エルメロイ教室の神器使いとサーヴァント   作:兵庫人

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英雄派VS……

※久しぶりに「ハイスクールD×D HERO」のDVDを観て思いつき、書きたくなりました。

※もしこの短編を連載にする場合は、また主人公の設定を変えると思います。

 

 

 

 俺、千車蒼十朗がエルメロイ二世先生とグレイと一緒に日本の駒王学園に転入して一年と半年程の時間が経った。

 

 そして俺と、二年の春頃に召喚したタマモキャットは、駒王学園の修学旅行で京都へとやって来たのだが、その京都では「禍の団(カオス・ブリゲード)」というテロリスト集団が事件を起こしていた。禍の団は日本の妖怪達をまとめる総大将、九尾の狐を浚い、その力を利用して何らかの大規模な実験をするらしい。

 

 総大将を奪われた日本の妖怪達は、九尾の狐の救出を悪魔陣営に依頼するのだが、今すぐに動けて禍の団に対抗できる戦力はイッセーを始めとするグレモリー眷属とシトリー眷属の二年生組だけ。……あとついでに俺とタマモキャット。

 

 禍の団が実験を行うのは今夜。増援を待つ余裕はなく、辛い戦いになる事を覚悟して俺達が戦場に向かおうととしたその時、エルメロイ二世先生が俺達を呼び止めた。

 

「ちょっと待て、お前達。今回の件だが、こいつらも協力してくれるそうだ。決して足手まといにはならないから連れて行くといい」

 

「……え? 貴方達は……」

 

 エルメロイ二世先生が指差した先には二十歳から二十代前半くらいの男女が五人いて、彼らの姿に見覚えがある俺は思わず呟くと、それを聞いた

 

「どうした? 知り合いなのか?」

 

「ああ。学年が違うから話したことはないんだけど、全員時計塔で俺と同じ現代魔術科に所属している先輩達だよ」

 

 そう、エルメロイ二世先生が連れていけと言った五人の男女は現代魔術科、つまりエルメロイ二世先生の教えを受けたエルメロイ教室の生徒だった。しかも彼らはその中でも特に有名で実力のある魔術師ばかりなのである。

 

『不死身の双子』の異名を持つマリー・スターガッツとマリリン・スターガッツのスターガッツ姉妹。

 

『剣闘士』と呼ばれて恐れられている強化魔術の達人、バスター・ジン。

 

『偽景・百鬼夜行』という陰陽道、投影魔術、降霊術等の様々な魔術を取り込んだ自分だけのオリジナル魔術を開発した深山龍悟郎。

 

『革命者』、『現代魔術科の貴公子』の呼び声が高いラインハルト・ジークド・ゴルドホルン。

 

 彼らは学生の身でありながらすでに一流の腕前を持つ魔術師で、その上「ある共通点」を持つことから現代魔術科だけでなく、時計塔全体から注目されている人物達であった。

 

 確かにこの先輩方が一緒ならば、例え禍の団が相手でも余裕……と言うか、俺達の出番なんか無いかもしれないな。

 

 俺は、同じエルメロイ教室の先輩方を見ながら思わずそんな事を考えていた。

 

 ☆

 

 数時間後。グレモリー眷属、シトリー眷属からの助っ人である匙、そして俺とタマモキャットと先輩方を含めたエルメロイ教室の面々が、禍の団が実験を行うと宣言した場所向かうと、そこには今回の事件の首謀者達がすでに待ち構えていた。

 

 今回の事件の首謀者は禍の団に複数ある派閥の一つ、過去の英雄の子孫、あるいはその魂を受け継いだとされる者達が率いる神器(セイクリッド・ギア)を所有する人間達の集まり「英雄派」。そして俺達を待ち構えていたのは英雄派のリーダーと、リーダーを補佐する幹部の五人の男女で、彼らは俺達が来たのに気付くとご丁寧にも自己紹介をしてくれた。

 

「やあやあ。グレモリー眷属の皆さん、彼らに協力する魔術師の方々、こんばんわ。俺の名は曹操。禍の団、英雄派のリーダーで、三国志に出てくるあの曹操の子孫だ」

 

「俺はジークフリート。元は教会のエクソシストだったが、今ではご覧の通り禍の団に所属している」

 

「俺様はヘラクレス。いくらこんな辺境の島国でも大英雄ヘラクレスの名前ぐらい知っているよな?」

 

「私はジャンヌ・ダルク。よろしくね」

 

「……ゲオルグだ」

 

 英雄派のリーダーとその幹部達が名乗った名前は、誰でも一度は聞いたことがある大英雄、偉人の名前だった。それをああも堂々と名乗るってことは、それに恥じないだけの実力や強力な神器を持っているということ。これは油断ができな……い……?

 

『『……………』』

 

 俺達が曹操達の名前を聞いて全員少なからず驚いていた時、エルメロイ教室の先輩方が一瞬だけ驚いた顔をしていたが、すぐに五人とも苦笑か微笑の笑みを浮かべ始めた。

 

 この時の俺は、先輩方の笑みの意味が分からなかったが、すぐにそれを思い知らされることになった。

 

 イッセーと曹操達が互いの意見を言い合い、当然ながら戦い合う結果にしかならず、いよいよ戦いが始まろうとした時、マリー先輩とマリリン先輩が最初に進み出た。

 

「やっと戦いが始まるのね。それじゃあ、マリーはあのジークフリート君と戦うね?」

 

「マリリンはヘラクレス君と戦うね?」

 

 マリー先輩とマリリン先輩がそう言うと、他の三人の先輩達も前に進み出る。

 

「じゃあ俺はあの女と戦わせてもらう」

 

 バスター先輩はジャンヌ・ダルク睨みつけ、

 

「小生はあのゲオルグの相手をさせていただく」

 

 深山先輩はゲオルグを興味深そうな目で見て、

 

「やれやれ……。となると私の相手はあの曹操君か……」

 

 ラインハルト先輩はため息をついて、まるで残り物を見るかのような目を曹操に向ける。

 

『『……………!』』

 

 そんな五人の先輩方は、上級悪魔どころか下手な神をも滅ぼす実力を持つテロリスト集団を前にしても全く緊張しておらず、その姿は曹操達のプライドを大きく傷つけたのが分かった。

 

「おい! あんたら、勝手に前に出たら「待て、イッセー」……千車?」

 

 イッセーが五人の先輩達に慌てて声をかけようとするが、俺はイッセーの肩を掴んでそれを止める。

 

 確かに、普通に考えたら先輩達の行動は無謀を通り越して自殺行為だろう。だけど以前俺が時計塔にいた頃に聞いたあの「噂」が本当だとしたら……!?

 

「ご指名とあらば応えましょうか。ただし! 俺は女性でも手加減はしないぞ!」

 

「調子に乗るんじゃねぇぞ、このクソアマ!」

 

「少しは楽しませてよね!」

 

 先輩達の言葉を挑発と受け取った禍の団のジークフリートとヘラクレス、ジャンヌ・ダルクがそれぞれの相手に向かって飛びかかった。その次の瞬間……。

 

 

 

「出番よ! 『ジークフリート』!」

 

「任せてもらおう、マスター!」

 

 

「やっちゃえ! 『ヘラクレス』!」

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

「行くぞ『ジャンヌ・ダルク』!」

 

「言われなくても!」

 

 

 

『『……………!?』』

 

 マリー先輩とマリリン先輩、バスター先輩の言葉を合図にしたように、彼らの側に突然武器を持った男女が現れて、攻撃を仕掛けようとした三人の英雄派の幹部を一瞬で叩きのめし、それを見た俺達は思わず言葉を失った。

 

「やっぱり、あの噂は本当だったのか……!」

 

「う、噂? 噂って何だよ!」

 

 思わず呟いた俺の言葉が聞こえたイッセーが聞いてくる。

 

「俺が聞いた噂……あの五人の先輩達は全員、俺と同じように神器を持つ魔術師で、サーヴァントを召喚しているという噂だ」

 

『『……………!?』』

 

 俺が聞いた噂を知り、そしてそれが本当の事だと理解したイッセー達は驚愕の表情を浮かべて固まってしまう。そして俺の言葉を聞いて驚いているのはイッセー達だけではなく、曹操達も同様であった。

 

「ば、馬鹿な!? 禁手(バランスブレイク)よりも更に希少とされるサーヴァント召喚を行なった者が同じ場所に六名だと!? そんなの奇跡みたいな確率「そんなに驚くことかい?」………!?」

 

 俺の言葉に狼狽えていたゲオルグに言葉を遮って声をかけたのは、いつの間にか彼の側に立っていた深山先輩の横に立つ少女だった。

 

「魔術師っていうのは世間で『奇跡』と呼ばれる事象を呼び出し、それを制御する者だよ? それが分からないなんて君もまだまだだね? しょうがない、ここはこの大魔女『キルケー』が君に魔術の何たるかを教えてあげようじゃないか?」

 

「………!?」

 

 深山先輩が召喚したと思われるサーヴァントの真名を聞き、ゲオルグはアゴが外れんばかりに口を開く。……うん。そりゃあ、いきなり神話の時代の大魔女が現れたら、驚かない魔術師はいないよな。

 

 先輩達が呼び出したサーヴァント達の存在によって、最早この場は完全なカオスとなっていた。流石の曹操もこの急展開には暫く呆然としていたが、すぐに気を取り直して自らの神滅具の槍を呼び出した。

 

「ま、まさか伝説の英霊が現れるとは思わなかったが、俺にはまだこの槍がある! この槍で彼らを倒し、俺は真の英雄に……!?」

 

 

「ほう? 神をも殺せる可能性がある槍とは、中々珍しい物を持っているな?」

 

 

 神滅具の槍を持って先輩達のサーヴァントに戦いを挑もうとした曹操の前に立ちふさがったのは、ラインハルト先輩と幽鬼のように白い肌で黒い刃の槍を持つ武人であった。まず間違いなくあの武人がラインハルト先輩のサーヴァントだろう。

 

「彼が持っているのは全ての神器の頂点である神すらも殺しうる槍だ。勝てるか『カルナ』?」

 

「無論だ。……さあ、神殺しの槍を持つクシャトリアよ。いきなりだと思うが、俺の槍と貴様の槍、どちらが鋭いか試させてもらうぞ」

 

「…………!」

 

 カルナと呼ばれたサーヴァントはラインハルト先輩の言葉に頷くと槍の穂先を曹操に向け、カルナに槍を向けられた曹操はここからでも分かるくらいに顔を青くさせていた。

 

 こうしてこの京都の地で、禍の団の英雄達と我らがエルメロイ教室の英雄達との戦いが始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え? 勝負の結果?

 

 ………………………聞きたい?

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