人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
坂東宮攻略戦を成功させたアリナと十七夜は再び力を磨くための日常に戻っている。
ダークサマナー達が利用する修験場でトレーニングを積み重ねながら来るべき時を待つ。
現在修験場を利用しているのはアリナであり、訓練モニター室では十七夜とユダが彼女を見守る。
「…恐ろしいものだな。アリナ君の実力は」
冷や汗を浮かばせながらモニターに映るアリナの戦いを見つめるユダと十七夜。
彼らの目に映っていた光景とは、圧倒的な蹂躙劇である。
「サマナーにおいて、悪魔使役は一体が限界だ。二体同時に力を行使させると負担が強過ぎる」
「術者のMAGを吸うことによって悪魔は魔法を行使出来る。それが本来の悪魔の在り方だったな」
「術者が練り上げるMAGの量にも限界があるからね。強い悪魔を召喚するなら猶更負担となる」
「だからこそ…アリナの今の姿を恐ろしく感じるというわけだな」
モニターに映っていたのは、訓練用に用意した悪魔達を皆殺しにしたダークサマナーの姿。
サマナーとして完成したともいえるアリナの左右には、二体の悪魔が召喚されている。
右を飛ぶのはフェニックスであり、左に屹立する巨人とはパズスであった。
「二体同時使役…それを実現させたデビルサマナーは…歴史において一人だけだったのだ」
「では…今のアリナはその人物に匹敵する程の力量を手にしていると言えるのか?」
「そうなるかもな…。シドが嫉妬のあまり殺したくなると言いたくなる程の天才だ」
「彼女は否定するが…アリナは未だに魔法少女だ。MAGはソウルジェムの穢れによって生み出す」
「彼女が修行していたのは感情のコントロールだ。自らを追い込む方法を身に付けたわけだな」
「魔法少女は感情によってソウルジェムが濁る。感情の起伏が激しい彼女はそれを利用するのだ」
「我々サマナーも感情エネルギーを悪魔に提供する者。だからこそ精神を鍛えねばならんのだよ」
インキュベーターは精神を司るのは感情的な女性達だと言葉を残す。
男性は感情を押し殺す冷静さを司る者であり、過酷な労働でも精神を押し殺して耐えていける。
だが、感情を練り上げる程の爆発的エネルギーを生産するのには向いていない存在だ。
悪魔を使役するサマナーとして大成を果たした者の中にはナオミのような女性が多い。
また、魔法少女も感情エネルギーを効率的に生み出す道具として利用される存在であった。
「男として嫉妬を感じるが…認めるしかない。女性こそが、デビルサマナーに向いていたのだよ」
少しして、アリナはホテルのラウンジを思わせる休憩室にまで移動している。
ミネラルウォーターを飲み終えた彼女だが、息は未だに荒い状態が続いていた。
「ハァ…ハァ…二体同時に使役出来るタイムは限られてるワケ。アリナもまだまだだヨネ…」
何処までも高みを目指すアリナにとって、今の実力で満足することなど出来ない。
自分の未熟さに苛立っていた時、十七夜とユダが休憩室に入ってくる。
「お疲れさまだ、アリナ」
「…アリナは今バットムードなんだヨネ。後にしてくれる?」
「休むのも仕事だ。無理をし過ぎて先まで続かないでは意味がない」
「そんな暇あるわけないカラ。いつ招集がかかるか分からないわけだし」
「気持ちは分かるが、急いては事を仕損じる。自分の失敗から学ぶがいい」
「フン…アナタも無理をし過ぎて壊れたワケ。反面教師として学ばせてもらうカラ」
椅子に座って向かい合う3人。
ユダが指を鳴らすと側仕えを務める女悪魔の姿が現れる。
現れたのは緑の肌と長髪を持ち、赤いドレスを纏う淑女であった。
「お茶にしようシルキー。彼女達に美味しい紅茶を用意してくれ」
「お任せください、ユダ様」
「気を使わなくてもいいのだぞ?給仕なら自分が…」
「いえいえ、私にやらせて下さいまし。私は家の家事を行うのが大好きな妖精ですから♪」
給湯室まで歩いていくシルキーに視線を向けていたが、十七夜はユダに向き直る。
「そういえば…気になっていたことがある。この場を借りて質問してもいいだろうか?」
「構わないよ、何を聞きたいんだい?」
「坂東宮攻略作戦についてだ。あの作戦は皇居の直ぐ隣で行われたのだが…奴らは動かなかった」
「なるほど…聞きたいこととは、ヤタガラスについてだね?」
「そういやアリナも少しだけ気にしてたワケ。アリナはカラスの秘密結社なんて詳しくないし」
腕を組み考え込んだが頷き、真剣な眼差しでアリナと十七夜を見つめてくる。
「この話は長くなる…。シルキーがお茶を持ってきてから話していこう」
程なくしてシルキーがサービスワゴンを押しながら戻ってくる。
机の上にティータイムセットを並べていき、3人分の紅茶を注いでくれたようだ。
淹れてくれた紅茶を一口啜り終えたユダが語り始める。
「先に十七夜君の疑問について答えよう。我々フリーメイソンとヤタガラスは同盟関係だ」
「フリーメイソンとヤタガラスは同盟を結んでいるだと…?」
「彼らは資金面でも我々を支援してくれている立場だが…仲が良いわけではない」
「お互いに得をするためにのみ関係を築き上げているだけのものだと言いたいのだな?」
「ヤタガラスって、この国の宗教組織の大本なんでしょ?何で関係を築けたワケ?」
ティーカップを机に戻したユダが二人の顔を見た後、静かに語り出す。
これは日本の歴史の授業では教えてもらえない話となっていくだろう。
話されたのは…日本に訪れたという渡来人という名の外国人達についてだった。
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秦氏とは何者か?
それは有力な大和民族であり、日本国籍を取得した渡来人達である。
神功皇后と応神天皇の時に、秦氏一族は10万人以上が日本に渡来したという。
万里の長城建設の時、労役を逃れるために秦氏は日本に数回渡来して来たのが原因だ。
天皇家に協力して朝廷の設立に関わった存在として知られている。
彼らの活躍は日本史で輝き、延暦13年(794年)には平安京を作ったのも秦氏であった。
秦氏は秦の始皇帝の末裔と呼ばれており、百済から日本に渡来して来たとされている。
彼らは
この景教を信仰し、アッシリア以降の中東のアラム語を話していたとされている。
景教はあくまでキリスト教だが、ユダヤ教に近い性質を持つ宗教だ。
秦一族は南王国に由来するユダヤ人という見方が非常に強く根差す説が語られていた。
元々の出身地の影響からか、彼らは
弓に矢を通した形は三日月に似ているため、彼らは月と深く関わる一族だと推測出来るだろう。
彼らは日本酒技術を発展させたり、養蚕で成果を挙げたりしてウズマサの称号を得ている。
絹技術や日本人の知らない西方知識を秦氏は持っていたため、天皇の保護を受け仕えたようだ。
最終的にハタ織りで財をなした豪族として歴史に名を残す存在となっていったのであった。
「その秦氏ってのと…日本の神道がどういう関係性があるワケ?」
「秦氏と呼ばれる元イスラエル人と神道には密接な繋がりがある。君達は神社に行ったことは?」
「勿論あるぞ。日本人として当然だ」
「神社で見かけることが多い筈だ。イスラエル王であったダビデの紋章である六芒星をね」
「そういえば…見かけることが多いな。伊勢神宮でも多くあるそうだ」
「それに天皇家の家紋であり神社を守る獅子と一角獣という狛犬達。あれも秦氏が伝えたものだ」
「神社のライオンとユニコーンは秦氏が伝えたモノ?それの元ネタは何なワケ?」
「古代シュメール最高神であるエンリルとエンキが元ネタさ。後のヘブライ神話の根幹となった」
他にも神道とヘブライとの類似性をユダは指摘していく。
秦氏は710年頃に成立したヤハダ神を信仰し、八幡神社を創設したと言われている。
八幡神社は749年頃に急に勢力を持ち始め、奈良に上京したという。
この時初めて神輿(みこし)をもたらしたと言われていた。
「日本のお祭りでは馴染み深い神輿…あれはイスラエルにとっては契約の箱(アーク)なんだ」
秦氏と関係のある八坂神社の祇園信仰にも古代ヘブライ信仰との類似点が沢山見つかるだろう。
日本各地に伝わる説話や民間信仰である蘇民将来にもダビデの星である六芒星が使われていた。
「京都の松尾大社や下鴨神社も有名だ。下鴨神社では皇室の儀式を執り行っていたんだよ」
「それ程までに皇室と秦氏は深い繋がりがあったのか…。学校の授業では教えてくれなかった…」
「その外国人連中が作り上げたのが…神道の正体だったってワケ?」
「神道や古事記こそ、天皇と渡来人の関係性を表す。秦氏を中心としたヘブライこそが裏天皇だ」
「古事記だと?では、古事記で描かれた神武天皇への国譲りというのは…まさか?」
「裏天皇であるヘブライ一族から天皇に権威を譲り渡す物語でもあったのだよ」
「エンペラーとそこまで繋がりがある旧支配者連中が組織したのが…ヤタガラスってワケ?」
「八咫烏とはもう一つの天皇家。祭司と呪術に秀でた者ゆえに…悪魔召喚士組織でもあったのだ」
八咫烏の主目的とは何か?を問われたユダが語ってくれる。
祭司を教授する組織が八咫烏であり、天皇家を導くことを生業とする。
天皇がやるべき儀式、天皇の目的、天皇が将来的に何をするかという預言を与えてきたという。
天皇家の京都への移動も八咫烏が決めたことであり、天皇家の血筋も管理している。
もし天皇家に男子が生まれなかった場合は
「ま…待て。皇室にヤタガラスであるヘブライを入れ込むだと…?」
「…大きく荒れる話題となるだろうな」
「まさか…ジャパンのエンペラーの血筋って……」
「それ以上の追究は止めておきたまえ。ここだけの話にしてくれれば私も助かる」
「これでハッキリしたな。日本の民の象徴を気取っている皇帝こそが…外国人だ」
「益々排除する気になれたってワケ?でも、ヤタガラスと正面バトルは無謀だと思うんだヨネ」
「さっきも言ったが、彼らは我々と同盟関係を結んでいる。意気込みは分かるが落ち着くんだ」
「だが…それでは民衆革命理念に反するぞ!」
「革命や戦争、大きな行動には兵站となる軍資金が必要だ。スポンサーを排除するのか?」
「ぐっ…それは……」
「地獄の沙汰も金次第、腹が減っては戦は出来ぬ。後世に残された格言の意味を考えるんだ」
「悪しき歴史の象徴に飼われる民衆革命など…何の意味があるというのだ…」
「全ては通じている。案ずるな、十七夜君。我々の理想郷という目的さえ達成出来たらいいんだ」
落ち込んでしまった十七夜に視線を向けていたアリナだが、頭の中では全てが繋がっていく。
(なるほどね~。ヒストリーで起きてきたレボリューションって…そういう茶番だったってワケ)
ユダに視線を向けるが、彼は首を横に振る。
感づいた部分を十七夜に向けて語る必要はないと釘を刺されたようだ。
顔を上げた十七夜だが、真剣な表情でユダに視線を向けてくる。
「自分はフリーメイソン理念を信じる。悪魔になっても正義を語れと言ってくれた者を信じよう」
「それでこそだ。我々の革命の日は近い…その日こそが、世界に革命が起きることとなる」
「世界に自由と平等と博愛がもたらされる日…そのためにこそ、今の自分は存在している」
ヤタガラスについての話し合いも終わり、シルキーが食器を片付けていく。
彼女の姿が給油室にまで向かって行ったのを確認し、ユダに嘆願を行うのだ。
「アリナは強さを求めている…それは自分も同じだ。自分は悪魔としてもっと強くなりたい」
「十七夜君…?」
「自分は決心がついた。そこでユダさんに頼みがある…悪魔としての自分を強化して欲しい」
その言葉が意味するものはサマナーにとって一つだろう。
「君はまさか…邪教の館に行きたいというのか?」
それを聞いたアリナが立ちあがり、怒気を含んだ声を上げる。
「アリナも邪教のアトリエに行きたい!クソマスターに言っても断られてきたんだカラ!!」
「邪教の館は悪魔合体を行える施設なのだろう?自分はそこで強くなれるはずだ!」
「そこまで強さを求める気持ちとは…クドラクへの報復心か?それとも気高き革命心からか?」
それを問われた時、神浜市に戻った時に傷つけられた腕に手を触れさせる姿を見せる。
「何故かは分からないが…自分を止めに来る者が現れる気がする。その者と戦う事になるだろう」
「君を止めに来る者か…かつての仲間であった魔法少女だろうと、君なら蹴散らせるだろう?」
「そう思いたいが…悪魔は弱点を抱えている。悪魔の自分とて例外ではない」
「弱点を乗り越え、さらなら強さを供えた上で…止めに来る者と戦いたいというのだな?」
「その者に向けて証明したい。自由と平等と博愛を邪魔する歴史を滅ぼす事こそが正しいのだと」
真剣な気持ちを向けられたユダは腕を組んで考え込む。
少しして腕を解いたユダは頷き、微笑んでくれたようだ。
「上に相談してみる。君なら強くなれるさ…今の私を超えられる程にね」
「アリナはどうなるワケ!?十七夜は良くて…アリナはダメだと言いたいなら容赦しないカラ!」
「落ち着きたまえ、アリナ君。君を蔑ろにしたいわけではない…全てはバアル様の配慮なのだ」
「バアルの配慮…?アリナを邪教のアトリエから遠ざけるのに…何の意味があるワケ!?」
「それこそ神のみぞ知る領域の話。それでもな…バアル様は君を高く評価してくれている」
「評価してくれてるなら…アリナだって連れて行って欲しいんですケド…」
「その時は必ず訪れる。その時こそ…君は星の世界に導かれるだろうな」
――君は我々の誰よりも強くなれる…君の覚悟は決して無駄にさせはしない。
人間のように生きてきた自分の全てを捨ててでも追い求めたい美がある者。
彼女の覚悟は本物であり、だからこそユダは彼女の覚悟を守ってくれるという。
ユダに説得されたアリナは渋々頷き、力なく帰路についていく。
家に戻る車の車内では、項垂れながらも上を目指す気持ちを高ぶらせ続ける。
(アリナこそが…美を極める者になる。暁美ほむら…アナタにだけは…負けたくないカラ)
これより後、2人はさらなる強さの次元へと辿り着いていくだろう。
全ては東京で行われるというルシファーのオーダーを実行に移す原動力となるために。
その時にこそ、彼女達は再び戦うことになるだろう。
かつての親友達との戦いの運命が待っているのであった。
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これは時女静香の里である霧峰村の大騒動が終わった頃の話である。
黒のセダンが向かっている場所とは京都にある鞍馬山である。
霊山として知られ、密教による山岳修験の場として栄えた場所であった。
ここには南中腹に毘沙門天を本尊とした鞍馬寺が創建され、人気の観光地でもあるようだ。
鞍馬駅近くの駐車場に黒のセダンは停められ、降りてきた運転手が後部座席の扉を開ける。
中から出て来た人物とは、ヤタガラスの使者と呼ばれる女性の姿。
黒い着物を纏い、漆黒の御高祖頭巾(おこそずきん)を目深く被る姿は変わらないようだ。
「ここまでで大丈夫です」
「そうですか。私はここでお待ちしております」
運転手は深々とお辞儀をしてヤタガラスの使者を見送ってくれる。
駅から歩いていき、石段を登りながら仁王門を超えていく。
ケーブルカーの駅を超え、徒歩を用いて九十九折参道を登っていくようだ。
道中の寺社を超えていくとようやく鞍馬寺に到着。
寺の前には六芒星を模した金剛床が見え、その向こう側にある石段の上には老人が立っている。
「ようこそ。遠いところからよく来てくださった」
「お久しぶりです、僧正坊様」
黒縁眼鏡をかけた坊主頭の老人住職は深々とお辞儀をし、ヤタガラスの使者もお辞儀を返す。
「こちらに来てくだされ。人払いは済ませております」
本堂の横にある整備された中庭に向かい、休憩所に2人は腰を落として座り込む。
向かい合い、ヤタガラスの使者は今日訪れた目的を語ってくれたようだ。
「こちらにも知らせは届いておる。随分と思い切った決断を下したようじゃ」
「神子柴は危険な存在でした…。魔法少女の奇跡という政争道具を持ち、大きな発言力があった」
「啓明結社と八咫烏の架け橋となり、どちらからも旨味を吸い出す寄生虫でもあったのぉ」
「時女一族もまた、神子柴に寄生されて吸い尽くされるのみの存在でした。丁度よかったのです」
「双方に消えてもらえるなら、ヤタガラスにとっては最良の結果となってくれたというわけか」
「
「どうやら、その件でわしらを当てにしに来たというわけじゃな」
黒縁眼鏡を指で押し上げ、不気味な笑みを浮かべる住職。
ヤタガラスの使者は頷き、任務を伝えてくれた。
「我々の秘密を知った可能性が高い時女一族の里は滅びましたが…生き延びた者達がいます」
「ほほう?あれほどの布陣によって里を完全包囲した上で焼き尽くしたというのにか?」
「生き延びたのは6名の魔法少女。彼女達は分家一族を転々としながら西に逃げ延びてます」
「ヤタガラスは人材不足。退魔師共を分家の里に向かわせるにも人手が足りんじゃろうのぉ」
「我々の網の隙間を掻い潜るようにして逃げ続けている。生かしておくわけにはいきません」
席を立ち上がった住職はヤタガラスの使者の前に立ち、にこやかな笑みを返す。
しかし、口から出す言葉は周囲を凍り付かせる程にまで冷淡であった。
「我々鞍馬集はヤタガラスの暗殺集団。ヘブライに立てつく愚か者共は根こそぎ滅ぼそう」
「貴方方は騒乱と変化を好む者達。魔法少女という小娘であろうとも容赦はいりません」
「勿論そうさせてもらう。あぁ…魔法少女のソウルジェムを喰えるのが楽しみじゃよ…ククク」
踵を返して去っていく僧正坊と呼ばれる住職。
いつの間にか控えていた男達を連れて歩き去っていくようだが、住職は命令を伝えていく。
「カラス共をかき集めろ。楽しい狩りとなるじゃろうのぉ…鞍馬集を動かすのも久しぶりじゃて」
「承知しました…
住職達が歩き去った後、ヤタガラスの使者も席を立ち上がって寺から去ろうとする。
しかし、本堂の正面から見える雄大な山の景色に視線を向けるのだ。
「地上の伊勢神宮は元伊勢となりザイオンに伊勢神宮を移す。一つたりとも不穏分子は残せない」
冷淡な態度を示していたが、彼女の手が握り込まれていく。
頭に浮かんでしまうのは、ヤタガラスの任務を受けに現れた時の巫達の元気な姿。
「…恨むなら恨みなさい。私や母…祖母や曾祖母でさえも…ヤタガラスとして生きた者ですから」
ヤタガラスの使者としてはまだ若い彼女の心には葛藤が残っている。
それでも彼女はヤタガラスの歴史と伝統に魂を縛り付けられる者でしかない。
「イスラエルの旧約に従い、我らは血の儀式を行った。貴女たち時女一族は…」
――
ヤタガラスは政治を一切執り行わない祭祀を司る一族。
しかし、神の秘密を暴こうとする者達には容赦をしない存在であった。
時女一族は滅びるしかないのだろうか?
生き延びた6名の魔法少女は何故生き残れたのか?
それを語る時はいずれくるであろう。
時女の里に風雲急を告げる嵐が吹き荒れた過去の物語が今、始まる。
ヤタガラスについての解説話となりますので短めにして投稿します。
思えば葛葉ライドウ対アバドン王が発売された時期に、ネットで天津神族はヘブライという書き込みを見つけてなんぞや?と調べたのが秦氏を知るキッカケでしたね。
ライドウの新作が発売出来ないのは、色々とヤバいネタをぶち込み過ぎたからだと察することが出来ました(汗)