人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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最終部 7章 東京崩壊
266話 死者の国の女王


国際金融資本家一族であるロスチャイルド財閥を支援してきたのは黒の貴族と呼ばれる者達。

 

彼ら無くしてロスチャイルド一族やロックフェラー一族の繁栄はなく、世界の裏の代表格だ。

 

13世紀のスイスに結集した貴族達である黒の貴族達の代表格はそれぞれいるのだろう。

 

シェルバーン一族はスイスの銀行経営だけでなく王立国際問題研究所を作ったことで有名だ。

 

ここから派生したのが外交問題評議会(CFR)や三極委員会である。

 

タクシス一族はドイツの武器商人であり郵便事業で情報コントロール、諜報活動を行う存在だ。

 

サヴォイ一族は戦争傭兵貸付、麻薬でコントロールやテロ、暗殺に秀でた一族。

 

アイゼンベルクやデル・バンコーといったロスチャイルドに影響を及ぼす巨大一族がいたのだ。

 

彼らこそが()()()()()と呼ばれる存在であり、彼らのグローバリゼーションが世界を破壊する。

 

世界中の国々で生きる庶民達は世界の1%に過ぎない富裕層が決めることでしか生きられない。

 

フランスの古城やアドリア海の豪華客船等で世界の国々が辿る道筋を勝手に決められていく。

 

これこそがトランスナショナルであり、国境や国の利害を遥かに超えた資本の羅針盤。

 

それらが集まり合う世界意思決定会議とは、()()()()()と呼ばれているものであった。

 

……………。

 

ここは日本から遠く離れたスイスであり、世界の富が集まる富裕層の象徴的な国。

 

スイスは世界中の国際機関が集まる国でもあり、この国に根を下ろしたのは堕天使達である。

 

首都のベルンから遠く離れた森の中には古城が建築されており、美しく整備されているようだ。

 

しかし働く住人達の姿は見えず、陽が昇っている間は静寂に包まれる不気味な城であった。

 

「日本の霧峰村での失態は屈辱でしたが…愛しい娘を見れば元気も出る。早く顔が見たいです」

 

プライベートジェット機に乗ってスイスに戻ってきたのは人間に擬態した姿の堕天使ネビロス。

 

機内の窓から視線を向ける先では陽が沈んでおり、直に夜となる時間のようだ。

 

「フンフンフ~ン♪どこに隠れたのかなー?悪いウサギさんは捕まえちゃうぞ~♪」

 

静寂に包まれた古城の回廊は蝋燭の明かりが灯っており、元気良く歩く少女の姿を照らす。

 

まるで不思議の国の物語に登場するような可憐な少女服を纏った子供は何かを探していく。

 

可憐な金髪少女は愛らしい笑みを浮かべながらも後ろ手には物騒な刃物が用意されているのだ。

 

(ヒィィィィーーーーッッ!!来るな……こっちに来るなーーーーッッ!!)

 

古城の家具の下に隠れているのは痛々しいツギハギ模様をしている白いウサギ。

 

背中の皮が剝がされているため出血も酷く、回廊の道にはウサギの血痕が残っているのだ。

 

「みーーつっけた♪」

 

家具の下に顔を向けてきた少女が笑顔を見せながら手を伸ばしてくる。

 

「嫌だ――ッッ!!もう皮を剥がないでーーーーッッ!!」

 

ウサギが暴れるのだが耳を掴んで引きずり出す少女は手を離してくれない。

 

喋るウサギであることからこの存在も悪魔の類であり、オオクニヌシとは縁深い存在であった。

 

【イナバシロウサギ】

 

出雲神話に登場した白兎の土地神であり、オオクニヌシに助けられた存在でもある。

 

洪水で島に流された白兎神は故郷への想いからワニザメを騙して海に並ばせてしまう。

 

その背を使って因幡国に渡ろうとした彼なのだが口が滑って騙していたのを漏らしている。

 

激怒したワニザメ達は白兎の皮を剥ぎ、通りかかったオオクニヌシの兄神からも傷つけられる。

 

踏んだり蹴ったりな悪戯神を救ったのは最後に通りかかったオオクニヌシなのであった。

 

「アリスに見つかった罰ゲームを始めちゃうよー♪次はお腹の皮を剥いじゃおっかな♪」

 

皮剝ぎナイフを持った少女は笑顔のまま刃をお腹に滑らせていく。

 

「いたいいたい!!やめて!やめたってーーッッ!!!」

 

ウサギを血塗れにしていく少女の姿は可憐である見た目に反して悪魔そのもの。

 

この少女も魔人種族の悪魔であり、城主であるネビロスにとっては娘のような存在であった。

 

【アリス】

 

群青色のワンピースを着た金髪の幼い少女姿をした魔人。

 

魔界最高のネクロマンサーであるネビロスが作った悪魔少女であり、魂は悪魔そのもの。

 

後にネビロスの盟友であり魔王のベリアルから寵愛を受け、実の娘のような愛情を注がれる。

 

見た目は人間の少女でも彼女はアンデットであり、同じアンデットを愛する悪魔少女であった。

 

「アハハ!ウサギさん寒そうなカッコになったね♪この国の冬は毛皮が無いと死んじゃうよ~」

 

「チクショー!!僕を解放してくれー!日本に返しておくれよーっ!!」

 

「ダーメ、アナタはアリスのオトモダチとして黒おじさんが連れてきたんだし、返さないよ♪」

 

お腹の皮を剥がされた白兎が地面に捨てられ、痛さのあまり転げ回ってしまう。

 

「くそぉ…アリスの凶悪さが日増しに強まってる!本当に…かつてのアリスに戻れるのか!?」

 

それを問われたアリスは思わせぶりに悩むフリをしながらも、こう伝えてくれる。

 

「赤おじさんと黒おじさんはそうするつもりみたいだね。ワタシはあんまり気にしてないけど」

 

「アリスの器にするためだけに用意された哀れな娘め…煮るなり焼くなり好きにしなよ!」

 

「狩りは苦労した分だけ御飯が美味しくなるんだよ♪もう少し生かしてあげるから早く逃げて」

 

血塗れになりながらも白兎は命ある限り逃げることしか出来ない。

 

彼の心は絶望に塗れており、誰も助けてなんてくれないことなら理解しているのだ。

 

「僕も人々も誰も助からない…世界は資本が全てを動かせる…資本を統べる資本家が神なんだ」

 

「黒おじさんも同じことを言ってたっけ。ほんと、民衆って騙されやすいバカばっかりだよね」

 

鼻歌混じりに後ろを追ってくるアリスが右手を持ち上げていく。

 

手に持たれていたのは世界中の紙幣であり、その中には日本の一万円札も含まれている。

 

「この紙切れを作るのに日本のお金だと幾らかかるのか…アナタは知ってる?」

 

「一万円札を作るのに幾らかかってるかだって…?」

 

()()()()()()()()()()♪原価20円の紙切れの額を引けば…9980円が儲かるんだよ」

 

民間法人の中央銀行は原価20円の紙切れを大量に刷って各国政府に貸し付ける。

 

すると一枚9980円の利益となり、それが何億、何兆規模になれば天文学的な利益となる。

 

この利益を各国政府が握っていれば莫大な利益となるのだが民間の銀行に奪われているのだ。

 

「これがロスチャイルドおじさんの一族が生んだ詐欺。あの人が金融王と呼ばれる理由だよ」

 

「そんな馬鹿げた詐欺商売が許されてたまるもんか!どうして世界の人々は怒らないんだ!?」

 

「生み出した利益は世界の政府やメディア、大企業や軍産複合体に与えられて飼われるんだよ」

 

世界にばら撒かれる詐欺紙幣が次々と捨てられる回廊の光景こそがロスチャイルドの世界支配。

 

それを体現するアリスもまた世界を資本支配出来るダボス階級の悪魔としてこう告げるのだ。

 

「民衆は支配された国とメディアに盲従しながらメディアの娯楽しか求めない偏見生物なの」

 

「ばら撒かれた資本で飼われた国とメディアが与える教育と洗脳で民衆は支配されるのか…」

 

「紙幣という詐欺システムを導入された国はみんな同じ末路。世界の戦争の正体はこれなの」

 

「通貨マフィアのせいで…世界の人々は戦争と貧困、同族同士でいがみ合いをさせられる…」

 

世界の現実を突きつけられた白兎は観念したのか動きを止めて後ろを振り向く。

 

絶望に支配された目を向けてくる怯え切った小動物を見下ろすアリスは笑顔でこう告げる。

 

「フフッ♪支配者側のワタシ達や、被支配者側の民衆だって、同じ穴の狢なんだよ♪」

 

「えっ……?」

 

振り上げる刃物の刃が煌めいた瞬間、一気に振り落とされる。

 

――弱い者イジメが、だーーーい好きなの♪

 

振り落とされた刃はウサギの体を貫通する一撃となり、命を落とす白兎は最後の言葉を残す。

 

「ようやく…分かった…魔界の貨幣であるマッカが…どうして…()()だったのか……が……」

 

「魔界銀行総裁のルキフグスはきっと知ってたんだよ。()()()()()()()()()()()()()()をね♪」

 

引き抜いた刃を次々と振り落とし続けるアリスの表情は狂気を帯びているような笑みを見せる。

 

「アハハ!国に騙される民衆もアリス達と同じになるの!弱い者をイジメるのが楽しいの!」

 

所得格差が人の心と社会を破壊し、格差は人と社会の健康を蝕む。

 

世界各地で見られているように社会の分断、暴動、革命、戦争に発展までするのが格差社会。

 

神浜の東西社会だけの問題ではない、格差によって世界の人々が争い合う末路を辿っていく。

 

それによって生み出されていくのは子供社会の犠牲と苦しみ。

 

子供達の絶望を食い物にするキュウベぇと、国に絶望して悪に堕ちる魔法少女が生み出される。

 

人間の大人達でさえ国と企業の奴隷となり、毎日の余暇をエンタメの快楽で現実逃避する毎日。

 

ネットのようにリスクのない空間で憂さ晴らしとばかりに弱い立場の保守を陰謀論者と嘲笑う。

 

書籍を調べてきた者の言葉は誰にも届かず、暁美ほむら達のように周りから迫害されるのだ。

 

これこそが大魔王ルシファーが資本で築き上げた堕落と腐敗の世界、ソドムとゴモラであった。

 

「狩りを楽しむのも良いですが…城の中を汚すのは関心しませんよ、アリス」

 

夢中で刃物を振るっていると声をかけてきた者に反応したアリスが嬉しそうに振り向く。

 

彼女が振り向いた先にいたのは横一列に並ぶメイド達の間を通ってくる者の姿なのだ。

 

「グッ……ゴガッ……オカエリ…ナサイマセ……ネビロス……サマ……」

 

メイド服を着た少女達はこの城の管理をやらされる者達なのだが明らかに人外の存在。

 

肌は青みがかっており、まるで死体そのものが動いているかのような異常さを周りに示す。

 

彼女達はネビロスに蘇らせられた魔法少女の死体であり、アリスの侍女を務める者達なのだ。

 

「あっ!おかえり~黒おじさん!!」

 

ウサギ狩りに飽きたアリスは皮剥ぎナイフを捨てて元気良く駆けてくる。

 

黒おじさんと呼んだネビロスに飛びつき、長身の彼は彼女を抱きかかえてくれたようだ。

 

「まったく…返り血塗れで貴女の美しさが台無しですよ?後でシャワーを浴びなさい」

 

「ねぇねぇ!日本に行った時のおみやげない?ウサギさんの相手も飽きてきちゃった~」

 

「霧峰村に赴いた時に何人か少女を連れてこれれば良かったのですが…代わりを用意しました」

 

「アリスはね、カワイイ魔法少女のオトモダチがたくさん欲しいの!」

 

「フフッ、貴女のお眼鏡に適う奴隷であればいいのですが…後で確認してくださいね」

 

「じゃあ、おみやげは生け捕りにした魔法少女なんだね?やった~♪」

 

「明日は予定を空けています。生け捕りにした魔法少女の狩りを一緒に楽しみましょうか」

 

「うん!城の森に解き放って楽しくハンティング♪黒の貴族のおじさん達も呼ぼうよ!」

 

「子供狩りは彼らの楽しみ、きっと喜びますよ。それと時期に彼らも我々の領域に辿り着く」

 

不思議顔を向けてくるアリスに顔を向けるネビロスの口元は不気味な笑みを浮かべている。

 

「黒の貴族であるシェルバーンの当主は日本に赴き、悪魔合体を乗り越えたのです」

 

「じゃあ、シェルバーンおじさんはワタシ達と同じ悪魔になったんだね?」

 

「喜んでください、シェルバーンは魔王となったのです。貴女が大好きな()()()となった」

 

「えっ!?もしかしてシェルバーンおじさんは……赤おじさんになっちゃったの!?」

 

「ベリアルは様々な並行世界で貴女の魂を集めていました。この世界に戻ってきたのですよ」

 

「わーい!これで赤おじさんがシェルバーン一族を乗っ取ることになるんだね!」

 

「黒の貴族達は邪悪を極めた者達…魔界の魔王達と相性が極めて良い。他の者も続くでしょう」

 

「黒の貴族達は本当の意味で悪魔の一員になれるんだね!これからが楽しみだな~♪」

 

地面に下ろしてもらったアリスは嬉しそうに回転しながら喜びを表現してくれる。

 

そんな愛娘を早くベリアルにも見せたいとネビロスは魔王の帰還を望むのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ユダヤの国イスラエルには建国以前にロスチャイルド一族が所有した港湾都市が存在している。

 

イスラエルの先駆けとも言える私有都市カイサリアにあるのはカナンの主神が住まう宮殿。

 

日本から遠くにあるカナンのパレスチナ地域こそがバアル神モロクの支配地域であったのだ。

 

「バアル様、ベリアル様がご到着なされました」

 

「……通すがいい」

 

宮殿の雑務を統括する執事悪魔がお辞儀を行った後、宮殿の方へと戻っていく。

 

海が見える宮殿の庭の椅子に座るモロクの元へと近寄る者に対して顔さえ向けない態度を示す。

 

後ろに振り向かなくとも全身に感じさせてくる赤き竜の魔力を間違えるはずがないのだ。

 

「フッ…貴様もようやく戻れたようだな、ベリアル。いや…シェルバーンと呼ぶべきか?」

 

バアル神の前にまで訪れたのは擬態姿のネビロスを大きく超える程の巨躯をもつ大男。

 

装飾された黒のマントとジャケットを纏い、黒髪をオールバックにした者こそが赤き竜なのだ。

 

「久しいな、モロク。どちらで呼ばれようが構わない…我はベリアルであり、シェルバーンだ」

 

悪魔を表す深紅の瞳が禍々しく輝く者こそ、死海文書にも記されし闇の子達の指導者であった。

 

【ベリアル】

 

ソロモンに封印された72柱の悪魔の中でも強力な存在であり、大魔王の次に堕天した天使。

 

黙示録では炎の戦車に乗り、地獄の80個軍団を引き連れて現れると言われる魔王なのだ。

 

ユダヤ教では邪悪な者、無価値なものとして呼ばれ、人を欺く悪意の権化として扱われる。

 

ルシファーやサタンとも混同され、神の使者という意味であるサタナエルとも呼ばれる存在。

 

ノアの数代前に敵意の天使マンセマットと共に地上に知識をもたらした天使の一体であった。

 

「座るがいい、ベリアル・シェルバーン。数々の並行世界を渡ってきた土産話もあるだろう」

 

隣の椅子に座ったベリアルの元へとモロクの従者を務める女悪魔達が酒を注ぎにくる。

 

グラスを持った二人がハルマゲドンの勝利に乾杯した後、一気に酒を飲み干す。

 

暫くはベリアルの土産話が語られていたのだがCHAOS勢力側の魔王という立場もある。

 

自分の使命は愛しい娘と静かに暮らしていくだけではないため、今後の計画を確認するようだ。

 

「この世界の年号は既に2020年となっている…では、もうじき始まるのだな?」

 

「その通りだ。それについては彼が説明をしてくれるだろう」

 

庭園のテラス席には大型のプロジェクターも備わっており、従者の一人が操作を行う。

 

プロジェクターに映し出されたのは日本の内閣でIT大臣を務める門倉の姿であった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

この映像は2015年のダボス会議において門倉がプレゼンテーションを行ったものである。

 

アルゴンソフト社CEOである彼はIT事業だけでなく世界最大の慈善団体も運営している。

 

医学の専門家でもない門倉は不自然にもワクチン開発事業に莫大な投資を行ってきたのだ。

 

世界経済フォーラム(WEF)とも呼ばれる年次総会には世界のリーダー達が結集している。

 

企業のトップ、政治家、学者などその分野のトップが集まり世界の課題を話し合う場なのだ。

 

50人あまりの国家元首、および民間企業の経営トップ等が130の地域から参加している。

 

およそ2700人にも及ぶ富裕層に向けて門倉は今後の世界運営を語っていく。

 

彼が行うプレゼンテーションのテーマとは、()()()()()()()()であった。

 

「今より数年後は世界を飲み込む病魔が起こるやもしれない。だが、それはチャンスなのです」

 

グレート・リセットとは、今まで社会を構成した様々なシステムをいったんリセットするもの。

 

リーマンショックの頃に生まれた言葉であり、米国社会学者の著書のタイトルともなった。

 

我々が生活する世界は様々な金融システム、社会経済システムのもとで動いてきている。

 

人々の生き方や働き方の基本方針は、これらのシステムによって決定されてきたのだ。

 

「既存システムは完璧ではなかった。現代社会が抱える多くのひずみも生み出してきたのです」

 

様々な問題を抜本的に解決するため既存システムを白紙に戻して新たなシステムを構築する。

 

より公平で持続可能な社会を実現する目標を達成するために門倉は多くの提案をするのだ。

 

「パンデミックが起これば既存システムでは耐えられない。だからこその新たなシステムです」

 

パンデミックによる格差、気候変動、エネルギー危機等に取り組む事が人類の持続可能性。

 

それらは各国のリーダー達が何が何でも取り組むべき国際問題なのだと熱く語る光景が続く。

 

「グレート・リセットを実現させるためには以下の三つが柱となります」

 

政府主導のステークホルダー経済の実現と公平なルール作り。

 

新たな投資プログラムの活用。

 

第四次産業革命のイノベーションを活用した上での健康と社会的課題への取り組み。

 

各国政府が新しい仕組みとルールを積極的に取り入れ、新しい社会経済を推進する。

 

世界、地域、産業のアジェンダを推進していくことこそがダボス会議の目的なのだ。

 

「今までのシステムでは増え過ぎた人類の数に対応出来ない。だからこそ人口削減なのです」

 

門倉が語り出したのは悪魔的な狂気の提案であり、それこそが人類の持続可能性を救うという。

 

()()()()()()()()()()()()のです。現代の技術があれば軍人や労働者の代わりを務められる」

 

地球環境への取り組みとして門倉が提案するのは低所得の()()()()()()()()()()()()()()

 

「肉食を止め、環境負荷の少ない昆虫食に移行することはSDGs達成に必要となるでしょう」

 

世界を席巻する温暖化や寒冷化などの異常気象を引き起こす原因こそがCO2の排出量である。

 

これらを排出する家畜の消費を抜本的に消去するため人工肉や昆虫食の研究が進められてきた。

 

神浜で暮らす八雲みたまのような低所得者層は人工肉バーガーや昆虫寿司を喰えというのだ。

 

日本を代表してきた和牛や日本式の寿司も消え、貧乏人はゲテモノ飯を食えと提案してくる。

 

みたまのような貧乏人がこの場にいれば大激怒するだろうが、世界の富裕層からは賞賛される。

 

地球環境問題のしわ寄せがいくのは貧乏人だけであり、富裕層の問題ではない。

 

彼らは今まで通りの食事を楽しむ中で貧乏人達は人工肉や虫を喰い漁る未来がやってくるのだ。

 

「世界人口が90億人に迫る問題に有効なのがワクチンです。これで人口削減出来るのです」

 

()()()()()()()()C()O()2()()()()()()()()であり、地球環境保全のためにも人類は死ぬ必要がある。

 

「我々が新しいワクチン、医療、生殖に関する衛生に真剣に取り組めば人類の数を減らせます」

 

ワクチンによる生殖管理によって子供が生まれない未来が訪れるだろう。

 

増え過ぎた人類を間引くことこそが国連とその支配者である者達が望む未来の在り方なのだ。

 

「我々は増え過ぎた羊達を管理する牧師なのです。牧師として生産を抑える責任があるのです」

 

エグリゴリの悪魔達の目的とはハルマゲドンによる人類大虐殺だけではない。

 

地上に生き残った人類も逃さず管理して増えさせないための準備をする必要があるのだろう。

 

「人類の大部分が消えた時、世界の国境もまた消える。世界は統一され新たな帝国が生まれる」

 

――それこそが世界連邦であり、ニューワールドオーダーが完成することとなるでしょう。

 

拍手が起こるダボス会議のプレゼンテーションはこの後も続き、新世界の枠組みを語っていく。

 

これこそがエグリゴリの堕天使の計画であり、それを実行するのが世界のリーダー達なのだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()において、門倉が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

アルゴンソフト社CEOである彼は未来を視る力があるのだろうか?

 

予知能力がないのであるなら、これはあらかじめ計画されたものだと判断するしかないだろう。

 

第32代合衆国大統領フランクリン・D・ルーズベルトが残す言葉通りの光景であった。

 

――世界的な事件は、偶然に起こることは決してない。

 

――()()()()()()()()()()()()()()()()()()と、私はあなたに賭けてもいい。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「わーーい!!赤おじさんだーーっ!!おかえりなさ~~いっ!!」

 

ネビロスの城に訪れたベリアルの元へと駆けてきたアリスに対して大きく両手を広げてくれる。

 

飛び上がって抱き着いた愛娘の元気な姿を見る彼の恐ろしい表情にも微笑みが浮かぶのだ。

 

「おかえりなさい、ベリアル。長々とした並行世界でのお勤め…ご苦労様でした」

 

歩いてきたのは漆黒のフードの上から黒のトップハットを被る英国紳士姿のネビロスである。

 

「多くの時空に流れ着いたアリスの魂の欠片も集められた。これでこの子も完成するだろう」

 

「我々の苦労もようやく報われる。それにしても…このような苦労も全てはあの男のせいです」

 

「そうであった…もう遠い昔の世界の記憶となる。だが…あの男に対する怒りは忘れていない」

 

悪魔の娘であるアリスとは、元々は違う並行世界の東京を生きた英国系の少女であった。

 

その平行世界は東京にICBMが落ちた事で魔界の門が開く大惨事に見舞われることになろう。

 

世界は悪魔との戦争で破壊し尽くされ、世界文明は滅びた末に悪魔達の天下となったのだ。

 

「あの男が金剛深界から戻って来なければ…我々は愛娘であるアリスと静かに生きられたのだ」

 

「ザ・ヒーロー…あの男だけは殺しても飽き足らない程の憎き男でした…」

 

「あの男も荒廃した世界を生き抜いた末に死ぬこととなった…我々の復讐を待たずにな」

 

「あの世界では我々CHAOS陣営はLAWの陣営に勝てませんでしたが…此度は違う結果を残す」

 

「無論だ、そのために我らの黒き希望として人修羅が生まれたのだ。早く会いたいものだな…」

 

かつての世界の記憶に浸る赤伯爵と黒男爵であるが、アリスが元気よくこう言ってくれる。

 

「むかしはむかし、今は今だよ!アリスはね、赤おじさんと黒おじさんと一緒に生きたい♪」

 

元気な笑顔を見せてくれる愛娘のお陰で憎しみを忘れられたことによって彼らの心も救われる。

 

「さぁ、久しぶりに3人で夕餉を楽しみましょう。アリスの大好きな料理を用意してます」

 

「ホントに!?わーい!何だかこういうの…すごく嬉しい!昔に戻れたみたいだから♪」

 

下ろしてもらったアリスは夕餉を楽しみにしながら大広間へとスキップして歩いていく。

 

そんな愛娘の背中を見守るベリアルはかつて果たせなかった思いを胸に秘めながらこう告げる。

 

「今度こそ…あの子が幸せに生きられる世界を手に入れる。そのために人類は死んでもらおう」

 

「人類はアジェンダの名の元に間引かれる。選民以外の死した者は()()()()()()()()()のです」

 

「何十億人が死ぬことになる。死した者達は我らが蘇生させ、地上に死の国を築き上げるのだ」

 

「生き残る選民はザイオンで生き、死者は荒廃した地上の民となる。我々が地球を再生させる」

 

「その時にこそ()()()()()()()()()()()()。女王の庭を耕す奴隷として死者は役に立つだろう」

 

「死霊魔術の本来の目的は労働力を手にするもの。ネクロマンサーとして本懐を果たせますね」

 

アリスと共に夕餉を楽しむために二体の悪魔達も回廊を歩いていく。

 

蝋燭の明かりによって本来の悪魔の姿が影として生み出される中を進んでいくのだ。

 

ベリアルの背後に浮かぶ巨大な影とは赤き竜人の如き異形の姿だった。

 

「ザ・ヒーローよ…あの世で見ているがいい。この世界もまたかつてのように破壊されるのだ」

 

「そのためにも先ずはこの世界と魔界を繋ぐ必要がある。そのためのオーダー18なのです」

 

「魔界の軍勢も我らの元に集結すればいよいよ最終戦争の準備も終わる。来るがいい天使共め」

 

悪そうな顔で話を続けていると大広間に向かったはずのアリスが物陰からひょっこり出てくる。

 

「えへへ♪城での生活も飽きてきちゃったからさ~…アリスも日本に行ってみたーい!」

 

「「えっ?」」

 

目が点になってしまった赤黒おじさんに向けてビシッと指を向けながらドヤ顔を見せてくる。

 

「ウサギさんも死んじゃったから新しいオトモダチが欲しいの!ね~ね~いいでしょ~?」

 

「いや…アリス、日本に行って何をするのですか?友達ならば欧州で探しなさい」

 

「いやいやー!ウサギさんから日本のことを色々聞かされて興味が湧いたの!行ってみたい!」

 

「やれやれ…アリスはこう言い出したら聞く耳持たん娘だ。構わないだろう」

 

「ですがベリアル…オーダー18が差し迫ってる時期にアリスを向かわせるのは…」

 

「そのおーだー18とかいう作戦にも参加希望しちゃうから♪いっぱいサツリクするよ~♪」

 

愛嬌を示す我儘な娘に甘い悪魔達は渋々彼女を日本に連れていくことになるだろう。

 

アリスのために人類の死を望む悪魔達の要求とは人類の持続可能性などではないはずだ。

 

彼らが求めるニューワールドオーダーとは、()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 




やはり不人気オリキャラでアリスを登場させるよりもメガテン人気悪魔のアリスを出すべきだったと後悔してたので登場させてみました(キャラ飽和で過労死)
赤おじさんも勢揃いしたのでそろそろ脇見の壺が必要になるかも(汗)
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