人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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180話 女が求めたもの

「ガハッ!!!」

 

人修羅に蹴り飛ばされた女悪魔がVIPルームの扉を突き破って室内まで蹴り込まれる。

 

呻き声を上げながら立ち上がろうとするのはリリスの女性秘書を務めていた女悪魔であろう。

 

【メデューサ】

 

ギリシャ神話に登場するゴルゴン三姉妹の末娘であり、名は支配する女という意味をもつ。

 

青銅のような鱗の肌と飛び出しそうな大きな目玉、毒蛇の髪をもつ存在だと言われている。

 

その姿を見た者は恐ろしさのあまり石にされると語られている存在だ。

 

元は美しい女性であったが女神アテナの神殿において海神ポセイドンからレイプ被害を受ける。

 

神殿を荒らしたとしてアテナが激怒したのは父の兄であるポセイドンではなく女性側である。

 

アテナはレイプされた女性を醜悪な蛇女に変え、それに抗議した他の姉達も怪物に変えたのだ。

 

「ぐっ…うぅ…おのれぇぇ…おのれぇぇぇぇ…っ!!」

 

下半身が蛇であり、無数の蛇を髪とする巨体を持ち上げようとする。

 

だが相手の実力は桁外れ過ぎて勝ち目などないとメデューサも本能で感じているようだ。

 

「お前の存在は有名過ぎる。一目見て石化を用いてくる悪魔だと見抜けたよ」

 

通路から歩いて来るのは全ての障害を排除した上で最後の護衛を屠ろうとする人修羅である。

 

彼が飲み込んだマガタマとは呪殺を防ぐ耐性を与えてくれる『サタン』であろう。

 

これによってメデューサが用いてくる魔眼の呪殺魔法ペトラアイを無効化したわけだ。

 

「リリス様はやらせない…リリス様こそが…私たち女悪魔を…女性を…救ってくれる!!」

 

最後の抵抗を行う構えをしてくるのに対し、人修羅は蔑みの眼差しを向けてくる。

 

「…男では女を救えないとでも言いたいのか?」

 

「そうよ!!男共は女をレイプする事しか頭にないわ!!私もその被害者よ!!」

 

「だから全ての男を強姦魔扱いするのか?被(・)害(・)者(・)意(・)識(・)も(・)そ(・)こ(・)ま(・)で(・)い(・)く(・)と(・)反(・)吐(・)が(・)出(・)る(・)」

 

「女を救えるのは女だけよ!男共も…男に味方する女共も…全員許さない!!」

 

「自分の言っている言葉が破綻していると…なぜ気が付かない?」

 

フェミニズムを固く信じるメデューサもまた虚言癖を患っている。

 

女の敵は男に味方する女もそうだとぬかす支離滅裂な理屈にさえ気が付かない。

 

同性愛者に成り果てたメデューサもまた現実を自分の都合のいいようにしか解釈出来ない。

 

精神的引き籠りを患う精神疾患者であったのだ。

 

「私が倒され様とも…リリス様がこの世界を救ってくれる。女性が支配する世界を生みだす!」

 

獰猛な瞳を赤く染め、魔眼に頼らない戦いを仕掛けようとする。

 

迎え撃つ人修羅もまた右手に光剣を生み出し、鋭い目つきを返す。

 

「…お前もまた、鬼畜外道に蹂躙された者だと言うのなら…やり直すつもりはないか?」

 

人修羅として生きる尚紀が示す最後の慈悲すら現実を見ようとしない女悪魔には届かない。

 

「今更善人ぶるんじゃないわよ!女を傷つけるモノを股間にぶら下げる男共は…全員殺す!!」

 

右掌から放つ一撃とは無数の麻痺針を発射する『百麻痺針』の一撃。

 

人修羅も左手を掲げて迎え撃ち、風魔法の応用によって針の雨を逸らし続ける。

 

そのまま歩いていくと同時に一気に踏み込む。

 

「がっ……あっ……?」

 

背中側まで切り抜けた人修羅が光剣を振った後、剣を消す。

 

メデューサの腹部には一閃の斬撃痕が浮かんでおり、胴体が地面に転がり落ちてしまう。

 

「いや…いやよ…っ!!私の体が…崩れて…っ!!」

 

魔法少女達の感情エネルギーで構成された体に亀裂が入っていき、砕け散るメデューサの体。

 

<<うげェェェェェ…ッ!!!>>

 

断末魔の叫びと共に飛び散ったMAGの光に振り向いた後、やりきれない表情を浮かべてしまう。

 

「見たいものしか見ないし、信じないのは…人類も悪魔共も同じってわけか」

 

エゴと共に生き、エゴと共に死んだ女悪魔から視線を逸らす。

 

VIPルーム内に視線を向けていくのだがリリスとアモンの姿は見えない。

 

「なんだ…?」

 

周囲の景色が歪んでいき、ホワイトアウトしていく。

 

人修羅の周囲に広がっていく景色とは中東のイラクを思わせる程の荒野。

 

「異界に引き摺り込んだか…いいだろう。俺にとってもその方が都合がいい」

 

古代遺跡の跡地のような場所を歩いていくと神殿跡地のような場所を見つける。

 

「あれは確か…神話の本で見た事がある。バ(・)ー(・)ニ(・)ー(・)の(・)浮(・)彫(・)か?」

 

崩壊した神殿ゲートを潜るとそこにあったのは巨大レリーフであった。

 

♦

 

メソポタミア文明において作られたものであり、夜の女王と呼ばれるのがバーニーの浮彫。

 

メソポタミアにおける愛と美の女神イナンナか、姉の冥界神エレシュキガルだと言われている。

 

両隣には梟が描かれており、梟の鉤爪の如き鋭い足が立つのは聖獣である獅子の上。

 

裸の背中には翼があり、両手には神権を示す尺度と巻き尺、頭にはアヌンナキの三重冠を被る。

 

三重冠とは天と地と地獄を治める太陽の象徴として語られるものであろう。

 

<<フェミニズムの起源とは、オカルトであるグノーシス主義ですわ>>

 

声がした方に振り向けば蜃気楼のようにして人影が現れる。

 

バーニーの浮彫が聳え立つ段差の上に現れた人物こそ、フェミニズムの象徴であるリリス。

 

右腕には浮彫の絵を彷彿とさせる梟が留まっている。

 

「…お久しぶりですわね、混沌王様。ボルテクス界におけるカグツチ塔以来かしら?」

 

不気味な笑みを浮かべてくるリリスに対し、鋭い眼差しを向けてくる。

 

「そうなるな。そしてボルテクス界では見かけなかった悪魔も連れているようだな?」

 

視線を向けられた梟が鳴き声を発する中、悪魔でなければ理解出来ない言葉を伝えてくる。

 

「お初にお目にかかる。吾輩の名はアモン…古代エジプトの守護神を起源に持つ魔王である」

 

「アモンだと?仲魔から聞いた事がある魔王だ…かなりの強さを持っていると聞かされたな」

 

「吾輩とリリス、その両方が揃えばどれ程の強さとなるか…考えた事はありますかな?」

 

「覚悟の上で来ている。そして俺の前に現れるという事は…お前達の覚悟も問われるぞ」

 

「私の覚悟はあの頃から変わらない。分霊ではありましたが貴方様を鍛える為に戦いましたわ」

 

「アマラ深界に集った悪魔同様、吾輩達もまた貴方の試練となる」

 

「全てはLAW勢力とのハルマゲドンに勝利するため。そのために最強の悪魔を生み出す」

 

「しかし我らに敗れるような弱き悪魔であるならば…我らの期待を裏切る者として処分する」

 

「かつての試練では俺の強さの証明にはならなかったのか?」

 

「十分な資質を見せてくれましたわ。ですが…ダイヤは磨かなければ輝きが曇ってしまう」

 

「この世界に流れ着いた貴方様の輝きがボルテクス界の頃と変わらないのか…見極めよう」

 

「いつでも始めて構わないが…その前に聞きたい事がある」

 

怪訝な表情を浮かべるリリスとアモンに対し、人修羅はこう告げる。

 

「さっき倒したメデューサはこう言って死んだ。女が男を支配する世界をお前が築くとな」

 

「彼女も私の思想に賛同してくれた同志だったけれど…役目を果たして死んだようね」

 

「リリス…貴様こそがフェミニズムの象徴だと聞いている。お前は女性を救う悪魔なのか?」

 

「その通りよ。私の在り方が生み出したとも言えるフェミニズムこそ、女性社会を救うのよ」

 

それを聞いた人修羅の眉間にシワが寄っていく。

 

「ふざけるな…貴様が撒き散らすフェミニズムは…魔法少女だけでなく全ての女性を貶める!」

 

男として生きる者が叫ぶのはフェミニズムによって巻き起こってきた男女社会の弊害の糾弾。

 

性を標的にした社会改造プログラムによって、どれ程の男女が犠牲となってきたかを語る。

 

性のアイデンティティの混乱により人間としての成長を阻害された人類の堕落した在り方。

 

自らの快楽のみを優先させ、同性愛とセックスが氾濫した事による社会の退廃化。

 

家族、人種、宗教、国民国家を崩壊に導かせるために利用されたのが女性達。

 

我儘極まった思想に操られた女性達は同性愛万歳と叫び、逆らう男や女達と対立させられる。

 

異性愛と同性愛、どちらかが滅びるまで戦わさせられる呪いを与えた者こそがリリスであろう。

 

「男女家庭とは人(・)生(・)の(・)目(・)的(・)や(・)帰(・)属(・)意(・)識(・)だ!皆の自立を育む場を貴様は破壊しようとしたんだ!」

 

尚紀の怒りの源とは男女家族を失った事がある悲しみの経験からきている。

 

この世界に流れ着き、辛かった苦しみを癒せる場所として真っ先に頼ったのが両親である。

 

子供である自分を育ててくれた我が家と両親があったからこそ、帰属意識が生まれてくれる。

 

帰れる場所がある事がどれ程の救いとなったのか、その家族を失ったからこそ分かるのだ。

 

「女性が子を産んでくれる!男性が育ててくれる!こんな自然な事さえ…貴様は貶めた!!」

 

黙して語らずの態度であったリリスであるが、眉間にシワが寄っていく。

 

「何が同性愛だ!?何がセックスだ!?そんなものより大事なものこそ…」

 

――人(・)の(・)心(・)が(・)帰(・)れ(・)る(・)場(・)所(・)だ(・)!!

 

人の心が帰れる場所と言われた瞬間、アダムと喧嘩した時の記憶がフラッシュバックする。

 

人類の祖になれたかもしれなかったリリスもまた、それを失った事がある原初の女性。

 

眉間にシワが寄り切ったリリスが憎しみに支配された言葉を発する。

 

「…気が変わったわ。彼の相手は私1人でやらせて頂戴ね」

 

顔を向けなくともリリスの全身から発する桁外れの殺意を感じているアモンは静かに頷く。

 

「混沌王殿の連れ合い共が近づいてきている。吾輩はそちらの相手をしてやろう」

 

リリスの右腕より飛び立ち、異界の中から消え去っていくアモン。

 

残されたリリスの全身からは漆黒のカーテンとも言える煙を発する。

 

<<人の心が帰れる場所ですって?そんなもの…女性に必要ではないわ>>

 

漆黒のカーテン内のリリスが口ずさんでいくのは、彼女の在り方を表すような詩。

 

――男が作った世界が滅びても女は生きていく。

 

――国が滅びても、わたしは生きていく。

 

――家庭が崩壊しても、わたしは生きていく。

 

人修羅も上着を掴んで脱ぎ捨てる。

 

上半身に発光する刺青をもつ彼の左手を見るがいい。

 

そこに握られていたのは東京の守護者と共に在った男神達の魂が形となった刀なのだ。

 

「男達の魂は女に届くのか…試させてもらおうか!!」

 

666を象徴する三つ巴紋が刻まれた鍔を親指で弾き、怨霊剣の光と共に刃が煌めく。

 

一瞬で抜刀した後、刀を左右に回しながらの回転納刀を行う。

 

男達の魂は女に対して何時でもかかって来いと示す。

 

憤怒に歪んだリリスもまた人類の男達に対する憎悪の言葉を叫んでくるのだ。

 

「さぁ、百合の名を持つ私が…男と呼ばれる邪悪な存在に制裁を与えてあげましょう!!」

 

ギルガメシュ叙事詩における夜の女王リリスの如く、全身から魔力が噴き出す。

 

叙事詩のくだりを象徴するバーニーの浮彫の前で互いの魔力が拮抗していく。

 

地面は揺れ、周囲の古代遺跡が魔力振動によって砕けていく中、互いが動く。

 

男への復讐に燃えたリリス(女性)と受けて立つアダム(男性)との死闘が始まるのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

全身に蛇柄文様が巻き付く鎖のように描かれたリリスの右手から放たれるのは無数の真空刃。

 

かつてのバアル神が放った風魔法と同等の威力を示す程の一撃が広域放射されていく。

 

迎え撃つ人修羅は腰を落として足を半歩開いた状態のまま斬撃を放つ。

 

繰り返されるのは目にも止まらぬ居合術。

 

納刀状態から放たれる無数の斬撃が前方空間に張り巡らされていき、真空刃を切り裂く。

 

刀身からは怨霊剣の魔力が噴き上がり、斬撃範囲を大きく伸ばしてくれる。

 

彼の背後の遺跡群は巨大な真空刃によって大地ごと切り裂かれて崩壊していく。

 

天変地異とも呼べる程の力に対抗出来る刀こそ、将門が託してくれた公の御剣である怨霊剣だ。

 

(いける…この刀の強度なら、スパーダの剣技に耐えきれる!!)

 

技を振るえば振るう程、新たなる武器の強度に確信が持ててくる。

 

怨霊剣と呼ばれる刀を構成する材質こそ神代の霊的金属であるヒヒイロカネ。

 

古史古伝の一つである竹内文書に記された超金属であり、オリハルコンにも似た金属。

 

太陽の如く輝き、常温で加工出来るが合金にすると極めて堅固になり錆びる事もないという。

 

「どうした!!女の力はその程度か!!」

 

山を背にした神浜市すら破壊し尽くせる程の巨大真空刃の雨の中でリリスを挑発してくる。

 

「粋がらないで!!女の力はこの程度ではないわよ!!」

 

真空刃を放つのを止めた後、右手を天に向けていくがその隙を見逃す人修羅ではない。

 

「今度はこっちの番だ!!」

 

刀を鞘に納めたまま右足を引き、背中に向けて右手を引き絞る形で構える。

 

右手からは逆手に向けた光剣が放出され、刀身から魔力が噴き上がっていく。

 

放たれた斬撃とは二連続で放たれる魔力の刃。

 

『ドライブ』と呼ばれる剣技の一撃が迫るがリリスは浮遊した体を高速移動させて回避する。

 

斬撃がバーニーの浮彫に直撃してX字を描くように切り離されていく。

 

浮遊したまま移動を繰り返すリリスに対し、放たれた弾丸の如く人修羅は駆ける。

 

怒りに我を忘れていく彼女はアダムを罵倒する叫び声を発するだろう。

 

「男共はいつの時代も女を下にする!!女こそが男の上に立つべき存在なのよ!!」

 

嵐の精霊の怒りに呼応するかの如く暴風が吹き荒れていく。

 

人間どころか岩まで吹き飛んでしまう突風を突き抜け、怨霊剣と光剣を同時に構える。

 

「行くぞ…リリスーーッッ!!」

 

連続して放たれる袈裟斬りと左薙ぎを高速で繰り返しながら接近していく。

 

破壊されて飛ばされてくる巨大な岩を切り裂きながら接近を繰り返す。

 

迫る巨大岩に目掛けて跳躍し、体を横倒しに回転させながら回転斬りを放って両断する。

 

向こう側に隠れていたリリスを見つけた人修羅は回転体勢からの左袈裟斬りを仕掛ける。

 

「見えてるわ」

 

巨大な大蛇を体に纏うリリスの体が揺れた後、獰猛な猛禽類の如き左足から蹴りを放つ。

 

左袈裟斬りを放つ手首を蹴り飛ばし、すかさず大蛇が援護攻撃してくる。

 

「チッ!?」

 

首に巻き付いて圧し折る動きを見せたが咄嗟に右腕を差し込む。

 

身動きを止められた人修羅に対し、リリスの魔眼魔法が解放される。

 

「無駄だ!!」

 

リリスを蹴り込み、反動を利用して蛇の拘束から飛び出す。

 

「くっ!?魅了魔法が効かないのは精神操作に耐性を持つマガタマを装備しているからね…」

 

分霊ではあるがリリスと戦った事があった人修羅は彼女の得意魔法を知っている。

 

全体を魅了して支配する『肉体の解放』への防御を固めてきていたようだ。

 

一回転して着地した距離は近く、この間合いならば接近戦を得意とする人修羅の独壇場である。

 

怨霊剣を左掌内に収納した後、接近戦を仕掛けるために踏み込んでくる。

 

迎え撃つリリスもまた猛禽類の如き鉤爪の足を用いて踏み込んでくるだろう。

 

「「ハァァーーーッッ!!!」」

 

互いの連続蹴り足が交差していく。

 

リリスが放つのは獰猛な足先を使って敵を引き裂くヘルファング。

 

人修羅が放つのは連続して13回蹴りを放つ『キック13』だ。

 

激しい打撃の応酬、蹴り足がぶつかり合う衝撃波が周囲を砕いていく。

 

人修羅の回し蹴りを身を低めて潜り抜けた後、片手を地につける程の低空後ろ回し蹴りが迫る。

 

獰猛な鉤爪の如き足指に頭部を引き裂かれかけた瞬間、彼の姿が消える。

 

歩法技であるエア・トリックを用いて後方移動を瞬時に行い、再び踏み込む。

 

「うおおぉぉーーーっ!!」

 

振り上げた拳を放とうとしたが同じく一瞬で踏み込んできたリリスに顔面を掴まれてしまう。

 

浮遊したまま高速移動し、彼の体をバーニーの浮彫の残骸に目掛けて叩きつける一撃とする。

 

「がっ!!」

 

巨大レリーフが完全に砕け、尚も勢いは止まらず神殿跡地を破壊しながら突き進む。

 

掴んだ手から放つ魔法とは吸魔であり、人修羅の魔力を吸い上げながらの同時攻撃を仕掛ける。

 

「男は女の下になるのが相応しいのよ!!」

 

曇天が渦を巻く雷雲に目掛けて空を昇り、地上に目掛けて急降下してくる。

 

荒野にあった山に目掛けて人修羅を叩きつけ、山そのものが激しく砕け散る。

 

それと同時に雷雲から神槍の如き雷の一撃が落ちてきたのだ。

 

掴まれたまま地面に叩きつけられた人修羅に放ったのは毘沙門天を殺した一撃であろう。

 

「ぐあぁぁぁーーーーっ!!!」

 

ジオバリオンの一撃を浴びた人修羅の体が焼かれていく。

 

精神操作魔法に耐性を持つイヨマンテだが、雷を防ぐ耐性を持ち合わせてはいない。

 

雷に焼かれ続ける人修羅を掴んで離さないリリスの表情は女の喜びに包まれている。

 

「この光景よ…この光景こそが…私たち女の望みなのよ!!」

 

女に組伏せられて上に乗られ、成す術なく支配された男の姿。

 

これこそがフェミニズムの象徴であるリリスが望んだ理想の在り方そのものであろう。

 

「まだ…だぁ…っ!!」

 

顔を掴んだ右手の手首を掴み、伸びきった右腕の肘に目掛けて左腕刀を打ち込む。

 

「がぁ!!?」

 

鈍い音が響き、右腕を折られたリリスが怯む。

 

右足で腹部に蹴りを放ち、彼女を大きく蹴り飛ばす反撃を喰らわせる。

 

起き上がっていく人修羅だが、全身が焼け爛れる程の大きなダメージを負っている。

 

「カグツチ塔で戦った時の次元じゃない…これが本気の力ってわけかよ…リリス…?」

 

左手に出現させた宝玉を飲み込み、回復の光を発する。

 

リリスもまた折られた右腕を左手で掴み、回復魔法を用いて回復していく。

 

互いが睨み合う中、人修羅が質問してきたようだ。

 

「バーニーの浮彫もまた貴様を示すものなら…共に在る梟はアモン一匹だけじゃないはずだ」

 

「そうよ。私と共に在るもう一つの梟とは、イルミナティを表すのよ」

 

「イルミナティを操り、女性が支配する新世界秩序を築き上げる算段かよ…」

 

「私の望みであると同時に時代が望んだものでもある。産業革命によって女は抑圧されたのよ」

 

「彼女達の不満を利用し、自由と平等を掲げさせたってわけか…」

 

「人(・)々(・)は(・)自(・)由(・)と(・)平(・)等(・)の(・)意(・)味(・)す(・)ら(・)考(・)え(・)よ(・)う(・)と(・)し(・)な(・)い(・)。だからこそ簡単に扇動する事が出来るのよ」

 

この世に平等という概念は存在するのか?

 

産まれた時から男女という格差を与えられ、見た目ですら不平等。

 

産まれる家の裕福さも格差があり、住んでいる地域によって得られるものにも格差がある。

 

持たざる者として産まれたみたまと十七夜でさえ恵まれた容姿と豊満な肉体を与えられている。

 

彼女達を見れば他の恵まれない女性達はその美しさに嫉妬するしかないであろう。

 

この世に平等という概念は本当にあるのであろうか?

 

「な(・)い(・)も(・)の(・)を(・)あ(・)る(・)と(・)言(・)い(・)張(・)り(・)、人々を扇動してテロリストに仕立て上げたのが暴力革命か…」

 

「自(・)然(・)な(・)も(・)の(・)を(・)真(・)逆(・)に(・)す(・)り(・)替(・)え(・)る(・)。それこそがイルミナティの手口なのよ」

 

イルミナティは唯一神が生み出した万物・自然の在り方を真逆にすり替える。

 

秩序を司る五芒星を真逆にすり替え、自由を司る逆五芒星にしていくかの如く。

 

これこそが唯一神への復讐を掲げる反キリスト主義であり、グノーシス主義であろう。

 

「聞きたい事は聞いた…インターバルは終わりとしよう」

 

人修羅は再び左手に怨霊剣を出現させた後、全身から魔力を噴き出す。

 

右腕を回復したリリスもまた宙に浮かびながら全身から魔力を噴き出す。

 

極限にまで高まっていく魔力が弾け合い、大地震によって大地が引き裂かれていく。

 

「俺が求めるのは自然であり…秩序だ」

 

「自由を司る混沌王様ともあろう御方がLAWの天使と同じ理屈を振りかざす…残念な御方ね」

 

「自由の中には秩序を望む自由もある…俺はそう信じよう」

 

腰を落として足を半歩開いた状態のまま居合の構えを行う。

 

リリスは右手を天に向けて掲げ、雷雲には次々と雷の光が生み出されていく。

 

「さぁ…男と女の戦いの決着をつけようぜ!!」

 

「最後に勝つのは…男ではなく女よ!!」

 

鞘から刀を抜刀し、宙に浮くリリスに仕掛ける技とは次元斬。

 

相手の位置を囲む程の斬撃の嵐を放つが天高く飛翔して回避したリリスが反撃に転ずる。

 

放つ魔法とは荒れ狂う天雷が如き魔法攻撃である『マハジオダイン』の一撃。

 

次々と落ちてくる雷の槍を掻い潜り、リリスに迫る人修羅。

 

2人の戦いは極限の神域へと高まっていくのであった。

 

♦

 

「「ハァァーーーッッ!!!」」

 

天に浮かぶリリスは頭上に生み出す光球を地上に目掛けて投げ放つ。

 

対する人修羅は右手を頭上に掲げ、光が収束した右拳を地面に叩きつける。

 

互いに放った一撃とはメギドの火を究極に高めた一撃であるメギドラオン。

 

互いの極限魔法が接触し、二発の核爆弾が爆ぜる程にまで膨らむ光の爆発現象を生む。

 

大地が大きく削られていき、リリスが生み出した巨大な異界領域を削り取る。

 

岩盤は砕け散り、光の爆発によって巻き上げられていく光景が続いていく。

 

巻き上げられていく大地に立っていたのは人修羅の姿であろう。

 

「うおおぉぉーーーーっ!!!」

 

飛び交う岩盤大地を跳躍しながら天に君臨する夜の女王へと目指す。

 

「もう試練で終わらせるつもりはない!男に脅かされた女の尊厳をかけて滅ぼして見せる!!」

 

男に脅かされる女はダメで、女に脅かされる男は構わないというダブスタを吐き捨てるリリス。

 

エゴに囚われれば最後、他人の事などどうでもよくなる。

 

客観性がなくなり、自(・)分(・)の(・)言(・)葉(・)の(・)辻(・)褄(・)さ(・)え(・)無(・)視(・)出(・)来(・)て(・)し(・)ま(・)う(・)。

 

客観性のない主観性はこうも成り立たない中、リリスは両手から魔力の波動を放つ。

 

人修羅の周囲に巻き上げられていく岩盤大地が操られ、彼を圧し潰さんと左右から迫りくる。

 

超能力魔法の最上位であり全体に極大超能力攻撃を仕掛ける『マハサイダイン』なのだ。

 

迫る岩盤大地に対し、彼は鞘に納められた刀を構えて右手で刀を引き抜きながら円運動を行う。

 

円環を描く斬撃が周囲に放たれ、左右から迫る岩盤大地が切り裂かれる。

 

『時空烈閃』と呼ばれる剣技を放った人修羅は片膝立ちから立ち上がってさらに跳躍。

 

刀を納刀し、右手をかざしながら魔法を放つとリリスの周囲に竜巻が発生していく。

 

「バカね!!風を司る悪魔の私に風魔法が効くとでも思ったの!」

 

ダメージなど最初から期待しておらず、竜巻を発生させたのはリリスの視界を封じるため。

 

竜巻の渦を突き破って現れたのはドラゴンキックを放つ人修羅なのだ。

 

「ぐふっ!!?」

 

腹部に直撃を受けたリリスが竜巻を突き破り、尚も蹴り飛ばされていく。

 

『流星脚』とも言える一撃を腹部に決めたままの人修羅の体勢が一回転する。

 

リリスの頭上から迫るのは踵落としの一撃。

 

「アァァーーーッッ!!!」

 

『月輪脚』が頭部に打ち込まれたリリスの体が遠くの彼方にまで蹴り飛ばされる。

 

メギドラオン爆心地から大きく離れた廃墟に叩きつけられたリリスの体が落石に埋まっていく。

 

完全に埋まってしまったが、瓦礫の山から魔力が噴き上がって瓦礫の山を弾き飛ばす。

 

中から現れたのはオールバックにした髪が蹴りの一撃で下りてしまっているリリス。

 

頭部から血が流れ落ちていく顔は憤怒に歪み、男に向けたおぞましい呪いの言葉を紡いでいく。

 

「…チンポを武器にして女を傷つけるレイプ魔共め。私が男共のイチモツを去勢してやる!!」

 

フェミナチとも言える程の過激な暴力性。

 

自分の正義のためならここまで暴力を正当化してくる狂気。

 

女性社会や同性愛社会を守るというフェミニズムの価値観とは暴(・)力(・)的(・)狂(・)気(・)の世界なのだ。

 

「ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ーーッッ!!アダム(男)は殺してやるぅぅぅーーーっ!!」

 

ヒステリーな叫びを上げる女の元まで迫ってくるのは豪熱放射の一撃。

 

マグマ・アクシスの一撃を回避したリリスが浮遊しながら一気に加速してくる。

 

風魔法の応用によって高速で迫りくる人修羅に対し、右手を振りかぶりながら突進してくる。

 

右掌には全魔力を収束させたメギドラオンの光が迸る。

 

これを直接ぶつけることで勝負を決める腹積もりであろう。

 

「男を憎む女達に虐げられてきた男達の無念…」

 

疾走しながら親指で鍔を弾き、右手で柄を握る。

 

鋭い眼差しを向ける地の果てからは飛翔しながら迫りくるリリス。

 

「…男の俺が晴らして見せる!!」

 

互いの全力の一撃が今、交差する。

 

人修羅として生きる男はリリスとして生きる女を斬り抜け、背中を通り超えている。

 

メギドラオンの一撃を振りかぶったリリスは人修羅を背にしたまま動けない。

 

「あっ……あぁ……」

 

リリスの首に巻き付いている大蛇の体が切断されていく。

 

右手に収束してあったメギドラオンの光も消えてしまう。

 

血払いを行った後、回転納刀を行う男の口から言葉が出てくる。

 

「…毘沙門天達の無念と怒り、貴様の体に確かに刻んだ」

 

鍔が鳴る音と共にリリスの腹部から一気に血が吹き出す。

 

「どうして…私達…女は……」

 

自重によって体が倒れていき、胴と下半身が切断されてしまう。

 

「男に…勝てないの……?」

 

アダムを憎み、アダムとエヴァの愛の形を憎んだ女が辿り着いた最後は男が上に立つ光景。

 

男と女の戦いはリリスが憎んだアダムの勝利で終わりを迎えようとしていた。

 

♦

 

下半身が砕け散り、MAGの光となっていく。

 

負けを認められないリリスの上半身は両手で立ち上がろうとするがひっくり返すので精一杯。

 

仰向けに倒れたリリスの上半身にも亀裂が入っていき、もう長くはないのだと教えてくれる。

 

「ハァ……ハァ……」

 

足音が近づいてくる中、百合であるリリスを掲げてくれた魔法少女達を思い出していく。

 

「ここで果てるわけには…百合の名をもつ私は…魔法少女達の…愛しい娘達の…望みの象徴…」

 

近づいてくる足音が止まる中、首を向ければトドメを刺しにきた人修羅が立っている。

 

「貴様が魔法少女達の象徴だと?人によってはそう見えるだろうが…貴(・)様(・)が(・)決(・)め(・)る(・)事(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)」

 

怨霊剣を引き抜き、逆手に持って構える。

 

苦痛によって顔を歪めるリリスは振り下ろされる断罪の刃を見つめながら女としてこう告げる。

 

「女である私はまた…男の下にされるのね…。どうして女は…男と対等になれなかったの…?」

 

唯一神によって最初の女として生み出された存在の嘆きの言葉が空しく響く。

 

無念を抱えたまま静かに目を閉じ、男が下す断罪の刃に身を任せる覚悟を示してしまう。

 

その光景はある意味、男(・)の(・)固(・)い(・)武(・)器(・)を(・)受(・)け(・)入(・)れ(・)よ(・)う(・)と(・)す(・)る(・)女の姿のようにも感じられる。

 

女が男を無抵抗に受け入れる態度を示す光景は愛という自己犠牲の証であるセックスだろう。

 

「……リリス」

 

無抵抗に男を受け入れようとする女の姿を見つめる男の脳裏には美雨とななかの言葉が浮かぶ。

 

「利他的な愛は…人間の器が試される。愛は証を示さなければ…誰も信じない…」

 

目を瞑って死を受け入れる覚悟を示していたが、鍔の鳴る音が響いた事によって目を開ける。

 

「……なぜ、トドメを刺さないの?」

 

疑問を投げかける女に顔を近づけるため、右手に持ち替えた刀を杖にして片膝をつく。

 

左掌内に出現させたのは悪魔の傷を完全回復させる道具であるソーマであろう。

 

「男(・)の(・)人(・)生(・)に(・)は(・)…(・)女(・)の(・)力(・)も(・)必(・)要(・)だ(・)。ここで死ぬ必要はない、やり直すんだ」

 

残りわずかとなった最後のソーマを敵に譲り渡す態度を示す男悪魔。

 

その姿を見た女悪魔は苦痛に顔を歪めながらも憎しみの言葉を放つ。

 

「バカにしないで!!私にとっては敵である男に情けをかけられるぐらいなら…死を選ぶわ!」

 

頑なな態度を示す女に対し、男は疑問を投げかける。

 

「お前にとって敵だったとしても…アダムである最初の男はお(・)前(・)の(・)事(・)を(・)敵(・)だ(・)と(・)思(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)か(・)?(・)」

 

「えっ…?」

 

「男って生物はな…女をモノにしたい生き物だ。独裁的所有欲だと言われるが…そうじゃない」

 

「なら…何だと言いたいのよ…?」

 

リリスにはアダムが何故彼女を拒絶したのか分からない。

 

彼女はただ平等を叫んだだけ、女の我儘を叫んだだけ。

 

夫婦だって我儘を言い合う光景なら日常的に見かけるはず。

 

その光景の何処に敵意を感じるというのだろうか?

 

「男だってな…女の愛が欲しいんだ。愛は自己犠牲を示すしか証を立てる事が出来ない」

 

「愛は…自己犠牲……?」

 

「結婚式の仕事を手伝っていた時、佐倉牧師は誓いの言葉を語った事がある」

 

健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも。

 

富めるときも、貧しいときも妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い。

 

そ(・)の(・)命(・)あ(・)る(・)限(・)り(・)真(・)心(・)を(・)尽(・)く(・)す(・)ことを誓いますか?

 

「男がこの誓いを達成するにはな…女の努力を必要とする。証を示せば男も尽くしてくれる」

 

――真心を持って男に尽くし、自(・)分(・)を(・)押(・)し(・)殺(・)す(・)自(・)制(・)心(・)がなければ…夫婦は成り立たないんだ。

 

その言葉を聞いたリリスの両目が見開いていく。

 

彼女の記憶にフラッシュバックしたのはアダムとのセックス中に喧嘩した時の記憶。

 

創成神話の時代において、リリスはアダムと言い争いになってしまう。

 

セックスにおいて上か下かを競い合うような喧嘩をしてしまったようだ。

 

リリスは我儘を受け入れない男とはセックスしたくないと駄々をこねる。

 

その時において、アダムは怒りの感情をリリスに叩きつけたのだろうか?

 

「アダム……わたしは……」

 

最初の男として産まれたアダムは、ただただ困惑した表情を浮かべていただけ。

 

リリスに敵意や憎しみをぶつけるような態度を示してなどいない。

 

リリスが逃げ出してしまった事に慌ててしまい、唯一神に助けを求めようとしただけ。

 

「敵は何処にもいない、敵(・)は(・)自(・)分(・)自(・)身(・)が(・)生(・)み(・)出(・)す(・)も(・)の(・)。俺も過ちを犯し…お前も犯しただけだ」

 

――やり直そう、リリス…いっしょにやり直すんだ。

 

「あっ……?」

 

リリスに聞こえたのは尚紀の声であると同時にかつて愛した男の声としても聞こえてくる。

 

男を堕落させ、その権威まで貶め続ける敵となった女に示す自己犠牲の言葉。

 

怒りの感情を飲み下し、女に向ける愛を示す者になろうとする。

 

彼もまた常盤ななかと同じく善悪を超える者となっていき、NEUTRALを体現するだろう。

 

男の愛という自己犠牲を女に示された事で女の心にもまた一番欲しかった感情が芽生える。

 

「アダム……私…わたしぃぃ……」

 

両目に大粒の涙が浮かび、霞んだ瞳のまま男である尚紀に手を伸ばしていく。

 

掠れた目には人修羅の姿が映っているわけではない。

 

「あなたのこと…ずっとまっていたのよ…。永遠の…パートナーとして……」

 

リリスの目に映っていたのは違う男の姿。

 

サイバースーツを纏い、右手には刀を持ち、左腕にはハンドヘルドコンピュータを装備する。

 

リリスにとってはアダムの生まれ変わりだと信じた男がかつていたのだろう。

 

違う世界においての記憶が蘇り、男である尚紀の姿が重なって見えてしまう。

 

リリスが愛した男であるザ(・)・(・)ヒ(・)ー(・)ロ(・)ー(・)の姿と重なって見えているのだ。

 

「リリス…早くソーマを飲み込め!!命が持ちこたえられないぞ!!」

 

ひび割れていくリリスの体はもう時期死ぬ末路を遂げるのだと示している。

 

命を繋ぎ留めろと男に叫ばれる女は静かに首を横に振る。

 

「いいのよ…それは…貴方の命を繋ぎ留めるために…使って頂戴ね…」

 

「だが…お前は…!!」

 

「私はね…もう満足したわ…だって……だって……」

 

――女の私が…一番…欲しかった…モノを…アダムの貴方が…示して…くれた…か…ら…。

 

リリスの体がついに砕け散り、莫大なMAGを放出する。

 

「リリスーーーッッ!!!」

 

男を憎み続けた女が男の愛を思い出す。

 

女が欲しかったモノを示してくれた男に向ける死の間際の表情は安らぎに満ちている。

 

まるで愛した男に抱かれた女の顔のようにも見えたかもしれない。

 

女に先立たれた男はまた独り残される。

 

この世界で愛した女性を失った時の感情が蘇り、リリスの名を叫んだ男の慟哭が木霊する。

 

安らぎを感じさせる優しい感情エネルギーが天に昇っていくのを静かに見守ってくれる。

 

「リリス……」

 

周囲の景色が変化していき、元のVIPルームへと戻っていく。

 

感情が高ぶり過ぎたのか彼は右腕で目元を擦る。

 

「男の俺は女達に……何をしてやれる?」

 

茫然としていたが強大なアモンの魔力と仲魔達がぶつかり合う魔力を感じ取る。

 

答えを出せないまま尚紀は走り出していく。

 

アダムとリリスの戦いは時代を超え、再び蘇る事になってしまう。

 

この戦いに勝者など何処にも存在せず、残(・)さ(・)れ(・)た(・)の(・)は(・)男(・)女(・)の(・)愛(・)の(・)み(・)。

 

互いが互いを尊重し、互いのエゴを乗り越える愛だけが残される結末となるのであった。

 




友情出演として真・女神転生主人公のふつお君が一瞬登場するお話でした。
ふつお君と人修羅君は真・女神転生4Fでの金剛神界で縁がありますので、ふつお君の役目を人修羅君が肩代わりする形として描きました。
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