僕も趣味でイラスト描いたりしますがあの人の絵柄、個人的に憧れるんですよね……邪な思いは一切ないよホントダヨ。
もちろんBLACK CATもすこ。
推しは王道を征く…トレインですかね。
この話には鬼滅の刃のネタバレ要素を含みますので注意してください。
『さぁ、お待ちかねの第二試合だ!俺的にも注目の試合だぜ! 驚天動地のスパイダー! ヒーロー科B組 赤糸虫知朱!VS ヒールさMAX!これでもヒーロー(候補生) ヒーロー科A組 来正恭成!』
ステージの片側に赤糸虫知朱。そして対向側には来正恭成……が、普段とは異なりシンビオートを纏った状態で現れる。
『それでは両者とも位置について……って、おや?来正恭成(シンビオート)が何やら身振り手振りしてるぞ〜?』
『なんだ、次は何をやらかすつもりだ(心労)』
黒を纏った来正(正確にはシンビオート)。彼は観客席に向かって声を上げ、コールを求めるような仕草、ファ○クサイン等の煽りを見せる。そんなシンビオートの挑発に乗るが如く観客達はそれにより更なる熱気に包まれる。
『WRYYYYYYYYYYYYYYY!!』
『オイオイオイ粋な計らいしてくれんじゃねぇか!来正恭成!まさかのアピールタイムだ〜〜〜〜ッ!』
『するのは良いがサッサと済ましてくれ』
そんな観客達の声援と野次が入り混じるステージにてシンビオートがガッと己の身体に腕を突き刺したではないか。
不安の声が至る所から流れて来る中、一体何処に隠していたのだろうかシンビオートはズルリ…と己の体内から"パイプ椅子を引き抜いた"のだ。
『おぉ〜〜〜っと!? 凶器だ!凶器を隠し持っていたぞ!なんと卑劣!卑怯!……いや、コレは⁉︎』
引き抜いたパイプ椅子を見せびらかした後にシンビオートは両端を握る。そのまま両側から力を込めボギリと椅子を真っ二つに折ってしまった。
『なんとパイプ椅子が真っ二つに〜〜〜〜ッ!これはお前の脊椎もコイツのようにヘシ折ってやると言う意味なのかぁ〜〜〜ッ⁉︎』
『公共物を壊すな』
「おのれ小生意気な戦法を…! 赤糸虫、A組に対抗すべくコチラもアピールだッッ!」
「えぇ……(困惑)」
………ぷっはぁ⁉︎
え、あ、どうも。いきなりシンビオートに身体乗っ取られた挙句、猿轡で喋れなかった主人公です。
と言うか僕が喋れない間にシンビオート何やってんの!?それに加えてそのパイプ椅子どこに収納してたの⁉︎
「……来正君」
「いや違うんですミッドナイト先生 シンビオートが勝手に!すみません弁償しますから許してください何でもしますのd「好きなだけやって構わないわ!」先生!?」
いいの⁉︎やってしまった自分が言うのもなんだけどいいの⁉︎
「面白そうな上に盛り上がるので許可します!」
「あっはい」
そう言えばこう言う人だったよミッドナイト先生。これで雄英高校の倫理担当教師ってマ?
他にマトモな人選は無かったのだろうか……(呆れ)
『Fooo!!いいじゃねぇか場が温まって来たぜぇ!』
『いい加減止めなくていいのか?アイツ報道陣に向かってサムズダウンしてるぞ』
『WHAT'S! Oh No!? そろそろ試合の時間だからそれ以上はやめてェェ!』
うん、さすがに生中継だからね。よしシンビオートそろそろやめようか、もうヒール役でもなんでもいいからそれ以上は下手すれば退場くらうからやめろくださいお願いします(懇願)
「大丈夫?これから先、結構アンチが増える……と言うかアンチ出来ていると思うんだけど」
「(大丈夫じゃ)ないです。……いや、どっちにしろシンビオートの事を考慮すれば言わずも一定数は出て来るから仕方ないね(諦め)」
別クラスにも関わらず心配してくれる赤糸虫君。やはり彼は僕のソウルメイツになる運命なのでは?(暴論)
それに加えて殴り合えば友達になれるしね 古事記にもそう書かれている。
それでも勝ちに行く気ではあるけども……結局やる事はあまり変わらない気がする。とにかく相手がどう動くか予測する事だ。想像力を出来る限り膨らませ相手の一歩先を行け。僕が赤糸虫君の立場ならどう動く?どのように勝ちに行く?
…でも赤糸虫君の手の内が糸で捕縛・凄まじい身体能力くらいしか分からないからどう戦略の立てようがなぁ……。
『……おい、耳を貸せ』
「え?急にどうし……えっ、何それ凄くやりたくn…でも良く考えたら効果的かも……」
『さぁ、いくぜ!第二試合START!!』
「それじゃお手柔らかn「あ、赤糸虫君ちょっと提案があるんだけどいいかな?」ん、提案?」
マイク先生の開始の合図が響き渡った直後、僕は赤糸虫君に声を掛ける。あー、すっごく気が進まないけど腹括るしかないかぁ(白目)
「そ、よくあるガンマン勝負あるでしょ?10数えてどちらが先に早く攻撃出来るか……どう?乗ってみる気はあるかな?」
「なるほど……うん、別にいいよ」
『言ったな後悔するなよ』
ヨシ!(現場猫) 言質は取ったな。あとは行動に移すのみ!
「カウントダウンはどうする?」
「そちらの自由にどうぞ」
お、僕がカウントダウンね。よし、それじゃ……
「10・9・8…ヒャア我慢出来ねぇゼロだ!」
「ちょっ⁉︎」
最速で最短で真っ直ぐ一直線にぃいいいッ!!ゴムゴムの
──ゴォッ!!
「最初から不意打ちっt────おごぉっッ⁉︎」
「「「「「ええええええええええええっっ!!?」」」」」
『ひ、卑劣ゥ〜〜〜〜〜ッッ!?オイオイオイ!オタクの生徒ホントにヒーロー志望なのかよ!』
『
『俺も人の事言えないかもだけど教師としてソレいいの?主に倫理的に』
力isパワー、力こそ正義、暴力はいいぞ、今は悪魔が微笑む時代なんだ!(世紀末思考) 赤糸虫君には悪いけど最初から決めさせて貰った!マジでごめん いやホント。
シンビオートの腕を伸ばした反動によって放たれる凄まじいパンチは赤糸虫君を吹き飛ばし、場外へ………⁉︎
「──ごほっ、かはっ、…び、ビックリしたなぁ…っ!」
場外ギリギリのところで止まった⁉︎
……いや何か、
「止まっただとォ!見えない壁でもあんのかよアレ!」
「いや違う!糸だ!細い糸が
「あのさ、騙し討ちってそれヒーローとしてどうなの?」
「……言わないで。自分でもアレだと思ってるから」
それに卑劣な手を使うヒーローだってこの世に居るから(震え声)
ほらスター・ロードとかデップーとか……あれ?ロクなヒーローが居ない?
『サッサと落ちてれば痛い目に遭わずに済んだのになァ…!』
「あーあ…結局いつもの脳筋戦法(悪役気味)になるんだな…って危なッ!」
そんな下らない事を考えていると、白い粘液らしきものが顔を掠める。赤糸虫君の不意を突いた攻撃に我に返った僕はすぐさま戦闘体勢に入った。
「お喋りするのは構わないけど目の前見てなきゃ駄目でしょ」
「そうだった…御忠告ありがとう」
『敵に情けをかけるとは泣けて来るな。気に入った、死に方は選ばせてやる』
うーん、この悪役ロール。素でコレなんだから嫌になりますよ……。
せめて言動がもう少し柔らかければ…あ、ごめん今のなし。言動が優しいシンビオート普通に気持ち悪い。
「死に方ね、候補に何があるか教えてもらっていいかな?」
『お好みは安楽死?腹上死?それとも……』
徐々に全身から鋭く尖った荊棘の如き触手を生やし、牙の間から涎がビチャビチャと垂れ流すシンビオートはメキメキと腕の形を変えていく。
『
腕を逆刺の付いた殺意剥き出しの槍へ変貌させ、赤糸虫君に向かって伸ばした。黒い液体を飛び散らしながら蛇のように動くソレは見ていて少し気持ちが悪い。……と言うか凄く気持ち悪い(断言)
「危ないなっ!」
それに対して赤糸虫君は大きく跳躍し回避。それを見越してなのかシンビオートは生やした触手で迎撃しようとする……が、って⁉︎なんだあの変態起動⁉︎(驚愕)
どうやって避けてるのソレ⁉︎……あれ?なんか肩に白い糸のような物が……
「そこッ!」
『グブッ』
が、顔面に蹴りを入れて来た⁉︎糸を伸ばし引っ張る形で威力を高めて来てる時点で完全に倒す気満々だコレ⁉︎いや、試合だから当たり前なんだけどさ。
と言うか顔面潰されて前が見えねぇ‼︎シンビオートの視覚情報は僕とリンクしてるから目潰しされると真っ暗で何も見えなくなるんだよ!
「シンビオート、捕まえるんだ!」
『分かってる!』
「そう簡単に、捕まらないよッ!」
何かが空を切る音が耳に入って来る。何も見えないけど察するにシンビオートは赤糸虫君を捕まえ損なったようだ。
とにかく視界の確保を優先しよう、まずは頭部のみシンビオートを解除して───
──パシュッ
だぁぁああッ!!目がぁ、目がぁああああ!?
赤糸虫君、直に糸をぶち込んで来た⁉︎と言うか眼球に糸はアカン!粘着性のある物をブチ込んで来るのはアカンから!
『チッ、姑息な奴が!そんなに殺されたいようだな!』
「ごめん。それ人の事言えないから。がっつり特大ブーメランだからね?」
あぁ、目元が塞がれて何が起きてるか分からない!早くコレを外すさないと何をされるか───
「うおッ⁉︎足が動かない⁉︎」
『クソ!もうやられたか!』
直後、膝裏に衝撃が襲い掛かりガクンと地に膝をついてしまう。更にパシュッと軽い音がしたと思うと両腕も同じく地に張り付けられるように動かなくなり、四つん這いの状態で身動きが取れなくなってしまった。
一体何がどうなってるんだ…⁉︎
──バリッ
「痛゛ァ゛ッ゛⁉︎目がっ!目がぁ⁉︎」
「あ、ごめん。大丈夫? もう少し優しく剥がせばよかった…」
「あー、うん大丈夫……」
目元の痛みに悶えながらも周囲の確認をすると両手両脚が糸によって地面に縫い付けられるように拘束されている事が分かった。どうやら顔面に引っ付いた糸は彼自身が取り除いてくれたみたいだ
けど……。
そう考えているとシンビオートが首元から器用に顔を形成し口を開く。
『Shit! マウント取ってイキってるつもりか!ならすぐに足を切り落として逆に見下して「はい。お口チャックね」〜〜〜ッ!』
あ、途端に静かになった。凄い粘着性の糸だ。取ろうとしても中々外れないのかシンビオートは僕のすぐ横で悶えている。
FOOOOOOOOOOOOOOOOO!!
『なんと来正恭正withシンビオート手も足も出ない〜〜〜ッ!これはどうした事か!体調不良か!それとも赤糸虫が強いだけなのかァ〜〜〜〜〜ッッ!』
そんな様子に観客席の熱量は高まり、実況のテンションも上がって来ている事が分かる まぁ、ヒーロー物で敵役を追い詰めるの興奮するよね。僕だってヒーローが活躍するの好きだし。いやホントに赤糸虫君、こう見ると まんまスパイダーマンじゃん。糸出したり攻撃を察知してなのか易々と回避したりするし……。
……そう考えるとなると、やってみる価値はありそうだな。
「…あっ、ごめん赤糸虫君。ちょっと気分悪くなって来たからこの糸外してくれない?」
「ん?別にいいよ……と、言いたい所だけど そうやって騙し打ちするつもりかな」
「そう言うわけじゃないよ。ただ少し胃の中のモノが逆流しそうで…あ、ごめんもう限界」
「え゛」
ハイ、お茶の間の皆様ごめんなさい。少し気分の悪くなる映像が流れますよー……ッと!!
「ゔ゛……げッ!」
「ッ!」
赤糸虫君は驚愕の表情を浮かべながらも僕の口内から飛び出した黒い刃に頬を掠めつつも躱した。……避けられたか!
「ちょっと、危ないよ!ついでに言っておくけどヒーローがやって良い技じゃないよソレ!」
「はぁ…、はぁ……う、うん僕もそう思う」
「いや息絶え絶えだけど大丈夫⁉︎」
「こ、これ意外と体力使うんだよね…おえ」
『使い所が限られた役立たずの技だけどな』
「別に使わなくても良くない⁉︎」
──ヒュンヒュンヒュンヒュン
「び、びっくりした…流石に来正がこの場で吐くかと思ってヒヤヒヤしたぜ」
「確かにな、まさか麗日みてーな事になると一瞬思ったけど大丈夫みたいだな」
「うん。瀬呂君 切島君。その話やめて(懇願)」
──ヒュンヒュンヒュンヒュン
「……つーかさ、なんかさっきから変な音聞こえてこない?」
「言われてみれば確かに……一体なんの……⁉︎」
そう、僕が先程吐き出したシンビオートの一部。アレは切り離した状態でもある程度は自由に形状を変えられる事が可能。それを利用して僕はブーメランのようにコチラへ戻って来るように変化させておいたのだ。
「(さぁ、君はこの後どうする?)この状況のままって言うのはどうも試合としてはどうかと思うんだけど……糸解いてくれないなら、せめてトドメとかさしてくれない?」
「いや、そう言われると何か企んでいるようにしか聞こえないんだけどなぁ」
そんな他愛も無い話で時間を稼ぎ、ブーメラン状の刃が彼の背後に迫る。残り3、2、1m……!
「──ふっ!」
直撃する!そう思った直前、赤糸虫君はその場で宙返りをする事によって戻って来た刃を易々と回避して見せた。しかも
そのま躱された黒い刃は僕の側を横切り、地面に突き刺さってしまった。
『なんと、来正恭成が放ったブーメラン不発に終わった〜〜〜〜ッ!最後の足掻きも虚しく終わりこのまま負けてしまうのだろうか!』
『……そうだな。ただし、これが"最後の足掻きだった場合"の話だかな』
──ブチ…ブチブチィッ……!
『ハハハハハハハ‼︎隙を見せたなァッ!』
相澤先生の言う通り。確かに先程の攻撃は失敗終わったけど、コレは別の目的としての攻撃でもあった。
赤糸虫君の背後からの攻撃はあくまでブラフ。本当の目的の一つとしては"僕に絡まった糸を裂く"と言うモノだ。
この至近距離からの攻撃!避けられる物なら避けてみせ───
「まぁ、来るのは分かっていた」
──パシュッ!パシュパシュッッ!!
「んぐッ!」
『がッッ⁉︎』
『ふ、封殺ーーーーーッ!強い、強いぞ!赤糸虫知朱ゥーーー!あの猛威を払った来正恭成を赤子の手を捻るが如く!最後の最後の策までも打ち破ったァーー!』
全身に満遍なく蜘蛛の糸が……!側から見ると芋虫みたく簀巻きにされていると思う。と言うかヤバイ コレ脱出できなくない?
「勝負有り。って状況だね」
『コイツ……!』
「そうそう。さっきの答えだけどさ……試合終
上手い!座布団一枚!
いや、上手くねぇよ。なんで座布団上げることになってるんだよ。
「よく言ったぞ赤糸虫!!お前はB組の誇りだ!そのままトーナメントを勝ち進んで行けぇ!」
ブラッドキング先生の声が響き渡る。わーお、赤糸虫君が凄い絶賛されてる。相澤先生だと絶対褒めてくれないからなぁ。良くても「さっきの良かったな」と言われる位だからなぁ。
あー……僕もB組入りたかったなぁ(小並感)
『残念ながらお前の解答は求めていない』
「それじゃあ質問の意味が無いね……で、来正君。そろそろ降参した方が良いと思うよ」
降参か……。チラリとミッドナイト先生、セメントス先生の表情を窺うと同感の意を示すような顔をしているのが分かる。
「……確かに、僕達じゃ赤糸虫君に勝てないみたいだ」
「そうだね」
「それに君の個性は蜘蛛っぽい事が出来る。それだけじゃ一体どんな戦法を使い、どのような手の内があるのか不明瞭。正直勝てる気がしない」
「その通り、だから────」
「そうそう、君の個性だけど……
「──⁉︎ な、何を言って……っ!?」
直後、赤糸虫君が辺りを見渡しつつ その場から飛び退くと先程まで彼が居た場所から黒い根のような物が飛び出して来た。
──ボゴォッッ!!
『な、なんとぉ!根のような物がステージに生えて来たァ!ビオランテの襲撃かぁ⁉︎』
『な訳ないだろ。フツーに考えれば まぁシンビオートだろうな』
あー、うん。やっぱり相澤先生褒めてくれないよね。知ってた(白目)
まぁそんな事はさて置き。地中からの攻撃を回避した事によって距離が開いた。
そのおかげで隙が出来た…!
「シンビオート交代だ」
『気は乗らないが…しょうがないな』
「何をするつもりか知らないけど…!」
直後、僕等に向かって凄まじい量の糸が襲い掛かる。全身に夥しい粘着性の物質が纏わり付き、一歩も動かない状態になってしまう。
……けど、もう遅い!
──ブク、ブク……ブクブク…!
「こ、これは…⁉︎」
『なんとシンビオートの身体が膨張していくゥ〜〜〜!赤糸虫も糸で懸命に膨らむのを抑えようとするが隙間から徐々に膨れ上がり、これ以上止める事が出来ない!』
これぞ、シンビオートが高級チョコを捕食した際に習得した破裂の応用技!
名付けて必殺(?)…【
「任務…了解…」
『自爆するしかねぇ!』
「は?」
──BAAAAAAAAAAAAAM!!
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
黒い雨が降り注ぎ、白かったステージは次第に黒へ塗り潰されていく。危なかった……!もし接近した状態でさっきのを喰らえば無事じゃ済まなかったよ!
『じ、自爆ゥ〜〜〜〜〜ッッ!?此処に来てまさかの自爆だーーーッ!おいおいコレどう判断すりゃいいんだ!とりあえず後は審判に任せたぜ!』
「そんな無茶苦茶な⁉︎」
プレゼント・マイクの実況にセメントスが困ったような表情を浮かべる。確かに 勝てないと分かって死なば諸共、相打ち覚悟で特攻を仕掛けて来たと思うけど。
それにしても酷い光景。来正君の姿すら見当たらない……?
……えっ?姿が見当たらない⁉︎
『『『…ハハハハ どうしたオレ達は此処だぞ』』』
「っ! 声が四方八方から……⁉︎」
どうなっているのコレ! なんで周りから声が響いて……っ!
そうか、さっき破裂した時に飛び散った破片だ! 敢えて撒き散らす事でボクを撹乱させる寸法か!
「と、なると……」
その場で目を閉じる。来正君ならボクを撹乱させた後に襲い掛かって来る筈。なら、下手に動かずにカウンターを狙えば…!
『コッチだ』『何処を見ている』『そっちじゃない』『オイデ、オイデ』『諦めなよ』『Fuck』『モウ楽ニナロウ』『キャハハハ』『負ケロ、負ケロ』『オイデ、コッチニオイデ…』『ファミチキください…』
うぅ……、下手なホラーゲームよりも怖い演出なんだけど。こうやって集中力を削ぐって嫌らしいなぁ……なんか最後の方だけおかしくなかった?
……いや、声に気に取られたら駄目。
センサーをフル稼働させて……居場所を特定する……!
──ガラッ……
「っ! そこだッッ」
センサーが反応した所に糸を撃つ!これで試合は終わりだッ!
糸が放たれた方向には黒い人型の者が現れた。弾丸のように放たれた糸はそのまま頭を撃ち抜いて……えっ、うちぬいて?
『う゛あ゛…』
「ひっ⁉︎ あ、頭が抉れて……⁉︎」
頭が⁉︎頭がボトって落ちて……⁉︎え、いやそれどころか身体が崩れてる⁉︎
……まさか偽物!?
『なんと!赤糸虫が攻撃したのは偽物だーーッ!本物は
「───はっはっはっはっ!」
「笑い声⁉︎ それにさっきまでの濁声と違う!」
声の発生源は……ッ⁉︎背後に!?
振り向きつつ、その場から飛び退くボクの目の前に彼は姿を現した。
「すり替えておいたのさ!」
「き、来正君⁉︎」
そう、そこには先程の筋骨隆々な姿と比べて全体的に細く、スタイリッシュな容姿をした黒い何かを纏った来正君だ。
「その姿は……?」
「ん、ちょっと作戦の第二段階にね」
『お前は掌の上で転がしてると思ってるが、その逆だ。お前は今まで転がされていたんだよ』
転がされていた……何を言っているの?
「君の個性のセンサー、とある条件下で発動するものだって分かったからね。悪いけど試させて貰ったよ」
「試した……!?」
そうか、試合中 変な技ばかりを使って来ると思ったらボクのセンサーの秘密を暴く為に……!
「それじゃあ、あの自爆も!」
「その通り」
「ブーメランで背後から攻撃したのも!」
「もちろん」
「最初から公衆の面前に加えて公衆の面前で騙し打ちしたのも作戦の一つだったの⁉︎」
「……え、ぁ、ぅ、うん。…そう…だね… いや、アレはシンビオートが勝手に……」
あれ、なんだか急に歯切れが悪くなったような……?
「とにかく(唐突な話題転換) 陳腐で臭い台詞を言わせて貰うけど───」
『「本当の戦いはここからだッッ!!」』
スパイダーマンvsヴェノム的な試合。
いやぁ赤糸虫君がどのように戦うか見ものですね。
……えっ、赤糸虫君が主人公じゃないんですか?
〜〜キャラクター紹介〜〜
『来正恭成』
【お前のようなヒーローがいるか】の言葉が似合いそうな戦法を得意とする。真面目に戦えばいいのに何故そのような真似を…。
『赤糸虫知朱』
一人称が主人公と被って少し扱いにくいキャラ。個性はスパイディとほぼ同じ。
危機察知能力が飛び抜けて凄まじく自身の認識外からの攻撃をほぼ未来予知のように感じ取る事が出来る……見聞色の覇気かな?
〜〜用語紹介〜〜
『ビオランテ』
ゴジラシリーズより。白神博士によって作られた植物怪獣。植物ながらも禍々しいその姿はまさに圧巻の一言。
『鬼舞辻無惨式逃走自爆』
鬼滅の刃より。無惨が鬼滅隊最強の人物から逃げる為に使った技?的なヤツ。ポップコーンみたいに弾ける。
『エターナル・ラメント』
Fate/Grand Orderより虞美人ことぐっちゃん先輩の宝具より。
自らの限界を超えた魔力を暴走させ自爆する技。ただしすぐに元に戻る。最近ポンコツ化が激しくなり登場するだけで面白いキャラになっているのは気の所為だろうか……いいぞもっとやれ公式。
正確には呪血尸解嘆歌と書いてエターナルラメントと読む。
『任務…了解…』
機動戦士ガンダムW 第10話「ヒイロ閃光に散る」より。
ヒイロが生身のまま機体を自爆させたシーン。なんで君、生きてるの?なんで「死ぬほど強いぞ」で済んでるの?
『すり替えておいたのさ!』
東映版スパイダーマンより。ニコニコ動画ではかなり有名な台詞。
本来は犯罪シンジゲートのブラックリストをすり替えた時に使った言葉らしい。
スパイダーバース2での登場を心待ちにしております。
『本当の戦いはここからだ』
ウルトラマンダイナより。主人公のアスカ・シンが使う代名詞と言っても過言ではない台詞。