こっちあっち…いや逆だ?!×名探偵コナン~新紺碧の棺・女海賊たちの宝物~   作:Dr.クロ

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滞在日二日目、各々に動く中で物語は進む。


DETECTIVE.Ⅴ~調査/現れるWT~

前回から時間が経って翌朝

 

引き戸を開けて光彦と榊は外の様子を見る。

 

元太「どうだ天気?」

 

光彦「風は強いですけど、陽が出てますから大丈夫でしょう」

 

確認する元太に光彦はそう返す。

 

榊「んじゃ俺たちは行ってくるからそっちは任せたぜ伊御」

 

ああと最後のヤツへと向かう事にしてる榊にコナンや龍馬と共に調査をする事にした伊御は返してから自転車を調べているコナン達の元へと向かう。

 

どうして調べているかと言うと昨夜に見つけたタイヤの跡と比べて同じのか調べるためだ。

 

龍馬「お、丁度よく来たね伊御くん」

 

伊御「本坂さん」

 

阿笠と共に自転車を見ていたコナンと龍馬に伊御は近づく。

 

龍馬「丁度良かったね。今調べる所だよ」

 

伊御「そうでしたか。博士、どうなんですか?」

 

阿笠「今この跡のとこの自転車のトレッドパターンを拡大して見比べるからまっとくれ」

 

そう言ってパソコンを操作してコナンが取った昨夜の車輪跡を拡大する。

 

コナン「………トレッドパターンが全然違うな……」

 

伊御「じゃあこの自転車じゃないか……あれ?」

 

ふうむと呟きながら何気なく自転車の座席の下を覗き見てある物に気づく。

 

そんな伊御の反応にコナンも覗き込んでそれを見る。

 

コナン「これは……形状とか見た目的にGPSか?」

 

阿笠「何?GPSじゃと?なんで自転車に?」

 

伊御「レンタルしたのを置き忘れたとき探すのに…じゃないよな?」

 

見た目の形からそう推測するコナンに阿笠は首を傾げ、伊御は自分で言ったのを否定する。

 

だと思うぜと伊御のにコナンは顎に手を当てながら同意する。

 

コナン「自転車で行ける所なんて限られる。GPSをしなくたって島の住民なら大体の位置が分かる筈……それなのにGPSが付けられてるとしたら……」

 

伊御「…一応他のレンタルも調べてみようか」

 

そうだなと頷いた所でご飯よぉ~と蘭の呼んで来る。

 

龍馬「ま、それはご飯を食べてからだね」

 

伊御「そうですね」

 

苦笑して言う龍馬に伊御も苦笑してからコナンに続く。

 

元太「ったく、何やってんだコナンのヤツ!!それに本坂の兄ちゃんや音無の兄ちゃんもそうだしよ」

 

蘭「すぐ来るからもうちょっと待ってよ?」

 

つみき「…伊御、まだかな…」

 

真宵「まあまあ、蘭さんの言う通り……ほら」

 

ぶーたれる元太を蘭が宥め、そわそわしてるつみきに真宵が言った所でコナン達が来る。

 

コナン「お待たせ」

 

龍馬「ごめんね待たせて」

 

元太「おせーぞコナンに兄ちゃん達!腹減り過ぎちゃったぜ」

 

榊「あやうく腹と背中がくっ付くところだったぜ…」

 

謝る2人に元太と榊がそう言う。

 

お竜さん「くっ付くとどうなるんだ?」

 

榊「そりゃもちろん一反木綿みたいにぺらぺらに」

 

佳奈「ペーパー榊くんだね!」

 

その言葉に誰もがぶふとなる。

 

仁蔵「んで折り紙にされてさよならするんじゃな」

 

イメージ榊『無限の彼方へ、さあ行くぞ』

 

榊「そして空彼方へ…」

 

伊御「おい;」

 

仁蔵のにそのまま続ける榊にどこに行く気だと伊緒がツッコミを入れる。

 

歩美「ホント伊御お兄さん達は楽しいね」

 

光彦「確かに見てても飽きませんね」

 

正邪「だろ?いつも面白いんだぜ」

 

コナン「ははは……あれ?おじさんは?」

 

楽し気に言う2人と正邪のに半笑いしてから小五郎の姿がない事に気づいてコナンは聞く。

 

蘭「うん。朝から捜査会議だって言って目暮警部達のいる役場に行ってるわ」

 

コナン「フ~~ン」

 

伊御「大変ですね小五郎さん」

 

ホントじゃなと阿笠は伊御のに同意する。

 

蘭「それじゃあ皆揃ったから……」

 

元太「いっただきま~~~す!!」

 

一同「いただきまーす」

 

手を合わせて号令してから各々に食べ始める。

 

各々に話しながら食べる中でまだ手を付けていなかったコナンは歩美達に質問する。

 

コナン「なあ、吊り橋に行った時、岩永さんに会わなかったか?」

 

歩美「岩永さん?」

 

つみき「…ううん、会ってない」

 

伊御「そうなのかつみき?」

 

光彦「観光課の人ですよね?つみきさんが言った様に僕たちは会ってませんよ」

 

質問に首を振るつみきの後に光彦も会ってないと明言する。

 

小太郎「吊り橋のは自力で探した結果ですからね。誰にも話してません」

 

元太「そうそう、風太の兄ちゃんの言う通り。あそこは俺達が自分で探したんだぜ」

 

佳奈「うんうん」

 

姫「はいです。だから岩永さんには会ってません!」

 

続けての4人のにコナンはそうか……と呟く。

 

バディア「(やはり原作通りGPSで位置を知っていたか…)」

 

伊御「(そうなるとなんで岩永さんはあそこにいたんだ?もしかしてさっき見つけたGPSは……)」

 

話からバディアは宝探しゲームの流れは自分の知識のと離れてないのを確認し、伊御は岩永がどうしてあの場にいたかを考える。

 

そこに美馬が来る。

 

美馬「食事は足りているかな?」

 

蘭「ええ、大丈夫です」

 

みいこ「美味しいですよ」

 

確認する美馬に蘭とみいこが代表で答える。

 

美馬「そうか、ところで、今日も潜るつもりかね?」

 

園子「いえ……昨日あんな事があったから怖くて……」

 

蘭「でも明日はもう時間がないだろうから、ボートにでも乗ろうと思ってます」

 

バディア「まあ犯人たちが狙うかもしれないし気を付けるつもりだがな」

 

咲「それで念のためにだけどそのバッチ型発信機余ってるのあったら貸してほしいんだけどいいかしら阿笠さん」

 

阿笠「ああ、確かにそうじゃな。バッチはもしも他の皆のが故障した時や無くした時の為に予備を用意してあるから大丈夫じゃよ」

 

そう言って阿笠は少し待っとくれと立ち上がって取りに行く。

 

段蔵「それで私は風太達に付いて行こうと思います。大人がいた方が安全でしょうし」

 

真宵「なるほど。確かにそっちのが安全じゃね」

 

榊「真宵はどうするんだ?」

 

続けてそう言う段蔵に頷く真宵に榊は聞く。

 

真宵「ん~ちょっと京谷さんに頼まれたのを最終チェックじゃね」

 

京谷「お、出来そうなのか?」

 

そうじゃよ~と真宵はにょほほと笑って言う。

 

京谷「んじゃ俺も此処に残ってるぜ」

 

針妙丸「それじゃあ私たちは昨日に引き続き宝探しだね」

 

美馬「ならば早めの方が良いぞ。午後から海が大荒れになるだろうしな……」

 

昨日の夜にも言ってたので確かに雨に打たれながらなんて嫌だよなと榊は呟く。

 

歩美「じゃあ午前中に宝探ししなくっちゃ!」

 

光彦「そうですね。あと1つ解けば良いんですから!」

 

佳奈「でもそのあとこの暗号解かなきゃいけないよ?」

 

正邪「まあ大丈夫だろ。頭いい奴ら何人も居るし」

 

そう言って正邪は伊御とつみき、コナン達を見る。

 

コナン「あ、あー、ごめんなさいボク行く所あるから皆で探しといて;」

 

龍馬「僕も保護者替わりに付いて行くからごめんね」

 

伊御「俺も同じく」

 

謝罪する3人にええ……と歩美と光彦につみきはシュン……と落ち込む。

 

龍馬「(うーん、この申し訳ない感じ;)」

 

伊御「(ちょっと罪悪感が;)」

 

灰原「それじゃ、団体行動のできない誰かさん達をほっといて、私たちだけでお宝を見つけて山分けしちゃいましょ」

 

それに困った顔をする2人とコナンを見て灰原がそう言う。

 

元太「さんせ~~~~~!」

 

榊「一文も分けてやらないぜ!」

 

針妙丸「ようし!皆頑張ろう!」

 

おお~~!と元気良く返事する探偵団を見ながらコナンは苦笑するのであった。

 

 

 

 

朝食を食べ終え、早速伊御とコナン、龍馬は役場の駐輪場に来ていた。

 

来た目的はレンタル用の自転車にGPSが付いてるかだ。

 

龍馬「2人とも、そっちはどうだい?」

 

コナン「こっちの自転車にはGPSはなかったよ」

 

伊御「こっちのもありません」

 

確認する龍馬にコナンと伊御はないと返す。

 

龍馬「やはりGPSは借りた君達だけしかなかった様だね」

 

コナン「そうだね」

 

伊御「と言うことは付けたのはやっぱり……」

 

???「課長!低気圧の最新情報!!」

 

誰もがある結論に行きついた所で女性の声がして、顔を向けると職員と思われる女性が岩永に書類を渡してる所であった。

 

岩永「参ったなぁ……ちょっとした台風だよ……とにかく漁礁とホテルに連絡してください!」

 

女性「はい!」

 

指示を出してから参ったな……とまたぼやいて頭を掻く岩永を見てから次をどうするかと思うと上平が役場に入って行くのが見えた。

 

龍馬「どうやら次の情報を得られそうだね」

 

伊御「そうですね」

 

ならば早速と移動し、目暮警部達が見えたので気づかれない様に隠れつつ耳を澄ませる。

 

目暮「松本達3人はホテルに戻っていない……さらに島を出た形跡もないことから、どこかに潜伏しているものと思われる……」

 

龍馬「(どうやらまだ島を出ていない様だね)」

 

伊御「(やっぱり財宝を狙っているのでしょうか?)」

 

かもねと目暮のを聞いてそう考えた伊御に龍馬は肩を竦める。

 

白鳥「少なくとも1人はライフルで撃たれてる筈ですですから、その治療も必要でしょうね……」

 

高木「診療所に確認しましたが、そちらの方にも現れていません……」

 

伊御「(怪我……。なんだろう。なんか嫌な予感がするな……)」

 

続けての高木の報告に伊御は撃たれた所を見ていたのでそれで彼らが何か行動しないか不安であった。

 

次に馬淵についてので、彼女が松本と話していたのは逃走用の船の手配を頼まれ、その礼としてお金を受け取っていた。

 

そんな取引をした理由についてはダイビングショップの運営だけでは生活が苦しかった故であった。

 

龍馬「(まぁ、この島的に考えたらこの時期を除けばダイビングショップに来て海に潜るなんて早々ないからお金が苦しくなるのも仕方ないね)」

 

伊御「(そうですね。今回は相手が悪かった。馬淵さんはホントに……)」

 

そう述べる龍馬に伊御は馬淵に同情する。

 

小五郎「高木くんが回収したこの薬莢ですが、かなり古いものですから長い事保管してあったものでしょうね」

 

目暮「うむ、ライフルについては今、上平巡査が猟友会に連絡して確認して貰っているよ」

 

次にライフルの話になり、目暮がそう言った直後に扉がノックされ、どうぞと目暮が答えた後に上平と岩永が入って来る。

 

上平「失礼します!今連絡が入りまして、猟友会の峯尾さんの猟銃が無くなっているそうです!!」

 

目暮「そうですか……」

 

白鳥「その峯尾さんと言うのは?」

 

報告に出た名前に白鳥は質問する。

 

上平「1人住まいの老人でして、ダイビングショップを経営している姪の馬淵千夏さんが面倒をみているようです」

 

龍馬「(意外な繋がり、と言えるかな?)」

 

伊御「(人と人って意外とそういうので繋がっているの多いですよね)」

 

コナン「(確かに……)」

 

軽く言う龍馬にしみじみと呟いた伊御にコナンは半笑いで同意する。

 

なんたって色々とそう言う感じのに遭遇してるから笑いたくなるもんである。

 

目暮「!すぐに峯尾さんの話を聞いて来てください!それから馬淵さんには任意同行を!」

 

上平「分かりました!」

 

その間、目暮は白鳥と顔を見合わせ、彼が頷いた後に上平に指示し、指示された上平は慌てて出ていく。

 

岩永「盗まれたカットラスとピストルを取り戻してください!お願いします!!」

 

目暮「全力を尽くします!!」

 

頭を下げてお願いする岩永に目暮は力強く返す。

 

龍馬「(さて、2人とも、ボク的に彼は怪しいと踏んでるよ)」

 

コナン「(龍馬さんも?)」

 

伊御「(二人も同じ考えでしたか)」

 

そんな中で龍馬はそう言い、コナンと伊御も同じだったので頷いて言う。

 

龍馬「(まずはGPS。松本達が仕掛けたと考えると不自然過ぎる。なぜならバイクに乗ってるボク以外は彼らとそれ程出会ってもないし、自転車に仕掛けるメリットがない。逆に彼なら職員でもあるから近くにいても違和感ないし、仕掛けたのも迷子になった際に探す際にと言う言い訳も出来る)」

 

コナン「(彼にとってメリットはお宝の場所を知れる可能性が高まると言う事、小五郎のおじさんにゲームを進めたのもその可能性をより一層上げるためなら)」

 

伊御「(松本達を撃ったのもおそらくあの人でしょう。理由は宝を横取りされないため……)」

 

そうなれば昨日の夜の襲撃犯が誰なのかもうすうす予想できたので伊御が言ったのにコナンと龍馬も同意する。

 

コナン「(おじさんの腰に付いていた黒い粒々もライフルが古かったから手入れされてなかった事で出来た火薬の燃えカスで、撃った時が夜だったから腕に付着したのに岩永さんは気づかなかったんだろうね。火薬の匂いがしたから間違いないよ)」

 

それにあの腕の傷もねと言うコナンに伊御はあー……と思い出して困った顔をする。

 

佐藤「でも、私達がここにいるのに、どうして今盗みに入ったのかしら?」

 

話が一区切りしたからか、佐藤が自分が気になった事を呟く。

 

高木「確かにそうですね……普段ならこの島の駐在してるのは上平さん1人だけ……我々が島を出た後にすれば抜け出すのも簡単だったのに……」

 

白鳥「おそらく、もたもたして正体が発覚するのを恐れたんだろう……」

 

伊御「(という事は松本達は早く宝を手に入れたいはず……!マズイ!)」

 

それには高木も同意で白鳥の言葉に伊御は眼を見開く。

 

岩永「あのぉ……東京からの応援は?」

 

目暮「低気圧の影響でヘリも船も出せないそうです。我々だけでやるしかない……松本達を探し出す事も彼らの命を狙っている犯人を見つけ出す事もだ……」

 

全員を見渡して言う目暮のを聞いて3人はその場を離れる。

 

龍馬「(伊御くん、コナンくん。君達も気づいたようだね)」

 

コナン「(うん……)」

 

伊御「(…崎守たちが危ない……!)」

 

すぐさま向かおうとするが龍馬が待ったをかける。

 

龍馬「万が一を考えて、他の皆と合流しよう」

 

コナン「……確かに怪人の襲撃も考えると僕達だけなのも危険な可能性があるか……」

 

伊御「…そうですね。それじゃあすぐ皆に合流するよう連絡します」

 

そう言って連絡を取る伊御を見ながら龍馬は内心謝罪する。

 

龍馬「(ごめんね伊御くん。想定内であっても想定外があってもあの出来事はやっておかないとダメだと思うからね……)」

 

 

 

 

一方の榊達は見張り台の所まで来ていた。

 

今は光彦と榊が確認にマストを模した見張り台に上っていた。

 

上に着くとマストの柱部分の後ろに宝箱が置かれていた。

 

光彦「あっ!ありましたよ!!」

 

榊「最後の謎は意外と簡単だったな」

 

下にいた面々へと言った光彦は榊と共に下にいた面々へと言った光彦は榊と共に近づく。

 

歩美「やったー!」

 

元太「榊の兄ちゃんの言う通り最後のは簡単だったな~」

 

針妙丸「海賊の魂は天に上るだから島で高いところにあるなんてね」

 

正邪「まぁ、地図見た限りここしかないもんな」

 

喜ぶ面々は正邪と風太、暇で付いて来た仁蔵を除いて向かう。

 

風太「神那殿。気づかれてますか?隠れながら僕たちを見ている者達に?」

 

正邪「ああ。あそこから見ている奴らのことだろ?」

 

小声で問う風太に正邪は目を歩美達に向けながら返す。

 

仁蔵「どうやらワシらを見張っちゅー感じみたいじゃのう」

 

風太「人質にする為にか、もしくはお宝の場所が分かった時に抑え込む為かのどっちかでしょうね」

 

正邪「どうする?片づけるか?」

 

確認する正邪に小太郎は分かりづらいが首を小さく横に振る。

 

小太郎「いえ、ここでは光彦くん達を危険な目に遭わせる可能性があります。どうやら我々だけを見ているようですので」

 

正邪「そうか…ん?」

 

小太郎のに納得してた所に着信音がしたので携帯を取り出して見ると伊御からメールが届いていた。

 

正邪「伊御からか……!」

 

中身を見て正邪は眼を見開く。

 

書かれていた内容はこうであった。

 

《やつらが蘭さんたちを狙っている。一度みんなで合流しよう。》

 

正邪「(やつらってトレジャーハンターの事か。こりゃ忙しくなりそうだな…!)」

 

小太郎「皆さん。天気が悪くならないうちに帰りましょう!場所探しなどは時と場合によりますが諦める事になるかもしれません」

 

呻く正邪の後に同じ様に覗き込んで違和感ない様に帰る様に誘導する。

 

元太「えー、せっかく最後の見つけたのにかよ」

 

光彦「けど、確かに美馬さんも言ってましたね。午後は悪くなると」

 

榊「続きは家に帰ってからしようぜ」

 

佳奈「そうそう!家でも暗号は解けるし!」

 

不満げな元太を押しながら一同は美馬の民宿に戻る。

 

その中で正邪は榊、真宵、バディアへと伊御から送られてきたの他のメンバーには伝えるなと言う一文を付け加えて送る。

 

なぜ3人だけかは、姫と佳奈ではすぐに暴露してしまう可能性がある。

 

京谷は咲が襲われた前科があるのですぐさま向かおうとしかねないのもあるからだ。

 

その咲も伝えないのは襲われた事で慌てて伝えそうな可能性があるからだ。

 

こう言う所は口が堅い3人にだけ伝えたのだ。

 

見た榊は眼を見開いた後に正邪を見てこくりと頷く。

 

正邪「(よし。蘭たちの方はバディアと咲が居るけど……なんだこの嫌な予感は)」

 

不安に感じながら正邪は自分たちを見ている方をチラッと見てから歩く速さを上げる。

 

 

 

 

バディア「(…やはりこちらを狙うか…)」

 

一方でダイビングショップで海の調子を見てる間待っててと言われて談話していた所にメールが来たので少し離れたバディアは内容のに顔を顰める。

 

バディア「(ここはなんとかして阻止しないといけぬな)」

 

内心そう考えながら戻ったバディアに園子が話しかける。

 

園子「あ、バディアさん。メールのはどんな感じだったの?」

 

バディア「ん~気を付けろよっていう注意メール」

 

蘭「気を付けろって……トレジャーハンターの事で?」

 

当たり障りなく返したバディアは不安そうに聞く蘭にあ、やべとなった。

 

正邪のメールで伝えるなと書かれていたのに思わず返してしまったのだ。

 

あんまり不安になる様な事をさせない為にと言う配慮もあったのだろうがバディアはこれからの知識から思わず返してしまったのだ。

 

園子「まぁ、蘭がいるんだし平気平気」

 

蘭「園子……」

 

バディア「(確かに彼女は強いが人質を取られたら…)」

 

楽観的に言う園子にバディアは内心困る。

 

特に園子は蘭のアキレス腱になりかねないのだ。

 

園子「それに海荒れそうだから気を付けろってのもあるんじゃない?」

 

咲「あ~確かに怪しい雲が見えてるわね」

 

だから深く考えない方が良いってと園子は笑う。

 

そこにお待たせ~~と馬淵が来る。

 

咲「海の状態はどうでしたか?」

 

馬渕「ごめーん、やっぱり海に出るのはちょっと無理ね。波が高すぎるわ」

 

謝る馬淵にざんね~~んと園子はぼやき、しょうがないよと蘭が宥める。

 

喜美子「その代わり、静かな所で磯遊びしましょう!」

 

咲「いいわねそれ」

 

バディア「磯遊びか……」

 

それも良いかなと蘭達も思っていると扉が開けて上平が入って来る。

 

喜美子「あ、上平さんおはよう!」

 

バディア「(…馬渕さんを連れに来たか)」

 

馬渕「渋い顔して……何かあったの?」

 

問われて口ごもりかけた上平だが意を決して口を開く。

 

上平「……千夏ちゃん。ちょっと来てくれないか?目暮警部が話を聞きたいって……」

 

馬渕「!」

 

要件に馬淵は眼を見開いた後に自身的に思い当たるのか思いつめた顔をしている。

 

バディア「(…やはりなにかあるようだが、知識から考えて、猟銃関連であろうな……)」

 

皆は楽しく遊んでてと言って上平に付いて行く馬淵を見送りながらバディアは内心呟いてこの先ので憂鬱になる。

 

 

 

 

一方の伊御達は民宿に戻り、ある人の元へと向かっていた。

 

龍馬「さて、僕達も宝が眠る場所について検討を付けとかないとね」

 

伊御「それにはあの人に話を聞かないといけないですね」

 

コナン「だね」

 

そう話しながら3人は巻き割をしている目的の人物、美馬へと近づく。

 

コナン「おじさん」

 

美馬「ん?……なんだね?」

 

作業を止めて振り返る美馬に伊御が一歩前に出る。

 

伊御「……あのトレジャーハンターたちが何故観光館からカットラスとピストルを盗み出したんでしょうか」

 

美馬「………」

 

そう切り出した伊御は美馬が無言のまま続ける。

 

伊御「トレジャーハンターなら目的は宝探しの筈。なのにあんなものを盗み出したってことは…それが宝物を見つけるのに必要だったのではないでしょうか」

 

コナン「だからあの人達、もう宝の隠し場所に向かってると思うんだ。おじさん、どこだから知らない?」

 

前を向き、しばし無言だった美馬は少しして再び伊御達を見る。

 

美馬「……どうしてそれをワシなんかに聞くんだ?」」

 

龍馬「あなたも薄々分かる筈かと」

 

伊御「もしかして美馬さん…トレジャーハンターだったのではないですか」

 

確認する美馬へと返した龍馬の後に伊御がそう聞く。

 

美馬「!…………」

 

目を見開いた後に美馬は考える様に目を閉じ……

 

カッ

 

薪割りに使っていた鉈を土台としていたのに刺して立ち上がる。

 

美馬「仮にわしが昔トレジャーハンターじゃったとしても宝のありかを知っているとは限らないのじゃないかね?」

 

龍馬「確かに()()()()()は知らないでしょうが()()()()と直接ではないですがあなたは昨日言っていた」

 

伊御「『ハイエナはエサのある所には集まらん……狙い通りの獲物とは限らんがな』と言うからには隠されている何かをあなたは知っているんですね」

 

コナン「どうなのおじさん?」

 

言い逃れは出来ないと締め括るコナンを見てから美馬は歩き出し、すれ違いざまに来なさいと呼びかけ、3人は美馬の後に従う。

 

一方で榊達は集めた暗号を見て唸ってる光彦達を見ていた。

 

光彦「う~~~~~ん」

 

佳奈「どういう意味なのかなこの数字」

 

床に並べたハサミで分けた暗号のを見ながら誰もが首を傾げる。

 

ちなみに最後の暗号の数字はどちらとも15で上が赤で下が青色であった。

 

光彦「なんで赤と青の二色に数字が分かれているんでしょうか…?」

 

正邪「とりあえずはさみで数字を一つ一つ分けたが問題が二つあるな」

 

灰原「ええ。一つは青と赤に数字が分かれている意味。そして数字そのものの意味」

 

腕を組んで呟く正邪に同意しながら灰原が問題について言う。

 

光彦「数字は番地じゃないでしょうか?この島の」

 

安直過ぎるんじゃないかと言う榊にですよねと光彦も撤回した後に足音に気づいて振り返ると美馬と伊御達に気づく。

 

つみき「伊御。戻ってたんだ…」

 

元太「そうだ!おじさんに聞いてみようぜ!」

 

針妙丸「おじさんならなんか知っているかもしれないね」

 

なら早速と榊達は伊御達に続く。

 

 

 

 

一方の馬淵が上平と共に出て行った後、園子は空気変えようと咲に話題を振る。

 

園子「そう言えばさ、咲って西原くんと仲良いわよね~」

 

蘭「あ、確かにそうだね」

 

咲「まあ長い付き合いだからね小さい頃からになるね」

 

へぇ~と園子は楽しそうに笑う。

 

園子「まるで新一くんと蘭みたい」

 

蘭「あ、そう言われると……」

 

咲「蘭さんと新一くんは昔からお互い名前で呼び合ってるんでしょ?京谷ったら最近は苗字の方で呼ぶのよね……」

 

ああ、あるあると園子はニヤニヤする。

 

園子「こりゃあ新一君と同じかもね~」

 

バディア「確かにそんな感じに見えるな」

 

茶化す様に言う園子にバディアも思っていたからか同意する。

 

咲「こうやって話してると少しムカムカして来たわ……ああもう京谷ったら……!」

 

ドガッ!

 

???「ぐあっ!?」

 

苛立った顔で思わず後ろに拳を振るうと何かに当たる感触が感じると共に悲鳴が起きる。

 

咲「へ?」

 

思わず振り返ると倒れた田山がおり、園子の後ろに近づこうとしていて咲の不意打ちに近い裏拳で倒れた田山に驚いた顔の松本の姿があって、前を見ると悲鳴を聞いたからか伊豆山がいた。

 

伊豆山「お、おい田山!?」

 

松本「大丈夫か…」

 

いきなりの事で注意が逸れた2人に蘭とバディアが動いた。

 

蘭「はぁっ!」

 

松本「がっ!?」

 

バディア「ふんっ!」

 

田山「ぐおっ!?」

 

気合の声と共に蘭は松本の胸元にパンチを叩き込み、バディアは田山に接近して無謀な顎を蹴り上げる。

 

それにより2人は意識を失って田山と同じ様に倒れる。

 

喜美子「ふ、2人とも凄い」

 

園子「ホントホント!」

 

咲「意外とあっけなく片付いちゃったわね…」

 

バディア「…そうだな」

 

「全く。使えないトレジャーハンターね!」

 

倒れ伏したトレジャーハンター達を見て呟いた所、悪態付いた聞き覚えのない声が響き渡ったのでどこからしたのか見渡して建物の屋上へと顔を向けると1人の女性がいた。

 

バディア「(ようやく出て来たか…転生者!)」

 

カチャ

 

???「おっと。変なことはしない方が良いぜ」

 

直後、身構えようとしたバディアの頭に何かが突きつけられる。

 

固い感触と状況から考えて銃しか考えられない。

 

そんなバディアの背に何時の間にかバディアと同じ位の背の少女がいた。

 

バディア「!」

 

咲「バディアさん!」

 

誰もが気づかずにバディアの背後を取っていたもう1人に驚く中でバディアは苦い顔で手を上げる。

 

転生者A「ふふっ。それじゃあ行きましょうか。女海賊の宝が眠る場所に」

 

トレジャーハンターの三人を鎮圧したバディアたち。

 

だが突如現れた転生者二人により状況は逆転してしまい大ピンチに…

 

果たして転生者二人の目的は?バディアたちの運命はいかに…!




龍馬「次回、『現れた者達』。物語もクライマックスに近づいて来たね」

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