人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
「アタシは女性の敵になんて負けるもんかぁーーっ!!」
「くっ!?」
ももこが放つ大剣の右薙ぎに対し、ななかは二刀小太刀を縦に構えて受け止める。
しかし威力が重過ぎて大きく弾き飛ばされてしまう。
宙返りを行いながら着地するが両手に強い痺れが残り、二刀小太刀に力が入らない。
繰り出される斬撃の数々を身を翻して避け続けるが防戦一方となってしまう。
「女の務めだとか言って…男は女を抑圧する!男と女は平等になるべきなんだぁ!」
「あの時に私達が語った言葉を忘れたのですか!?それは被害妄想です!!」
「黙れ!!男に尽くさせられる女性の気持ちなんて考えもしなかったくせに!!」
「役割分担を否定しても女性は女性自身を苦しめるだけです!!」
「そんな事はない!!アタシ達女性は男社会が生み出す抑圧からの解放を望んでる!!」
虚言癖のある人や詐欺師における同性愛者の割合は驚くほど多いと店長は梨花に言葉を残す。
これは日常的に自分を偽り続けるのが原因であり、自分はおかしくないという自己欺瞞に陥る。
夢想、被害妄想、非論理的思考、感情的、非現実的傾向が余りにも強過ぎる精神病なのだ。
苦戦を強いられるななかであるが、他の魔法少女達も同じ状況であろう。
「お父さんなんて大嫌い!お母さんも大嫌い!男女社会なんて大嫌いよ!!」
こころが振り回す機械仕掛けの巨大トンファーの猛攻を避けるしか出来ないのはあきらの姿。
「男女社会から虐げられる私の苦しみなんて!男女社会から愛された人には分からない!!」
「やめてよこころさん!ボクは君とは戦いたくないんだぁ!!」
「男女社会の味方をしたいなら私を倒してみせなさいよ!!私は男女社会を否定する者よ!!」
動揺によって動きが鈍ったあきらに踏み込み、トンファー突きが腹部に決まる。
「ぐふっ!?」
大きく突き飛ばされたあきらを超え、援護に入る美雨の蹴り足が迫りくる。
しかしトンファーを自在に操るこころの守りは想像以上に堅牢だ。
「お前の親が酷い奴なのは分かたネ!だからて…全ての男女社会を否定するのは止めるヨ!」
「邪魔しないでぇ!!男女社会の慣習があるから…私のように苦しむ子供達が生まれるのよ!」
次々と繰り出す連続蹴りをトンファーで弾き落とし、踏み込み突きを狙う。
しかし彼女の体が背後から羽交い絞めにされており、抑え込む魔法少女が叫んでくる。
「止めなさい、こころ!!」
青白い炎のような光の中から出現したのは加賀見まさらであり、必死に説得しようとする。
「尾行していたの!?放してまさら!!」
「落ち着きなさい!両親が酷い人物でも、曲がりなりにも貴女を育ててくれた人なのよ!!」
「育ててくれても愛してくれなくなった!子供を犠牲にして自分達の我儘ばかりを言い合う!」
「鏡を見なさい!!今の貴女の姿は…我儘ばかりを言う酷い両親と同じになってるわ!!」
「違う!!私は魔法少女社会や女性社会の未来を守るために…戦ってる!!」
羽交い絞めにしながら懸命に説得を試みるまさらではあるが、背後に気が付いていない。
「後ろネ!!」
「えっ!?」
背後に振り向いた瞬間、頭部に衝撃が走る。
「あっ……」
倒れて気絶するまさらに対し、こころが振り向けば彼女を援護しにきた胡桃まなかを見かける。
まさらの頭部を打ち付けた魔法武器のフライパンを構えながら美雨を睨んでくる。
「ごめんなさいです、まさらさん。そこで大人しくしてて下さい」
「お前達は何処までも…フェミニズムを魔法少女社会に押し付ける気カ!?」
「女性が抑圧されて自立出来ないのは男社会のせいです。まなかはそれが許せません」
「自立自立…それだけしか求めないのカ!?家庭の事など考えてはくれないのカ!?」
「まなかは将来コックさんになりたいです!それを抑圧するのが男女社会の慣習なんです!」
「女は男に尽くせばいい…そう抑圧をされたからお母さんは出て行った!お父さんのせいよ!」
「冷静になるネ!!何でも前提にして決めつけてしまうのは悪のレテル張りヨ!!」
「違うわ!!私達が求めているのは性の自由!そして男社会が女社会に与える寛容と平等よ!」
同性愛者はあらゆるモラルや固定観念を否定し、性の自由で正当化して周りを傷つける。
寛容を叫びながら
同性愛者とフェミニストの最大の武器とは
「まだ…ボクはやれる…」
「あきら…」
美雨の肩を掴んで現れたのは口元の血を腕で拭いているあきら。
こころの一撃で内臓を痛めたようだが彼女の闘志は微塵も揺るぎない。
「心正しからざれば剣また正しからず…明日香のお父さんが残した言葉が骨身に染みるね…」
「自分の間違いにさえ気づかず振るう武は狂気そのものネ…それをこいつらは気が付かない」
「人間は…見たいものしか見ないし、信じないのかもね…それでも…っ!!」
あきらと美雨は武術の構えを同時に行う。
相手が武器や魔法を使おうが彼女達には譲れない信念がある。
武という文字を分解すれば二と戈と止になり、二人の争いを止めると読む。
そのための術こそが武術なのだと空手家のあきらと拳法家の美雨は信じるのだろう。
「こころさん!受け取って下さい!」
「うん!これが魔法少女達が優先して守るべき…絆の力だよ!!」
まなかのコネクト魔法を受け取ったこころの体が光りながら攻撃力が増大していく。
堅牢なこころの防御に加え、回復効果も伴うコネクト魔法も行使してくる。
こころとまなかとの戦いは激戦を深めていくのだ。
公園内は既に乱戦となりながら混迷を深めている。
魔法のバズーカを構え、どうにかフェミニスト魔法少女達の動きを止めようとするのは観鳥令。
そんな彼女に狙いをつける魔法少女姉妹が魔法攻撃を放ってくる。
「この音色は…!?」
笛の音色を聞いた瞬間、酷い頭痛に苛まれて膝をついてしまう。
それは東の魔法少女仲間達も同じ状況のようだ。
「やめて…くれ…っ!!月夜さん!月咲さん!」
令が叫んだ向こう側では天音姉妹が横笛を構えながら魔法を放つ。
笛花共鳴を行って動きを止めながらも念話を使ってくる。
<そこでじっとしていて欲しいです>
<ウチらの邪魔をしたら…これ以上の苦しみを味わう事になるよ>
演奏を行うのを止めないのは洗脳魔法の使い手を警戒するため。
吉良てまりのマギア魔法を行使されては戦闘を継続出来なくされるからだろう。
<わたくしは認めません!女性に対して男尊女卑の伝統を押し付けてくる工匠区の伝統を!>
<ウチはいつも抑圧された!本音を言ったり意見を持ったり面白い事を言うのを嫌悪された!>
<知的でシニカルで独創的な女性は女性扱いされません!男の嫉妬が女性を抑圧するのです!>
神浜の東に根付いた男尊女卑の伝統を憎む叫びを令は浴びせられる。
同じように東で生きる令ではあるが、女として気に喰わない一面だけに縛られる者ではない。
「知的で自立した女性であってもね…自分の事しか考えない我儘女は男達は願い下げなんだ!」
<それが差別です!女性らしくを強制され、支配される!!>
<ウチは自立して生きたい!それを邪魔する男社会の伝統なんて…変えるべきだよ!>
「人は自分の事を愛してくれて…自分のために生きてくれる人の事を好きになってくれる!」
<これからも月咲ちゃんは男社会に尽くさせられて…抑圧されて生きろというのですか!?>
「気の利いた受け答えが出来るだけじゃ…気持ちを生涯繋ぎ留める事は出来ない!!」
相手がどん底の状態になったとしても幻滅したり見捨てたりしない者にだけ愛は与えられる。
女が自立を望むのなら、どん底になった男など幻滅して簡単に捨てていくと令は語る。
「男社会はね…知的な女性が嫌いというわけじゃない!女を支配したいわけじゃない!」
<な…なら!ウチは…ウチは男達から何を求められてるっていうの!?>
「自立を犠牲にしてでも尽くしてくれる…
<ウチだけが犠牲になれっていうの!?そんなの嫌だよ!!>
「犠牲になっていたのは男達も同じだよ!そのために
<あっ……>
月咲の脳裏に浮かぶのは毎日遅くまで働いてくれた男達の姿。
彼らの献身とも言える労働力によって天音月咲は生きてこれたのではないのか?
女の自分だけが家事という労働を押し付けられ、男尊女卑に苦しんでいただけなのか?
「やりたくないは
同性愛者とフェミニストは
そのため女の苦しみばかりが優先され、男の苦しみには目を向けてくれない。
「ウ…ウチ……」
令の言葉で気が付かされた月咲は大事な父親が警察に逮捕された日の出来事を思い出す。
娘のために自分を犠牲にして働いてくれた男が冤罪で奪われる辛さを思い出してくれる。
「女性の家事仕事が男尊女卑だなんて誰が決めた!?恥ずべき事なんかじゃ…ぐっ!!」
「裏切り者のミソジニーめぇ!!そんなに女を男の奴隷にしたいの!?」
地面に蹲る無抵抗な魔法少女達を取り囲む新参の魔法少女達が蹴り飛ばしていく。
その光景を茫然と見つめる事しか出来ない天音姉妹ではあるが、動揺を隠しきれない。
乱戦が繰り返される中、レナとかえでのコンビも猛攻を仕掛けてくる。
迎え撃つのはこのは達姉妹であり、説得を試みようと必死に足掻いている。
「なんでアンタ達は同じ女なのに…同性愛とフェミニズムを毛嫌いするのよ!!」
レナの槍が連続で突かれていく。
このはは自身の魔法武器である両刃薙刀を振るい、槍の矛先を弾き続ける防戦となる。
「私達は同性愛者に敵意を抱いてるわけじゃないわ!!」
「嘘よ!!フェミニズムを否定するのは同性愛者を否定してるのと同じよ!!」
「疾病を患った人に抱くのと同じ感情を持ってるだけ!感染が食い止められたらそれでいい!」
「やっぱり同性愛者を差別してる!!同性愛者を病人にしてる奴らの方が頭の病気なのよ!!」
「風邪をひいた人を差別するの!?家で安静にして心の風邪を早く治して欲しいだけよ!!」
「レナ達を病人扱いしないで!同性愛を否定するのは魔法少女の絆を否定するのと同じよ!!」
打ち払われた槍の勢いを利用し、頭上で回転させた後に横薙ぎ打ちをレナは放つ。
両刃薙刀の柄で受け止めようとするが、彼女はレナの姿が別人になっている事態に気が付く。
「アァァァァーーーッッ!!!」
変身魔法でももこに変化した一撃がこのはに決まり、武器ごと体が弾き飛ばされる。
公園の木に背中を強打して倒れ込む長女の援護に入るため葉月が武器を構えて迫っていく。
「やらせないよ!!」
レナの後方にいたかえでが湾曲した魔法の杖を構えながら魔法を発動させる。
大量の植物が地面から召喚された事で葉月に迫りくる。
「ちっ!!」
側方宙返りを行いながら絡みつこうと迫る植物を跳躍回避する。
勢いのままさらに跳躍し、連続回転斬りを行いながら植物のツタを切り裂いて着地する。
ももこの姿をしたレナも迫るが、大剣の技術までは真似出来ないため変身を解く。
「さゆさゆは言ってた!女性らしさは女を抑圧するために男社会が生み出した偏見だって!」
右薙ぎ、左薙ぎとレナは連続して槍を振るうが葉月は二刀流の武器を駆使して弾いていく。
防戦一方となるが、葉月は懸命に交渉を試みようと叫ぶ。
「自分の考えを他人に委ねたらダメだよ!たとえそれが有名人であっても!!」
「アンタまでさゆさゆを馬鹿にする気なの!?さゆさゆを馬鹿にする奴は許さないから!!」
「女らしさは偏見じゃない!現実を自分達の都合のいいように歪められてるって気づいてよ!」
「さゆさゆが間違った事を言うはずがないわ!間違ってる悪なのは…男とその味方の方よ!!」
権威主義に汚染された者が揺るぎない正義感をぶつけてくる。
自分達が間違っている可能性を微塵も考えようとしない。
大好きな存在が語る言葉の裏で巻き起こる弊害など知る努力もしないし、
社会正義を振りかざす者達とは
その行動は病的であり、他者に伝染する傾向が強い。
同性愛活動家はフェミニストと結託して異性愛社会の慣習を破壊する。
その尖兵にされているとも気が付かず、フェミニズムを信じる魔法少女達は正義を掲げていく。
<<ウーマン・リブ!!ウーマン・リブ!!ウーマン・リブ!!>>
痛覚を麻痺させたフェミニスト魔法少女達はいつの間にか掛け声を上げている。
自分達の正義が女性社会と同性愛社会を守るのだと固く信じる叫びの光景であろう。
「聞こえるかい?女性解放を叫ぶ魔法少女達の声が?」
大剣を構えるももこが目の前のななかに対して女性の正義を突きつける。
息を切らせるななかの魔法少女衣装は所々が切り裂かれ、両手も未だに痺れが強い。
「魔法少女社会の長として、彼女達の切実な言葉を叶えるのが役目だろ?」
「批判なら甘んじて受け入れる所存です。ですが、我儘で無責任な理屈ならば別です」
「女性解放が我儘で無責任だと!?我儘で無責任なのは男社会の方だぁ!!」
「貴女方が掲げる男女平等とは同性愛のノーマライゼーション。異性愛社会の脱感作です」
「それを望ませた原因は…男社会の道徳観が繰り返した偏見に満ちた抑圧だ!!」
「男の道徳観は偏見に満ちた社会維持を望むと叫ぶ。ですが道徳はそんなものではありません」
常盤ななかは人類が育んできた道徳観をこう信じる者。
道徳とは人類が蓄積してきた
「健全な生き方から外れる行為を行う同性愛者とフェミニストを…私はこう言ってあげます」
――異性愛社会に病魔の思想を撒き散らす…
その言葉を女性である自分の侮辱だと思い込んだももこの眉間にシワが寄っていく。
大剣の柄を握る力が増し、一気に踏み込む。
「この裏切り者がぁーーっ!!!」
ななかも同時に踏み込む。
チャージして威力が増した袈裟斬りを放つももこの右側に抜け、右肘打ちを右側頭部に決める。
怯まず右薙ぎを狙うが、ななかの左肘打ちの方が先に肋骨にヒットする。
「ぐっ!!」
肋骨が折れる音が響き、怯んだももこの左側頭部に目掛けて回し蹴りを放つ。
鈍い音が響くが、ももこの顔を見たななかは戦慄したかのような冷や汗が浮かぶ。
ももこは蹴り飛ばされる事なく踏ん張り、ななかの蹴りを受け止めきっている。
「うぉぉぉーーーーっ!!」
片足立ちで体勢が不安定な相手に目掛けて体当たりを仕掛ける。
「きゃぁ!!」
痺れがまだ残る両手から二刀小太刀が零れ落ち、大きく弾かれて地面に倒れ込む。
「ななかさん!!」
助けに向かおうとする夏目かこだが、フェミニスト魔法少女達に阻まれて向かう事が出来ない。
「「ななかぁ!!」」
同時に叫ぶあきらと美雨だが、こころとまなかの猛攻が凌ぎきれず救援には向かえない。
鈍化した世界。
怒り狂ったももこが大剣を背負うようにして構え、一気に跳躍する。
「ななかぁーーっ!!」
葉月も叫ぶがレナの槍が邪魔して助けには向かえない。
「チャンス逃してたまるかぁぁーーーっ!!!」
一刀両断を狙うようにして唐竹割りの構えをしてくる。
「くっ……!!」
起き上がろうとするが間に合わない常盤ななかが最後に見た光景とは意外なものだった。
「「えっ!!?」」
空中で構えたももこの大剣に目掛けて青白い光の一撃が刃に直撃する。
大剣は大きく弾かれ、ももこは唐竹割りを行う事が出来ないまま着地してしまう。
武器を失ったももこが視線を向けた先にいた魔法少女とはフェミニストを止めに来た者なのだ。
「れんちゃん…?」
魔法の杖を構えて攻撃を放ったのは五十鈴れんであるが、駆けつけたのは彼女だけではない。
「何っ!!?」
公園内に飛んできた魔法の試験管が砕け散り、大量のマグネシウムが強い光を放つ。
眩い光で目が眩み、全員が戦いを中断してしまう。
両腕で光を遮る姿をした魔法少女達に目掛けて怒鳴り声が響く。
<<この大馬鹿者共!!仲間同士で潰し合うのもいい加減にしろぉ!!>>
全員が視線を向けた先には駆けつけた中央の魔法少女達が立っている。
江利あいみ、都ひなの、木崎衣美里、綾野梨花、そして八雲みたまが睨んでくる。
「あっ…あぁ…なんで…なんでここに現れるんだよ…?」
中央の魔法少女達と共に現れたのは十咎ももこの大好きな親友。
悲しみに満ちた顔をした八雲みたまに対し、彼女は怯えて縮こまるのであった。
♦
新たに現れた中央の魔法少女達に対し、フェミニスト魔法少女達も睨んでくる。
彼女達がフェミニズムに反対している事は聞いているからだろう。
「加勢をしに現れたわけ!?男に味方をするなら容赦しないわよ!!」
「貴女達だって魔法少女でしょ!魔法少女の絆を邪魔する存在は男だって分からないの!?」
魔法少女の絆という、美しい
その光景はさながら、やちよの治世時代に繰り返された光景と同じ。
百合の世界が美しい友情でしかないのなら堂々と男が挟まりにきてもいいはず。
しかしそれでは百合にはならないと百合を尊ぶ者達は口を揃えて言うだろう。
百合の中身は同性愛でしかないのに友情だと言い張るのは、もはや
欺瞞を用いてでも魔法少女同士の絆の世界に男が挟まりに来るのは譲れないのだ。
ひなのが言い返そうとするが梨花が肩を掴む。
「お願い…都先輩…ここはあたしにやらせて…」
頷いた都ひなのはフェミニスト魔法少女達の元に向かう梨花の背中を見送る。
彼女達の前に立つ梨花は同性愛者として言葉を語ってくれる。
「みんな…聞いて欲しいの。あたしはね……レズビアンなの」
突然の同性愛者発言を受けたフェミニスト魔法少女達は動揺の声を漏らす。
「あたしのような同性愛者のために皆が戦ってくれてるのは嬉しい。だけどね…間違ってるよ」
同性愛者でありながら同性愛のために戦うフェミニスト魔法少女を否定する。
これには彼女達も激怒し、罵倒の叫びが上がっていく。
「アタシ達が間違ってるですって!?レズビアンのアンタのために戦ってるのに!!」
「そうよ!貴女もレズビアンなら女の子同士の愛の世界に男が挟まりに来るのが憎いはずよ!」
カリフォルニア大学の有名な精神医学者は同性愛者の行動は復讐が原動力だと言葉を残す。
今の彼女達の叫びこそ、
「あたしもね…男の人が憎かった。だから魔法少女契約を利用して…男の人を遠ざけたんだ」
「私達と同じ気持ちだったのに…どうして突然男の味方なんてする気になったの!?」
梨花の顔が俯き、両手を握り締める。
向き合うのが辛い過去と、同性愛者としての優越性を求めたいエゴ。
それでも梨花は逃げない。
現実逃避を選んだところで苦しかったのは経験済みだからだろう。
震えながらも梨花は自分が犯した過ちから学んだ事を語ってくれる。
「自分を騙してきても辛かった…愛した幼馴染の気持ちを踏み躙ったのが…辛かった!!」
自分の過ちを認めて愛した幼馴染を男に託し、見送った時の感情が蘇っていく。
涙が溢れ出す梨花はこう訴えてくれる。
「男の人にだって優しい人は大勢いるよ!
「ア…アタシは……」
「怖かったの!!男の人が素敵だったら…愛した人が奪われちゃうって…怖かったの!!」
「私……その……」
フェミニズムに染まった新参の魔法少女達が振り向き合う。
見つめ合う先にいるのは苦楽を共にしてもいいと思える程に大切な魔法少女の姿。
「あたしの気持ちは…皆と同じだよ!!だけど…もう踏み躙りたくない!!」
――愛した女の子の本当の幸せを踏み躙るぐらいなら…あたしはフェミニズムを求めない!!
「だって…大切な女の子を騙しながら付き合っていくのが…つらかったからっ!!!」
両膝が崩れ落ちた梨花は顔を覆いながら号泣してしまう。
彼女が向き合ってくれたのはフェミニズムを掲げていた魔法少女達と同じ気持ち。
だからこそ新参の魔法少女達の心に深く届いてくれる。
「アタシは…大切なパートナーを…騙してたの…?」
「私は…間違った事を…大切な人にやらせてたの…?」
梨花の苦しみを共有出来た新参の魔法少女達の手から魔法武器が落ちていく。
「ご…ごめん…アタシ…その……」
「ううん…いいの。この子のお陰で私達はこの子の過去と同じ苦しみを背負わずに済んだわ…」
「アタシも…男が優しいと認めるのが怖かった。けど大切な人を騙し続けるのは…もっと怖い」
「私もよ…やり直して…いけるかな?」
「そのチャンスを…目の前の勇気ある魔法少女仲間が…与えてくれたんだよ…」
フェミニズムを掲げた同性愛者達が自分のエゴと向き合い、そして克服してくれる。
それが大切に思うパートナーのためにならないなら、エゴや思想よりも大切な人を優先したい。
梨花と同じ気持ちになれた魔法少女達が抱きしめ合い、嗚咽を堪える音が響いていく。
感極まって泣きそうなひなのの横を超え、れんが走ってくる。
泣き喚く梨花の横で両膝を屈めながら抱き締めてくれる。
「やっぱり…梨花ちゃんは…勇気ある人です…」
「あたしぃぃ…ヒックッ…あたしぃぃぃぃ……っ!!」
「梨花ちゃんは…女の子の気持ちを踏み躙る人じゃないです…女の子の心を…救う人です…」
「あぁぁぁぁ~~…グスッ…ヒック……アァァァァ~~……ッッ!!!」
「私も…梨花ちゃんに救われた女の子です。だから梨花ちゃんと一緒に…生きたいです…はい」
言葉にならない叫びの中で梨花は感謝の言葉をれんに送る。
それでも言葉にならないから梨花はれんに抱き着きながら泣き続けていった。
「私は……」
ひときわ大きな音を立て、武器が地面に転がり落ちる。
両手に持っていた機械仕掛けの巨大トンファーを手放したこころの両膝も崩れてしまう。
梨花の必死な叫びが届いたこころは動揺を隠しきれない。
自分を騙し続けても辛いだけだと気づかされたためだろう。
彼女の元まで走ってくるのは親友のあいみであり、片膝をついて抱き締めてくれる。
「心配したんだから!家族の事で苦しんでたなら…どうして今まで教えてくれなかったの!?」
「だって…あいみの迷惑になると思って…」
「迷惑をかけない人間なんていないよ!!友達にぐらい迷惑をかけてくれたっていいよ!!」
「私…間違ってたの?お父さんとお母さんの不仲を必死に止めようとしたけど…ダメだった…」
フェミニズムを否定されたとしても両親が不仲な現実は変わらない。
こころには両親が喧嘩を起こす原因の根本が見えてはいないからだろう。
そんな時、あいみはこんな言葉を送ってくれる。
「私ね…伊勢崎君と結婚したいと考えてる。だけどね…夫婦生活を妄想してると…怖くなるの」
「何が怖いの…?」
「もし私が家事をするのが当たり前になって…伊勢崎君が
それを言われた時、幼かった頃の光景が蘇っていく。
夫は仕事はしてくれるけど家事を行う妻に感謝の言葉や贈り物をしてくれた事があったのかと。
「夫婦愛はね…献身という自己犠牲だと思う。それでもね…
こころの両目が見開き、確信が持ててくる。
母親が家を出て行った原因の根本部分に気が付かされたのだ。
「間違ったなら…やり直せばいい。登り切れなかったら…また登ればいい」
声がした方に2人が振り向けば気絶から目が覚めたまさらが近寄ってくる。
「私という休憩所を利用してくれても構わない。何度でも登れる…登りたい場所があるのなら」
「こころは登山が好きだよね?だったら疲れたこころの体は私が山頂まで背負っていくわ!!」
「あいみ…まさら…私…わたしぃぃ……っ!!」
両目に大粒の涙が浮かぶこころは親友達に抱き着いてくる。
あいみとまさらもこころを抱きしめ、親愛というものが何なのかを噛み締めるのだ。
「まなかは女です…女は男のように社会に出て働いたら…ダメなんですか…?」
両膝が崩れながら魔法武器のフライパンを両手で抱きしめたまま震えるのはまなかである。
その姿は夢であり目標のコックさんの道を捨てたくないという縋りつきにも見えてくる。
「平等という男性的な力を女性が求めた時…
近寄って来たのはあきらと美雨であり、思うところがあるあきらはこんな話をする。
「ボクは空手道場の師範代として男のような強さを求められた。応えてきたけど…失ったよ」
「それは…弱々しい女らしさというものですか…?」
「男の門下生達と一緒に働く職場みたいなものさ。女は男の領域に進出すると…らしさを失う」
「女らしさを失ったら…何が起きるんですか?」
「女らしさを求められなくなる。性的な目で見られたとしても…守る価値は無いと思われる」
「男は弱い女を守りたいという本能があるネ。女が自立したら…男は女の人生を守らなくなる」
「ボクは門下生達以上の力を持ってきた。だからルームメイトみたいな関係しか作れない…」
「平等を求められた弊害ネ。自然の在り方を否定しても、男達の心は離れていくだけヨ」
まなかは将来の自分の姿を想像してしまう。
例えば世界一のコックさんとして成功したとする。
コック業界で知り合った男性と結婚する事が出来たとする。
その過程において平等な関係であるために巻き起こる弊害を想像出来るだろうか?
平等故に夫は妻の活躍に嫉妬し、いつしか守るという自己犠牲を与える価値はないと思われる。
弱い女で無いのなら、自立出来るのなら、
男のプライドは本能であり、捨てられないもの。
いがみ合いの末、男は強さを求めた女を捨てていくのだ。
「女は男と競い合い、同時に愛を求める事は出来ないヨ。男の領分である力を求めたからネ」
「男と女の力の綱引きだね…ボクはそのせいで…力は得られたけど…守られない女になった」
「まなかは…世界一のコックさんになったら…守られない女になるんですか…?」
「お前も女の子なら白馬の王子様が私を守てくれると憧れたはずネ。でも…平等を望めば別ヨ」
――白馬の王子様は守る価値の無い御姫様と性交した後、
コックになりたい願望と女としての本能がせめぎ合う。
「仕事をとるか…家庭をとるかネ。女として生まれた自分に問い続けるといいヨ」
フライパンを抱きしめながら蹲り、すすり泣く音が響く。
あきらと美雨はまなかの人生の選択を尊重するため、これ以上は口を開かない。
月咲はあいみとこころ達の会話が聞こえたため両膝が崩れたまま泣いている。
「ウチも…感謝が欲しかった!家事をしてくれて有難うって言ってくれたら…耐えれたよ!!」
「月咲ちゃん…わたくしは…その……」
月夜は自責の念に駆られていく。
人は迷惑をかけるのが当たり前だから許すべきだという思想を信じた者が許さない者になる。
見たいものを見たいという欲が心を曇らせ、偏ったものしか見えなくなった自分を恥じていく。
その光景はレナとかえでも同じであろう。
立ち上がった常盤ななかの前まで歩いていくのは八雲みたま。
立ち止まり、ななかの前で謝罪の言葉を述べてくる。
「…本当にごめんなさい。もう少しで…貴女の命をももこが…」
「…いいんです。後の事は…お願いしますね」
「……分かったわ」
再び歩く先にいるのは震えながら後ずさる十咎ももこ。
親友を遠ざけたこと、男を罵倒したこと、魔法少女を混乱させたこと、凶剣を振るったこと。
あらゆる罪悪感が心の中で噴き出してしまい、逃げ出したい衝動が体を操る。
何よりも辛いのは、それらは全てみたまが好きになった男に対する復讐心が原因だったこと。
「逃げないで、ももこ!!」
ももこの体がビクッと大きく震えた後、立ち止まってしまう。
追いついたみたまがももこの前で立ち止まる。
「ア…アタシは……その……」
頭の中がグチャグチャとなり、言い訳一つ出す事が出来ない。
怒りに来た母親に怯えた娘のような表情を浮かべる事しか出来ない。
「……ももこ」
みたまの手が持ち上がっていく。
ぶたれるのだと思ったももこは両目を瞑ってしまう。
「……えっ?」
体に温かい感触を感じて両目を開ければ、ももこの体をみたまが抱きしめてくれている。
「…貴女はいつだって、自分を犠牲にして誰かを守ろうとする。優しい子だから…」
「調整屋…?」
「戦う力が無い私や、魔法少女仲間や、頼ってくれた人達のために…守る者になってくれる」
――でも、それは本当に…
それを問われた時、ももこの心臓が大きく高鳴る。
十咎ももこは姉御肌で男っぽい性格の娘。
気さくで面倒見がよく、度が過ぎておせっかいだから頼られる存在に
しかし彼女は本当に男のような性格と強さを求めた少女であったのだろうか?
「本当のももこは…誰よりも女らしさに憧れてた子よ」
「ア…アタシ…」
「可愛いぬいぐるみや服が大好きだし、アイドルの世界に憧れたし、女らしさに憧れた子よ」
女らしさとは何か?
それは
「みんな…貴女を頼り過ぎていた。私も…レナちゃんも…かえでちゃんも…だから断れない」
自分がずっと隠していた感情を語られるももこの心に熱い感情が迸っていく。
「ごめんなさい…ももこ。私達のせいで…貴女は本当の自分を隠す生き方しか出来なかった」
本当は知って欲しかった自分の弱さに気が付いてもらえた瞬間、大粒の涙が浮かんでいく。
「弱くてもいいの…弱くても私はももこを嫌ったりしない。カッコつけなくてもいいの」
――私はね…どんなももこでも…大好きになれるから。
ももこの両膝に力が入らなくなり、抱き締めたまま2人は地面に膝をついてしまう。
「アタシ…アタシィィ…!!弱いんだ…本当は臆病で…勇気がなくて…弱いんだぁぁ…っ!!」
「うん…それが言えたももこはね…とっても可愛い女の子よ」
「本当は…
「ずっと…我慢を溜め込んできたのね。でもいいの…本当のももこは…凄く女らしいわ」
「調整屋みたいに…みたまみたいに…守られたい!!弱いアタシを誰か守ってよぉ…っ!!」
ももこの両手が伸び、みたまの背中を抱きしめながら泣きじゃくる。
みたまも強くももこを抱きしめ、二度と離れないと誓うのだ。
「これからは私も貴女を守っていく、支えていくわ。だから本当のももこのままでいてね…」
「アァァァ~~~……ッッ!!!」
熱い雫が流れ落ちていくももこの頬に雪の雫が触れてくれる。
気が付けば1月の夜空からは雪が降り落ちてくる美しい光景が広がっている。
心が熱くなった魔法少女達の体と心を癒すようにして雪が降り続く冬の夜。
そんな夜空の下で弱さを抱えた魔法少女達は気づくのだ。
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「…認めぬ…認めぬぞぉぉ…っ!!」
雪が降りしきる公園を一望出来る廃ビルの屋上には人間に擬態したアンドラスがいる。
顔は憤怒に歪んでおり、怒りを隠しきれない。
アンドラスとイルミナティがもっとも見たくない光景が広がっているためであろう。
「人々の人間的成長を阻害するための憎しみ…
同性愛者の大多数はただ干渉されたくないと望む善良な人々。
だが金融エリートが支配する財団や巨大企業は同性愛者をNWOの道具として利用してくる。
同性愛者の団体に資金を与え、社会の異性愛の基盤を破壊するために使い潰そうとする。
そのために男に対する憎しみを利用してきたが、それを覆されたのだ。
「不快な存在を憎め!!攻撃しろ!!憎しみを克服する愛など…捨ててしまえーっ!!」
アンドラスが正体を表し、梟の頭部をした悪魔と化す。
両翼を広げたアンドラスの目が瞬膜となり、再び扇動魔法を放とうとする。
だがそれは迂闊な行為であり、悪魔化したため周囲に魔力をハッキリと示してしまう。
自分の居場所はここだとアピールしているようなものだろう。
<<貴様の心臓、貰い受ける>>
アンドラスが向こう側の廃ビルから感じた魔力に気が付いたが、もう遅い。
魔法少女達が集う公園の夜空を一筋の赤い流星が飛翔していく。
「がっ……あっ……?」
アンドラスが胸を見れば貫通して巨大な穴が開いている。
自身の心臓は後ろ側の入り口近くの壁に突き立てられている。
アンドラスの胸を貫いた魔槍こそ、クーフーリンが所有するゲイボルグなのだ。
「申し訳…ありま…せん…閣下……」
後ろに倒れ込んだアンドラスの体が砕け散り、MAGを夜空に向けて放出。
その光景を向こう側の廃ビル屋上で見つめていたのは三体の悪魔達。
「ジャックポット、ど真ん中だ」
不敵な笑みを浮かべるのは黒のトレンチコート姿をした嘉嶋尚紀。
隣にいるのは悪魔化したクーフーリンとケルベロス。
飛んできたゲイボルグの柄を掴み取った後、クーフーリンは尚紀に振り向く。
「あれは堕天使アンドラスだ。扇動を得意とする堕天使であり、人々を争わせる事を好む」
「ボルテクス界では出会わなかった悪魔だが、出会っていたなら真っ先に殺したい悪魔だな」
「アノ悪魔…生体エナジー協会ニ現レタコトモアッタ。イルミナティ関係者デ間違イナイ」
「今回の騒動の影にも、イルミナティの影がチラついていたというわけか…」
「だからこそ、我々も陰ながら動いている。イルミナティ共に好き勝手されるのは腹が立つ」
「奴ラニハ借リガアルカラナ」
「イルミナティが絡んでると分かった事だし、気乗りしてなかった悟空も動いてくれるだろう」
「孫悟空カ…セイテンタイセイト呼ビ過ギタセイカ…未ダニ戸籍名ガシックリコナイ」
「じきに慣れるさ。それよりも…」
屋上から下界を見下ろす先にいるのは常盤ななかの姿であり、尚紀の口元が微笑む。
「…よく頑張ったな、ななか。それでこそ、俺が太鼓判を押した魔法少女なだけはある」
「善悪を超えた者か…あの少女の生き方こそ…
「
「中庸の道はあまりに苦しい。それでも…俺はNEUTRALを探していかなければならないんだ」
「秩序でも自由でもない、道なき道を探す者か…まるで幻を追いかけているような気分になる」
「それでもついてきてくれるか?」
それを問われた時、クーフーリンとケルベロスは微笑みを浮かべてくれる。
「勿論だ、尚紀。かつての世界同様、私の槍はお前に預けている」
「我モマタ使命ヲ負ウ者。汝ガ何者ニナルノカヲ見極メル者ダ」
それを聞けた尚紀は頷き、踵を返した悪魔達が夜の街へと消えていく。
去っていく中、尚紀は今後の行動内容を語っていく。
「インキュバスからの情報では、もう時期リリスがこの街に現れる」
「いよいよか…激戦となるだろう」
「リリスガ分霊デアルニシロ本霊デアルニシロ、侮レヌ相手ダ」
「だからこそ…これは俺達の戦いとなる。魔法少女達に戦いを押し付けるわけにはいかない」
降りしきる雪の中、悪魔達の足跡が雪によって消されていく。
その光景は魔法少女達も同じであり、今宵は一晩中降り続くだろう。
まるで争いがあった世界を美しき世界へと変えてくれる雪景色。
夜空を見上げる尚紀には懐かしい景色を思い出させてくれるような気がしたのであった。
辛い気持ちをチャージすることしか出来ないチャージももこちゃんも大団円といったところですね(汗)
本当は弱い女の子を描いてると、男塾塾長江田島平八のセリフが頭に浮かびます。
男なら幸せになろうと思うな!幸せになるのは女と子供だけでいい!
男なら死ねい!!