人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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306話 人の心がアバドンを生む

東京都を首都だと直接規定した法令はないが、東京都を日本の首都だと認識するのが一般的だ。

 

国家機関だけでなく企業等も密集するため国の政治、経済の中心を占める重要な存在である。

 

そのため日本国民の精神的支柱であり、それに日本の世界権威である天皇陛下がおられた都。

 

それを両方失ってしまった日本は国家存亡の大打撃を被ったと考えるのが一般的だろう。

 

首都と皇帝が陥落したことで国が滅亡した歴史の例をあげるなら東ローマ帝国が有名である。

 

東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルの陥落が原因となり東ローマ帝国は崩壊したのだ。

 

日本も同じ末路になると世界中の人々が考えているようだが、日本政府は未だに健在である。

 

東京崩壊は予め日本や欧米を金融支配するユダヤ財閥と黒の貴族達が起こしたもの。

 

数十年前から計画されてきたものだからこそ、滅ぼす東京の代わりになる首都を計画したのだ。

 

そのために生み出された新興都市の名称こそが見滝原市と神浜市。

 

この新興都市は東京の政治、経済、金融、軍事等の主要機能を移転させるために生まれたもの。

 

政治と軍事は見滝原市に分けられ、経済と金融は両方の都市に分けられているようだ。

 

そのため東京が滅びようと経済崩壊は起こしておらず、日本円の価値は減少に歯止めがかかる。

 

日本円を大量に所有する金融資本家のマッチポンプなのだから今だに飼い殺しにするのだろう。

 

見滝原市や神浜市、それに風見野市等を含めた関東一円を第二新東京にする案も浮上している。

 

しかしそれを決めることになるのは次の内閣政府の仕事になるのだろう。

 

現在の内閣は首都を守れなかった責任を取り、総辞職するとマスコミを通じて報道されている。

 

内閣不信任決議案が可決された事で総辞職することになり、日本の行政は一新されるのだ。

 

それに伴って解散総選挙も行われることになり日本全国で衆議院総選挙が催されるのだろう。

 

「誰が日本の行政の長になろうが結果は同じだ。日本は我々在日同胞とユダヤ財閥のものだ」

 

次の総理大臣が任命されるまでは職務執行内閣の代表を務めることになるのが現職総理大臣。

 

八重樫総理大臣は苦虫を嚙み潰したような表情をしながらも職務をこなす毎日のようだ。

 

「天皇陛下が死んだ今、国事行為をする者がいない…次の総理は国会議決だけで決まりますな」

 

応接ソファーに座っているのは元防衛大臣を務めていた西大臣の姿である。

 

彼は東京テロの制圧任務における責任者であるため、これを機に日本の政界を引退するという。

 

しかしそれは表向きの理由であり、彼は大魔王が送り込んだ悪魔工作員である。

 

サード・インパクトを達成したこともあり、エグリゴリの堕天使として元鞘に収まるのだろう。

 

「それにしてもヤタガラス共め…天皇陛下を御守り出来ないとは…何たる役立たず共だぁ!!」

 

拳を机に叩きつける八重樫の怒りとは在日朝鮮人が日本を支配する象徴を失った無念の感情。

 

孝明天皇を暗殺して替え玉の在日朝鮮人を天皇にすり替えてまで長州閥の支配を固めてきた。

 

それが台無しになったのだから田布施マフィア連中は血涙を流す程にまで悔しいのだ。

 

「どうして天皇陛下があの時期に東京におられる必要があった!?宮内庁の幹部は糞共だ!!」

 

「宮内庁上層部は皇族出身者で固められている…ならばヤタガラスが組んだと考えられますね」

 

「…何が言いたいのかね、西君?」

 

「ヤタガラスにとって、天皇陛下が消えてくれた方が都合が良かったのでは?」

 

それを聞かされた八重樫総理は押し黙ってしまうが、言いたいことは理解している。

 

「まさか…秦氏の連中が謀反を狙っているというのかね…?」

 

「証拠が無いのでそこまでは言い切りません。連中が何を狙おうが無駄なのですから」

 

「そうだな…戦後のヤタガラスが生き残れたのはユダヤ財閥に飼われたからだったな」

 

「これからもヤタガラスは啓明結社の下部組織として飼われていくでしょう。日本共々ね」

 

これからの日本支配のことを考えるのも疲れてきた八重樫総理は背もたれに深くもたれかかる。

 

「随分と長い間…政界で居座りながら儲けさせてもらったが、そろそろ私も引退したいものだ」

 

政界の古狸と言われてきた男も老齢であり、残りの人生はザイオンで静かに暮らしたい。

 

政治の陰謀に付き合うのはもうコリゴリだと愚痴を零した時、西大臣の口元が不気味に笑う。

 

「どうですか、今夜は一杯?見滝原郊外の高級住宅街には会員制の料亭もあるのでしょう?」

 

「オススメの料亭はあるのだが…いいのかね?こんなご時世で風当りも強いというのに…」

 

「構いませんよ、総理。ヤジを飛ばしてくる者も腰抜け揃いなのだから気にする必要はない」

 

辛い現実を飲んで忘れるのもいいかもしれないと八重樫総理は渋々付き合うことになる。

 

遅くまで職務をこなした総理は台北101とよく似た新たな政府ビルから出てくる。

 

内閣府や各省庁が収められた超高層ビルこそが新たな日本の政府であり、見滝原に存在する。

 

見滝原政治行政区として整備されたこの区画こそが新たな永田町、霞ヶ関となるのだろう。

 

しかしそれも臨時のものであり、最終的にはザイオンシティが新たな日本となるのだ。

 

「表に車を待たせないで裏口に用意するとはどういう事なのだ…?」

 

政府ビルの裏口で政府車両を待たせてあった八重樫総理は怪訝な顔つきのまま車に向かう。

 

護衛の黒スーツ姿の男が車の後部座席の扉を開けてくれたので中に入ろうとした時だった。

 

「な、なんだぁ!!?」

 

突然ずた袋のようなものを頭に被せられたことで総理はパニックとなってしまう。

 

その後に電流のようなものが体にバチッと走ったことで彼の意識は途絶えてしまうのだ。

 

「連れていけ」

 

拘束された総理を乗せた政府車両が何処かに向かって走行していく。

 

後を追う政府車両の車内にいる西大臣は愉悦を堪え切れずに高笑いをするのであった。

 

……………。

 

「た……助けてくれぇぇぇーーーーッッ!!!」

 

意識が戻った八重樫総理の体は両手を手錠で繋がれており、両足は鎖で繋がれている。

 

繋がれた鎖の先にあるのは軍用の輸送ヘリであり、着陸用のそりの部分と繋がっているのだ。

 

何が起きているのか理解出来ない者に近寄ってきた兵士がずた袋を取ってくれる。

 

驚愕した顔つきを浮かべる彼の前にいたのはニヤけた表情の西大臣と在日米軍司令官なのだ。

 

「八重樫、西大臣から聞かされたぞ。日本を支配しているのはユダヤ財閥と田布施なのだとね」

 

日本で勤務する期間が長かった在日米軍司令官は流暢な日本語を用いて嘲笑ってくる。

 

「勘違いするなよ朝鮮人共。貴様らは米国植民地の管理を我々がやらせてる雇われ人共なのだ」

 

「どうして私がこんな目に合う!?日米合同委員会の命令を実行してきた貢献者なのだぞぉ!」

 

「だから何だ?貴様らは我々米国が支配する奴隷なのだから、いつ首を切ろうが我々の自由だ」

 

「ここは見滝原米軍基地ですよ、総理。貴方も政界に疲れたようですし遊覧飛行に行きますか」

 

西からそう言われたことで自分も米軍に暗殺された竹下総理と同じ末路を遂げると理解する。

 

「や、やめてくれぇ!!私はまだ役に立つから生かしてくれぇぇぇぇーーッッ!!」

 

涙を流しながら喚き散らす八重樫の元にまでやってきた西が足を持ち上げながら踏み付ける。

 

「ぐふっ!!」

 

八重樫の頭を踏み付けてグリグリしながら怒りの表情を西は浮かべていくのだ。

 

「この豚総理め…魔王であるこの私が貴様のような醜い人間の下で働く屈辱は堪えたぞ…」

 

「魔王だと!?君はまさか……イルミナティのスパイなのか!?」

 

「その支配者様だ!!高貴なる私が工作員として働く立場にさせられた屈辱も今日までだ」

 

「後生ですから勘弁してください!!貴方様のために身命を懸けて働きますから!!」

 

「必要ない。貴様の仕事は副総理が務めるし、それも次の雇われ総理が引き継ぐだけなのだ」

 

右手の指をバチンと鳴らせばヘリのローターが回転し始める。

 

「貴様の断末魔の叫びが私の屈辱を癒してくれる。さぁ行くか、死の遊覧飛行にな」

 

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁーーーーッッ!!!」

 

人間に擬態したアザゼルを乗せた輸送ヘリが上昇したことで繋がれた鎖も伸びていく。

 

ヘリに牽引される形で宙吊りになった八重樫は冷たい海水が広がる見滝原湾に向かうのだ。

 

「ガボガボガボガボガボガボッッ!!!」

 

低空飛行しながら下でぶら下っている人間の体を海水に浸けては持ち上げる事を繰り返す。

 

これこそが不審死した竹下総理の変死の光景であり、売国総理の八重樫も同じ末路になる。

 

「ハッハッハッ!!泣け!喚け!そして死ねぇ!!豚のような悲鳴を上げながらなぁ!!」

 

散々拷問した末に八重樫は海のどざえもんとなって溺死する末路となるのだろう。

 

彼もまた日本に蔓延る不審死の仲間入りを果たすことになってしまう。

 

この光景こそ米国の日本支配であり、在日米軍の本来の目的である日本の武力支配。

 

かつてロシアの大統領が来日した時、日本の総理大臣に対してこんな言葉を残している。

 

――()()()()()()()()()()()()()()

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

総選挙が迫り日本各地が慌ただしくなる中、二木市でも選挙の準備が進められている。

 

日本の新たな首相を目指すのは去年まで二木市長を務めていた紅晴市長の姿であった。

 

「なぜ私が次期衆議院議員総選挙に出馬することが認められないのだ!?」

 

所属する政治団体の者達が出馬は見送った方がいいと止めてきたため紅晴市長は激怒する。

 

彼は二木市の保守党に所属する者であり、日本のグローバル政策を断固反対する立場にある。

 

欧米に売られた日本を立て直したい一心で国政出馬を決めたようだが他の者はいい顔をしない。

 

「貴方は自身が主導した市議会リコールの署名数が法定数を下回ったために引責辞任した者だ」

 

「出直しのための国政出馬であろうと先の失敗が尾を引いている上に…その……」

 

「何だ…?他に何の不満があるというのだ…!?」

 

言うべきか迷う地方議員の者達であるが、それでも伝えなければならないと決断する。

 

「紅晴さん、貴方の娘さんは二木市にある虎屋町学園では評判のようじゃないですか?」

 

「む…娘の話と私の国政出馬に何の関係があるというのだ…?」

 

「評判というのは悪い意味での評判でね、貴方の娘さんは……ワクチン接種を拒んでますね?」

 

背中に極太の氷柱を捻じ込まれたようにして顔が青ざめた紅晴市長が震えた声を出していく。

 

「確かに私の娘は何故かワクチン接種を拒んできた娘だ…それと国政出馬の何が関係してる!」

 

「東京テロのニュースを見ておられないのですか?あのテロは反ワクチン派が起こしたものだ」

 

「その反ワクチン派テロリスト共と同じくワクチンを接種しない娘を持つ貴方が国政に出る?」

 

「それこそ国中から非難が集まるでしょうな。マスコミはスキャンダルを追うハイエナ共だし」

 

「東京を滅ぼし陛下を亡き者にした反ワクチン派は許されない。貴方は出馬するべきじゃない」

 

娘の頑なな我儘のせいで日本の国政に出馬出来ない。

 

それがどれ程の無念と憎しみを父親の心に植え付けたのかは計り知れない。

 

彼の娘である紅晴結菜は二木市の魔法少女リーダーであるのだが父親は彼女の正体を知らない。

 

そのため彼女が魔法で病魔を治療出来ることを知らず、注射嫌いな娘にしか見えないのだ。

 

怒った父親は娘にワクチン接種を今直ぐ行えというが娘は頑なに拒絶してくる。

 

「未知の病魔が流行して間もないのに新薬が出来るわけないじゃない!そんなの打たないわ!」

 

「いい加減にしろ!!日本や世界の人々が国を守るためにワクチン接種してきたんだぞ!!」

 

「全体のためだと言って胡散臭いワクチンを接種させることが正義なの?そんなの認めない!」

 

「お前だってニュースは見てるだろ!今は日本存亡の危機に直面した国難の時代なんだぞ!!」

 

「だからと言って娘の体に安全性が疑わしい新薬を入れようだなんて…親の恥晒しよぉ!!」

 

紅晴結菜は正義感に熱い少女であり、魔法少女になったのは生徒会の不正を正すため。

 

生徒会の選挙制度の改正が認められるように反対している人の心を変えて欲しいと願った者だ。

 

生徒会長としても不正や汚職を許さず、リーダーとして鋭い観察眼を持ってきた少女である。

 

そのためワクチンを頑なに接種させようとする父親の魂胆さえも見透かしているのだろう。

 

「国政選挙に出たいなら堂々と出馬すればいいわ!娘を生贄にして出馬するのは卑怯者よ!!」

 

「こ……この……ッッ!!!」

 

打とうとするが鬼の剣幕を崩さない娘に対して振り上げた手を力無く下ろしてしまう。

 

感情が搔き乱された事で突然父親の体調が悪くなり、片膝をついてしまうのだ。

 

心配した娘が手を差し伸べようとするが怒りに震える父親は娘の手を叩き落としてしまう。

 

「お前は昔から自我が強過ぎる…私と同じ政治家にするために進学校に行かせたかったのに…」

 

父親は娘を政治家にするために進学校を希望させたかったが彼女はそれを断る。

 

自分の実力より低い虎屋町学園に入学し、生徒を縛る理不尽な校則と戦うために生きた者。

 

自分を曲げない芯の強さは父親譲りなのかもしれないが、だからこそ互いに妥協出来ないのだ。

 

「お前は私に逆らうばかりだ…一体誰のせいで…こんな我儘な娘になってしまったのやら…」

 

ふらつきながらも立ち上がった父親が自分の書斎へと消えていく。

 

見送る娘はその背中に対して何も声を掛けられなかったようだ。

 

書斎の椅子に座り込んだ父親は心臓の動悸が止まらずに苦しみだし、机に体を倒しこむ。

 

うつぶせになりながらも口にするのは我儘な娘に対する憎しみの呟きばかりである。

 

「あいつは…私の期待を裏切ってばかり…そんな憎いあいつを…育てる価値は…あるの…か?」

 

ワクチン接種を行ってからというもの、結菜の父親は体の不調だけでなく心の不調も多い。

 

自分で感情が制御出来なくなり、今にも暴れる患者になりかねない衝動を押し殺してきた。

 

しかし今日の親子喧嘩によって憎しみの感情が止まらなくなり、自分自身に恐怖していく。

 

「私は…何を言って…?結菜は可愛い一人娘なんだぞ…?私が守らないで…誰が彼女を…?」

 

理性と感情のせめぎ合いによって酷く苦しむ父親は何度も何度も書斎の机に頭をぶつける。

 

血が出るまで額を机にぶつけたまま倒れてしまっていたのだが、不気味な笑い声が響きだす。

 

「そうだ…私が育ててやったんだ…下げたくもない頭を下げながら…私が育ててやったんだ…」

 

顔を上げていく結菜の父親の顔つきはまるで悪魔のようである。

 

血管が顔中に浮かんでおり、眉間にシワを寄せ切った鬼の表情を浮かべる男がこう口にする。

 

「あいつの美しい体は私が稼いだ金で形作られたもの…私のものだ…私の財産なのだ…」

 

ふらつきながら立ち上がる彼は体の内側が酷く痛いのか盛大に掻き毟っていく。

 

白シャツまで引き千切る程の腕力まで見せながら自分の上半身を痛めつけていく。

 

「私が…私でなくなる…?結菜…逃げるんだ……結菜ァァァーーーーッッ!!!」

 

叫びと共に体が膨張していき、体の内側を何かが突き破ろうとしていく。

 

父親の叫びを聞いた娘が屋敷の通路を走りながら書斎の扉を勢いよく開けてくる。

 

「あっ……あぁ……アァァァァァァァ……ッッ!!?」

 

一人娘が見た光景とは、実の父親が悪魔に変化する凄惨な光景であった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

未知の病魔のワクチン開発は門倉が代表を務める財団が多額の資金援助を行っている。

 

その彼から資金援助を受けていたドクタースリルはこんな言葉を口にしているのだ。

 

ワクチンの安全性が保障されたことなど今まで一度もない。

 

インドのポリオワクチン接種被害やアフリカの接種被害から何も学ばなかった。

 

門倉が生み出すワクチンこそが世界を地獄に変える地獄門なのだと表現した。

 

そして大魔王ルシファーもまたこんな言葉を残しているだろう。

 

遺伝子ベースワクチンの定期接種こそが人類を滅亡させる。

 

外来遺伝子が体内の細胞に入り込み循環することを許した時、あらゆる病魔が襲い掛かる。

 

遺伝子が強くなるにつれて害は益々大きくなる。不妊と後遺症で人類の数を調整するのだ。

 

そして最後にルシファーはこう言っている。

 

世界が魔界と一体化した時こそ()()()()()()()()()()

 

同じ光景が生まれたのはコドクノマレビト事件なのだと悪魔達は言葉を残したのであった。

 

……………。

 

「そんな……そんなぁぁぁぁぁ……ッッ!!!」

 

涙を流しながらへたり込む結菜の前で屹立したのは父親を媒介にして魔界からやってきた鬼。

 

「フゥゥゥゥ…怨念のMAGが溜まった器の中に入り込んだ方が召喚されるよりも効率がいいぜ」

 

岩のように固い肌をした筋骨隆々の男悪魔が不気味な笑みを浮かべてくる。

 

しゃちほこのように勃起した頭部に鎧のような体、下半身は刺繍された半ズボンを纏う者。

 

巨大な薙刀のような武器を担ぎながら異界を構築する者こそ鬼の種族の中でも高位の妖鬼だ。

 

【キンキ】

 

天智天皇または村上天皇の御代の頃、朝廷に対して反乱を起こした金の鬼。

 

藤原千方が従えた四鬼の一つであり、鬼とは修験者か忍者だったとも言われている。

 

金鬼は身体が金属のように硬く、弓矢等の武器が全く通用しなかったという。

 

だが朝廷討伐軍大将・紀朝雄に和歌を贈られるとその呪の力で四鬼は退散させられたとあった。

 

「私の父は何処に行ったのよ……私の父を返して頂戴!!」

 

「何言ってんだぁ?テメェの親父なら目の前にいるだろうがぁ?」

 

「な…何ですって……?」

 

「オレはテメェの親父を器にして魔界からこっちに現れた悪魔なんだぜぇ?愛しい娘よ」

 

結菜はキュウベぇから呼び出されて魔獣の消滅と悪魔の存在について聞かされている。

 

新たなる獣となる悪魔が魔界からやってくると聞いたが、人間が悪魔化するとは聞いていない。

 

昔から聞かない内容は伝えない生き物だと知っている結菜だからこそ原因を追究しようとする。

 

「どうして父が悪魔化しないとならないのよ!?一体どうやってそんな真似をしたというの!」

 

「ヘッヘッヘッ、テメェらマヌケが社会を救うためとか言って打ち込んでくれた毒薬のお陰さ」

 

「ワクチンが悪魔化の原因ですって…?なんでワクチンを体に入れたら悪魔になるのよ!?」

 

「ワクチンの中身にはな、()()()()()()()()()()()()。人間にMAGを与えるが副作用も強い」

 

蟲毒の丸薬とは悪魔召喚師一族の供倶璃家が残したMAGを練り上げるための毒薬である。

 

蟲毒という呪術は飢餓状態の生物が生み出す欲深さを力に変える呪術。

 

牛の悪魔を生贄にして作られた丸薬は強い飢餓感を糧として人間に膨大なMAGを与えてくれる。

 

しかし副作用も強く、欲深き人間が用いれば悪魔の如く感情が制御出来なくなってしまう。

 

そして知らぬうちに体に練り上げられた膨大なMAGが溜まった器の中に魔界の悪魔が飛び込む。

 

すると体内で練り上げられてしまったMAGを媒介にして人間を悪魔化させることも出来るのだ。

 

これによって大正時代の帝都で人間達が悪魔化してしまう大惨事が起きてしまったのであった。

 

「ヒャーハッハッハッ!!人の善意は地獄への片道切符!人助けなんてするもんじゃねーな!」

 

「みんな国やメディアに騙されていたのね…?国やメディアまで支配する存在が悪魔なの!?」

 

「その通り!!ルシファー閣下が治められた資本主義世界構造こそ、弱肉強食の世界なのさ!」

 

「許さない……私の父の体を返しなさい!!私の父を今直ぐ元に戻してぇ!!」

 

「嫌なこった!こいつはもうオレになっちまったんだよぉ…二度と元には戻らないぜぇ!!」

 

かつて魔女になった魔法少女達が戻れなかったように、悪魔になった人間も元には戻れない。

 

ソウルジェム指輪から絶望の穢れが生み出されていき、結菜の目にも大粒の涙が零れていく。

 

「喧嘩ばかりしたけど大事な父親だったのよ…?私…これからどうやって生きたらいいの…?」

 

「先の心配なんてしなくていいぜ。今から始まるのはレイプパーティだ!派手に踊れや!!」

 

そこまで豊満な肉体をしていない結菜であるが、下半身は十分育っている。

 

女の水の世界を求める悪魔達は魔法少女を凌辱するために迫る中、立ち上がった彼女が駆ける。

 

書斎から飛び出して廊下を走り逃げるが既に周囲は異界化しており脱出口が消えているのだ。

 

「キャアッッ!!?」

 

背後から迫る風切り音に反応して伏せた彼女の頭上を巨大な薙刀が通過していく。

 

廊下の壁を削りながら飛んでいった武器を手放した者が拳を鳴らしながらやってくる。

 

「チッ、オレには狭い屋敷だぜ。暴れ回ったら屋敷の解体工事にしかならねーなぁ」

 

ただでさえ魔力回復出来ていない状態なのに未知の悪魔が迫ってくる。

 

父親を殺されて精神もボロボロであり、結菜は絶体絶命の状況に追い込まれてしまう。

 

しかし聞こえてきたのは狂ったような笑い声。

 

「フフッ……フフフッ……アハハハハハハハハ……」

 

魔法少女に変身しながら立ち上がっていく彼女は気が触れたような笑みを浮かべる。

 

「これが……殺意なのねぇ……」

 

かつての魔獣と戦っていた時でさえ、これ程までに相手を殺したいと思ったことはない。

 

湧き上がるのは憎しみの報復心であり、笑みが止まった瞬間に眉間にシワが寄り切る。

 

その表情はまるで鬼娘であり、妖鬼に負けないぐらいの恐ろしさを相手に与えるだろう。

 

「私の全てを奪い取った悪魔の存在を絶対に許さないわぁ……一人残らず殺し尽くす!!」

 

「ヒャハハハハ!いいツラするじゃねーかぁ?ヤクシニーの姐さんに負けない鬼の表情だぜ!」

 

「私は本物の鬼になってやる……悪魔共を屠り尽くす復讐の鬼になってみせるわぁ!!」

 

「それでこそオレの娘だ!!妖鬼のオレが鬼とはどんなものなのかをレクチャーしてやらぁ!」

 

右手を掲げた瞬間、飛んでいって壁に突き刺さった巨大薙刀が戻ってくる。

 

ブーメランのようにして背後から飛んでくる刃物に対して振り向きながら武器を生み出す。

 

生み出された魔法武器とは両手持ちの棘付き棍棒であり、絵本の鬼が用いるようなもの。

 

迫りくる武器を力任せに叩き落とした彼女が振り向き、鬼の棍棒を妖鬼に向けてくる。

 

「悪魔からは逃げられないというのならぁ…私は人としての人生を捨てる。鬼の人生を生きる」

 

「これからのテメェらの人生は狩られる者だ。悪魔共が死ぬまで追いかけていくことになるぜ」

 

「構わないわぁ…むしろ好都合よぉ。この命が燃え尽きるまで私は悪魔を殺し続けるわぁ!!」

 

岩のように固い肌をした剛腕を振りかぶったキンキが豪快なパンチを放ってくる。

 

迫りくる拳に対して結菜は両手持ちで構えた棘付き棍棒で唐竹割りを放つ。

 

ぶつかり合う音は金属同士がぶつかるような音であり、これからの戦いの激しさを語るだろう。

 

東京消滅によって世界は魔界と繋がったことにより、もはや人類に逃げ場などない。

 

国を救うためという化けの皮に騙された善良な人々がワクチンを打ち、悪魔と化す世界。

 

人々の善意が奈落の門を開いていき、その魂は悪魔の供物となっていくだろう。

 

イタリアの詩人ダンテが残した叙事詩の中にある地獄の門はこのように表される。

 

我を過ぐれば憂ひの都あり、我を過ぐれば永遠の苦患あり、我を過ぐれば滅亡の民あり。

 

義は尊きわが造り主を動かし、聖なる威力、比類なき智慧、第一の愛、我を造れり。

 

永遠の物のほか物として我よりさきに造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ。

 

汝等、ここに入るもの一切の望みを棄てよ。

 

社会を救う義侠心によってワクチンの株主は儲け、人々への献身という愛が人類を滅亡させる。

 

その光景はまるでヨハネ黙示録に描かれた奈落の門そのものだろう。

 

魔界の悪魔は蝗の如く現れ、魔法少女や人間達を楽には殺さず苦しませていく。

 

黙示録の世界において第五の封印が解かれたときに現れる蝗の群れこそ、東京が生んだ悪魔達。

 

ならば崩壊した東京こそ黙示録の地であり、現れる悪魔達こそが()()()()なのであった。

 




織莉子ちゃんに続き、結菜さんも父親に苦しめられて絶望していくんやな、政治家一族キャラの悲劇やな。
人間の悪魔化の元ネタは漫画葛葉ライドウで使われた蟲毒の丸薬入りサイダーです。
考えてみれば、悪魔化する覚醒者も真女神転生2のミュータントみたいなもんですな。
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