人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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169話 フェミニズム・プロパガンダ

同性愛とフェミニズムによって、今まで形を保ててきた男女関係が破壊されていく。

 

これら社会改造計画を望む者達とは何者なのか?

 

実はフェミニズムとフリーメイソンには密接な関係性がある。

 

イルミナティの中核を成す中央銀行カルテルを統括する国際金融資本家が望む思想だからだ。

 

それは人類の奴隷化であり、正当化するには理論的基盤を必要とするのは当たり前。

 

イルミナティとは悪が善であり、善が悪だと信じるルシファー主義者達。

 

啓蒙の光を放つ我々こそが善だと言うが、その中身は悪そのもの。

 

いわゆる表現に二重の意味をもたせる(ダブル・ミーニング)である。

 

ルシファー主義者達の強大な組織に改変されてしまった組織こそがフリーメイソン。

 

彼らはルシファー主義者達の尖兵となり、真の目的は上位組織のイルミナティしか知らない。

 

フランス革命期の啓蒙主義から後の欧米文化とは基本的にルシファー主義に根差している。

 

根底には人間が唯一神にとって代わろうとする考え方が存在しているためだ。

 

それこそが魔法少女至上主義さえ内包した人類が掲げる至上主義、人間至上主義(ヒューマニズム)である。

 

現代文化には、ある意味宗教的な考え方が存在している。

 

ルシファー主義者達がもたらしてきた社会文化の考え方ともいえるだろう。

 

それは金(・)と(・)セ(・)ッ(・)ク(・)ス(・)こ(・)そ(・)が(・)全(・)て(・)だという退廃的な思想。

 

金とセックスを崇拝する文化的宗教こそがルシファー主義。

 

それはある意味、今までの封建的価値観を転覆させる社会革命ともいえるだろう。

 

フランス革命、アメリカ革命、ロシア革命、あらゆる革命が起こった後の世に溢れ出た思想だ。

 

貴族社会や教会などの旧秩序を破壊し、新世界秩序を築き上げる。

 

それこそがルシファーとイルミナティが求めるニューワールドオーダーであった。

 

「私は…今の魔法少女社会の長がやっている治世に反対します」

 

レストランの個室で遊佐葉月と向かい合うのは左翼テロ以降に契約した魔法少女の1人である。

 

「どうして…そんな考え方に至ったのかな?」

 

不満を募らせる相手を刺激しないよう、平静を保ちつつ相手の心理に寄り添う姿勢を示す。

 

「女性は男性社会から迫害されてきました…なのに…未だに男が行う治世に従うのですか?」

 

「言われてみれば…ななかが行う治世の中には男の入れ知恵部分が大きくあるね」

 

「その男は悪魔であり…魔法少女社会に牙を突き立てた者だと聞きます。なぜ従うのです?」

 

「確かに神浜魔法少女社会に殺戮をもたらしたね…でも、過ちを認めて改心してくれたんだよ」

 

「信じられません。本当に改心したというのなら、二度と魔法少女に関わるべきではないです」

 

「どうしてそんなにまで…男の人を遠ざけようと考えるのさ?」

 

なるべく刺激しないよう配慮するが、自分の味方をする気がない者に苛立ちが募っていく。

 

顔を歪めながら新入り魔法少女はこう叫び出す。

 

「魔法少女…いいえ、女性を守るためです!男は魔法少女の間に入り込み…大切な人を奪う!」

 

興奮しだした彼女をなだめるため何か冷たいものを奢ると葉月は言うが拒否されてしまう。

 

頑なな態度を続ける相手に対し、交渉を学んだ葉月は一計を用いる。

 

それは相手にイエス以外の選択肢を与えない交渉術であろう。

 

「貴女の気持ちは分かったよ。ならね…聞かせて欲しいんだ」

 

「何をですか?」

 

「女の子は男の子に虐げられるなら男の子は女の子に関わるべきではないという意見も分かる」

 

「……その通りです」

 

「なら男の尚紀さんは魔法少女社会問題については二度と近づかないでいいんじゃないかな?」

 

「それは…そうですね。男の人が魔法少女社会問題に関わるなんて…許せません」

 

「ななかは魔法少女である前に女だよ?女性が統治を行っているなら、それでいいじゃない?」

 

「違います!確かに長は女性ですが…男の相談役を作ってる時点で許せません!」

 

「ななかの治世を見てこなかったの?」

 

「えっ…?」

 

「彼女がいつ、魔法少女教育現場に男の人を連れてきたのか…思い出せる?」

 

「そ、それは……ありませんでした」

 

「今の神浜魔法少女社会は全て魔法少女という女性で自治出来ている。望み通りじゃない?」

 

「で、でも…男の人が相談役をしてるんでしょ?」

 

「相談役って、現場に出てくるような人だった?」

 

「……違います」

 

「尚紀さんもね、魔法少女は自分達で営むべきだと認めてる。だから魔獣退治も手伝わない」

 

「私達…女性の独立を認めている男だと…言いたいんですか?」

 

「女性社会に挟まりに来る男を排除するのも相談役として現場から蹴り出すのも同じだと思う」

 

「……………」

 

「なら、貴女は何を選びたいわけ?」

 

葉月は相手に都合がいいだけの選択肢を用意しており、これならノーという選択肢は消える。

 

イエス以外の選択肢を与えない上で思考を誘導していく。

 

マーケティングを習った者達が用いるダブルバインド手法であり、CM暗示に近い手口。

 

セールスで用いられる手法であり、買わないという選択肢を与えられずにクロージングされる。

 

どちらを選んでも勝ち確定なのだ。

 

「…分かりました。どうやら私の被害妄想だったみたいです…私の望みは既に叶ってました…」

 

「うんうん♪誰でも勘違いは起こすし、これからに活かせばいいんだよ~♪」

 

彼女の選択を尊重するかのように寄り添う笑顔を示した後、握手を用いて交渉は終了となる。

 

レストランから出てきた2人は別れていくが、同じように出てきた少女達が後をつけていく。

 

勝機を逃さぬ交渉には集中力がいるため、葉月は他の魔法少女の魔力に気がついていない。

 

「ちょっと、アンタ」

 

「えっ?あ…貴女達は…?」

 

「ちょっと顔貸しなさいよ」

 

葉月に言い包められた新入り魔法少女が無理やり路地裏に連れていかれる。

 

「ぐふっ!?」

 

路地裏で始まった光景とは社会リンチであり、暴行を浴びせられた魔法少女は倒れ込む。

 

「アタシ達の百合(リリス)社会を裏切る…男みたいな女め。アンタも名誉男性認定だから」

 

「な…なんで私が男扱いを受けるのよ!?私は魔法少女…女性なのよ!?」

 

「うるさい!!男を排除しきらない女なんてね…男の肩を持つ裏切り者なのよ!!」

 

「違うわ!私達の望みは既に叶ってるの!私達の被害妄想でしかな…がはっ!?」

 

再び殴る蹴るの暴行が始まっていく。

 

その光景はまるで百合至上主義者による制裁行為。

 

百合の間に挟まりに来る可能性を残す男を認める女を許さない行為でしかない。

 

「あ…あぁ……」

 

倒れ込んだ魔法少女を見下ろす百合至上主義者達の1人が膝を屈めて顔を覗き込んでくる。

 

「男の肩を持つ男みたいな魔法少女に洗脳されちゃダメだよ。貴女が望んでいる思想って何?」

 

「そ…それは……」

 

「魔法少女である前に私達は女。だからこそ男社会が繰り返してきた迫害を許さない者よね?」

 

「う…うん…その考え方だけは…私は捨てる気はないから」

 

「なら、もう過ちを繰り返しちゃダメだよ。私達に必要な思想は何か…言ってみて」

 

許されたい意識が優先してしまうため、勘違いを認められなくなった魔法少女が立ち上がる。

 

涙を袖で拭った後、決断する言葉を皆に伝えてしまう。

 

「私達に必要なのは…自由な恋愛。それを守る政治思想こそが…フェミニズムなのよ」

 

「その通り♪ごめんね…男扱いしちゃってさ。殴ってでも貴女の間違いを止めたかったの」

 

「ううん、気にしてない。過ちは支え合う…喧嘩してでも止めてくれるのが友情だよね♪」

 

まるでDV夫が時たま見せる優しさに懐柔され、洗脳されていく妻のような光景に見えてくる。

 

葉月に説得された魔法少女は再び男である嘉嶋尚紀排除を叫び出す事態になっていくのだ。

 

そんな中、路地裏の光景を見つめていた人物がいる。

 

屋上で佇み、風で揺れているのは天女のような羽衣。

 

その人物を知る者は東側の魔法少女社会に多いはず。

 

しかし魔法少女の虐殺者によって殆どを殺されたため、彼女を知る者は限られてしまっている。

 

「……キャハッ★」

 

両手を持ち上げながら顎にかざして可愛い笑顔を向けてくる。

 

笑顔を向けていたのだが表情が変わっていき、不気味な雰囲気を醸し出す。

 

何より不気味なのは彼女の片目であり、生前の彼女にはなかった真紅の瞳が浮かんでいるのだ。

 

「……君達は、フリーセックス(自由な恋愛)を望むべきなのだ」

 

少女であるはずの人物だが、まるで男を内包しているかのような喋り方を始めてくる。

 

意味深な言葉を残した後、天女の姿をした少女は消えてしまう。

 

天女の姿をした少女なら神浜左翼テロの際にも見かけた事があるだろう。

 

屋上で佇んでいた人物とは死んだはずの藍家ひめなであった。

 

♦

 

神浜の南凪区には東京のビックサイトと同じような国際展示場が存在している。

 

ここでは毎年のようにオタク達が集まる同人誌即売会やコスプレイベントが催されている。

 

今年はテロの被害も大きく、冬にあったカミケは自粛されてしまったようだ。

 

心に深い悲しみを抱えつつも癒しを求めるようにして神浜の電気街を歩く人物がいる。

 

「ふぅ…やはり、乾ききった僕の心を癒してくれる場所は…魂のルフランしかない」

 

歩いていたのは神浜の東で活動する魔法少女であり、頭が痛々しいその人物とは水樹塁である。

 

「この乾いた心を癒すには僕の欲しい魔導書をふんだんに手に入れるしかない!薄い本(同人誌)だけど」

 

カミケの為に溜め込んでいたお小遣いを握り締め、同人誌やアニメグッズを取り扱う店に急行。

 

暫くした頃、店から出て来た彼女の表情は喜びに包まれている。

 

オタクのプライバシーの品はリュックに仕舞い、ウキウキ気分で帰ろうとしていた時だった。

 

<<オタクは女性を差別するなーーっ!!>>

 

突然聞こえてきたのはフェミニズム運動団体の声である。

 

「な…何なの…あの人達…?」

 

彼らが叫んでいる理屈はオタクである水樹塁には理解不能な概念ばかり。

 

「オタクの美少女コンテンツは女性を性消費差別しているわ!!」

 

「女性はロリコン男共の性消費道具じゃない!!」

 

「女性を辱める美少女ポスターなんていらないし商品もいらない!電気街は女性差別の街よ!」

 

「この電気街の美少女ポスターの撤去を求めます!!」

 

今まで意識すらした事がない、当たり前だったオタク社会の光景に待ったをかける者達。

 

果たして彼女達の理屈とは本当に女性のための権利運動なのか?断じて違う。

 

何故ならオタク趣味を愛している女性なら目の前にいるのだから。

 

「あ…あの……」

 

「な…何よ、貴女は…?私達の運動に加わりたいの?」

 

政治運動を行う団体の元まで歩いて来た人物とはオドオドした表情を浮かべたままの水樹塁。

 

普段の性格は大人しく内向的であるため、彼女を知る友人が見れば信じ難い光景だろう。

 

それでも声をかけてしまったのは譲れない信念があるからだ。

 

「オタクにも…好きなモノを好きだって思い…愛する権利が…あると思う……」

 

彼女の言葉は電気街のオタクを擁護する。

 

それを聞いた過激派フェミニスト達が大人しく引き下がるはずがない。

 

「この女性差別主義者め!!あんたは女なのに…ロリコン男共の味方をするっていうの!?」

 

「ち…違う!!私…は…オタクは…ロリコンばかりじゃないって…思う…」

 

「嘘おっしゃい!見なさいこの電気街のポスターを!十代の少女達を性消費道具にしてるわ!」

 

「そ…それは…商売だから…広告を出してるだけだから……」

 

「広告なら何を使ってもいいっていうの!?女性を玩具にして男共の支配欲を喜ばせたいの!」

 

「そんな人達が全てじゃない…でも…薄い本を楽しみたいっていうのは…性欲なのは認める…」

 

「聞いた?この女は女性を男共にレイプさせる表現に味方する…裏切り者の女よ!!」

 

<<この名誉男性め!!男(・)の(・)味(・)方(・)を(・)す(・)る(・)女(・)は(・)女(・)性(・)の(・)敵(・)よ!!>>

 

自分達が何を言っているのかもフェミニスト達は理解していない。

 

男の味方をする女は女の敵なんて理屈など、もはや破綻している。

 

それにも気が付かず、自分達に都合のいい我儘ばかりを垂れ流す連中なのだ。

 

左翼研究家は左翼の言葉は本音の裏返しであると言葉を残す。

 

そしてこれもまた善悪二元論の光景であろう。

 

周囲を歩くオタク達はフェミ共に苛立っているが、水樹塁の味方になろうと前に出てこない。

 

フェミニスト達がオタク社会を攻撃するのには大きな理由がある。

 

未だに残る偏見に怯えるオタク社会の男達なら何を言っても無抵抗。

 

二次元美少女コンテンツという分かり易い悪を用意出来る事もあり参加しやすい。

 

誰かを社会悪にしてスケープゴートの生贄として用意した上でしゃぶりつくす。

 

分かり易い悪を用意してサンドバックにするのはフィクションでなくとも楽しいものなのだ。

 

「いい加減にしてよ!!」

 

フェミニスト達の金切り声にも負けない叫びを上げた水樹塁。

 

前髪で片方を隠しているため片目しか出さないのだが、その瞳には怒りの炎が宿っている。

 

「どうしてオタクだから差別するの!?オタクにだって…内心の自由があるべきだよ!!」

 

「ふざけるなぁ!!オタク男共の自由のせいで…どれだけの女性が傷ついたわけ!?」

 

「鏡が見えないの!?オタクを差別する君達の言葉で僕がどれだけ傷ついたと思ってるの!?」

 

「僕?アッハハハ!!やっぱコイツは名誉男性だわ!」

 

「そうそう♪僕なんて男の一人称を有難がる名誉男性なら、そりゃロリコン男の味方するよね」

 

ゲラゲラと嘲笑われるのは1人のオタクとして立ち上がった魔法少女。

 

怖さと悔しさで体が震えて涙目になっても、それでも譲れない気持ちがあるのだろう。

 

「オタクが好きな事を捨てるのは死ぬのと同じ!!君達は…僕達オタクに死ねと言うのか!?」

 

「そうよ!!女性を性消費差別するオタク…いいえ、男社会なんて…全員滅びちまえ!!」

 

ついにフェミニスト共の本音がぶちまけられた事で大人しい彼女も我慢の限界をきたす。

 

「お前達ぃぃぃぃぃーーーっ!!!」

 

怒りで我を忘れながら左手を掲げてしまう。

 

ソウルジェムを生み出そうとした彼女の肩を掴んだのは南凪区で活動する魔法少女である。

 

「…怒りたい気持ちは分かるネ。それでも刃を抜いてしまたら…加害者にされるのはお前ヨ」

 

「美雨…さん……?」

 

「魔法少女の虐殺者として生きてしまたナオキと戦たお前は…何を学んだネ?」

 

「あっ……」

 

「行くネ…こいつらはもう、見たいものしか見ないし…信じない連中ヨ」

 

逃げるようにして去って行く2人の背後ではフェミニスト達が勝利を喜び合うバカ騒ぎ。

 

悔しい感情が溢れ出す水樹塁はまた涙目となってしまう。

 

「アレはフェミニストと呼ばれる政治運動連中ネ。男女平等を謳う連中だけどそう見えるカ?」

 

「全然見えない…あいつらは女である僕を差別した!オタク趣味を持つ他の女性も差別した!」

 

「それがフェミニストの正体ネ。女性至上主義なんてものじゃない…フ(・)ェ(・)ミ(・)ニ(・)ズ(・)ム(・)至(・)上(・)主(・)義(・)ヨ」

 

「自分達さえ良ければそれでいいだなんて…あんまりだよ……」

 

「その嘆きの気持ちこそが…心の自由を望む気持ちこそがナオキの圧政に立ち向かた気持ちネ」

 

「そうだった…僕達は…いくら社会大儀を振りかざされても…首を縦には振りたくなかった…」

 

「内心とは心の神殿ネ。神殿を荒らしに来る外来の異教徒教義が現れたら全力で抵抗するヨ」

 

「怒りと憎しみの正当化…それが左翼運動なんだね?連中は何の大儀を振りかざしたいの?」

 

美雨は立ち止まった後、顔を俯けながらこう零す。

 

「あいつらが味方するのはレズやゲイ、バイやトランスジェンダー…LGBTと呼ばれる人々ネ」

 

「いわゆる同性愛者や…性同一性障害を抱えた人達の味方をしたいってわけだね…」

 

「それが不味い事態を招いているヨ」

 

「不味い事態…?」

 

「魔法少女社会には…古くからの恋愛観があるのは…知てるカ?」

 

水樹塁も魔法少女社会では経験を積んできたため、魔法少女社会を長く見てきた者。

 

だからこそ魔法少女達の恋愛光景なら幾度か見てきた経験をもっているから伝わってくれる。

 

「ま…まさか…」

 

「…お察しの通りネ」

 

「新入り魔法少女達の中に…同性愛を望む子達が大勢いる…?」

 

「だからこそ…彼女達は求めてしまうヨ…」

 

――同性愛者を正当化出来る政治思想…フェミニズムを。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

病んだ生物がいたとしよう。

 

病んだ生物が周りの生物に対してこう叫び出す。

 

自分達は健康で、健康な動物こそが病気なのだと訴えていく。

 

そんな生物の理屈を鵜呑みにすれば、どうなってしまう?

 

言うまでもなく病気は進行し、正常な動物まで病気にされていく。

 

これが今の社会と同性愛者との関係性なのだ。

 

ごく自然な異性愛者達の社会と家庭は今、フェミニズムによって大きなダメージを負っている。

 

どちらが病気なのかはフェミニズムの本場である米国社会を例にすれば分かるだろう。

 

ゲイと呼ばれる人物達は自分達を冷静に分析出来てはいない。

 

それはレズビアン達とて同じであった。

 

「……れんちゃんは、どう思う?」

 

メイド喫茶の店内の端にはメイドさん達も近寄れないぐらい暗い空気を醸し出す少女達がいる。

 

中央で活動している魔法少女の綾野梨花と西側で活動している五十鈴れんが何かを話し込む。

 

暗い表情をして相談している内容とは魔法少女社会に流行りだしたフェミニズムについてだ。

 

政治の話題を急に話された事で政治に詳しいわけでもないれんの表情は困惑を隠せない。

 

「えと…その…私…政治とか考えた事がなくて…よく分からない…かな…」

 

「あたしだって…政治なんて興味なかったよ。でもさ、今はもう…そんな事を言ってられない」

 

「そうですね…政治に無関心だったからこそ…東の魔法少女達に手を差し伸べられなかった…」

 

「過ちは繰り返したくない…でも、あたしはフェミニストになった子達の気持ちも分かるの…」

 

「どういう…意味ですか…?」

 

梨花の顔が俯いた後、頬を染めてしまう。

 

こういう話題は慣れているかと思ったが、それでも気恥ずかしい恥じらいを抱えているようだ。

 

「れんちゃんはさ…あたしがレズビアンだって…知ってるよね?」

 

「……はい」

 

綾野梨花には昔から愛していた同性の幼馴染がいたという。

 

ある日、彼女と愛する幼馴染との間にやってくる存在が現れる。

 

百合の間に挟まりに来た存在とは男性であり、人間だった頃の梨花は悩み抜く。

 

男女の仲を認められない感情に苦しんでいた時、知り合った魔法少女から契約を勧められる。

 

誘惑に飛びつき魔法少女となったのが綾野梨花が背負う過去のようだ。

 

「あたしの願いは…叶わない恋の成就だった」

 

4年間も思い続けた愛する女を百合の間に挟まりにきた男になど奪われたくない。

 

契約によって果たされたのは挟まりに現れた男との関係を両方忘れさせること。

 

何事もなかったかのようにして男は去り、愛する同性を自分のものにしている。

 

何故か女性同士の恋愛概念だと考えられてしまう百合の大勝利の光景であろう。

 

フェミニストがこれを聞けば、男に勝利した梨花を絶賛するはず。

 

だが彼女は自分の望みを果たしたはずなのに苦しんできたようだ。

 

「何も知らない幼馴染とのデートは…あの子を騙している気分しか感じられなかった…」

 

「一時の喜びは得られても奇跡を悪用しただけ…梨花ちゃんはそれを…私に語ってくれました」

 

「耐えられなくて魔獣に八つ当たりを繰り返した。あたしの苦しみを聞いてくれたのが…」

 

「中央の長を務めてくれていた…都ひなのさんだと…聞いてます…はい」

 

「レズであっても…都先輩は平等に接してくれた。親身に接してくれるから…話ちゃった」

 

「奇跡の悪用を…ですね」

 

「あたしは後悔したんだ…偶然出会った前の彼氏を見てたらさ…凄くいい人だったの」

 

「梨花ちゃんが合コンに行く時によく見かけるという…心無い男の人ではなかったんですね…」

 

「百合漫画で使われるような酷い男じゃなかった…だからね…あの人なら構わないと思ったの」

 

「だから…愛した幼馴染の子と…辛いのに…別れたんですね」

 

「都先輩はあたしに協力してくれた…別れた彼氏さんと出会うチャンスを作ってくれたの…」

 

「そして…幼馴染と前の彼氏さんは…もう一度男女関係を結べたと…聞いてます」

 

「あはっ…辛い気持ちはね、溜め込むとしんどいの。れんちゃんには…知ってもらいたくて…」

 

「話してくれた時…そんな気持ちを向けてくれた事が嬉しかったです。そして今も…同じです」

 

大きな溜息をついた後、話が脱線した事に乾いた笑いが出てしまう。

 

「フェミニストのやり方はね…奇跡の力を悪用していた頃のあたしの姿…そのものなんだ」

 

「自(・)分(・)に(・)都(・)合(・)が(・)い(・)い(・)感(・)情(・)し(・)か(・)見(・)な(・)い(・)…(・)そ(・)れ(・)を(・)周(・)り(・)に(・)押(・)し(・)付(・)け(・)る(・)…」

 

「だからさ…フェミニストになった魔法少女達にも…気づいて欲しい」

 

――百合の間に挟まりに来る男の人全てが…邪(・)悪(・)な(・)存(・)在(・)な(・)ん(・)か(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)ってことをね。

 

暗い話題を繰り返す彼女達の声は店内に響く談笑の声によって搔き消されている。

 

だが、そんな彼女達の会話を密かに聞いていた人物がいたようだ。

 

「なんて…なんて冷静な子なの!!アタシ…感動しちゃったわ!!」

 

素っ頓狂な叫び声を上げたのは彼女達の後ろの席に座っていた人物である。

 

「えっ!?お…おじさん…誰?」

 

「いやん!!おじさんだなんて言わないで!オネエサマと呼んで頂戴!」

 

「えっと…たしか、このメイド喫茶の店長さんだと…存じてます」

 

現れた人物とは容疑が晴れたため解放されたメイド喫茶の店長であろう。

 

「梨花ちゃんと…れんちゃんね?隣に座ってもいいかしら?」

 

「構いませんけど…店長さんがお仕事サボってても大丈夫なんですか?」

 

「そこら辺は店のオーナーでもあるアタシの特権を使わせてもらっちゃう♡」

 

意気揚々とれんの横に座り込んだ後、店長は梨花と向き合う。

 

最初は笑顔を向けていたのだが、だんだんと辛そうな表情になりながらこんな話を零す。

 

「梨花ちゃん…アタシの喋り方や態度を見て…どう思う?」

 

「もしかして…店長さんも…?」

 

「そう…アタシはゲイなの。だからね…同性愛者のレズビアンの気持ちは…痛い程分かるわ」

 

「そっか…店長さんも…辛い恋愛を経験してきたんだね?」

 

「うん…ゲイを押し付けるわけにもいかないからね。でもね…アタシの周りのゲイは違うのよ」

 

「どういう事なんですか…?」

 

深刻な表情を浮かべたまま今のゲイ社会に巻き起こるフェミニズム問題を語ってくれる。

 

語る内容は米国ゲイ社会のライフスタイルの間違い部分を指摘する内容と同じだろう。

 

「ゲイはね…虚言癖を患い易いの。だから詐欺師になっていくゲイ友達も大勢いたわ…」

 

「そ…そんな…」

 

「原因は日常的に自分を偽ってきたから。やがて自分はゲイではないと自己欺瞞に陥っていく」

 

「まるでフェミニストが繰り返す…虚言癖みたいな症状ですね…」

 

「アタシを含めたゲイはね…あらゆる固定観念を否定する。それはきっとレズビアンも同じよ」

 

同性愛者のモラルとは何か?

 

同じ同性愛者である店長はレズビアンである梨花にも分かり易い言葉で例えてくれる。

 

「そんな……嘘だと言ってよ!!」

 

分かり易い言葉を選んだために酷い言葉を選んでおり、同性愛者のモラルについてこう話す。

 

――自分はやりたい事をやる、お(・)前(・)達(・)は(・)地(・)獄(・)に(・)堕(・)ち(・)れ(・)ば(・)い(・)い(・)。

 

「アタシのゲイ友達は…信頼している友人の既婚者でさえ…食い物にしてきたわ…」

 

「嘘だよ…そんなの…!あたしと同じ悪事を…ゲイの人達までするなんて!?」

 

「アタシが生き証人よ。彼らの略奪行為を正当化したのは性の自由…フェミニズムだったのよ」

 

我儘を押し通すためなら友人であろうが簡単に裏切るフェミニスト連中がいると語られる。

 

そんな誠意のないゲイ友達に憤慨した冷静な店長は縁切りを行ったようだ。

 

「同じ同性愛者として情けない…ゲイやレズの子はね…病的なまでに自堕落になる時があるの」

 

常に注目され、賞賛されることを求める。

 

他者への共感や配慮が欠如し、他者への興味も長続きしない。

 

浅薄で流行に敏感であり、誘惑好きであり、外見を膨張し、目的のためなら他人を利用する。

 

政治やメディア、SNSで流行りだしたフェミニズムに飛びつく者達の言動と酷似するだろう。

 

「人間関係において過大な自己像と卑屈の気持ちの間で揺れ動く…気を付けたい心理ね…」

 

「あたし…あたしも確かに…そんな気持ちになった気がする。だからあたしは…あたしは…」

 

ギャル衣装を纏い、合コンで目立ち、キュウベぇを利用し、幼馴染の気持ちさえ裏切っている。

 

綾野梨花が犯してしまった過去の過ちが怖くなった事で体が震えてしまう。

 

同性愛者は自分のエゴと向き合う時、これ程までの苦しみを背負う事になる。

 

「アタシはゲイ仲間に警告してきたわ。貴方達の望む理想を行えば異性愛社会は地獄になると」

 

ア〇ルセックスにコンドームは不要であると叫び、HIVに感染していく。

 

性的興奮を常に求めてアルコールやドラッグに手を染める。

 

フェチやスカ〇ロやSM、公衆浴場を利用する同性同士のセックス、もはやキリがない。

 

「何よりも恐ろしいのは…それを禁止する行為そのものを…差(・)別(・)問(・)題(・)に(・)す(・)り(・)替(・)え(・)る(・)手口なのよ」

 

これを行うのが海外の悪徳であるフェミニズムに媚びを売る売国政治家や偏向メディア達。

 

最も反発を招きにくい形で同性愛を宣伝する。

 

同性愛に対する恐れはユダヤ人や黒人や女性差別に繋がると宣伝する。

 

同性愛者は普通だというイメージを摺り込み、NEWノーマルとして異性愛社会に定着させる。

 

宣(・)伝(・)は(・)真(・)実(・)で(・)な(・)く(・)て(・)も(・)構(・)わ(・)な(・)い(・)。

 

理由は同じくらい真実とかけ離れている負の偏見に対抗するため。

 

同性愛者達の真実が偏見と同じか、それ以上に酷いものだと認めているようなものだろう。

 

「気が付けば新しい生活様式という欺瞞に満ちた言葉で今までの安定した社会は壊されるのよ」

 

「それに気が付かないのが…神浜で巻き起こっているフェミニズム問題なんですか?」

 

「アナタ達のさっきの会話内容は伏せとくわ。何者であっても構わない…でも、忘れないで」

 

同性愛を望む気持ちは内心の自由であり、公共の福祉の範囲内なら尊重されるべき。

 

だが同性愛を差別問題にすり替えた時点で加(・)害(・)者(・)に(・)し(・)か(・)な(・)り(・)得(・)な(・)い(・)と店長は伝えるのであった。

 

♦

 

米国で巻き起こったフェミニズムを危惧する著作は数多い。

 

米国のライフスタイルに対して体制転覆よりも遥かに大きな脅威となるものを想定している。

 

著者達は口を揃えてこんな言葉を残す。

 

米国人の感情と意思と意見に対し、事前に計画した心理攻撃を行う。

 

メディアによるプロパガンダによってそれを転換させる。

 

普通の人達の偏見と恐怖、憎悪の感情を否応なく寛容な認知へと変質させていく。

 

こんな手のかかる真似をせざるを得ないのは同性愛者達が自分達は異常だと感じているからだ。

 

ならばこうすればいい。

 

我々の同性愛を社会が認めないのなら、我々の同(・)性(・)愛(・)が(・)社(・)会(・)常(・)識(・)と(・)な(・)る(・)世(・)界(・)を(・)築(・)け(・)ば(・)い(・)い(・)。

 

まさに今までの世界へ求める我儘という名の自由要求、ニューワールドオーダーであった。

 

2020年1月頃。

 

12月頃に芸能界デビューを果たした史乃沙優希は彗星の如く輝かしいデビューを飾っている。

 

あらゆるメディアが所属する事務所に仕事依頼を寄越し、秒単位スケジュールを必要する程だ。

 

それでも沙優希は失った友達が蘇っていく感覚を感じているため嬉しい毎日を送っている。

 

事務所に届くファンレターの数は鰻登り。

 

雑誌取材が数多く行われ、コンビニで彼女を飾る表紙が溢れ出す程の規模である。

 

地方都市のご当地アイドルにもたらされたのは余りにも違和感を感じさせる現実の数々。

 

それを可能とする存在こそが国際金融資本家と広告代理店の力なのだ。

 

「史乃沙優希は従順に動いてくれているようね?」

 

「我々のプロデュースに沿う形で宣伝を行い、彼女のメディア登場頻度を急加速させました」

 

話している人物とは黒のビジネススーツを着たリリス。

 

その隣にいる男は日本において世界規模を誇る程の広告代理店の代表を務める者であろう。

 

日本メディアの総本山にリリスは赴いているというわけだ。

 

「彼女は多くの友達に飢えていた魔法少女…メディアで目立てばそれだけファンが集まるわ」

 

「愚かな事です。消費者が求めているものなど性的偶像崇拝という娯楽に過ぎないというのに」

 

「人間なんて何処までも我儘なものよ。都合の悪い情報など聞きたくもない態度を繰り返す」

 

「まさに思考の蛸壺現象。SNS社会においてはデ(・)ジ(・)タ(・)ル(・)・(・)ゲ(・)リ(・)マ(・)ン(・)ダ(・)ー(・)を完成させる要素です」

 

ゲリマンダーというのは元々は選挙区の境界線を意味するもの。

 

ある党派が他の党派よりも有利になるように恣意的に画定する事を指す用語である。

 

これはSNS社会を言い表せる現象にもなるという。

 

SNSなどは自分が気に入るアカウントをフォローする事から始まる。

 

気に入らないアカウントも多く見かけるだろうから無視するなりブロックなりしていく。

 

そんな事を続けていけば、どのようになるのか?

 

自分に居心地のいい快適空間を築き上げる事は出来る。

 

しかし自分の価値観に合う情報しか集まらないという弊害をもたらしてしまう。

 

自分に都合がいい情報を鵜呑みにし、内容も考えない、一次情報も確認せずに肯定してしまう。

 

一次情報を検証しないためフェイクニュースにまんまと吊られていく蛸壺空間が完成する。

 

レッテル張りしか出来ない弱者を欲しがる存在こそが為政者の息が掛かるインフルエンサー達。

 

デジタル・ゲリマンダーとは思(・)考(・)の(・)蛸(・)壺(・)化(・)を(・)利(・)用(・)す(・)る(・)政(・)治(・)的(・)扇(・)動(・)行(・)為(・)を(・)表(・)す(・)言葉なのだ。

 

「ルシファー閣下と私が求めているものとは何か…言ってみなさい」

 

「はい、それはNWOであり、宇宙意思である唯一神への叛逆を意味し……」

 

「そうじゃないわ。私と閣下が男女社会へ求める望みを言うのよ」

 

「し、失礼しました…それはルシファー主義を完成させることです」

 

「閣下の存在とは、どのようなものか…知っているかしら?」

 

「男神であると同時に女神でも在らせられます」

 

だからこそルシファーは人類に対して女(・)ら(・)し(・)さ(・)、(・)男(・)ら(・)し(・)さ(・)の(・)境(・)界(・)線(・)を(・)破(・)壊(・)す(・)る(・)事を望むという。

 

理解しているようなのでリリスは微笑みを返す仕草を行いながらこう告げる。

 

「それじゃあ、後の事は任せるわ。私は他にも色々と仕事を抱える多忙な女なのよ」

 

「お任せを。それと1月の第三日曜日には史乃沙優希の神浜凱旋イベントも予定してますので」

 

「分かった。彼女が人類を堕落させていく光景は心が躍る…私もライブを拝見させてもらうわ」

 

オールバックにした黒髪を掻き上げる仕草を行った後、踵を返してエレベーターに向かう。

 

世界を代表する広告代理店のビルの一階までリリスは下りてくる。

 

出入口に向けてリリスは歩いていくのだが、彼女が踏みしめる大理石の床を見て欲しい。

 

パネルのように並べられた大理石の床には全て特徴的なシンボルが描かれている。

 

床一面目玉とピラミッドを表すようなシンボルが描かれているのだ。

 

入り口から出てくるとリリスの頭上には五芒星のシンボルまで用意されている。

 

本当にこの広告代理店は日本の広告代理店なのかを疑いたくなる光景であろう。

 

「お待ちしておりました。どうぞお乗りください、リリス様」

 

待たせていたロールスロイスに乗り込んだ後、運転手が車の扉を閉める。

 

シークレットサービスのような見た目をした護衛達も移動して車に乗り込んでいく。

 

車列が発進していく中、後部座席で待っていた存在に顔を向けたようだ。

 

「その姿…この前の神浜テロの時に召し上がった魂を気に入られた様子ですね?」

 

隣に座っていた人物とは神浜未来アカデミーの女子制服姿をしている藍家ひめなであろう。

 

「ありよりのありな姿でしょ?閣下と私チャンはね、思想の上ではアチュラチュなんだ~★」

 

「まぁ…?彼女の魂を取り込んだ時にその魂を消化せず、内に取り込んだのですか?」

 

「正確に言えば、私チャンから生まれた魔女が記憶していた情報を閣下が取り込んだわけ」

 

「つまりは…藍家ひめなの魔女情報を元にして、彼女の言動をマネてらっしゃるのですね?」

 

藍家ひめなの言動を続けているがリリスが乗ってこないため元の男口調に戻ってしまう。

 

「フッ…彼女の絶望がもたらしてくれた感情エネルギーは美味だった。彼女が気に入ったのさ」

 

「先ほど仰ってましたが…藍家ひめなと閣下の思想が一致しているというのは?」

 

「それについては、藍家ひめなと呼ばれた人物を語らねばならないね」

 

取り込んだ魔女の情報を頼りに如何にして藍家ひめなが魔法少女になったのかを語ってくれる。

 

「秀才だった幼馴染の男との関係に釣り合わない自分に絶望していたのが藍家ひめなであった」

 

劣等生というコンプレックスを抱えてまで付き合いはしたけれど、周りは関係を認めない。

 

古い価値観に縛られる者ばかりであり、先に耐えられなくなったのは男の方だと語っていく。

 

男が自殺した時、契約の天使が現れて契約を行ってしまう。

 

そして生まれた固有魔法こそが合成だったようだ。

 

「死んだ男は彼女と合成させられ、彼女の中にしか存在しなくなった。そうなればどうなる?」

 

「愛した男の存在をいくら周りに語ろうとも、誰も信用しないでしょうね」

 

「友達どころか親にさえ信用されず、絶望したまま河川敷で黄昏ていたというわけさ」

 

「そこで拾ったのが栗栖アレクサンドラに擬態した閣下だったというわけですか」

 

「皮肉なものだ。愛した男と合成を望んだ者なのに…今度は私(・)と(・)合(・)成(・)し(・)て(・)い(・)る(・)ではないか」

 

「男と女の合成を望んだ魔法少女…確かに、その存在は閣下に近かったのだろうと思いますわ」

 

「だからこそ、彼女は私と同じ答えを求めたのだ。自由な恋愛という考え方をね」

 

「古い価値観に縛られず、新しい価値観にアップデートさせる。それは貴方様の望みですわね」

 

「男女という概念こそが唯一神が用意した生命の在り方だ。私はそれらを真(・)逆(・)に(・)し(・)て(・)や(・)り(・)た(・)い(・)」

 

「男は女のように女々しくなり、女は男のようにガサツにしていく…」

 

「そんな男女になったなら、もはや核家族など成立しない。互いが我儘言い放題な環境となる」

 

「金とセックスが全てとなり、結婚さえ望まない男女で溢れ出す…アジェンダの光景ですわ」

 

「我々は地球という人間牧場の管理者である牧師達。増え過ぎる羊共は…生(・)産(・)を(・)抑(・)え(・)る(・)に(・)限(・)る(・)」

 

片腕を窓際に置き、外の景色に視線を向ける者こそが魔法少女のフリをした大魔王の姿。

 

彼女の顔が映る窓には藍家ひめなの顔も映っており、低い笑い声が車内に響きだす。

 

窓ガラスに映っているひめなの口元には邪悪な笑みが浮かんでいく。

 

「私チャンは望んでた。誰も逆らえない者となり、自由恋愛を生み出す支配側になりたいとね」

 

ひめなが望んだ世界とは魔法少女主義を信用する人物を中心とした管理制度が施された世界。

 

システムを細分化して人口と面積単位で割り当て、主義を信じる者にだけ恩恵を与える。

 

「私チャンが望んだ世界構造は…もう行われていた。それこそがイルミナティなんだよ」

 

ルシファー主義を信用するルシフェリアンを中心とした管理制度が施された世界。

 

銀行システムを細分化して人口と面積単位で割り当て、主義を信じる者にだけ恩恵を与える。

 

「これからも私チャンは人類を天辺に導いていく」

 

――だって今の私チャンはね、光(・)を(・)運(・)ぶ(・)現(・)人(・)神(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)んだから★

 

藍家ひめなが組織したルミエールソサエティの旗に記されたシジルがある。

 

中央の剣の側面から伸びるようにして広がるのは六枚翼を表す形。

 

その上を光が照らすシジルこそがルミエールを掲げた啓蒙会のシンボル。

 

藍家ひめなが掲げたシンボルの形こそが今の彼女の姿そのもの。

 

ひめなの背中に隠された六枚翼と啓蒙の光はこれからもイルミナティを導く光となるだろう。

 

彼女が望んだ人類管理を行うため、役目を引き継ぐイルミナティが世界を乗っ取るのであった。

 




藍家ひめなちゃんPUガチャの絵が可愛い印象を受けたので、まだ捨てるには勿体ないと思いまして使っていこうと思いました。
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