違う!シンビオートが勝手に!   作:ゴランド

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いよいよ今年最後の日が来ました。明日は令和3年目、悔いの残らない2020年にしましょう。
と、言うわけで……読者の皆ァーーーッ! 作者の今年最後の小説投稿だぜ!
受け取ってくれぇぇーーーーーーーッ!



37話 起死回生だよ全員集合!

 

 ボクの中で駆け抜ける焦燥感と脳梁にこびり付く記憶。それ等が身体を突き動かす原動力となったのか不思議と頭が冴える。

 

「真正面からとは…愚直ッ!」

 

 相手が繰り出して来る片刃の剣による突きが眼前に迫る……けど、この程度の速さなら見える。

そのまま顔を横にズラす事で刃が頬に掠りつつ、拳を撃ち込み攻撃を行う。

 

「がッ…⁉︎(顔面への突きを紙一重で躱すと同時にカウンター…!? 人は誰しも顔を捉えられれば咄嗟に防ごうとすると言うのに…ッ)」

 

 驚愕する敵。だけどこれだけでは終わらない。シューターから蜘蛛糸を射出しこちら側へ引き寄せて再び攻撃を行う。

相手側に攻撃のチャンスを与えるな!こちらのペースに引き込め!

 

「ぐ、人が変わったかが如き。中々の逸材だと見た……ならば。この速さを躱せるかッ!」

「っ!?」

 

 嫌な予感と悪寒が全身に襲い掛かる。正拳突きに限り無く近い構えを行う敵を前にボクは咄嗟にソレを前に出した。

 

CLANG!!!

 

「がッ───!?」

 

…にも関わらずボクは後方へ大きく吹き飛ばされてしまう。

何が起こった?何も見えなかった…いや、正確には見えていたけど何も出来なかった…!?

 

「ほう、マンホール蓋を引き寄せ盾として防いだか…しかし。我が"刺突穿刃"にそのような薄弱な円盤如きで対抗したのが貴殿の落ち度」

 

《…チズ、先程の攻撃ですが破壊力の程は───》

「教えなくても大丈夫だよMJ…マンホールの蓋に穴が空いてる」

 

 盾として使った円状のソレは中央に無理矢理こじ開けられたような穿孔が作られていた。もしも、先程の攻撃をマトモに受けて居ればと考えると全身からブワリと嫌な汗が噴き出て来る。

 

「しかし、中々の逸材…捨て置くには勿体無いな」

「何を言っt「我等の仲間とならないか?」…!?」

 

 相手の言葉に頭の中が真っ白になる。何のつもりだ?何でそんな事をボクに…!?

 

「解せない様子だな、まぁ無理もない。我々は先程まで果たし合いをしていたのだからな───だからこそ私は果たし合いの中で貴殿の輝ける才能を見たッ!」

 

手を差し伸べるように敵は言葉を続ける。

 

「我々と共に来い!そうすれば、いずれ訪れし力を自由に振える世界をその目で見る事が出来る!」

「……その為に子供達や来正君を狙ったのか!? 間違っている!自分達の目的の為に命を脅かすなんて間違っている!」

 

「理解は示してくれないようだ…が、本当にそう思うのか? 本当にそれが正しい事なのか?」

「何をッ!」

 

 先程と変わり攻めへと転じるボク。しかし拳や蹴り、凡ゆる攻撃が強固な鋏によって防がれてしまう。

 

「焦れているな。ならば問おう、あの子達をお前達(ヒーロー)は救えるのか?」

「………」

 

 救えるのか?の意味。恐らく施設の子供達の境遇の事を言っているのに違いない。已嶺さんから聴いた超常社会より零れ落ち集った子供等。

相手の的確な言葉にボクは答える事が出来なかった。

 

…敵の言っている事は一理あるかもしれない。この人なら子供達を幸せに出来るかもしれない……けど。

 

「───それでもボクは貴方のやり方に納得出来ない」

「…そうか」

 

 溜息。ふぅと酸素が外に吐かれ数秒が経った瞬間、相手の目が見開かれる。

 

「貴殿の覚悟を見届けたッ!そして認めようV・スパイダー、貴殿は強い!なればこそ、こちらも本気で挑まねば無作法と言うものッ!」

 

 ジャギン!と敵が己の肘から形成された刃を手にするとそれぞれの手に収められた獲物を文字通り(ハサミ)の如く交差させ構える。

 

「我が真骨頂は双刃一鋏…即ち二刀流ッ!先程の"刺突穿刃"の二本分ッ!そして命中すれば即座に貴殿の肢体は両断される事だろうッ!」

 

 

「故に再び聞く…… 我等、()()()の仲間になれ」

「…断る」

「フ、よくぞ言ったッッ!」

 

 (ヴィラン)は何故か口端を吊り上げると刃を振り上げ、低姿勢の構えを取る。

 

「行くぞッ!我が奥義、止められるモノなら止めてみろッ!」

 

 恐らく次で最後の攻撃となるだろう。必殺の一撃がボクの身体目掛けて放たれる。

 

 

「奥義──"双牙式・刺突穿刃"」

 

 

 刹那、空間を飛び越すかのような動き。見る人には瞬間移動にも捉えられるかもしれない一閃。ボクを確実に仕留める為にソレはマンホールの蓋を穿ち貫いた時以上の疾さを出していた。

 

STING(ざくっ)!!

 

「〜〜〜〜っ!」

「獲ったァッ!」

 

 肩と脇腹に刃が突き刺さった。焼けるような痛みが身体中を掻き乱すように走る。肉を抉れ刃は骨にも達していると激痛と気持ちの悪い感触で理解出来る。

 

「名残惜しいが 終わりだV・スパイダーッ!己が半身に別れの為の辞世の句を告げるが良いッ!」

 

 ボクの肉体を捉える剪定鋏に両側から力が込められる。トドメを刺す為に鎖骨、胸骨、肋骨、脊椎それ等が全て断ち切られる程の膂力で鋏が引き絞られ身体が両断される───

 

「……む!?」

 

───事にはならなかった。

設置した罠が狙い通りに発動した事にボクはほくそ笑んだ。

 

「なんだ…身体が動かん!何が起きている、何が……ッ!? これは糸か!? 高視力の者でも視認が難しい程の極細の糸が身体中に絡まっているだとッ!?」

縛糸・幻霊黎明(げんれいあけぼの)…ッ」

 

 先程までの戦い。単に攻撃するだけでは無駄だと悟ったボクは相手の身体の至る箇所に極細の糸を絡ませておいた。

後は相手が大きく動くだけで糸は勝手に強く縛られ動けなくなる。

 

まさか、こんな賭けに出るとはボク自身思いもしなかった。これも来正君の影響なのかな?

……いいや、違う。

 

「大いなる力には大いなる責任が伴う…」

「…?」

 

 スパイダーマンと言うヒーローが度々口にする言葉。その受け入りを口にする。個性と共に産まれ生きる。けど手にした力を、こんな形で使っていい筈が無い。

 

「それでもボクは間違っているかもしれない…こうやって言い訳をしないと前へ進めないボクは臆病者だ」

「何を…?」

「それでも…ッ、目の前の命を蔑ろにするような卑怯者にだけはなりたく無いッ!」

《エレクトリックモード起動》

 

BZZZZZZZ!!!

 

 MJの機械音声が響くと同時にボクの両手に生体電流が増幅、光が弾け迸る。

 

 

 

 

『何で君はヒーローになろうと思ったの?』

 

 脳裏に来正君に向けて言い放った場面が駆け巡る。

 

『小さい頃。僕の目の前から一度に多くの命が失われた。父も母も、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 あの時の来正君の酷く哀しげな瞳の奥。そこに輝き揺らめく炎を感じた。命の価値を知っている人の目にボクは少しだけ惹かれた。

 

『僕は護りたい。人を、命を、皆を、フィクション(コミックやアニメ)のヒーロー達のように全てを……赤糸虫さんはどうなのかな』

 

 

 

 

 

 

 ボクは……ボクは側に居る親愛な人達が死んでいくのが怖い。その命と言う灯火がふとした拍子に消されるのが怖い。

ボクがヒーローになりたいと思ったのは、そんな隣人達を護りたいと思ったから……だからッ!

 

「皆に…手を出すなぁぁああああああああッ!」

 

 

CLASH!!!!

 

 

「我が刃を叩き折っただとッ!何という膂力ッ!?」

 

 身体に突き刺さり、固定された刃を破壊する事で防御する術を失わせ、一気に畳み掛けるッ!

これを使った後の疲労は激しい…けど、次で決めるッ!

 

「おおおおおおおおおおおッ!」

「舐めるなぁッ!」

 

 苦し紛れに放ってくる拳、それに対しボクも真っ向から拳を撃つ。そんな拳と拳とが接触した瞬間、生体電流が激しく火花を散った。

 

「ッ!?」

「まだまだぁ!」

 

 続け様に空いた片方の手を握り締めブローを放つと手に宿る電気が更に増幅する。これこそ個性の関係上拘束を得意とするボクが編み出した唯一の攻撃技。

攻撃を行う度に生体電流が増加。それと比例されるように段階的に攻撃自体も強化されていく。

 

一撃、ニ撃、三撃、四撃…まだ殴り続ける!

五撃目(ストレート)六撃目(ブロー)七撃目(アッパー)…ッ!

 

 両腕の電気がはち切れんばかり迸る頃に差し掛かった、その瞬間スーツから音声メッセージが流れる。

 

《──限界許容点到達──》

 

「殴り…抜けるッ!」

 

 八撃目こそ電流を帯びた攻撃の連打を受けた相手へのトドメの一撃。両腕…否、増幅され身体の隅々にまで行き渡った生体電流を"全て"相手へと撃ち込むッ!

これが、ボクの……!

 

雷閃(らいせん)八握拳(ヤツカノケン)

 

KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!

 

「ッ!?!!?」

 

 巨大な剣と見間違う程の莫大な電撃が撃ち出され相手を貫き、後方へ大きく吹き飛ばした。

 

「────っはぁッ…はぁ…はぁ……ッ」

 

 両腕が激しく痛む。許容量以上の電撃量へと増幅させ一気に放出させた為の反動が来たのだろう。

うう、本当に痛い……。

 

そう思っている最中、コスチュームから電子音が鳴る。

 

《チズ前方に注意を。相手が起き上がって来ます》

「そんな!? 流石にこれ以上はもう…!」

 

「……否、既に是非は決した」

 

 そう呟きながら満身創痍の状態で立ち上がる(ヴィラン)。しかし、先程までとは打って変わって敵意やそう言った類を一切感じ無い…寧ろ、その逆の敬意のようなモノが伝わって来る。

 

「我が刃は全てを断つ力、そう自負していたのだが……逆に我が意思を断たれる事になろうとはな」

「………」

 

 ボロボロの状態でも尚、その口を止める気配は無い。

そんな敵だったが、とある一言によってボクの心臓はビクリと飛び跳ねる感覚がした。

 

「貴殿、覚悟をする傍らで自らの迷いを押し込めたな」

「っ───!?」

 

 見透かされている!?

相手の言う通りボクは敵の言い分に一理あると思ってしまった。"相手は正しい事を こちらは間違った事をしているのではないか?"そんな思いを引き摺る形でボクは戦っていたのだ。

そんな事実を告げられてしまったボクは相手に対し警戒を強める。

 

「もう是非は決したと告げた筈だ……が、無理もないだろう。敵の言葉を鵜呑みにする事は無いだろうが言っておく……間違ってない。貴殿は己が"正義"を用いて我が"正義"を貫いた。その結果、子供を守るに至ったのだ」

「何を言って……!」

 

「実の所、己の中に確かな迷いは有った…子供等を導く事が本当に我等が本当に望む世界に繋がるのか?と」

 

相手は憂い気な様子で言葉を続ける。

 

「個性に於いて秀でる者が上に立てる世界…しかし、それはあくまで我々が望む世界。施設の子等は本当にその世界を望むのか?…そのような疑問から目を背け刃を振るっていた」

「………」

 

 ボクは何も言わなかった…いや、何も言えなかった。批判も賛称も全てを出し切ったこの人にとってはどうでも良いのだろう。

大いなる力には大いなる責任が伴う。己が力をこのような形で終わる事も想像出来ていた筈だ。

 

「───我が好敵手よ。よくぞ己が意志()を貫き通した」

 

 この人の言う事は難しくて理解が追いつかない。

…けどこれだけは解る。もしも、この人が敵と言う道に堕ちなければ───

 

「……最後に一言良いですか?」

「ああ、聞こう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴殿貴殿と言ってますけど、ボク女ですよ」

「えっ、マジ?……グフッ(気絶)」

《気絶しました》

「締まらないなぁ…」

 

 痛む腕にドッと押し寄せる疲労感。それによってボクはその場で大の字で倒れ込む。

……あーー、疲れたーーーッ!そして、傷が痛む!肩と脇腹が痛い!と言うか、刺さっているんだからそりゃ痛いよ!

 

《チズ》

「MJ、ほっといて。ボク疲れたから……」

《チズ》

「おっと、今のボクは満身創痍。何を言われても動かないからね!なんならテコを使ってでもボクはこの場から動かないからねーーー!」

《いえ…そうでは無く》

 

 

 

 

 

「ほう?(ドスの効いた声)」

《先程からシルバー・マルテースが居る事を知らせているのですが…》

「んんんん゛んんんッ!?」

 

 なんで!?なんでシルバー・マルテースが此処に!?え、いや戦っていたヴィランは!?

 

「生捕りにしている」

 

 催促するように顎で指した方向。そこにはグルグルに縛られた状態でサイドキック達に運ばれていた。

えっ、大丈夫なんですかあれ?なんか顔面が両手両足のハサミがバキバキに折れてるんですけど。顔面に至っては陥没してる(ように見える)し…。

 

「安心しろ。ヤツに関しては背後関係について色々と吐いてもらう必要があるからな、ちゃんと生かしている」

 

 あ、良かった。危うくこの人が警察のお世話になるかと……。

 

「で?テコを使ってでも動かないと?」(テーザー銃構え)

「動きます(即答)」

 

 あはは身体中痛むと思ったけど気の所為だったね!うん、普通に動けるよこれハハハハ!(ヤケクソ)

 

「…しかし、よく頑張ったな赤糸虫」

「シルバー…」

「だが、まだ我々のやるべき事は残っている。来正は私とサイドキック達で救援に向かう。お前は……」

 

「あ、あの。ちょっと良いですか?」

 

 ボク達か話している所に、1人の女性の声が聞こえる。

この声は……已嶺さん!? 子供達と一緒に逃した筈なのにどうしてこんな所に?

 

「赤糸虫ちゃん!? どうしたの、その怪我!」

「ボクの事は大丈夫です。どうして貴女が此処に?早く安全な所に行かないと……」

「そうしたいのは山々なんだけど姫了子ちゃんが……」

 

 姫了子? 姫了子ちゃんって確か来正君と会話していた語彙がアレな娘の事だよね。どうしてその子の名前が……?

 

「逃して貰った後、姫了子ちゃんだけ姿が見えなくて!」

「あの子が!? まさか何処かではぐれ───

 

 

 その刹那、遠方にある建造物が鈍い音を響かせながら倒壊した。

それと同時に気付く。倒壊した建物の近くに指定避難地域があった事に。

 

 

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 

「ぐ、ああ…ッ!」

「こんなもんかよ?思ったより脆弱だなぁ。ええ、おい」

 

『fuck…ッ!』

「こ、の…ッ!(くそ、(あばら)がやられた…!)」

 

 来正恭成とシンビオートは現状劣勢に追い込まれていた。

炎と巨大。ジワジワと追い込まれ今も尚ブラキオサウルスの全体重を乗せた前脚に踏み潰されまいとシンビオートの馬鹿力で支えているのが関の山。

傷への治療に専念したいが、気を抜けば一気に潰されてしまうだろう。

 

『…っ、は! 随分とラクなベンチプレスだなッ!』

「悪態付く余裕が…、随分とあるもんだねシンビオート……ッ」

 

「そうか、それならもう少し重くしてやろう」

 

 直後更なる重圧が彼等に襲い掛かる。支えとなっているシンビオートでさえも顔を歪める。本来ならば無理矢理でも押し退ける事が出来るが、継ぎ接ぎの男が扱う高温の青炎により弱体化している今では成す術が無い。

彼等に出来る事と言えば長い時間を掛けて押し潰されるの待つか、その間に来るかどうかも定かではない助けを待つの2つだ。

 

「う、おおおおおおおおおお!」

『クソ、クソクソクソクソクソッ!』

 

「ははははッもっとやる気出してくれよ、悲しくなるじゃねぇか。アイツに勝ったお前ならもっと上手くやれるだろうホラ!」

 

 必死な声を響かせる一人と一体。絶命と言う名の最期が迫り来る中、予想だにしない声が横から割り込むように飛んで来た。

 

「もう、やめてよッ!」

 

「…ん?」

「なんだお前…」

 

「君……明須賀ちゃん!?」

『メスガキィ…!何しに来たッ!』

 

 この場に不穏当な存在。血が流れる此処では不釣り合いな年齢凡そ10歳に届くかどうかも怪しい少女が立っていた。

彼女の名は明須賀 姫了子。

 

『何しに来た死にたいのかッ!』

「早く…早く逃げるんだ…ッ!」」

 

「迷子のおチビちゃん。ここに何しに来た?此処は遊び場じゃないぞ?」

 

 そんな彼女の前に立つのは古代を生きた巨竜。巨体とその眇々たる少女の体格を比べる事で体格の大きさは勿論の事、個性による規模の凄まじさも伝わって来る。

 

「おいリーダー、相手は子供だ。そう虐めてやるなよ…オイ」

 

 継ぎ接ぎの男はその場から一歩踏み出すと片手を前に突き出す。

 

「一度は見逃してやる。それでも逃げねぇって言うなら…殺すぞ

 

 ボボボと漏れ出す焔に焼ける肉の臭い。そして確かな殺意が乗った言葉。この男の前に立つ者、それが女子供であろうと己が炎で消炭にする事に躊躇いはしない。

 

……しかし少女は屈しない。

怯えの感情をぐっと押し込め、口端をワザとらしく吊り上げる。

 

「あれれ〜? もしかして怒ってる?…プッ 子供相手に顔を真っ赤にして情けな〜〜〜い あはははははははは!」

(神経が図太すぎる!?)

 

 驚愕する来正。本来ならば子供が取る選択肢として逃げる。もしくは勇気を振り絞り立ち向かうのが定石だろう(偏見) だが彼女は一味違った。

意外ッ、それは挑発ッ!

 

そんな敵を前に惜しげもなく靦然(てんぜん)たる態度を見せる少女に一種の尊敬の念すら覚えてしまう来正だったが、とある事に気付く。

 

「…は?

「…あ?

 

(キ、キレた…ッ!?)

 

 怒髪天を付く勢いで青筋を立てるヴィラン2人。

この程度の挑発で激怒するのは奇妙じゃないか?……そう思う来正はとある憶測を頭の中で組み立て結論に行き着く。

 

(まさか意識の誘引と逆上を強制的に行わせる個性ッ!?)

 

 一種の洗脳、または言霊に近いソレ(個性)は相手の脳に作用し標的を固定させるものだ。しかしソレを使っているのは弱齢にも程がある子供だ。

 

「───殺してやる」

 

ズズ…

 

 明確な死への誘い。巨躯を持つ腕竜が少女に意識を注いだ瞬間、来正とシンビオートに掛かっていた負荷が和らいだ。

 

「(重圧が…!?) シンビオート、合図したら槍を形成しろ…ッ!」

『馬鹿かッ!下手すれば人肉ピューレが穴と言う穴から噴き出るぞ!』

「どのみちこのままじゃミンチだ!それに…!」

 

 度を越した恐怖を前にしているにも関わらず彼女が此処に来た理由。

きっと恐らく自分を助けにくれた。たった1人敵達が暴動を引き起こしている最中でだ。

そんな小さな勇気を振り絞った子を前に……ッ!

 

「格好悪い所を見せられないだろう…がぁぁあああああッ!」

 

 直後、黒い流動体が収束。次第にソレは船舶に備え付けられた(いかり)のように象られた槍が来正の手に収められる。

 

「ゼットランス…アロォォォオオオオオオオッ!」

 

 ざくり、と音を立て形成した弓と槍を合わせたような武器がブラキオサウルスの脚部に突き刺す。脚に痛みが走った所為か腕竜の眉間部分に皺が寄る。

 

「ッ! 悪足掻きを…潰れてろッッ!」

 

Squash(ぐじゃり)

 

「────っっ!!」

 

 竜の逆鱗に触れ肋骨の砕ける音が響く。このまま怒りを買った者の末路は無慈悲にも踏み潰され道路の赤いシミとなる事だろう。

しかしそんな理不尽を逆境を彼等は乗り越える。ヒーローであるが故に力を振り絞る。

 

「シンビオートッ!引き絞れぇぇぇえええええッ!」

『肋折られたからなッ!今度はそっちが骨を折る番だ』

 

 直後、コルクスクリューの如くギャリギャリと音を鳴らしながら螺旋状に回転し始める錨形状の槍。一見するおドリルの勢いで動くソレは脚の肉を削る為に廻っているように思えるだろう。

 

「馬鹿がッ!小僧が潰れる方が先───ッ!?」

 

 突如、ブラキオサウルスの動きが制止する。そんな異変に気付いた継ぎ接ぎの男は「どうした」と声を掛けようとした次の瞬間。

 

「ぐ、おおおおおおおおおお!?」

「なッ!」

 

 巨竜が崩れた。その巨体を持つ竜がガクリと地へと倒れたのである。

その傍で脇腹を抑えながら蹌踉し、立ち上がる来正。

 

「げぇっ…がっ、ぁ…っ、はぁ゛…ぁ゛……はぁ…はぁ……」

『骨は繋げてやったぞ。ちゃんと病院で診てもらえよな』

「わが……ッて る…ッ!」

 

 数トンもある質量をその身に受けた彼はシンビオートの回復能力によって折れた骨を繋ぎ合わせ応急処置を行う。

 

 予想外な事態に冷や汗を搔く事となった青炎使い。もう少しで図体のデカい首長竜の下敷きになる所だった。

だが何故急に崩れた?あの小僧(来正恭成)が何かしたのか……?

 

「…そうか、骨に直接干渉して締め砕き(へし折り)やがったか…!」

 

 男の視線の先にあるブラキオサウルスの脚部。黒い槍で突き刺された箇所は不自然に腫れ上がっていた。

彼の想像通り来正は槍状に変形させたシンビオートを突き刺した後下腿の骨格(脛骨と腓骨)に植物の根の如く絡ませる。そのまま縛り上げ強く締め、骨を砕く事により体勢を崩す事に成功したのだ。

 

……だが、彼等はそれだけには留まらない。

 

「う…おおおおおおおおおッ!」

「次は何を……ッ!?」

 

 地に伏したブラキオサウルス。その巨体をシンビオートを纏った来正が持ち上げ始めたのだ。痛む肋を紛らわすように声を荒げながら、継ぎ接ぎの男に視線を向ける。

 

「おおおおおオおおおおおおおおッらァァ!!」

「ぶん投げやがっ───!?」

 

 直後、ズゥン!と言う轟音と軽い地鳴りが起こる。

数トンに及ぶ恐竜を投げ飛ばしたシンビオートと来正はそれを見届けると、疲れからなのかその場で膝を付く。

 

『オイ、大丈夫か?』

「はぁ…はぁ……無理して格好付けるもんじゃないねこれ」

 

 身体中が痛む。流石にコスチューム無しで強力な個性を持った敵達と戦うのは骨が折れる…いや、物理的に骨は折れたが。

 

「お、お兄さん大丈…「何で来たんだッ!」っ!」

「何で来たんだ…っ、こんな危ない所で…君1人で……ッ!」

 

 気怠い身体を無理矢理動かし明須賀に寄り添う来正恭成。もし一歩でも間違えていたら死んでいた。

少女の個性によって窮地を脱したので、こんな事を言える立場じゃない事は理解しているつもりだ。しかし自身はヒーロー(助ける側)で君は市民(助けられる側)だ。

 

「君が死んだら皆が悲しむ。その事を分かって…」

「…そんな事ない」

「え?」

 

 彼は気付く。ポロポロと少女の頬に水滴が伝って落ちていくのを。彼女の双眼から涙が溢れていくのを。

 

「お兄さん。知っているんだよ…私、要らない子だったんでしょ?鬱陶しくて…皆を怒らせてばかりだから施設に居たんでしょ?」

「…っ」

「お兄さんは強いし、皆を助けてくれようとした……でも私は、死んじゃっても大丈夫だったから……だから」

 

 来正恭成の心にチクリと痛むものがあった。およそ10才前後の少女が己の境遇を理解してしまっている。己の個性による呪縛が彼女の心を歪め生への執着を絶ってしまっている。

 

こんな残酷な話があって良いのだろうか?来正は彼女を救ったが、彼女の心そのものを救えてない事を悔やむ。

 

パァン!

 

「えっ」

 

 そんな最中乾いた音に声が漏れる。

彼の視線の先にはシンビオートが少女の頬を叩いている光景が広がっていたのだ。

 

「あの…シンビオート?」

『ふざけるなよ。死んで良いだと?言った筈だオレはお前をわからせてやるってな…青臭いメスガキがッ!悟ったような口ぶりをするんじゃあないッ!』

「シンビオート……」

『そしてッ!死ぬならオレにわからされてから死ねッ!!』

「シンビオートォ!」

 

 途中までは確かに良い事を口にしていたシンビオート。しかし流石の黒塗り畜生寄生生物。爆豪的な発言で全てを消し炭にする勢いで台無しにした。

 

「え、えと……」

「あーうん。違うんだ、違うんだって。決して悪気があって言ったわけじゃ────ッ!」

 

 突如としてその場から少女を抱え飛び退く寄生。その瞬間、先程まで居た場所に青き炎が走った。

転がりながら火が出現した場所に視線を送ると、そこにはコチラに手を突き出した継ぎ接ぎ男が立っていた。

 

『チッ、やっぱり潰れてなかったか』

「こりゃ不味い。とにかく今は逃げる事を優先して……」

 

「ま、待って!お兄さんコレ!」

 

 逃走を視野に入れその場からどうにか離脱を図る為の策を練ろうとした時、姫了子は抱えた"ある物"を来正に手渡した。

 

「えっ……これは!? まさか明須賀ちゃん。()()()()()()()()僕達の元に…ッ!?」

『……ほう』

 

 思わぬ所で逆転の一手となるピースが手元に収まる。

その瞬間、来正恭成の頭の中に勝利へ繋がる図式が組み上がって行った。

 

『どうやら切り札はオレ達の所に来るようだな』

「そうみたいだ……明須賀ちゃん。初めに言っておくけど僕等は君を死なせはしない」

 

 少女の頭に手を置き、痛む己の身体を鼓舞させながら彼は敵を見据える。

 

「見捨てないし軽蔑もしない。絶対に皆の所に送り届ける…ヒーローとして、VENOMとして…ッ!」

「…お兄さん────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────もしかして格好付けてるの? 恥ずかしいと思わないの〜〜〜ッ♡」

『無理に格好付けようと臭く見えるぞ?』

 

此処にはマトモな奴が居ないのかッ!(迫真)」

 

 いつもの調子に戻った寄生生物とメスガキ。こんなマーマイトめいたキャラの濃さが蔓延しているんだから、せめてヒーローらしい事ぐらいはさせて欲しい。いや本当マジで。

 

「おい、仲良しこよしのお遊戯は終わったか?萎えるんだよそう言うの見てると」

「仲良しこよしの要素どこ…ここ…?」

 

 お前は目が見えぬのか?と言いたげな表情を浮かべる来正だったが、すぐさま気を取り直し両手に神経を集中させる。

 

「ええい、とにかく喰らえ!半径25mッ!シンビオート・スプラッシュゥゥウウウウ!」

 

 両手から散弾のように放たれた黒い弾丸の群。

一斉に放たれた黒い雨霰に対して男は腕を軽く振り払うと同時に炎の壁を展開。器用に自分に命中する弾丸のみを燃やしたのである。

 

「はっ、残念。攻撃は見事に外したな」

『あぁん?は・ず・し・た?外しただとォ〜〜〜ッ? 今お前外したって言ったのか?』

「そう言ってんだよ。耳でも腐ってんのか?その証拠に弾丸は俺に一切当たってな───」

 

DRIP(ぽた)DRIP(ぽた)……

 

 後方より何かが滴る音が男の耳に入る。それの正体に気付いた瞬間、先程の攻撃の真意とシンビオートの言っている事をようやく理解した。

 

「そうだ。最初からアンタは狙っていない。僕達の狙いは……ッ!」

 

SPLAAAAAAAAAASH!!!!

 

「消火栓だとォーーーッ!?」

 

 男の後方に存在する消火栓にシンビオートの一部から作り出した弾丸が命中、破損する事によって勢い良く水が飛び出した。そこを中心とした一帯に恵みの雨となり降り注ぎ始めたのである。

 

「そしてッ!この場は貴方の炎によって十分に熱せられたッ!」

『唐突だがそこで問題だ。そんな熱い所で大量の水をブッかけたら何が起きると思う?』

 

 そんなシンビオートの問いを解答するかのように大量の水蒸気が出現する。真っ白な空間に包まれ視界が制限された濃霧の如き舞台へと変貌を遂げた。

 

「──っ、これを狙っていやがったか」

 

 一面が真っ白なキャンバスに塗りつぶされたように何も見えない。だが男の扱う個性は炎。加えて相手は熱に対し極端に弱い。

 

カツン……

 

「そこだ」

 

 音が響く方向へ炎を撃ちだす。例え視界を制限した所でそれ以外の感覚を頼り攻撃すれば問題無い。

青い炎は背後から寄って来た人影を捉え、燐火の中に閉じ込めた。

 

「は、なんだよ意外と呆気ないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なんだよ意外と熱くないな』

「は?」

 

 直後、己の頬に衝撃が走る。炎をその身に受け燃された筈のヒーロー志望はその握り拳で作り継ぎ接ぎの男の顔面を捉えたのだ。

 

「が───!?」

『テメーはオレ達を怒らせた。それがお前の敗因だ』

「っ、舐めるなぁ!」

 

 顔面の痛みに耐えながら男は再び炎を放出しようと前方に手のひらを向ける。が、焔を放つ直前に手首を掴まれ照準を前方から真上へと無理矢理変えられる事となる。

 

「そしてもう1人、お前が怒らせた奴が居る」

 

 その炎の勢いによるモノなのか、水蒸気がブワリと蹴散らされる。

男の前に先程までの有機的なフォルムから一変。無機質なスーツの上から装甲を身体中に装着させた"コスチューム姿"のVENOMがその言葉と共に姿を露わにする。

 

「明須賀姫了子と言う少女だ」

 

 至近距離より黒の剛拳が放たれる。それをマトモに喰らい大きく仰け反りながら炎を扱う男は吹き飛ばされた。

明須賀姫了子の届け物である来正恭成のコスチュームの入ったケース。避難の最中に見つけたであろうそれをここまで持ってきた彼女に感謝しつつ、VENOMは敵を見下ろす形で呟き始める。

 

「立て」

『その瞬間に拳を叩き込む。テメーのハロウィン仕様特殊メイクを更に酷くしてやるよ』

 

「…ハァ、やめだやめだ。降参するよ」

「えっ」

『はぁ?』

 

 突然の白旗。降伏の意を示すかのように両手をその場で上げる男の姿を見て来正とシンビオートは唖然とする……しかし

 

「駄目お兄さん!それは───ッ!」

「その餓鬼の言う通りだ」

 

 瞬間、至近距離からの業火がシンビオート達に襲いかかる。少女の言葉も虚しく彼等は青い炎に包まれてしまう事となる。

 

「馬鹿だなァ、ヒーローが敵の言葉を間に受けちゃ駄目だr「無駄ァ!!」───は?」

 

 その掛け声と共に視界がぐらりと揺れる。恐らく顎を蹴られたのだろう脳を揺らされた影響により足取りが覚束ない中、眼前に注意を向ける。そこには煤によって汚れているものの無傷で立っているVENOMが健在していた。

 

「貴方を詐欺罪と放火罪及び脅迫罪で訴えます。理由は勿論お分かりですね」

 

 一歩前に踏み出し、己の手に一尺四寸(42cm)程の剣を形成。言葉を口に出しながら彼は構える。

 

「貴方がこんな暴動を起こした上、まだ幼いこの娘を『手に掛けようとしたから』です! 覚悟の準備をしておいてくださいッ!」

『デスシウムクロォォォオッ!』

 

 荒れ狂う剣山が地より伸び襲う。

 

「近い内に訴えます、裁判も起こします。裁判所に問答無用で来て貰います!慰謝料の準備もしておいて下さいッ!」

『デスシウムファァァァングッ!!』

 

 獰猛な狗骨が黒顎を開け身体に喰らいつく。

 

「貴方は犯罪者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいてください!いいですねッ!」

『デスシウムスラァァァッシュッ!!!』

 

 大きく鋭く伸びた刀身が男の身体を捉えると左薙ぎ、袈裟斬り、最後に横一閃と相手の身体に黒き斬撃を刻み込んだ。

 

「ぐ、お…ッ!」

 

 怒涛の連撃に堪らず継ぎ接ぎの男は血を垂らしながらその場に膝を付く事となる。

 

『安心しろ子供でも安心して読めるように全年齢向けに峰打ちで済ましておいた』

「峰打ちと言うか、うん。傷付けた瞬間にシンビオートが傷を無理矢理塞いだのが正しいけど…まぁいいか」

 

 変な事を口走るシンビオートを他所に来正は剣の切先を敵に向け、言葉を投げ掛ける。

 

「悪いけど、このコスチュームは特別性で炎対策はバッチリだ。いや、まぁ炎に包まれた時は焦ってワザップジョルノになったけど…とにかく、大人しくしてもらう」

「…オイオイ、玩具(スーツ)纏ったくらいで勝ったつもりか?」

『もう勝負付いてるから。それともなんだ…トドメを刺して欲しいなら今すぐにでもそれに応えてやるぞ?』

 

 そんなシンビオートの言葉にニヤリと不気味な笑みを浮かべる敵。

何か不自然だ、何か企んでいるのか?と疑問に思っていると"ぶおん"と風を切る音が耳に入って来た。

 

「シンビオートッ!」

『っ!?』

 

 異変に気付いた来正は咄嗟に姫了子の前へ移動。巨盾を形成すると同時に地面に杭を打ち込む。その直後、大木と見間違う程の筋肉の塊がズドンと音を立て襲い掛かって来た。

 

その正体はブラキオサウルスの尻尾。倒れていた筈のリーダー格敵が攻撃をして来たのである。

 

「はぁ…はぁ…クソッ!あんなチビ共に俺様が追い詰められるなんて……ッ!」

 

「大丈夫かい明須賀ちゃん?」

「だ、大丈夫…」

『ハッ、見ろよキョウセイ。あのデカい木偶の坊はもう息絶え絶えだ』

 

 目の前にいる巨竜は誰から見てもグロッキー状態。ハッキリ言ってしまえば此処で来正達に攻撃しなければ簡単に逃げる事ができただろう。だが、そんな事は己のプライドが許さないとリーダー格の敵は炎の男に向かって叫ぶ。

 

「オォイ!早く、その小僧共を殺せッ!今すぐにだッ!」

「無茶言うなよ。つーかアンタそればっかりだよなぁ…潰す潰す言っておきながら返り討ち。結局何がしたいんだか……」

 

「な、仲間割れをしているのか…?」

「うーわ、ダッサ。大人の癖して喧嘩するとかダッサー」

『グギャギャギャギャギャギャ!いいぞー、もっと争えー』

「んんんんん、こっちはこっちでぇぇぇぇ…ッ!」

 

 前方の仲間割れと隣の少女と己が個性による野次に挟まれる来正は頭を悩ます羽目となる。その最中、ブラキオサウルスの敵が継ぎ接ぎの男の疑問に逆上し言葉を吐いた。

 

「黙れッ!俺は目障りなチビ共をブッ殺せればそれで良いッ!苛つくんだよッ!俺よりもちっせぇ図体しやがってチョロチョロと目の前歩き回ってよォ!ムカつくッ!ムカついて仕方がねぇッ!だからぶっ潰してやるんだよッッッ!」

 

「……へぇ、成る程」

 

 腕竜の言葉に男は酷く、嘲笑うかのように、冷徹に言葉を呟いた。

 

「分かったならさっさとあの小僧共を殺して俺の前へ並べろォッ!馬鹿にしやがってこれが終わったらテメェも潰してや……」

 

プスッ

 

「………あ?」

「アンタさぁ図体はデカイ癖して器は小っせぇよな。リーダーならもう少し根性見せてくれよ」

「ぐ、ぎ ぃ あ、ああ?」

 

 直後、ボコボコと身体中の筋肉が肥大と収縮を繰り返す。まるで粘土を捏ねるかのように変形していく様子に「ひっ」と姫了子は声を上げ来正の後ろに隠れる。

 

「なに…なにが起きてるの…あれ……?」

『どう言う事だキョウセイ!まるで意味が分からんぞッ!』

「そんな事、僕に言われても……いや、待てよ?」

 

 継ぎ接ぎの男が手にする筒状の容器を見た来正はハッとすると同時に先日のヒーロー基礎学で習った事を想起した。

 

人々の身体には個性に起因する細胞である個性因子。それに刺激を与える事で個性そのものに影響を与え、戦闘能力の強化を図る事が可能な国内での流通が禁止されている薬品!

 

「基準値を大きく超えた容量を摂取する事で個性を極端化(ブースト)させ理性を弱める薬…名を個性因子誘発物質(イディオ・トリガー)ッ!」

 

「グ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!」

 

 竜が吼え、地が割れ、圧倒的な巨体が更なる力を得る。8mもの恐竜が更に大きく……否、本来の大きさへと戻って行く。古代に生きた竜と同じ力を持つモノは原始へ回帰する。

 

「少しは期待していたんだぜ?俺みたいのを上手く扱ってくれるような奴等をさ……けど、蓋を開けてみりゃどうだ。餓鬼相手にしかイキがる事しか出来ない奴とはなぁ…」

 

 継ぎ接ぎの男は目の前にいる頸長の竜に哀れな者を見るような視線を送った後、来正達にはニヤリと口端を釣り上げた表情を送る。

 

「その点、お前達はスゲェよ。流石はアイツの最高傑作を真っ向から打ち負かしただけの事はあるッ!」

「そんな事はどうでもいい。この似非フランケン!被害を拡大させてよくも…!」

『オレ達の前で好き勝手とは良い度胸しているなぁ!ミキサーでグシャグシャになる覚悟は出来てるかッ!?似非フランケン!』

 

 そんなヒーローの反応にやれやれとした仕草を見せる。

 

「オイオイそんな呼び名はよしてくれ。俺にはちゃんと『荼毘(だび)』って言う名前があるんだからさぁ…ま、偽名だがな」

「結局 偽名かよ!?」

『気取った自己紹介してるんじゃあ無いぞッ!ダービー君ッ!』

「ダービーじゃねぇ、荼毘だ」

 

 

「俺様を無視しているなァ!この矮小な雑魚共ォォォオオオオオオオッ!」

「「っ!」」

 

 瞬間、来正達はその場から飛び退くと巨大化したブラキオサウルスの脚が地を揺らし踏み抜いた。折った筈の骨は増幅して筋肉によって補強されてしまい姿勢を崩す事はなかった。

 

「おいおい、俺も巻き添え喰らうとこだったぞ」

「黙れッ!テメェも纏めてぶっ潰してやるッッ!ガキも!俺に着いて来た間抜けな雑魚共も全てッ!俺が潰してやるぅぅぅぅぅううううううううううううううッ!」

 

『fuck!!! ヤクの所為でヤツの頭がパッパラパーになってやがるッ!』

「せっかく倒したと思ったのに…誰かーッ!Mt.レディ呼んでーーッ!え?今、ニッチなファンの為に踏み付け会やってるから無理?世も末だなオイ!」

「お兄さん!前、前見て!」

「え…?うぉぉぉおおおッ!」

 

 咄嗟に飛んで来た大型バスを回避する来正。恐らくゴルフの要領で尻尾を利用し打ち飛ばしたのだろう。

飛んで来た鉄の塊が大きく弧を描きながら遠ざかって行くソレはズドン!と音を立てながら高層のビルに直撃してしまう。

 

「おい、オイオイオイオイ!あそこって確か指定避難区域の側じゃ──『よそ見しているなッ!』っ、やば!?」

 

 眼前に迫るのは口をグパリと開けた恐竜の頭部。抱えていた姫了子に「ごめん!」と言いながら放り投げた直後、来正は頸長竜の顎の餌食となってしまった。

 

「……ッ、お、おおおおおおおおおおおおおッ!」

 

 だが来正は尚も健在。己の身体に力を込めシンビオートを支柱のように変形させる事により噛み砕かれないよう奮闘している。

 

だが先程までと比べパワーが桁違いとなっており、ミシミシと音を立てながら万力で締められるように上下から掛かる力が押し潰そうとして来る。

 

『クソッ! これでもし食われたらウ○コになってでもぶっ殺してやるッ!』

「ねぇ!もしかしてそれクソッ!とウン○のシャレだったりしない?……あ、ウソウソ!嘘だからッ!ぐ〜〜〜ッ、こんなのが最期なんて嫌だーーーッ!死ぬならせめてケモケモした人達に囲まれての腹上死が良かったァーーーーッ!」

『ホントお前ブレないな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《チズ、急ぎ過ぎです》

「そんな事言ってる場合じゃないよMJ!状況報告お願いッ!」

《現在 飛来した大型バスが直撃した事によって高層ビル以外に隣接したマンション、工事に使われていた起重機(クレーン)が倒壊。このままでは避難区域に被害が及びます》

 

 一方、シルバー達と共に居た赤糸虫は持ち前の機動力を活かし避難区域へと向かって居た。目の前には損傷こそしているものの、建造物自体は完全には倒れていない。

何とかして建造物を補強しなければあそこに居る人達が……!

 

そんな焦燥感を胸に急いでウェブでスイングしながら移動するが、彼女の思いは虚しく打ち砕かれるように建造物の倒壊が始まってしまった。

 

「うわあああああ!落ちてくるぞぉぉぉおおおッ!」

「早く逃げて!早くぅぅうううう!」

「僕の事はいいから先に!ほら!」

「嫌だぁ!潰されたくないいいいいいい!」

 

 下から悲鳴の交響曲が流れて来る中、赤糸虫ことV・スパイダーは倒れていく建物へとターゲットを定める。

 

「MJ!一緒に倒れて来るクレーンをビルの支えにする事って出来る!?」

《情報処理開始……倒れるクレーンと崩壊寸前の建造物をウェブで固定。打ち込むポイントを指定します》

 

 AIによるサポートを受けながらウェブの射出量を増加。倒れ行くクレーンのブーム(クレーン棒状部分)と倒壊途中の建物が接触した瞬間に蜘蛛糸を放つ事で接着及び干渉。倒壊する建物が互いに支え合う構造となり、その場凌ぎでの補強に成功した。

 

「やった、やったよMJ! シルバー、こちら赤糸虫…じゃなくてV・スパイダー!避難区域に発生した建物の倒壊は食い止め───」

 

 

BOOOM!!!

 

 

「───え?」

 

 唐突に響いて来た轟音に彼女は呆気に取られた。倒壊を食い止めた建造物、その一部分から爆発が起きたのである。

倒壊の際に配電盤がなんらかのショートを起こし火が発生したのか、それとも引火性の危険物が建物内にあったのか原因は定かでは無いが……一難去ってまた一難。不幸のダブルパンチを食らった赤糸虫は「だめ…だめだめだめだめ!」と呟きながら崩れ掛けの建造物に向かう。

 

バキバキと前後に分断され掛けている建物。その真っ二つに裂け生まれた隙間を駆け抜け、縫合するようにシューターから糸を大量に飛ばし行く。

……しかし、それでも建物の重量が凄まじい所為なのか。倒壊は未だ止まる気配を見せる事は無い。

 

「…やるしか無い…!」

 

 すると何を思ったのか赤糸虫は裂けた建物の間に出来た狭間に飛び込むと左右両方にウェブを大量かつ広範囲に射出する。

それ等の蜘蛛糸を束ね掴むと己が全身の力を総動員して割れた建物を元に戻そうと引き寄せ始めたのである。

 

「……ッ、うぁぁああああああああああああああああああああああああッ!!!!

 

 赤糸虫の絶叫が響く。彼女の持てる力の全てを使い拮抗こそしていたものの一部の糸が重量を支えられずにブチブチと音を立て切れ始める。

 

RIP(ビリ)RIP(ビリ)…!

 

「〜〜〜〜〜〜ッ!」

WARNING(危険です)...WARNING(危険です)...スーツ繊維の一部が許容範囲外の過伸展により裂開。これ以上は身体が左右に引き千切れる可能性があります》

「でも…ッ!下に居る(避難所)の皆が……ッ!」

 

 コスチュームが裂ける音を鳴らしながら力をグッと込める赤糸虫。

そんな時だ、こちらに向かって飛来する何かが目に入る。

 

「お、丁度いいくらいのヒーローがいるじゃねぇか。こんなガキのヒーローなら俺でも殺れるぜ」

「誰だっ!?」

 

 目の前に現れたのは蚊のような姿をした敵。嫌悪感を覚えさせる羽音を鳴らしながら口元の針を左右の建物が崩れないように踏ん張るヒーローに向ける。

 

「お前は黙ってろ。俺は安全に有名になりたいんだよ。有名になりゃあ上から渡される金も多くなるからな。チームは殆ど全滅状態だが、とりあえず俺はそこそこのヒーロー1人を倒して逃げさせて貰うぜ」

 

 そんな事をツラツラと口にしながら、より一層羽ばきの音を速さを強めながら赤糸虫に向かって突進を仕掛けた来る。

 

「まずッ!?」

 

 先程戦った敵よりも目で追えぬ程の速さ。避けられない…いや、仮にここで避けようと言うものならば避難区域に被害が及ぶ。自身が選べる選択肢は此処で"死ぬ"事 それだけだ。

 

(ごめん来正君。ボクはヒーローとして相応しかったのかな…?)

 

 最期に彼を想い目を瞑る。後は死を受け入れ避難区域の人達が出来るだけ多く助かる事を祈るだけ。せめて彼に感謝の言葉は伝えたかったと悔やむ彼女だったが、ふと疑問に思う。

 

……痛みが来ない?

恐る恐る目を開くと、そこには空中にて凄い体勢で関節技を掛ける謎のヒーローと痛みに悶える敵が居た。

 

G(ガンヘッド)M(マーシャル)A(アーツ) 外伝奥義マッスルスパーク‼︎」

「ぐあああーーーーッ!?」

「何事ッ!?」

 

 赤糸虫がそんな反応をするのも無理はない事だろう。急に出て来た見知らぬ敵が急に出てきたヒーローになんか凄い技を掛けられている光景を目の当たりにすれば誰だってそんな反応になる。

 

「今なら軽い筈だよ早く!」

「えっ?……あ、あれ?本当に軽くなった!?」

 

 助けてくれたヒーローの言う通り糸に掛かっていた重量が先程と比べて軽い。まるで羽毛のように質量がゼロに等しくなった事にチャンスと思ったの彼女は力一杯に糸を手繰り寄せパズルのように戻す事に成功。

挟まれる前に外壁へ飛び出ると亀裂に向かって糸を飛ばし補強していく。

 

《倒壊阻止完了。お疲れ様です》

「う、うん…でも何で急に軽く…「無事みたいで良かった!」…え?」

 

 疑問に思う赤糸虫。そんな彼女の元に新しく全体的に桃色のコスチュームを纏ったヒーローらしき人物が1人やって来る。

 

「もう大丈夫だよ、私達が来た!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAP!!!

 

『What's!?なんだ!何事だッ!』

「な、何かビーム的なものが……って、あれは!?」

 

 ブラキオサウルスに食われる一歩手前の来正達にも変化が訪れる。突如と響く爆裂音、彼等の眼前に広がる空を大型ドローンに乗り翔ける集団が姿を現した。

来正は彼等の事を知っている!即時現着ッ!速攻鎮圧ッ!高火力のヒーローで固められたその彼等名は……!

 

「【バスターユニオン】ッ!遠距離超威力の個性を持つヒーロー達が集ったチームだッ!」

 

「総員"個性"解放出力全開ッ!目標、前方の恐竜型大型敵ッ!第二射撃照準用意ッ!」

 

 大型のブラキオサウルス敵に狙いを定めるバスターユニオン。それを見て来正は目をキラキラと輝かせ、大いに(はしゃ)ぐ様子を見せる。

 

「っしゃ、オラーーーーーーーッ!ブチまかしたれぇーーーーーッ!」

『キョウセイ』

「ハーーハッハッハッ!やっぱり戦いは数だよ兄貴!」

『キョウセイ』

「勝ったな(確信) 風呂入って来r『キョウセイ』うるせぇ!さっきから僕の名前連呼してどうせくだらない事を口にするんだろ(あたしゃ)知ってんだよ!」

 

『いや────

 

 

 

 

 

 

 

 

─────このまま攻撃されるとオレ達確実に巻き添え喰らう事になるんだが。それで良いのか?』

「…………」

 

 

 

 

 

ZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAP!!!

(一斉射撃の音)

 

 

「た、退避ィィイイイイイイイイイッ!!」

 

 刹那、来正は一斉に放たれるビーム群とブラキオサウルスの牙から逃れる為に空に向かって飛び出した。それと同時に着地に関して何も考えて無かった事に気付く。

 

「ああああああああああああああああああああああッ!やっぱり死ぬならケモケモした人達に囲まれての腹上死が───」

 

 そんなくだらない事を口走る恭成。そんな落下中の彼だったが突如として謎の浮遊感を覚えると同時に声が聞こえて来た。

 

「どうやら間に合ったみたいだね☆」

「ッ!? そ、その特徴的な口調と眩しいコスチュームは…ッ!?」

「ノンノン☆ ま・ば・ゆ・い」

 

 驚愕する来正と、そんな彼を助けた人物を乗せたドローンはゆっくりと避難区域近くに着陸を行う。疲労が残る身体を動かし、飛行する物体から降りると彼等の元に赤糸虫と見覚えのある人物が駆け付けて来た。

 

「来正君!無事だったんだね!」

「せ、赤糸虫さん!?…それとそっちは……ッ!」

 

 彼等の元に姿を現したヒーロー。追い詰められていた来正恭成にとってその者達は馴染み深く、そしてとても心強い仲間(クラスメイト)達だった。

 

「お待たせ! ガンヘッド事務所【ウラビティ】ただ今現着ッ!」

「チームバスターユニオン【Can't stop twinkling.】華麗に参上さ☆」

 

「う、麗日さんに…青山君ッ!」

『まさかお前達が来るとはな……汚れ役コンビ!』

 

「「汚れ役……!?」」

違うぅッ!シンビオートが勝手にぃッ!

 

 





すまない…今年最後だから気合入れてネタを詰め込んだ結果、二万字近くになってしまって本当にすまない……。
と言うわけで悔いを残さないようにユクゾッ キャラ紹介の時間だオラァ!

〜〜キャラクター紹介〜〜

『来正恭成』
やっとそれっぽい所を見せて来た主人公。恐竜&炎を相手に頑張った。今回、何故最初からコスチュームを纏ってなかったと言うと弱点を如何に克服するのか?スーツが無くても主人公らしさを魅せたいと言う作者の勝手な願望です。

『赤糸虫知朱』
みんな大好き赤糸虫くんちゃん。新技を引っ提げて敵を1人撃破。我ながら必殺技名は凝っているなと思った。スパイダーマンらしい場面を色々と描写出来て満足…。

【縛糸・幻霊黎明(げんれいあけぼの)
目に見えないレベルの極細の糸で相手を拘束する技。技名の元となったのはアケボノユウレイクモ。

【雷閃・八握拳(ヤツカノケン)
元ネタは十種神宝より八握剣…え、何故スパイディなのに八握剣だって?蜘蛛って"八"本足だよね。そこから無理矢理関連付けて八握剣ですハイ。

『明須賀姫了子』
何を考えたのか出してしまったメスガキ小学生。避難所近くまでに吹っ飛ばされていたコスチュームの入ったケースを来正恭成に届けるべく単独行動した少女。
作中で赤糸虫くんちゃん以上のヒロインムーブかましてた気がする……。

『継ぎ接ぎの男→荼毘』
継ぎ接ぎで青い炎を使ってる時点で多分皆知ってたであろう原作キャラクター。体育祭で轟君を打ち負かした来正君に興味深々なのか少しばかり突っかかっている様子。
ちなみにダービーではない荼毘だ。

『蚊のヴィラン』
かませ。サイコロステーキ先輩ネタをやりたかっただけ。

『麗日お茶子』
ヒーローネーム【ウラビティ】原作ヒロインの汚れ役1号。
この小説で久しぶりに出てきたクラスメイト。ガンヘッドと共に現場に駆け付けて赤糸虫を窮地から救う事となる。

『青山優雅』
とにかく長いヒーローネームを持つクラスメイト【Can't stop twinkling.】(※ヒーローネームです)
汚れ役2号。この小説オリジナル設定として高火力ヒーローで固められたバスターユニオンの元で職場体験を行なっている。

ちなみにバスターユニオンが来正が居るにも関わらず攻撃して来た理由としては青山君が「彼は僕の友達☆ アレくらいの窮地なら簡単に乗り越えてくれるよ」と言ったのが原因だったりする。
尚、その事を来正に言ったらシンビオートに殴られたのは言うまでも無い。


〜〜用語解説〜〜

『ゼットランスアロー』
ウルトラマンZより登場した槍型の武器。どう見てもオーブスラッガーランスのリデコと言ってはいけない。
登場回数は少なかったが個人的に好きな武器。

『デスシウムクロー』
『デスシウムファング』
『デスシウムスラッシュ』
元ネタはウルトラマンZの幻界魔剣ベリアロクより。ベリアル閣下の生首が付いた武器と言うトンデモ装備から放たれる必殺技。
ジードとグリーザから生まれたり、敵に寝返ったり、セブンガーに使われたりと色々とブッ飛んでる。

『個性因子誘発物質(イディオ・トリガー)』
ヒロアカの作中やヴィジランテでも登場して来た個性を強化する薬。リーダー格の敵である竜崎は大量の薬を打ち込まれる事でブラキオサウルス本来の大きさへと変化した。


読者の皆さん応援ありがとうございました。2021年からは少し忙しくなり投稿頻度が遅くなると思いますが行ける所まで執筆活動を頑張って行こうと思います。
それではまた新年にお会いしましょう。
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