人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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208話 銀行という名の悪魔

2月も後半に差し掛かった頃。

 

尚紀とクーフーリンは嘉嶋会の者としての仕事があるため車に乗り込む。

 

後ろには買い物があるという理由でセイテンタイセイも乗り込んでいる。

 

フルサイズバンを走らせていく先とは参京区にある銀行だったようだ。

 

神浜でも有数の大銀行に到着した尚紀達はセイテンタイセイと別れて銀行に入っていく。

 

嘉嶋会のための入金作業を行う目的で来たのだが今日は混んでいるようだ。

 

「今日は混んでいるな…。座って時間を潰そうか」

 

客達が座っている席に座り順番を待ち続ける。

 

そんな時、大きな声が聞こえてきたようだ。

 

「返せ!!俺の家を帰してくれ――ッッ!!」

 

銀行員に向けて怒鳴り散らすのは初老の男。

 

尚紀達が顔を向けてみると初老の男は支店長に向けて涙ながらに訴えていたようだ。

 

「ローンの支払いが滞っておりましたので差し押さえられたのです。お引き取り下さい」

 

「今の神浜は景気が悪いんだ!テロの影響もあって給料が減ってしまっただけなんだよ!」

 

「契約内容をご確認されなかったのですか?景気に関係なく支払いは義務なのです」

 

「頼む!来月まで待ってくれ!俺の家を取り上げるなんて出来ない筈だ!!」

 

「いいえ、貴方は契約書にサインした筈ですよね?契約内容通りに差し押さえられたのです」

 

「テロで家が焼かれたのに…新しい家まで差し押さえられたら生きていけない!!」

 

どうやら住宅ローンの支払いが滞ってしまったために銀行から差し押さえを受けたようだ。

 

涙ながらに訴える男の元に近寄って来たのは警備員達。

 

「何か他の仕事もやるから…頼むから勘弁してくれ!お願いだから…許してくれーっ!!」

 

初老の男は銀行からつまみ出されていく。

 

どうする事も出来ない尚紀達は顔を向け合い哀れな男について語り出す。

 

「マイホームの夢を無慈悲に奪われたか…哀れな男だな」

 

「日本だけの光景じゃない…米国でも同じ光景が生み出されている。これが銀(・)行(・)の(・)恐(・)ろ(・)し(・)さ(・)だ」

 

銀行でのやり取りを終えた尚紀達は車が停めてある駐車場へと向かって行く。

 

バンの中を見てみるとセイテンタイセイは買い物を終えていないのかまだ帰ってはいない。

 

「あのアホ猿…何処かで道草を食っているのだろう。世話のかかる奴だ」

 

「仕方ない、マスターを探しに行こうか」

 

水徳商店街に向かって行くと、何やら大声が聞こえてくる。

 

「待ちやがれ鉄扇公主―ッッ!!その芭蕉扇を置いていきやがれ―ッッ!!」

 

「誤解ですわ―ッッ!!私は鉄扇公主ではないですの―ッッ!!」

 

商店街を走ってくるのは魔法少女衣装を纏う里見那由他。

 

後ろからは如意棒を振り回しながら追いかけてくる悟空がいたようである。

 

尚紀を見つけた那由他は彼の後ろに回り込む。

 

任せろとばかりに槍一郎が前に出る。

 

「フンッ!!」

 

「ぐふぅ!!?」

 

槍一郎が放つラリアットをまともに喰らった悟空が倒れ込む。

 

目を回す師匠の姿に溜息をつきながらも後ろに顔を向ける。

 

「怖かったですの…いきなり現れて芭蕉扇を渡せと襲い掛かってきたんですの!」

 

尚紀の背中を掴む那由他は涙目になりながら震えている。

 

魔法少女としての彼女の姿を見てみると、西遊記に登場した鉄扇公主とよく似ている。

 

手に持たれた魔法武器も言われてみれば芭蕉扇のようにも見えるだろう。

 

「お前はなんか牛っぽい魔法少女だからなぁ。牛魔王の元妻の鉄扇公主と間違えられたのかもな」

 

「うぅぅぅ…好きで牛っぽい髪型や魔法少女衣装になったわけではないですの…」

 

牛の角のような癖毛をピコピコ跳ねらせながら項垂れる那由他から視線を逸らす。

 

商店街の奥からは彼女の身を心配して追いかけてきていた太助が現れたようだ。

 

「良かった、無事だったようだね。尚紀君が娘を助けてくれたのかな?」

 

「申し訳ない。うちのバカマスターが迷惑をかけたな」

 

槍一郎は目を回す悟空を引っ張りながら車に向かって行く。

 

悟空が起きたらまた騒動を起こすと気を利かせてくれたようだ。

 

仲魔達を先に帰らせた尚紀は里見親子と共にカフェの中へと入っていく。

 

バリアフリーな店内の席に座った3人が向かい合い話を始めたようだ。

 

「父親と買い物に来てたら魔獣を見つけて戦ってた時に襲われたんだな?本当にすまない…」

 

「いいんですの。それにしても、尚紀さんのお師匠さんって…何処となく孫悟空な雰囲気ですの」

 

「あいつの悪魔名はセイテンタイセイだ。だからまぁ…概念存在としては孫悟空本人なんだよ」

 

「どうりで私の事を鉄扇公主だと言ってくるわけですの。私…そんなに鉄扇公主と似てますの?」

 

「だとしたら、牛魔王は見る目がないね。こんなにも美しい娘と似た妻と別れるだなんて」

 

「もうっ!パパったら冗談が過ぎますのよ♪」

 

(親子仲はいいようだな…。離れ離れになってた時間も長いし、上手くやっていけるといいな)

 

私服姿に戻った那由他と談笑を続けていたが、太助が尚紀に向けて質問してくる。

 

「私服姿だが、今日の仕事は休みかい?」

 

「休日はNPO活動をしている。その用事で銀行に行ってたんだ」

 

他愛もない話題をしていたが、銀行で起こった事件は彼の心の中で尾を引いている。

 

そのため銀行で起こった出来事を太助に語ってしまったようだ。

 

その内容を聞いた太助の表情が変わる。

 

まるで現地の出来事を見てきたかのような態度で憂いを語ってくれた。

 

「…君には語りたい。銀行についてだ」

 

「銀行についてだと…?」

 

「那由他、銀行とは何をしてくれる店か知っているかい?」

 

「えっ…?お金を預けたり…お金を貸してくれたりとか?」

 

「そうだ。今日も大勢の人達が稼いだ金を銀行に預けたり金を借りに行っていた筈だよ」

 

「そうだな…今日は大勢の人達が銀行に訪れていたよ」

 

「銀行はそんな人達に金を貸すための金庫を用意している。しかし…ここからが曲者なんだ」

 

太助が語るのは、イルミナティが世界を支配する基盤とした銀行という存在についてである。

 

我々が利用してきた銀行とはどんな仕組みで動いているのか?

 

それによって、どれだけの人間が助かったと思ったら地(・)獄(・)の(・)底(・)に(・)突(・)き(・)落(・)と(・)さ(・)れ(・)て(・)き(・)た(・)のか?

 

銀行という存在を紐解く事こそがイルミナティを形成する国際金融資本家の支配手口を知る道。

 

敵を知らなければ敵と戦うことなど不可能なのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

銀行とは金の貸し借りを行ったり金を預けたりする店。

 

しかし民衆が預けた金を金庫に仕舞い続けても、貸す額が多過ぎれば枯渇するだろう。

 

では、銀行はどのようにしてお金を増やしていくのか?

 

「君が見たという老人は住宅ローンを支払えなかった。それは多額の利息を支払えないからだ」

 

銀行自身が金を増やす唯一の方法こそ、貸した金に利息をつけることである。

 

つまり人々が借金をしてくれる分だけ金が手に入るということ。

 

借(・)金(・)=(・)銀(・)行(・)利(・)益(・)である。

 

「借金した者はそれに合わせてもっと金を作る必要が生まれる。収入以上の金が必要になる」

 

「そ…そんなの理不尽ですの!身を粉にして働いてる人達をもっと働かせろだなんて!」

 

「銀行連中には関係ない。収入が低い者だろうが金は貸す。債務者こそが金(・)づ(・)る(・)だからな」

 

銀行は金づるを生み出すためなら信用のない者達にだって金を貸す。

 

金貸しからいくらでも金を借りれるのなら債務者達は浮かれて喜ぶだろう。

 

そこにこそ人々を地獄の底に突き落とす罠があるとも知らずに。

 

「債務者達に沢山の金をばら撒きたいが手持ちの金が少ない。ならば、どうする?」

 

「えっ…?銀行の金庫にもお金が足りないなら…誰かから借りる…?」

 

「……中央銀行だ。日本なら日銀、アメリカならFRB(連邦準備銀行)となる」

 

「尚紀君の言う通り。金の流通を維持するために銀行は中央銀行から金を借りるんだ」

 

「銀行が…中央銀行からもお金を借りる…?利息があるんですのよ…?」

 

「その通り。銀行は利息を中央銀行に支払う義務が生まれる。金(・)が(・)流(・)通(・)す(・)る(・)ほ(・)ど(・)利息利益が出る」

 

国の経済を支える中央銀行とは何なのか?

 

米国の連邦準備銀行(連銀)を例にして太助は語ってくれる。

 

「アメリカの中央銀行であるFRBとは…プライベートバンク。個(・)人(・)の(・)銀(・)行(・)なんだよ」

 

「アメリカの中央銀行が……個人の銀行ですの!?」

 

「プライベートバンクであるため、あらゆる機関が立ち入れない。米国司法省ですら不可能だ」

 

アメリカの連銀は民間の株主が所有する個人の銀行。

 

ならばFRBである連銀は何処から金を用意するのだろうか?

 

「中央銀行に連絡が入れば造幣局に連絡して必要な分の紙幣を刷る。金(・)を(・)無(・)尽(・)蔵(・)に(・)生(・)み(・)出(・)せ(・)る(・)」

 

「個人の銀行が金を無尽蔵に生み出して貸し出す…?それも利息を取られるんですの…?」

 

「無論だ。経済という金の流れを止めないためなら、支払いきれない莫大な利息さえ容認する」

 

「那由他…お前が買い物をする時に支払う消費税も、俺たち大人が払う税金も全部支(・)払(・)い(・)なんだ」

 

「し…支払い……?」

 

深刻な顔を浮かべる大人達を見て、まだ子供である那由他は恐怖心に支配されていく。

 

大人さえ意識してくれない税金と呼ばれる金を根こそぎ奪いつくす仕組みについて語る時がきた。

 

「国も税収だけでは国の維持は出来ない。だから中央銀行から金を借りる…するとどうなる?」

 

「国でさえも…支払いきれない利息地獄に陥る…ですの…?」

 

「中央銀行は国に金を貸し付ける。国は利息の支払いを行うために…国民に課税の限りを尽くす」

 

「レジ袋税なんて馬鹿げた税金が生み出されるのはな…全ては中央銀行への支払いのためなんだ」

 

驚愕の事実を語られたことによって子供である那由他の体が震えていく。

 

これから先の未来を考えれば考える程、国の地獄しか生まれない事に恐怖してしまう。

 

「そんなことって…それじゃあ…中央銀行は永遠に儲けられるじゃないですの!!?」

 

「日本を含めた各国政府は国民にこのことを知らせない。文句を言われるのは分かってるからな」

 

「金とは…生(・)み(・)出(・)し(・)た(・)分(・)だ(・)け(・)国(・)を(・)亡(・)ぼ(・)す(・)。それでも経済は金が無ければ回らない…生き地獄だな」

 

「私達子供だって大人になるんですの…そんな私達の未来は死ぬまで地獄の返済人生ですの!?」

 

「この中央銀行搾取システムを生み出した存在こそが…那由他や織莉子君達を攫った連中だ」

 

「イルミナティの司令塔一族の一番手…ロスチャイルドなんだよ」

 

「日銀を含めて…全ての国の中央銀行はロスチャイルドのもの。だからこそ…彼は金融王なんだ」

 

ロスチャイルド一族によって中央銀行が生み出された国はどれ程の借金を生み出されたのか?

 

日本は1200兆円を超える借金を背負わされ、これからも際限なく増え続ける。

 

米国は2300兆円を超える借金を背負わされ、これからも際限なく増え続ける。

 

世界の債務残高を纏めれば約7620兆円にも上り、これからも際限なく増え続けるだろう。

 

初代ロスチャイルドであるマイヤー・アムシェル・ロートシルトは言った。

 

――私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。

 

――そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。

 

この仕組みこそ全ての国の国民が知らなければいけない中央銀行搾取システム。

 

しかし各国の政府は決してこの内容を認めずに批判する者達を陰謀論者だと悪者にするだろう。

 

相手をデマ屋にしてしまえば追及の手を潰す事が簡単に出来る善悪二元論を実行するのだ。

 

アメリカの大手自動車メーカーの創業者は言葉を残す。

 

――国民が銀行制度や貨幣制度を理解していないことは良いことだ。

 

――もし国民がそれらを理解したら、明日夜が明ける前に革命が起きるだろう。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「アメリカが国として終わった事件こそがFRB…連邦準備銀行創設だったのよ」

 

那由他の家に遊びに来ているのは織莉子達である。

 

弱りきった織莉子の体つきは元に戻っており、調整による回復は順調に進んでいた。

 

織莉子とキリカと小巻は彼女の家のリビングで向かい合い、尚紀達の話の話題をしているようだ。

 

「第28代アメリカ大統領を務めたウッドロウ・ウィルソンも認めているの。連銀支配の現実を」

 

彼が残した言葉にはこうある。

 

偉大な産業国家が今は金融貸付のシステムで支配されている。

 

我々は既に自由な意見は表現できない。

 

投票を通して多数の意思が実現される自由意志のある政府の代わりを務める者達に支配される。

 

少数の支配力のある者達の意見とその脅迫でなりたつ政府があるのだと認める言葉を残していた。

 

「個人の銀行が国の紙幣を製造するなんて…信じられないですの。違法ではないんですの?」

 

「もちろん憲(・)法(・)違(・)法(・)よ。アメリカ紙幣は財務省が紙幣を造るべきだとしている…でも通じないの」

 

「どうしてですの…?」

 

「こう考えてみて。那由他さんが生活費としてお金を借りた時、借りた相手に文句を言えるの?」

 

「難しいですの…。相手からお金を借りないと生きられないなら…従うしかないですの…」

 

「それと同じ事がまかり通ってる…。21世紀でもアメリカ紙幣は連銀紙幣しか使えないわ」

 

「これじゃあ…アメリカはFRBの株主であるロスチャイルドのいいなりですの…」

 

那由他と織莉子が話し込んでいる横ではキリカと小巻が座っている。

 

キリカは政治や金融の話にはついていけずに頭がショートして倒れ込んでいるようだ。

 

複雑な表情を浮かべる小巻であるが、聞いてみたくなる。

 

「FRBが設立される時期に反対派はいなかったの…?こんな金融独裁行為…許せないじゃない…」

 

「当然いたわ。だけどね…その人達は全員事故で死んでしまったの。映画化もされた有名事件よ」

 

「映画化もされた有名事件ですって…?」

 

「その歴史事件とは…タ(・)イ(・)タ(・)ニ(・)ッ(・)ク(・)号(・)の(・)沈(・)没(・)と呼ばれているわ」

 

1912年4月14日に犠牲者1513人と言われている大きな海難事故が起きる。

 

歴史で言われるタイタニック号沈没であるが、不可解な点が多い。

 

乗船した乗客の中には当時のアメリカを代表した大富豪達が乗っている。

 

その中にはFRB創設反対派であり第一次世界大戦反対派が乗り込んでいた。

 

彼らの犠牲の不可解な点とは次のようなものである。

 

14日午前、別船から度重なる氷山警告があったが全て無視されていた。

 

見張りの証言では、双眼鏡を隠されていて氷山発見が遅れた。

 

氷山に気付いた直後、ブリッジに警告したが無視された。

 

これら不可解な現象が重なった事によりタイタニック号沈没は起こり、FRB反対派は全員死んだ。

 

「この事件に関わった者こそ…ロックフェラーと共にイルミナティ13血統入りした存在なのよ」

 

その存在は大銀行を経営する存在であり、アメリカFRB創設の重要人物となる。

 

後に第一次世界大戦を起こさせたその人物には目論見があった。

 

アメリカの負債を工業化させる事で永遠に英国に利息を支払わせる仕組みを作ったのである。

 

これは大英帝国の生産拠点を作る狙いであり、実行支配ではない経(・)済(・)的(・)な(・)植(・)民(・)地(・)支(・)配(・)であった。

 

「そいつはタイタニック号を使って…邪魔な反対派を根こそぎ殺してアメリカを売ったのね…」

 

「タイタニック号はその人物が所有していた船…。沈没させる事で莫大な保険金も手に入れたわ」

 

「なんてあくどい存在が歴史を影で動かしてきたのよ…。今まで信じてた概念が壊れていくわ…」

 

「アメリカは再び英国の植民地となった…。アメリカは日本と同じく、主(・)権(・)国(・)家(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)のよ…」

 

「私や織莉子さんは…そんな連中が生んだイルミナティに囚われてました…。恐ろしいですの…」

 

「尚紀さんがいてくれなかったら…今頃私達は殺されているか…生贄にされていたわね…」

 

圧倒的な存在によって蹂躙されるしかない人間や魔法少女達。

 

さらに不幸なのはそんな存在がいるという事にさえ気が付かず、金融システムに支配される人類。

 

知恵を手に入れた魔法少女達は現実に打ちのめされ、心が曇るばかり。

 

知らなければ快楽という現実逃避に引き籠ることも出来たであろうに、彼女達は知る道を選んだ。

 

「おかしなものだろう?借(・)金(・)が(・)無(・)く(・)な(・)る(・)と(・)崩(・)壊(・)す(・)る(・)現(・)代(・)の(・)奇(・)妙(・)な(・)金(・)融(・)制(・)度(・)こそが世界支配なんだ」

 

「パパ……?」

 

顔を向ければリビングにまで電動車椅子を動かしてきた太助がいる。

 

彼の表情も憂いに満ちており、アメリカの金融支配構造を見てきた者のような態度で語ってくる。

 

「金融システムは銀行で金を借りる事でしか国も経済も機能しない。これが唯一のルートなんだ」

 

「社会で使われるお金は全て利息を含まない借金の元金…。財務省は硬貨しか作れないです…」

 

「紙幣とは単なる数値と実際の紙幣で構成される。銀行が担保を預かり担保分の紙幣を生み出す」

 

「担保を返却した時に発生した紙幣は消滅して利子だけが残る…。紙幣は作るだけぼろ儲け…」

 

「そんな悪魔紙幣に依存しなければ国も経済も動かない。これがイルミナティの世界支配なんだ」

 

「私は八重樫総理から聞かされました…。銀行とは国家の心臓なのだと」

 

銀行が融資で経済を動かし、経済組織が組織票と政治献金で国政政党を支える。

 

国家政府はこれによって国際金融資本家達の傀儡となり世界中の政府は支配されるしかない。

 

暗い表情を浮かべたままの小巻が太助に向けて聞いてくる。

 

「アメリカの連銀だけでなく…日本の日銀もイルミナティに支配されているの…?」

 

「日銀は株式会社だ。その株の株式保有比率はこうだ」

 

日本政府が55%所有。

 

ロスチャイルドが20%所有。

 

ロックフェラーが19・5%所有。

 

天皇家が5%所有。

 

その他(0・5%)は一般投資家の所有率だが株主総会は行われない。

 

「筆頭株主は日本政府だがイルミナティの傀儡でしかない。2つのユダヤ財閥の言いなりなんだ」

 

「借金が増えれば貨幣量は増え…借金が減れば貨幣量が下がる…」

 

「国の借金が皆無の状態が続けば…残る貨幣は利息のみ。利息は出回らないから硬貨だけになる」

 

「そんなの絶対に金融崩壊するしかないじゃない!!おかしいわよこんな世界…絶対おかしい!」

 

「世界は金の主である国際金融資本家が支配する。この仕組みこそが彼らの絶対支配王朝なんだ」

 

ドル、円、ユーロ、ルーブル、人民元、あらゆる紙幣が製造されればされる程に国は借金地獄。

 

それが分かっていても世界の国々は銀行から金を借りる以外に国も経済も動かせない。

 

国は銀行から借りた借金の支払いを借りてない国民に擦り付けるように増税の限りを尽くす。

 

魔法少女を含めた人類は国際金融資本家達から死ぬまで体を雑巾絞りされる未来しか残らない。

 

この地獄を生み出す諸悪の根源こそ、魔法少女達の財(・)布(・)の(・)中(・)に(・)も(・)入(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)紙(・)切(・)れ(・)紙(・)幣(・)。

 

これこそが世界の革命を起こしたブルジョア達が望んだ理想の世界、資本主義世界構造だ。

 

旧約聖書の箴言にある言葉通りの光景が今もなお続いてきた。

 

富める者は貧しき者を治め、借りる者は貸す人の奴隷となる。

 

この一節こそが…21世紀まで続く世界の在り様を表していた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

海に浮かぶのは巨大な城ともいえるだろう豪華客船。

 

ここがルシファーの仮の住まいであり、船の後部エリアが城主の宮殿エリアである。

 

宮殿エリアの屋上では夜空を見上げるルシファーがいた。

 

「支配とは仕(・)組(・)み(・)を(・)作(・)る(・)こ(・)と(・)だ。仕組みを生み出せた者こそが民衆共を支配出来る」

 

「ユダヤはこの教えを徹底して守ってきましたわ。だからこそ今日までの支配構造を残せました」

 

昔の事を思い出すようにして遠い眼差しを浮かべているルシファーの後ろには女性秘書官がいる。

 

ラクダの上に乗った貴婦人のような姿をした女堕天使こそが大魔王専属の秘書であったようだ。

 

【ゴモリー】

 

ソロモン王の72柱の魔神において数少ない女性の堕天使でありグレモリーとも呼ばれる。

 

黄金の冠を被りラクダに乗っている地獄の公爵であり、26の軍団を従える存在。

 

過去や未来の知識、秘められた財宝の在処、女性の愛を得る方法を教わる事ができるという。

 

美女悪魔として認識されているが、召喚者を試す為に醜女の姿をとる事もあった。

 

「……昔々、人々は物々交換で経済活動を行っていた」

 

ルシファーは昔話を語り出す。

 

物々交換で経済活動を行う時代には大きな弊害があった。

 

店の品をこれで交換して欲しいと商品を持ち込んだが、店主はそれを欲しがらない。

 

欲しがらない物を持ってきては経済活動が行えない弊害が起こっていた。

 

商品交換の問題はどのようにして乗り越えられたのか?

 

「ある日、金細工職人がこんなことを言い出した。ゴールドを使って商取引をするべきだと」

 

ゴールドは貴重な鉱物だと皆が思っている。

 

皆が欲しがるゴールドで商品を交換することを何故しない?と言い出した。

 

この意見を支持した民衆達は物の価値をゴールドに置き換えるようになり商いは簡単になった。

 

必要な品は必要なゴールドの量によって交換出来る経済時代の到来である。

 

「しかしゴールドを沢山手に入れても盗難被害が相次いだ。そこで登場したのが銀行なのだ」

 

警備員付きの金庫室にゴールドを預ければ盗難被害には合わないと皆が銀行を支持してくれた。

 

僅かな手数料を支払えば手持ちのゴールドを安全管理出来るのならば選択の余地などないだろう。

 

これが銀行という存在が最初にお金を創りだした方法である。

 

「太古の銀行は何枚ゴールドを預かったのかを書き記した紙を手渡した。これが紙(・)幣(・)の(・)原(・)点(・)だ」

 

預かり証は何枚ゴールドを預かったのかの証明であり、ゴールドと同じ価値が生まれる。

 

これによって商取引はゴールドから紙幣に移り変わるようになっていった。

 

「キャンディを買いたいと思った者は預かり証一枚の価値を支払う。しかし問題も生まれるのだ」

 

キャンディ売り屋が物価の高騰で商品の値段を上げたら預かり証一枚では足りなくなる。

 

つまり預かり証という紙幣の価値が下がるということだ。

 

「預かり証という紙幣は何の価値もなくなる。汗水流し働いて手に入れた紙幣が紙切れと化す」

 

一生懸命働いたのにまだ働いて紙切れを手に入れろと?そんなの不公平だと皆が思うだろう。

 

「ゴモリー、銀行という商いはどうやって利益を作ればいい?」

 

「銀行は金を貸す事でしか金を創れない。つまり預かり証である紙(・)幣(・)を(・)乱(・)造(・)す(・)る(・)必要がある」

 

「預かっているゴ(・)ー(・)ル(・)ド(・)の(・)数(・)が(・)足(・)り(・)な(・)く(・)て(・)も(・)関(・)係(・)な(・)い(・)。利益を出すために紙幣を乱造するのだ」

 

その光景こそ無(・)か(・)ら(・)利(・)益(・)を(・)生(・)み(・)出(・)す(・)銀行の詐欺。

 

預かってもいないのに預かり証という紙幣を生み出し貸し出すことで利益を奪い取る。

 

そして恐ろしい事に、人々はその詐欺に全くといっていいほど気が付かない。

 

「民衆達が結託してゴールドを返せと言い出さない限り、銀行はこの手口で利益を吸い尽くせる」

 

預けたゴールドは違う人のゴールドとして勝手に運用されていく。

 

我々が銀行に預けた紙幣も誰かがATMで引き出して持ち逃げしていく光景と同じだろう。

 

「まさに究(・)極(・)の(・)泥(・)棒(・)と言えるだろうな…銀行と呼ばれる存在は」

 

民衆が取り付け騒ぎを起こして銀行の金庫室を開けた時、初めて空っぽなのに気が付くだろう。

 

民衆達は怒り狂い、役に立たない紙切れを利益にした強欲な泥棒に死刑を与えろと叫ぶだろう。

 

太古ならば銀行を相手に民衆達が武器をとり絞首刑にも出来るだろうが現代ではそうはいかない。

 

「この危険に立ち向かうため、ロスチャイルド等は国家さえ支配出来る金融制度を考案したのだ」

 

「金細工職人という泥棒共は生み出しました…部(・)分(・)準(・)備(・)銀(・)行(・)制(・)度(・)をね」

 

「これが今の銀行制度だ。部分準備銀行制度によって国さえも滅ぼせる金融制度を構築出来た」

 

部分準備銀行制度こそ、核爆弾を遥かに超える世界支配兵器。

 

この邪悪極まった仕組みに支配されていない銀行は世界を探しても三つしか存在しない。

 

ロスチャイルドを始めとしたイルミナティ勢力は地球上の全ての銀行を手に入れるだろう。

 

そのためなら国を乗っ取るための戦争だって起こすし、政権転覆だって工作してくるのだ。

 

「全ての先進国の民衆共は金融という鎖に繋がれた奴隷共だ。見ろ、奴隷の飼い主が現れたぞ」

 

視線を船の向こう側に向ければ一機のヘリが着陸している。

 

ルシファーの居城とも言える豪華客船の前部は迎賓館として機能しているようだ。

 

「Jは上手く悪魔合体出来たのだろうか?確認しに行くとするか」

 

「こちらに来られるということは成功したも同然でしょう。私は他の仕事もあるので失礼します」

 

そう言い残してゴモリーは消え去っていく。

 

踵を返したルシファーも船内へと戻っていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ルシファーの居城にある謁見の間では王の椅子に座るルシファーが来客を見下ろす。

 

「面を上げろ」

 

片膝をついて礼を示す人物とは、アリナも出会った事がある人物。

 

彼女に両親の肉を食べさせたその人物こそが世界を代表する金融王J・ロスチャイルドである。

 

顔を上げた老人はにこやかな笑みを見せる。

 

「閣下、召集に応じて魔界より参上いたしました。魔界統治は引き続きベルゼブブ殿が行います」

 

日本語が話せない人物であった筈なのだが流暢な日本語を喋り出す。

 

彼の両目はまるで悪魔を思わせるような真紅の瞳までしている。

 

Jとは違う人物が宿っているかのような態度を見せてきたのだ。

 

「…どうやらJの人格は悪魔合体に耐え切れずに消失したようだな?」

 

「正確には融合したと言えます。Jと呼ばれた者は実に私と相性が良かったのです」

 

「地球の銀行を支配し尽くした男だったからな。魔界の銀行を束ねたお前の生き写しだったよ」

 

「私はJであり、ルシファー閣下の参謀としての魔王でもあるのです…」

 

立ち上がった老人の体から極大の瘴気が溢れ出す。

 

漆黒の霧に覆われていく謁見の間。

 

黒い霧が晴れた時、ルシファーの目の前に立っていた者こそ魔界銀行の総裁であった。

 

【ルキフグス】

 

本名はルキフゲ・ロフォカレと呼ばれる悪魔であり、グリモワールにも登場する悪魔である。

 

グリモワールではルシファー、ベルゼブブ、アスタロトに仕える上級精霊として扱われる存在。

 

魔界の宰相を務める魔王であり、魔界の貨幣であるマッカを製造する魔界銀行の総裁でもある。

 

ルシファーの傍に控え、絶対的な信頼を得ているのは世(・)界(・)の(・)富(・)を(・)管(・)理(・)す(・)る(・)者(・)だからだろう。

 

魔界を管理する国務を行う重鎮であり魔界の総理大臣とも呼べる魔王であった。

 

「このルキフグス、閣下と共に地上を支配出来る日を夢見ておりました」

 

現れたのは巨大な魔術師を思わせる魔王の姿。

 

天に伸びた二本角を持ち、黄金の冠を被る頭部。

 

右手には魔界の法が記された分厚い書物を持ち、ルーン文字が描かれたストールを纏う。

 

紫色の肌をした大きな左手を持ち上げていき、立派に生え揃った白銀の髭を撫でていく。

 

悪魔姿を晒したルキフグスを見たルシファーの口元にも不気味な笑みが浮かんだようだ。

 

「これよりイルミナティはお前が指揮を執れ。四代目ロスチャイルド当主としてな」

 

「心得ております。私はこれよりJではなくLと名乗りましょう。L・ロスチャイルドとして」

 

「地上は金融支配によってロスチャイルドが支配出来た。魔界と変わらず銀行を支配していけ」

 

「仰せの通りに。Jも私に負けず劣らずの才覚を持っていた…私の理想を完成させるとはね」

 

不気味な笑みを浮かべたルキフグスが人間姿に擬態し直す。

 

Jと同じ姿をしているが中身はJであると同時にLでもあった。

 

謁見の間から出て行くルキフグスを見送ったルシファーが不敵な笑みを浮かべてくる。

 

「あの男は魔界でもっとも狡猾であり冷酷な男だ。世界の金融王を任せられる人材だろう」

 

人修羅として生きる尚紀は東京時代においてホームレスからこんな話を聞いた事がある。

 

金融業界とは血も涙もない弱肉強食の世界。

 

社会的弱者を食い物にしても良心が痛まないサイコパスこそが金融業界に適する人材。

 

これから先、世界の中央銀行を支配するルキフグスは血も涙もない政治を行っていくだろう。

 

そのしわ寄せは世界中の人々にのしかかり、重税によって生活苦に陥っていく未来が待っている。

 

銀行からひとたび金を借りようものなら泣いても叫んでも全てを奪い盗られるだろう。

 

魔法少女と変わらない子供達さえ風俗に落とさなければ生きられない地獄が待っているのだ。

 

これこそが銀(・)行(・)と(・)呼(・)ば(・)れ(・)る(・)悪(・)魔(・)共の正体。

 

その銀行を束ねる新たなる長こそ、魔界銀行の総裁であり魔界の総理大臣であるルキフグス。

 

新たなる指導者を得たイルミナティは世界中の富を奪い尽くすだろう。

 

世界の富を管理する権利をルシファーから与えられた魔王こそがルキフグスなのだから。

 




僕の物語は金融が大きく関わってるので、それにまつわるメガテン悪魔を何処かで突っ込みたかったので登場させます。
貨幣の仕組みを調べていくと、マギレコの金持ち魔法少女な香春ゆうなちゃんをまともに見れなくなりますな。
札束ビンタ攻撃が如何に価値の担保が無い紙切れで攻撃してるのかがよく分かりますね(汗)
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