人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
「あの悪魔が…地下に隠されていたものの正体だったのか?」
病院ゲートの外から見上げる先には、マニトゥの巨体。
「そうだ…。あの悪魔は際限なくマガツヒを喰らう悪魔だ」
「そのために…魔法少女共は拷問の限りを尽くされ、マガツヒを奪われていったのさ」
「惨イ末路ヲ繰リ返サセラレテイッタヨウダ」
仲魔達の言葉を聞き、尚紀の脳裏に浮かぶのはかつての世界の記憶。
マントラ軍に奴隷として捕らえられたマネタカ達。
彼らが捕囚されたのは、カブキチョウ捕囚所と呼ばれた施設。
尚紀の友人もそこに囚われ、助けに向かった時に見せられた…凄惨な光景が蘇っていく。
「…何処の世界でも、悪魔がやることは変わらないな」
「フン、そうだとも。俺様たち悪魔に必要なのは、感情エネルギーだ」
「召喚された我ら悪魔は、実体を保つために食事を必要とする。人間と同じように」
「食ワネバ死ヌ、ダカラ食ベル、ソレハ責メヌ。シカシ…アノ悪魔二ハ際限ガナイ」
「何のために魔法少女を喰らってきたのかさえ、もう考える力は無いだろうな」
「だとしたら…あの悪魔が解放されたならば、望むのは…」
「際限なきソウルの捕食ね…。魔法少女が手に入らないなら、人間から奪うわ」
屹立する邪悪な大霊。
ワルプルギスの夜の巨体に匹敵する程の巨人の姿は…あまりに醜悪。
人の形を保つ事が出来なくなり、全身が分割されたかのように内側から弾けている。
それを内側から伸ばした黒き触手で無理やり繋ぎ合わせている醜悪な姿。
体を支える力を戻すため、地面に伸ばしていた蠢く触手がマニトゥの体に収納されていく。
「あの姿…マガツヒを喰らい過ぎて自滅しかけているのか?」
「そのようだ…。なぜあれ程までに感情エネルギーを喰わせてきたのか…目的は分からん」
「聞いた話じゃ、あの個体は増殖することが出来るそうだ。世界中に同じ個体がいる」
「イルミナティ共は…あの悪魔を量産して何を企んでいるというんだ?」
「分からん。俺様たちは興味なかったから詳しく調べてなんてこなかったよ」
「増殖出来る悪魔だなんて…ゾッとする。あの個体が本体と同じ力であって欲しくはないわね」
「戦ってみれば分かる。どの道、奴を倒す以外にないのだから」
大地から感じる地震の振動が激しくなっていく。
研究所が自爆したことにより、病院周辺の山が下側から岩盤を砕いて弾け飛ぶ。
<<AAAAAAAAAARRRRRRRRRTTTTTTTTHHHHH!!!!!>>
巨体が大きく跳躍し、巨大な爆発を超えていく。
爆発した巨大な瓦礫が散乱し、岩盤の如き巨大な落下物が宙を舞い落ちてくる光景。
「全てを破壊するしかない!!」
「任せろ尚紀!!」
「へっ!!面白くなってきたぜ!!」
「見セテヤロウ!我ガ真ノ力ヲ!!」
尚紀に合わせるかのようにして、全員が気合を込めて力を溜め込む。
<<ハァァーーーッッ!!!>>
人修羅が放ったのは、飛び後ろ回し蹴りから放つジャベリンレイン。
クーフーリンは魔力を込めた槍を投擲し、デスバウンドを放つ。
セイテンタイセイは如意金箍棒を構えて薙ぎ払い、八相発破を放つ。
跳躍したケルベロスが光弾の如き突撃を行い放つのは、闇の力を一気に解き放つ『冥界破』だ。
空中に飛散していく巨大な大地の破片が次々と砕け、消滅していく。
夜空という何もない空間だからこそ、彼らは巨大な威力を誇る一撃を放つことが出来たのだ。
「あいつ…!?街に向かうみたいよ!!」
ナオミ達を飛び越えて地下爆発を避けたマニトゥの巨体。
浮遊するかのように宙を浮いて移動していく背中が見える。
「あの方角は……見滝原市を目指すつもりだわ!!」
「なんだとっ!?」
浮遊する巨大なる大霊。
顔の半分が内側から弾け、分割された顔の片目から見える街の明かり。
感じるのは神浜市に匹敵する程の人口を支える人間たちの魂。
<<ソウル!!ソウル!!!グォォーーーッッ!!!!>>
シダ植物の如く全身から胞子状のスポアを解き放つ。
無数のキャリア達が見滝原市に向け、風に流れるようにして飛んでいく。
その光景はさながら黄砂の嵐のようにも見えるかもしれない。
マニトゥの弾けた頭部。
かろうじて形が残っている口元が開き、巨大なエネルギーを放出していく。
<<グォアアーーーッッ!!!>>
黒き塊が口の中から飛び出し、闇の光弾と化して発射される。
「しまった!!」
マニトゥの体内で練り上げた『異形胞子飛弾』の一撃が見滝原市に迫っていく。
直撃すれば、街が跡形もなくなるだろう一撃。
一瞬で殺される人間達の絶望で染まった魂は、後でキャリア共が回収するというわけだ。
<<グガッ……?>>
マニトゥが感じ取ったのは、人修羅とは違う別の強大な魔力。
見滝原市の上空に浮かぶ、別の悪魔の存在。
「……やらせないわ」
宙に浮かぶのは、悪魔と化した暁美ほむら。
両腕を広げていき、背中の骨で出来た翼に向けて魔力を送り込んでいく。
背中から生み出されていくのは、鹿目まどかを守りたい感情の翼。
「この街は…まどかが生きる街なのよ!!」
街を覆える程にまで巨大化した翼とは、侵食する黒き翼。
侵食する翼が折りたたまれ、街を守る巨大な盾とする。
ほむらの盾と化した黒き翼によって、異形胞子飛弾の直撃は浸食されて消し去られた。
「あいつ……来てくれたのか」
ほむらの魔力を感じ取った尚紀の口元には、笑みが浮かぶ。
「町の方角から感じさせるこの強大な魔力は何者なんだ…?」
「知ってるような素振りだな、尚紀?」
「街の方は大丈夫だ。最強の盾が守ってくれている」
「最強ノ盾ダト?」
「マサカドゥスの力を解放した全力の俺の一撃を全て受け止めた悪魔だと言えば…伝わるか?」
「マジかよ?そんな強い悪魔がこの世界にいたとはなぁ」
「そして、その悪魔は人間の街を守ろうとしている。ならば脅威とは言えまい」
「後ろは心配するな。俺たちは目の前のあいつを倒す!」
一撃目が失敗に終わった事を理解する程度の知能はまだ残っている。
次弾を放つ構えを見せた時だった。
<<グゥッッ!!?>>
背中に強力な光弾を浴び、態勢が崩れる。
巨体を回転させ、後ろの方角に見えた小さな悪魔達。
「よぉ…大将。俺たちとも遊んで行けよ」
左手を掲げ、破邪の光弾を放った尚紀の顔は不敵な笑みを見せる。
「もっとも、俺様たちと遊ぶなら…命を懸けてもらおうじゃねーか」
如意金箍棒を豪快に振り回し、左手で印を組む。
觔斗雲が出現し、飛び乗りながら構える姿。
「我が魔槍からは逃れられん。貴様の心臓…貰い受けてやる」
槍を頭上で回転させ、仲魔たち全員にスクカジャをかけるクーフーリン。
「久シブリノ強敵ダ…我ガ爪デ引キ裂キ甲斐ガアルトイウモノダ!」
力強き『雄叫び』を上げるケルベロス。
本能的に怯んだマニトゥの攻撃力と魔法攻撃力が大幅に下がっていく。
「フフッ…創成の世界を超えた悪魔達との共闘だなんて…夢のある話ね。気に入ったわ!」
召喚管を構えたナオミが悪魔を召喚。
背後に現れたのは、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)と呼ばれる菩薩。
ナオミの体が光りに包まれ、力がみなぎっていく光景が広がる。
戦闘準備は完了した。
後は敵を屠るのみ。
マニトゥの邪悪な咆哮が木霊し、異界が開いていく。
周囲は荒廃した世界と化し、周りの被害を気にする必要もなくなった。
「行くぜ!お前ら!!」
上着を掴み、脱ぎ捨てる。
上半身に見えるのは、魔力が全身に迸る発光した刺青。
噴き上げる魔力を光剣として放出した尚紀が走る。
続くように仲魔達とデビルサマナーも駆け抜ける。
迎え撃つマニトゥは地上に下り、迎え撃つ構えを見せた。
今こそ始めよう。
ボルテクス界を超えた悪魔の力と、デビルサマナーの力を合わせた戦いを。
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<<アァァァァーーーッッ!!!!>>
全身から放ち、地面を貫いて迫りくるのは無数の黒き触手。
触手が巨大な鞭となり放つのは『メガトンプレス』となった一撃。
大地を砕きながら迫りくる黒き洪水は、全ての命を飲み込み喰らう。
その光景はまさに奈落。
『ナラクノアビス』が迫りくるのだ。
「乗レッ!!」
駆け抜ける尚紀と並走してきたケルベロスに飛び移る。
両足で胴体を押さえつけて態勢を固定。
馬の代わりとなった地獄の番犬を引き連れるのは、悪魔達から混沌王と呼ばれし大悪魔。
「おぉぉーーーッッ!!!」
叩きつけてくる触手を跳躍し、飛び移る。
触手の道を駆け抜けるが、無数の触手が次々と叩きつけるように伸ばされていく。
光剣を振りかざし、次々と迫りくる巨大な鞭となりし触手を両断しながら駆け抜ける。
左右から挟み打ちを仕掛ける攻撃に対し、ケルベロスは地面に爪を立てて一回転。
「ハァァーーーッッ!!!」
左手からも放出した光剣。
魔力で刀身が伸びた光剣と回転運動が合わさり、左右から迫りくる触手を両断。
触手の道を果敢に超えていくが、頭上を覆う影。
「伸びろ!!如意棒!!!」
唐竹割りの如く叩きつけにくる触手を弾いたのは、上空を飛んでいるセイテンタイセイの一撃。
「オラオラァ!!ガンガン行こうぜ尚紀ーっ!!!」
雲の上で立つセイテンタイセイが左手で印を結ぶ。
仲魔たち全員の攻撃力を上げるタルカジャを行使するのだ。
「フフッ、昔を思い出すぜ!!」
遠くに聳え立つマニトゥを目指し、猛攻が繰り返される道を果敢に超えていく雄々しき姿。
<<グォアアーーーッッ!!!>>
口から闇のエネルギーが溢れ、再び異形胞子飛弾が発射される。
威力は落ちているが、次々と連射撃ちを仕掛けてくる様は砲弾の雨の如し。
無数に蠢く触手の道を飛び越えながらの回避運動。
一発が迫りくるが、それを破壊した大火球の一撃。
火炎魔法の中でも強力なアギダインがマニトゥの一撃を相殺してくれる。
遠くで放った存在とは、槍の矛を用いて空中に発光するルーン文字を描いたクーフーリン。
彼は師匠であるスカアハから武芸だけでなく、ルーン魔法の扱い方も教わっている。
北欧神話の最高神であるオーディンが手に入れたルーン魔法の知識を豊富に持つ戦士なのだ。
「合わせなさい!クーフーリン!!」
傍に立つ者に振り向けば、業火を纏うナオミの姿。
倶利伽羅剣を天に向け、放つ一撃とはくりからの黒龍。
「承知した!!」
魔槍ゲイボルグに魔力が最大限まで籠り、真紅に染まっていく。
「「ハァァーーーッッ!!!」」
くりからの黒龍に合わせ、デスバウンドの一撃が一気に放たれる。
一直線に飛翔する二つの一撃が尚紀の頭上を越えていく。
<<ギャァァァーーーーーーッッ!!!>>
分離して離れた太腿や上腕を破壊され、苦しみの叫びを上げるおぞましき大霊。
破壊された部位からMAGが放出されるが、マニトゥはそれを逆利用。
<<グォアアーーーッッ!!!>>
空中に次々と悪魔召喚陣が浮かび、削り取られた自らのMAGを用いて悪魔召喚。
<<キシャーーーッッ!!!>>
現れたのは、おびただしい数の凶鳥たち。
【鴆(チン)】
紀元前からの中国に伝わる毒鳥。
鷲位の大きさで、紫がかった緑の翼と長い首を持ち、クチバシは赤い。
その羽根を酒に浸せば致死性の毒酒ができるという。
チンはマムシなどの毒蛇を好んで食し、その為に自らも毒を持つようになったとされた。
<<コロース!コッロース!!>>
飛翔して迫りくるチンの群れがマニトゥの壁となる。
毒ひっかきを用いて攻撃してくる存在に向け、尚紀を乗せたケルベロスが果敢に攻める。
「オォォォーーーッッ!!!」
ケルベロスの口から業火が溢れ、ファイアブレスを放つ。
それだけではない。
周囲に地獄の業火を放ち続け、炎の渦と化しチンの群れを焼き尽くしていく。
業火の奔流の海を越え、ついにマニトゥの巨体が目前にまで迫る。
「飛べ!!」
「応ッッ!!」
触手の道を跳躍。
マニトゥの周囲を飛び交うチンの体を足場として飛び続けていく。
周囲を飛び交うチンが迫りくるが、ケルベロスの背の上に立つ尚紀の双剣が唸りを上げる。
次々と凶鳥を斬り捨て、ケルベロスの背から一気に跳躍。
「ハァァーーーッッ!!!!」
魔力を右手の光剣に込め、刀身が一気に伸びる。
態勢を横倒しにする回転の一撃。
<<グォアアーーーッッ!!!!>>
唐竹割りの一撃の如く、マニトゥの右腕が一気に切断する一撃が決まった。
回転したまま態勢を戻し、飛んできたケルベロスの背に飛び乗った着地移動。
「いい一撃だぁ!!それでこそ俺様の弟子ってもんだぜぇ!!」
頭上を見上げれば、筋斗雲から飛び降りるセイテンタイセイの姿。
「俺様の如意棒の一撃…受けてみやがれぇ!!」
態勢を回転させて勢いをつけ、伸ばした棒を一気に振り下ろす。
<<アガァァーーーッッ!!?>>
マニトゥの頭部に打ち込まれた『ヤマオロシ』の一撃。
態勢が崩れた相手に対し、触手の道を跳躍しながら迫りくるクーフーリンとナオミの姿。
放ったゲイボルグが回転しながら主の右手に戻り、そのまま跳躍。
ナオミは倶利伽羅剣の剣を構え、続くように跳躍。
チンの群れを風魔法のザンダインで吹き飛ばし、マニトゥに迫る。
背後に現れた不動明王の業火によって焼き払い、マニトゥに迫る。
<<アギャーーーーッッ!!!!>>
クーフーリンが放つ『ギロチンカット』の一撃がマニトゥの左腕を両断。
ナオミが放つ斬撃によって、左足も切断されていく。
<<ア…ガァァ……ソウル……ソウルゥゥーーッッ!!!>>
両腕を捥がれ、片足を捥がれるが尚も飢え狂うマニトゥの咆哮。
宙に浮かび上がり、体を回転させていく。
背後に回り込んだ敵に向け、最大威力の異形胞子飛弾を放とうとするが…。
<<グゥゥ……ッッ!!?>>
背後の大地に立つ者達は既に、同じように最大火力を放つ構えを見せる。
尚紀は口を大きく開け、至高の魔弾を放つ態勢。
ナオミはくりからの黒龍を放つ構え。
セイテンタイセイは片手で印を結び、火力を上げるタルカジャを最大にまで周囲に用いる。
クーフーリンは相手の能力を一気に落とす『ランダマイザ』をマニトゥに仕掛ける。
4人の背を見つめるケロべロスは、マニトゥの最後となるだろう姿を見上げ…口を開く。
「貴様ハ強キ大霊ナノダロウガ……相手ガ悪過ギタノダ」
気合とタルカジャがかかった至高の魔弾が放たれる。
同時にくりからの黒龍が放たれる。
<<アァァァァーーーッッ!!!!>>
迫りくる巨大な奔流に飲み込まれる大霊の巨体。
<<ソ…ウ……ル………>>
光と業火の奔流の中で形が消え去っていくマニトゥ。
イルミナティに生み出されたおぞましき悪魔の最後であった。
遠く離れた見滝原市の空の上でそれを確認するのは、弓兵の如く弓を構えていたほむらの姿。
「流石ね…私が手を出すまでもなかったわ」
弓を形作る魔力を解き、右手で後ろ髪を掻き上げる仕草。
「心強い仲魔と巡り合えて…嬉しいわ、人修羅。たしか人間の姿の時は嘉嶋尚紀だったかしら?」
<どうでもいい男の名前など、直ぐに忘れるお前さんじゃからのぉ。覚えておいてやるがいい>
左腕に装備されたクロノスの念話が聞こえ、軽く溜息をつく。
「男が私の力になってくれたことなんて…無かったわ。だからこそ、可能性を感じさせてくれる」
背中の翼が折りたたまれると同時に消え去る。
黒き羽が舞う夜空を家の窓から見上げていたのは、眠れなくて起きていた鹿目まどかの姿。
「あれは…ほむらちゃんだったのかな?」
記憶の中にかけられたベールに綻びが生まれていく。
彼女は遠くの景色に目を向け、こう呟くのだ。
「私は…人間だよね?だけど、こうやって生活していることに…どこか違和感を感じちゃう…」
人間だと思い込まされている優しい嘘。
彼女を優しく支配し、守り抜く悪魔の存在がこの街にはいてくれる。
しかし、悪魔の存在は他にもいる。
悪魔達がこの街で跋扈するようになり、出会わずともまどかはその存在を感じ取っている。
そして、こんな疑問を考えるようになっていくのだ。
「私は…もっと……」
――大きな存在の一部だったような気が…。
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山の大爆発が起きた事により、周囲は騒然としている。
元から来た道には多くの人だかりが集まっていることもあり、徒歩で騒動の場から離れていった。
日が上り始めた頃。
周囲は騒然としているが、尚紀とナオミは素知らぬ顔で人々の間を超えていく。
彼の後ろをついてくるのは、人間の姿に擬態した仲魔達。
拳法着を着た姿をしたセイテンタイセイと、英国紳士を思わせるスーツ姿をしたクーフーリン。
ケルベロスは真白いウルフドックに擬態して皆についていく姿。
「俺はこいつらをクリスに乗せて見滝原に戻るとするよ」
「分かったわ。私は連絡があったあの子達の迎えとして、隣街までバスを運転するわね」
「お前が連絡先をあいつらに伝えておいてくれて助かったよ。よろしく頼む」
ナオミと別れた尚紀達はクリスの元まで移動していく。
クリスに乗り込んだ尚紀達は車を走らせ、見滝原市を目指す。
車内では沈黙が続いていたが、後部座席に座ったクーフーリンが口を開いた。
「尚紀、お前が人間の守護者として生きてきた話は隠れている時に聞かせてもらった」
助手席に座り、開いた窓に片腕を置いて外を見つめていたセイテンタイセイも口を開く。
「そのうえで、俺様と後ろの犬共は言ってやる…手伝う気はねーぞ」
「人間ノ守護者トシテ生キル判断ヲ下シタノハ汝ダ。我ラガ望ンダモノデハナイ」
重い沈黙が続く。
答えなら分かっていたかのように動じない尚紀は構わず運転を続けるようだ。
「これは…俺が始めた戦いだ。お前達の戦いではないことぐらいは分かっている」
「アタシだって、ダーリンの世直しに付き合うつもりはないわよ?楽しい殺戮なら参加するけど」
「我々が借りがあるのはイルミナティ共だけだ。魔法少女社会を管理するなど興味は無い」
「もっとも、俺様に仕掛けてくる魔法少女がいるのなら話は別だがな」
「お前達の面倒なら俺が見てやる。戸籍も用意してやるから、普通に暮らしていけいばいい」
「人間社会での生活か…。人として生きていた時代を思い出させてくれる」
「せっかく流れ着いた世界だ。面白おかしく生きてやらなきゃ損だからなぁ」
「不慣レナ世界ダガ、我ハ汝ト共二生キヨウ。汝ヲ見届ケルコトガ我ノ使命ナノダ」
「お前らには紹介したい連中が沢山いる。神浜市という街でな」
「探偵としての仕事も終わったろ?帰る前に…見滝原って街で感じた悪魔について聞きたいぜ」
「そうだな…それもあった。今日は日曜日だし、帰るのは今日の夜でも構わないだろう」
見滝原市の街の光景を遠目に見ながら、新入り達について丈二にどう説明しようかを考える。
「これから忙しくなっていくな…」
新たに手に入れた仲魔とはかつての戦友たち。
強力な戦力になるだろうが、敵は余りにも強大過ぎる存在。
そして、暁美ほむらの敵もまた並ぶ者なきコトワリ神。
かつてのコトワリの神々以上の激闘が予想されるのは難しくないだろう。
それでも尚紀の心に恐れはない。
マニトゥとの戦いの時に感じられた感覚がそれを保障してくれる。
ボルテクス界で出会ったどんな神々や悪魔を前にしても負けなかった理由。
それは、心を繋いだ仲魔達がいてくれたからだった。
独自路線で叛逆の物語の続きっぽい二次世界を書いてますが、出来る限り早くワルプルギスの廻天を上映して欲しいものです。
原作マギレコは後つけ設定ばかりで整合性とるのは難しくなったので、せめて原作まどマギとぐらいは話の整合性作りたいな~…(汗)