人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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170話 女性器のモノローグ

イルミナティの真の目的とは大衆を堕落させる事にある。

 

中でもセックスはあらゆる人間に共通した基本的行為であり、目的にとって好都合。

 

その尖兵とされてしまったフリーメイソンはセックスカルトとも言えるだろう。

 

コンパスと定規の中央に描かれたGマークにはゴッド以外にも意味がある。

 

GENERATION(世代)という意味まで込められているのだ。

 

彼らの描くオベリスクは男性器を象徴し、円の中に描く点は女性器に挿入する意味がある。

 

我々が考えてきた性の解放や進歩という欧米概念こそがフリーメイソン理念。

 

秘密裏に行われてきた大衆洗脳に気が付かないまま多くの人々が同性愛万歳と叫んできたのだ。

 

「そう…神浜の電気街でフェミニズム団体から酷い言葉を浴びせられたのね…」

 

神浜の栄区図書館に集まってきているのは工匠学舎に通う魔法少女達。

 

古町みくら、吉良てまり、三穂野せいらに対して辛さを語るのは水樹塁であろう。

 

「みんな酷い…オタクが何したっていうの!私達にだって…好きなモノを愛する権利がある!」

 

「その通りです、水樹さん。彼女達の主張など自分達の我儘を押し通したいだけです」

 

「フェミニズムかぁ…この問題は映画好きとして看過出来ない問題でもあったんだよね…」

 

「そうね…フェミニズムの本場である米国映画産業はフェミニズムの実験場みたいなものよね」

 

「いつの間にか男は邪悪な存在で…女こそ正義であり邪悪な男を滅ぼす存在に変えられたんだ」

 

「文芸作品にも多くあります。アメリカ文学史で有名な戯曲がここにもあるので持ってきます」

 

てまりが席を立ち上がって図書館内を移動していく。

 

持ってきた文芸書を皆の前で開き、要点を語ってくれる。

 

「この戯曲の骨子となっているメッセージとは…男(・)は(・)人(・)間(・)以(・)下(・)の(・)生(・)き(・)物(・)という主張です」

 

「私や…電気街のオタク達を差別してきたフェミニスト連中の理屈と同じだね…」

 

「異性愛者の社会や家族は捏造されたものだと演出している内容でした」

 

「酷い内容ね…まぁ百合漫画とかでもそのほうがレズカップルが持ち上がるから使われるけど」

 

「この作者も同性愛者です。内容はフェミニズムとの類似性があり、自(・)己(・)嫌(・)悪(・)そ(・)の(・)も(・)の(・)です」

 

「このタイトル…そういえば洋画で上映されたんだよ。私は見たいなんて思わなかったけど…」

 

「つまり…フェミニストと同性愛者は同盟を築ける程にまで親和性があるというわけね」

 

「さっき言ってた酷い男性差別…思い当たる節が電気街であったの…」

 

「どういうことなの、水樹さん?」

 

「帰っていた時…私の叫びを喜んでくれたオタク女子がいたの。彼女も不満を感じてたみたい」

 

「その子は何を水樹さんに伝えてくれたんですか?」

 

「フェミニストは何故かBLには文句を言わない。美少女作品だけを敵視してると言ってた…」

 

「つまり性消費道具にされるなら、劣等種である男を使えばフェミは文句無しというわけね」

 

「それでいて同性愛だけは尊ぶ…自分は良くて、お前はダメ…酷いダブルスタンダード連中よ」

 

「どうして日本にフェミニズムなんて狂った思想が流行りだしたのか…私には分からない…」

 

悩み苦しんでいる魔法少女達を見かけた人物が声をかけてくる。

 

「興味深い話をしているようね?」

 

「やちよさん…?貴女も栄区の図書館に用事があったんですね」

 

「レポートを書く資料を探してたの。それより…隣に座ってもいいかしら?」

 

「はい、どうぞ座って下さい」

 

「年上だけど無理に丁寧語を使う必要は無いわ。私はもう西の長ではないのだから」

 

彼女達の横に座った後、やちよは重い口を開き始める。

 

「貴女達が話していたフェミニズム問題は…私の大学にまで影響を及ぼしているのよ」

 

「どういう事なんですか?」

 

「私のクラスメイトの中にはね…外国人留学生もいるわ。イスラム教徒よ」

 

「その人物が何かフェミニズムによって被害を受けているんですか?」

 

「今のイスラム社会はね…フェミニズム侵略を受けていると語ってくれた事があったのよ…」

 

語られた人物とはイスラム改革者であると同時にレズビアン活動家をしている有名女性。

 

その人物の目論見は伝統的な価値観を破壊してグローバリズムに飲み込ませること。

 

彼女の著書は様々な言語で出版されているようだ。

 

「レズビアン活動家の講演ではイスラム社会はイジュティハードに帰るべきだと主張してるの」

 

「イジュティハード…?」

 

「社会と宗教を考える基盤とされ、生き方の指針となったイスラム法を見直そうという主張ね」

 

「それによって…どんな弊害がイスラム社会で巻き起こってるんですか…?」

 

「彼女はイスラム女性の社会進出を促し、男性は女性に養われるべきだと主張してきたの」

 

「今までのイスラム社会を…真逆に作り替えようとしている…?」

 

「社会を守り…家族を守ってきたイスラム男性全てを…彼女は敵に回した事になるわ」

 

「でも…それって悪い事なんですか?女性が社会進出するのなんて日本なら当たり前なのに…」

 

「イスラム男性はそう考えない。彼らは右翼ともいえる保守派であり、歴史と伝統を優先する」

 

「それでも歴史と伝統が女性社会を抑圧してきたのなら…解放されるのはいい事なのでは?」

 

みくらの質問に対してやちよは深刻な表情を浮かべながらこう告げてくる。

 

「抑圧からの解放…聞こえはいいわね。でも、私のクラスメイトはこう言ったわ…」

 

私達イスラム女性は男(・)性(・)か(・)ら(・)愛(・)さ(・)れ(・)な(・)く(・)な(・)る(・)。

 

同性愛しか選ぶ自由がなくなり、性の難民となって子(・)供(・)も(・)産(・)め(・)な(・)く(・)な(・)る(・)と伝えてくれる。

 

やちよの言葉を聞いたみくらは俯きながら唇を噛んでいく。

 

表面的な正しさしか考えず、後の弊害を棚上げするような言葉を語ってしまったせいだろう。

 

「イスラム男性は家族を守る女性を助ける事を誇りにしてきたわ。そこに欧米思想を混ぜ込む」

 

「何が起きるっていうの…?」

 

「その子はこう言ってたわ…欧米の家族崩壊社会をイスラムに輸出したいだけだとね」

 

ウーマン・リブ(女性の解放)とは聞こえは良くても目的は人類の数を減らすこと。

 

イルミナティ思想を輸出する尖兵によってイスラム社会は日本と同じく混乱していく。

 

グローバリストという名の共産主義者にとっては夫と家族に尽くす女性は目の敵である。

 

彼女達は支配出来ない危険な存在であり、放置すれば流されない者として踏み留まってしまう。

 

先祖達が残してくれた幸せの形によって幸福社会を築かれてしまう。

 

そんな状況など看過する事は出来ないのだろう。

 

「急(・)進(・)主(・)義(・)と(・)も(・)言(・)え(・)る(・)多(・)様(・)化(・)主(・)義(・)は私の学校を汚染したわ…女の数と男の数が不釣り合いなの」

 

「神浜市立大附属学校って…そこまで男子生徒数が少なかったんですね?」

 

「これは意図的に仕組まれていると言われてる。私達の学校教師はね…全員左翼主義者なのよ」

 

「左翼主義…?」

 

「社会改革派と言えば分かるかしら?社会改造を施すために、あえて女性を多く入学させるの」

 

「神浜市立大附属学校では子供達にどのような教育が施されてきたんですか?」

 

「表面的には普通の学校でも…至る所で同性愛を推奨する話を教師達が持ち出すのよ」

 

「私の友人の中に洋画好きの子もいるんです。その人が言ってたカナダの大学みたいですね…」

 

「カナダって…同性愛結婚が認められたり、学校で同性愛教育を施す国よね…?」

 

「嘆かわしいわ…神浜市立大附属学校は神浜を代表する学校なのに反国家主義だったなんて…」

 

「今度私の大学にレズビアン活動家が講演を行いに来る。大学生に見せる演劇を用意してね」

 

「いったいその演劇って、どんな内容なんですか…?」

 

「演劇タイトルしか聞かされてなかったけど……最低のタイトルだったわ」

 

――女(・)性(・)器(・)の(・)独(・)り(・)言(・)よ。

 

♦

 

「ハァァーー……」

 

溜息をつきながら公園で黄昏ている少女がいる。

 

深い溜息を何度もつき、悩み事を繰り返していたら誰かが近寄ってきたようだ。

 

「どうしたのさ、あきら?思い悩んでるみたいだけど?」

 

現れた少女とは神浜の西側で活動を続けている魔法少女の美凪ささらである。

 

「うん…凄く困ってる。どうしよう…」

 

「私で良かったら相談に乗るよ?」

 

「助かるよ…ボクだけだと答えなんて出せない問題なんだ…」

 

「いいって♪エミリーのお悩み相談所で働いてる子だって悩み事ぐらい出来るよね」

 

あきらの横に座った後、何があったのかを聞いてくれる。

 

重苦しい表情をしながら語ってくれた内容とは恋愛問題のようだ。

 

「その…ボクが魔法少女になるキッカケになった話があるんだよ」

 

「あきらは確か…トラブルシューターとして働いてた時に魔法少女になったと聞いてたけど?」

 

「うん…その時も同じく頼まれ事をされてね。後輩の女子を守るために一緒に帰宅してたんだ」

 

その時は後輩からボディガードを頼まれたという。

 

後輩を警護しながら自宅まで歩いていくのだが、トラブルは別の形で舞い降りてきたという。

 

「その子が目的にしていたのは…悪漢から身を守る事じゃなかったんだ…」

 

気恥ずかしい表情となりながらあきらは頬を染めてしまう。

 

「その表情…もしかして……?」

 

「う、うん…お察しの通りだと思う…」

 

「やれやれ…あきらは結構女の子にモテるタイプだと思ってたからね。別に不思議じゃないよ」

 

「突然女の子から告白されちゃっても…ボクはその時…応える事が出来なかったんだ」

 

「あきらは同性愛者ってわけじゃないし、それに人を騙して告白してくる子なんて嫌でしょ?」

 

「そうだね…人として誠意を感じられない子だった。同性愛者ってああいう子が多いのかな?」

 

「目的のためなら虚言を用いてでも他人を利用する…何だか危うい子達だよね」

 

「その時はどうにかして逃れる事が出来たんだ。けど……」

 

「ちょっと待った」

 

ささらがベンチの後ろに視線を向けるとビクッとした態度で草むらの茂みが揺れ動く。

 

「そこの貴女。隠れながら聞き耳立てるぐらいなら、こっちにきたら?」

 

茂みに隠れていた少女はバツが悪い表情をしながら立ち上がる。

 

「えっ?君は確か……中央区で活動している魔法少女の?」

 

「たしか…江利さんですよね?」

 

「えへへ……香ばしい恋バナの匂いに釣られてきちゃった♡」

 

隠れていた少女とは中央で活動している粟根こころと加賀見まさらの友人である江利あいみ。

 

あきらの横に座った後、何食わぬ顔のまま笑顔を向けてくる。

 

「隠れて聞いてたのは謝るけど…あきらちゃんも私と同じなんだね」

 

「同じって…?」

 

「同性愛を求めず、白馬の王子様を求めちゃうタイプ♪私も同じなんだ~♪」

 

「カッコイイ空手少女を演じてるけど、本当のあきらはラブリー趣味全快だしね~♪」

 

「わーっ!!それは企業秘密だって!!」

 

「妄想全快キャラ!?俄然親近感を感じちゃう!私もね、伊勢崎君の妄想してたら歯止めが…」

 

「ま、まぁ…話が脱線したらアレだから、その話はまた今度ということで…」

 

「えっ、そう?途中からしか聞いてなかったけど、他に何かの主題があったの?」

 

真ん中に座るあきらに視線が集まる中、囲まれては仕方がないと事情を話してくれる。

 

「実はさ……その子に今日、呼び出されたんだ」

 

「もしかして…まだ未練を持ってたっていうの?」

 

「そうみたい…騙してたのは悪かったから付き合って欲しいって…言われちゃったんだ」

 

「あきらちゃんは…何て答えを返したの?」

 

「丁重にお断りさせてもらったよ。だけどね…断った瞬間…彼女の態度が豹変したんだ」

 

――あきら先輩は…ホ(・)モ(・)恐(・)怖(・)症(・)なんですね!?同性愛者を差別してます!!

 

あきらの話を聞かされた2人の顔に困惑の表情が生まれていく。

 

「いきなり差別問題にまで話を飛躍させてきたんだ…女性差別主義者扱いまでされちゃったよ」

 

「酷過ぎる虚言癖じゃない!?何考えてるのよ…同性愛が好きな子達は!!」

 

「その子に言われたんだ…ボクは間違ってる!価値観をアップデートするべきだ!…って」

 

「告白を認めない同性を差別主義者レッテル張りで懐柔させようだなんて…恥を知るべきよ」

 

「その子はね…ボクが告白を断った時期からフェミニストになったと言ってたなぁ…」

 

「フェミニスト…?」

 

「同性愛を守る政治運動に参加したい思想を持つ人達だね。同性愛者も参加してるそうだよ」

 

「弱者を守るのが騎士の務めだけど弱(・)者(・)が(・)被(・)害(・)者(・)の(・)立(・)場(・)を(・)利(・)用(・)す(・)る(・)なんて…私は味方出来ない」

 

「ボクだって武道家として…そんな卑劣な子は許せない。だからボクも怒ったんだ」

 

結局その子とは喧嘩別れに終わったと聞かされていく。

 

去り際にはあきらに憎悪を向け、より強固な意思でフェミニズムを信じる者となったようだ。

 

「去り際までボクを罵倒し続けた。ホモ恐怖症め…名誉男性め…心無い言葉を浴びせられたよ」

 

「それで元気が無かったという訳だったんだね…」

 

重苦しい沈黙が場を支配する中、俯いた顔を上げるあいみはあきらとささらに顔を向ける。

 

彼女の表情には憂いを感じさせる重さがあるようだ。

 

「フェミニズム問題や同性愛問題ってさ…魔法少女社会とも無縁じゃないよね…」

 

「江利さんも…何か思うところがあるんですか?」

 

「私の魔法少女仲間には、こころとまさらがいるのは知ってるよね?」

 

「あの2人がどうかしたんですか?」

 

「その…ね?私の偏見かもしれないけどさ…仲が良過ぎる気がするの」

 

「仲が良過ぎると、何か悪い事になるのかな?」

 

「だって普通は私達の年齢なら異性愛の恋バナで盛り上がるじゃん?でもあの2人は嫌がるの」

 

「どうしてなの?」

 

「こころはいつもこう言うわ…私にはまさらがいるからって…」

 

「そ、それって…まさか…?」

 

「休日も時間が合えばこころの趣味の登山にまさらを連れて行ってる。まさらに凄く優しいの」

 

「それは…まさらさんの感情が希薄なのを心配してるからじゃ…?」

 

「そう思いたいけど…ずっと一緒にいる私の目は誤魔化せない。だからね…時々感じるんだ…」

 

――ノンケの私なんかが…同性愛を求める魔法少女社会にいてもいいのかなって。

 

あいみの憂いの感情はあきらも同じ。

 

彼女も同性愛を拒絶する者として、あいみの心の痛みが理解出来てしまう。

 

「美雨もあきらも長く活動してきたから魔法少女社会の同性愛は見てきたんだよね?」

 

「社会が同性愛を求めるからって…何でボク達の内心まで踏み躙られないとならないの?」

 

「そうよ!私だって…異性愛を求めたい!なのに…社(・)会(・)と(・)い(・)う(・)全(・)体(・)圧(・)力(・)が(・)そ(・)れ(・)を(・)許(・)さ(・)な(・)い(・)の!」

 

「人は集団化したらパワーバランスが生まれるよね…だから同調圧力が生まれる…」

 

「人間も魔法少女も変わらない。みんな…見たいものしか見ないし、信じないのよ…」

 

「このままじゃ…ボク達のような魔法少女は神浜魔法少女社会からはいずれ切り離されていく」

 

――性(・)の(・)難(・)民(・)化(・)になっていくしかないんだよ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

封建的価値観が根強く残る神浜市において、フェミニズムを最も喜ぶ地域がある。

 

それは男天下とも言える地域として知られる職人街の工匠区であろう。

 

ここで暮らす男性達は職人として生き、女性に家事を押し付けてくる。

 

昔ながらの役割分担であろうとも女性にだってやりたい事はあるだろう。

 

不満は抑圧され、今にも爆発しかけている温床地域なのだ。

 

しかし嘉嶋尚紀の神浜人権宣言の後押しを受けるようにして変革されていく。

 

今の神浜市政は既に人権尊重の街作りに舵を切っていたからだ。

 

「いい加減にしてよ、お父ちゃん!うちばかりに…もう家事を押し付けないで!!」

 

「だらしねぇこと言ってんじゃねぇ!!女は男を支えながら生きるもんだろうが!」

 

「それがおかしいんだよ!女だって人間だよ!男ばかり自由にされるのは苦しいんだよ!」

 

「はっ!どうせお前…また西側に遊びに行くんだろ?男の俺達は仕事してるのに」

 

「そ…そんな事しないよ!」

 

「なら、何を目的にして自由を望むんだ、あ?男の俺達に仕事だけでなく家事まで押し付けて」

 

「そ、そんなのウチの勝手だよ!!女のプライベートにズカズカ入り込まないで!」

 

「いい加減にしやがれ!!見え透いてんだよ…女の我儘を男に押し通したいだけだって!」

 

今日の親子口論は激しさを増している。

 

不安を感じながらも見物するしかない弟子達なのだが、心は揺れている。

 

(月咲ちゃん…)

 

弟子の1人であるタケは男社会の伝統は本当に正しいのであろうかと迷ってしまう。

 

「もういい!お父ちゃんなんて知らない!肝心な時に腰すら持ち上げられない腰抜けの癖に!」

 

「テメェ!?それはまさか…神浜左翼テロの時のことか!?」

 

「そうだよ!ウチは腰抜けなお父ちゃんなんて…もう怖くないから!!」

 

涙目になりながら娘は出て行く。

 

「待ちやがれ!!」

 

父親が娘の肩を掴むが、強引に払い除けながら駆けだしていく。

 

「月咲ちゃん…!!」

 

タケが呼び止めようとしたが無視されてしまったようだ。

 

やり切れない表情を浮かべた父親が椅子に座り込む。

 

心配になって親方の横に座ったタケがこう質問してくる。

 

「本当に…良かったんですか?俺達は…月咲ちゃんに女性の役割を押し付けてきて…?」

 

「当たり前だろ…それが先祖が残してくれた幸福の知恵だ。それに俺は腰抜けなんかじゃねぇ」

 

「さっきの話ですか?」

 

「俺だってな…あの時は暴れに行きたかった。それでも…俺には女と家族を守る責任があった」

 

「男は死に物狂いで働き…それによって妻と子供は守られる。それが伝統ってもんでしたね…」

 

「だからな…自分の心を押し殺してでも、腰抜けと蔑まれ様とも…仕事に縋りついたんだ」

 

――大事な女や、家族を守り抜くためにな。

 

愚直なまでに働く男達には男達の優しさがあるのだが、男の心は女には届かない。

 

男みたいに我儘になっていく娘の中にあるのは愛する姉への思いだけ。

 

家から飛び出して来た時、近所住民の者が声を掛けてくる。

 

「ねぇ…月咲ちゃん。物凄い声がしたけど…何かされたの?」

 

「べ…別に何もされてないよ、おばさん。心配してくれて有難う」

 

「でもね…天音さんところも大変なんでしょ?大所帯なところなのに女手は貴女だけじゃない」

 

「それは…そうだけど。でも、もういいの!女だって…自由になる権利があるから!」

 

声を掛けてきた女性から逃げるようにして走り出す。

 

「月咲ちゃん……」

 

声を掛けてきた人物もまた工匠区という男天下の街で生きてきた女性。

 

抑圧された女の気持ちに寄り添える立場だからこそ、月咲の為に動く決意をしてくれたようだ。

 

夜遅くまで愛する姉と共に魔獣狩りを行った月咲は帰路についている。

 

「えへへ…やっぱりウチは魔法少女!ウチを信じてくれた常盤さんには感謝しないとね…」

 

彼女は変身能力を調整屋から剥奪された者。

 

しかし神浜人権宣言の効力によって東西差別問題は決着を迎えているのが現実であろう。

 

天音月咲が人間社会を襲う可能性は極めて薄くなったと常盤ななかも判断している。

 

変身剥奪処分を下した者達と相談した末に月咲をもう一度魔法少女に戻す事にしたようだ。

 

「これからもウチは月夜ちゃんを支えていく!だってウチは魔法少女やってる方がいいから…」

 

男社会に抑圧されるだけの人生よりも同性社会に身を置いていた方が癒される。

 

女の我儘世界に浸りながら帰路についていくのだが、自宅前の異変に気が付いてしまう。

 

「な…何よ…あれ……?」

 

パトカーの赤い光が月咲の家の前で停まっており、家の中から聞こえてくるのは喧騒であろう。

 

「は…放しやがれ!!俺は何もやってない…無実なんだぁ!!」

 

「言い訳なら署まで来てから聞いてやる!!」

 

手錠をかけられて連行されていたのは月咲の父親である。

 

「お父ちゃん!?」

 

慌てて駆けだすのだが父親を乗せたパトカーは娘を残して走行していく。

 

「なんて…こった……」

 

青い顔をしたまま玄関で固まっているタケの元にまで月咲が走ってきて事情を問い詰めてくる。

 

「何があったの!?なんで…なんでお父ちゃんが警察に逮捕されたわけ!!」

 

「近隣住民から通報されたんだ…娘に対するDVの恐れがあるって…誰かが通報したんだ!!」

 

それを聞かされた月咲の顔がみるみる青くなっていく。

 

月咲の父親が通報された内容とはドメスティックバイオレンスなのだ。

 

「DVなんてしてないと言ったんだ!肩を掴んだだけだったのに…それでもDV扱いされた!」

 

「そんなのって…何かの間違いだよ!?ウチはお父ちゃんにDVなんてされてない!!」

 

「どうすんだよ…竹細工工房のような零細企業は…信頼が売りなんだぞ!?」

 

「あっ……あぁ……」

 

「企業の代表が警察に逮捕なんてされたら…誰もうちの商品なんて買ってくれなくなる!!」

 

女(・)の(・)我(・)儘(・)が(・)も(・)た(・)ら(・)し(・)た(・)結(・)末(・)と(・)は(・)、(・)家(・)庭(・)崩(・)壊(・)へ(・)と(・)続(・)く(・)道(・)。

 

愛する女と家族を守ろうと足掻いた男の気持ちを踏み躙った我儘女に待っていた結末なのだ。

 

「ウチのせい…?ウチが女の役割なんて嫌だって…我儘を言い出したから…こんなことに?」

 

両膝が崩れ落ち、女の我儘がもたらした現実に打ちのめされるばかりの天音月咲。

 

これが人(・)権(・)尊(・)重(・)の街作りという名の弊害である。

 

神浜東の人権や移民の人権だけでなく女性の人権も手厚く守られる政策が進められてきている。

 

いわゆるゼロ・トレランス(規則の厳格適用)政策の光景であろう。

 

これにより、どんな些細ないざこざであっても女性は手厚く守られる。

 

身体接触は家庭内暴力とされ、被害者側が望まなくても国家権力が簡単に動けるようになる。

 

ゼロ・トレランス政策の元、男性は女性と口論しただけでも刑務所行きや罰金刑が待っている。

 

男達は守り抜きたかった女に逆らっただけで家族や家を失うだろう。

 

この政策は政権与党の後押しを受ける神浜市政が推し進めてきた政策である。

 

日本政府の目論見とは男性を軟弱にして異性愛者を見境なく検挙する事にあるのだ。

 

異性愛を機能不全に追い込み、社会を退廃に導き人口を抑制する。

 

イルミナティ政策を実行する日本政府は既にフ(・)ェ(・)ミ(・)ニ(・)ズ(・)ム(・)警(・)察(・)国(・)家(・)への道を歩み出している。

 

待っている未来とは何か?

 

女性はいつでもヒステリーを起こせば警察が動いてくれる女性強権時代。

 

女性は見境なく虚偽の通報を行い、男達を逮捕出来る武器を手に入れた時代。

 

家庭と私生活への公権力介入を容易に推し進められる政策こそが人権を尊重する政策である。

 

この政策は独裁政府に付き物の警察権力介入を日本人に慣れさせる目的もあるのだろう。

 

まさに司(・)法(・)の(・)原(・)則(・)を(・)骨(・)抜(・)き(・)に(・)す(・)る(・)政(・)策(・)内容であった。

 

♦

 

世界の金融を支配する国際金融資本家達は理解している。

 

物理的な強制よりもマインドコントロールを用いた扇動の方が効果が高いと知っている。

 

教育や報道、映画や音楽、雑誌やサブカル、あらゆるメディアにフェミニズムを混ぜ込む。

 

これにより洗脳と統制を容易に行える事を実績してきたのだ。

 

第二次世界大戦頃に確立したプロパガンダモデルは戦後70年以上たっても継続されている。

 

共産体制下のロシアで起こった事も今のアメリカで行われる事も共に社会全体主義。

 

イルミナティは人間的成長を阻害するために異性愛の結びつきの根幹を破壊するのだ。

 

「今日は日本にお招きいただき、有難うございます」

 

流暢な日本語を話しながら演説台の前に立つのはレズビアン活動家である外国人女性。

 

神浜市立大附属学校内にある国際交流会館内のホールにおいて演説が始まっていく。

 

集まっている女子大生達に対して、同性愛とフェミニズムを熱心に語っていく光景が続く。

 

「女性にとって、最も危険な状態が何なのか…分かりますか?」

 

演説台から誰かを指差した後、立ち上がった女子大生は質問してくる。

 

「どういう状況でしょうか…?」

 

「それは知らない男と路上で接触する事でも、敵兵士と戦場で出くわす事でもありません」

 

「では、どんな状況が女性にとって一番危険なんでしょうか?」

 

「夫や恋人と家で2人きりになる時間の事です」

 

突然の発言を受けた周囲の者達がどよめきの声を上げていく。

 

「男に従わされるだけの女性は、いずれアイデンティティを失い、ゾンビと成り果てます」

 

レズビアン活動家は女子大生達に対し、ナチスに捕虜にされた囚人をモデルにして例える。

 

「女性が生きる屍にされるのは、捕囚環境のせいです。環境要因こそが女性の心を殺すのです」

 

日本の女性はナチスに捕虜にされた囚人と同じだと語ってくれる。

 

男社会から自分の意思ではない家事を強制され、何の進展もなく自立も出来ないと語り続ける。

 

レズビアン活動家の演説を清聴している女子大生の中には七海やちよの姿もいる。

 

静かに聞いているのだが、彼女の顔には不快な感情が浮かび上がっているようだ。

 

(家庭というプライベートな空間とナチスの強制収容所を紐づけるなんて…酷い印象操作よ)

 

感情に流されないよう冷静になってレズビアン活動家の演説を聞き続ける。

 

彼女もまた過ちを犯した者として表面的な正しさに振り回されない者になろうとしている。

 

「自己表現と進歩の機会を奪われた女性に比べれば、強制収容所の苦しみの方がマシなのです」

 

神浜市立大附属学校は左翼主義の学校であり、同性愛を推奨する教育を水面下で行っている。

 

そのため女子学生の中には同性愛者も多くいるため、多くの女子学生から共感を得るだろう。

 

「女性に必要なのは、キャリアウーマンになる事です。女性に必要な五箇条を教えます」

 

1 男はもはや信用出来ない。

 

2 女は男の性欲の犠牲者だ。

 

3 女性はもっと利己的になるべきだ。

 

4 セックスは愛情や結婚に縛られるべきではない。

 

5 自己実現は家族ではなく仕事によって達成出来る。

 

彼女が語った五箇条とは男(・)と(・)い(・)う(・)概(・)念(・)を(・)完(・)全(・)に(・)排(・)除(・)す(・)る(・)社(・)会(・)理(・)念(・)。

 

女は男のように自立を行い、男のように生きろという。

 

「これからは男女という概念が消えるべきです。男(・)女(・)で(・)は(・)な(・)く(・)、(・)人(・)と(・)人(・)との関係にすべきです」

 

レズビアン活動家が語る新たな人類の形とは男らしさ、女らしさという境界線を破壊する思想。

 

全(・)人(・)類(・)を(・)バ(・)イ(・)セ(・)ク(・)シ(・)ャ(・)ル(・)に(・)す(・)る(・)事を望んでいる内容なのだ。

 

「これによって同性愛はNEWノーマルとして受け入れられます。寛容な社会変革を望めます」

 

女子大生達の中に大勢いるレズビアン達が口々に彼女を賞賛する言葉を呟いていく。

 

だが、その中に紛れている七海やちよの表情は暗い。

 

目を瞑り、自分を育ててくれた家族の事を思い出していく。

 

(私を育ててくれたのは…お父さんとお母さん。男女社会によってここまで成長させてくれた)

 

思い出の中で一番鮮明に蘇ってきたのは愛車であるバイクを購入してくれた日の記憶。

 

(私の我儘を喜んでくれたのはお父さんだった。子供のように私とバイクを語り合ってくれた)

 

高いリッターバイクを新車で購入してくれたのは男性の父親である。

 

費用とて愛する娘と家族を守るためにガムシャラに働いてくれた男がいたから用意出来る。

 

父親という男性がもたらしてくれたバイクのお陰で彼女の人生は救われてきたはず。

 

みふゆや鶴乃、それにかなえやメルとツーリングに行きたいという目標も生まれてくれる。

 

失うばかりだった七海やちよに生きる喜びを与えてくれたのは嘉(・)嶋(・)尚(・)紀(・)も(・)含(・)め(・)た(・)男(・)性(・)達(・)。

 

怒りの感情が沸き起こったやちよの眉間にシワが寄ってくる。

 

演説も一通り終わった事もあり、次はレズビアン活動家が用意した演劇が始まっていく。

 

演劇内容とは独り語りで繰り返される演劇であるのだが、内容はあまりにもおぞましい。

 

表向きは女性の権利がテーマになっているが、内容はレ(・)ズ(・)ビ(・)ア(・)ン(・)ポ(・)ル(・)ノ(・)の(・)公(・)開(・)朗(・)読(・)会(・)なのだ。

 

<<アッハハハハハハハハハハ!!>>

 

レズビアン女子大生達から大ウケする演劇内容は続く。

 

この芝居は女性達が自分達のヴァギナ(女性器)について語った事を舞台上で再現する。

 

男社会からネグレクト(虐待)された女性器達を擁護するという演劇内容なのだろう。

 

それぞれのヴァギナにニックネームをつけ、擬人化させて行う芝居である。

 

<<おまんこ!!おまんこ!!おまんこ!!>>

 

下品な男のような笑い声をあげるレズビアン女子大生達が口々に女性器の日本語名を叫ぶ。

 

まるで小学生男子がチンコと連呼しながらバカ騒ぎする光景のようにも見えるはず。

 

「……もう、聞いてなんていられない!!」

 

憤慨したやちよは国際交流会館のホール内から出て行ってしまう。

 

入り口付近からでもバカ騒ぎが外まで聞こえてくる中、顔をしかめる彼女はこう零してしまう。

 

「あのレズビアン活動家の目的は…私たち女性から…男(・)性(・)に(・)向(・)け(・)る(・)愛(・)情(・)を(・)失(・)わ(・)せ(・)る(・)事なのよ」

 

歩き去って行くのだが立ち止まり、講演が行われている国際交流会館に振り向く。

 

「フェミニズム…あんな傲慢過ぎる女性思想が私達魔法少女社会にまで浸透してきている…」

 

やちよが去った後、演劇は終了を迎える。

 

レズビアン活動家は最後にレズビアン女子大生達に向けてこんな言葉を残す。

 

「白馬の王子様は貴女達のヴァギナをレイプして捨てます。女に必要なのは男ではありません」

 

男の恋人を探すぐらいならズッキーニでヴァギナを優しくマスターベーションしろ。

 

男(・)と(・)の(・)セ(・)ッ(・)ク(・)ス(・)な(・)ど(・)、(・)女(・)性(・)レ(・)イ(・)プ(・)で(・)し(・)か(・)な(・)い(・)のだと告げてから講演を終了する。

 

レズビアン活動家が歩き去って行く中、その口元には邪悪な笑みが浮かんでいるようだ。

 

「この学校は興味深いわ。多くのレズ女を抱えているようだし…少しぐらい遊んでもいいわね」

 

性的な興奮を感じ出したのか獰猛な瞳と化していく。

 

瞳孔が瞬膜となって真紅の瞳となった者こそ悪魔を表す印であろう。

 

レズビアン活動家の正体とはリリスに送り込まれた女性悪魔なのだ。

 

「私の名はアルプ。女達に身勝手な夢を抱かせて悪さをさせる事を何よりも楽しむ悪魔よ」

 

【アルプ】

 

ドイツの夢魔であり、エルフと同様北欧神話の妖精アールヴを起源とする悪魔。

 

時の流れと共に変容し、夜な夜な人間の夢に侵入してきて悪さをするという。

 

鍵穴など、どんな小さな隙間からでも侵入出来る能力を持つ存在であった。

 

「レズビアン女共の鍵穴を楽しませてもらっちゃう♪リリス様も少しぐらい許してくれるわ♡」

 

邪悪な舌なめずりをしながら人間に擬態した女悪魔は廊下の奥へと消えていってしまう。

 

フェミニズムに汚染された同性愛者達は口々にこう言うだろう。

 

男など女性をレイプする事しか頭に無い連中なのだと男性嫌悪の叫びを上げていくのだ。

 

それはある意味、女性器達が繰り返す独りよがりな独白とも言える光景かもしれない。

 

確かに男は性欲の生き物だが、男性が求めるのは女性とのセックスだけなのであろうか?

 

その先にある男女社会という原点の世界を求めているのではなかろうか?

 

それは唯一神が与えた原罪そのものであり、原初の男女に与えられた苦しみの運命。

 

男は労働の苦役に悶え苦しめ、女は産みの苦しみに悶え苦しめ。

 

善悪を知る木の実を食べた男女に与えられたのは終わりの無い責め苦。

 

しかし楽園から追放されたとしても、男と女は責め苦に耐えながらも力強く生きてこれた。

 

男と女を支えてこれたものとは何だったのか?

 

それはあ(・)り(・)の(・)ま(・)ま(・)の(・)自(・)分(・)達(・)を(・)受(・)け(・)入(・)れ(・)、(・)共(・)に(・)支(・)え(・)て(・)こ(・)れ(・)た(・)からであった。

 




マギアレコードは魔法少女カップリング万歳なレズ作品ですので、僕はそこにレズって本当に正しいの?というテーマをリリス編で突っ込んでいこうと思います。
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