違う!シンビオートが勝手に!   作:ゴランド

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何 故 続 け た し





2話 違う!シンビオートが勝手に個性把握テストを!

 

 やぁ画面の前の皆 主人公だよ。

 目の前にはシンビオートと不良みたいな学生が喧嘩腰で睨めっこ。

 ホント参っちゃうよ(白目)簡単なあらすじとしてはアッチ(不良学生)が喧嘩を売って来てコッチ(シンビオート)が挑発。はい以上。

わーお単純明快。

 

「面白ぇドブ野郎が…今ここで決着つけてやんよぉ……!」

 

『I'LL BEAT YOU…!(翻訳:ボコボコにしてやる…!)』

 

「ストップ!ここ学校!教室だから!初日から暴力沙汰はマズイって!」

 

「なんだぁテメェ……!」

 

『GRUUUUUUUUUUUU……』

 

 うわっ、怖ッ!二人が並ぶとメチャクチャ凶悪な絵面になるよ。

 "個性"犯罪防止ポスターに載せれば凄い効果になりそう。とにかく僕は二人……いや、一人と一体の間に割って入る。

 

「いいかシンビオート?ここはあくまで勉学に励む場所なんだ。勝手に出て喧嘩は売っちゃダメ!」

 

『WRRRRRRRRRR……』

 

「喧嘩を買っただけ?屁理屈をこねても無駄だからね!今後そう言うのは控える事!さもないとチョコ買ってやんないからね!」

 

 そう言うとシンビオートは大人しくなり僕の体の中へ戻っていく。チョコの事を話題に出せばすぐに大人しくなるからこの手に限る。

 さて、問題はコチラをずっと睨み続けている彼だけど……。

 

「オホン……えー、さっきはゴメン。僕の"個性"は結構特殊でさ、何か気を悪くさせたなら謝るよ」

 

「うるせぇ!テメェの何でも指図するような言い方が気に入らねぇ!」

 

 流石に無茶苦茶過ぎないその理由⁉︎

 

「やめたまえ君達!ここは勉学に励む場所!決して喧嘩をする為に用意された訳ではない!」

 

「ハッ!いい子ちゃんコンビかよ!」

 

「いっ、いい子ちゃんとはなんだ!いい子ちゃんとは!」

 

「んじゃ、テメェどこ中だよ!端役が!」

 

「ぼ……ッ!俺は私立聡明中学校出身の飯田(いいだ)天哉(てんや)だ!」

 

「聡明ィ〜?いい子ちゃんどころか くそエリートじゃねぇか。ぶっ殺し甲斐がありそだなぁ!」

 

「ぶっ殺し甲斐⁉︎君ひどいな本当にヒーロー志望か⁉︎」

 

「ちなみに僕は羽門土中学校だよ。よろしくね」

 

「テメェに聞いてねぇわボケ引っ込んでろ!!」

 

辛辣⁉︎

どさぐさに紛れて自己紹介したのは悪かったけどそこまで言うかな⁉︎

ショックを受けている僕だったが教室のドアの前で固まっている二人の生徒の姿を見つける。とりあえず、手招きをしてこちらへ呼び出そう。

 

僕に気付いた二人は教室内へ入ってくる。

 

「いや、ごめんね。なんか騒がしくてさ」

 

「ううん、大丈夫」

 

「あそこの二人どうしたんだろう」

 

「いや、最初はあそこの不良っぽい学生が僕に喧嘩をふっかけて来てなんやかんやであの騒ぎ」

 

「さ、流石はかっちゃん。雄英でもブレない……」

 

「かっちゃん?……まぁいいか。僕の名前は来正(きせい)恭成(きょうせい)。よろしくね」

 

「あっ、どうも緑谷出久です!」

 

「麗日お茶子です よろしく!」

 

 緑色のボサボサした男子生徒と茶髪の麗らかな雰囲気をした女子生徒が自己紹介をしてくれた。

なんか常闇君や"かっちゃん"?って不良っぽい生徒に飯田だっけ?そんな感じの生徒と比べると見劣りすると言うか……なんかフツーって感じの容姿で安心感がある。

 

「こちらこそ……っと、コッチの紹介がまだだったね。コッチの名前はシンビオート。ほら挨拶」

『FUCk「さっきの事忘れてないよね」……HELLO』

 

 油断するとすぐに罵倒が飛ぶの

 

「(挨拶した⁉︎)すごい"個性"だね!一体どんな──」

 

 

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

 

………

 

………………

 

………………………

 

………………………………

 

 

((((((なんか居る⁉︎))))))

 

 声の発生源は教壇の裏で寝袋に包まれた小汚い人だった。

うん、どう見ても不審者ですね分かりますとも。

……あれ、もしかしてこの人って教師だったりする?

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限君達は合理性に欠けるね」

 

「先生⁉︎」

 

「担任の相澤(あいざわ)消太(しょうた)だ。よろしくね」

 

やっぱり先生か〜〜ッしかも担任〜〜〜ッ!

……でも、おかしいな。確か雄英高校って教師の資格を持ったヒーローから授業を受けられるけど、こんなヒーロー見た事ないな。

全身を覆うタイプのコスチュームで見た目が分からないとか?

 

「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」

 

 アレは……雄英高校の指定運動着(ジャージ)

なんで?ガイダンスは?困惑する僕達は先生の言う通り着替えグラウンドへ向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「個性把握テスト!?」」」」」

 

クラスメイト達の声がグラウンドに響き渡る。

状況を簡単に説明すると担任の相澤先生が「個性把握テストやるぞ」と言って皆混乱中。

うん、改めて考えるとおかしいよね。

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る余裕ないよ」

 

 え、そうなの?なんかグラウンドに来る前に体育館の方をチラッと見たら入学式の準備してた気がするんだけど気のせい?

 

「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。お前達も中学の頃からやっているだろう? 個性禁止の体力テスト」

 

 

 

 

 

 

「実技入試成績のトップは来正だったな。中学のときソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「えーっと、……確か51mでした」

 

俺は67mだクソが……!

 

 僕より上と言いたいのは分かったから耳元でボヤかないでくれないかな爆豪君。怖いんだよ!先生を目の前にして聞こえないようにしている分、心のみみっちさが……。

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ。思い切りな」

 

 そう先生にボールを渡された俺は爆豪君の鋭い視線に少々ビクビクしながらも白い線の枠の中心に立つ。

 

(敵撃破P48、レスキューP32の計80Pの実技試験トップ。今年からヒーロー科の枠を増設させ推薦組を除く計38名の生徒の頂点に立つが……如何程のものか)

 

 何故か先生が意味深そうな視線を向けているが無視しよう。と言うかそんな気怠るそうな視線を向けないでください。爆豪君と言い先生と言い……、そんなに僕の事が嫌いですか(震え声)

ともかく言われたからには全力でやってみよう。

 

「よし、腕だけでいくよ」

『山盛りポテトとチョコを所望する』

「それは帰ってからね」

 

 僕の右腕にシンビオートが纏わり付き、不定なソレは次第に巨大な腕を形成する。

ボールを掴んで、そのまま大きく振りかぶって……一直線にッ!!

 

『「オラァッ!!」』

 

 僕とシンビオートの掛け声と共に球は空へ向かって放たれる。

しばらくして計測用のボールは重力に沿って地面へ落ち結果が先生の持つスマホに出される。

 

来正恭成 701.6m

 

「ッし!」

『身体が温まってないからまだ本調子じゃない』

「そう?と言うかお前に体温ってあったっけ?」

 

 700m超えの記録に思わず俺はガッツポーズをしてしまう。シンビオート自身はまだイケるらしいが……。

他愛も無い会話する僕達をよそにクラスメイト達の声が耳に入って来る。

 

「なんだこれ!! すげー面白そう!」

「701mってマジかよ……」

「個性思いっきり使えるんだ!! さすがヒーロー科!!」

 

 確かに皆の言う通りちょっと楽しい感じがする。自由気ままに個性を使うのは中々……あ、いや待った。自由気ままは流石にアウト。僕の個性を自由にしたらシンビオートが勝手に暴れ始めるのがオチだ。

 

 そんな事を考える僕の近くで計測していた相澤先生。何故ものすっっごく不満そうな表情を浮かべているのかな。

いや、確かにちょっと騒がしいけど少しは多目に見てもらえると嬉しいな〜〜……って。

 

「……面白そうか。ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

……相澤先生?

 

「よしトータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

相澤先生!?

 

 いや、まぁ確かに一人減って計20人でキリが良くなるけど除籍⁉︎

除籍ってあの、除く籍と書いてのヤツですよね!?

嘘だと言ってよバーニィ……。

 

「これから3年間雄英は全力で君達に苦難を与え続ける。更に向こうへ…PlusUltraさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうした 何を焦っている?』

「どうしたもこうしたも無いよ!除籍処分だよ⁉︎やばいって!これは何がなんでも上を目指さなきゃヤバいって‼︎」

 

『Hmm……オレ達の力なら除籍処分は有り得ないな』

「分かってないなぁシンビオート。分からない?あの先生の目」

 

僕は気怠そうな表情を浮かべる先生をチラリと見る。

 

「アレは俗に言う養豚場の豚を見る目だ……!『あぁ今回の豚の出来は悪いな。さっさと処分しよう』って感じのいつでも除籍処分して良いような目だよ……!」

『お前はつくづくチキン(ビビり)だな。そんなワケないだろう』

 

 

第1種目は50m走。

 

 通常は二人一緒に走るところを今年から生徒数21人となったので三人一組で走る形式となったらしい。

とりあえず個性を使って良いと言われたのでシンビオートを呼びかけるがどうにも乗り気じゃないらしい。

 

『ただ走るだけなら興味は無い。お前で勝手にやれ』

「別に良いけどさ、力だけは貸してよ?除籍処分って事は今後一切お前は自由に外へ出られないし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね」

 

 

『……………』

 

 

「お、おい。なんかお前の身体、変な黒いのに覆われてるけど大丈夫か?」

 

「あ、気にしないで。これが僕の個性で……え?ちょっと待って。なんでシンビオート勝手に僕の身体を乗っ取ってるの?ちょっと⁉︎なんで触手を前に伸ばしてるの?

何故そんな張り切っt『CHOCOOOOOOOOOOッ!』

 

あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛ああああああ゛あッッ!?

 

 

 

………

 

……………

 

…………………

 

 

来正恭成 記録2.63秒

 

 

 いやぁ、あの時はびっくりしたね。言い表すなら安全バー無しでジェットコースターに乗った感じ。

 

 なんか周りの反応としては「人間の皮を被った化け物」とか「変身ヒーローじゃなくて変身ヴィランだった」「巨人が蔓延る世界で調査兵団に入れよ」って言われた。

いや、まぁ。そんなリアクションされるのは慣れているけど

 

流石に「横に落ちる変態」って言われたのは初めてだった。

と言うかさ、さっきまで乗り気じゃなかったのに何で僕の体を操ったの?

 

『オレ達の将来(チョコ&ポテト)の為だ。無論、力を貸すに決まってるだろう!』

 

つくづくコイツは現金なヤツだなぁと改めて実感した。

と言うか身体の自由より食欲って、それで良いのかシンビオート……。

 

先程の測定による謎の疲れでダウンしているところに赤髪と金髪の男子生徒二人がやって来る。

 

「おーい無事か?」

 

「さっき奇声を発しながら走って……いや?飛んでか?ともかく凄い記録出してんな」

 

「ハハ、どういたしまして」

『なんだコイツら。さては妨害目的で近づいて来たな』

 

 うん、とりあえずシンビオートは本当に静かにしてくれない?

 

「僕は……」

 

「知ってるよ、来正だろ?実技試験が一位の。俺は切島鋭次郎よろしくな!」

「俺、上鳴。さっきの何だったんだ?なんかグロい姿になってたけど」

 

「それは──『オレ様を呼んだか?』

 

「うひゃあ出た⁉︎」

 

「なんだァ⁉︎そのドロドロしたヤツ!」

 

「僕の個性って言うか……ともかく名前はシンビオートって言うんだ」

『ハァイ ジョージィ』

 

「へー、そうか『リューキュウ』みてーな変身するタイプじゃないんだな(ジョージィ?)」

「結構面白い個性だな。けど、俺の個性も負けてないぜ(ジョージィって誰?)」

 

『せいぜい、オレ達の邪魔をしないようにな』

「ちょっと⁉︎……あー、ゴメン。ウチの子さコミュニーケーション能力が超がつく程、と言うか一切無いからさ……」

 

「苦労してんなお前……」

 

「ハハ……もう何年も一緒にいるから慣れたよ」

 

 それに困る事と言われても街中で敵を見かけると僕の意思関係無しに突っ込んで行ったり、身体の主導権を奪われるくらいだから。

そう二人に告げると何故か微妙なリアクションをされた。

……あれ?もしかして慣れている僕がおかしいパターンなのコレ?

 

 

 

 

 第二種目は握力測定。

コレはシンビオートの腕を形成して、ただ握るだけ。

切島君はフツーにやったが、上鳴君の場合は握力測定器に【帯電】の個性で電気を流し結果を弄ったらしい。

……握力とは?

 

 先生は特に気にしてないから良いみたいだけど、隣の黒髪ポニーテールの女子生徒は万力で測ってるんですがコレってどうなんですか先生。

 

「問題無し」

 

握力とは(哲学)

 

 

 

 続いて第3種目……おっと、悪いけど立ち幅跳びについてはカットさせてもらうよ。えっ、なんでかって?それは………

 

 

『GYOOOOOOOOOOOOOOッッ!!』

「また前にィィィィイイイイッッ!!」

 

 

……こう言う事。前方に落ちる変態の場面を二回見せるのは流石にあれだからね。ぶっちゃけると、もう思い出したくないから。

 

 

 次は第四種目の反復横跳び。

反復横跳び……個性使って良いとは言われたけど、どう使えば良いんだろうか……。

そう考える僕の目の前に低身長のブドウのような独特な髪型をした生徒がボールを組み合わせたようなのようなナニカをトランポリン代わりにして凄まじい記録を出していた。

 

「凄ッ!?何アレどうやったの⁉︎」

 

「はっ、野郎に褒められても嬉しかねぇな!引っ込んでr『ぶち殺すぞヒューマン‼︎』すみませんでした」

 

 シンビオートに顔面を鷲掴みにされ素直になる生徒。ちなみに名前は峰田実と言うらしい。しょうがないよね、こんな見た目が映画に出てくるエイリアンみたいなのに脅されたら仕方ないと思う。

 

『どうするコイツ処す?処す?』

 

 やめたげてよぉ!

 

 その後峰田君に教えてもらったけど、どうやら峰田君の個性"もぎもぎ"により弾力性と自分以外にくっつく粘着性を兼ね備えた球体を沢山取り出し己の身体をバウンドさせると言う反動を利用した方法で記録を伸ばしたようだ。

 

 それを聞いた僕は峰田君の案を参考に左右両側ににシンビオートを変化させたロープを張る。

これによって弾力を利用し、更にコイツ自身が僕を引っ張る事によりスピードが加速すると共に記録も伸びる!

勝ったな風呂入ってくる(入れません)

 

『これでいいか』

「よし、それじゃあお願いするよ」

 

 そう言った直後、激しい衝撃が左右から交互に襲いかかる。

お、おお……結構いい感じ。これなら中々良い結果が出そうだね。

後で峰田君にお礼を言っておかないと。

 

『よし、余裕みたいだな。このままで良いか?』

「うん、このまm……あ、待って。ダメだこれ」

 

 左右にシェイクされ脳や臓器、胃の中身までもが激しく揺らされる。うん、キツイねコレ(震え声)

シンビオートが生み出すこのエネルギーはまさしく土星エンジン(空中分解寸前)!お願いだからやめて!死ぬゥ!色々な意味で死ぬゥ!

 

『分かった、このままはダメなんだな。よしスピードを上げるぞ』

「えっ」

 

 

…………

 

 

測定終了後、僕は盛大にキラキラをブチ撒ける結果となった。

高得点の代わりに僕は周りから同情と慈悲が混同したような視線を向けられる事となった。

知ってる。アレでしょ?実際は心の奥底で嘲笑ってるんでしょ?

 

すると麗日さんがポンと僕の肩に手を乗せて来る。

なんだよ今さら憐れみなんているかァ!

 

「分かるよ、私もそうだったから」

 

麗日さんはそう一言だけ呟くと次の測定を行うため移動していった。

 

何がしたかったのだろうk……え、()()

それってどう言う……え?

 

 

 

 

 

 麗日さんのカミングアウトに対しモヤモヤする感情が残ると共に第四種目のハンドボール投げが行われる。ちなみに僕は最初の方で既に測定を終えているため、投げなくても良いらしい。

 

まぁ、一応アレが全力だったから見学でいいかなぁと思い、その場で体育座りしている。

 

 

──ドォンッ!!

 

 

八百万百 記録612m

 

でさ、握力測定に万力を使っていた子がボール投げなのにボールを大砲を使って撃ち出してる件について

 

()()なのに何で()()?測定してんのは砲撃じゃなくて投擲なんだよなぁ。

そこら辺どうなんですか先生。

 

「問題無し」

 

ソフトボール投げとは(哲学)

 

「死ねぇッッ‼︎」

 

 そんな考えをしながら空を見ていると謎の掛け声と共に発生した巨大な爆発音に驚き爆豪君の方へ視線を向ける。

 

 

爆豪勝己 記録705.2m

 

「俺が上」

 

 そう呟くと同時にこちらに向かって中指を立てた。

……いや、なんでそんな敵意剥き出しなワケ?そこまで露骨にされると泣くよ僕。

 

『GYAa「ステイッステイッ まだだッまだだッ!」

 

 ニタァと邪悪な笑みを浮かべる爆豪君にシンビオートはご立腹だ。だからやめなって!ここで問題起こせばそれこそ除籍処分を受けるから!すると少し調子に乗ったのか、爆豪君が更に口を開く。

 

「何か言い返してみろや"負け犬"野郎が!」

 

『負け犬……"敗北者"…?』

 

えっ、待って。この流れは……

 

『取り消せよ…今の言葉!』

 

「取り消せだとォ?断じて取り消すつもりはねぇな!」

 

 乗るなシンビオート!戻れ!

あんなの言わせておけば良いんだ!と言うか何でそんなにノリノリなの?

さては仲良いだろ君達。

 

 

 

『アイツ、()()()を馬鹿にしやがった。キョウセイはオレに棲家(生き場所)をくれた!お前にキョウセイの偉大さの何が分かる!これからヤツ以上の記録を出しに行く!後に続けキョウセイ!』

 

 やだ、ちょっと嬉しいけど人前で言われるの滅茶苦茶恥ずかしいや。でも言っておくけど最初にやったアレで全力だからそんなに距離伸びないと思うよ?

 

『その方法を考えるのはお前の役目だろ。』

「アッ、ハイ」

 

 結局、僕任せなんだね。うん、大体予想はしていた。いやだけどどうしたものかな………あっ、そうだ。

 

「先生、もう一度測らせてもらって良いですか」

 

「まぁいいが…既に一回終わってるから、やるのは一回だけだぞ」

 

 そう言われ、ボールを渡される。さっきまでそうだったが僕は視野を狭めていた。先生が"個性"を有用し最大限の力を発揮する事が良いならば、決して投げる動作に拘らなくて良いんだ。

と言うかレーザーや爆発の反動で空飛んだり、万力とか電気使って握力測定してる時点で気付くべきだった。何というか、僕自身変なところで頭が固いところがあるなぁ……。

 

 

『やり方は決まったか?』

「勿論。任せてよ」

 

 

 投球フォームは最初の時とは変わらない。違うのはここから。

まずは腕を後方に思い切り伸ばす!そのまま伸びきった反動。球威に乗せ天に向かって射出!

 

まだだッ!まだ終わらんよッ!

 

 測定用のボールにはシンビオートの一部を取り憑かせている。

切り離したシンビオートも遠隔操作が可能!空中に漂うボールに纏わり付かせた一部の形状を(カイト)のように変化させ更に距離を稼ぐッ!

 

来正恭成 記録1124.3m

 

「よおぉッしッッ!」

 

「「「「「1km越えたぁぁぁあああッ‼︎」」」」」

 

凄まじい達成感と周りからの歓声に包まれる僕だったが爆豪君が怒りに満ちた表情を浮かべているのに気付く。

 

僕は堂々の1km越えの記録。

それに対し貴方は挑発した癖にアッサリと記録を抜かされた敗北者。

随分と差がつきました 悔しいでしょうねぇ。

 

……と、心の中で呟いておく。

いや口には出さないよ?だって怖いし。

そう思っていると、僕の身体からシンビオートが上半身を形成し始め爆豪君に向かって中指を立てた。

 

『俺が上』

 

「ぶっ殺すぞテメェ等ッ!」

 

「違う!今のはシンビオートが勝手に!」

 

 





主人公'sプロフィール

来生(きせい)恭成(きょうせい)

名前の元ネタは 寄生・共生 から
一人称は僕。

誕生日 5/4日
身長 168cm
体重 67kg

・好きなもの
動物全般、ヒーロー物のアニメ・コミック


来生's目:よく死んだ目に変わる
来生'sボディ:意外と筋肉質
来生's気質:苦労人
来生's体内:シンビオートの棲家

出身中学校:『羽門土(はもんど)中学校』
元ネタはMARVELのヒーロー候補生の訓練施設
【キャンプ・ハモンド】より。




『シンビオート』

主人公君の中に棲まう謎の黒塗りの寄生体。
英語に疎い人が海外版ヴェノムを観た時の不気味さをイメージしているが、普通に喋れる。
しかしコミュニケーション能力が悲惨な事になっている。

誕生日 宿主と同じ
身長 標準6フィート(約180cm)から変化
体重 標準85kg

好きなもの
チョコレート、ポテト

シンビオート's舌:長い
シンビオート's目:でっかい白目
シンビオート's肌:黒くてテカテカ
シンビオート's全身:筋骨隆々のスライムボディ




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