人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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328話 自由無き国家社会

独裁政権に支配された国はどうなってしまうのか?

 

独裁国家の例としてあげるなら軍事クーデターが起きたタイであろう。

 

2014年のクーデター以来、国民は独裁政権支配下で生きざるを得ない状況である。

 

人々を沈黙させて制御するという議論の余地がない独裁体制を敷かれてきたのだ。

 

自由な思想や主張は弾圧され、正当な政権批判を行えば悲惨極まりない目に合わせられる。

 

政府によって反論が厳しく取り締まられ、メディアが検閲され、団結集会でさえ禁止される。

 

民の既得権である言論の自由、表現の自由が完全崩壊することになるのが独裁状態なのだ。

 

残されたのは権威主義と権力の乱用、腐敗した三権を兵器化して国民の自由と人権を殺す。

 

国の三権は金融・経済界の特権階級に奉仕するためにしか存在せず、無力な民は死ぬだろう。

 

真実を述べただけで命の危険に晒される国家状態こそが独裁体制。

 

独裁を完成させる要素こそが社会正義であり、パンデミック状態こそ独裁完成の下地だった。

 

……………。

 

人修羅が去った神浜市は既に行政の独裁を望む多くの愚民で溢れ返っている。

 

<<日本を滅ぼす売国テロリストを取り締まる強権的な法律が必要だ!!>>

 

<<東京の死と天皇陛下の死をもたらした存在こそが御国に従わない売国奴共だ!!>>

 

<<御国に逆らうテロリストの財産を強制的に凍結出来る法律を作ろう!!>>

 

<<そうだそうだ!!テロリストに国を滅ぼされるぐらいなら独裁国家の方がマシだ!!>>

 

<<病魔の脅威も続いている!反ワクチン派のようなテロリストを滅ぼす法を寄越せ!!>>

 

神浜市役所前に集まった愚民は独裁的な法を作れと神浜行政や国に対して要求してくる。

 

その愚かな光景を市長室で愉快そうに眺めているのは政権与党が選んだ新市長の姿だ。

 

「ハッハッハッ!!見たまえ、あの愚民共のマヌケな姿を!自分から自由を捨てに来ている!」

 

「全くですな。自分達の要求がそのまま自分自身に返ってくる可能性さえ考えない白痴共です」

 

愉快そうに笑い終えた後、新市長は助役に対してこんな話を持ち出してくる。

 

「未知の病魔の脅威を発表するWHOが民衆の味方だと勘違いまでするアホ共の光景なのだよ」

 

WHO(世界保健機関)について米国アイダホ州の医師のライアン・コール博士はこう伝える。

 

――W()H()O()()()()()()()()()()

 

――WHOの資金の70%は大手製薬会社から提供されているからだ。

 

残りは中国や門倉がCEOを務めるアルゴンソフト社の財団からも寄付されてきている。

 

「WHOは極限に腐敗した組織であることも知らず、医療で人を救う世界機関だと勘違いする」

 

「WHOは人を残酷に扱い、必要ない薬を用いて欧米石油財閥を儲けさせるだけの機関ですな」

 

「この世は資本主義、民衆の為ではなく金融資本家のために動く。それすら気が付いていない」

 

「その上で自分から望んでワクチン接種を行い、石油財閥を儲けさせながら病死する羊共です」

 

WHOやシンクタンクも民間企業が資本で動かし、株主のように支配する株式会社構造。

 

WHOのシンボルである蛇を崇拝する悪魔崇拝財閥グループの資金提供の上で成り立つ組織。

 

愚民がワクチンを接種すればする程、ロックフェラー財閥を支配したアリナを儲けさせるのだ。

 

「愚民の中身は古代ローマから変わらずパンとサーカス。それを提供してやれば支配出来る」

 

「そのために多額の税金を大阪の大手芸能事務所に横流ししてきた政権与党の成果でしょうな」

 

「奴らは飯とバラエティしか興味が無いアホなんだ。その上で自尊心まで満たしたい強欲者だ」

 

「自尊心扇動がこれ程までの扇動力を発揮するとは…ヒトラー扇動術は21世紀でも健在です」

 

「SNSの動画でも外国が日本に驚愕した!とかいう自尊心扇動動画が人気だろ?それと同じだ」

 

「人は見たいものしか見ないし、信じない。ガイウス・ユリウス・カエサルの格言通りですね」

 

さらに絶望を上乗せさせる政権与党の新たな政策についても新市長は話してくれる。

 

未知の病魔に対応する感染症危機管理統括庁新設や日本版CDC(疾病予防管理センター)新設。

 

これら法案は既に見滝原市に移った国会に提出されており、グローバル金融資本が介入出来る。

 

法案が成立するとWHOや連合国の言いなりとなり、ワクチン接種命令を国民に義務化出来る。

 

「望み通り反ワクチン派を滅ぼす法案を国会が用意してくれる。生殺与奪権は外国のものだ」

 

「自己の健康を外国資本が管理出来る状態になる事さえ想像出来ないとは…まさに家畜ですね」

 

我々が政府に医学的決定を下す力を与えるという事は本質的には国家が我々の体を所有する。

 

アメリカの理学学士、医学博士であり政治家だった男の言葉こそがこの世の真実。

 

国民の健康や命は売国政府が欧米資本家に売り飛ばす世界を人々は望んでいるのだ。

 

「国に逆らう者を政治犯として裁ける法を生み出すには憲法改正が必要…国民投票はどうだ?」

 

「国民の過半数を超えました。奴らは()()()()()()()()()()()ことに気が付きませんでしたね」

 

「完璧なアホ共だ。これで日本という植民地を米国に売り飛ばす完全準備が完了したわけだな」

 

国民投票といえど投票率が低い場合、憲法が求める国民の過半数が賛成したといえるのか?

 

たとえば投票率が30%だった場合、15%を超える賛成で国民の承認があったと考えるのか?

 

最低投票率について規定がない日本について国民に知らせなかった売国メディアの犯罪行為。

 

それが実を結んだお陰でついに日本を完全に滅ぼす準備が完了したというわけだ。

 

「政治意識が極めて低い日本人に対して…大きな工作活動もする必要もなかったやもなぁ」

 

「全くですな。クリスマスの爆撃や1・28事件の後押しすら必要なく、宣伝で十分でした」

 

国民投票におけるテレビやラジオ、ネットでの有料広告の規制がない事も知らされていない。

 

賛成反対の意見広告放送は投票日当日まで自由であるが、資金力のある側が有利である。

 

連日のCM等を流してメディアを悪用するだけで憲法改正という国の形が決められてしまう。

 

金持ちエリートである金融資本家にとって一方的に有利に持ち込めるのが国民投票の現実だ。

 

「緊急事態条項が盛り込まれた事によって日本はついに独裁政府化する。我々長州閥の勝利だ」

 

チョッパリ(豚の日本人)共を根絶やしにするため、北にミサイルを撃たせましょう。それで全てが終わる」

 

「その通り。報復戦争が可能となった時点で()()()()()()()()()()()()()()()のだからなぁ…」

 

無様な日本人を嘲笑い続ける偽日本人達の上では市庁舎ビルの屋上で佇むキュウベぇがいる。

 

地上に集まった愚民達の光景こそ彼の望みであるのだが、歴史を見てきた者として口を開く。

 

「無知は罪…それは人間も魔法少女も変わらない。情報も食べ物も薬ですら調べない連中だ」

 

欧米で活動している別個体のキューブから転送してもらった欧米の歴史を語っていく。

 

その内容とは100年前に起きたパンデミックの真実なのだ。

 

「スペイン風邪の時のワクチンでさえ中身を調べなかった…その中身は過剰なアスピリンだ」

 

14代目葛葉ライドウが5歳の頃に起きたスペイン風邪で大量の死者が生まれた原因がある。

 

それは病魔による病死ではなく、19世紀のドイツで発明されたアスピリンが原因なのだ。

 

鎮痛や解熱効果がある特効薬として世界に普及した薬だが、摂取量の問題もある。

 

米国や英国は敵国ドイツの特許を無視して大量生産し、インフルエンザにも使用する。

 

米軍のような軍隊で使われた高濃度のアスピリンが死亡率を高めた研究結果があるのだ。

 

健康な人間も死ぬ中毒量ともいえる過剰摂取量が当時の摂取量の目安だったせいだろう。

 

スペイン風邪のようなインフルエンザで体が弱った時期に過剰摂取量のアスピリンを打つ。

 

「100年後の現在で繰り返されるワクチンのブースト接種こそ…100年前の光景なのさ」

 

若い屈強な兵士すら上官命令で接種し、バタバタ死んでいく原因もこれなら説明がつくだろう。

 

当時において無事だったのは仕事の忙しさのせいでワクチン接種を行えなかった者だけだった。

 

「当時の光景こそ21世紀の光景であり、人間も魔法少女も()()()()()になるしかないんだよ」

 

私達の社会は戦後最大の危機を迎えているが、未だ国民は現実や未来について考えない。

 

そんな日本人に対して憂国の烈士として死んだ三島由紀夫は予言めいた言葉を残す。

 

――日本人は豚になる。

 

目の前の娯楽に溺れ、ローマ帝国時代と同じく知的怠惰を貫き通す。

 

民は自ら覚醒を拒み、国際金融資本家の家畜として生きる人生を選んでしまう表現なのだろう。

 

公共機関や諸々の衆愚政策、低劣な文化によって人の意識が同質的に培養されていく。

 

物理学におけるレゾナンス現象であり、振動や波動が同じ周波数で共振して増幅するのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

()()()()()()()……ですか…?」

 

常盤ななかが暮らす家では養父を務める叔父と彼女が座敷で正座しながら語り合っている。

 

無念を極めた重苦しい表情で語ってくれる内容とは、国民投票によって改憲した日本の末路。

 

彼も知識人であり、国を憂う彼も行動を起こしてきたが無駄だったのだろう。

 

「戦後70年以上が過ぎようとも…国連は敗戦国日本を敵国認定したままなんだよ…」

 

敵国条項とは国連憲章第53条、第77条1項b、第107条に規定されている。

 

第二次大戦中に連合国の敵国であった国が再び戦争を起こそうとするのを止める条項である。

 

事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国は制裁出来る。

 

地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも当該国に対して()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

「敵国条項に該当する国が起こした紛争に対して、自由に軍事制裁を課する事が容認される…」

 

「それでは…日本は戦争してでも外国の圧力に逆らう権利が存在しないじゃないですか!?」

 

「その通り…専守防衛だの中国や北朝鮮の排除だのと言う前に…主権そのものが日本にない…」

 

「そんな状態で日本が独裁化して戦争を起こそうものなら…敵国条項に該当するんですか!?」

 

「そうだ…。日本が他国に武力攻撃を仕掛けようものなら国連の敵国条項が即座に発動する…」

 

そうなった場合、国連加盟国195カ国全てを日本は敵に回すことになるだろう。

 

北朝鮮にミサイルを撃たせ、やれ憲法9条改正だの、やれ敵基地先制攻撃だのと騒がさせる。

 

改憲後に似非保守便衣兵を用いて世論を誘導し、北朝鮮だの中国だのに報復戦争させていく。

 

「そうなれば敵国条項発動により日本は国連の管理下に置かれて常任理事国の植民地とされる」

 

主権は国連に移り、統治は米国に移り、治安維持は米軍が行い、自衛隊は国連軍に吸収される。

 

日本人は難民となり、日本人自治区が設置されて男子は緊急事態条項による徴兵制で戦場行き。

 

残った国民は難民キャンプでの生活になるだろう。

 

改憲と緊急事態条項、そして敵国条項の恐ろしさを伝えられた常盤ななかの体が震え抜く。

 

「敵国条項は死文化などしていない…だからこそ国連権威を信用などしてはいけなかった…」

 

「そんな…ことって…21世紀になっても日本は連合国の敵扱いをされ続けていただなんて…」

 

これが事実であればオオクニヌシ達が武装蜂起して日本を制圧した時点で敵国条項が使われる。

 

主権を取り戻す戦争を起こそうとする存在として国連軍は総力をもって日本に進軍するだろう。

 

ハルマゲドン後にザイオン政府に移ろうが改憲と緊急事態条項による独裁政府が機能する。

 

国連の敵国条項に則り、大魔王とバアル神は国連軍を進軍させて日本を滅ぼせるのだ。

 

「改憲と緊急事態条項を喜ぶ連中が売国与野党だ…改憲は与党と野党の両方に利益が出る…」

 

緊急事態条項は支配層の自由解釈によって運用出来る授権法であり、ナチスも利用している。

 

これによって政権の地歩を固め、全面戦争に突き進んだのがかつての第三帝国だったのだ。

 

「戦時社会のリバイバルを望む理由は国政選挙が実施されないから()()()()()()()()()()()()

 

国会議員は与野党ともに終身議員として君臨し、ずっと国会議員の身分が保証される。

 

要するに緊急事態条項とは与野党双方にとってオイシイ条項というわけだ。

 

緊急事態条項が一旦発令されれば最後、内閣は法律と同等の政令を制定出来る。

 

国民を政令に服従させる強権、集会や言論の自由も軒並み停止させられる強権が手に入る。

 

「そもそも国会議員は法の上にある憲法を守る護憲の義務がある…これは()()()()()()()()!」

 

護憲の義務がある国会議員が改憲議論をするべきだと言った時点で違憲状態だと語ってくれる。

 

「日本の国会議員達が…それ程までに腐り果てていただなんて…」

 

「腐り果てているのは日本国民も同じだ!!ななか達も通った義務教育が何をもたらした!?」

 

無念のあまり声を荒げてしまう彼が語るのは魔法少女達も通い続けてきた義務教育の成果内容。

 

1 上に言われたことは従う、理不尽なことでも従う。

 

2 正しいかどうかではなく周りに合わせろ、同調しない者は虐めや村八分の対象となる。

 

3 事なかれ主義(黙っている、何もしないほうが得)、おかしいと声を上げない。

 

4 目立つことは避け、右に倣え。

 

5 長い物には巻かれろ、出る杭は打たれる。

 

6 最初から諦める、直ぐに仕方がないという。

 

7 責任を取りたくない、何かあれば連帯責任。

 

8 万が一を恐れて行動しない、自分だけが可愛い減点主義。

 

9 自分で考えない、上が用意する選択肢の中から説明も無く選ばされる。

 

10 批判的な見方や思考が出来ない、批判と批難、悪口の区別がつかない。

 

「日本の義務教育など独裁国家の住民を製造する機関だ!権威主義を子供に叩きこまれる!!」

 

「尚紀さんも語ってくれた事があります…同一性同調洗脳教育を行うロボット工場だと…」

 

「そんな連中に真実を語っても無駄だった…学知によって先を予測出来ても通じなかった!!」

 

ななかの叔父も里見太助や三浦旭、ほむらや織莉子のように真実を伝えようと努力はしてきた。

 

なのに待っていたのは酷い同調圧力と村八分、出過ぎた杭は打たれる社会リンチが待っていた。

 

佐倉牧師のように制裁を受け、アリナのように周りから嫌がらせを浴びせられてきたのだろう。

 

叔父の無念こそ人殺しと蔑まれて差別された頃の常盤ななかの無念であり、気持ちも分かる。

 

立ち上がった彼女は無念のあまりむせび泣いてしまう叔父に抱き着いて支えてくれるのだ。

 

「すまない…っ!お前達若者の未来を奪う売国政府を止められなくて…すまないぃぃ…ッッ!」

 

「グスッ…いいんです、叔父様は頑張ってくれました…!今度は私達が頑張る番です…ッッ!」

 

抱きしめ合ってむせび泣く者達の光景こそ本当の親子のように見えてくるだろう。

 

しかし彼らの気持ちどころか日本の政治の現実さえ知る努力をしない無知な民衆には通じない。

 

書物的教養のある者と新聞テレビSNS程度の教養しかない者との間に生じるズレは埋まらない。

 

そもそも知識は連帯ではなく孤絶を生み、これは政治だけでなくサブカルやスポーツ等も同じ。

 

真実を伝えても周りは怒り出し、話し合いも出来なくなる現象こそが心理学の認知的不協和。

 

認知的不協和心理を利用するのが独裁政府であり、だからこそ第二次大戦は起きたのだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()ように出来ているとする政体循環論が存在する。

 

パンデミックになったドイツでさえ人身の自由や集会、結社の自由を感染防止で制限している。

 

独裁国家を克服して民主主義化した国でさえ同じ政体に回収されるのが惨事社会の怖さだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

認める、認めないは他人の自由裁量に委ねられている。

 

だからこそ認めたくない真実だの情報だのは悪のレッテルを即座に張り付けるものだろう。

 

聞きたくない話を持ち出す者など押し売り訪問販売員と同じく邪険にされるものである。

 

この現象はフェミニズム騒動の時にも起きており、ななか達がいくら叫んでも通じなかった。

 

「根底にあるのはエゴなんでしょうね…何も知らない自分の劣等性を許さないから悪にする…」

 

混沌極まる社会情勢であろうとも常盤ななかは神浜魔法少女社会の長を任された人物。

 

私用も沢山あるというのに社会の舵取りまでやらねばならない彼女の心労は極まっているはず。

 

「やだ…ソウルジェムの指輪に穢れの光が目立つようになってる…吸い出してもらわないと…」

 

左手のソウルジェム指輪の穢れに気が付いたななかは悪魔化した者達の元へと向かっていく。

 

参京院教育学園から近いエリアに住むのは神浜市新西区で活動する十咎ももこが利用しやすい。

 

学校の帰り道から新西区に向かう道中、人々から恐ろしい視線を彼女は向けられていく。

 

彼女は夏目かこと同じく自らマスクを捨てて生きる決断をした者である出過ぎた杭。

 

だからこそ反ワクチン派のレッテルを貼られたことで彼女を通報する者が続出するのだ。

 

(いけない…隠れて移動しないと!!)

 

武装した自警団に見つかる前に路地裏に入ったななかは魔法少女姿に変身して跳躍移動する。

 

「学校でさえ酷い同調圧力でノーマスクを責められる…普通に生きる権利すら奪われていく!」

 

叔父と同じく無念に苛まれるしかない女が新西区に入った時、慌てたレナとかえでを見つける。

 

念話で呼び止められた彼女達はななかが下りてきた路地裏に向かうようだ。

 

血相変えた表情を浮かべるレナとかえでに状況を説明された事でななかの顔も焦りが浮かぶ。

 

「十咎さんが…新入り魔法少女達に襲われたために逃げ出したんですか!?」

 

「そうなの!!あの子達…悪魔になったももこちゃんを…殺そうとしてきたの!!」

 

「訳が分からないわよ!どうして悪魔になっただけで魔法少女に殺されるっていうのよ!?」

 

「それはきっと…区別がつかないからでしょう。悪魔は魔法少女の魂を食べる存在です…」

 

「そ、それはそうだけど…ももこちゃんは違うよ!ももこちゃんは私達を助けてくれるの!」

 

「かえでの言う通りよ!魔法少女の穢れを吸い出してくれるお釈迦様になったのがももこよ!」

 

「悪魔教育を受けさせてきたのに…どうして信じてもらえなくなったんでしょう…」

 

「きっと悪魔に襲われた魔法少女の情報が街の外から伝わってくるんだよ…だから怖がって…」

 

「そんなのレナは許さない!ももこが魔法少女を襲うつもりなら穢れなんて吸い出さないわ!」

 

「水波さんの言う通りです。十咎さんだけでなく雪野さんやみたまさん達の命も危険ですね…」

 

「どうして皆信じ合えないの…?不安や恐怖に縛られて脅威対象を排除しようとするの…?」

 

「それはパンデミック社会で生きるしかない我々とて同じ立場です…私も恐ろしいんです…」

 

「レナだって…マスクをつけないだけで国賊扱いよ…だからももこの苦しみが分かるわ…」

 

「私も同じ立場として苦しみが分かる…だからこそ、十咎さん達を救いに行きましょう!!」

 

たとえ新入り魔法少女達を敵に回そうとも戦う覚悟を示す少女達が追いかけていく。

 

一方、悪魔変身したももこは新入り魔法少女達の追撃に対して防戦一方になってしまう。

 

「シスターっぽい悪魔の魔力をこの廃墟ビルから感じるわ!包囲して殲滅しましょう!」

 

「従妹の魔法少女の悲報を仲間の魔法少女が連絡してくれたわ…悪魔は魔法少女を襲うのよ!」

 

「悪魔教育なんて嘘っぱちよ!あのイカれたマッドサイエンティストも悪魔の味方なのよ!」

 

「私達をモルモット扱いしてたもんね…もう悪魔なんて信じない!皆殺しにしましょうよ!!」

 

「魔法少女の仲魔のフリをしてる女悪魔共を皆殺しにしたら…次は業魔殿を攻め落とすわよ!」

 

廃墟ビルの中に突撃してくる魔法少女達に対して、隠れるももこはどう対応するか迷い抜く。

 

「どうして分かってくれないんだよ…アタシだって同じ魔法少女だった…襲うわけないだろ…」

 

今にも泣きそうな表情をしている彼女は鳥に変化して逃げようとするが行き先が思いつかない。

 

「何処に逃げたらいいんだ…アタシを殺そうとする連中に追われてるのに…何処に逃げたら…」

 

ヴァンパイアハンターとしての運命と同じ現象を背負ってしまった彼女は孤独に苛まれる。

 

それでも自分が襲われるのならみたま達の身も危ないと判断したため大東区を目指そうとする。

 

「尚紀さんからみたまを託されたんだ…何があってもアタシが守らないと…ッッ!!」

 

<<いたわ!こっちに来て!!>>

 

魔法武器を持った追手の魔法少女達が次々と襲い掛かってくる中、ももこは拳法の構えをする。

 

「この分からず屋共!!痣が出来てもアタシは治療してやらないからなぁ!!」

 

曲刀の横薙ぎを掻い潜り、振り向く相手の顔面に拳を打ち込み殴り飛ばす。

 

大剣で袈裟斬りを仕掛けてくる相手の手首を左手で流し込み、一回転して右肘打ちを放つ。

 

カタールとレイピア持ちの魔法少女達の回し蹴りを両腕で弾き、突きを放つ腕を掴む。

 

膝蹴りを腹部に浴びせ、隣から突きを放つレイピア魔法少女の攻撃を避けつつ蹴りを放つ。

 

両方を怯ませたももこは掴んだ相手を強引にレイピア娘にぶつけた事で互いをふらつかせる。

 

「「グフッ!!?」」

 

豪快に放たれた低空後ろ回し蹴りが重なった彼女達の頭部を蹴り飛ばし、失神させたようだ。

 

「くそっ!!まだ来る気かよ!!」

 

階段方面から駆け上ってくる音が響いてきたのだが、追手達の悲鳴が聞こえてくる。

 

何事かと通路に出てみると窓ガラスを突き破って現れた悪魔娘の奇襲攻撃が炸裂しているのだ。

 

「あーあ…かなえさんを敵に回しちゃうと…痣程度じゃ済みそうにないかもねぇ…」

 

元々喧嘩が得意な雪野かなえは素手であっても戦闘経験の浅い新入り魔法少女を蹂躙していく。

 

無思考な拳の数々が繰り出されたことで追手達は前も見えないぐらい顔が腫れ上がるのだ。

 

「ストーップ!ストップだって!!これ以上殴ったら顔面が陥没しちゃうから!!」

 

「ん…分かった。それより…ももこも襲われたようだね…?逃げてる時に見かけたんだ…」

 

「お陰様で助かったよ…それよりも…どうしてアタシ達が襲われないとならないのさ…?」

 

「分からない…元魔法少女として同じ仲魔を襲いはしないと言っても…聞いてくれないんだ…」

 

「アタシの時も同じだったよ…この分じゃ令ちゃんやメル…それにみたまの身も危ないよ…」

 

「不味いな…あの子達はあたし達のように喧嘩が得意な悪魔じゃない…殺しかねないよ…」

 

「本気の力を解放出来ないんじゃ分が悪過ぎるね…本当に…最悪な状況になったみたい…」

 

「チンピラに絡まれてた時期を思い出す…連中は話し合いなんて求めてないんだ…」

 

「求めてないことを望んでも意見がズレるもんだよね…どうして人ってのは偏見生物なんだ…」

 

「そうだね…フェミニズム騒動の時と同じだ。こいつらは何も進歩してくれなかった…」

 

「それを語られると…その…アタシも困るんだけどさ…」

 

苦い思い出を語られたももこの顔が恥ずかしそうになっているが、かなえは首を横に振る。

 

「大丈夫、ももこは偏見とエゴを克服出来た強い女さ。尚紀が太鼓判を押すぐらいのね…」

 

「尚紀さんがいてくれたらって…今でも寂しく思うよ。それでもアタシ達は強くならないとね」

 

「その通りだ。尚紀が安心して帰ってこられるよう…あたし達で自由を掴み取るんだ!」

 

廃墟ビルから跳躍した彼女達が隣のビルの屋上に着地しながら大東区を目指していく。

 

大東区でも令とメル、それにみたまを襲う東の新入り魔法少女達が現れている状況なのだ。

 

認める認めないという認否に関する心理学こそが悪魔少女と魔法少女をいがみ合わせる。

 

認否とは不都合な事実からの不安やストレスから身を守るという無意識の防衛機制。

 

心の健康を保つための大切な生理的機能であるが、時として現実を都合よく歪めてしまう。

 

「いたぞ!!こっちだ!!」

 

「うわわわわ!!見つかっちゃいましたよ…みたまさん!!」

 

「ここは逃げましょう!悪魔の力を解放出来ない私達では敵わないわ!!」

 

「どうして分かってくれないんですか…ボク達は同じ魔法少女だった仲魔なのに!!」

 

「分からない…私だって信じてと叫んだわ…なのにあの子達は…私を悪魔だと罵ったのよ!」

 

無意識は時として意識から不都合な事実を隠そうとするもの。

 

我々の意識は無意識に支配されているともいえるだろう。

 

無意識が怒りを用いて貴方の意識を逸らしてしまう。

 

素人に痛いところを突かれたプロ、娘への依存を指摘された母親。

 

無意識がそんな事実はないと言い張ったり、見て見ぬふりをしたりする。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ものだ。

 

心理学でいう事実の否定とは、自分にとって不都合なことや苦痛となる事実を騙すこと。

 

それ程の事でもないかのように、あるいはそんな事はそもそも存在していない事にする。

 

自分をもそのように信じ込ませてしまうことが人間心理の中で起きてしまうものなのだ。

 

これは人間が自己を防衛するためのもっとも原始的で、しかしもっとも強力な方法。

 

これら人間心理を巧みに操り、愚民を御国万歳に洗脳してしまえるのがヒトラー扇動術。

 

それらを実践出来るメディアや政府に逆らえる者など極少数。

 

後は数の暴力を用いて潰せばいいだけなのだ。

 

これこそが自由無き国家社会であり、人々の自由とは人々自身が捨ててしまうものであった。

 




メガテンはフューラーなちょび髭オジサンを扱ったりアッラーを滅ぼしたり、恐れ知らずな切れたナイフなノリがたまらないので僕も卍ネタをガンガン使うんですよね(汗)
これぞ表現の自由!外国からけしからんと言われてもジーザスと仏陀を格ゲーでガチンコバトルさせてもええんやで!
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