人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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145話 失踪追跡者

12月1日。

 

尚紀が見滝原市に出張した際に巻き込まれた事件を解決し、神浜に戻ってきた頃。

 

神浜で暮らす魔法少女達の日常は不穏な気配が続く。

 

皆これからの神浜市がどうなっていくのか分からず、暗い空気が続いている。

 

そんな中、街の事よりも心配な問題を抱えている魔法少女が1人いた。

 

時刻は夜の22時を過ぎた頃。

 

街の空を飛んでいるのは魔法少女姿をしたかりんと、お供のジャックコンビ。

 

ランタンはかりんと並走しながら空を飛び、リパーはランタンの背中に捕まっていた。

 

目指す方角は南凪区であり、業魔殿を構えた高級ホテルであった。

 

「みんなと集まれる時間帯はもう…こんな時間帯しかないの」

 

「しゃーねーホ。学校帰りの寄り道は禁止されたみたいだし、夜中にコッソリ集会だホ」

 

「ケッ!規則なんぞ糞喰らえですぜ姐さん!堂々とたむろったらいいじゃないですか~」

 

「そうはいかないの。補導されたら…お祖母ちゃんに迷惑かけちゃうし」

 

「うっ…慈悲深い姐さんの御心を深く理解出来なかった発言をしちまって申し訳ねぇ!」

 

「いいの、怒ってないから。そろそろ業魔殿ホテルだから地上に下りるの」

 

人気のない場所に下り、変身を解除してホテルに向かう一同。

 

ホテル業魔殿はチェックインの門限もなく、深夜の時間帯でもナイトスタッフが働いている。

 

ホテル内のラウンジは一般客も利用する事が可能であり、24時間営業しているカフェがあった。

 

「集合場所はここみたいだけど…十咎先輩や水波先輩達は何処の席だろう?」

 

カフェに入れば、手を振りながら声をかけてくる人物達がいた。

 

「お~い、かりんちゃんこっちこっち~!」

 

オシャレなラウンジカフェの奥の席にはももことレナ、それにかえでがいたようだ。

 

「遅くなってごめんなさいなの」

 

「いいわよ別に。待ってる間にレナはデザート楽しんでたし」

 

「ふゆぅ~、レナちゃん深夜のデザートは確実にメタボるよ~」

 

「五月蠅いわね!食べた分は運動すればノーカンよ!」

 

「それと…出てきていいよ、かりんちゃんの後ろ側の悪魔さん」

 

かりんの背中側からひょこっと左右から顔を出してみる。

 

「深夜のホテルで美少女達とお茶!いいね~興奮し過ぎて通り魔したくなってくる!」

 

「この小さくて髑髏みたいなカボチャ悪魔…かりんの新しい仲魔なの?」

 

「おう!姐さんの懐刀といや~俺サマジャック・リパーのことだぜ~オッパイでかい姉ちゃん!」

 

「ちょっと!こいつセクハラ悪魔なんだけど!!」

 

「そうだホ。こいつは見ての通りの不審者悪魔であり、セクハラ悪魔であり、覗き魔悪魔だホ」

 

「テメェ!?そこまで言うことねーだろ!?」

 

「質が悪過ぎる変態悪魔じゃない!?」

 

「かりんちゃん…趣味悪いと思うよ~」

 

「ま、まぁ…ランタン君に比べたら困った子だけど、わたしの言葉には逆らわないから大丈夫」

 

「信じていいんでしょうね…?」

 

「ま、まぁ座りなよ。何か注文したいならメニュー表あるよ」

 

「大丈夫なの。深夜の飲み食いはあまりしたくないし…」

 

「……レナちゃん」

 

「う、五月蠅いわね!!乙女心をくすぐるカフェメニューが悪いんだから!!」

 

席に座り皆が向かい合う。

 

彼女達が集まってくれたのは、かりんの相談事についてのようだ。

 

「あれから色々探したけど…アリナ先輩、何処にも見当たらないの…」

 

「戸籍上は既に死亡扱いだからなぁ…警察や探偵も動いてくれるわけないし…」

 

「変な話よね…死体が残ってたんでしょ?魔法少女の死に際で、そんなのあるわけないわ」

 

「そうだね…私達は死んだら、円環のコトワリに導かれて…この世から消えちゃうし…」

 

「魔法少女のみんなにも同じことを聞いたら、おかしいって意見は全員一致してたの」

 

「だとしたら…やっぱり9月に起きた火災の時に…何かの事件に巻き込まれたのかも」

 

「アリナ先輩は…それ以前から体調不良を理由にして学校を休んでたの…」

 

「考えられるとしたら…その頃からあの嫌な女は何かに巻き込まれてたのかも?」

 

「レナちゃん!苦しんでるかりんちゃんに向けてそれはないよ!…怖い人だったのは認めるけど」

 

「うっ…ご、ごめんなさいかりん。レナ…言い過ぎたわよ」

 

「ううん、気にしてないから安心して」

 

「警察も当てにならないから、俺が方々飛び回って見たけど…街の何処にも魔力は見当たらんホ」

 

「だとしたらよぉ、もうこの街からは消えているって考えるのが自然じゃねーのか?」

 

かりんの表情が曇っていき俯いてしまう。

 

「リパー君の言う通りだとしたら…アリナ先輩は自分の意思で…この街から出て行ったの?」

 

「どうしてそう思うのさ?事件に巻き込まれたとか、誘拐されたとかの筋は?」

 

「何か…アリナの失踪について思うところがあるの?レナ達が聞いてあげるわよ」

 

かりんは語っていく。

 

神浜記録博物館でアリナの姿を見たのが最後であったと。

 

「……そんな辛い出来事があったんだね」

 

「わたし…アリナ先輩を傷つけたのかもしれない。あの時のアリナ先輩は…凄く苦しそうだった」

 

「変な問答をされたってのが気になるわね…」

 

「それに…いつもの先輩の態度とは違った時があったっていうのも気になるよぉ」

 

「そういう時が何度もあったの。アリナ先輩の口調とは違う…まるで別人の雰囲気を感じる時が」

 

「そういうのを見かけだした時期っていうのは覚えてる?」

 

「たしか…アリナ先輩のスランプを治してもらおうと、水名神社にお参りに行った日からなの」

 

「その時から…アリナに何かが起きていたのかもしれないわね…」

 

「わたしのせいなの…わたしがアリナ先輩を救おうとして…余計なことをしたから……」

 

「自分を責めちゃダメだよぉ!かりんちゃんは…大好きな先輩を元気づけたかっただけだし!」

 

「かえでの言う通りだ!自分を責めちゃダメだからな。アタシ達だけでなく…皆が味方だからさ」

 

「十咎先輩…水波先輩…かえでちゃん……」

 

涙ぐんできたかりんに向けてランタンは懐マントから出したハンカチを渡す。

 

「どうだ、かりん?アリナもいなくなったんだし…元鞘に戻るって道は?」

 

「ランタンから聞いたけど、姐さんはこの姉御さん達と組んでたんですよね?俺サマも賛成!」

 

「…お前はスケベが出来る魔法少女が増えるのが嬉しいだけだホ」

 

仲魔達の提案を聞いた時、アリナの去り際に言われた言葉が脳裏を過る。

 

――アリナはアナタに妥協するなと言った以上は…。

 

――選んだその道を貫く姿、アリナに見せてくれる日を…願っているカラ。

 

涙を拭いて顔を上げ、首を横に振る。

 

「…それは出来ないの。アリナ先輩と約束したの…マジカルかりんの道を妥協しないって」

 

決意の固い表情を浮かべたかりんを見て、ももこも頷く。

 

「かりんちゃんがそう決めたのなら、アタシ達はそれを尊重するよ」

 

「だけど忘れないで。レナ達はね、かりんの事はずっと大切な仲間だと思ってるから」

 

「私達が仲間として一緒に戦い合えた日の記憶は忘れてないよ!かりんちゃんは大切だから!」

 

「孤高の変身ヒロインだろうと、お助け人を呼んでくれてもいいんだ。いつでも駆けつけるよ」

 

かつての仲間達からの優しい言葉に涙腺がまた緩む。

 

「うっ…グスッ…みんな優しくて…最高の仲間で…ヒック…」

 

また泣き出してしまい、ランタンのハンカチで嗚咽を堪える姿を晒す。

 

しんみりした空気になってしまったのだが、ランタンが辺りをキョロキョロし始める。

 

「あれ?リパーの奴は何処に消えたんだホ?」

 

「えっ?そういえばあの小さな不審者…じゃない、リパーの姿が見えないよね?」

 

「退屈して先に帰ったんじゃ…おっと」

 

デザートを食べ終えて机に置いていたスプーンを床に落としてしまう。

 

拾おうとレナは身を屈めてみると…。

 

「あ……あぁ……」

 

机の下には座り込んでお花を楽しむ子供のような表情をしたリパーがいた。

 

「レナの姉御は水玉パンツ…ももこの姉御はピンクパンツ…かえでの姉御は……あっ?」

 

レナと目線が合う。

 

「こ…こ…このドスケベ悪魔ぁぁーーーッッ!!!」

 

顔を真っ赤にし、素っ頓狂な掛け声で蹴り足を放つ。

 

「ゴハッッ!!?」

 

蹴り飛ばされたリパーは、かりんやランタンが座る椅子に後頭部を強打。

 

靴跡がついた顔から星を出し意識昏倒。

 

「こいつ最低なスケベ悪魔じゃない!!ここで始末した方がいい気がするわ!!」

 

「だから覗き魔だと言ったんだホ。俺も賛成するホ」

 

「あは…はは…見られちゃってたのか…」

 

「かりんちゃん…やっぱり趣味悪いと思うよ~」

 

困った悪魔ではあるが場の空気が和らいでいく。

 

かりんの表情にも笑顔が戻っていき、下に転がっているリパーを摘まんで椅子に座らせた。

 

「こんな困った子だけど、場を明るくしてくれるの。辛い時には励ましてもくれるし」

 

「悪魔を引き連れた魔法少女かぁ…ヴィクトルさんの授業で教えてもらったけど…」

 

――かりんちゃんもさ…立派なデビルサマナーなのかもしれないよ。

 

「わたしが…デビルサマナー…?」

 

「俺は善行を積んで成仏するのを目的にしてるから、かりんを助けるんだホ」

 

「ぐっ…うぅ…姐さんは…俺サマの命の恩人……うぅ……」

 

「頼れる仲魔もいるし、かつての仲間のアタシ達もいる。だからさ…諦めないで探そうよ」

 

「十咎先輩……はい!なの♪」

 

ここはホテル業魔殿。

 

悪魔召喚士達が集う悪魔合体施設。

 

デビルサマナーと呼ばれた御園かりんが訪れる資格は十分ある。

 

そしてここはサマナーならば誰でも平等に商売を行う場所。

 

ダークサマナーが訪れようとも、ここでは平等なのであった。

 

────────────────────────────────

 

業魔殿内部でスタッフとして働く人物は八雲みたまである。

 

今日の彼女の表情には緊張の色が浮かんでいるようだ。

 

不安そうな姉の表情を見て、護衛役を務めるみかげも心配していた。

 

「叔父様…今日訪れるという悪魔合体希望者という人物達は……」

 

「ダークサマナー達だ」

 

「だーくさまなー?姉ちゃ、それって何?」

 

「…悪魔を崇拝するカルトサマナー。世界の金融・経済・政治の裏側で暗躍する…邪悪な者達よ」

 

「えぇ!?ヴィクトル叔父さん…そんな悪い人達と取引なんてしちゃダメだよぉ!」

 

子供にはビジネスの世界が分からないのか癇癪を起す。

 

溜息をつき、言葉を選びながら優しく諭す。

 

「みかげ君。吾輩の業魔殿は、悪者だから拒絶するという…えこひいきを行う場所ではない」

 

「どうしてさ!?悪者の役に立ったら…悪事に加担するようなものだよ!」

 

「もし…君の理屈を君たち東の住人達に当て嵌めたとしたら…何が起こる?」

 

「えっ……?」

 

「東の者に店の品を売ったらテロリストに加担する行為だ。お前達に売る品はない、出ていけ」

 

「あっ……うぅ……」

 

「単純な善悪二元論によって…こうも差別が極まってしまうんだ」

 

ヴィクトルが語る言葉は、ルミエール・ソサエティとビジネスをしたみたまにも当て嵌まる。

 

みたまも唇を噛み、俯いてしまう。

 

「店の品に罪はない、使う人間に罪がある。だからこそ吾輩は…カルト結社とも平等に取引する」

 

「ミィ…理屈は少し分かったけど…なんだか心が苛立ってくるよ…」

 

「正義だの悪だのといった概念に囚われ、自分が正義側なら…そこまで傲慢になれるのか?」

 

「……………」

 

「君の感じる気持ちこそが、今の神浜市を混乱の渦に導く…西側の差別主義者達の感情なのだ」

 

「…ミィ、少し席を外すね。頭を冷やしてくるよ…」

 

走り去っていくみかげの後ろ姿を二人は見送る。

 

溜息をつき、俯いているみたまに視線を向けた。

 

「君も気に病むことはない。君は優し過ぎる…だからビジネスの世界で苦しんでしまう」

 

「…叔父様は正しいと思います。でも、そのせいで多くの人に危害がもたらされると考えると…」

 

「その時は危害を加えた者を裁け。物を売った君が裁かれるべきではない。…だから恐ろしい」

 

「えっ……?」

 

「国際金融資本家である投資家達はビジネスマンという中立者だ。だから裁くことが出来ない」

 

「イルミナティの中核を成す者達ですね…」

 

「世界の戦乱にビジネスという形で加担し、旨味だけを吸い上げてしまう。マネーゲーマー共だ」

 

「合法的に世界を混乱させ…死をばら撒いて利益だけを吸い尽くすだなんて…」

 

「構造としては、ソマリア沖の海賊共を支援するマネーロンダリングと同じ。ギブ&テイクだ」

 

「まるで…株主を儲けさせるためだけに働く()()()()()()よ…。本当に私達は正しいんですか?」

 

「…イルミナティも吾輩も、そして君さえも…正義の感情だけを見たい者達からは…罵られる」

 

――人の不幸に寄生する…吸血鬼だとな。

 

震えるみたまの頭を優しく撫でてやるヴィクトルの視線が横に向く。

 

業魔殿の入り口方面から複数の足音が近づいてくる。

 

肩を震わせたみたまは通路の奥に視線を向けた。

 

「あの2人が……ダークサマナー達?」

 

歩いてきた長身の男は、カソックコートを纏うシド・デイビス。

 

もう1人は、後ろ髪を隠すようにトレンチコートを纏い、キャスケット帽子で頭部を隠す者。

 

顔はサングラスをかけ、ガムの風船を膨らませる行儀の悪さを周囲に晒す。

 

「お久しぶりでス、ミスターヴィクトル」

 

「やぁ、シド君。君と会うのは何年ぶりだろうな?」

 

「2年ぶりとなりますネ、お元気そうで何よりでス」

 

握手を交わし合う2人だが、ヴィクトルの視線がトレンチコートを纏う者に向けられる。

 

「見かけないサマナーだね?」

 

「私の弟子でス。今日はこの子の教育も兼ねテ、悪魔合体を行いに来ましタ」

 

「君ほどの人物に弟子入り出来るとはね。将来は有能なサマナーとなるだろう」

 

世辞の言葉もどこ吹く風か、膨らませた風船を口の中に戻して噛み続ける行儀の悪さ。

 

「申し訳なイ。私の不詳の弟子ハ、腕は確かなのですガ…素行が悪い者でしテ」

 

「フフッ、気にしてはいない。この子の悪魔全書も用意しなければな」

 

「寛大なお言葉、痛み入りまス」

 

お辞儀をしたシドが顔を上げ、みたまの方に視線を向ける。

 

シドの恐ろしい雰囲気に対し、怯えた表情をみたまは返す。

 

トレンチコートを纏う人物もサングラス内でみたまに視線を向けてきた。

 

「2年前には見かけなかったスタッフがいらっしゃるようですガ…魔法少女ですカ?」

 

「その通り。調整という特殊な力を持った子で、業魔殿で調整屋を営むことを許可した」

 

「調整…ですカ?魔法少女も悪魔合体のよう二、己を強化する方法をお持ちだったようデ」

 

「そのためここには魔法少女が頻繁に訪れるようになり、賑やかになったよ」

 

話しの内容を聞いていたトレンチコートを纏う人物は舌打ちを行う。

 

この人物にとって、神浜の魔法少女達が頻繁に訪れる場所は不味いのだろう。

 

「…そうですカ。我々サマナーにとってハ、関係ない話でス」

 

「では、サマナー達がお望みの場所に向かおう。それこそが本来の業魔殿の在り方だ」

 

ヴィクトルは2人を案内するかのように先導する。

 

シド達もついて行こうとした時、何かに感づいたような表情を浮かべたみたまが近寄る。

 

「ちょっと!?」

 

彼女は突然トレンチコートを纏う人物の左腕を掴み、無理やりポケットから手を出させた。

 

「…ソウルジェムを扱う調整屋の私は誤魔化せないわ」

 

無理やり出された左手の中指には、ソウルジェムの指輪が見える。

 

「貴女……魔法少女でしょ?」

 

不快な顔のまま舌打ちをして、みたまの手を払う。

 

「アリ……着易く触らないで」

 

「アリ…?」

 

「みたま君!!」

 

怒気を帯びた声を上げたのはヴィクトルだ。

 

「業魔殿は、利用者の個人情報を詮索する場所ではないと伝えた筈だぞ」

 

「で、でも叔父様……」

 

「二度と利用者を詮索するような真似をするな」

 

「す…すいませんでした…」

 

粗相をされ、機嫌を悪くした人物はガムを吐き捨てながら奥へと消えていく。

 

独り残されてしまったみたまだが、確信を持ったような表情を浮かべた。

 

「左手に触れた時…感じたわ。あのソウルジェムは、私が調整をしたことがあるものよ」

 

――まさか…あの子は……?

 

……………。

 

悪魔合体を終えたシド達は業魔伝を後にする。

 

ホテル内まで戻った時、ようやく彼女が口を開いた。

 

「…アリナ、この業魔殿って場所を利用していくのは嫌なんですケド」

 

「たしか二、魔法少女が出入りするような場所となってハ…ダークサマナーを嗅ぎ回られル」

 

「何処か他にもないワケ?デーモン・マージングすることが出来る施設は?」

 

「今まではありませんでしたガ…我々はついに見つけたんですヨ」

 

「何を見つけたワケ?」

 

「悪魔合体と呼ばれる邪教の秘術。そのルーツとなるのだろウ…()()()()()()をネ」

 

「なら、どうしてこんな場所を利用しに来たワケ?そっちを利用すればいいんですケド」

 

「…見つけたのは良かったのですガ、強敵が門番をしているようでス」

 

「強敵がゲートキーパーをしている?」

 

「我々が派遣したダークサマナー達は全滅。たとえ米軍を動かそうとも結果は同じでしょうネ」

 

「その強敵って…もしかしてデビルなワケ?何処にその館っていうのがあったの?」

 

「東京に隠されていましタ。我々も本腰を入れテ…あの館を手に入れなければなりませン」

 

――邪教の館をね。

 

「邪教の館……それが、デーモン・マージングのルーツ……」

 

「アリナ、その時はアナタにも動いてもらいますヨ。アナタの固有魔法が役に立ツ」

 

「フフッ、オーケー糞マスター。アリナが派手にぶんどってあげる」

 

――デビルを生み出す()()()()()()()……アリナ凄く欲しくなったカラ♪

 

ホテルの入り口から出た2人は、ホテル前に停めてあった高級セダンに乗り込む。

 

「ちょっと寄って欲しいところがあるんですケド」

 

「何故でス?アナタはこの街からハ、なるべく早く帰りたいと言っていたの二?」

 

「頼まれごとをされたワケ。直ぐ戻ってくるカラ」

 

車が走行し、南凪区を後にしていく。

 

向かった方角は大東区方面であった。

 

────────────────────────────────

 

「ハァ…ハァ……」

 

ボロボロの状態で大東区の団地街入り口に入ってくる少年がいる。

 

体は傷だらけであり、誰かに集団で痛めつけられたような姿を晒していた。

 

病院にも向かわず家に帰ろうとするのは、病院費用すら満足に払えない生活水準の証。

 

「ぐっ…うぅ……」

 

家まで歩き切れず、団地街に整備された公園ベンチに座り込んでしまう。

 

「畜生…父さんの薬を貰いに栄区に行っただけなのに…どこで東の住人だってバレたんだ?」

 

傷む腕を摩りながらも、彼の顔には悔し涙が浮かんでいく。

 

「東の者ってだけで極悪人扱いされる…。テロを行ったバカ共ばかりだけど…全員じゃねぇよ!」

 

ベンチを強く叩き、涙が零れていく。

 

「姉さんは行方知れず…収入を支えてくれる人がいなくなったから…中学卒業で働かないと…」

 

両手で顔を抑え、嗚咽を堪える少年。

 

この人物とは和泉十七夜の弟である和泉壮月(そうげつ)であった。

 

「ちょっと聞きたいんですケド」

 

目の前に誰かの気配を感じ、涙を袖で拭いて充血した目を向ける。

 

そこに立っていたのは、サングラスを外して素顔を見せるアリナであった。

 

「この団地街で和泉十七夜っていう高校生が住んでるホームを探してるワケ」

 

「姉さんの…知り合いの人…?」

 

「姉さん?アナタ、和泉十七夜のブラザーの和泉壮月なワケ?」

 

「そうだけど……」

 

「あっそ、丁度良かった」

 

ポケットから取り出したのは封筒である。

 

押し付けるようにして十七夜の弟に封筒を渡す。

 

「これは…何だよ?お前…行方不明になった姉さんが何処にいるのか知ってるのか?」

 

「和泉十七夜が行方不明?それは初耳なワケ。これを渡すよう頼まれただけだカラ」

 

「この封筒の中身は何なんだよ?触った感触だと…手紙っぽいけど」

 

「知らない。ホームに帰ってファミリーと一緒に読めばいい」

 

「愛想の悪い奴だな…分かったよ、預かっておく」

 

立ち上がろうとするが傷が痛み、座り込む。

 

「…派手に痛めつけられてるみたいだけど、ホスピタルには行かないワケ?」

 

「…うちは貧乏なんだ。稼ぎ頭の父さんが足を怪我して働けなくて…そのうえ姉さんまで…」

 

「……………」

 

「このぐらいどうってことないよ。金なら…俺が中学を卒業してから働いて稼ぐさ…」

 

無理やり立ち上がり去っていく後ろ姿をアリナは見送る。

 

黙り込んでいた彼女だったが、彼の背中に声をかけてきた。

 

「ねぇ、タフガイ」

 

「えっ?わっ!?」

 

投げ渡されたものを両手でなんとか掴む。

 

「えっ……えぇ!?」

 

渡されたのは…200万円分はあるだろう札束の塊。

 

「それも預かっておいた物。ネコババしようかと思ったけど…アナタ見てたら気が変わったカラ」

 

「ちょ、ちょっと待って!こんな大金…貰えないよ!!」

 

「確かに渡したカラ。バイバイ」

 

踵を返して去っていくアリナの後ろ姿を壮月は黙って見送る事しか出来ない。

 

彼女は歩きながらも、十七夜から手紙を受け取った昨日の出来事を思い出していた。

 

……………。

 

「神浜市に用事があるのだろう?これを…大東区団地街にある自分の家に届けて欲しい」

 

「これは何?」

 

「自分で書いたものだから法的な効果はない。それでも用意したかった…失踪宣告書だ」

 

「自分で書くってことは…思うところがあって出て行きます、探さないで下さいって書置き?」

 

「うむ。自らの意思で家を出て行くと宣言しなければ…家族は苦しい生活費を削ってでも…」

 

「…アナタを探してもらうために、探偵に依頼するしかなくなるワケね」

 

「黙って家を出て、七海の家で匿ってもらった。事件性が認められないなら…警察は動かない」

 

「探偵って、結構お金がかかるみたいだカラ」

 

「家族に迷惑はかけられない。だからこそ、自分の意思で…縁切りを行いたいんだ」

 

自らの意思で家族と縁を切る。

 

その苦しみならばアリナが一番よく知っている。

 

「……辛い選択をしたんですケド」

 

「遠く離れていても…縁が切れようとも…出来ることはある。ユダさんがそれを教えてくれた」

 

――家族は支え合い、助け合う。

 

――当然のことだ。

 

……………。

 

後頭部を掻き毟る。

 

「ハァ……アリナらしくもないこと、やっちゃった」

 

シドが乗る車の後部座席に乗り込み神浜市を後にする。

 

意識が散漫になっていたからアリナは魔力に気が付かなかった。

 

団地街の入り口付近の物陰に隠れていた魔法少女カメラマンの姿を。

 

物陰から出て来たのはカメラを持った観鳥令であった。

 

「…十七夜さんを探していたら、とんでもない人物を捉えることになるとはね」

 

写真データを確認する。

 

そこに映し出されたのは、サングラスを外したためにハッキリと分かるアリナの横顔だった。

 

神浜市が遠ざかる景色を高速道路からボーっと眺めるアリナの横顔。

 

らしくもないことをした自分に少し驚いているのだろう。

 

だが、それもまた御園かりんが慕うアリナの一面である。

 

「…ファミリーは支え合い、助け合う。当然のこと……か」

 

その言葉を自分が言う資格はないと彼女は感じている。

 

アリナは家族を喰らった人物なのだから。

 

「縁が切れても出来ることはある……そうだヨネ」

 

――失ってしまったら……出来ることなんて、ないんだカラ。

 

家族の大切さを誰よりも知っている。

 

だからこそ、アリナは餞別のために身銭をきってくれた。

 

今の十七夜を失いたくない感情が湧いてくる。

 

たとえ悪魔であったとしても、今の十七夜はアリナにとって、新しい家族なのだから。

 

────────────────────────────────

 

後日の夜。

 

ペントハウス内にあるアトリエ作業場には、黙々と絵を描くアリナがいる。

 

デッサンをしているようだが、モデルを担当している人物の姿とは…。

 

「……アリナ」

 

「何?」

 

「どうしても……()()()()()()()じゃないとダメだったのか?」

 

モデルとして動かない姿勢を見せるのは白いシーツで前を隠すだけの全裸な十七夜。

 

シーツだけでは背中側は隠せず、お尻のラインは丸出しだ。

 

「勿論。お情けでシーツを用意してやってるんだカラ、喚かない」

 

「は、恥ずかしいのだが……」

 

「モデルのバイト料金アリナが払うんだカラ、喚かず動かない。オーケー?」

 

「仕方ない…これも仕事だし、君には返しきれない恩もあるからな…」

 

「前々から思ってたんだヨネ。調整屋とアナタって…アリナ好みのパーフェクトボディだって」

 

「そうなのか…?八雲の体つきなら分かるのだが…自分の体はそれ程なのか?」

 

「自分を過小評価しない。言い寄ってくる男の数だけ、アナタのボディに値がつくワケ」

 

「まぁ…下心を持ってそうな不埒な男共は昔から事欠かなかったな…」

 

一時間程デッサンに集中していたが、筆を止めてしまう。

 

「ハァ……」

 

「どうした?」

 

「なんかね…今日は気分が乗らない。モデルの続きはまた今度お願いするんですケド」

 

「気分が乗らない?何か…思い悩むことでもあったのか?神浜市に出かけた時に…?」

 

席から立ち上がり大きな背伸びを行う。

 

大きく溜息をついた後、十七夜に向き直った。

 

「ねぇ、今夜はナイトプールと洒落込まない?」

 

「ナイトプールだと?そう言えばここには屋内温水プールがあったな。しかし…いきなりだな?」

 

「アーティストはオンとオフをしっかり切り分ける。迷った分だけエネルギーのムダ」

 

「フッ…メイド喫茶のオネェサマも同じ事を言っていた。よかろう、付き合おう」

 

2人は水着に着替えて4階を目指す。

 

4階には広々とした屋内プールが完備され、電動で開閉する天窓まで供えられている。

 

黒いビキニ姿の十七夜はプールと併設したジャグジーに入って体を癒す。

 

「ふぅ…小さい頃から、こういう豪邸生活に憧れたものだ。夢が実現するとはな…」

 

天窓の夜空を見つめていたが横のプールに向いてみる。

 

「水着も買っておいて正解だったでしょ?」

 

「うむ、そうだな。ところで君は泳がないのか?」

 

プールに浮かんでいるのは白いビキニを着たアリナ。

 

背もたれつきのフロートうきわに座り込み、同じように夜空を見つめていた。

 

「アリナはね、子供みたいにバシャバシャはしゃぐのは好きじゃないカラ」

 

「そうか…自分も静かに楽しみたいタイプだ」

 

「悪いんだけど、天窓の開閉ボタンを押してくれる?」

 

「お安い御用だ」

 

ジャグジーから出て入り口付近に供えられたボタンを押す。

 

天窓が開閉され、高層ビル屋上から見える美しい夜空が広がってくれた。

 

「12月の外気を入れるのは肌寒いが…それだけの価値がある美しさだな」

 

「…アグリー。アリナもそう思う」

 

ジャグジーに入って温水で体を温めつつ、2人は夜空の世界を堪能していく。

 

「…手紙を渡した時に、出会ったんですケド」

 

「誰とだ?」

 

「アナタのブラザー」

 

それを聞いた十七夜の顔に寂しそうな笑みが浮かぶ。

 

「……そうか。元気にしていたか?」

 

「……全身傷だらけだった」

 

「な、なんだと!?」

 

「大方、西の連中に痛めつけられたって思うワケ」

 

「外道共め…あの子が何をしたというんだ!?」

 

「横から聞こえたのは、ファーザーの薬を取りに行ってたとかなんとか…」

 

「たったそれだけなのに…それだけなのに!西側の奴らは…壮月を傷つけたというのか!?」

 

「ユダから詳しく聞いたけど、市議会が条例を急いでいるアパルトヘイトの内容を知ってる?」

 

「……知りたくもないが、知る権利はある」

 

「教育、就業、施設利用等の制限。東の住民はマイナンバーカードを携帯する義務が生まれる」

 

「マイナンバーカード…?」

 

「特定の個人を識別するICカード。これってね、使い方次第で…中国と同じ管理社会を作れる」

 

「中国と同じ…管理社会?」

 

「人民格付け制度。社会信用システムという名の…差別極まった管理支配」

 

「人民格付け制度?社会信用システム…?」

 

「想像して。行政にプライバシーが管理され、信用スコアのように点数が引かれていく未来を」

 

「ど…どうなるんだ……?」

 

「西側に反抗的な東住民はブラックリスト入り。公共交通機関さえ利用出来なくなる」

 

「そんな……そんな……」

 

「カミハマは最先端スマートシティ。AIカメラ監視で逆らう東住民は逃げられずに捕らえられる」

 

ジャグジーから音を立てるぐらいの勢いで立ち上がる。

 

「認めない……そんな差別条例は!!絶対に認めない!!!」

 

プールから出て行こうとする十七夜の後ろ姿に声をかけてくる。

 

「どうする気?」

 

「…この条例を推し進めようとしている市議会議員を探し出す」

 

「探し出して、どうするワケ?」

 

「フフッ……吸血鬼の自分に、それを聞くのか?」

 

「野暮だったんですケド。それと、ブラザーは心配いらない。アリナが餞別をあげたカラ」

 

「君は本当に…優しいな。今の自分にとって、心の友はもう……君だけだ」

 

十七夜の後ろ姿をプールから見送った後、アリナは再び星の世界を見つめる。

 

「あの怒りは…ラブのため。ファミリーへのラブ、フレンドへのラブ、地域へのラブ……」

 

家族、友達、故郷。

 

アリナは全て自らの意思で捨てている。

 

彼女にとっては弱さを意味するからだ。

 

「パワー…感じる、欲する、求める。自分に息づく無限のパワー。それに気づくと人生が変わる」

 

アリナの雰囲気が変わっていく。

 

「目標へ向かうんじゃないの。成功や成果を目指すんじゃないの。外へ向かわず、内から動くの」

 

うきわから下りてプールに立ち、星の世界を見つめ続ける。

 

「何かのために命があるんじゃないわ。命を表現するために世界があるの」

 

――あなたは命。

 

――あなたはパワーそのものなの。

 

「私も見ていてあげるから…派手に暴れてきなさいね」

 

今のアリナの姿を見た時、後輩のかりんはこう言うかもしれない。

 

私の知ってる先輩じゃないと。

 

────────────────────────────────

 

その日の業魔殿では、帰ろうとするかりんに向けて声をかけてくる人物がいた。

 

「ちょっといいかな?」

 

「えっ?えっと…貴女はたしか、新しいリーダーの子達と組んでる魔法少女の…」

 

「観鳥令。ジャーナリストを目指す卵な魔法少女さ」

 

「そうなの?わたしも漫画家を目指す卵なの。お互いに目標を達成出来るよう頑張ろうね」

 

「うん。ところで話が変わるけど、ちょっと時間いいかな?」

 

「別に構わないの」

 

応接ルームの方に進んでいく2人の姿を見つめているのは、アリナの安否を気にする梢麻友。

 

「かりんちゃん?観鳥さんと一緒に何処に行くんだろう?」

 

応接ルームでは令が持ってきていた写真を見せられるかりんの姿があった。

 

彼女の顔は喜びに包まれている。

 

「アリナ先輩…間違いないの!この男装みたいな服装をしてる人は…アリナ先輩なの!!」

 

「ちょ、ちょっと!声が大きいって!」

 

「あっ……ごめんなさいなの」

 

「十七夜さんを探していて偶然撮影出来たんだ。観鳥さんはアリナの魔力は知らないけど…」

 

「その人…魔力を感じたりはしなかった?」

 

「バッチリ感じたよ。あの魔力は間違いなく、魔法少女のものさ」

 

「生きてたの……やっぱりアリナ先輩は…生きててくれたの!!」

 

「だから!声が大きい……」

 

<<それは本当ですか!?>>

 

びっくりした2人が視線を向ける方向には喜びに包まれた麻友がいたようだ。

 

「ずるいです!そんなビックニュースなら私も聞かせて下さい!!」

 

「あ……ごめん。えっと、君はアリナ・グレイの……何?」

 

「えっ?ええと…その……アーティストとしてのグレイさんのファンです」

 

「そ、そっか…アリナって子の友達は、かりんちゃんぐらいしか知らなかったんだ」

 

「この写真…間違いないですね。でも、どうして男装なんてしてるのかな…?」

 

<<その子なら、昨日ここに訪れていたわ>>

 

さらにびっくりした3人が視線を向ける方向には、腕を組んだみたまが立つ。

 

「アリナ先輩が…業魔殿に来ていたの!?きっとわたしを探しに来ていたの!」

 

「…違うわ、かりんちゃん」

 

「えっ…?」

 

「…言いにくいけれど、これは貴女も知るべき問題。だって貴女は…悪魔と関わる者だから」

 

近寄ってきたみたまがかりんの前に立ち、真剣な眼差しを向けてくる。

 

「アリナはね……魔法少女として生きるのは、もうやめたみたい」

 

「どういう…ことなの?」

 

「今のあの子は…悪魔を崇拝するカルトサマナー。…ダークサマナーなのよ」

 

みたまが言った言葉を飲み込めなかったのか、かりんは両目を瞬きさせるばかり。

 

「どういう…ことなの?アリナ先輩が…悪魔を崇拝する…カルト……?」

 

「どういう事なんですか、みたまさん…?」

 

「グレイさんの身に…何があったんですか?」

 

「一緒に来ていたのは、アリナのマスターとなるサマナー。彼はね…恐ろしい秘密結社の者なの」

 

「恐ろしい…秘密結社……?」

 

「こんな事を言うと、頭のおかしい陰謀論者だと馬鹿にされると思うけど…聞いてくれる?」

 

「う…うん……」

 

みたまは語っていく。

 

世界を代表する秘密結社の存在について。

 

「フリーメイソン…?イルミナティ…?聞いた事もないの…」

 

「かりんちゃんと同じくです…」

 

「観鳥さんは…都市伝説番組で聞いた事はあったけど…実在してるなんて思わなかったよ…」

 

「悪魔崇拝を行う秘密結社は多くのダークサマナーを抱えている。業魔殿の客でもあるの」

 

「それじゃあ…アリナ先輩は…悪魔を使役するために…ここに訪れてたの…?」

 

「彼女からは拒絶されたから、あの子が何を目的にして動いているのかは分からないわ…」

 

「グレイさんが…秘密結社の一員になっていた?それじゃあ、あの火事は一体…?」

 

「分からない…全てはアリナを捕まえて吐かせる以外に確認する方法はないわ」

 

3人がかりんに視線を向ける。

 

喜びに包まれていた表情が一転し、不安と恐怖に塗り潰されたような表情に変化。

 

震えていたが、それでも決意を示す瞳をしていた。

 

「わたし…ここでアリナ先輩を待つの!」

 

「かりんちゃん……」

 

「アリナ先輩がサマナーになったのなら、またここに来るの!その時にわたしが問い質すの!」

 

「それしか…彼女を探す方法はないと思います」

 

「観鳥さんも捜索に協力してあげたいけど…行方不明の十七夜さんの捜索に今は全力を尽くすよ」

 

「ありがとう、令ちゃん。今日も家に帰って着替えたら合流するから」

 

「了解、みたまさん。いつもの場所で待ってるからね」

 

令とみたまは去っていくが、かりんと麻友は不安な表情のまま立ち尽くす。

 

「これから…どうなっていくの?神浜の街だって大変なのに…グレイさんまで……」

 

「それでも…それでも…希望は捨てたくないの!」

 

「かりんちゃん……?」

 

「わたしはマジカルかりん。人々を救う正義の変身ヒロイン…だから、希望を捨てたくない」

 

「希望を捨てない道も…かりんちゃんの大好きな漫画のヒロインの道なんですね」

 

「そうなの。真似してるだけだけど…それが極致に達したら本物になるって…」

 

――尊敬するアリナ先輩から…教わったことがあるから。

 

大切な人達の行方を決して諦めない失踪追跡者達。

 

いずれ彼女達の元には、その行方人が現れる日がくる。

 

その時に彼女達は耐えられるのだろうか?

 

大好きだった人達の変わり果てた姿を。

 

神浜市の魔法少女達に向けて襲い掛かる試練は続く。

 

その先駆けとなる者がもう直ぐ神浜の街に訪れるのであった。

 




アリなぎCPの続きと言わんばかりに書いてしまった。
すまんな、画伯なかりんちゃん(汗)
次回は、原作まどマギ闇堕ちヒロインさやかちゃん展開。
この世界って守る価値あるの?状態に堕ちた十七夜さんをお楽しみください。
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