃ次はコレだ!』
嬉々として片手を斧。もう片方を真っ直ぐに伸ばし槍のように鋭利に形成する。しかも形成した武器の所々に棘が生えている。
……うわぁ、殺意満々。殺すのは無しだからね?
『分かってる!そうじゃないと楽しめないからなぁ!』
待って、それどういう意味?
そんな僕の意見は無視されシンビオートは身体を一回転させながら勢いを付けた斧を振るう。相手はその場から飛び退き、攻撃を躱すがシンビオートも追いかけるように跳躍し空中の敵に向かって形成した槍を突き出す。
「………!」
『そう来るか!!』
身体を捻る事で槍を躱し、がら空きになった懐に拳を叩き込もうとする脳無。しかしその攻撃に対しシンビオートは無理矢理体勢を変えながら斧を振るい相打ちになるような形で互いは吹き飛ばされる。
『………はッ!空中で避けるとは考えるくらいはできるみたいだな!』
「いや楽しんでる所悪いけど、もう回復していってるぞ……!」
先程、相打ちによって付けた筈の傷が徐々に回復していっているのが目に見えて分かる。さっきまでの攻撃も悪くなかったけど駄目だ。もっと絶え間無く攻撃を与え続けないと……!
『そうか!ならアトラクション巡りと行くか!!』
「はぁ?なんでアトラクションををををををををッ!?」
瞬間、シンビオートは脳無の顔面を掴みながら走り出した。地に、壁に、設置されたものに敵を叩きつけながら走る。
……ちょっと待って。脳無を武器にして演習場を壊してない?
『ハハハハッ!!楽しいな楽しいなぁ!!』
壁に脳無を押しつけながらガリガリと壁に一筋の跡を残しながら壁面が破壊し駆け抜ける。
うーん、これ後で弁償されないよね(震え声)
『サッカーしようぜ!お前ボールなッ!!』
敵を放り投げ蹴りを入れ、山岳地帯へシュウゥゥウウッ!超エキサイティン!とハイテンションなシンビオート。
と言うか衝撃吸収の個性を持っている筈なのに吹っ飛ばされてるけど……何?もしかして吸収できる威力に許容量があるの?
そんな事を考えながら山岳ゾーンへ走り出す僕達。大きく跳躍し脳無が吹っ飛ばされたであろう場所へ向かう。
「個性を使うのは禁止だ使えば殺s『WRYYYYYYYY』──ぐぼぁッ!?」
あれ?なんか踏んでいるような……って、うわっ!?よく分からないけど手から電気が出てる人踏んづけてる!
やばっ、生きてるよね⁉︎……脈あるし息もしているから生きてるねうん!
「うおッ!?上から来正が降って来た⁉︎」
「何をしていますの⁉︎」
「あ、八百万さんに耳郎さん!……と、上鳴君……だよね?」
三人は此処に飛ばされて来たんだね……と言うか上鳴君、顔のパーツがおかしくなってない?なんか左手で描いたようなアホ顔になってるし。
『誰だこのアホ顔。敵か?』
「いや、それ上鳴君だから!……と、ごめんね!ちょっと取り込み中だから!」
三人の無事を祈りながらも地面に上半身が埋まった状態の脳無を発見する。うわっ犬神家の一族みたいな状態になってるんだけど⁉︎
そんな状態の脳無の脚を掴むとそのまま跳躍を行う。
『オイオイどうした!!旅行はこれからだぞッ!!ハハハハハ!!』
ご満悦そうな声色を発しながら敵を片手にUSJを駆け抜ける。一応言っておくけど言動はアトラクションを駆け回る玩具を片手にした子供だが、実際は化け物が化け物を片手に暴れまわってる光景だからね?
『……おっ、まだまだ元気みたいだな!』
「いや怪我自体はまだ負っている!この状態でドンドンダメージを与えるんだ!……あと、あまり物を壊さn『次はあそこにするか!!』
すると今にも倒れそうなボロボロな建物が密集した地帯に向かって大きく跳躍しビルの屋上から敵を叩き付ける。そのままゴウン!とビルの一部が崩れ脳無は重力に沿って落下していく。
『おいキョウセイ!次はどうすればいい?』
「よし、拘束して身動きを取れないようにするんだ!……あと、あまり壊さないようにね?いや、ほんとマジで」
落下している途中、ビルから鉄骨を引き抜くとU字に曲げ地面に叩きつけられた脳無の両脇に突き刺さる。
そのまま固定され身動きが取れない脳無を踏み付け、蹴り、そばに落ちていた鉄骨を脳無の頭に振り下ろす。
……うん、どう見ても行動が敵のソレだけど……気にしないでおこう。そう考えていると脳無を引っ張り出し上空へ思い切り投げ飛ばした。
『ハハハハハ!そろそろ締めと行こうかッ!!』
そう言うとシンビオートは近くに置いてある重機を上空へ投げ飛ばし自身も同じく跳躍を行う。そのまま重機にしがみ付く形で脳無に向かって落下していく。
これって、アレだよね。うん、ついでだから言わせてもらおう。
『「ロードローラーだッ!!」』
ズシンッ!!!と轟音を鳴らしながら重機が脳無に直撃する。
………あっ、これ大丈夫?なんか調子乗ってたけどコレ死んでないよね?もう途中から死体持ってたってオチじゃないよね……(震え声)
「なんだよお前……、何をしてるんだよ……!」
『よお、さっきぶりだな。お土産の脳無のタタキだ。生のままで食うなよ?腹を壊すだろうからな』
「一応、と言うか断言しておくけど食用じゃないからねコレ!」
気が付けば再び中央へ戻って来たのだろう。アトラクション巡りを終えた僕等の目の前に首を掻き毟る敵が居た。
……なんかもの凄く痒そうだけど、薬処方してもらった方がいいんじゃないアレ?
「…………!」
「シンビオート!臓器は避けておいて!」
『注文が多いなッ!』
ボロボロになった状態で向かってくる脳無に対しシンビオートの腕から突起した触手を複数伸ばし敵の四肢を貫き釘のように壁に打ち付ける。引き抜こうと動く脳無だが手の平にも触手を打ち付けておく。
「これで無力化には成功した……これが対オールマイト用の兵器だと言う事は分かっている。ヒーロー達が来るのも時間の問題だ」
「……なんだ?もう勝ったつもりでいるのか?」
『もう勝負ついてるから』
「挑発しないで。……まぁこればかりはシンビオートに同意だよ。もうこの敵は動かない。仮に動いたとしたら身体を千切りでもしないと……ッ!?」
待てよ?千切りでもしたら……⁉︎
「なんだよ。ガキのくせして案外気付くの早いな……まぁ、もう遅いけどな」
手のようなマスクをつけた敵は隣のワープホールに手を突っ込むと壁に打ち付けられた脳無の側に現れる。
直後敵の手が脳無の腕に触れた瞬間
「ッ!!」
『コイツ、仲間の腕を!』
そのまま黒い巨体の敵は己の身体を引き裂き貫いていたシンビオートの触手を引き抜いていく。さらに、塵となった腕は瞬く間に再生していき元の状態へ再生されていった。
「うっわぁ……いつ見ても気持ちワリ。おい脳無、今度はしくじるなよ」
『なんて言う再生の早さだ』
「ウルヴァリンの比じゃない……!」
さっきまでの攻撃がほとんど無駄となる回復力。正直侮っていた。シンビオートと僕ならコイツを倒せるのではないかと心の何処かでそう思っていたが、先程の光景でそれが無理なのではと考えてしまう。
……けどそれ以上に……。
「仲間になんて事を……ッ!」
「なんだよ ヒーローが敵に向かって説教を垂れながすのか?」
この死柄木の"殺しに対する躊躇の無さ"に僕は気圧されていた。コレが敵。そこら辺にいるチンピラのような敵とは一味も違う殺意!
「かっこいいねぇ!さすがは高校生ヒーローだ!そんなペラペラ喋っているなんてさぁ!でもな、コイツは仲間じゃなくて駒なんだよ」
『駒か、……ハッ そんな玩具が無いとオレ達と戦えないお前の姿は滑稽だな。どこでそれを手に入れた?通販で買ったのか?』
「そんな玩具と仲良く遊んでボロボロになってる姿はもっと笑えるぜ?……コイツはな薬とか色んなものを投与して脳を弄った結果こうなった。分かる事は自我が無いからとても扱いやすい兵器ってところだ。だから買うのは諦めな」
死柄木の発した言葉に対し僕は手に力が入り始めると同時にとある事が頭に浮かんだ。
小さい頃から何で仮面ライダーって敵組織に許さんって言ってるのか分かったよ。
あれだ。目の前で
ましてや、その人を兵器呼ばわりするなんてさ……。
そう頭の中で考える僕にシンビオートが語り掛けて来る。
『頭に血が上ってるぞ落ち着け』
「……ごめん、悪かった」
シンビオートの言う通りだ落ち着け。それに今は目の前の事に集中するんだ……!
相手は一人から三人になった。神出鬼没のワープ個性持ちに脳無、そして触れたら確実に大ダメージを受ける個性を持つ敵である死柄木も居る。
正直、あの脳無だけでも厄介だって言うのに……!
『いいか、お前は勝つ事だけを考えてろ。美学やプライドなんかは邪魔だ、殺されるぞ。……百歩譲って殺すのだけは勘弁してやるからサッサとオレに勝つ為の方法を教えろ』
「………分かった。あと、さっきはごめん」
『別に気にしてない。それじゃ第二ラウンドと行くか』
シンビオートの言葉に僕はそう呟く。
「覚悟は決まった」そう自分に言い聞かせると、シンビオートを纏った腕からブレードを形成させ構える。
「勝てると思う?」
『オレ達なら勝てるさ』
そう返すとこちらへ走って来る脳無に刃を深々と突き刺し、そのまま巴投げの要領で後ろへ投げ飛ばす。しかしワープホールが目の前に出現し脳無が再び出現する。
が、予想通り。斧を形成しタイミング良く脳無に振り下ろし地へ叩きつける。
「そのまま地面に固定だ!」
『分かった』
シンビオートの一部を脳無に纏わせ、動かないように縛り付けたあと残り二人に向かって触手を伸ばす。
「おい」
「分かっていますよ死柄木」
そうワープ個性の黒霧が呟くと自身の目の前にワープホールを作り出し触手が僕の目の前に飛び出し、逆に吹っ飛ばされてしまう。
体勢を無理矢理立て直す頃には脳無はシンビオートの一部を引き千切りこちらへ向かって来た。
「ふりだしに戻ったッ!」
『面倒くさいな』
脳無に注意が向いていたが、気付けたのが奇跡だった。
いつの間にか僕等の"後方から手が伸びて来た"のだ。
それに対し飛び退く事で距離を取る。どうやらワープ個性で僕の死角から死柄木の手をワープさせていたみたいだ。
怖いな!と残り数cmでミンチより酷い事になっていた事実にビビりまくると同時にあのワープ個性を利用できるのではないか?と言う考えが湧き上がる。
『利用できそうだって言ってるがどうやる?』
「その前に聞いておきたいんだけど"分の悪い賭け"と"チマチマやる戦法"どっちを選ぶ?」
『勿論。勝率が高い方だ』
「了解、突っ込め!」
そう言った直後、シンビオートは脚をバネのように変化させ前方へ飛ぶ。把握テストの時のような横に落ちる感覚が襲って来るが今はどうでもいい。脳無も向かって来るが身を翻しスルー。
目的はただ一つ、黒いワープホールだ。
僕がそう思っているタイミングで目の前に小さめのワープホールが出現した。よし、アレなら"ギリギリ通れる"!
「シンビオート、一時的に解除だ!」
『怪我はするなよ!』
そう言うとシンビオートを纏わない僕は小型の盾を取り出し黒いワープホールへ突っ込んだ。
「何!?」
「うおおおおおおッ!!」
直後、盾はボロボロに崩壊し周囲の景色も先程と少し違う場所へ変わる。どうやらワープホールを使ったショートカットは成功したようだ。
目の前で驚愕している様子の死柄木に向かって盾を二つ同時に投げつけるが両方とも掴まれ塵に化す。
……が、僕の狙いは死柄木じゃない。
シンビオートを纏った腕をゴムのように伸ばし黒いモヤを纏った黒霧に向けて巨大な拳を突き出す。
『さっきはよくもやってくれたなぁッッ!!』
「ッッ!?」
更にシンビオートの一回り大きくなった拳が黒霧を確実に捉えた。先程はモヤに隠されて分からなかったけど爆豪君と切島君が攻撃を仕掛けた時、危ないって呟いていからね。必ず実体のある箇所があると考えた。
それじゃあどう攻撃すれば良いか?その方法は至極単純。
直後、巨大な黒の拳はモヤを纏った敵に命中し吹き飛ばす事に成功する。
「ぐ───ぉぉおッ!?」
「チッ、何やってる黒g『余所見してると怖いエイリアンに臓物ブチまけられるぞ、こんな風になぁ!』
そう叫びながら鉤爪が形成され目の前の手のようなマスクを着用した敵に向かって突き出した。ギリギリの所で躱され脇腹を軽く抉り、敵の鮮血が宙を舞う。
『チッ、外れたか』
「ッ痛ぇ……、ヒーローだろ。少しは加減してくれよ」
『なんで加減しなきゃいけない?グダグダほざくな』
「まぁ、いいか……それよりさ。腕はそのままでいいのかい?」
『腕……?』
「……ッ!」
そう言われて僕等は気付く。鉤爪の先からボロボロとシンビオートの腕全体が徐々に崩れ始めていた事に。どうやら鉤爪で攻撃した瞬間触れられていたらしい。
数秒後にはシンビオートの片腕はドサリと地面に落ちてしまう。
『腕がやられた!』
「いや、僕自身の腕は平気だ!一刻も早く腕を形成し───ッ⁉︎」
瞬間、どこから現れたのか脳無が僕の身体を掴み一撃、二撃と拳を叩きつけられる。それに加えて地面に叩きつけられ
すると徐々に胸部分のシンビオートの装甲が剥がれ、黒い液体が地面にボタボタと零れる。
まずい、このままじゃ───!
「成る程な、おい脳無。その黒い奴から中に居るのを引っ張り出せ」
無言でシンビオートの上顎を掴み肉を裂くような音を立てながら僕の顔が露わとなってしまう。
まずい……!引きずり出される……ッ!
『ッ!しまっ───』
そのまま成す術も無く僕は引き剥がされてしまい放り投げられる。ゴロゴロと地面に転がる僕は何とか立ち上がり構えを取る。
「どうするヒーロー。もう安全な場所で戦えないぜ?」
マスク越しから嘲笑うような声が響く中、シンビオートが僕に語りかけて来る。
『fuck!大部分がやられた!十分に戦えないぞ!』
「………いや、まだだ」
そう言うと僕は盾と刃を腕から形成する。
多少身体は痛むけど、まだ脚は動かせるし頭も働かせられる。それに、
「サポートを頼む」
『死ぬなよ』
そう呟くと僕はヘッドギアのマスクを展開する。……よし、壊れてない。戦う準備を整えた直後に再びシンビオートが口を開く。
『勝てるか?』
「さてね、でもサノスを相手するよりは全然マシだよ」
そう呟き、脚にバネを形成し敵に向かって跳んだ。脳無が拳を突き出して来るがそれを盾で受け流し腕に刃を突き立てる。
しかし痛覚が無いのか、または鈍いのか。全く気に留めずに僕の脚を掴み振り回して来た。
「この程度ッ!」
足先に黒の刃を形成し脳無の指を切る。すると掴んでいた手の力が緩み放り投げられる。
ッ───!肺から息が全て出される。
まずい攻撃が来る……立て!とにかく防御を……!盾を構えてガードしろ!
その直後、脳無がタックルを仕掛けて来た。全身に衝撃が伝わり後方へ吹き飛ばされてしまう。
「ぐ……ッ!!」
ミシリと腕から不快な音が響く。内側から炎のように痛み広がっていくのを感じる。恐らく左腕は使い物にならないだろう。
……まだだ、この程度で根を上げるなッ!そう自分に言い聞かせ、無事な方の腕にシンビオート纏わせる。
「シンビオート、頼むぞ……!」
『死ぬなよ』
「おいおい、まだやるってのか?……それじゃあ望み通り殺してやるよ。脳無やれ」
死柄木の言葉を聞き脳無はコチラに向かって拳を振りかぶって来る。チャンスは一回。失敗したら多分死ぬ。成功したら……あぁ、もう考えるのはやめた!
脳無が振りかぶって来る拳を僕は身体を回転させ、拳を捌いて回避しながら懐に飛び込み───
「これでッ!」
『
形成した黒の剣を脳無の胸に突き立てた───。
「は………?」
死柄木の腑抜けた声が漏れる。
それも仕方の無い事なのかもしれない。
「そんな小さな剣で倒せると本気で思ってたのか?」
僕の最後の抵抗。
形成したのは僅か10cm程の
「息……が………ッ!」
コイツ。力が凄まじい……ッ!このまま窒息……いや、圧断する気かッ⁉︎早く……早く何とかして………ッ⁉︎
「来正君ッ!!」
意識が朦朧としていく僕の視界に飛び込んで来たのはコチラに飛んで来る緑谷君だった彼は何故か拳を振りかぶり、力を込めて………って緑谷君⁉︎何してるの君!なぜにこっちに向かって腕を振りかぶって……えっ、ちょっと待って?なんで僕に向かって来てるの?待って、やめて、死にたくn
「SMASH!」
ゴォッ!!!
直後、僕に凄まじい暴風が襲いかかった。バラエティで見かける芸人が巨大扇風機に向かって進むアレとは比較にならないレベルで僕は大きく吹き飛ばされる。
「 う わ ら ば 」
飛ばされた僕はそのまま地面にキスする羽目となる。し、死ぬかと思った……ッ!緑谷君が寸止めしてなかったら今頃、首から上が無くなっていた……!
そう思っていると僕を吹き飛ばした
「大丈夫!?来正君!!」
「だ、大丈夫 だけど何で僕に……?」
「ごっ、ごめん!だけどアイツに物理攻撃は効かないからさ!本当にごめんッ!」
そう言いながら頭を下げる彼の姿に良心がチクリと痛む。確かに言われてみればアレが良かったのかもしれないが、ボロボロになった緑谷の腕を見て僕は罪悪感を覚えてしまう。
「さっきのはびっくりしたよ。オールマイトの一撃に匹敵……いや、それ以上だ」
「………ッ」
「そう言えば忘れていた……!」
僕と緑谷君は立ち上がりファイティングポーズを………あ、ダメだ。今、片腕が折れてるんだった。
それに加えて緑谷君も片腕がボロボロで見た目がグロい事になっている……あ、やばい。なんか血を流し過ぎたのかなんか謎の浮遊感が襲いかかって来た…………あれ、なんか本当に浮いてない?
「無茶し過ぎよ来正ちゃん」
「蛙吹さん!?」
「梅雨ちゃんと呼んで」
僕と緑谷君は蛙吹さんの舌に巻き取られ彼女の元に引き寄せられる。すると僕達よりも小さな身体を持った峰田君が両手に紫色の球体を持ちながら前に出る。
「おっ、お前等は何でそんなに無茶するんだよ〜〜〜ッ!」
「え、いや……」
「そんなんだとオイラだってやらなきゃいけない空気になっちまうだろうがぁ〜〜〜〜ッッ!」
涙を浮かべ、ガタガタと膝を震えさせながら彼は叫ぶ。今にも逃げ出したいと言う気持ちがコチラにも伝わって来ると言うのに、峰田君は
「オイラは怖いんだよッ!あんな敵と戦うと思っただけでチビりそうになる……だけどッ!そんな怖ぇ敵に
「峰田君……!」
「責任取れよなッッ!オイラも立ち向かうから死なないように頑張ってくれよッッ!!」
「緑谷ちゃん、腕は大丈夫?」
「な、なんとか……峰田君、僕等で頑張ろう!」
「わ、分かってらぁ!そんな事ッ!今度はオイラ達が守る番だ!」
三人は僕を守るように立ち、それぞれ構えを取る。片腕がダメになろうとも、恐怖に蝕まれようとも、勝ち目が無いと分かっていようとも、その姿は僕にとってのヒーローだった。
「友情ごっこは楽しいかい?……それじゃ、やれ」
脳無が三人に向かって走り出した瞬間、演習場の入口から爆音が響く。
僕等の前に希望が、平和の象徴が現れた。そのヒーローの登場に安堵し、泣き、笑う者が増えていく。
「もう大丈夫。私が来た……ッ!」
怒り心頭の様子で現れたオールマイトは一瞬で僕等を入口近くに運び……えっ、待って。オールマイト速すぎない?団長のチョップを見逃さなかった人でも目で追う事出来ないんじゃないのコレ。
「来正少年。その様子を見る限り頑張ってくれていたようだね」
「いや、僕は……」
「ありがとう。皆を守ってくれて……次は私が君達を守る番だ」
僕はオールマイトの言葉に安堵を覚えた。安心した所為か、その場に膝から崩れ落ちてしまう。三人が心配して駆け寄って来たので厚意に甘え肩を貸してもらう事にした。
「あとはお願いしますオールマイト」
「あぁ!ついでに演習場をここまで壊してくれたんだ。その分もキッチリ返してやらないとな!」
(……あ、違います。それはシンビオートが勝手に)
そんな事実を言う暇も無く脳無とオールマイトの激闘が始まる。
今回はギャグ少なめ。戦闘主体だから仕方ないね。
キャラクター解説
『脳無』
敵連合の対オールマイト用兵器。ぶっちゃけ、こんなのに勝てるわけねぇだろ。と言いたい程のチート級個性持ち。marvelに出てもおかしくない見た目。
〜〜用語解説〜〜
・ハルク
天才物理学者のバナー博士がガンマ線を浴びた影響により興奮すると緑色の巨体に変身した姿。MARVEL中トップクラスの身体能力を持つ本当の意味でやべーやつ。
・ハルクバスター
アイアンマンことトニー・スタークが作り出した対ハルク用人型決戦兵器。MCUのインフィニティ・ウォーではバナー博士自身がコレに乗り込んだ事もある。
・ヴィヴラニウム
ダイヤモンド以上の硬度と強度を誇り、且つ軽量。さらに限界まで振動と運動エネルギーを構成分子内に吸収して硬度を増す上にウラン以上のエネルギーを秘めているトンデモ鉱石。
キャップの盾やブラックパンサーのスーツに使われている。
・ブラックパンサー
ワカンダ国の君主であるティチャラがスーツを纏った姿。儀式によって強化された身体能力に天才的な知性と厳しい鍛錬、格闘術を兼ね備え、更には最先端技術を駆使するヒーロー。
・ウルヴァリン
動物的な感覚、反射神経、回復能力。そして骨格にアダマンチウム合金と言う世界最硬の金属を組み入れられたヒーロー。ちなみに人よりも老化が遅く現時点では100歳を越えていたりする。
・仮面ライダー
主人公が仮面ライダーに変身し、怪人と言う敵と戦う特撮ヒーロー。日本で生まれたこのヒーローは現在でも高い知名度を誇る。
・サノス
MARVELにおいて最強の敵の一人。高度な文明を誇るタイタンの統治者の息子。MCU版においては宇宙のバランスを保つ為にインフィニティ・ストーンを使い全生命体の半分を消し去る。
しかしコミック版においては死の神デスに一目惚れして銀河中の魂をプレゼントするために宇宙を虚無へ帰そうとするやべーやつ。
すみませんサノスさん、デスは既に彼氏が居るんですよ………。
感想欄で見かけたのですが、淫夢用語って控えた方が良いんですかね………?