グリッドマン続編『SSSS.
や っ た ぜ
レクリエーション?
奴は置いて来た。この戦いについて行けそうにない。
やぁ、良い子とそれ以外の皆。いよいよ始まるトーナメント戦。第一試合が始まるのを内心バクバクさせながら観客席で待機してる主人公だよ。
……え、レクリエーション?ちょっと何言ってるか分からない。
『
会場内に響くプレゼントマイク先生の言葉に僕等生徒を含めた観客達の声援が湧き上がる。それと同時に会場中央に設置されたステージの隅である四方から炎が噴き上がり場内の気温が更に上昇していく(気がする)。
『第1回戦!成績の割には何だその顔 ヒーロー科 緑谷出久!』
『VS!ごめん、まだ目立つ活躍無し!普通科 心操人使!』
紹介がひでぇ。
『ルールは簡単! 相手を場外に落とすか行動不能にする!あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!ケガ上等!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから道徳倫理は一旦捨ておけ!』
道徳倫理一旦捨てておけと言われてもなぁ……。そう簡単に割り切れるものじゃないと思うんだけど。
『…成る程なぁ』ニチャァ
それに加えて今ここに道徳倫理を捨てちゃダメなのが居るんですけどそれは。いや、そもそもシンビオートに道徳倫理と言う概念があるかどうかも怪しい所なんだけどね。
『
そんな事はさておき、緑谷君大丈夫かなぁ。あの心操君の個性は対処さえ出来ていれば大丈夫なんだろうけど厄介極まりないものだ。
事前に攻略方法は教えてあるから大丈夫だと思うけど────
『オイオイどうした⁉︎大事な初戦だ盛り上げてくれよ!緑谷 開始早々、完全停止⁉︎』
即落ちーーーー!?
〜〜〜〜回想〜〜〜〜
「えっ、洗脳!?」
「おそらくだけどね。洗脳が入る仕組みはまだ分からないけど心操君の問い掛けに対して何らかのリアクションを取る事……だと思う」
「それは……強いね。正に無敵の個性だ」
「いや、一見すると無敵に見えるけどそれは違う。シンビオートに掛かった洗脳だけどある程度の衝撃で解けるみたいなんだ。シンビオート殴ったら正気に戻ったし」
『まぁ、つまりはだ……有無を言わさずに一方的に叩きのめせ!オレ等に歯向かったらどんな目に遭うか現実を見せつけてやれよデク!』
「「シンビオートェ……」」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの時の忠告は一体なんだったのか……ステージ上の緑谷君はそのまま場外に向けて歩みを進めて行く。このままだと緑谷君の敗退は確実となってしまうだろう。
「せっかく対策していたのに無意味か〜〜ッ」
「対策って、何の事だよ」
「何って個性だよ。洗脳の個性の」
「洗脳ってマジかよ!エロいな!」
峰田君そう言うとこやぞ。それに緑谷君の洗脳って需要あるの?
……あ、耳郎さんのイヤホンジャックで峰田君がやられた。
「洗脳ってそんな個性初めて見たかも」
「精神に作用する個性か……なんか強いイメージ湧かないな」
「そう?僕としてはかなり強い部類だと思うよ、テレパス能力は対人戦にてかなり強い部類だし」
「強いの!?」
耳郎さんが驚いたように声を上げた。基本初見殺し、どんな問い掛けにも応じればアウト。洗脳は余程の事がなければ無敵の能力だと言える。なんか勿体無いなぁ、もし心操君がヒーロー科だったらかなり心強いんだけどね。
『普通科心操人使、ヒーロー科緑谷出久を攻略ゥ!こりゃまさかの事態だ成るか下克上⁉︎』
『だからあの入試は合理的じゃねえって言ったんだ。対人向きじゃ、そりゃポイント稼げねぇよ』
相澤先生もあぁ言ってる。確かにあんなあたかも戦闘向けの実技じゃあなぁ……。
「洗脳を打ち破る方法はねぇのかよ来正よぉ!」
「お、落ち着いて切島君。あの洗脳を解くには外部からの刺激。又は例外的な精神的作用ぐらいだよ!」
「外部?例外的?」
「うん。前者は外部の、人とぶつかったりとかで解けるけどこれはまず期待できない。後者の特異的と言うのはテレパス能力無効化とかマグニートーの特注ヘルメットでもしてない限り……」
「そんな!」
僕の答えに麗日さんはショックを受けたように声を漏らす。精神的に作用する個性は強力無比だ。それこそプロフェッサーXなんかが良い例かもしれない。人を操る、操った人の視界を通じて覗くなんて事も可能だし。
「緑谷君しっかり!こういう時こそ自己暗示だ!頭の中の声に耳を傾けろ!さぁ! ほら…こんな風に…ウフ、ハハ!照れるじゃないか!」
「うん、落ち着こうか飯田君。それじゃ元に戻すどころか君が一種の洗脳に掛かってるように見えるかr…何やってるのシンビオート?」
『デクの目を覚ましてやるだけだ。気にするな』
「よし、それじゃあレンガを投げつける以外の方法を思いつく努力をしようか!今すぐその手に持ったレンガを捨てなさい!」
こいつは一体どこでレンガを拾って来たんだろうか。そもそもどこに隠し持っていたんだ?
「……でも、心配は要らないよ☆」
「オイオイ青山よぉ、あの洗脳からどうやって抜け出すって言うんだよ。どうやっても解除できねぇみたいだしよ」
「そうだね☆でも、既に手は打ってある……そうだろう?来正君☆」
…………。
………………。
「え、無いよそんなもの」
「……んん?☆」
「「「「えっ」」」」
いや、事前に口の中に気付けの為に鋭利な物を仕込んでおくとか考えたけど口内炎とかその他諸々の理由があるからやりたくない。
「それにさ、こう言うのは自分で何とかするべきじゃないの?」
『そうだな、オレ達に作戦を丸投げして勝とうと思ってるなどとその気になってたお前等の姿はお笑いだったぜ?』
こらシンビオート、そんな皆が分かり切ってる事をわざわざ挑発するような形で言うんじゃありません。
「かーーーっ、言うじゃねぇかよ来正!男なら正々堂々だよな!」
「「「お、おう………」」」
……あれ?切島君は良い感じに返事してくれたけど上鳴君、瀬呂君、芦戸さんの三人が何故か項垂れているけど、どうかしたの?
いや今はそんな事より緑谷君だ。彼はどうやってこの逆境を乗り越えるんだろう?個人的には緑谷君を応援してるので逆転勝ちして欲しいけど……流石にこの状況で勝つのは困難極まr────
ゴォッッ!!!
突如として凄まじい突風が発生。ステージに注目するとライン手前ギリギリでボロボロになった指を押さえている緑谷君の姿があった。
………また怪我してるよ(白目)
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
(………ッ! 危なかった!)
「なんだよ、クソ!お前の友人の来正って阿呆に触れたら速攻で反応した癖に…何をした!」
来正恭成は無能、
そのような挑発に反応し洗脳されてしまった緑谷は迂闊に口を開けないようにする為、口元を手で覆う。
(指の暴発は僕だ、でも動かせたのは違う。知らない人たちが浮かんで一瞬頭が晴れた。あれはこの力を紡いできた人の気配…⁉︎)
個性である
「何とか言えよ指動かすだけでそんな威力か。うらやましいよ」
(僕もそれ昔思ってた)
心操の問い掛け。相手を挑発し口を開かせるだけの言葉。
「俺はこんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間にはわからないだろ」
(わかるよ。でもそうだ……僕は恵まれた)
しかし、その一つ一つは緑谷出久の根本を的確に突き刺していると同時に───
「誂えむきの個性に生まれて望む場所へ行ける奴らにはよぉ!」
(人に恵まれた。だからこそ僕だって!負けられない‼︎)
心操人使自身、腹の奥底から発した本音でもあった。
「このッ!どうせあの来正って奴から俺の対策なんかを聞いてるんだろ!この卑怯者が!」
「えっ」
それでも緑谷は答えずこちらへ歩み寄って来る。観客席の方で「なんかdisられた…」とショックを受けている生徒一名については気にしないでおこう。
「変な髪型しやがって!このオタク野郎ッ!クラスの女子がキモイって言ってたぞッ!」
「〜〜〜ッ!?」
「言ってない言ってない!」
「戦いに集中して!」
『けど麗日。かなり前にデクの事を【美少女ゲームとか好きそうでアイドル馬鹿にされると急にマジギレしてくる感じの漫画も保存用に二冊買ってそうなオタク】って言ってたよな』
「〜〜〜〜〜ッッ!??!!?!?」
「空気読んでシンビオートォ!!」
聞き慣れた「シンビオートォ!」と言う台詞が耳に残りながらも緑谷はあらゆる葛藤、雑念を振り抜けて心操に掴みかかる。多少のダメージ(心的ダメージも含む)も負っている彼は場外へ押し出そうと体中の力を振り絞る。
「ふざけた事を!お前が出ろよ!」
掴みかかった緑谷に向け拳を振り抜く心操。
……が、それを見越していたのか拳を避けた緑谷は伸ばしてきた腕を逆に掴んだのだ。
(負けられないんだぁぁぁあああ!)
カウンターの要領での背負い投げ。コンクリートに打ち付けられた心操が"ラインの外側"でそのままダウンすると審判であるミッドナイトが高らかに宣言した。
「心操くん場外!緑谷くん二回戦進出!」
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
ぎ、ギリギリの戦いだった。時間はそこまで経ってない筈なのにドッと疲れたよ。なんかシンビオートはレンガ投げ込もうとするわ、心操君にはdisられるわと色々と大変だった。
「ぎゃぁぁああ嘘です すいませんでしたぁ!!」
「ちがうの」
「体が勝手に」
なんか女子達が洗脳されたフリして峰田君に襲いかかってる。
……いつもの事か(感覚麻痺)
「助けてくれ来正ィ!」
「うん、洗脳されたフリして女子にセクハラしようとした峰田君の自業自得だよね。……あれ、八百万さん?」
気付くと先程まで席を外していた八百万さんが戻って来た。
……あれ、八百万さんって次の試合に出場するよね?多少の時間はあるけどさ こんな所に居ないで早くステージに行かないと。
「あの、先程の方に頼んで『自分は出来る人間だ』と洗脳させてもらおうとしたのですが無理と言われ……」
「なんで真っ先に僕に相談するの?(困惑)」
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
『第二試合!推薦入学者の実力は伊達じゃない!ヒーロー科 轟焦凍!』
『VS!万能創造!同じく推薦入学とあってその才能は折り紙つき!ヒーロー科八百万百!』
マイク先生の紹介と同時に会場はより一層盛り上がる。何と言ってもこの戦いは推薦入学者同士の対決。僕としてもかなりワクワクする組み合わせだ。
「これはどっちが勝つかな?」
「八百万さんはその知識による道具の創造による幅広い戦法を繰り出せる。ただしそれは思考の早さも比例してくる事から戦闘と並行して行う事は至難の技になる筈だ。それに対して轟君は凍結、炎二つを繰り出す単純ながらも強力な個性を扱う。炎も強力だけど氷結は相手の拘束、質量を持つ氷を出現させる事で押し出しも可能だ だけどそうなると……」ブツブツ
「来正、翻訳頼む」
「万能型の八百万さんVS火力特化型の轟君。さぁ戦いだ!」
「「あ、分かりやすい」」
切島君と麗日さんが納得したように頷く。分からない時は分かるように解釈すればいいんだよ(偏見)
でもこの試合どうなるんだろう、轟君の戦いに対して八百万さんがどんな風に対処するかによるけど……。
「でも、こう言うのって先にどっちがより早く個性を使うかが重要だと思うわ」
「どういう事梅雨ちゃん?」
「そうね葉隠ちゃん。轟ちゃんが先に氷結を出せば勝てるけど八百万ちゃんが先に壁なんかを創りだせばその後巻き返す事も出来るわ」
「確かに!抜きな、どっちが早撃ち勝負だっ!って事だね」
「抜く……ッ!?」
「そこまでにしときなよ峰田君」
流石に発言がアウトのラインギリギリを攻めて来たので峰田君を抑える……でも蛙吹さんの言う通りだ。もしもこれで轟君の方が一瞬でも早かったらすぐに決着がつくだろう。そう考えていると時間が試合開始直前にまで迫った。
「八百万、俺はこんな所で燻ってられねえ」
「……ッ!」
『第二試合スタート!!』
「一瞬で決着をつける」
直後、僕らの眼前に聳える青白く輝くソレはステージを飲み込む勢いで姿を現した。
………なぁにこれぇ。
「な、何これ⁉︎大きな盾?」
「
あれ?さっき耳郎さんの口からSAKIMORI語が出たような……。
『オイ、さっき剣と言っt「忘れろォ!」
いだぁああああッ⁉︎違う!シンビオートが勝手にィ!だから僕にプラグを刺すのはやめてェ!!
……と、言うよりも!(即復活) 轟君の氷結!?はぇ〜すっごいおっきい。まさかここまでの火力を出せるとは思わなんだ。
シンビオート。もし轟君と戦って勝てるイメージ湧く?
『個性使う前に近づいて殴る』
「相変わらずの脳筋戦法……あれ、八百万さんは?」
ステージ上を見渡しても八百万さんの姿が見えない。
……あれ?もしかして
『な、なんと言う事だァーーーッ!巨大氷河により八百万飲み込まれた〜〜〜〜ッ!オイオイ、お前ン所の生徒化け物揃いだな!』
「悪いな、今ムシャクシャしてんだ」
露骨に不快な表情を浮かべながらそう呟く轟君は氷壁に手を当て溶かしていく。……うわぁ、とどろきくん つおい(小並感)
これ脳筋戦法も近づこうとした瞬間飲み込まれてお終いだと思うんだけど(超推理)
「八百万さん……」
「麗日、
常闇君、
「……なんか、見覚えある」
『どうしたアホ面。無理にかっこつけても無駄な物は無駄だぞ』
「シンビオート!……見覚えあるって何が?」
「いや、この状況に既視感あると言うかさ。前にこんな事あったろ」
前にって、これに似た状況なんてあったかなぁ?上鳴君には悪いけど僕は覚えてないな。すると耳郎さんが「あ」と声を漏らした。
「もしかして屋内訓練?」
「あー!そう、それだ!それだよ!勝ったと思って油断したら来正に不意打ち喰らった!」
不意打ち……あー、思い出した!第一回目のヒーロー基礎学ね。そうそう あの時は上鳴君が充分に近づいて来た所を……あっ(察し)
ズガァン!!
『なんだぁぁ⁉︎急に轟が吹き飛んだ〜〜ッ⁉︎先程まで手を置いていた氷壁の向こう側から人影が現れた!いや待て、この孤独な
『コブラか?』
「絶対に違うから」
「轟さん。こんな所で燻っていられないと言いましたわね」
「断熱性の布を纏って防いだのか……ッ!」
「それはこちらとしても同じ事ですわ!」
そう叫びながらパイルバンカーを得物とした八百屋さんは轟君に向かって駆け出した。
………………。
……………………。
…………………………。
いや、
【悲報】ノルマ非達成
でも最近になって締めくくりで「違う!シンビオー(ry」と無理矢理言わせなくてもいいんじゃないかなと思う日頃です(言い訳)
〜〜キャラクター解説〜〜
『来正恭成』
付け耳よりもケモ耳派のケモナーでアニオタ。正直言うとオタク属性としては緑谷君よりこっちの方が上。最近はクラスメイト達の駆け込み寺的な扱いになって来た事を気にしている。
……自分自身が気づかない所で心操が本人をdisっていた事は知るよしもない。
そんな奴よりも先生とかに相談した方がよっぽど良いと思うよ。
『緑谷出久』
近距離パワー型個性の持ち主。「美少女ゲームとか好きそうでアイドル馬鹿にされると急にマジギレしてくる感じの漫画も保存用に二冊買ってそうなオタク」と言う発言に凄まじい精神的ダメージを負うが仮面ライダーBLACK RXで見られる【そのとき不思議なことが起こった現象】により逆転劇を見せた。
しかし指は毎度の事ぶっ壊れる。
指「勝った代償がコレだよ……ぐふっ(血反吐)」
『心操人使』
トーナメント戦唯一の普通科。一回戦敗退こそしたもののクラスメイト達や観戦して来たプロヒーロー達の評価もあって一目置かれる立場となる。しかし洗脳されたフリ、洗脳させて欲しいと言うヒーロー科の生徒達の姿を見て憧れていたクラスが思ったよりアレだった事にショックを受ける。
『八百万百』
第二試合、轟とぶつかる事となった八百万。いきなりやられたかと思いきや主人公が屋内訓練で見せた騙し討ちにより一撃を叩き込む。
……え、パイルバンカー?非殺傷用なのでへーきへーき(震え声)
〜〜用語解説〜〜
『マグニートー』
X-menにて登場する磁力を操作する能力を持つスーパーヴィラン。ミュータントによる世界の支配を企む。鉄が含まれたものなら何でも操る事が可能な為、大量のミサイル、小惑星自体を動かす事も可能。
なんだこのチートォ!
『プロフェッサーX』
テレパシー、記憶を読み取る、メンタルブラスト、他人を操る事も可能な地上最強のテレパス。かつてマグニートー(エリック)とは親友だったが思想の違いにより袂を分かち今は敵同士となっている。ミュータントの為の学校「恵まれし子らの学園」を設立した。
『剣だッ!』
やっさいもっさいの人に対しSAKIMORIが発した言葉。
真面目に解説すると戦姫絶唱シンフォギアにて風鳴翼が発した台詞である。雪音クリスの攻撃を防ぎ「盾…?」「剣だッ!」と言う流れとなっており続編となるAXZ(4期)でもこの台詞が使われた。
『いや待て、この孤独なsilhouetteは…?』
それは紛れもなくコブラの事である。
元ネタはスペースコブラopにて流れる「ヤツ…?」「コブラじゃねーか」等の訓練されたコメント。
そう言えば漫画コブラの最新エピソードが公開されましたね。