人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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146話 悪夢の再会

神浜市に起きた悲劇、東地区から発端を起こした左翼テロリズム。

 

その爪痕は未だに大きく残されており、西側と中央の経済は大きく麻痺している。

 

犠牲者を多く出した西の住民達は怒り狂い、東の者を見かけては襲い掛かっていく地獄が続く。

 

その規模は膨大であり、神浜市警だけで対処など不可能なせいで見殺しにされるも同然である。

 

現在、住民達の強い要望によって生み出されようとしている条例がある。

 

その条例の内容こそアパルトヘイトそのものなのだ。

 

行政の目的とは市民に安全を保障すること。

 

こんな大義名分を振りかざせば国民の基本的人権など容易く踏み躙れる。

 

自由民主主義国民だと言いながらも簡単に全体主義独裁を受け入れる愚かな民族性。

 

疑うこと、調べて考えること、和を乱してでも周りを批判する姿勢を完全に忘れている。

 

大多数の日本人の姿であろう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿だった。

 

「どうして…どうして私が政治運動をしてはいけないのですか!?」

 

声を張り上げる人物は七海やちよである。

 

彼女が怒声を上げているのは所属しているモデル事務所の社長に対してだ。

 

「…有名人の政治発言が、どれだけSNSで炎上するのか知らないのか?」

 

「知ってます!それでも叫ばなければ…この街の市議会で最悪の条例が生まれてしまう!」

 

「君には関係のない話だ。モデル業に専念する事だけを考えなさい」

 

「なぜですか…?私だって神浜の住民です!街のことで声を上げる権利はあります!」

 

「君の勝手な発言によって生み出される事務所クレームの対応をさせられる者達の事も考えろ」

 

「…ご迷惑をお掛けするとは思います。ですが、私だって神浜の一市民なんです!」

 

「では、君はモデルの仕事をやめて一市民に戻る覚悟があるという事かね?」

 

「そ…それは……」

 

「所属事務所は違ったが、水名モデルを売りにしていた阿見莉愛君の事は知ってるか?」

 

「はい…あの子は先の神浜左翼テロで水名の者として世間からバッシングを浴びて…」

 

「モデルを引退に導かれた。これが政治だ…政治に関わろうとすれば盛大な火の粉を浴びる」

 

「それでも…それでも私はこの条例案には反対です!お願いします…発言させて下さい!!」

 

愚か者を見るような眼をした社長は腕を組みながら睨んでくる。

 

「では、私のモデル事務所は君との契約を解除させてもらう」

 

やちよの背中に氷柱がねじ込まれたかのように震え上がる事態こそ、事実上の解雇通告である。

 

「君程のモデルであろうとも…私も経営者だ。モデルよりも事務所の繁栄を優先させる」

 

「あ……あぁ……」

 

先程の強きな態度が一転、まるで嘘だったかのように怯えきった姿を晒す。

 

「君は手放したくない売れ筋商品。だが…探せば君の代わりなど、いくらでも見つかるのだ」

 

やちよの脳裏に浮かぶのは魔法少女に契約してまで生き残ろうとしたモデル世界。

 

ここでモデル業を引退させられたら、何のために魔法少女になったのか分からなくなる。

 

「これが資本主義社会というものだ。考え直して大人になれ、やちよ君」

 

震えきったまま、やちよは深々と頭を下げてしまう。

 

「……すいませんでした、社長。出過ぎた事を…口にしました」

 

「それでいい。出過ぎた杭は打たれると理解出来た君は()()()()()()()()に成長出来たわけだ」

 

――()や絆、協調性を重んじ、周りに迷惑をかけない者こそが美しい日本人の在り方だ。

 

社長室を出て行くやちよは廊下を歩きながらもその顔つきは怒りに染まっている。

 

「何が美しい日本人よ…何が和よ…。そんなの…()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

怒りのまま歩いていたが立ち止まり、ようやく理解出来た表情を浮かべる。

 

「…今の社長の姿がきっと、魔法少女裁判を行った時の…私の姿だったのよ…」

 

他人の悪い部分なら簡単に見つかるのに、自分の悪い部分になると全く見えなくなる。

 

自分への自尊心と、自分の生き方にプライドを持つ者達なら猶更だ。

 

人の欠点の見える者は、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

これは七海やちよ達だけでなく、嘉嶋尚紀や常盤ななか達にも言えることなのだ。

 

「常盤さんは私達から村八分にされる恐怖があったはずなのに…私を勇敢に批判してくれた…」

 

自分の愚かさにも気づいたやちよの瞳から涙が浮かんでいく。

 

他人の悪徳を見て、自分の悪徳に気づく事こそ()()()()()()()()()()()()という格言である。

 

「ごめんなさい…常盤さん…私も貴女のような勇気があれば良かった…でも、ダメだった…」

 

自分に自信が持てなくなった彼女は両膝が崩れて膝立ちとなる。

 

「ごめんなさい…みふゆ、鶴乃、かなえ、メル…わたし…こんなにも弱虫な人間だった…」

 

モデル仲間達が彼女に手を差し伸べるが、その手を掴む気力は今の彼女にはない。

 

中国の思想家であり哲学者の孔子はこんな言葉を残す。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

和とはすなわち、自らの主体性を堅持しながらも他と協調すること、それが君子の作法と説く。

 

それに対して同とは、自らの主体性を失って他に妥協すること。

 

およそ君子の作法ではなく、小人のすることだと説いた。

 

 

12月3日頃、神浜市役所本庁舎の前では極少数ではあるがデモを行う西側民衆が集う。

 

議会におけるアパルトヘイト条例の審議に対してデモ活動を行う若者達が声を張り上げる。

 

偏向報道ばかりする日本のメディアまで珍しくも集まり、デモを撮影している。

 

周囲は警官隊が並ぶようにして警備し、デモは粛々と行われていたようだ。

 

<<差別条例はんた~い!!>>

 

<<差別条例はんた~い!!>>

 

差別反対のプラカードを掲げる皆が一生懸命声を上げる。

 

うら若い乙女の声を張り上げている中には私服姿の梓みふゆもいるようだ。

 

隣には鶴乃やかなえの姿もあり、他の魔法少女達も何名かは私服に着替えて参加している。

 

「…方々を当たりましたが、この条例に反対してくれた人達はあまりにも少なかったです…」

 

「私も頑張ったんだけど…それでも皆…鬼のように怒りだして…手に負えなかったんだ…」

 

「それでも、これだけの人を集められたのは…みふゆや鶴乃が皆に声をかけたからだよ」

 

「かなえさん…私達はあのテロの責任を負ってるんです…」

 

「みふゆや鶴乃が背負う事もないだろ…?」

 

「私達ね…あの会議場で東側の子にこう言われたの…」

 

――差別をよくないと思う西側の人達は西側を変える努力をしましたか?してませんよね?

 

――貴女達だって、私と同じ様に()()()()()()()()()()()です!

 

「私は水名で暮らしてきました…小さい頃から周りに合わせてばかりで…何も言えなかった…」

 

「私も常連さんを逃したくないから…東の陰口を叩く人を見ても…見て見ぬフリをしたよ…」

 

「…過ちは繰り返しちゃダメ。あたしもさ…東の嫌われ連中は…自分と重なって見えてたよ」

 

「メルやみたま、月咲や十七夜、それに大勢の東の人達の未来を今度こそ守ってあげないとね」

 

「傍観者は…もうやめます。今日来られなかったやっちゃんの分まで、私が声を上げますね」

 

<<なんて素敵な子供達なの~!アタシ…感動しちゃったわ~!>>

 

素っ頓狂でオネエな叫びが聞こえた事で一同は振り向く。

 

「この人は…?」

 

「かなえさん、この人が今日のデモの届け出をしてくれた代表なんです」

 

「初めまして♡アタシは東京からこの街に来て、メイド喫茶を切り盛りしている店長さん♪」

 

「もしかして…十七夜がバイトをしてた場所の?」

 

「そうよ。あの子からずっと聞かされてたわ…東の住民がどれ程の仕打ちを受けてきたのか…」

 

「店長さんは十七夜の味方なんだ?」

 

「モチのロンよ~♡だからね、あの子が帰ってくる街に差別条例を敷かれるなんて許せない!」

 

「元気いっぱいな店長さんだ♪ふんふん!私も声を上げちゃうよ~!」

 

差別反対と皆が声を上げているが、周囲を行きかう人々からは野次の叫びも聞こえてくる。

 

「気にしちゃダメ!()()()()()()()()()()()()()()()なんて…こんなくだらない事ないから!」

 

<<その通りです、由比さん>>

 

「へっ…?あっ、ななか!それにかこにあきら…美雨も来てくれたの!」

 

彼女達の応援に来てくれたのは常盤組の面々であろう。

 

「遅れちゃってごめんね。ボク達も方々声をかけてたから…うわっ!?」

 

いきなり抱き着く大型犬な鶴乃に対して、足を踏ん張りながらあきらは支えてくれる。

 

「常盤さん、来てくれて嬉しいです。いつも一緒におられるこのはさん達は…?」

 

「…申し訳ありません。声をかけたのですが…あの姉妹は味方をしてくれません…」

 

「えっ…このは達は来てくれなかったの?それに一緒にいるささらや明日香も見えないけど?」

 

「…あの人達は東のテロの犠牲者達です。明日香さんも…気持ちに整理がつかないそうです」

 

「あっ…そうだったね…」

 

「責めてやるのはやめるネ。私だて蒼海幇の人達に犠牲者が出てたら…気持ちは同じだたヨ」

 

「個人よりも社会を優先するって…本当に難しいです。皆に議論教育はしてるんですが…」

 

「かこさん…エゴは消えないものです。怒りを抱えた者達との話し合いは成り立ちません…」

 

()()()()()だって…尚紀さんから聞きました。決められたやり方に当て嵌めてやらないと…」

 

「ネットで見かける煽り合いや、押し付け合いの罵倒合戦のような光景にしかならないネ」

 

「あの子達とは怒りが冷めた頃に話し合います。微力では御座いますが、私達も頑張ります」

 

「今日は思いっきりボク達は叫ぶよ!道場での掛け声レベルで大声出すからね!」

 

ななか達も差別条例反対と声を上げていく。

 

勇気づけられたみふゆ達も周りの野次に負けないよう続くが、野次の規模が大きくなる。

 

<<裏切り者め!!>>

 

<<テロリスト共の味方をするな!!>>

 

<<見て!あの跳ね毛頭の子…水名の呉服屋の子よ!!もうあそこで買わないから!!>>

 

<<あの子も知ってるぞ!万々歳の子だ!最低な味の店なら、娘も最低だな!!>>

 

野次の罵倒規模が大きくなっていき、みふゆと鶴乃は顔を青くしながら震え抜く。

 

警官隊が並んでいるが野次を飛ばす民衆達が暴れ出さない限りは無視を決め込むようだ。

 

「あいつら…!!」

 

かなえが動こうとするが常盤ななかが肩を掴む。

 

「あれが…古来から続く日本人の姿なんです…」

 

「えっ…?どういう事なの…?」

 

「民衆が本質的思考をするのを恐れたのが武士達です。江戸の五人組連座制を知ってますか?」

 

「いや……知らない」

 

「治安維持と年貢徴収の為の連帯責任制度… 相互監視と密告の為に利用されて民衆は腐敗した」

 

「相互監視と密告社会か…連帯責任を課せられないよう世渡りするには…」

 

「何も知らない馬鹿を装う。権力に降伏し、譲歩の慈悲を貰うのが()()()()()()()()になった」

 

「あたし達日本人は…そんな時代の頃からの悪癖が染みついてたんだね…」

 

「時代劇ではいと言わずへぇ、というのは卑屈さの表れ…()()()()()()()()()()()()()()です」

 

「上に逆らえないから下を虐める…この光景がそれを物語ってる…無責任過ぎるよ」

 

「季節や文化は美しい国ですが…歴史を知れば知る程…恥ずかしくなっていく…」

 

「変えていかないとね…そんな社会をさ…」

 

野次馬の方に意識を奪われたせいで警戒心が鋭いかなえとななかは気づいていない。

 

「えっ…?」

 

みふゆの隣でプラカードを持っていた男が走り出す。

 

「ちょっと!?」

 

鶴乃の静止も聞かず、走り込む先にいるのは警官隊。

 

市役所本庁舎ビルの市長室から下の景色を見つめる新市長は邪悪な笑みのままこう告げる。

 

「やれ」

 

男はプラカードを振り上げながら突撃する。

 

「ウォォーー!!差別条例はんたーーい!!」

 

あろうことかプラカードで警官を殴りつけてしまう。

 

「貴様!?公務執行妨害だぞぉ!!」

 

取り押さえようとする警官に目掛けてさらにプラカードで殴りつける。

 

「オラァ!!邪魔すんじゃねぇ!!差別主義者共の味方をするポリ公なんぞに屈するかぁ!!」

 

「貴様ーっ!!公務執行妨害で逮捕だ!!」

 

地面に取り押さえられていく男を顔を青くしながら見つめる事しか出来ない魔法少女達。

 

後ろの騒ぎに気が付いたななかとかなえも顔を青くする。

 

「ま…まさか…この手口は!?」

 

「この団体を徹底的に調査しろ!!」

 

「お前が代表だな!!」

 

「えぇ!?ア、アタシは暴れた男とは関係ないわよ!!」

 

「うるさい!!署まで来てもらうぞ!!」

 

取り押さえられた男と同じようにして十七夜が世話になった店長が逮捕されてしまう。

 

「違うわ!!アタシは無実よ…無実なのよーーーっ!!」

 

デモの一人が暴れた光景を見た野次馬達もヒートアップしていく。

 

<<見ろよ!!穏健派を気取っていたって、東の暴力主義者と変わらねーぞ!!>>

 

<<あいつら東の回し者なのよ!!>>

 

<<裏切り者め!!西側の面汚し共だ!!>>

 

<<きっとあいつらもテロの時に街を破壊したに違いない!!許せねぇ!!>>

 

<<叩き潰せーーっ!!>>

 

野次馬達が暴徒となる勢いになっていくが、周囲を固めた警官達が押し留めていく。

 

<<デモを解散しなさい!我々の誘導に従い、速やかにデモを解散しなさい!>>

 

パトカーが集まりだし、デモは無理やり解散に追い込まれてしまう。

 

パトカーに誘導されながら去っていく彼女達の表情は悔しさで引きつっている。

 

「…やられました」

 

「ななか…あの騒ぎが何なのか…知ってるの?」

 

「公安警察共がよく使うデモ潰しの手口です…双頭の鷲作戦…日本でいう()()()()()()です」

 

「公安警察が…デモ活動を潰すのですか!?」

 

「矢部政権の頃から売国政策を批判するデモ活動は公安警察に潰されたと聞いておりました…」

 

「まさか…今日私達のための警護を務めていた警官達は…?」

 

「恐らくは公安警察でしょう。私達はまんまと嵌められたというわけです…」

 

「そ、そんな…メディアが撮影に来てたんだよ!?私達…どうなるのさ!?」

 

「あれも仕込みだと思われます。全てはアパルトヘイト条例反対の声を消すために…」

 

恐怖で体が震える鶴乃は青い表情をしたまま空を茫然と見つめながらこう呟くだろう。

 

「お父さん…やっぱり日本は狂ってる…()()()()()()()()()()()()()()()…」

 

絶望に打ちひしがられるのは西の魔法少女達だけでなく、東の魔法少女達も同じであった。

 

────────────────────────────────

 

次の日の夜。

 

工匠区で待ち合わせをして西側へと捜索に向かう人物は私服姿の八雲みたまと観鳥令。

 

2人はとても暗い表情をしながら昨日の話をしているようだ。

 

「…昨日のニュースを見た?」

 

「…ええ。デモの暴動ニュースでしょ?」

 

「あんなの絶対やらせだよ!だけど証拠がないんじゃ誰も信用してくれない…」

 

「あれが西側のやり方なのよ。東側に味方をするなら西側の人々さえ排除する…」

 

「放送されたニュース内容は画一化されたようにデモを悪者にしてる…何が報道の自由だ…」

 

「……日本のメディアにさえ、私達は見捨てられてるのよ」

 

「みたまさん……」

 

参京区に入る橋の歩道を歩いていたが、橋を渡り切る前にみたまが立ち止まってしまう。

 

「……ねぇ、令ちゃん」

 

低い声を上げたみたまに気が付き、令は後ろを振り向く。

 

「この世界って……()()()()()()()()()

 

突然の発言に対して令の顔に冷や汗が浮かぶ。

 

暗い夜道の街灯に照らされたみたまの瞳は絶望を感じ始めているように濁っている。

 

「いきなりな…発言だね?急にどうしたのさ…?」

 

「私は願った、この街に呪いあれと。今思えば…この街の惨状も願い通りよね…」

 

「ち、違うよ!みたまさんは悪くない!!魔法少女は夢と希望を叶える者達さ!」

 

「…それは世界を呪った調整屋じゃない。希望を紡ぐ貴女達こそが報われるべき…なのに…」

 

――希望を願った東の子達まで…世界から呪われていく。

 

その呪いを否定する言葉を令は思いつかない。

 

「貴女達は誰かの幸せを叶えた。なのにそれと同じぐらいの絶望が…世界からもたらされる…」

 

「希望と絶望は…()()()()()()()()()…?」

 

「貴女達は何のために戦ってきたの?命をかけて人々を守ってきたのに…人々から虐待される」

 

みたまのソウルジェムの指輪から穢れの光が浮かんでいく。

 

「教えて…今直ぐ貴女が教えて。こんな醜い人間共を守る理由を……教えなさいよ!!」

 

彼女の表情はテロの時に傷ついた水名生徒を罵倒した時と同じく憤怒の表情をしている。

 

「やめてくれ!!嘉嶋さんとの約束を忘れたのか!!」

 

「えっ……?」

 

怒りの表情が解けたみたまは茫然としながら俯いてしまう。

 

「しっかりやれって言ってくれただろ!頑張らなくていいって…言ってくれただろ!!」

 

「私……わたし……」

 

「嘉嶋さんが語った言葉を思い出して!疑う事も大事だけど…信じる事も大事だって!!」

 

「尚紀…さん……」

 

「あの人も今のみたまさんみたいになった!あの人にもう…繰り返させちゃダメなんだ!!」

 

令の必死の叫びがみたまの体を震わせる。

 

暫く震えていたが、顔を真っ直ぐ令に向けてくる。

 

「令ちゃん……」

 

みたまが言葉を出そうとするが横は道路であり、無数の車が往来するためよく聞き取れない。

 

「私ね……」

 

鈍化した世界。

 

令の後ろ側から走ってくる一台の車の窓が開き、何かを外に向けてくる。

 

「間違って……」

 

次の瞬間、突然の激痛に襲われてしまう。

 

「あぐっ!!?」

 

みたまは片膝をつきながら左手でおでこを抑え込む。

 

「みたまさん!?」

 

令が額を抑え込んだ手を見れば酷い出血が滲んでおり、すれ違う時に攻撃されたようだ。

 

顔を道路に向けるが通り過ぎていった車の姿はもう見えない。

 

「痛い……いたい……イタイ……」

 

「酷い傷…パチンコ玉のようなもので撃たれたんだね…」

 

涙を流しながら座り込む彼女は怯え切った表情をしている。

 

「待ってて、直ぐに回復魔法を……」

 

伸ばしてきた令の手は叩き落とされてしまい、涙ながらに罵倒してくる。

 

「嫌…いや…もう西となんて関わりたくない!!私の事は…放っておいてぇ!!」

 

両手で頭を抱え込み、蹲ったまま泣き喚き続ける八雲みたま。

 

令は道路に視線を向けたまま怒りの顔つきになっていく。

 

「また…車のナンバーを残せなかった…。何がジャーナリストだ…観鳥令は失格者だぁ!!」

 

両拳を橋の手摺に叩きつけてへこませた後、震えた令の体も蹲ってしまうのだ。

 

その頃、橋の近くにあるビルの屋上では一部始終を見つめていた少女がいる。

 

黒のダウンと白のニットトップスの上着を纏い、紺色のスカートを纏う人物である。

 

「……月が綺麗だな」

 

彼女の視線の先には夜空に輝く月の光が彼女を照らす。

 

「こういう夜は無性に……血が見たくなる」

 

月に照らされた彼女の影が蠢き、無数の蝙蝠達が舞う。

 

「ハッ…!?」

 

恐ろしい魔力を感じ取った令は後ろに振り向いて夜空を見上げる。

 

川を高速で飛び越えていったのは無数の蝙蝠の群れであろう。

 

「あれは…一体…?」

 

その頃、みたまを襲った車は工匠区を迂回しながら栄区を目指す。

 

改造エアガンで次々と東の人々を撃ちながら車内でゲラゲラと嘲笑い続ける。

 

「ハハハ!()()()()って本当に気持ちがいいよな~♪」

 

「FPSシューティングよりも興奮するぜ!悪者の東連中なら気兼ねなく撃てるってもんよ♪」

 

「そうそう!俺達の武勇伝を聞きたがる西の被害者達は大勢いるだろうぜ~」

 

「泣いて感謝されたりして?()()()()()()()()()()()()()()()()ぜ~!」

 

栄区に入る橋を走行していた時だった。

 

「えっ…?」

 

運転していた男が横を向くと猛スピードで迫りくる黒い影が現れる。

 

「ヒィィィーーーッッ!!?」

 

無数の蝙蝠が車に目掛けて突撃し、窓ガラスを突き破って中に侵入してくる。

 

車の側面にまで体当たりしてきた事で車を横転させたようだ。

 

<<ギャァァァーーーーッッ!!!>>

 

ひっくり返った車内では地獄の光景が広がっている。

 

全身に喰らいつく無数の蝙蝠が血を吸い上げ、襲撃した男達がミイラのようになっていく。

 

絶命するまで血を吸った蝙蝠達が空高く飛び立ち、人の形へと変化する。

 

翼のように大きく広げたのは血と夜を思わせる漆黒のマントなのだ。

 

「西の汚物共は…消毒するに限るな」

 

宙に浮いた少女が右手を持ち上げながら帯電させる。

 

放たれた魔法は悪魔の雷魔法であるジオンガであり、轟雷が直撃した車は爆発を起こす。

 

「八雲の借りは返したぞ。さて…今夜の渇きはまだ癒えていない」

 

体が弾けて無数の蝙蝠となった悪魔人間が次の獲物を狩るために飛翔していく。

 

狙われたのは新市長の家であり、惨劇が巻き起こる。

 

「ぐあぁぁぁぁーーーーっ!!?」

 

部屋の中に霧が立ち込めたと思ったら少女の形となって襲い掛かっている。

 

少女の手で顔を掴まれた市長は片腕で持ち上げられながら頭部を締め付けられる。

 

「ニュースは見た。世話になってきたオネエサマを…西の穏健派を…よくも嵌めてくれたな」

 

「し、知らない!!ぐあぁぁーーっ!!?」

 

万力で締め付けられる程の握力なら少し力を咥えただけで頭が潰れたトマトになるだろう。

 

「とぼけるか?まぁいい、貴様が市議会に提出した差別条例案だ…言い訳は認めない」

 

「た、助け……ギャァァァーーーーッッ!!?」

 

掴んだ手が赤く光ると市長の体からおびただしい血液が噴き出していく。

 

念力で引き寄せられるかのようにして、少女の体に血液が集まり出す。

 

全身で血を吸い上げる魔法こそが悪魔の吸血魔法である。

 

「が…あ…あぁ……」

 

「死は平等に訪れる。たとえそれが腐れ外道であろうとな」

 

「すま…な……」

 

ミイラ化して絶命した市長を掴んだまま雷魔法のジオを放つ。

 

死体の体が雷で焼き尽くされていきながら発火する。

 

燃え上る市長の姿を見つめる悪魔人間の口元は邪悪な笑みが浮かんでいる。

 

<<キャァァーーーーッッ!!!!>>

 

叫び声が聞こえた方に視線を向けると腰を抜かした市長の妻と娘の姿がいるようだ。

 

「…そうか、腐れ外道にも家族がいるのか。さっき殺した連中にもいたのだろうな」

 

燃えた夫の遺体をゴミのように投げ捨てる悪魔少女が近寄ってくる。

 

「な…なんて事をしたのよ!!」

 

「ママ…パパはどこ…?パパの姿が見えない!!あの燃えてる人は誰なの!?」

 

「お前のパパならここにいるぞ?」

 

悪魔人間が指さすのは燃え上る死体であり、理解した娘は発狂してしまう。

 

「いやぁぁぁぁぁーーーっ!!!」

 

悲鳴を上げる娘と妻の元に悪魔が歩み寄ってくる。

 

「人殺し!!悪魔め!!よくも夫を殺したわね!?」

 

「…貴様、この外道の妻だな?この男が市議会に提出した条例案の内容は知っていたか?」

 

「あ、あんたなんかに話すわけないでしょ!!?」

 

「そうか…別に構わん。貴様の心に聞くだけだ」

 

「えっ…?」

 

片目に身に着けたモノクルが怪しく光った後、悪魔はこう告げてくる。

 

「…なるほど。どうやら貴様は条例案の中身を知った上で夫の仕事を止めなかったようだな?」

 

「な…何で分かるの…!?」

 

「それが悪魔の力だ」

 

慈悲無き悪魔が魔力を帯電させながら近寄ってくる。

 

「ママ…怖い…怖いよぉ!!悪魔が…悪魔が来るーーっ!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()屑共め。新たな()()世界には()()()()()()()()

 

悪魔を表す真紅の瞳が瞬膜と化す。

 

<<アァァァァァァーーーーッッ!!!!>>

 

燃え上る市長の家を上空から見つめる悪魔少女はこう吐き捨てるだろう。

 

「腐れ外道共も、外道を野放しにした傍観者も許さん。この世は道徳を重んじる者だけでいい」

 

血濡れた右手を持ち上げていき、舌で指を舐める姿は悪魔そのものであろう。

 

「自分は東を守る為に戦った。これも東を守る事に繋がる…もっと早くこうしてたら良かった」

 

無数の蝙蝠と化した悪魔人間が夜空の世界へと消えてしまう。

 

これが客観性を無くしたまま平等を叫ぶ正義の味方の在り方である。

 

彼女が吐き捨てた言葉はブーメランとなって自分に帰ってくるだろう。

 

この世を善と悪でしか認識しないから自分が正義側だと思えば悪を無条件で裁きたくなる。

 

それでも彼女は迷わないし、聞く耳を持たず無責任な態度をするだろう。

 

何故なら善行をしている自分の在り方に誇りを持っているからだ。

 

かつての神浜騒動の時、広江ちはると人修羅はこんな言葉を残す。

 

――悪意の臭いはないけど…()()()()()()()()()…。

 

――この世で最も邪悪な存在とは、()()()()()()()正義宗教信者共だ。

 

ミイラ取りがミイラになる光景は誰でも起こす時がある。

 

地獄への道は、善意で舗装されていた。

 

 

2日が過ぎた12月6日の夜。

 

参京区の街を捜索しているのは観鳥令であるが、隣にみたまの姿はいない。

 

代わりに彼女と共に捜索してくれているのは十咎ももこのようだ。

 

「そうか…あれから調整屋は塞ぎ込んで…家から出れなくなったのか…」

 

「みかげちゃんの話だとソウルジェムが不味いみたい…だから業魔殿のメイドさんが行ってる」

 

「たしか…あのマッドなメイドさんも悪魔だったんだよね?」

 

「悪魔はソウルジェムの穢れを取り除く力を持ってるとヴィクトルさんから聞いたから…」

 

「大丈夫だとは思いたいけど…問題なのは調整屋の精神状態の方だろうな…」

 

「ごめん…ももこさん。観鳥さんがついていながら…守ってあげられなかった…」

 

「自分を責めちゃダメだよ、令ちゃん。アタシだってきっと…同じ事になってたよ…」

 

「みたまさんのためにも…十七夜さんを探し出そう」

 

「そうだね…ところで、神浜市議会で起きたニュースは見た?」

 

「うん…とんでもない騒ぎになったよね…」

 

彼女達が見たニュース内容とは、議事堂において犯行声明とも思える文字があったこと。

 

「血文字で描かれてたみたい…アパルトヘイト条例を審議した議員は皆殺しだとね…」

 

「脅迫そのものだよ…誰があんな犯行をしたんだろう?」

 

「連日を騒がす偏向メディア共は東の住民の犯行だと憶測ばかりを撒き散らす…」

 

「日本のメディアは酷過ぎるよ…証拠さえないのに…」

 

観鳥令が敬愛する歴史ジャーナリストのジョージ・オーウェルはこんな言葉を残している。

 

ジャーナリズムとは、()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

それ以外のものは広報に過ぎない。

 

「画一的な報道なんて自由民主主義国の報道機関はやっちゃいけない。独裁国家じゃないんだ」

 

「そうだな…()()()()こそが国民には必要なんだし」

 

「だからこそ観鳥さんは本物のジャーナリストになる。記者クラブになんて絶対に入らない」

 

「フリーランスでもいいじゃないか?無頼漢してる令ちゃんの方がアタシも好きだし♪」

 

「有難う。心配なのはテロには屈さないと強行採決を言い出してる市議会議員達だよ…」

 

「だとしたら…あの新しい市長一家のような殺人事件がまた起きる可能性が大きいよな…」

 

「たとえ混乱極まる神浜であろうとも…観鳥さんは十七夜さんの捜索を諦めない」

 

「調整屋のためにもアタシは諦めないよ。参京区から北側にも向かってみる?」

 

「そうだね。さぁ、観鳥さんの確実撮影さん…今夜こそ頼むよ」

 

カメラを持つ令が先導し、ももこは後ろに続いてくれる。

 

北養区に入り、夜の高級住宅街を歩いている時だった。

 

「な、なんだ…この恐ろしい魔力は!?」

 

「魔獣のものじゃない…それにこれは…あの時に戦った吸血鬼悪魔と魔力が似てる…」

 

「この魔力は観鳥さんも感じた事があるよ!」

 

「あっちの方角だ!!」

 

丘に並ぶように建つ高級住宅地を走りながら奥まった家に向かう。

 

ももこ達は走りながら魔法少女に変身し、門を飛び越えて広々とした敷地内に入る。

 

「なんだ!?」

 

到着した彼女達を出迎えたのは屋敷の窓を破って現れた無数の蝙蝠達である。

 

蝙蝠は二階建ての屋根に集まっていき、人の形を生み出していく。

 

<<…君達か。戦う相手を間違えているんじゃないのか?>>

 

「あ……あぁ……」

 

「そ、そんな……嘘だろ……?」

 

漆黒の悪魔衣装を纏う悪魔人間こそ、ももこ達が知る人物の姿であろう。

 

「なんで…なんでお前が…悪魔のような姿をしてるんだ…?」

 

「やっと見つけだしたのに…何かの冗談だって言ってよ…」

 

<<十七夜さんッッ!!!>>

 

無数の蝙蝠を夜のカーテンとして現れたのは悪魔化した和泉十七夜。

 

悪魔を表す真紅の瞳が魔法少女達に向けられる。

 

「魔法少女が戦うべき相手は魔獣共だろ?魔獣狩りには向かわないのか?」

 

「その姿は…何なんだよ…?それに…ソウルジェムの魔力を感じないけど…」

 

「うむっ、不思議に思うのも無理はないな…十咎。自分は魔法少女を辞めさせてもらった」

 

「魔法少女を…辞めただって…?」

 

「そうだ、観鳥君。自分はあのテロの時、吸血鬼悪魔に噛まれた後…肉体も魂も変化した」

 

「あの時の十七夜さんは…あの吸血鬼悪魔に噛まれた…あれから何があったんだよ!?」

 

「もちろん吸血鬼となった。男と性交した事がない魔法少女はみんなこうなる」

 

「魂が変化したというのは…?」

 

「魂であったソウルジェムは何処にもない。自分はソウルジェムに囚われた魂を内側に戻せた」

 

「キュウベぇから引っ張り出された魂を…取り戻せたっていうのか…?」

 

「お陰で痛覚を取り戻せたが…不便さはあまり感じない。悪魔化した肉体の恩恵だな」

 

「じゃあ…今の十七夜さんは魔法少女ではなくなって…」

 

「その通り」

 

右手を掲げれば蝙蝠達が何匹か彼女の腕に止まっていく。

 

「和泉十七夜と呼ばれた魔法少女は…悪魔となったのだ」

 

青い表情をしたままの2人であったが、ももこが吼えてくる。

 

「だから何だよ!今まで何処をほっつき歩いてた!?家族や友達の事はどうでもいいのかよ!」

 

「家族とは…縁を切らせてもらった」

 

「な、なんだって!?」

 

「友と呼べた魔法少女達も…もう必要ない。これからの自分は悪魔としての戦いを続ける」

 

「悪魔としての戦いだって…?悪魔として…何と戦ってるんだよ!?」

 

「この邸宅…思い出した。ここは市議会議員の中でも中心人物が暮らしてる家だ…」

 

「そ、それってまさか…嘘だと言ってよ…令ちゃん!?」

 

「…邸宅内から人の気配を感じない。まさか…嘘ですよね…十七夜さん…?」

 

「…事実だ。自分が戦っているのは民衆の自由と平等と博愛を踏み躙る…邪悪な人間共だ」

 

その言葉が意味するのは人間の虐殺行為。

 

信じられない衝撃を立て続けに受けた事でももこと令の体が震えてしまう。

 

「フランス国旗理念でありフリーメイソン理念を邪魔する悪を倒す自由と平等と博愛の戦士だ」

 

「フリーメイソンだって…?」

 

「世界的な友愛結社だ。人は平等であり、全人類が手を携えて幸せに生きる世界を作る組織だ」

 

「そんな…十七夜さんが秘密結社と関わっていただなんて…」

 

「我々は破壊する。自由と平等をもたらし、博愛に満ち溢れた世界の障害となる概念をな」

 

「平等や博愛を邪魔する概念…?」

 

「権威を、宗教を、国境を、民族を、歴史を…全て破壊しつくして統一する」

 

「自分が何を言ってるのか分かってるのか…十七夜さん!?その思想は共産主義だ!!」

 

「その通り、自分は共産主義者でありグローバリストとなった。国家民族概念を破壊する者だ」

 

「ふざけるなぁ!!そんな狂気を実現したら…日本はどうなるんだ!?」

 

「神浜を含めた日本の悪しき歴史は全て消え去り、宗教や民族概念が消えた()()()となる」

 

「共和国だって…?」

 

「歴史の象徴である君主を持たない民衆国家。日本民族の悪しき象徴である()()()()()()()()

 

十七夜は民衆革命理念を伝えてくれる。

 

それによって起こったのは様々な国家の歴史を象徴してきた皇帝や王を殺害した歴史事件。

 

王という歴史の象徴など民衆平等の前では何の価値もない。

 

歴史の象徴である王は民衆を守らず特権階級ばかりを優先したためであろう。

 

グローバル共産化とは()()()()()()()()()()()()()()()

 

豊かで平等な搾取、抑圧、差別のない社会である世界市民を目指し、世界連邦を築くという。

 

「お前…正気なのか?日本の歴史の象徴である天皇陛下さえ…殺すというのかよ!?」

 

「歴史があるから人々は差別を行う。その光景は東の者として見てきただろう…観鳥君?」

 

「イカレてる…観鳥さんが望むのは神浜の歴史差別の修正だけだ!!」

 

「そんなものは平等ではない!!()()()()()()()()()()()()()()()だけのエゴイズムだ!!」

 

「鏡見ろよあんた!!十七夜さんの言ってる理屈は…アタシには()()()()()()()()()()!!」

 

「残念だが、吸血鬼となった自分は鏡に映らなくてな。自分の姿は確認出来ない」

 

「落ち着いてくれ…十七夜さん。話し合えば、お互いの間違っている部分が見えてくるよ…」

 

「そうやって…また何も起きない楽しい毎日だけを望ませる気か?」

 

「そ…それは……」

 

「今までの人生は何だ?社会に無関心になり、楽しく遊んでヒーローごっこをしていただけだ」

 

「……否定出来ないね」

 

「人間社会に対して無責任に過ごし、絆という腐った馴れ合い社会を築いただけではないか?」

 

「それは…アタシ達だって反省している。命をかけて批判してくれた人がいたから…」

 

「日本は若者ほど社会変革意識を持たない。迷惑だ、過激だと言って…奴隷人生を選ぶ」

 

「昭和の頃からそれは起きてきた…国民の行動が政治に影響を及ぼしている感覚が消えたんだ」

 

「全てを諦め、()()()()()()()()()()()()()というわけだ。自分はそんな()()()()など望まん」

 

掲げた腕に止まっていた蝙蝠達が飛び立った後、右手をももこ達に向けてくる。

 

「理解してくれないなら仕方ない。自分は平等を世界にもたらす道を行くと…皆に伝えてくれ」

 

「調整屋は…お前の大切な親友の八雲みたまはどうなる!?」

 

「そ……それは……」

 

「お前の帰りをずっと待ちながら探し続けてたんだぞ!令ちゃんと一緒に!」

 

「それだけじゃない…みたまさんは悪魔になってるかもしれない十七夜さんのために…」

 

「全てを打ち明けてくれた…それに悪魔の差別が起きないよう、アタシ達に教育もしてくれた」

 

「八雲……」

 

「戻ってきてくれ…十七夜さん!!悪魔に堕ちても…帰る場所はここにある!!」

 

「黙れ!!!」

 

怒りの表情となった十七夜の右手が帯電していく。

 

「この街に帰る日が来るとしたら…それは博愛に包まれた世界連邦を築き上げた時だけだ!!」

 

「この…分からず屋がぁぁぁぁーーっ!!」

 

ももこは魔法武器である大剣を生み出し、令は魔法武器のバズーカを生み出して構える。

 

かつて轡を共にし、正義の道を歩む友であった魔法少女達の殺し合いが始まるのであった。

 

────────────────────────────────

 

「自分に挑んでくるのなら…命を懸ける覚悟を見せてもらう!!」

 

赤く帯電した右手から放つのは複数の敵に目掛けて放つ雷魔法のマハジオである。

 

加減はしているが、それでも直撃すれば重症は免れない。

 

「令ちゃん!」

 

「うん!」

 

2人は横に跳躍し、頭上から落ちてきた雷の一撃を回避する。

 

「ごめん!十七夜さん!」

 

横っ飛びの姿勢からバズーカを構える令は屋根の上に目掛けてバズーカを撃つ。

 

放たれたロケット弾の弾頭が空中で開き、敵の動きを拘束するネット弾に変化する。

 

「無駄だな」

 

微動だにしない十七夜の体が霧化していき、ネット弾は霧を素通りしてしまう。

 

「こっちがお留守だよ!!」

 

反対側から跳躍斬りを仕掛けるももこであったが罠に引っかかる。

 

「えっ!?」

 

十七夜は視線すら向けないまま右手を伸ばして大剣の唐竹割りを指で挟みとる。

 

両手で押し込もうとするが、魔法少女の魔力強化であろうと吸血鬼悪魔の剛力には通じない。

 

「自分は悪魔になっても読心術が使える。会話をしている時の君達の念話内容は知っていた」

 

「くぅ!!」

 

悪魔の赤い瞳を向けてくる十七夜を見たももこは恐怖に包まれてしまう。

 

十七夜の姿が成す術もなく殺されかけた吸血鬼悪魔のクドラクと酷似して見えたからだ。

 

「ぬんっ!!」

 

刀身を挟んだまま右手を開いて意識を集中してくる。

 

「なんだよ…コレッ!?」

 

ももこの体が動かなくなり、宙に浮かされている。

 

悪魔のサイキック魔法の初歩であるサイの力を行使してくる。

 

「う…動けない…これも悪魔の…魔法なのか…!?」

 

「悪魔は超能力魔法も使えるということだ。もっとも…自分もまだ練習中なのだがな」

 

右手を動かせば宙に浮かされたももこの体も右手に沿うように動いていく。

 

ももこの体が向けられたのは地上で魔法のカメラを構える令であろう。

 

「君の魔法能力は望むシャッターチャンスを手に入れるだけではないと知っている」

 

サイの魔法を応用した事で、ももこの体を令に目掛けて念導投擲してくる。

 

「しまった!?」

 

カメラのボタンを押す手が止められずにカメラ撮影してしまう。

 

「うわぁぁぁぁぁーーっ!!?」

 

撮影されてしまったももこの体が変化しながら地面に落ちてしまい、一枚の写真になっている。

 

かつての葛葉キョウジが用いたシャッフラーと同じく魔物を封印出来る魔法なのだろう。

 

「ごめん、ももこさん!!今解除を……」

 

写真に手を伸ばすが十七夜から視線が離れてしまう。

 

<<戦いの最中に余所見をするなと、自分は君に教えたはずだぞ>>

 

「はっ!?」

 

振り返れば無数の蝙蝠化移動で背後に回り込んできた十七夜が立っている。

 

「ぐぅ!!」

 

喉を掴み上げられた令はそのまま持ち上げられてしまう。

 

「やめて…十七夜…さん…!貴女は…東の長…だ!!みんな…帰りを待っ……」

 

「かつての自分について来てくれて…礼を言う。だが…自分はもう東の長に戻る気はない」

 

「十七夜…さ……」

 

「かつての同胞と殺し合うのは辛い…だからこそ、大人しくしていてくれ…」

 

逆の手が令に向けられると手が淡い光を放つ。

 

行使する魔法は敵集団を眠りにつかせる『ドルミナー』であり、急激な睡魔に襲われる。

 

「ごめ……後は……おね……」

 

最後の力を振り絞り、写真にされて封印されたももこに手を伸ばす。

 

封印解除の魔力を送った後、令は眠りについてしまう。

 

かつての仲間を優しく地面に寝かせた後、蘇った人物に向き直る。

 

立ち上がっていたのは刀身に炎を纏わせるももこである。

 

「正義の世直し人にでもなったつもりか…?お前は()()()()()()()()()()()()()()()だ!!」

 

「十咎…分かってくれとはもう言わん。だが、今の発言は聞き捨てならんぞ」

 

「何度でも言ってやる!今のお前の姿は人の感情に寄生して廃人にする…魔獣共と同じだ!!」

 

それを聞いた十七夜の眉間にシワが寄っていく。

 

「…いいだろう。自分が魔獣として扱われるなら聞こう…魔法少女の使命とはなんだ?」

 

「…魔獣を倒して人々を救うこと」

 

「自分もそう信じて戦ってきた。ならその使命を果たしてみせろ…正義の魔法少女としてな!」

 

ももこは地を蹴り込んで跳躍しながら斬撃を狙う。

 

十七夜は蝙蝠化で回避しようとしたが異変が生じる。

 

<<グァァァーーー!!?>>

 

斬撃に纏った炎が蝙蝠の一部に当たったのが効いたのか、実体化して蹲る。

 

「ぐっ…うぅ……」

 

焼け焦げた腕を掴みながらももこを睨んでくる。

 

「悪魔には弱点属性があるってヴィクトルさんから聞いたけど…吸血鬼は炎が弱点か」

 

「…クドラクから弱点の事を教わっていたが…忘れていた。吸血鬼の能力に己惚れていたか…」

 

「勝負あったな、十七夜さん。もうこんな戦いはやめて、みんなのところに…」

 

低い笑い声を上げながら立ち上がる十七夜は抑え込んでいた火傷から手を離す。

 

「そんな……」

 

火傷の跡が異常な速度で修復されていくのが見えたももこは驚愕した表情になっていく。

 

「吸血鬼は再生能力に優れている。傷を癒す願いをした魔法少女と同じぐらい治癒能力が強い」

 

「だったら…再生が追い付かないぐらい焼いてやる!!」

 

「十咎のマギア魔法か?ここは悪魔の結界ではないようなのだが?」

 

「くっ……」

 

「自分の弱点を突けるようだが、それだけでは覆せない力の差を見せてやろう」

 

「強がるな!吠え面かかせてやる!!」

 

炎の大剣を用いて飛びかかるももこであるが、右手を向けられると動きが止まる。

 

「ぐっ!?ま…またか…!!」

 

サイをもう一度かけられた事で空中で静止させられてしまったようだ。

 

「自分はまだ、この超能力魔法を上手く使いこなせない。練習に付き合ってもらうぞ」

 

「れ…練習だと…!?」

 

構えたまま意識をさらに集中させていき、リンゴを鷲掴みして握り潰すように動かす。

 

「ぐぁぁぁぁぁーーっ!!?」

 

全身を万力で絞め潰される程の圧力が加えられた事で悶え苦しむももこ。

 

サイの威力を上げたサイオを使っているのだろう。

 

「自分が暴力を正当化しているだと?ならば君達はどうやって神浜社会を変えてくれるんだ?」

 

「ぐっ…うぅ…!!」

 

「今まで君達は差別問題に対して何もしなかった。綺麗事ばかり言うが…()()()()()()()()()

 

圧力がさらに強まっていく。

 

「楽しい事だけを優先したい。みんな楽しく和を築き、気が付けば政治問題など棚上げだった」

 

圧力がさらに強まっていく。

 

「ウアァァァァーーーッッ!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()。君達の方こそ自分の無責任を正当化してきたペテン師だ」

 

他人の悪い部分なら簡単に見抜くが、自分の悪い部分は全く気づこうともしない。

 

自尊心の強い者にとって間違いを認める事は苛立つし腹が立つ。

 

自分の無知を認める事になり、ゼロから学び直す屈辱を味わう事になるからだ。

 

理解出来ないものを不快に感じる生理現象の事を、社会心理学では()()()()()()と呼ばれた。

 

「確かに…アタシ達は流されてきた…楽な毎日を優先して荒れる話題の政治から目を背けた…」

 

「恥ずべき生き恥を晒してきたと思えるようになったのか?」

 

「はぐむに批判されて…ようやく気が付けた…正義を気取っても…行動が伴わなかった…」

 

「それを認める勇気ぐらいはあったというわけか」

 

「認めるよ…でもさ…アタシ達が認める勇気を出せるなら…十七夜さんにだって出来る!」

 

「貴様!?まだ言うか!!」

 

「頼む…!!調整屋には…みたまには…お前が必要なんだよぉ!!」

 

「ぐっ…うぅ…!!」

 

集中力が乱れようとした時、十七夜の右腕に飛来した槍が右腕を貫通している。

 

「ぐあっ!!?」

 

超能力魔法から解放されたももこは地面に倒れ込み、動けなくなってしまう。

 

<<見損なったぞ、十七夜。アナタはそれでも東の長と呼ばれた魔法少女なのか?>>

 

「こ…この声は…まさか…まさかっ!!?」

 

槍が刺さったまま蝙蝠化する十七夜は実体化し直す。

 

転がった槍は自らの意思を持っているかのように宙に浮かび、回転しながら飛んでいく。

 

月明かりに照らされた敷地内に入ってくる存在達がやってくる。

 

飛んできた槍を片手で受け取ったのは漆黒の貴族衣装を身に纏う雪野かなえ。

 

分厚い魔導書を持っているのは黒と紫色のゴスロリ風衣装を纏う安名メル。

 

立ち止まった者達が十七夜と同じ真紅の瞳で彼女を見つめてくる。

 

その眼差しには落胆の色が滲んでいるのだ。

 

「馬鹿な…自分は白昼夢を見ているのか…?君達は…君達は死んだはずだぞ!?」

 

「夢じゃありませんよ、十七夜さん。夢であって欲しかったのは今の十七夜さんの方です…」

 

「何故生きているんだ…?君達は…円環のコトワリに導かれたはずだ!!」

 

「訳有って…転生して生き返れた。十七夜…今のあたし達はね…アナタと同じ存在」

 

「自分と同じだと…?」

 

「ボク達の瞳を見てください…十七夜さんとお揃いでしょ?」

 

三人の赤い瞳が交わるように視線を交わし合った時、十七夜は理解する。

 

「そうか…君達まで…悪魔にされたというのだな」

 

「いいえ、ボク達は自らの意思で悪魔になりました」

 

「悪魔になってでも…この世に未練があったと解釈していいのか?」

 

「そう…あたしには未練があった。やちよ達や…十七夜が…間違っていくのを止めたかった」

 

「君まで…自分を否定するのだな…」

 

「十七夜さん…こんなやり方じゃ…尚紀さんと同じ末路にしかなりませんよ」

 

「尚紀…?男の名前に聞こえるが…?」

 

「嘉嶋尚紀はね…魔法少女の虐殺者となった人物。人間社会主義を掲げた…共産主義者だ」

 

「嘉嶋尚紀か…きっとその人物も悪魔なのだろう。そして…自分と同じ思想を持った同士だ」

 

「その人物は自分の正義を掲げて虐殺の限りをつくした。だけど……」

 

「自分の理想が壊れていたと突きつけられた時に…壊れてしまいました」

 

「そして…報復を望む神浜の魔法少女達に襲われて…危うく死にかけたんだ」

 

「……自分も嘉嶋尚紀と同じ末路を辿ると言いたいのか?」

 

「十七夜さん…これは尚紀さんの言葉です。疑う事も大切だけど…信じる事も大切です」

 

「疑う気持ちが極まれば、()()()()()()()()()()()。尚紀がそうであり、アナタもそうなる」

 

「自分はそうはならない…絶対になってやるものか!!」

 

赤い魔力を放出しながら全身に蝙蝠のカーテンを纏う。

 

意固地になった十七夜を見たかなえとメルも動く。

 

かなえの新たな魔法武器である魔槍ルーンが業火に包まれる。

 

メルの新たな魔法武器であるトートの書が開き、風に靡くようにページがめくられていく。

 

「感じるこの魔力…自分と同じく悪魔となった君達は…強そうだな」

 

「それでもやりたいというのなら、あたしは手加減しない」

 

「十七夜さん…お願いだから、ボクに悪魔の魔法を使わせないで下さい!!」

 

状況は不利だと判断した時、十七夜の頭の中に念話が響く。

 

<ジリープアー。泥沼合戦するぐらいなら、今日は帰るんですケド>

 

「……分かった」

 

体が弾けて無数の蝙蝠と化した十七夜が夜空に飛び去っていく。

 

「逃げるのか…?」

 

「待って、かなえさん!空の上から感じる…この強大な悪魔の力は!?」

 

高高度から迫りくる巨大な鳥の影が迫る。

 

大きくループして平面飛行した鳥の上に蝙蝠が集まり、背の上で実体化しながら去っていく。

 

巨大な鳥は可変翼戦闘機のように翼を広げ、後方に業火を噴き出す。

 

アフターバーナーのような急加速を行った存在はあっという間に街から消え去ったようだ。

 

「思わぬ邪魔が入ってしまったな…」

 

強風地獄だがフェニックスが用いる風魔法の応用によって背の上は安定している。

 

「アイツら…知り合いなワケ?」

 

「…昔の仲間達だが、円環に導かれた者達だ。だがあの者達は生き返った…悪魔としてな」

 

「アハハ!超グッドなんですケド、そいつら!デス&リバースデビル…アリナも会いたかった」

 

「出会えば殺し合いになるだろう。自分の思想は彼女達から拒絶されてしまったからな…」

 

「これからどうするワケ?」

 

「差別条例を強行採決しようと企む市議会議員は他にも大勢いる。自分の粛清は終わらない」

 

「その件なんだけどさ…暫く動くなって、上から言われちゃったんですケド」

 

「なんだと!?ユダさんは何を考えているんだ…これからだというのに!」

 

「今回のアナタは覚悟を試すために動かされたワケ」

 

「また試練だったのか…それで、自分は合格なのか?」

 

「オフコース。メイソン教義に反するヒューマンをゴミのようにジェノサイド出来たし」

 

「一緒について来ていた君は試験官も兼ねていたんだな?」

 

「カミハマシティの事は心配しなくていいカラ」

 

「何故そう言い切れる?何かしらで神浜から差別条例が消えてくれるというのか?」

 

後ろの十七夜に振り返るアリナは不気味な笑みを浮かべながらこう告げる。

 

「もっとビッグスケールな事が起きる。それはきっと、()()()()調()()()()()()()()()()だカラ」

 

現場に残されてしまったかなえ達は悪魔化を解いて互いに向かい合う。

 

「突然空から現れたあの巨大な鳥は…悪魔だったのかな?」

 

「あの力強くも美しいフォルム…間違いありません、あれはフェニックスでしたよ」

 

「そうなの…?悪魔の知識は持ってないから…あたしにはサッパリだったな」

 

「ボクの知識だって、白いお猿さんからの貰い物ですけどね~」

 

「そうだったね。さて、傷ついた子を助けないと」

 

「回復魔法はボク得意です。ももこさんは任せて下さい」

 

「ん…あたしは令を起こすよ」

 

傷みで気絶したももこに対してメルは悪魔の回復魔法であるディアラマをかけ続ける。

 

かなえは令を抱き起して揺さぶってみるが、熟睡しているのか一向に起きる気配がない。

 

暫く黙り込んでいたが、不安そうな声をメルが呟いてしまう。

 

「……みたまさんに、なんて言えばいいのかな?」

 

「…分からない。こんな現実…悪い夢としか思えない」

 

「十七夜さん…悪夢の再会でしたよ。こんな形で再会なんて…ボクは望みませんでした…」

 

どうしていいのかも分からず、その後の2人が口を開く事はなかった。

 

 

みたまが暮らす団地街にももこは訪れており、玄関を開けたみたまに暗い顔を向ける。

 

「急な連絡だけど…何かあったの、ももこ?」

 

「……調整屋、どうか…落ち着いて聞いてくれ」

 

場所を移動した後、団地街の公園で十七夜の変わり果てた現実を打ち明ける。

 

顔面蒼白となったみたまは両膝が崩れてしまう。

 

「嘘よ…十七夜が人殺しの悪魔に変わり果ててただなんて…嘘よ!!」

 

「事実だ…アタシと令が駆けつけた現場からは…全身の血を抜かれた家族の遺体が発見された」

 

「何で…?正義を愛して…誰よりも平等と利他精神を愛した十七夜が…なんでそんな事を!?」

 

「あの人は吸血鬼の力を使って世直しを企んでる…襲われた人間は差別条例賛成議員だった…」

 

「人間のために命を懸けて戦った正義の魔法少女が…人間を殺す事が出来るの!?」

 

「辛いのは分かるけど…これが現実なんだよ…」

 

「あの子は精一杯頑張った!正義の魔法少女の長を…生活が苦しくても懸命に務めたわ!!」

 

「調整屋……」

 

「なのに!!みんな十七夜を虐める…私を虐める…東の住民達を虐め抜く!!」

 

「お、落ち着けよ…調整屋!!」

 

「教えて…ももこ。私たち魔法少女は一体何が大切で…何を守ればいいの?もう…分からない」

 

「大丈夫だって調整屋…きっとなんとかなるから…」

 

「だったらももこ…今直ぐ貴女が代わってよ!!」

 

「えっ…?」

 

「今直ぐ東で差別されてきた子の立場と代わってよ!!」

 

「それは……」

 

「西で恵まれてるくせに…何もしないで温温と生きてきた影で…私と十七夜は苦しんできた!」

 

感情が高ぶり過ぎてももこを傷つけているという客観性が消えてしまう。

 

「それを棚に上げて…知った風な口を利かないで!!」

 

泣き崩れてしまったみたまに対してももこは俯いたままかけてやれる言葉もない。

 

平穏に暮らせた西側住民が苦しんだ上にさらに苦しめられる者達にかけられる言葉などない。

 

「助けて……誰か助けて………」

 

神浜の混迷極まった中で一人の魔法少女は生きる事への絶望に打ちひしがられてしまう。

 

意思が濁れば意地になる、口が濁れば愚痴になる、徳が濁れば毒となる。

 

他人の痛みを想像せず、()()()()()()()()()()楽な道がそこにはある。

 

一度エゴに飲まれれば最後、相手の事などどうでもよくなる。

 

悪魔を表す7つの大罪は人間の心の中に宿り、人に罪を犯させ続けるのであった。

 




原作まどか☆マギカの闇堕ちヒロインさやかちゃん化したなぎたんでした(汗)
原作監督の新房監督の理屈だと、人殺しは決して報われちゃならんそうですが…なぎたんもどうなることやら(汗)
みたまさん、悲劇のヒロイン過ぎる(汗)
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