人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

292 / 398
291話 パンパンな災難

レナとかえでとパールヴァティが佇む東京ビックサイトの近くには東京港がある。

 

肉眼でも見える位置にあるコンテナ街で陣を張るのが革命部隊の作戦司令部。

 

そこに向けて飛んでくるのは輸送ヘリの一団であり、先導するようにジェットヘリも飛ぶ。

 

捨て駒として利用する革命部隊を率いる者達を回収する部隊のようだが様子がおかしい。

 

ジェットヘリの中にいるのは堕天使アドラメレクとオロバスであり、忌々しい顔を浮かべる。

 

「キィィィーッッ!!東京の滅びを見物しながら優雅なパーティを楽しんでいたかったのに!」

 

「まさかアリス様の分霊が東京に向かってしまわれていたとは…災難でしたね…」

 

我儘アリスの悪戯も流石に気が付かれてしまい、ベリアルとネビロスは分霊を回収しろという。

 

保護者の2人は本霊アリスを見張るために動けないため、白羽の矢が立ったのはこの悪魔達。

 

分霊といえどアリスは手強いため、それなりに実力のある悪魔達を回収に向かわせたようだ。

 

「いくらベリアル様とネビロス様の娘であろうともう勘弁ならん!お尻ぺんぺんしてくれる!」

 

「告げ口されたら大変ですよ…アドラメレク様?下手したらデカラビアの二の舞かも…」

 

「教育指導もまた愛なのです!アリスの保護者で在らせられるあの御方達も理解するでしょう」

 

「甘やかし過ぎるのもどうかと思いますし、それでいきますか…」

 

フォーマルスーツを纏いながらもアニマルマスクを頭に被って仮装する堕天使達が東京につく。

 

東京湾の方角から堕天使の魔力を感じ取ったアリスの分霊は司令部から飛び出したようだ。

 

<<アリス!悪戯も大概にしときなさいよ!ベリアル様とネビロス様も心配しておられる!>>

 

ヘリの扉を開けながら拡声器を用いて怒鳴るアドラメレクを見た彼女が脱兎の如く逃げていく。

 

「まだ帰りたくないよ~ラバおじさん!!アリスはまだまだ遊び足りないんだも~ん!!」

 

着陸を待たずにヘリから飛び降りたアドラメレクとオロバスを出迎えたのはルイーザである。

 

「貴方達がわざわざ来られたというのは……まぁ、アリス様の件でしょうね?」

 

「貧乏くじを引かされた私達を笑うがいい…ルイーザ。あの御方達の子煩悩には参ってしまう」

 

「我々が先行してきたが東京湾には既に回収部隊が迫っている。貴女も直ぐに脱出するがいい」

 

「私達もマニトゥの群れが東京湾に入る前にアリスを回収して東京を去る…急がなければ!!」

 

アリスを追って駆けていく堕天使達を見送った後、ルイーザは不気味な笑みを浮かべてくる。

 

「フフッ…私もアリス様と同じ気持ちだ。遊び足りないのは私も同じだからな」

 

司令部を構築した大型コンテナ内部のモニターには様々な攻撃目標に制圧表示が示されている。

 

革命ごっこも佳境であり、後はどれだけ東京の人々を虐殺してMAGを絞れるかだけだった。

 

「お前達は迎えの輸送ヘリが到着したら東京を脱出しろ。私には輸送手段など必要ない」

 

「了解しました。後はメディアを用いて暴力革命脅威をどれだけアピール出来るかですね」

 

「それが終われば造魔部隊は用済みだ。証拠隠滅部隊も迫っている、私もここを離れよう」

 

作戦司令部の後ろに控えているのはルイーザの仲魔である神馬であり、鞍の上に飛び乗る。

 

全身を甲冑で覆ったスレイプニルの手綱を打ち、駆け抜けながら夜空を飛ぶ。

 

「クックックッ…感じるぞ、混沌王様の憎しみが。爆発した憤怒を撒き散らす怒りをな!!」

 

夜空を飛びながら駆け抜けるスレイプニルが向かう方角とは人修羅が戦うエリアであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「飛ばして飛ばして~!!ラバおじさんと馬おじさんに追いつかれちゃう~!!」

 

乗り捨ててあった車を奪ったアリスはトランプ兵士に運転させながら逃げていく。

 

東京港臨港道路南北線を北上しながら逃げているのだが後方からはラバと馬が追いかける。

 

「有明埠頭橋を超えて逃げようというのですか?湾岸一帯は破壊工作で分断されているのだ!」

 

「江東区で立ち往生するでしょうが…どうします?流石の私達も擬態姿で車に追いつくのは…」

 

「ならば飛んでいけばいいのです」

 

堕天使の翼が生えていないオロバスを抱えて飛ぶのも億劫なアドラメレクが電柱を掴む。

 

「ムゥゥゥゥ……フンッ!!」

 

力任せに引っこ抜いた後、遠ざかるアリスの魔力に目掛けて電柱を槍投げしようとするのだ。

 

「さぁ、行きますよ!乗り遅れてはいけません!」

 

「合点承知!!」

 

力任せに柱をぶん投げた後、即座に跳躍した二体の悪魔が電柱の上に飛び移る。

 

高速で飛翔する電柱を移動手段として用いて先回りしようとするのだが、何かに気が付く。

 

「ところでアドラメレク様?これはどうやってブレーキをかけたら良いのです?」

 

「あっ……」

 

力と加速度でぶっ飛ぶ柱にブレーキペダルなど存在していないことに今更気が付くのである。

 

<<うおわぁぁぁぁーーーッッ!!?>>

 

高速で飛んでいく電柱が有明南連絡線を超えていきながらビルに激突する。

 

ビルの中で壁に埋まる二体の悪魔達の方角を見つめるアリスは車の窓を開けて大喜びだ。

 

「バイバーイ♪アリスはね、カワイイオトモダチを連れて帰るまで諦め……ゲェ!?」

 

風穴が開いたビルから飛び出してきたのは悪魔姿と化した二体の悪魔であり、彼女も焦りだす。

 

「うわわわわ!?ラバおじさんと馬おじさんが本気になっちゃった!どうにか押し留めて!!」

 

車を停車させたアリスがハートのトランプを生み出して投げ捨てた後、使い魔を生み出す。

 

運転手を務めたトランプ兵士も合わせれば十二体のトランプ兵が誕生して迎え撃つのだ。

 

「その程度の雑兵共で我々を止められるとお思いですかな、アリス様!!」

 

「さぁ、観念しなさい!!ベリアル様とネビロス様に代わってお尻ぺんぺんしてくれる!!」

 

「勘弁してよ~~っ!!」

 

どんちゃんバトルが始まっていく光景を尻目に逃げるアリスが向かうのは東京ビックサイト。

 

バスターミナル広場のベンチで座りながらスマホ片手に連絡を取り合っていた者達も気が付く。

 

「あ……あの子は何なのよ…?」

 

「もしかして…コンテナ街の方から飛んできた飛行物体と何か関係してるのかな…?」

 

「あら…?あの子は確か……」

 

大慌てで走ってきたアリスであるがレナ達の前で急停止して顔を向けてくる。

 

「こんなところで魔法少女のお姉ちゃんと女神のお姉ちゃんと出会えるなんてラッキー!」

 

「アンタ……何者なのよ?悪魔の魔力を感じるから人間の女の子じゃないようだけど…」

 

「思い出したわ、この子は魔人アリスよ。危険な魔人なんだけど…どうして慌てているの?」

 

「ええっ!?魔人って尚紀さんと同じタイプの悪魔なんだよね…?こんな可愛い姿なのに…」

 

「関わったらレナ達……不味いことにならないかしら…?」

 

その場で駆け足し状態で話してくれた内容を理解したレナ達が怪訝な顔つきを浮かべてくる。

 

「つまり…アンタは変態悪魔に追われているのね?だからレナ達に助けを求めたいわけ?」

 

「そうそう!どうにかしてラバおじさんと馬おじさん達を押し留めて……あっ、まずい」

 

使い魔達を倒されたことを把握したアリスが慌てて逃げ出していく。

 

彼女の姿が遠ざかった頃、アドラメレクとオロバスもレナ達の元へと駆けつけてくる。

 

「むっ!?美しい魔法少女と女神ですね!こんな戦場で見つけ出すとは…是非持ち帰りたい!」

 

「アドラメレク様…こんな場所で着せ替え人形を手に入れている暇はないかと思いますが…」

 

「聞いた通りの変態共のようね…レナは馬かもロバかも分からない悪魔にはついていかない!」

 

「ムゥゥゥゥ…それもそうですね。今はアリスを捕まえることが先決でした……残念です」

 

アリスは何処に行ったか知らないかとその場で駆け足状態をしながら質問してくる。

 

顔を向け合う女性達は頷き合い、アリスが向かった西展示棟とは逆の東展示棟の方角を指差す。

 

協力に感謝すると言いながら二体の悪魔達は駆け抜けていくのだ。

 

「どうしよう…?ももこちゃんから十七夜さんを見つけたって連絡がきたから移動するべき?」

 

「あの子を見捨てることにはなっちゃうけど…レナ達はかりんを探しに向かうべきだと思うわ」

 

「アリスと関わるとろくでもない目に合わされるわよ。その方がいいと思うわ」

 

「けどかりんちゃんが何処にいるか分からないし…もしかしたらあの子が教えてくれるかも?」

 

「そんな保障が何処にあるのよ!」

 

「可能性はあるかもしれないわ。この東京を燃やすのは悪魔達…あの子も関係者かもしれない」

 

「パールヴァティさんの言う通りだよ!レナちゃんの想像力の無さはダメダメだよね…」

 

「図に乗らないの!!全くしょうがないわね…手がかりがない以上はそれでいきましょう」

 

こうしてアリス救出作戦が始まるのだが、もとはと言えば全てアリスが問題の種。

 

アドラメレクとオロバス、それにレナ達は彼女に振り回されるだけの被害者に過ぎなかった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「誰もおらんではないかーっ!!大きな空間が広がっているだけではないかーっ!!」

 

東展示棟で喚くのはアドラメレクであり、オロバスが鼻を使ってもアリスを感じられない。

 

「どうやら謀られたようですね…それに何ですか?このオタク臭いバットスメルは…」

 

「ここはコミケと呼ばれるイベントが催される地。オタクの悪臭がこびりついているのです」

 

「随分と詳しいですね…?」

 

「コミケとはファッションイベントでもあるのです。私もお忍びで参加したことがあります」

 

「アドラメレク様はファッション好きですからねぇ……なんて言ってる場合じゃないですよ!」

 

「ムゥゥゥゥ…アリスめ、魔力を隠しているようです。我々だけでは探しきれんかもしれない」

 

縞々ズボンのポケットから無線機を取り出して周囲に連絡を取ってみる。

 

すると江東区の隣にある港区で空爆を続けているアリナと繋がったようだ。

 

「ワッツ!?人手になるデビルをそっちに回せっていうワケ!?」

 

フェニックスの背の上でイラっとした表情を浮かべるアリナに対して事情を説明する。

 

「こっちだってミッションの最中なんですケド!」

 

「そこを何とかお願いします。貴女は二体同時召喚が出来るのです、一体ぐらい良いでしょ?」

 

片耳タイプのヘッドセットを手で抑えながら悩んでいると隣の仲魔がやる気十分な返事を返す。

 

「よし、我が捜索に向かおうではないか!」

 

「行ってくれるワケ?デカラビア?」

 

「フェニックスばかりに活躍はさせん!頼りないアドラメレクなんぞより我を頼るがいい!」

 

「西の番人にライバル心剥き出しなのはいいけど、ロストしないでヨネ?」

 

「うむっ、では行ってくる!馬手なんかよりヒトデの方が役に立つのを証明してやる!」

 

江東区に飛んで行ったデカラビアを見送ったアリナがヘッドセットのマイクを使って伝える。

 

「オーケー、そっちにヒトデを送っておいたカラ。使ってあげてヨネ」

 

「そちらも忙しいのに人手を送ってくれて感謝しますよ、アリナ」

 

アドラメレクが連絡を取っている間にもオロバスは鼻をヒクヒクさせながらアリスを捜索する。

 

東展示場の二階を捜索していると物陰からひょっこりアリスが顔を出してきたのだ。

 

「鬼さーんこちら、手の鳴る方へ♪」

 

挑発してきたアリスに怒ったオロバスは自慢の俊足を活かして追いかける。

 

(上手く食いついたわね……レナの変身には気が付いてないみたい!)

 

オロバスを挑発したのは固有魔法の変化を用いたレナであり、アリス姿で逃げ続ける。

 

隣の第四ホールにまで誘導するためにエスカレーターを飛び降りていくが後続も迫ってくる。

 

「ええい!ちょこまかと逃げ続けおって!アリス様のお転婆っぷりには本当に参ってしまう!」

 

追いかけ続けていたら喉が渇いたこともあり、アリスを追い詰める前に自販機に視線を向ける。

 

すると怪しい露天商のようなジュース販売所を見つけたこともあり近寄っていくのだ。

 

「えへ…えへへ……いらっしゃいませ!美味しいドリンクは如何ですか……?」

 

「お前は確か…さっきの魔法少女ではないか?ここで何をしている?」

 

「そ、そうなんですよ~!実はですね、ここに来たのはジュース販売のバイトだったんです!」

 

店の中にいたのは先程のかえでであり、怪訝な表情を浮かべながらもメニューに視線を向ける。

 

「ほう、野菜ジュースが豊富なようだな?我々悪魔は祝いの席以外ではベジタリアン生活だ」

 

「うちの家庭菜園で作った野菜ジュースなんです!良かったら飲んでいってくださいね♪」

 

「うむっ、それではこれを貰おうか」

 

魔力で生み出した怪しいジュース販売所の中で野菜ジュースをミキサーにかけていく。

 

すると彼女はおもむろに魔法少女衣装のポケットから怪しい薬を取り出し、ミキサーに入れる。

 

出来上がったジュースを一息で飲み干した時、オロバスは気が付くだろう。

 

イベントも行われていない東京ビッグサイトにジュース販売所など来るわけがないのだと。

 

「むおっ!?ウゴゴゴゴ!!?な、なんだ……?急激に腹が痛むぞ……!!?」

 

謀られたと気が付いたオロバスはかえでを殺す余裕もなくトイレに駆け込んでいく。

 

見送る彼女の口元には不気味な笑みが浮かぶばかり。

 

「ふゆぅ……レナちゃん並みにお馬鹿なお馬さんだったね」

 

マヌケなオロバスの姿が賞味期限が切れたデザートを鞄に入れたまま食べるレナと重なるのだ。

 

大慌てで男性用トイレに駆け込むオロバスの後ろをついてくる浮遊女性がいる。

 

「フゥゥゥゥゥ……危なかった。危うく大恥を晒すところだった……?」

 

大きい方をひり出していた時、扉の上から女性の頭部が見えてくる。

 

鼻を摘まんだまま不快な表情を浮かべつつも不敵な笑みを浮かべるのはパールヴァティなのだ。

 

「ままま待て待て待て!!ここは男性用トイレだぞ!?用を足している最中なのだぞぉ!!」

 

「悪魔の戦場は場所など選びませんことよ。敵がうろつく戦場でトイレなんて自殺行為ですわ」

 

片手の指を持ち上げていけば炎が浮かび上がり、立ち上がって逃げようとしても遅過ぎる。

 

<<アギャパァァァァァーーッッ!!?>>

 

敵単体に特大威力の火炎属性攻撃を放つ『アギバリオン』が決まったことで馬悪魔は消失する。

 

男性用トイレから出てきたパールヴァティを待っていた魔法少女達に向けて親指を上げるのだ。

 

「貴様らァァァーーッッ!!よくもオロバスを罠にかけましたね!?絶対に殺す!!」

 

アドラメレクに見つかってしまったパールヴァティ達がキャーキャー言いながら逃げていく。

 

女性達を追いかけるラバ悪魔は彼女達に振り回される本末転倒ぶりを見せるのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「フフッ♪なんだか知らないけど魔法少女のお姉ちゃん達とおじさん達が潰し合ってる♪」

 

西展示棟に逃げていたアリスであるが追ってこないため様子を見に来ている。

 

東展示棟の屋根はガラスのように透けているため屋根に立ちながら下を観察しているのだ。

 

「お姉ちゃん達には助けてもらっちゃったし、お礼にワタシのオトモダチにしてあげよっと♪」

 

悪巧みをしている彼女であったが、そんな彼女に目掛けて突っ込んでくる悪魔が現れる。

 

「フハハハハハァ!!この我から逃げられると思わないことですぞ~アリス殿!!」

 

慌てて夜空を見上げればヒトデ悪魔が降ってくる。

 

「ヒトデおじさんーーッッ!!?」

 

強引な体当たりを浴びたアリスがガラスを突き破って東展示棟の二階に落ちてくる。

 

「ムギュ~~ッッ!!」

 

デカラビアに潰される形で拘束されたアリスであるが、レナ達とアドラメレクがやってくる。

 

「ムゥ!?貴様はデカラビアではありませんか!何をしに現れたのです!!」

 

「見れば分かるであろう?アリスを捕まえに来たのだ。無能な西の番人では重荷だからなぁ」

 

アリスを押し倒したままゲラゲラ嘲笑うデカラビアの挑発に激怒したラバ悪魔が駆けてくる。

 

「アリスを拘束したのは助かりましたが……手柄は私が頂いていきますよぉ!!」

 

「な、なんだとぉ!?グハァァァァーーーッッ!!?」

 

豪快に蹴り飛ばされて飛んでいくヒトデ悪魔の隙をついたアリスが立ち上がって駆けていく。

 

「うえぇぇぇん!!助けてお姉ちゃん達~~っ!!」

 

「助けてあげてもいいけど、かりんの事を教えてくれるのが条件よ!!」

 

「誰かは知らないけど教えられることなら教えてあげるから助けて~~っ!!」

 

「逃がしませんよォォォォーーッッ!!お待ちなさァァァーーーーい!!」

 

ビックサイト内部で盛大な追いかけっこが始まってしまう中、デカラビアは海を漂う。

 

目を回しながら海の中を漂っていた時、何やら体中が痛いことに気が付いて目を覚ます。

 

<ムォォォォーーッッ!?き、貴様ら何をしている!?やめろぉぉぉーーッッ!!?>

 

ヒトデ悪魔を大きな餌だと勘違いして噛み付くのは東京湾に住まう無数の海産物達。

 

これはたまらんと激怒したデカラビアは水中でメギドラビームを発射しまくる。

 

万能属性ビームが埋立地に立つビックサイト周辺を貫通してしまったことで地盤が崩れていく。

 

「な、何なの!?ビックサイト周辺が崩れていくじゃない!!」

 

「ふみゃみゃ!!?た、大変だよぉ~~~っ!!」

 

大地が崩れるようにして砕けていき、崩壊に飲まれてしまう魔法少女と悪魔達。

 

<<キャァァァァーーーーッッ!!?>>

 

地中の高床式建築で出来たビックサイト周辺の地下は巨大な空間が広がっている。

 

そこに落ち込んでしまったレナ達は海水が大量に流れ込む中を必死に泳いでいくようだ。

 

「ヒィィィィーーーーッッ!!こんな場所でレナ死にたくないーーっ!!」

 

「レナちゃんは水属性なんだし!どうにかしてよぉぉ!!」

 

「そんな都合のいい魔法なんて持ってないわよーーッッ!!」

 

機械室の突起に掴まり海水で流されてしまわないよう足掻くのだが悪魔達は容赦してくれない。

 

「飛ぶ力もない非力な魔法少女は情けない限りですね!後で折檻してあげましょう!」

 

孔雀の羽を纏うアドラメレクが浮遊しながら下りてきて周囲を見回す。

 

見つけたのは同じように突起に掴まって海水で押し出されないよう足掻くアリスなのだ。

 

「チェックメイトですよ!お尻ぺんぺんでは済まさん!連れ帰って私の衣装を試着させる!!」

 

「ヒィィィィーーッッ!!ラバおじさんの変態衣装の着せ替え人形になるのはいやぁーっ!!」

 

浮遊してくるラバ悪魔に捕らえられそうになった時、空からライバル堕天使が飛来してくる。

 

「貴様ーっ!!さっきはよくもやってくれたな!!手柄は我のものだぁーーっ!!」

 

上を向いた瞬間デカラビアのヒトデの先端がぶつかり、大きなこぶを作って倒れ込む。

 

荒れ狂う海水の中にドボンと落ちた堕天使達は掴み合いながら殴り合いを始めていく。

 

「東の番人なんかに負ける西の番人ではない!!貴様なんぞ海中で海産物の餌になれぇ!!」

 

「危うくそうなりかけた!!西の番人こそエグリゴリを引退してファッション界にでも行け!」

 

「そうしたいのも山々ですがハルマゲドンが迫ってましてね…その前に貴様と決着をつける!」

 

殴り合いながら激流に流されていった堕天使達を尻目にレナ達も足掻こうとする。

 

「頼りにならないレナちゃんの代わりに私がどうにかしてあげるよ!!」

 

左手に魔法の杖を生み出したかえでが杖を用いて魔力を行使。

 

すると激流の中から太い根が飛び出しながら編まれていき、花の根で編まれた船が出来る。

 

どうにかして船に掴まった魔法少女達が乗り込みながら激流に流されていくことになるのだ。

 

「ふぅ……どうにか助かったわね。流石はレナの下僕よ」

 

「その下僕より頼りにならないレナちゃんってさ……恥ずかしくないの?」

 

「う、うっさいわね!!かえではレナを支えてくれたらそれでいいのよ!」

 

ジト目を向けてくるかえでに対して顔を背けていた時、もう1人の乗組員に気が付いてしまう。

 

「えへへ♪お姉ちゃん達には助けてもらっちゃったし…特別なオトモダチにしてあげる♪」

 

「「えっ!!?」」

 

乗り込んでいたのはアリスであり、不気味な笑みを浮かべながら魔力を吹き上がらせていく。

 

「ねぇ、カワイイお姉ちゃん達♪死・ん・で・く・れ・る?」

 

アリスに殺されそうになった時、激流の中から飛び出してくる堕天使達が現れる。

 

「今は貴様と喧嘩している場合ではない!!アリスを連れて帰らなければ後が怖いのだぁ!!」

 

「ベリアル殿とネビロス殿を怒らせるわけにもいかん……こうなれば共同戦線だぁ!!」

 

争い合っていた東西の番人達であるが保身に走って協力体制を築きながら迫ってくる。

 

「あらら…しつこいおじさん達だね。お姉ちゃん達は…カワイイアリスを守ってくれるよね?」

 

「「怖いこの子は差し上げます!!」」

 

「ちょっとーーーっ!!?」

 

掴んで持ち上げたまま生贄を渡そうとするレナとかえでに対してアリスがジタバタ暴れてくる。

 

しかし高く持ち上げていたため後ろから迫る伸びた突起物の一撃を浴びることとなってしまう。

 

「グフッ!!?」

 

持ち上げられていたアリスの後頭部に突起物が激突したことによりアリスが伸びてしまう。

 

倒れ込んだアリスをものにしたレナ達であるが、堕天使達が空を飛びながら迫ってくる。

 

「こっちに来ないでったら!!レナ達を見逃しなさいよ!!」

 

「見逃せと言われて見逃すお馬鹿な堕天使など存在しないのです!!」

 

「こいつは馬でも鹿でもなくラバだからなぁ!間違うでないぞ小娘共!」

 

「ヒトデでしかない貴様に言われたくはない!!」

 

アドラメレクとデカラビアが炎魔法を用いて火球を放つのだが、かえでは根の魔法を行使する。

 

激流の中から飛び出す根によって船がカーブしていき炎魔法を上手く避けていく。

 

反撃としてレナは次々と槍を生み出しながら投的するのだが空中を飛ぶ堕天使には当たらない。

 

「ちょこまかとすばしっこいわね!!だったらこれでどうよ!!」

 

槍を頭上で一回転させたレナがマギア魔法を行使して鏡を縦に生み出していく。

 

複数の並んだ鏡に映ったレナ達が壁に目掛けて槍を投的。

 

縦に並ぶようにして壁に突き刺さった攻撃を見た堕天使達がゲラゲラと嘲笑ってくる。

 

「馬鹿め!何処に向かってなげているのだ!!」

 

「堕天使に追われる恐怖で頭が狂ったようだな!観念してお縄につ……ゴハァ!!?」

 

何が起こったかも分からない状態で顔面を強打する駄天使達。

 

彼らの顔面を強打したのは壁に突き刺さった槍の石突き部分が伸びてきた一撃だったのだ。

 

再び激流の中に堕ちていった悪魔達を見たレナがガッツポーズを浮かべてくる。

 

「どんなもんよ♪レナだってやれば出来る子なんだから♪」

 

「調子に乗ってる場合じゃないよレナちゃーーーん!!!」

 

「えっ?ゲェェェェーーーッッ!!?」

 

彼女達が見た光景とは雨水の貯蔵タンクが収められた広大な空間に浮かぶ瓦礫の数々。

 

船が入り込む隙間もないまま流されていき、根の船は瓦礫に激突することとなってしまう。

 

<<アレェェェェーーーーッッ!!!>>

 

激流の中へと放り出された少女達は東京湾に目掛けて流されていくばかりであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

暗い東京湾に浮かび上がっているのはアドラメレクとデカラビア、それにアリスの姿。

 

それを見つけたのは東京から脱出する輸送ヘリの一団であり、一機が海面まで下りてくる。

 

海面に浮かんだグルグル目のデカラビアに掴まっているアリスは全てを諦めた顔つきである。

 

「グスッ…赤おじさんと黒おじさんの目を盗んで遊びに来たのに…何も得られなかった…」

 

結局アリスは助け出される形で本霊の元へと帰ることとなってしまったようだ。

 

同じく回収されるデカラビアとアドラメレクであるが、デカラビアは主の元に帰る余裕がない。

 

一向に帰ってこない仲魔に対して主人のアリナはMAGの供給を止めてしまう。

 

「ハァ…やっぱりヒトデはロストしたワケ?これだからデビルの単独捜査は怖いんですケド」

 

サマナーとして悪魔を使役することの難しさをまた一つ学ぶアリナであったのだ。

 

一方、同じように海面に浮かんでいるのは海水を飲み込んでパンパンに膨れたレナの姿。

 

浮き輪のように腹が浮かんでいる彼女に掴まっているのはかえでであり、大きく溜息をつく。

 

「レナちゃんのパンパンっぷりのお陰で助かったけど…結局情報を掴めなかったね…」

 

グルグル目をしたレナに掴まりながらどうやって帰ろうか考えていた時、声が聞こえてくる。

 

「貴女達ーーっ!!無事で良かったですわ~~っ!!」

 

空を飛んでくるのはパールヴァティであり、ホッとした表情を浮かべるかえでがレナを見る。

 

「ほら、帰るよレナちゃん!いつまでパンパンなの!パンパンなのはオッパイだけでいいよ!」

 

「ゴフゥ!!?」

 

豪快に腹を殴られたレナの口から噴水のように海水が飛び出す中、パールヴァティが救出する。

 

グルグル目が治らないレナは悪魔との鬼ごっこはもうこりごりだと嘆くのであった。

 




寝る前に酒飲んだ勢いで書いた。
反省はしていない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。