人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

235 / 398
234話 13を表す悪魔

人修羅とライドウの元に現れた存在こそ、かつて東京に大破壊をもたらした存在。

 

ペンタグラム魔法少女の1人であったルイーザそのものともいえる人物。

 

しかし彼女は人修羅が知っているルイーザではない。

 

彼が戦ったのはルイーザのクローンであり、目の前の人物こそがオリジナルなのだ。

 

「なぜ生きている…?お前はあの時に殺したはず…死体だって念入りに焼き滅ぼしたんだ!」

 

悪魔化した人修羅が左手に怨霊剣を生み出し、いつでも抜刀出来る体勢を行う。

 

疑問を感じるのも無理はないと思う彼女は目元しか見えない顔を向けながら話し始めるようだ。

 

「確かに私は貴殿に殺されました。しかし、貴殿が殺したルイーザは私ではなかったのです」

 

「どういう意味だ……?」

 

「アレは私のクローンだったのですよ」

 

「クローン人間だと…?まさか…もう実用化された技術だったと言いたいのか?」

 

「あのクローンは役目を終えて死んだ。私と同じ魂を持ち、私と同じ力を持った女は死んだ」

 

「自分が死にに行きたくなかったから用意した捨て駒だったか…。ならば、お前はなぜ現れた?」

 

それを問われたルイーザは目を細め、感情を押し殺す。

 

左手に握られた剣の鞘を握る力が増していく。

 

感情を押し殺そうとするのだが、それでも周囲を凍り付かせる程の殺気をばら撒いてくるのだ。

 

「……尚紀、この女と戦った事があるのだな?この女は何者なんだ?」

 

ハイカラマントの中で刀の柄を握り締めるライドウが隣に立つ彼に聞いてくる。

 

人修羅は手短に要点だけを纏めた答えを語ってくれたようだ。

 

「東京に大破壊をもたらしたペンタグラムの生き残り…いや、ホムンクルスの元となった存在か」

 

「信じられんが…クローン技術は実在している。我のような猫のクローンが生まれた話も聞いた」

 

「啓明結社に在籍する魔法少女……貴様の目的は21世紀の帝都の破壊か?」

 

帝都の守護者として立つライドウが鋭い目をルイーザに向けてくる。

 

微動だにせず瞳だけを動かす彼女はライドウの姿を捉えたようだ。

 

「デビルサマナーよ…私はもう魔法少女ではない。私はな……魔法少女を辞めさせてもらった」

 

「魔法少女を…辞めただと…?」

 

魔法少女を辞めたという事実を示すためにルイーザは纏ったカソックコートを右手で掴む。

 

全身の殆どを覆い尽くす衣装こそ潜入任務を目的としたクローンが纏った衣装である。

 

しかし今の彼女がこれを纏う理由もない。

 

正体を隠す必要がない者であり、堂々と私こそがルイーザなのだと語れる者なのだ。

 

「もうこんな衣装で姿を隠す必要は無い。本当の私の姿を隠したままでは無礼に当たる」

 

カソックコートを掴みながら脱ぎ捨てる。

 

そこに立っている存在こそ、高貴なる血をもつロスチャイルド家の者であった。

 

「それがお前の素顔か……」

 

18世紀頃の宮廷貴族服を思わせる男装を纏う者。

 

漆黒の貴族衣装に身を包む女の長い後ろ髪は黒のリボンで纏められている。

 

黒の色彩を彩る貴族コートには金の刺繍が施され、ジャボやカフスに見える白のレースが美しい。

 

何よりも目立つのは貴族コートの背中に描かれたロスチャイルド家の紋章だろう。

 

金色の刺繍を用いて描かれた存在とは、王権を示す王冠や杖等を纏う()()()()であった。

 

「そう…これが私の本当の姿です、陛下。クローンとはいえ、素顔を隠した無礼をお許し下さい」

 

真ん中分けにして横に流す金髪の前髪は異常に伸びており、夜風が前髪を揺らす。

 

美しい長髪を覆い隠していたカソックコートを取り払えば女性らしい美しさが隠れていた。

 

しかし、その顔つきは女性らしい優しさなど欠片も感じられない程にまで冷たく鋭い。

 

死ぬまで敵を求める戦士のような豪胆さを感じさせる女の顔つきであった。

 

「殺し合った俺は崇めるためにノコノコと顔を見せに来たのか?そんなマヌケじゃないんだろ?」

 

それを問われたルイーザは右手で三角帽子を目深く被り直す。

 

三角帽子に備わった黒い羽根が揺れる中、彼女はこの場に現れた目的を語ってくれる。

 

「クローンの私は貴殿に敗れて死んだ…。それは混沌王様の力を高めるための生贄でした」

 

「それはクローンから聞かされた。全てはハルマゲドンのため…サードインパクトためだとな」

 

「その通り。全てはルシファー閣下のNWOのため…そして、アジェンダ21のためなのです」

 

「人類の持続可能性を確実にするための人口削減…そのためにハルマゲドンを利用するか」

 

「生き残った人類には国境も民族もない。世界は一つとなり、貴殿が支配する黒銀の庭となる」

 

「世界連邦…共産党やイルミナティが掲げるユートピアか。俺は世界の道を繋げる気は無い」

 

「貴殿が望まなくても世界はサイファーとなる。そして…貴殿もサイファーとなるのです」

 

「俺がサイファーになるだと…?」

 

「もうその兆候は体に表れているはずです。ラピスラズリの如き両目がそれを表している」

 

「くどい!!俺の運命は俺が決める!!誰の指図も受けるつもりはない!!」

 

怒りを表す叫びを上げる人修羅を見つめるルイーザは満足そうな笑みを浮かべてくる。

 

まるで運命に抗う者を歓迎するような態度で自分の覚悟を語り出すのだ。

 

「ええ…そうですとも。私だって同じ気持ちですよ、陛下」

 

「なんだと…?」

 

不敵な笑みを浮かべながら左手を持ち上げていき、顔の前で水平に構える。

 

銀の鞘に納められた剣の柄を握り締めながら彼女は押し殺してきた感情を解き放つ。

 

「ロスチャイルドに生まれた者としてイルミナティに尽くしてきた…だが私にはそれ以上がある」

 

「それ以上だと…?」

 

「私は生まれつき負けず嫌いなのですよ。誰にも負けたくない…たとえそれが啓蒙神であっても」

 

柄頭に描かれた啓蒙の梟はイルミナティを表すシンボル。

 

だが啓蒙の梟を掲げる者でありながら啓蒙神に刃を向けるために力を込める。

 

「「くっ!!?」」

 

人修羅とライドウが腕を前に掲げてガードしなければならない程の豪熱が解放される。

 

「…離れていろ、スレイプニル。加勢は必要ない」

 

白銀の馬鎧を纏う8本脚の神馬が駆けだし、その場から離れていく。

 

ルイーザが語った馬の名は北欧神話の主神であるオーディンの愛馬のものであった。

 

【スレイプニル】

 

北欧神話にオーディンの愛馬として登場する灰白色の体毛で八本足の神馬である。

 

雌馬に化けたロキとスヴァディルファリの子供であり、神速で駆け空を飛ぶ事も出来るようだ。

 

母親となったロキから献上された馬として主神オーディンの愛馬となった存在であった。

 

「啓蒙神を超えるために私は悪魔と合体した。私の中に溶けた悪魔とこの剣の悪魔は望んでいる」

 

引き抜かれた刃は灼熱化されており、その熱量だけで異界の木々が熱によって燃えていく。

 

「世界を焼き尽くす程の熱量を放つ悪魔を俺は知っている…!まさかその剣は……!?」

 

「オルトロス!ゴウトを遠くに連れていけ!この場にいては焼け死んでしまう!!」

 

「分カッタ!!」

 

ライドウの足元のゴウトを口で拾い上げたオルトロスが灼熱地獄と化した現場から逃げていく。

 

鞘から引き抜いた魔剣から放たれ続ける豪熱、そして赤熱化した刃。

 

これ程の力を発揮する魔王を人修羅は知っており、ライドウは悪魔を剣に変える方法を知る者だ。

 

「あの魔剣……恐らくは悪魔と武器を合体させる技法を用いて生み出した()()()()()だ」

 

「ならルイーザの魔剣と合体させられた悪魔は決まっている……魔王スルトだ」

 

【スルト】

 

北欧神話における世界の終末ラグナロクにおいて唯一生き残る巨人族である。

 

炎の魔剣レーヴァテインを所有し、ムスペルヘイムという炎の国の統治者として知られる魔王だ。

 

ラグナロクにおいて人間世界を焼き尽くすとして神話で語られ、世界の終末を実行する者。

 

多くの神と巨人族の決着が着いた際、あらゆる所に炎を投げて世界中を焼き尽くしたのであった。

 

「新たなる魔剣となったレーヴァテインの力…そして悪魔となった私の力を用いて試してみたい」

 

左手の鞘を消したルイーザが霞の構えを行い、全身から闘気を発する。

 

攻めてくると判断した人修羅も怨霊剣の柄を握り込む。

 

しかし横のライドウは後ろに振り向きながら刀を抜く。

 

2人の背後を覆う形で迫ってきていたのは12本の魔剣であった。

 

「ハァァーーーッッ!!」

 

神速の抜刀術から放たれたのはMAGの光を纏った高速剣。

 

残像が見える速度で前方空間を無数に切り刻む一撃こそ磁霊虚空斬(じれいこくうざん)である。

 

次々と放たれる斬撃によって12本の魔剣が斬り払われていく。

 

最後の一撃として迫りくる刃を弾き終えたライドウの姿を背中で感じた人修羅が微笑んでくれる。

 

「流石だな、それでこそだ。俺の背中を任せられる奴はそう多くないぜ?」

 

「フッ……お前と共に戦うのも悪くないさ」

 

弾き飛ばされた12本の魔剣が浮遊していき、ルイーザの背後で扇状に広がっていく。

 

12本の魔剣を用いて描かれるのは刃の翼ともいえる光景であり、13本の魔剣が彼らを襲う。

 

「最初から全開戦闘か……いいだろう。あの時の続きを始めさせてもらおうか」

 

「さぁ…その手に握る新たなる力を解き放て。私も全てを出し尽くす……その覚悟で訪れた!!」

 

「双頭の鷲の頭を一つ跳ねたところで死なないならば!もう一つの首も跳ね落としてやろう!!」

 

腰を落として構える人修羅が怨霊剣を抜刀する。

 

振り抜いた刃が霞の構えとなった時、ライドウも前に振り向きながら霞の構えを行う。

 

互いの刃が触れ合い、怨霊剣と陰陽葛葉の刃がクロスする。

 

人修羅と葛葉ライドウ、互いに違う物語を超えてきた者同士が共に戦う時がきた。

 

向かう先は帝都である東京に大破壊をもたらした存在であり、悪魔崇拝組織を統括する一族の者。

 

相手にとって不足無しと判断した者達が同時に動き、ついに対決する時がきたのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

向かい合い対峙する人修羅とルイーザが互いの剣を激しくぶつけ合う剣舞が繰り返される。

 

燃え上るレーヴァテインと魔力が噴き上がる怨霊剣を叩きつけ合い周囲が激しく燃え上っていく。

 

互いの袈裟斬りがぶつかり合い、肩をぶつけ合う程にまで刃を押し込み合いながら叫ぶのだ。

 

「貴様もイルミナティの者だろう!この戦いもかつてと同じく命令に従っているだけか!!」

 

「違う!!私は処罰される覚悟でここに赴いてきた!貴殿に負けたと思いたくないから戦う!」

 

「組織を裏切ってまで俺に挑戦状を叩きつけてくるか!根性は認めてやるがそれだけなのか!?」

 

「私だけの望みではない!!私の中に溶けた悪魔と私の魔剣に溶けた悪魔もそれを望んでいる!」

 

「この魔剣に溶けた悪魔がかつてのスルトだとしたら…貴様の中に溶けた悪魔は何者なんだ!?」

 

「正体が知りたければ自分の力で私の中の悪魔を引き摺りだしてみせろ!!」

 

互いの体を跳ね除け合い、ルイーザの逆袈裟斬りを受け止めながら押し返す。

 

刃を押し返された状態から背中側にまで滑り込ませ、唐竹割りの勢いで刃を持ち上げていく。

 

刃を払われたルイーザが横薙ぎを狙うが、身を低めて潜り抜けた人修羅がさらに仕掛けてくる。

 

剣舞を繰り返す人修羅とルイーザの後方では12本の魔剣を相手に戦うライドウが奮戦中だ。

 

彼はヨシツネを召喚しており2人の力で斬撃を食い止めるが防戦一方となっているようだ。

 

「くそっ!!ただでさえ手数の多い相手なのに…この熱さじゃ向こう側の加勢にはいけないぞ!」

 

「マガタマの力で炎を無効化している尚紀に任せるしかない!我々はこいつらを抑え込む!」

 

「しゃーねーな!!こっちは任されてやるよ!!」

 

かつてのルイーザも13本の魔剣を操る者であったが、彼女は病気を患い力を発揮出来なかった。

 

しかし本物のルイーザはクールー病を患っていないので全開の戦闘を最初から行える。

 

そして彼女は悪魔の力と魔王の力を宿した魔剣を手に入れた者であり、実力は桁外れであった。

 

「ぐはっ!!」

 

ルイーザに蹴り飛ばされた人修羅がフェンスを突き破り、東京港のコンテナに体をぶつけていく。

 

崩れたコンテナに圧し潰された状態から風魔法を放ち、竜巻を用いてコンテナを巻き上げる。

 

立ち上がった彼が上を見上げれば氷結魔法を用いて生み出した巨大な剣が高速で落ちてくるのだ。

 

「くっ!!」

 

『ブフバリオン』の一撃を後方ブリッジからのバク転を用いて大きく跳躍しながら回避する。

 

だが地面に着弾した氷の刃から冷気が迸り、地面が一気に凍り付かされていく。

 

着地した人修羅の両足は冷気によって凍り付かされ動きを止められてしまったようだ。

 

その隙をルイーザなら見逃さないだろう。

 

「ハァァーーーッッ!!」

 

飛ぶ程の神速で踏み込んできた相手の斬撃を迎え撃つため、周囲の氷を炎魔法で蒸発させる。

 

解放された人修羅が放ってくる袈裟斬りを刃で受け止めるが、左肘打ちを側頭部に浴びてしまう。

 

怯んだ相手の首を横薙ぎで刈り取ろうとするが、後方に一回転を刻む動きで刃を避けきる。

 

立ち止まった人修羅の左手には鞘が持たれており、不敵な笑みを返してきたようだ。

 

「本物のお前の力は流石だな。ならば俺も剣技を尽くそう」

 

「そうこなくてはな。そうでなければロスチャイルド宗家の当主を裏切ってまで来た甲斐がない」

 

ルイーザが踏み込み斬撃を狙うが人修羅はヒヒイロカネの鞘で打ち払い右手の刀で横薙ぎを狙う。

 

身を低めながら潜り抜けた彼女の周囲を円を描くようにして歩いていく。

 

彼女も円を描きながら歩き続け、互いの空気が同調した瞬間こそ激しい剣舞が行われる時だった。

 

刀と鞘を用いて打ち払い、斬り払い、身を潜り抜けて避ける動作の流れは流水そのもの。

 

明鏡止水の境地に立つ人修羅の武は極まった領域にあったのだ。

 

だが彼女とて心技体を極め尽くした上で悪魔と魔王の力を所有する者。

 

互いの武は極致に達した上で死力を尽くして戦い合うその光景こそ、神々の戦場であった。

 

「世界を焼き尽くす程の炎と、世界を凍り付かせる程の冷気…俺はこの冷気の力に覚えがある!」

 

「ほう?ようやく私の中に溶けた悪魔の正体に気が付いてきたようだな…」

 

「お前の中に溶けた悪魔とは……まさかボルテクス界で出会ったあの男か!?」

 

気が付いてくれたのが嬉しかったのか、剣舞を行いながらも彼女は男のような口調で喋り出す。

 

「クックックッ……久しぶりだな、小僧。B()A()R()()()()()()()()()時以来だと思うぜ」

 

「やはりお前だったのか……魔王ロキ!!」

 

彼が叫んだ悪魔の名こそ、ユダヤの聖数である()()()()()()()()()()()()()()をもつ悪魔。

 

ボルテクス時代の彼と出会った存在こそスレイプニルの父であり母でもある両性具有の神だった。

 

【ロキ】

 

北欧神話に登場する神であり、巨人族出身だが主神オーディンとは義兄弟であるアース神族の神。

 

美しい容姿と移り気で悪賢い精神を持ち合わせ、極めて悪質な悪戯を行い皆を困らせる存在だ。

 

大いなる魔物達であるフェンリルやヨルムンガンド、冥界のヘルの父(または母)でもあった。

 

最終戦争のラグナロクを引き起こす事件を起こしたのがロキだと言われている神話がある。

 

12人の神が祝宴を催していた時に招かれざる13人目の客としてロキが乱入。

 

ロキがヘズをたぶらかしてバルドルを殺害させており、後に起こるラグナロク勃発の起因となる。

 

ロキのせいでラグナロク戦争が勃発したことから、()()()()()()だとされてきたのであった。

 

「こっちの世界で成長したようだな?昔のお前はミルクがお似合いの青二才だったのによぉ?」

 

「黙れ!!こっちの世界でも貴様と出会う事になるとはな……呪わしい腐れ縁だ!!」

 

「本当に数奇な縁だな?オレの見た目も変わっちまったがオレは女神でもある。楽しくいこうや」

 

首を跳ねる横薙ぎを潜りながら踏み込み、人修羅の胸部に右肘打ちを打ち込む。

 

後退りした彼は刃を鞘に納め、刀身に魔力を込めながら腰を落としていく。

 

迎え撃つルイーザは宙に浮かぶ氷の剣を無数に生み出し、その数は膨大になっていく。

 

先に放ったのはルイーザだ。

 

彼女が放ったのは『マハブフバリオン』であり、巨大な氷の刃が次々と落ちてくる。

 

迎え撃つ人修羅は神速の抜刀術を用いて次元斬を次々と放つ。

 

前方の空に網目状に放った次元斬であるが、網目を潜り抜ける氷の剣が迫りくる。

 

鈍化した世界。

 

刀を鞘に仕舞った人修羅の体が揺れ、眼前から迫りくる剣の雨に踏み込んでいく。

 

疾走居合を用いて剣の雨を通り超え、獲物を捉えきれなかった氷の剣に無数の斬撃痕が浮かぶ。

 

背後でバラバラになる氷の剣を超えていき、エア・トリックを用いた神速斬撃を仕掛ける。

 

迎え撃つルイーザも既に腰を落として剣を構えており、神速の跳躍移動を行ってくるのだ。

 

互いの斬撃が一閃となり、周囲の空間は互いに放った斬撃線が浮かび上がり2人を囲んでいる。

 

時間が止まった世界の中で血払いを行い、後ろを振り向いたのはルイーザだった。

 

「ぐはっ!!!」

 

黒のトレンチコートの背中に袈裟斬りの痕が浮かびながら血が噴き上がり、コートが燃えていく。

 

先に決まったのはルイーザが放った刹那五月雨斬りであり人修羅は片膝をついてしまう。

 

「私の剣技を潜り抜けられるとは…御見逸れしました。流石はクローンの私を倒した者です」

 

元の口調に戻った彼女がレーヴァテインの刃を持ち上げながら不気味に笑う。

 

片膝をついたままトレンチコートを掴み、脱ぎ捨てた彼が不屈の闘志で立ち上がってくる。

 

燃え上った衣服を脱ぎ捨てようとも黒のベストの背中からは未だに血が大量に流れ落ちていく。

 

「認めてやるよ…本物のお前はクローンよりも遥かに強い。俺に深手を負わせるぐらいだ…」

 

「フフッ……その言葉が聞きたかった。しかしまだです…私はまだ貴殿を超えてはいない」

 

魔王スルトを宿したレーヴァテインの豪熱によって燃え上る異界の東京港。

 

地獄の業火の世界で剣を構え合う両雄であるが人修羅は手負いの状態だ。

 

このまま戦えば劣勢であるのだろうが彼は1人で戦っているわけではない。

 

「オレ達を忘れてもらっちゃ困るぜぇぇぇーーーーッッ!!」

 

業火の世界から飛び込んできたのは天叢雲剣を右手に持つ巨人、スサノオである。

 

彼の左肩に乗ったライドウが跳躍してルイーザに向けて飛び込んでいく。

 

MAGを纏った陰陽葛葉から放つ刺突の一撃とは磁霊龍牙突(じれいりゅうがとつ)である。

 

巨人の胸も刺し貫ける程のMAGの槍と化した陰陽葛葉の刃が迫りくる中、彼女の体が揺れるのだ。

 

「私と混沌王様との一騎打ちに乱入してくるか!この無礼者めぇ!!」

 

燃え上るレーヴァテインの刃を用いて薙ぎ払い、広域放射されたのはデスバウンドの一撃。

 

「「ウォォォォーーーーッッ!!?」」

 

デスバウンドの衝撃波とスルトの業火が合わさった一撃がライドウとスサノオを弾き飛ばす。

 

炎を吸収出来るスサノオが咄嗟にライドウの盾となった事でどうにか耐える事が出来たようだ。

 

しかしスサノオの巨体は地面に倒れ込んでおり、衝撃波だけでも大ダメージを負っていた。

 

「私達の邪魔は誰であろうが許さない…さぁ、続きを始めましょうか」

 

「フッ……それが出来ればな?」

 

「なにっ!?」

 

ライドウとスサノオは体を張って囮となっている。

 

スサノオは帰還したオルトロスの代わりに召喚した仲魔であり彼にはもう一体の仲魔がいるのだ。

 

死角から攻め込んでくるサムライが天狗の如き華麗な跳躍力で転がったコンテナを超えてくる。

 

「我が京八流の奥義!!受けてみやがれぇぇぇーーーーッッ!!!」

 

死角から飛び込んできたのはヨシツネであり、愛刀の薄緑と脇差の刀を用いて奥義を放つ。

 

日本剣術の源流・始祖とされる流派の一つである京八流の奥義とは八艘飛びの一撃だ。

 

左右に持つ刀から放たれる八連撃が迫る中、ルイーザは不敵な笑みを浮かべてくる。

 

「ガハッ!!?」

 

彼女の魔剣はレーヴァテインだけではない。

 

上空から高速で飛来してきた12本の魔剣が次々とヨシツネの体を貫いていく。

 

「奇襲攻撃を見抜けない私だと思ったのか?」

 

地面に倒れ込んだヨシツネが尚も立ち上がろうとしてくるが致命傷であり体がひび割れていく。

 

「ヨシツネ!!」

 

「しくじったか……ざまぁ…ねーぜ。後の事は…頼むぞ……ライ……ドウ……」

 

体が砕け散ったヨシツネがMAGを撒き散らす最後を迎えてしまう。

 

眉間にシワが寄り切ったライドウが憤怒を纏いながら陰陽葛葉を構えてくる。

 

「どうあっても私の邪魔をするか…デビルサマナー?そんなに死にたいならば、斬り捨てる!」

 

「やってみろ……ヨシツネの弔い合戦をさせてもらう!!」

 

「仲魔を失う悲しさは俺も経験してきた。ヨシツネの弔い合戦には俺も参加させてもらおうか!」

 

立ち上がったスサノオも天叢雲剣を振りかざし、三体一の戦いが行われていく。

 

だが背中に魔剣を12本携え、右手に持つ最強の魔剣を振るうルイーザの方が手数は上だろう。

 

斬り結び合う人修羅とルイーザ。

 

彼女の背後を狙うライドウとスサノオであるが12本の魔剣が彼らに猛攻を仕掛けてくる。

 

間合いの外から雷磁魔弾をライドウは撃ち続けるが守りを担当する魔剣が回転して弾き続ける。

 

彼女の攻撃は攻防一体であり、前だろうが後ろだろうがアウトレンジだろうが敵を寄せ付けない。

 

二体の魔王の力を所有した魔法少女の力は神の領域に辿り着き、極まった力に進化したのだ。

 

だがそれがどうした?

 

人修羅とライドウが超えてきたのは神々の戦場だ。

 

神々の領域と戦ってきた者達は神の力に恐れおののき逃げ出すような腰抜けなどではない。

 

「一意専心!!」

 

魔剣の斬撃を超えてきたライドウが人修羅と共に正面から仕掛けていく。

 

彼らの斬撃を巧みな剣術で弾き続けるルイーザだが、猛攻によって攻撃を仕掛ける余裕がない。

 

しかしレーヴァテインが放つ炎熱結界の世界では生身のライドウは無事では済まない。

 

戦いながらも皮膚が焼けていき、全身が大火傷を負っていく。

 

「下がれライドウ!悪魔じゃないお前は炎を無効化する力はないはずだ!!」

 

「我が魂は地獄の業火をもってしても焼き尽くせん!!ヨシツネの仇は討たせてもらう!!」

 

「その体でよくぞこれ程までの戦いが出来るものだ!名を聞いてやろう!!」

 

「我が名は14代目葛葉ライドウ!!大正時代から帝都を守護してきたデビルサマナーだ!!」

 

2人の刀を同時に受け止め受け流そうとするがライドウの回し蹴りが側頭部を蹴り込む。

 

怯んだ彼女に目掛けて同時に斬撃を仕掛けていく。

 

人修羅の袈裟斬りを受け止め、ライドウの払い斬りを跳躍して避け、唐竹割りを人修羅が止める。

 

彼らの斬撃を舞うように潜り抜け、反撃の斬撃を彼らも弾いていく。

 

ルイーザの唐竹割りを互いの刃をクロスさせて受け止めるが刃を押し切られてしまう。

 

だが2人の動きは次の布石へと繋がるのだ。

 

受け流した刃を返して袈裟斬りを放つライドウの一撃をルイーザは受け止める。

 

がら空きとなった彼女の腹部に目掛けて放つのは、刀回しを行いながら放つ人修羅の横薙ぎだ。

 

「がはっ!!!」

 

脇腹を切り裂かれた彼女が左手で脇腹を抑えながら後退り、トドメを刺さんと2人が刀を振るう。

 

同時に放つ袈裟斬りと逆袈裟斬りの一撃が迫る中、彼女の背中が内側を突き破り何かが飛び出す。

 

貴族服を破って飛び出したのはロキの蝙蝠羽であり、硬質化した翼が彼らの斬撃を受け止める。

 

「ウォォォォォーーーーッッ!!!」

 

全身から放つのは絶対零度の一撃であり、人修羅とライドウは冷気の光に飲み込まれていく。

 

「「ぐわぁぁぁぁーーーーッッ!!!」」

 

暴風の如き絶対零度に吹き飛ばされた2人が倒れ込み、呻き声を上げてしまう。

 

それでも刀を地面に突き立てながら立ち上がってくる者達を見下ろすのは宙を飛ぶ者だった。

 

「……混沌王様との決着を果たすために訪れたが、思わぬ強敵と出会う事になるとはな」

 

斬られた脇腹から臓腑が飛び出さないよう彼女は氷結魔法を用いて傷口を塞ぐ荒療治を行う。

 

左手を脇腹から放したルイーザが魔剣レーヴァテインを天に向けて掲げていく。

 

彼女の頭上の空に形成されていくのは巨大なメギドの光であった。

 

「混沌王様もろとも……芥となって消え失せろぉぉぉーーーッッ!!!」

 

剣を振り下ろすと同時にメギドラオンが放たれ、巨大なメギドの光球が落ちてくる。

 

立ち上がった人修羅は横のライドウに振り向き、彼の覚悟を見届けた者としてこう告げる。

 

「最強のデビルサマナーの名は伊達ではないな。ならば…最後までやりきってみせろ」

 

「……言われるまでもない。合わせろ、スサノオ、尚紀!!」

 

魔剣に切り刻まれて倒れ込んでいたスサノオも立ち上がり、天叢雲剣をライドウに向ける。

 

彼の力を受け取ったライドウが大きく跳躍を行い、人修羅も右手にメギドの光を生み出す。

 

「「ハァァァァーーーーーーッッ!!!」」

 

跳躍したライドウが地面に刀を突き立て、天命滅門の一撃を放つ。

 

星の世界と化した大地に目掛けて人修羅は右拳を叩きつけ、メギドラオンを解放する。

 

二つのメギドラオンとそれに匹敵する天命滅門の一撃が極大の爆発現象を生み出していく。

 

異界がメギドの光によって消し飛ばされ、異界が消失してしまう程の威力となったようだ。

 

元の東京港で片膝をつく人修羅とライドウの元にまで翼を羽ばたかせながらルイーザが降り立つ。

 

極大の一撃をもってしても倒しきれない者達を認めるかのようにしてこう吐き捨ててくる。

 

「私の異界は消し飛んだが、我々の戦いはまだ終わっていない。最後まで付き合ってもらうぞ」

 

「フン……もとより俺はお前との決着を望んでいる」

 

「自分とて最後までやらせてもらう。護国守護の刃として、東京の脅威を排除させてもらうぞ!」

 

翼を収納したルイーザが魔力を消耗して業火が鎮火した魔剣を持ち上げながら構えてくる。

 

レーヴァテインの終末の炎を止められようが、彼女にはまだ12本の魔剣と己の剣技があるのだ。

 

満身創痍の人修羅とライドウであるが鋼の意思で武器を構え直す。

 

睨み合う両雄が踏み込み決着をつけるための死闘を再開しようとするのだが、待ったがかかった。

 

<<そこまでだ!!この大馬鹿者め!!!>>

 

斬り込んでいく3人の元に轟雷が落ち、彼らは飛び跳ねて電撃を回避。

 

聞こえてきた男の声を知る者であるルイーザは忌々しい表情を浮かべながら夜空を見上げる。

 

「…私の邪魔立てをするならば、貴方でも許しませんよ?当主殿!!」

 

空の上に浮かんでいるのはアリナを地獄に落とした者であり、イルミナティの司令塔を務める男。

 

かつては人と変わらないネフィリムであったが完全な魔神と化したロスチャイルド当主であった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

浮遊していた存在が地面に着地した後、ルイーザを睨んでくる。

 

彼女は自分の一族の当主を睨んだまま微動だにしない態度を返すようだ。

 

「この忌み子め…お前を拾ってやったのは、ドイツで繁栄した一族の血筋を絶やさぬためだぞ」

 

「拾ってもらえた事には感謝していますよ。しかし私は悪魔となった…悪魔とは自由を求める者」

 

「自由には責任が伴う。お前は自分の生まれであるロスチャイルド一族を敵に回すつもりか?」

 

「その覚悟で訪れている。私はもうイルミナティに与するつもりはない…私はそれ以上となった」

 

「それ以上だと…?」

 

不気味な笑みを浮かべたルイーザが貴族コートの裏側を広げて見せてくる。

 

そこに見えたのは双頭の竜を模したバッジであり、Lは驚きの表情を浮かべてしまう。

 

「馬鹿な…何故ルシファー閣下の紋章を所有している!?それは選ばれた者にしか与えられん!」

 

「今の私はエグリゴリに所属する者。ルシファー閣下の直属部隊の者として許可を得ている」

 

「混沌王殿に刃を向ける事をルシファー閣下がお許しになっているだと…?」

 

「その通りです。故に貴方に指図される謂れはない、文句ならばルシファー様に言うがいい」

 

そう言われたロスチャイルド当主は忌々しい表情を浮かべてくるが反論は出来ない。

 

混沌の悪魔達や悪魔崇拝者達にとって、ルシファーの言葉は全てにおいて優先されるからだ。

 

呪いの言葉を浴びせてやりたいが押し殺し、人修羅の方に顔を向けながら深々と頭を下げる。

 

「申し訳ありません…混沌王殿。我が一族の者が無礼を行いましたが…これも悪魔の習わしです」

 

「お前の顔…書籍で見かけた事がある。お前が世界を代表する金融王…J・ロスチャイルドか?」

 

「確かに私はJ・ロスチャイルド…ですがそれは昔の話。今の私はL・ロスチャイルドなのです」

 

「どういう意味だ……?」

 

「今の私はルキフゲ・ロフォカレ。Jであり、ルキフグスなのですよ」

 

「奪い取った邪教の館を用いて悪魔合体したようだな?ルキフグス…たしかルシファーの参謀か」

 

「その通り。お初にお目にかかります、混沌王殿。貴方様のカグツチ破壊神話はお聞き及んで…」

 

「世辞はいらない。俺はおべっか使いが嫌いでな…正々堂々と俺と喧嘩しにきた者の方がマシだ」

 

「残念です。それとお聞きしたい…貴方様は未だに人間の守護者を続けるおつもりなのですか?」

 

「無論だ。俺も貴様に問いたい…東京で何を起こすつもりだ?本気で革命を起こすつもりか!」

 

怨霊剣を向けてくる人修羅に向けてLは不気味な笑い声を出してくる。

 

人修羅が襲い掛かってこようとも迎え撃つ力をもつ程の自信の表れにも感じられるだろう。

 

「オーダー18の日は近い。ルイーザ、閣下直属の者となったとしても作戦には参加してもらう」

 

「勿論だ。混沌王殿もその日にはもう一度東京に訪れるだろう…続きはその時にさせてもらう」

 

「待て!!そのオーダー18とやらの詳細を吐け!!吐かないならば力ずくで吐かせるぞ!!」

 

「出来るのですかな?貴方様も深手を負い、隣のサマナーとて限界のようですぞ?」

 

顔を横に向ければ両膝が崩れたライドウが倒れ込んでしまう。

 

レーヴァテインの炎熱結界に焼かれ続けた彼の体は既に限界を超えていたようだ。

 

スサノオとて全身の切り傷から流れ落ちる出血が酷く、片膝をついたまま息が切れている。

 

人修羅とて全身傷だらけであり全力戦闘が出来る状態ではなかった。

 

「まぁいい…オーダー18を迎える事になれば、貴方様の気も変わるでしょう」

 

左手を後方に向けるLが生み出したのは転送魔法陣である。

 

「精々自分の無力さを嘆くといいのです。たとえ神や悪魔であろうと…止められない未来もある」

 

踵を返したルキフグスが去っていくのだが、ルイーザは置いてけぼりにされてしまう。

 

ロスチャイルド家の当主として一族の顔に泥を塗った者など知らんという態度であった。

 

彼女を迎えに来たのは天空から駆け降りてくる神馬スレイプニルの姿。

 

彼女の後ろで停まった我が子の上に乗るのだが人修羅が駆け寄ろうとしてくる。

 

「待て!!オーダー18の情報を貴様から吐かせてや……ぐぅ!?」

 

激しく体を動かしたため背中の傷が大きく開き、血が一気に噴き出す。

 

片膝をついてしまった人修羅を見下ろすルイーザはこんな言葉を送ってくれたようだ。

 

「私は貴殿を超えたい。滅亡したフランクフルト家の血を受け継ぐ者として繁栄を取り戻す」

 

「フランクフルト家…?たしか、ロスチャイルド一族が栄えたドイツの一族を継いだ者達か…」

 

「その通り。ロスチャイルド一族はドイツの古物商として始まった…始祖が繁栄した土地の者だ」

 

「初代ロスチャイルドが栄えた地を引き継いだ一族としてのプライドか…それが戦う理由なのか」

 

「啓蒙神様を超える事が出来たなら今のロスチャイルド宗家を超えられる。誰も私に逆らえない」

 

鎖の手綱を打ち、四本の前足を大きく持ち上げたスレイプニルが駆けていく。

 

「我が名はルイーザ・フォン・ロートシルト!!初代が産んだ息子達の長男の血を継ぐ者だ!!」

 

己の真名を名乗った後、天に向けて駆けながら夜空の世界に消えていく。

 

追撃出来なかったのは人修羅の目の前に映っている少女達の姿に釘付けになっていたからだ。

 

「また……お前達なのか……?」

 

片膝をついた人修羅を見下ろしていたのはコンテナの上で座り込んでいる少女達。

 

恋人繋ぎをしながら離れられない者だとアピールする者とは藍家ひめなと栗栖アレクサンドラだ。

 

「フフッ♪正義の探偵さんをまだ続けてるようだけど、足元が見えなくなってないかなー?」

 

「なんだと…?」

 

「人の意識は目の前の問題に集中するほど周りが見えなくなる。貴方も経験してきたはずですよ」

 

「何が言いたい…?俺を惑わしに来たのならさっさと消えろ……ルシファー!!」

 

「正義のヒーローとしてチョッセーしてるとつらたんな目に合うよ?身近な人にも目を向けなよ」

 

「身近な人だと……?」

 

「貴方にはつい最近新しい家族が出来たはずですよね?息子として傍にいてあげないのですか?」

 

それを言われた瞬間、血の気が引いていく表情を浮かべてしまう。

 

ひめなとアレクサンドラの姿が消えていく中、こんな忠告を残してくれるのだ。

 

「アナタは誰も守れない。ボルテクス時代でも、この世界でも、誰も守れないんだから♪」

 

「それが人修羅として生きる者に与えられた運命。精々足掻くといいです」

 

「足掻けば足掻くほど、絶望は深まっていくんだよ」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。希望を持てば持つ程、絶望が深まるんです」

 

立ち上がれたスサノオが誰に向かって話をしているのかと聞いてくる。

 

やはり藍家ひめなと栗栖アレクサンドラの姿は人修羅の目にしか映っていない人物であった。

 

セイテンタイセイやナオミ達も現場に到着してナオミの召喚魔法によって回復させてくれる。

 

体が癒えた尚紀は丈二のスマホを借りてニコラスと連絡を取ろうとするが繋がらない。

 

彼は苦渋の決断を下すかのようにして東京捜査を諦め、神浜市に向かって車を走行させていく。

 

もう二度と手に入らないと諦めかけた家族を手に入れられた尚紀は家族を守るために駆けていく。

 

しかし藍家ひめなと栗栖アレクサンドラが残した言葉は現実となるだろう。

 

人修羅として生きる尚紀に待っていたのは、希望を感じられた瞬間に絶望が増す光景であった。

 




オリキャラの元ネタはメガテン3内でBARにいた裸マントロキですが、こっちのロキはスタイリッシュな見た目のメガテン5ロキが使われております。
オリキャラをここまで残したのは派手にチャンバラさせてたたっ斬れるライバルキャラを温存させたかったのです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。