人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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プロローグ

そこは死滅した世界、混沌の闇の中から無数の悪魔の眼光のみが見える領域。

 

人修羅と呼ばれる悪魔は同じ悪魔達を従え、彼方に見える光に向けて歩いていく。

 

アマラを統べる大いなる意思の代理ともいうべき大いなる神の光を目指して歩いてゆくのだ。

 

人修羅は光を憎悪し、アマラの秩序に憤怒した末に全てを破壊しようと企んでいる。

 

破壊の果てに全ての世界に自由をもたらすと悪魔の力をたぎらせながら力強く前に進む。

 

その時、響き渡るのは一発の発砲音。

 

それを合図にしたかのように悪魔達の前進が止まったのだ。

 

混沌の軍勢の前に立ち塞がるは赤きコートを身に纏うデビルハンターであった。

 

「……ダンテ」

 

人修羅は覚悟が籠もる眼差しを浮かべながらデビルハンターを見つめてくる。

 

ダンテが己の前に必ず立ちはだかると彼には分かっていたのだ。

 

「天使共を締め上げて聞き出したが、光と闇の最終戦争は人間の世界で行われるようだな?」

 

人修羅を試すようにしてダンテは銃口を向ける。

 

返答次第では殺す。

 

その決意にみなぎった瞳を人なる悪魔へと向けてくるのだ。

 

「天使と悪魔が踊っちまえば、外野の観客まで踏み潰されていく。お前はそれでいいのか?」

 

静かな静寂が辺りを包むが、混沌の悪魔達は怒りを表すようにして蠢いていく。

 

今にも行く手を阻む愚か者を破壊してやりたいと恐ろしい眼光を光らせてくるのだ。

 

不意にダンテは背後に気配を感じたのか視線を後ろ側に送ってくる。

 

そこには白いスーツを纏った金髪の老紳士が現れていたようだ。

 

「二千年前…私と魔界の覇権をかけて争った魔帝は我先に神を討たんと人間界に侵攻した…」

 

金髪の老紳士は魔帝ムンドゥスというかつての敵を懐かしさを滲ませた瞳で語ってくる。

 

しかしムンドゥスは自身の右腕とも言えただろう伝説魔剣士の裏切りに合い、封印されるのだ。

 

「おいおい、昔のツレの話しならオッサン同士でやってくれ。俺はまだ若いんだ」

 

軽口を叩きつつも銃口を向けたまま微動だにしないダンテに対して、老紳士は覚悟を試す。

 

「お前も父と同じ道を歩むか?今度は我々を前にして……」

 

「親父は親父、俺は俺だ。俺はデビルハンターだぜ?悪魔を狩るのが……俺の仕事だ」

 

覚悟を試されていると感じた悪魔狩人は二丁拳銃を同時に構える。

 

「さぁ、答えを聞かせてもらおうか、人修羅。お前はナオキか?それとも悪魔か?」

 

人修羅は迷いのない言葉を送ってくる。

 

その言葉には自分がおぞましい何かに成り果てた者だという自覚があった。

 

「俺は……悪魔だ」

 

返答を聞いた瞬間、二丁拳銃から猛火の如きマズルフラッシュが光る。

 

魔弾の雨が目の前の悪魔に向けて迫りくる。

 

それに対して瞬時に片手から魔力の光剣を生み出した人修羅がそれを振るう。

 

振るわれた光剣から熱波の衝撃波が巻き起こり、魔弾の雨を弾き飛ばすのだ。

 

睨み合う両雄は互いに小細工など通用しない相手なのだと分かっている。

 

混沌の悪魔達が雄叫びを上げながら怒り狂う。

 

障害となる悪魔狩人を喰らわんと騒ぎ立てるが、人修羅は両手を広げて悪魔達を制するのだ。

 

「邪魔を……するな」

 

悪魔達がいくら束になってかかっても犠牲が増えるだけだと人修羅は判断している。

 

彼は目の前のデビルハンターとは幾度も戦ってきた悪魔。

 

しかし何か別の悪魔としての力を隠して戦っていたという直感を彼は引きずっていたようだ。

 

ダンテの力には切り札がまだ残っていると彼は見抜いていた。

 

「大したもんだな人修羅、初めて会った時に比べりゃ桁違いってもんか」

 

「小細工は抜きだ、ダンテ。お前の真の力を俺に見せてみろ」

 

二丁拳銃をしまうと戯けるようにして両手を広げながら挑発してくる。

 

「いいぜ、だが安くはねーなぁ。お代は……お前の命を貰おうか」

 

ダンテは懐から2つのアミュレットを取り出して両手に持つ。

 

そのアミュレットを一つに合わせる時、ダンテの真の力が顕現するだろう。

 

「見せてやるぜ……これが俺のジョーカーだ!!」

 

2つのアミュレットが一つとなり、眩い光を放つ。

 

その光の中から現れたのは巨大な魔剣スパーダと呼ばれる武器。

 

魔剣士スパーダが残した遺品であり、巨大な刀身に骨や肉塊が合わさったような醜悪な武器。

 

魔剣を両手に握りしめるダンテが特大剣程もある武器を構える。

 

彼の体が赤黒い雷光を放ち、その姿が異形の悪魔へと変わっていくのだ。

 

「おお……その姿はッ!?」

 

金髪の老紳士はその姿を知っており、かつての伝説を語ってくれる。

 

二千年前、人々の平和が魔界の侵略によって砕かれてしまう。

 

だが1人の悪魔が正義に目覚め、闇の軍勢に立ち向かったのだ。

 

その者の名は魔剣士スパーダ。

 

戦いに勝利した彼は人間界に降臨し、命尽きるまでその平和を見守りながら伝説となった。

 

「伝説は繰り返す……再び我ら悪魔の前に立つか……スパーダ!」

 

混沌の悪魔達もその姿を知っている。

 

伝説の魔剣士スパーダとうり二つのその姿に戦慄し、どよめきの声を漏らす。

 

だが人修羅だけはその姿を見つめながら邪悪な笑みを浮かべていたのだ。

 

「出し惜しみしてたってわけかよ?舐められたもんだな…」

 

「さぁ、お互いに出し惜しみは無しだ。お前の最高のガッツを…俺に見せてみろ」

 

人修羅も最強のマガタマであるマサカドゥスの力を開放する。

 

全身から深碧の如き魔力を放出する人修羅が闇の空間を照らしていく。

 

両者が共に前に進みながら歩み寄る。

 

勝負を決めるのは互いの全力の一撃にかかっていることは分かっているのだろう。

 

「受けてみろダンテ……これが俺の力だぁーッッ!!」

 

両手を前に重ねながら全身の魔力を大地へと流し込む。

 

大地が巨大地震のように激しく揺れ動き、無数の亀裂が入り、光の粒子が噴き上がっていく。

 

「いかん……!」

 

金髪の老紳士は混沌の悪魔達に撤退の指示を出し、悪魔の軍勢は混沌の闇へと消えていく。

 

重ねた腕を頭上に持ち上げながら一気に左右に振り下ろされる時、極大の力が解放される。

 

「ジャッ!!!!!」

 

地平線の彼方において一つの光が輝く時、膨大な爆発とエネルギーが彼方にまで広がっていく。

 

その光景はまさに大地の母の怒り、その光景を例えるとしたら『地母の晩餐』しかないだろう。

 

全てが光に包まれていき、全てが滅びる。

 

だが、スパーダの息子の魂を滅ぼす力としては足りなかったのだ。

 

「うおおおおーーーーッッ!!!!!」

 

ダンテは怯まず、全身がボロボロになりながらも魔剣スパーダの突進攻撃が人修羅に迫る。

 

魔剣の刃が光の世界においてその体を貫く時がきてしまう。

 

「「おおおおぉぉぉーーーーッッ!!!!!」」

 

人修羅もダンテも全ての魔力を放出しながらぶつかり合い、その力が光の世界で拮抗する。

 

その時、ピシッ…とでもいうべき音が光に包まれた世界に生まれてしまう。

 

音と共に光の世界に無数の亀裂が入っていくのだ。

 

強大な魔力のぶつかり合いによって次元壁が砕けていく。

 

2人の悪魔は互いに違う世界へと流され、小さくなっていく光景を残す。

 

こうしてライバル同士の死闘が終わることとなったのだ。

 

「人修羅はアマラ宇宙の奔流に流されてしまったか…あの悪魔が流れ着く先の世界か……」

 

スパーダの息子であるダンテは魔界の奥底に流されていくだろう。

 

悪魔狩人とはいずれまた相見えるだろうことは金髪の老紳士には分かっていた。

 

その後のダンテは魔界の奥底に流れ着き、兄の形見を見つけるだろう。

 

兄であるバージルの刀であった閻魔刀の破片を見つけたダンテはその力を解放する。

 

破片の力によって次元の壁を斬り裂き、違う宇宙の人間界へと帰還を果たすのだ。

 

後に彼にとっては新しい出会いが待っている世界へと旅立つ。

 

悲しき別れとなった兄であるバージルが残してくれた息子、ネロとの出会いが待っている。

 

それはまた別の物語として進んでいくだろう。

 

そしてもう1人の悪魔である人修羅と呼ばれた少年の新たなる物語もまた、ここから始まった。

 




誤字脱字、表現の間違いなど多々あると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
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