違う!シンビオートが勝手に!   作:ゴランド

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近日投稿(すぐに投稿できるとは言ってない)



20話 違う!シンビオートが勝手に後の試合を!

 

 やぁ皆。頭に包帯をグルグルと巻かれた主人公だよ。リカバリーガールに治癒して貰った上にシンビオートによる治療も兼ねて比較的早く観客席に戻る事が出来たよ。

でもリカバリーガールが言うには「普通は安静にしてる方が良い」らしいけどそれじゃ僕が普通じゃ無いと言う事になるんですがそれは(白目)

 

『敵の前でダンスを披露した時点で何を言っても意味は無い』

「そう言えばそうだった」

 

 そんな他愛も無い談笑をしつつ観客席に戻るとクラスメイトに奇異な物を見るような目を向けられるけど、もう今更なんだよなぁ。

自身にそう呼びかけていると、修復されたステージの上に見覚えのある二人の姿に気付いた。

 

『さぁさぁ!どんどん盛り上がって行こうぜ第四試合!あのツノから何か出るの?ヒーロー科A組 芦戸三奈!』

「悪いけどB組の進撃もここまでだよー!」

 

『VS! まさかの担任からの勝利宣言!ヒーロー科B組 赤糸虫知朱!』

「プレッシャー掛けられるの苦手なんだけどなぁ」

 

 芦戸さんに赤糸虫君か。ここは芦戸さんを応援すべきなんだと思うけど個人的に赤糸虫君にも応援したい所が……っ!

 

『どっちも応援すれば良いんじゃないか』

「それだ」

 

「お前どっちの味方だよ……」

『オレ達は強い方の味方だ。だがオレ個人はクモの方を応援する』

 

 呆れたように声を掛けてくる瀬呂君に対してシンビオートが答える。それにしても以外だ。鉢巻きを奪った赤糸虫君の事を恨んで、負けるように藁人形でも持ち込んで来ると思ったけど。どう言う風の吹き回し?

 

『アイツが勝ち上がれば直接倒せる機会が出来るからな』

「「あぁ、そう言う……(納得)」」

 

 いつも通りのシンビオートで安心した…と。それにしても二人が戦うとして、果たしてどっちが勝つのかな。

 

『第四試合スタートォ!!』

 

「先手必勝!」

 

 開始の合図と同時に芦戸さんの手の平から牽制と言わんばかりに溶解液が飛び出る。

 

 

パシュッ

 

 

 すると易々と溶解液を躱された直後、彼女の両手が包み込まれるように糸が絡まった。

 

「へっ?…んぐっ⁉︎」

 

 声が漏れた瞬間、口元、両脚、そして体全体に糸が撃ち込まれあっという間に芦戸さんは芋虫のように身動きが取れなくなってしまった。

……あれっ、早くない⁉︎

 

『しゅ、瞬殺ぅ〜〜〜っ⁉︎開始僅か十数秒で芦戸戦闘不能!』

 

「オイオイ瞬殺だよ」

「マジかよ。芦戸って身体能力高めだけど反応できなかったのか?」

 

 それ以上に赤糸虫君の体幹バランスがやばい。飛んで来た酸を体を仰け反らして避けた姿勢のまま糸を射出した。

 

「緑谷君」

「分かってる、あの赤糸虫って人。凄いセンスだよ」

 

 

 

「芋虫の気持ちってどう?青物食べたくなって来た?」

「んん〜〜〜ッ!こ───のぉッ!」

 

 すると手の平と特製の穴空きブーツから酸性の粘液を出し糸を溶かす事により全身にへばり付いた糸を剥がす事に成功した。

……が、しかし。

 

「寝起きだけど失礼!」

「えっ?」

 

 足元に付いた糸を思い切り引っ張ると転倒してしまう。速い!次から次へ移る行動の速さが段違いだ!

 

「世界一周旅行の旅へのプレゼントは無理だけど、代わりにこれならどうかなっ!」

 

 そのまま芦戸さんの足元に糸を付着させたまま大きく振り回し始め、扇風機の羽のように遠心力が強まって行く。

 

「このっ!」

 

 最大限まで遠心力が強まる前に糸を酸で溶かし拘束から逃れる。さらに指先とブーツから出した溶解液によりステージを抉りながら着地に成功する。

 

「いいぞ!!そのまま畳み掛けろーー!!」

「A組なんてやっつけちまぇええ!」

「頼むぜB組代表!!」

 

「やべぇ、あっち(B組)の土気もかなり上がって来てるぞ!」

「こっちも負けられねぇ!気張れよ芦戸ーーー!」

「こっちも応援してるわ!」

 

 そうそう、これだよ。僕が望んでいた体育祭は!こうやって互いのクラスが切磋琢磨し合うのが体育祭本来の姿だと僕は思うんだよ。

 

「お前どっちに賭ける?俺、芦戸」

「それじゃB組の方」

「芦戸だな」

『オレはクモの方に花京院の魂を賭ける』

 

 だから決して賭事に行じるような催しじゃ無いと僕は思うんだ。あと勝手に他人の魂を賭けるのも良くないから。

 

 そうこうしている内に赤糸虫君の素早い攻撃に翻弄され、体力もどんどん削られていく芦戸さん。このままじゃ何も出来ずに終わってしまう……が、不意に芦戸さんの口元がニッと吊り上がる。

 

「こうなったら奥の手を使うしかないかぁ…!」

 

 そう呟きながら両手に酸を溜め込みつつ、腰を落とし眼前を見据える芦戸さん。アレが奥の手……!まるでDBのかめは◯はの如き構えだ。

 

……あれ?でも何故だろうか。芦戸さんのあの構え何処か見覚えがあると言うか既視感があると言うか、がっつり身に覚えがあると言うか。

いや待って。アレって完全に僕が編み出したばかりの技なんじy

 

「喰らえ必殺!ACID(アシッド) SPLASH(スプラッシュ)!」

 

 直後、芦戸さんの手の内から一気に放たれた酸の雨が赤糸虫君に襲い掛かる。

…いやパクリだアレーーーーーー!?

 

「いいやリスペクトだから!」

 

「リスペクト……それならいいか」

『結局パクリと大差無いけどな』

 

 大差あるから(鋼鉄の意志) そんな事を話している内に無数の酸性弾丸が赤糸虫君に向かって放射線を描きながら迫って行く。

……あ、これ僕のより凶悪だ(確信)

 

「コレ危険な技じゃねーか!当たったら即アウトだろ!」

「いや待て!場外に出ればギリギリ当たらない範囲だ」

「上手く考えてたね芦戸さん!」

「なんかの弾みで女の衣服に当たれば……っ!」

 

 よし峰田君、君は少し黙っていようか話が脱線するから。

けど確かに上手く考えた必殺技だ。放射状に放つ事で広範囲かつ高威力の技を出す事が出来ている。

コレを防ぐには防御に特化した個性を使うか、自ら場外に出て避けるしか無い!このままなら芦戸さんの勝利する可能性は高い……えっ⁉︎

 

『おいおいおい!赤糸虫、何を血迷ったんだ⁉︎()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ァ〜〜〜〜ッ!!』

 

「アイツ自殺志願者か⁉︎芦戸の酸はやべぇって!」

「ちょっと!ウチこの後の見たくないんだけど!」

「逃げて超逃げて〜〜〜ッ!」

 

 A組の皆を中心に会場はドッと騒がしくなる。それもその筈、今の状況は自ら死にに行っているのと同義だ。

 

「駄目駄目だって!避けて〜〜〜!」

 

 技を放った芦戸さん自身もまさか突っ込んで来るとは思わず悲痛な声を上げている。無茶だ赤糸虫君!例え君のクモ糸で盾を張ったとしても芦戸さんの酸は防げないぞ!……え、マジで突っ込む気なの君⁉︎

 

「いやぁぁーーーッ!スプラッタシーン報道!R-18Gタグ付けられるぅぅううう!『……待て、何かするつもりだ』え?」

 

 シンビオートがそう言った直後、赤糸虫君は糸を会場の壁に向かって放ち、一気に飛び上がった。そして体勢に変化を加えながらどんどん芦戸さんに向かって突き進んでいる。

 

「これは……()()()()()()()()()()()⁉︎」

 

「「「「「「⁉︎」」」」」」

 

 僕等が驚愕する中、側転、宙返りと様々な技を見せ付けていく。そのままあっという間に……!

 

「ゴールイン!」

「え?え?え、えぇッ⁉︎」

 

 芦戸さんは再びクモ糸によって全身を拘束されてしまった。まるで陸に打ち上げられた魚のようにジタバタと動くが念入りにクモ糸を重ねられているらしい。

 

「中学じゃ水泳は習ったけど宙を泳ぐのはコレが初めてかな?」

 

「ぐうぅう〜〜ッ!こんなものすぐに溶かして───あっ…」

 

……あっ?え、「あっ」てどうしたの?何かやっては行けない事をやってしまったように芦戸さんのピンク顔が真っ青に変化して行ってるけど一体……あっ(察し)

 

「ん?どうした来正。なんか気づいてはいけない事を察したような表情してるけど」

「トイレか?腹痛いならさっさと行って来た方がいいぞ」

「同感☆」

 

「いや、別になんでm『糸の下は酸で溶けてほぼ裸だ。これ以上動くと醜体どころか痴態まで晒しちまうな』シンビオートォ!!」

 

 それ言っちゃ駄目なヤツゥゥ!女子はデリケートなんだからやめたげてよぉ!

 

「……何やってんだ芦戸ォ!まだ行けるだろ!さぁ糸を引き千切れ!ハリーハリィィイイ「当身」──くぴっ」

 

 これ以上峰田君の醜態を見ていられなかったので首筋に強めにチョップしました。人間って本当にトンッ!とするとコミックみたく気絶するんだね。

 

「えーっと……降参する?」

「………します」

 

「芦戸さん降参!二回戦進出 赤糸虫君!」

 

 流石にこれ以上戦うのは無理だってはっきりと分かんだね。全国に裸体を曝け出すのは女子も男子も嫌だし。

と、そんな事を考えていると隣から何やら笑い声のようなものが耳に入って来る。あれ?この相手を小馬鹿にするような聞き覚えのある高笑いは……?

 

「あれれーー⁉︎A組負けてるよーーーあれれれれぇえええ!?僕達よりも優れているのに負けてるのおかしいねぇえええええッッ!」

「あ、物間君」

『なんだ、慰めて欲しくてこっちに来たいならチケットでも買っておくんだな』

 

 はいどうどう、落ち着いてシンビオート。ここで言い争ったら周りの迷惑になるでしょ。と言うかさっき負けたばかりなのに凄い精神してるね?ある意味尊敬に値する。

 

「あれれ?宿主におんぶして貰ってる君に言われたく無いなぁ」

『なら今からもう一度やるか?また苦汁を飲ましてやr「八百万さーん、急で悪いけどライター作って」と思ったが、命拾いしたな。この辺で勘弁してやる』

 

「あれれれ?もしかして尻尾巻いて逃げる気なのか──「当て身」─けひっ」

 

 ゴウランガ。引っ込んだシンビオートに追撃しようとした物間君だったが突如として飛んできた手刀によりノックアウト。

あの人、中々のやり手だ……!

しばらく彼女と視線を交えると互いに一礼し、愛想笑いを見せる。

 

「「失礼しました……お互い、大変だね(だな)」」

 

 あっちもあっちで苦労してる人っているんだね、それにしても僕の次の相手は赤糸君って事になるのか。またシンビオートが暴れる事になりそう(小並感)

 

『………』

「あれ?思ったよりも大人しいけど どうしたの?」

『別に。次戦うヤツが無駄に身なりが綺麗なのが癪なだけ』

 

 そう呟くとズブズブと体の中へ引っ込んで行く。えぇ…、因縁の付け方が雑過ぎやしない?身なりが綺麗なのは普通なんじゃ────あれ?()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それじゃあ赤糸虫君はあの溶解液の雨どころか酸の一滴すら衣服に掠りもしなかったと言うなのか⁉︎それが本当なら彼の戦闘センスは爆豪君と同等……いや、もしかするとそれ以上の可能性だってある。

 

 待ち受ける第二回戦に僕は…いや、僕達は一抹の懸念を抱いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「悔しぃぃぃいいいい!あれ、勝ったと思ったのにぃぃ!」

 

「うん分かった その前に八百万さん。芦戸さんを更衣室に連れて着替えさせて上げて」

 

 ねぇ、なんで真っ先に僕に向かって来るの?その前に更衣室に行って着替えて来てくれない?思春期の男子生徒にとって身体つきの良い女子は目に毒だから。

あと、少し格好付けて場面転換させたのに台無しにしないで(懇願)

 

「おい来正お前ぇぇえええ!なんでオイラだけ目隠しなんだよ!早く目元のシンビオートを解いてくれよ!目の前に楽園(エデン)が在るって言うのによォーーーーーッ!」

『だがコッチの方が興奮するだろ』

「確かに!」

 

 そこは了承するんだね峰田君。色々な意味で君がNo.1だよ色々な意味でね(重要な事なので二回目)

 

「くぅッ!生徒への指示。これは委員長の仕事なのに……ッ!」

 

 いや別にそこまで気にしなくても良いんだけどなぁ、それに飯田君は常に周りの人達に気を配っているからさ。委員長としても人間としても立派だと僕は思うよ?

……あ、なんか感銘受けたのか急に頭の中へトリップし始めた。

 

 

『さぁ行くぜ第五試合!男気一筋ド根性硬化!ヒーロー科 切島鋭児郎!』

「恨みっこは無しだぜ瀬呂!」

 

『VS!優秀だが拭い切れないその地味さ!安心しな、相手も結構地味だ!ヒーロー科 瀬呂範太!』

「あぁ、勿論だぜ!てか解説ひでぇ」

 

 

 気がつけば第五試合開始直前。切島君と瀬呂君が互いに睨み合う状況となっている。

 

「デク君、これってどっちが有利k「瀬呂君のテープは応用の幅も広く中、遠距離の攻撃を得意としソレを応用して罠を貼る事が出来る。切島君は対照的に正面から堂々と防御を固めて接近戦を行うスタイルだ。一見すると瀬呂君が有利そうに見えるけど遮蔽物が一切無いステージで行うから小細工無しで勝負。切島君が断然有利になるから最終的にはどう工夫するかが問題で───え?何か言った」あ、イエナニモ」

 

「うん緑谷君。今は分析してノートにまとめるのはやめておいた方が良いよ。周りの皆からガッツリ引かれてるから」

「あ、ご、ごめん!つい癖で……」

「気にしなくて良いよデク君」

 

 慌てふためく緑谷君を麗日さんが落ち着かせようとする。そう言えばいつも緑谷君が持ってるそのノートは一体…?

 

『その汚い冊子に何を纏めてる?』

「汚い言うな」

 

「あ、これ?これは僕の趣味と言うかさ。皆の個性をまとめてるんだ。ほら、麗日さんの無重力(ゼログラビティ)や来正君のシンビオートも」

 

 そう言って見せてきた頁にはヒーロースーツと共に個性、その運用方法等が記載されていた。おお、ここに描かれてるのは懐かしきキャップコスチューム!敵に壊されたキャップコスチュームじゃないか!アレって未だに修復されてないけどどうしたんだろう……。

 

「めちゃくちゃ書かれてる…」

『汚くて読めたものじゃないけどな。……シンビオート。伸縮自在の動き、宿主に纏う事により凄まじい力を発揮する。純粋なパワーはトップクラスと考えられる…か、中々良く書けてるじゃないか。花丸百点くれてやる』

 

 おっと、この掌返しの速さよ。と言うか本当にめちゃくちゃ書かれてるね。まるでヒーロー博士だ……。

 

『第五試合スタート!!』

 

 閑話休題。プレゼントマイク先生の開始の合図により僕等は試合に注意を戻された。つい話し込んでしまったけどクラスメイトの試合なんだ。ちゃんと見届けてあげないと無作法と言うもの。

 

「悪いけど、負ける気はしねーなッ!」

 

 直後、瀬呂君よ両肘からテープが勢い良く伸ばされ切島君を拘束する。更にステージ外に向けて一気に投げ飛ばす作戦に出たのだ。

シンプルで無難!不意打ちっぽいけど有効な戦法だ!

 

「ッ〜〜〜おらぁ‼︎いきなり不意打ちたァ男じゃねぇぞ!」

「げっ、マジかよ」

 

「テープ切れた!」

「硬化で鋭利になった腕を使ったんだ!」

 

 流石は攻防どちらにも長けた"個性"!このくらいじゃなんとも無いか!すると左右の拳を打ち付けた後、切島君は高らかに声を上げる。

 

「さぁて【鉄拳制裁タイムだ】!」

 

 あ、前に教えてあげた決め台詞を使った。……あれ?でも教えたのって別のヤツじゃなかったかな?

 

「確かムッシュムラムラじゃ「鉄拳制裁タイムだ!(鋼鉄の意志)」アッハイ」

 

 そこまで嫌なのかムッシュムラムラ……ガンロック(日本版シング)も良い所あると思うんだけどなぁ。

決め台詞を言えたのか満足そうな表情を浮かべつつも切島君はズンズンと瀬呂君のテープを弾きながら突き進んで行く。

 

「止まれっての切島お前!」

「硬いから効かねぇな!」

 

『どんどん追い込まれてるぞ瀬呂!もはや打つ手無しかぁ⁉︎』

 

 ステージの端まで追い込まれた瀬呂君。彼は成す術無く切島くんの拳をまともに喰らい────

 

「打つ手……?

 

 

 

 

 

そりゃあ、あるに決まってるんだよなぁ!」

 

 終わったと思われた直後。駆け出した瀬呂君は切島君にすれ違う瞬間に彼のテープが切島君の目元を捉えた。

 

「がっ、顔面にテープが……ッ!」

 

 目元のテープを剥がそうとする切島君だが、背後から瀬呂君のテープが両腕を縛り上げられてしまい、仰反るような形で拘束されてしまう。

 

「腕もッ⁉︎」

「真正面から無理なら工夫して戦うのが定石だろーーがっ!」

 

『視界を潰し拘束!まさかの逆転ーーーーッ!地味だがかなり有効な戦術じゃねこれ?』

 

「地味言うな!」

 

 プレゼントマイク先生の言葉に反応しながらも瀬呂君は縛り上げる力を更に強めて行く。このまま瀬呂君が場外に切島君を投げ飛ばせば勝ちだろう。

直後、瀬呂君は背負い投げの要領で己のテープを引き寄せる。

 

「これで……終わりだ!」

 

 そう叫んだ瀬呂君はそのまま────あれ?動いてない?

 

「この……ッ程度で…やられるかぁ!」

「力強…っ⁉︎全くびくともしねぇ⁉︎」

 

 これは一体どうなっているんだ?切島君が力強いとは言え、微動もしないなんて……?

 

『いや、よく見ろ。赤い方の足元だ』

「足元……あっ!」

 

 シンビオートに言われて注目すると、硬化した切島君の足部がステージに突き刺さっていたのだ。

 

「そうか、釘を打ち付けるように足を地面に減り込ませて自身を固定したんだ」

「戦法つーかゴリ押しだけど」

「作戦もクソもねぇな」

 

 いや、切島君なら堂々と真正面から戦った方が僕みたいに小細工をするよりかは有利だ。防御に伴い攻撃も可能な個性持ちの切島君だからこそ良いんじゃないか。

 

 そう考えていると切島君は手繰り寄せるように己に巻き付いたテープを切島君は掴み、思い切り振り回し始めたのだ。

 

「お、おおおおおおおお⁉︎」

「うおりゃぁぁぁあああああああああッッ!」

 

 そのままジャイアントスイングを行うかのようにステージ上瀬呂君は赤髪の彼を軸に大回転、遠心力によりテープがブチリと音を立て千切れる。

 

 勢いのまま瀬呂君はステージの外へ投げ出され、硬い材質で出来た地面に背中を打ち付けられる。痛みで悶絶してる彼を見てミッドナイト先生はジャッジを下した。

 

「そこまで!瀬呂君場外!勝者 切島君!」

 

「おっしゃぁぉぁぁああ!見たか俺の男気をよォ!」

 

『ステージで勝利の雄叫びが木霊する!中々やんじゃねぇか!』

『最後まで力任せな面が見られるが、そのおかげで逆転出来たと言うべきか……』

 

 観客席から大音量の声援が上がる。スピーカーの音量を高くした上に間近で聴いてるんじゃないかと錯覚するくらいだ。

あ、でもシンビオートは大丈夫だよ。あくまで一部の音に弱いのであって音全般が弱点って訳じゃないからね?

 

「おーい!何ブツブツ独り言言ってんだよ!」

 

 不意に下から切島君に呼び掛けられる。え、何故にそこから声を?凄い目立つから話すならコッチに戻って来てからにして欲しいですがそれは。

 

「どうよ、決まってたろ俺の台詞!」

 

 うん、俺のって言うか考えたの僕なんだけどね。いやまぁそもそも僕が一から考えた訳でも無いけどさ。

…と言うか鉄拳制裁してないし投げ飛ばしで決めてたけど?

 

「やっぱりムッシュムラムラの方が「やめろ」あっ、うん」

 

 





来正「えっ、赤糸虫君って強くない?こわっ」

次の試合で戦うんやで(ニッコリ)

オチが無いどころかノルマすら達成出来て無い事実。
(書くの)やめたらこの小説ぅ?

もういっそのことノルマ関係無しに好きに書いても良い気がして来た(小並感)

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