違う!シンビオートが勝手に!   作:ゴランド

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ニコニコで無料配信されてる剣見てるけど不思議と笑いが込み上げて来るのは何故でしょうか?
今回は展開がやや早め。



28話 違う!シンビオートが勝手に決勝戦を!

 

「死ねぇええッ!」

「死ぬかぁあッ!」

 

 硬化した拳が爆煙を突き抜けて来る。それを紙一重で躱す爆豪は距離を一旦置くと両手を後方に向け、駆け出した。

 

「爆速ターボッ!」

「おおおッ!」

 

 爆破の反動によるスピードを乗せた飛び蹴りが硬化した切島の顔面を捉える。ビクともしない相手に爆豪は舌打ちをしつつ戦法を変えた。

 

「ゼロ距離、スタングレネード!」

 

 凄まじい光量の爆破が眼前を真っ白に染める。そんな目潰しに切島は思わず"その場に蹲ってしまう"。

 

「らぁぁああああああああああッッッ!!!」

 

BOM! BOM! BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOM!BOOOOOOM!!!

 

 間髪入れずの爆破のラッシュ。全身を硬化させ対応するが、それも長続きせず次第にダメージは積み重なっていく。

 

「死ねぇえええッッ!!」

 

BOOOOOOM!!

 

 しばらくの時間が経過し、アッパーと共に放たれた爆破は切島の意識を奪うのに十分な威力だった。

 

「そこまで!切島君戦闘不能!爆豪君決勝戦進出!」

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

『はぐっ、がっ、ングングッ!がッ!がぶっ!』

「ハイハイ、落ち着いて。ほらココアお飲み」

『サンキュー』ゴキュゴキュ

 

 やぁ、皆。チョコを頬張ってるシンビオート横目に若干引いている主人公だよ。うわ、見てるコッチの口の中が甘ったるくなりそう。

 

「うぇえ…チョコレート食べるねぇ」

「賞味期限ギリギリの徳用チョコレート。消費したシンビオートを回復させるならこれが一番だからね……その分、僕にも栄養が行くから嫌なんだけド」

「ウチ胸焼けして来た…」

「チョコレートの山に囲まれるのは乙女の夢だけど……ううん

これ以上考えるのやめておこう」

 

 乙女の夢(高カロリー)。多額の金と高カロリーをリリースして浪漫をアドバンス召喚するヤツね。

そんな事考えていると脇腹に衝撃が走る。何かと思い視線を向けてみると峰田君と上鳴君が肘で突いて来た事が分かった。

 

「オイオイオイ、来正よォ女受け狙ってんじゃねぇぞコラ」

「隅に置けねぇな、テメェこの野郎」

「いやそんな殺気向けられても困るんだけど」

 

「さすがだな。とてもじゃないが俺はそんな物食えねぇ」

「轟君⁉︎」

『は?喧嘩売ってるのか いいだろう、お前は最後に殺してやる』

「シンビオート⁉︎」

 

 やばい、ただでさえ峰田君と上鳴君で色々と混沌としてるのに轟君と言う着火剤を導入された影響で火薬庫が炎上起こしそうになってるんだけど。

 

「轟ちゃん、口数が少ないから誤解されやすいのよ」

「轟ってあんなキャラしてたっけか?」

 

「そうそう(便乗) 轟君さ。あんまり誤解されるように言い回しすると嫌われちゃうから極力注意したほうがいいよ?」

「俺は嫌われてねぇ」

「あっ、うん」

 

 オブラートに包んでアトバイスしたけど……うん、何と言うか轟君って、こう言うキャラだったんだね。主人公キャラかと思いきや根は天然キャラだったのか……。

 

「でも、そんなにチョコ食っちゃ血糖値ヤバいだろ。よかったらナッツのクッキー食べるか?体育祭の合間に食べようと思って作ったんだが」

「え、砂藤君いいの?それじゃ頂くね」

 

 あー、五臓六腑に染み渡る(気がする)……。チョコで汚染された身体がミネラルで浄化されていく(気がする)……。

見た目キ○肉マンなのにAクラス屈指の女子力持ちって訳分かんないなこれ。

 

『おい、後ろ』

「えっ」

 

 突如シンビオートに後方をして振り返ると、そこには試合を終えた爆豪君が……うわ出た。やばい、ジッとこっち見てるんだけど。凄い見てるんだけど怖いんだけど、え、なに?不安を煽って精神と胃にダメージを与える高度な作戦だったりするの⁉︎

 

『やるって言うなら受けてたつぜ?』

「あのシンビオート、いきなり手を形成して何しt」

『アメリカ方式』

 

 急に両手で中指を立てる(いつものヤツを行う)シンビオート。そのまま片手を僕の首筋に当てる。

 

『フランス方式』

 

 あの首に刺さってる、思い切り手が刺さってるから。

 

『日本方式』

 

 痛い、目にグッサリ入って痛いから。目蓋じゃなくて指が目にダイレクトだから。

 

『イタリアナポリ方式。世界のフィンガーくたばれだ』

 

 いつもと比べて一段と気合の入った挑発。罵倒すら間髪入れずに行う挑発はシンビオートにとって宣戦布告。最初から本気の全力全開で戦うと言う証拠だ。

それに対して、爆豪君はと言うと……。

 

「言ってろ、俺が上だ」

 

 それだけを呟く。それ以上何も言わず、ただ僕等に対する宣戦布告を行ったのだ。

 

「かっちゃん…」

「……」

 

 緑谷君が爆豪君に声をかけた⁉︎ やめるんだ緑谷君、相手は触れれば誰にも構わず爆破するような傍若無人かつ悪鬼羅刹の爆豪君だぞ!確実に殴られるか爆破されるかの二択だぞ!(超失礼)

 

「…試合、頑張って」

「るせぇッ!俺が勝つに決まってんだろ!応援すんなやボケ!」

 

……えっ、応援?

ソウルメイトの僕じゃなくて幼馴染の方を応…援……?

なんか…うん、何故か分からないけど無性に凄まじい敗北感が…。

 

『デクを寝取られたのがそんなに悔しいか?』

「言い方ァ!」

「あ、あんた緑谷の事をそんな目で……」(一歩後退)

 

 いや違う、シンビオートが勝手に言ったからね?誤解だからね耳郎さん。だから僕から距離を置くのはやめて(懇願)

 

「(どんな噂が流れてもお前はお前だ。お前がいい奴である事、お前がクラスの皆にして来たと言う事実は揺らぐことはないから)俺は一向に構わねえ」

轟君!?

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 あの後、多少の(主に胃に対する) 修羅場になりはしたが致命傷で済んで良かった。死ななきゃ儲けモンって言うしね、仕方ないね。

決勝のステージに続く廊下の時点で精神的に瀕死だが大丈夫。これが終われば自宅には撮り溜めしておいたBNAと作り置きのパインサラダが待ってるんだ。

 

『そんな事言ってフラグを立てても知らないからな』

「ハハッ(鼻で笑う) もしもフラグ建設と言う事象が存在したら、それはあくまで確率論でしかないよ」

 

 メルヘンやファンタジーじゃあるまいし、いいかいシンビオート決勝へ続く廊下でトラブルなんか起きやしないよ。敵だって乱入出来ないし、皆とのトラブルは(誤解は多少残ってるけど)既に解決済みだよ。

 

 仮に未解決のトラブルがあったとするなら、フラグを建設したばかりの僕に今降りかかって来るだろうしね(慢心)さて、そこの角を曲がれば決勝ステージへの一本道────

 

「あっ」

「あっ」

 

あ、オッスオッス。赤糸虫さんこんな所で、何しtン゛ン゛ン゛ッ゛(胃への致命的なダメージ)

 

 駄目だったッ!今の僕に何もなかったように平静を装うのは無理だッッ!気不味い上に胃へのダメージが積もりに積もっている現状で通り過ぎるのは無理があるッ!て言うか何しに来たの赤糸虫さん⁉︎

……はっ、まさか息の根を止めに…⁉︎

 

「い、いやそんな事しないよ⁉︎考え過ぎだから!」

「あ、そうなの良かった〜……」

 

 なーんだ、ビックリして損した。流石に気負い過ぎていたのか、赤糸虫さんの言う通り僕の考え過ぎか〜。でも、何しに此処に来たんだろうか?

 

「ボクの…その……見たこと」

ミ゜」(胃に穴が空く)

 

 はい、お疲れ様でした。先生達には爆豪君の不戦勝って事で処理して貰おう。

それじゃあ、死んで貰おうかな。(草加スマイル+頸動脈に刃突き立て)

 

「ちっ、違う!違うからッ!!こ、これ」

 

 えっ……抹茶ラテ?自販機で売ってる抹茶ラテ渡されたんだけどコレで頭打って死ねと?

 

「糖の吸収を抑えるみたいだから」

『気が利くな。貰っておこう』

「…あと口止め料として」

 

 はい、全力を持って口外致しません。もし口外しようものなら全身に柵を刺してナランチャーーッ!します。はい、絶対口外しません(念押し)

 

「あと……決勝戦がんばって」

 

その一言を残して彼女は去って行った。

 

…………。

 

………………。

 

「シンビオート」

『ん』

「とりあえず胃に出来た穴塞いでおいて」

 

 どうしよう今まで男だと思って来た赤糸虫さんに不覚にもドキッと来てしまった。シンビオート、これってどんな症状なんだろう。

 

『動悸だな。さっさとソレ飲んで落ち着いておけこのクソ雑魚童貞』

「あっ、はい」

 

ウチの寄生生物が辛辣でツライ……。

 

 

 

 

 

 

『雄英高体育祭もいよいよラストバトル!1年の頂点がこの一戦で決まる!いわゆる決勝戦!ヒーロー科 来正恭成VSヒーロー科 爆豪勝己!』

 

 遂にこの時が来た クラスの皆もスタンおじさんも……日本中の人々が僕等を見てくれている。無様な姿は見せられない。

例え相手があの爆豪だとしても僕は決して屈する事は───

 

「おい」

「ハイッ(裏声)」

 

 すみません嘘です。爆豪君相手にはどうしても体が反応するんです。切れたナイフ改めピンの抜けた手榴弾である彼を前にすると、どうしてもビビるんですハイ。

 

「二回戦ン時、最後に使ったアレ出せや」

「アレって……」

 

「最後に使ったオールマイトやデクみてーな奴だわボケ!ソレ使わせた上でブッ殺すッ!」

「……使わなかったら?」

ブッ殺すッ!

「ちょっと理不尽過ぎやしません?(正論)」

 

 そもそもあの技は僕自身何をどうやったのか未だに理解不能だから出したくて出せるものじゃないんだけど……いや、今弁明しても多分 無意味に怒らせるだけなんだろうなぁ。

 

『そんなに顔真っ赤にさせてどうした?……あぁ、そうか。それで自分はデク以上だとマウント取りたいのか!HAHAHA、こりゃ傑作だ。自分じゃ勝てないからってオレ達を倒して満足したいって言うのかい?』

「あ゛あ゛?」

 

 んぐぅッッ!(胃へのダメージ三倍)

あぁ、予想していた!二人(正確には片方は一体)を引き合わせたらこうなる事ぐらい覚悟はしていた!

けどこんなにもギスギスするなんて予想外だ……ッ!

 

……それでも。

 

それでも、()()は前に進まなきゃ行けない。

 

「爆豪君」

「あ?」

 

 

「僕等は負けるつもりはない」

「……俺に勝つって言いてーのか」

 

 

そうだ

 

 僕はハッキリと彼に向かってそう告げる。それは僕が生涯初めて行った宣戦布告。『爆豪君に勝つ』その一言は純粋に重かった。

 

僕自身の覚悟の現れ、この先に待ち構える地獄へ足を踏み入れる為の暗号(パスワード)

その一言を聞き、爆豪君は────

 

「やってみろよ」

 

──戦闘体勢に入った。

 

『Ready Start!!』

 

 

「ブッ殺すッッ!」

「全弾射出ッッ!」

 

 

BOOOOOOOOOOOM !!!

 

 

 試合開始と同時に大爆発と黒の弾丸が放たれる。ステージの中心で爆煙が発生するが、その黒煙の中から爆豪君が突き進んで来た。

 

「ンな屑弾で俺倒せると思ってんのかテメェ!!」

「いいや!」

 

 弓の弦を引き絞り三本の矢を放つ。しかし既に見切られていたのかアッサリと掴まれ爆破で消炭と化してしまった。ミンチより酷えや…。

 

「シンビオート、棍で行くよ!」

『任せな』

 

 長柄武器を形成し、突き進んで来る彼に向かって振るうが爆破の反動で躱されてしまう。

空中を飛び回られるのは不利……ならッ!

 

「伸びろッ!」

 

 数倍の長さにも伸びた棒をバットの如く振るう。遠心力を乗せたソレは真っ直ぐ爆豪君に向かっていく……が、易々と回避されてしまった。

 

「当たらねぇんだよ、ンな棒切れが!」

『どうかな?』

 

 瞬間、長柄武器が30cm間隔でバラけると鎖のようなもので連結されていき長身の多節棍に変形した。

 

「何っ⁉︎」

「落ちろッ!」

 

 多節棍を驚愕した爆豪君の足に絡ませると、一気に地面へと叩きつけた。肺から一気に空気を吐きだした所為か隙が生じた!

 

「一気に決めるッ!相手に反撃の隙を与えるな!」

『いいね、気に入ったぜ その案』

 

 全身が黒に包まれると同時に大きく跳躍。そのまま爆豪君に向かって落下して行く。

 

『トマトのように潰れてなァ!』

「言ってろ寄生虫野郎がッ!」

 

 直後、身を翻してシンビオートの踏みつけを回避した爆豪君はシンビオートの胸に両手を密着させた。

まず───ッ!

 

「爆ぜろッ!!」

『殴るッ!!』

 

BOOOOOOOOM!!!

 

 腕に纏わり付いた黒の籠手は爆豪の顔面を捉える。直後、身体の中心に熱と衝撃がズガンと走る。

 

「がッ⁉︎」

「うっ⁉︎」

『〜〜〜〜ッ!』

 

「相打ち……いや、来正のパンチが先だ!」

「でも爆破もモロに入ったぞ!」

 

 お互いの攻撃によって距離が開かれる。振り出しに戻ったか……相手の爆破は轟君の炎までとは言わないけどかなりダメージが入る。

けど爆破の射程距離は轟君よりも短い!なら……!

 

「近づけずに倒す 喰らえ!シンビオート・スプラッシュ!!」

『シャァァアアッ!!』

 

 両手に溜まった弾丸を一斉に放射すると、相手はそれに対して爆破のラッシュで応戦し始めた。

 

「ンな豆鉄砲で倒せると───!?」

 

 突如として爆豪君の動きが止まり 弾丸の雨霰をその身に受ける。

よし成功。紛れ込ませていた瓦礫が目元に命中して隙が生まれた!

今の内に畳み掛ける!

 

「(破片だとォ……!野郎、コンクリートの破片を弾丸の中に紛れ込ませていやがった!)クソがぁあッッ!」

『無闇な爆破でオレを倒せるとでも?』

 

 音を頼りに打ち込んだ爆破は不発。直後力任せによるラリアットにより爆豪君は地面に叩きつけられた。

 

「目潰し⁉︎」

「男らしくねぇ⁉︎」

 

『卑怯だって怒るかい?』

「いいや、だが底が知れたな」

 

 ッ!シンビオート、今すぐ離れて────

 

「遅えわ!」

 

 するとシンビオートの背中にしがみ付き、そのまま力任せに体の中へ腕を突っ込んだ⁉︎

 

「最大威力だ、持って行けッ!!」

 

BOOOOOOOOOOOOOOM!!!

 

 

GAAAAAAAAAAAAAAAッッ!!

「がっ────⁉︎」

 

 

『超至近距離からの大爆発ーーーーッッ!!これは痛い!来正共にシンビオート、大ダメージ!この距離からの攻撃マトモに喰らって立つのも難しいか⁉︎』

『だが、それはコッチも同じみたいだな』

 

 

「ハァ…、ハァ…、クソが…ッ!テメェ。俺を巻き添えにする為に掴んで離さなかったな……ッ!」

「っ──ごほっ、がはっ……そうしないと君に勝てないと思ったからね…!そのボロボロの腕でまだやるつもり?」

「たりめーだ…!テメーこそ寄生虫野郎を使えるんだろーな……!」

 

 爆豪君の言葉の後、シンビオートが僕の顔半分を覆い出現する。

 

『オレを心配してくれるのかい? 泣かせてくれるなぁ、悪寒と嫌悪感でゾクゾクして来る』

「ハッ、テメーは何度も殺したって死にそうにないからな。都合の良いサンドバックが壊れなくて安心したぜコッチはよォ……!」

 

 お互いにニタリと不適な笑みを浮かべる。ちなみに僕はと言うと爆豪君とシンビオートと何回も見比べている。

……なんか似た者同士だなぁ。

 

「あのさ、仲良いでしょ君等」

『「よくねぇッ!!」』

 

 いや、やっぱり仲良いよ君達。

 

 

「うるせぇッ!俺はお前等を超える!求めるのは完膚なきまでの勝利ッッ!!さぁ撃ってみろや!特大の必殺技ってヤツをよォ!!」

 

 爆破による高速移動でこちらに向かって来る。いや、だから使えないんだって!そんな簡単に……。

 

『いいや、できるさ』

「……シンビオート?」

 

『お前なら出来る……オレを信じろ』

「……分かった」

 

 そう返すと僕は利き手にグッと力を込める。イメージだ…イメージしろ。あの時に出た力、姿勢、何でもいいから同じように……ッ!!

 

爆豪君が迫って来る中、頭の中でイメージを繰り返す……。

……ッ これでどうだぁああああッッ!!

 

 

「SMAAAASH !!!」

 

 

 

………………。

 

 

 

「…あの、シンビオート。出ないんだけど」

『スマン、どうやら気の所為だったらしい』

「シンビオート⁉︎」

 

BOOOOOOOOOOOOOM!!!

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

『大爆破が直撃ィーーーーーッッ!!来正withシンビオートマトモに受けてしまうーーーーーッッ!!』

『熱が弱点であるシンビオートに対してこの威力の爆発……流石に耐えられないか?』

 

 爆煙がステージから上がり、観客達の声援が響き渡る会場。その爆破を引き起こした張本人である爆豪勝己は

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!

 

 物凄く怒っていた。富士山に核燃料を投下した挙句、ニトロに対しブラストバーンで着火したが如く爆豪は怒り狂っていた。

 

「あの野郎……ッ! 使()()()()()()ッッ!!」

 

 彼の怒りの原因は対戦相手である来正恭成によるものである。来正に対して爆豪は特大パワーによる自滅覚悟の鉄拳を使わせる事を前提に勝利すると決めていた。

 

しかし相手はそれを使わずに爆破を受けた。

爆豪にとって舐めプレイ(手加減)される事は最大の屈辱だ。これでは因縁の相手である緑谷出久や轟焦凍、そして先程、爆破を受けた来正恭成に"完全勝利"すると言う目標が台無しである。

 

「ざっけんな……ッ!!」

 

「来正君、戦闘h「まだだッッ!!」えっ⁉︎」

 

 戦闘不能。そうミッドナイトが言うのを遮るように叫び、駆け出した。

 

「ふざんけんじゃねぇぞテメェ!これでもう終わりかッ!」

 

『えーと…?試合終わってる?それとも続行?』

『分からん』

 

「こんな一位なんざ認めねぇッ!舐めプのクソカスに勝っても意味がねぇんだよ!テメェを…テメェ等を超えなきゃトップの価値はクソ以下すらねぇんだッ!!」

 

 叫ぶ。喉奥から血が飛び出るかの勢いで彼は爆煙の向こう側へ叫ぶ。

彼が願うのは唯一つ。

 

「立てッッ!!」

 

そして、彼等もまた爆豪と同じ願いを持つ。

 

 

「立て!」「立てよ!」「根性見せろ!」「その程度じゃねぇだろ!」「もっと魅せてくれ!」「立てーっ!」「立て!」「まだイケる!」「ヒールの力見せてみろーーッ!」

 

 

 入り乱れる観客達の声。ヒーローを求めるその声援を鍵として、彼は再起動を果たす。

 

「───なッ!!」

「………!!」

 

 爆煙から猛スピードで突き抜けて来たその人物は爆豪の背後を取る。衝撃と熱により半ば満身創痍に近いボロボロの体を叩き動かす彼は爆豪の首にグルリと腕を回すと、一気に力を込め締め上げた。

 

 

『チョークスリーパーホールドッッ!!復活の来正恭成、攻めに行ったーーーッ!』

(がっ……!やっぱり、くたばっていなかったか……ッ!)

 

 

 ミシミシと締め上げれていく頸動脈。完全に決まった裸締めは絶対に逃げられない。己が撒いた種により形成逆転。優勢から一気に不利な状況へ追い込まれてしまった。

そんな失態犯してしまった爆豪は─────

 

(そう、こなくちゃなぁ……ッ!!)

 

心の底から歓喜していた。

 

「ぐ…がぁーーーーーーーッ!!」

 

BOOOOOOM!!!

 

『と、飛んだーーーーッ!裸締めの状態で二人とも上空へ飛んで行ったーーーーーーッッ!!』

 

 両手からの爆破により絞め技を掛けられた状態でも尚、爆豪は止まる事を知らない。否、この程度では止められないのだ。

 

「おおおおおおおおおッッ!!」

 

爆豪勝己は更に加速する────!

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

……ん、風を感じる…。

前から凄まじい風が吹いて───んん?

 

なんで僕、爆豪君に背負われてるの?なんで上に向かって真っ直ぐ飛んでるの?

 

「っらぁッッ!!」

「お、おおおおおお!?こ、ここは何処ッ⁉︎ さっきまで手元にあったヒーローコミックは⁉︎」

『判断が遅い!』

 

 バチンと頬に衝撃が走る。痛っ!ビンタされたんだけど痛っ⁉︎周りを見ると何故か空に放り投げられていた事に気付く。

えっ、何がどうなってこうなってるの?確かすごいパンチ(仮)が不発に終わって爆破された所までは覚えているんだけど。

 

……あっ、さてはシンビオートの仕業だな。

 

『ご名答。オレ様がキョウセイを動かしてなきゃ負けてたからな』

「そうなんだ、ありが「コッチ見ろやァ!!」うおっ⁉︎」

 

「意識戻ったんならサッサとぶっ潰してやらァ!」

 

『アッチは相も変わらずだな』

「やってやる……!シンビオート、行くぞッ!」

 

 現在進行形でステージに向かって落ちる僕等を追跡する形の爆豪君。それに対し握り拳を弓の弦を引き絞るように構えた。

 

「やっと、その気になったかッ!!いいぜ真っ向からねじ伏せてやるよォォ!」

 

 爆破のスピードに回転を加えた人間砲弾がコチラに接近して来る。

真っ向からやって来るならコチラも迎え撃たなければ無作法と言うもの……!

 

「死ねやぁあああッッ!!」

「必殺、黒曜剛拳……!」

 

 

 

榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)

DESTROY・REVOLVER

 

 

KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!

 

 

 次の瞬間、目の前の景色が流転。そして空気が爆ぜる。凄まじい風圧に飛ばされた僕はステージに強く叩きつけられた。

 

 

「〜〜〜っ、背中が…!」

「まだ温存する気かテメェ……!」

 

 

「サッサと使えつってんだろうが!いい加減にしやがれ!」

「多分、言っても怒るんだろうけど言わせてもらうけど……そんなもの使えれば最初から使っていたわ!!

「あ゛ぁ゛?」

 

 ほらキレた、うん知ってた。本当に理不尽極まりないよこの人。

 

『顔真っ赤にして無い物ねだりしてる姿は無様過ぎて滑稽だな。あははははははは

「なんだァ…てめェ等…!」

 

 えっ、テメェ等?いや、違うからシンビオートが勝(ry と言うか不味い。多分だけど爆豪君極限近くまで怒りのメーターが達している。ええいシンビオートの煽りは化物か!

 

『悔しいならサッサと続きを始めようか!細切れ、ミキサー、ミンチ、言い表せないエグいヤツ。好きなのを選ばせてやるぜ!』

「テメェに選択肢出す権限なんてねえんだよ!爆ぜて死ねェ!」

 

 

 僕と彼との試合が今一度再開されようとする。瀕死に近い僕とシンビオートの体を無理矢理動かし、戦闘態勢を取る。そして────

 

 

「来正君場外! 爆豪君の勝ち!」

 

『「「…は?」」』

 

───突如告げられる判定。僕等はその言葉に唖然とする他無かった。

……え、場外?いきなり場外ってミッドナイト先生何言って────あ、今気付いたけど僕ステージの白線外側に立ってたわ。

 

 

『以上で全ての競技が終了!今年度雄英体育祭一年優勝は A組爆豪勝己!!』

 

「「………」」

FUUUUUUUUCK⁉︎ 場外だとふざけるなァ!クソクソクソクソクソクソクソッ!』

 

 えぇ…何と言うか えぇ……(呆れ) 不完全燃焼どころの話じゃないんだけど。

なんか満足出来てないと言うか こう、決勝なのに何か納得出来ないと言うか……うん、取り敢えず。

 

「優勝おめでとう爆豪君」

 

 今は盛大に祝おう。悔しくないと言ったら嘘になる。と言うか物凄く悔しい。目から血涙溢れて来そうなくらい滅茶苦茶悔しいんだけどクソが。

……おっと、爆豪君の口調が移ってしまった。

 

「とても悔しいけど…うん!ナイスファイt「死ねェ!」緊急回避⁉︎」

 

 危なっ!あぶっ、あ、危な〜〜ッ⁉︎急にドロップキック仕掛けて来たんだけど⁉︎何やってんの爆豪君⁉︎

 

「認めねェ!俺はこんな一位認めねぇ!もう一度だッ!もう一度戦えや!」

 

『おいおいおい暴動か〜〜?お前のクラスやっぱり凄えな!』

『勘弁してくれ……』

 

「落ち着きなさい爆豪君、確かにそれはそれでオイシイけど時と場所を弁えて…」

「俺はこんなの絶対に認めねぇえッ!」

「あー、もう、セメントス!ちょっと力貸して!」

 

「ふざけんなぁあ!俺の側に近寄るなぁああああッッ!!」

 

 

………………。

 

……………………。

 

 あー、もう滅茶苦茶だよ(白目) 爆豪君は珍獣みたく先生達に向けて爆破放とうとしてるし、先生は先生達で生徒相手に個性で対処しようとしてるし……。

 

あー、もうしょうがねぇなぁ(悟空)

 

「分かったよ爆豪君それじゃあ続きをやろうか」

「ハッ、話が分かってんじゃねぇか」

 

 ミッドナイト先生が何か言いたげな顔をしてるけど、そこは考えがあるのでお任せ下さい。

 

「それじゃ爆豪君。仕切り直しの為に そこ立ってね」

「ンなこたァ分かっt───」

 

「当て身」

 

 背後から凄まじい威力の手刀を爆豪の首筋に当てると彼は糸の切れた人形の如くパタリと倒れた。ヨシ!(現場猫) これでOK。

…え、卑怯じゃないのかだって?一言も試合の続きをやるとは言ってないから大丈夫。

 

『ねぇどんな気持ち?ねぇどんな気持ち?オレ達に舐めプされて手にした勝利したのってどんな気持ち?』

 

 ほらシンビオートそこまでだよ。もしも爆豪君が意識取り戻してこの言葉聞いたらどうするつもr

 

「んだと、てm「当て身!!(腹パン)」ぐぼあ⁉︎」

 

 二発目、次は鳩尾へ向けての腹パンである。違うからね⁉︎シンビオートが勝手に言ったから僕関係ないからね⁉︎

で、でも。流石の爆豪君と言えど この威力の拳をマトモに食らって立つ事は……

 

「ぐ、…が……てめいい加減に……!」

当て身ィ!(サブミッション) 」

 

 すかさず背後に回りチョークスリーパー。もう君の勝ちだからさっさと堕ちろクルァ!

 

「堕ちろ!」

「う………が────」

『堕ちたな(確信)』

 

 ハァ…ハァ……、やっと気絶した……!

ヨシ!このまま爆豪君の体支えて腕上げてから せーの。

 

「WINNER 爆豪勝己ッッ!!」

「…あっ、うん そうね」

 

 こうして、グダグタした決勝戦は爆豪君の勝利の形で幕を閉じたのだった。

 





 こんな試合結果になってしまったのは私の責任だ。だが私は謝らない
その屈辱を克服して必ず戦いに戻ってくれると信じているからな(爆豪に向けて)

<ナニイテンダ! フザケルナ!


〜〜キャラクター紹介〜〜

『来正恭生』
惜しくも場外負け判定となった主人公。自分自身納得出来ない部分はあるが騒がしいAクラスへの対処法(現実逃避)によって比較的落ち着いている。
ちなみに爆豪への称賛が嫌味になっていたと知るのは体育祭が終わってから1週間後の事である。

『爆豪勝己』
色々とカットした部分こそあるが原作通りに体育祭優勝を果たした。主人公を全力で倒す目標が叶わず、発狂してしまうが主人公の当身によって事なきを得た。

『赤糸虫知朱』
急にヒロイン面を押し出して来たキャラ。|抹茶ラテ(賄賂)で口止めと意外にも腹黒い部分があるのかもしれない。



〜〜用語紹介〜〜

『世界のフィンガーくたばれ』
ジョジョの奇妙な冒険第6部より。空条徐倫が行った世界各国の「くたばれ」ポーズ。
ストーンオーシャンのアニメ化期待してます。

『BNA』
トリガー製作のケモナー特攻アニメーション。
来正には効果が抜群だ。
これがR-18作品ならば来正は気持ち悪い程に語っていたであろう…。

『パインサラダ』
超時空要塞マクロスの代表的な死亡フラグ。
食べた事ないけどパインサラダって美味しいんですかね?



【前回の投稿に載せる事を断念した次回予告(没ネタ)】

リスナーの皆!いよいよお別れだ!
来正恭成の前に天才的な戦闘センスを持つ爆豪勝己が立ちはだかる!しかも試合前に一悶着あった赤糸虫が現れたじゃねぇか!

果たして来正の運命や如何に!
次回「爆豪勝己大勝利!唸れ、サブミッション!滅殺チョークスリーパーホールド」にReady Go!!

CVプレゼント・マイク(本名:山田ひざし)


ネタバレしまくってるので没になりました。
全ては私の責任だ(所長)


次回は体育祭編のエピローグになる予定です。

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