人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
日本人として生きた魔法少女達の人生は黙示録のラッパの笛が鳴るように崩壊していく。
それを生むのが国際金融資本家であり、代理人となる各国政府を通してそれを行う者達。
第28代アメリカ合衆国大統領のウッドロウ・ウィルソンはこんな言葉を残す。
――市場参入を阻む国々の門戸を力づくでこじ開けなくてはならない。
――たとえ他国の主権を踏み躙るとしても、投資家の特権を保護しなければならない。
自由貿易とは多国籍企業による間接侵略であり、
国際金融資本家自身は外交組織や軍事機構を持たないため、アメリカにそれを代理させる。
その支配は農業や畜産、製造、建設、通信、運輸、IT、金融、小売り、サービス、保険を潰す。
日本産業の全滅に及ぶ程の侵略こそがTPPやEPAやFTA、RCEP等のグローバリズム政策の正体。
大英帝国に植民地化された18世紀のインドでは英国産の綿織物によって家内工業が全滅。
国中が餓死者で溢れ返った原因とは
現代でも自由貿易に加盟した殆どの国で市民生活は悪化し、日本は三重の
投資家対国家の紛争解決訴訟は出来るのか?
第80代ボリビア大統領はこんな言葉を残す。
――私が見るところ、世界中のどの国も国際裁判で勝った試しがない。
――勝つのはいつも多国籍企業なのだ。
外資に都合の悪い制度は片っ端から訴訟され、被害は他国の産業だけでは終わらない。
医療、教育、介護、福祉、環境、労働など国民社会分野にまで及ぶのだ。
そもそも世界の一流投資銀行の9社の内、5社がアメリカに本拠地を置いている。
アメリカと自由貿易協定を終結すれば日本の行政が支配下に入るのは当然なのだろう。
自由貿易とは
……………。
「紙幣や硬貨が使えない!?どういうことなんですかぁ!!?」
激昂して叫ぶのは老舗レストランのウォールナッツを切り盛りする胡桃まなか。
いつも利用していた北養区の商店街で店の食品を買おうとしてたが通貨が利用出来ないのだ。
「…テレビで政令を発表してたろ?これからは感染予防のため、
「じゃあ…私達はこれから…どうやって買い物をしていけばいいんですかぁ!!?」
「全てを電子決済にするって発表してたじゃないか…?俺達は御上に合わせるしかねーんだ…」
現実崩壊した顔つきで震える胡桃まなかに対して店の人が親切に手順を説明してくれる。
今までの紙幣や硬貨は感染拡大の汚染源とされ、銀行に行って全て処分する。
その後に専用電子通貨を支給してもらい、電子通貨によって経済が動く状態になるという。
「これが電子通貨アプリなんだ。皆もうスマホに入れて買い物をしているよ」
「
Rとはアルファベットで18番目であり、ゲマトリアで表せば666に分けれる獣の数字。
これからは獣の数字が隠れた電子決済アプリがなければ買い物すら出来ない世の中になる。
それこそ黙示録の世界であり、人修羅・ルシファー・バアルを表す666にひれ伏すしかない。
「それよりまなかちゃんはワクチン接種をしてるのかい?これからは買い物にも証明が必要だ」
「そ…それは…その……」
「皆は皮下にマイクロチップを埋め込む手術をするか、マイナンバーの紐づけで証明してるよ」
偽装するためマスクを身に着けても接種証明アプリで確認されれば反ワクチン派だとバレる。
まなかを不審に思った店主がスマホの確認アプリを開こうとしたため店を飛び出す。
「ま、待て!?まなかちゃんは反ワクチン派だったのか!?なら…警察に通報してやる!!」
「まなかは…まなかは無実です!!何も悪いことなんて…してないですーーッッ!!」
泣きながら店を飛び出す彼女の姿はスマートシティ化された神浜の監視カメラが追っている。
神浜の監視カメラを管理するアルゴンソフト支社の都市管理部門では顔認証が行われていく。
今ではAIと監視カメラは連動しており、自動で顔認証が行われるようだ。
犯罪歴の有無などを識別することが可能であり、マスクを身に着けてても正確な顔認証をする。
中国のハイテク独裁システムを日本の売国政府はあろうことか自国に導入していたわけだ。
これは信用スコアシステムであり、たとえパンデミックが終わろうと国民は監視体制となる。
民の人権は信用スコアで採点され、反政府主義者のスコアは減点されてブラックリスト行きだ。
電子技術によって治安を維持する独裁体制、
「グスッ…エッグ…まなかは生きられない…こんな世の中じゃ…生きられないよぉぉぉ……」
感染予備軍として自動登録されてしまった胡桃まなかは泣きながら家に戻っていく。
日常の癖で常時持っているスマホの位置情報システムによって彼女は常時追跡されるだろう。
諸々の社会権も抹消され、人権の権利と対応しないワクチン接種義務を完全義務化される。
支配層のルールを強制させる暴挙、そして制裁を与える独裁行為が習律にされてしまうのだ。
「いい加減にしろよ…まなか!!ワクチン接種を今直ぐしてくるんだぁ!!」
激怒しながら娘を罵倒し続けるのは荒れた父親の姿である。
感染拡大の影響を受けたせいで出張コックの仕事もなくなり、密になる恐怖で来客もない。
おまけに娘は反ワクチン派であり、買い物すら出来なくなればライフラインが全て断たれる。
レストランは風前の灯火であり、来月には不渡りを起こすしかないため荒れ果てているようだ。
「だって…ワクチンが安全とは思えないし…考えて…どうして直ぐにワクチンが用意され…」
「そんなこと知ったことかぁ!!現実が見えないのか…?俺達はもうお終いなんだぞぉ!?」
息を切らせる父親が誰もいない客席の椅子に座り込んでしまい、項垂れながらこう呟く。
「ウォールナッツも…終わりだな…せめてその時がくるまで生活出来るよう…両替しとけ…」
「グスッ…ヒック……はい……分かりました……」
ワクチンパスポートとなる証明証は欧米でも導入され、世界中がワクチン接種義務化になる。
各国政府が目的のために連携して民衆を服従させる交差圧力に支配される世界中の魔法少女達。
それはもはや
それに従わない反政府主義者のライフラインは国家暴力によって断たれることになるのだ。
「ど…ど…どういうことなんですかぁ!?まなかの家の預金残高が…0だなんて…嘘です!!」
銀行で電子決済用の両替を行おうとしたまなかが絶句しながら受付の女を罵倒してくる。
アクリル板で隔てられた向こう側の女性職員は犯罪者を見るような目つきでこう語るのだ。
「貴女様はワクチン接種証明が出来ておりません。政令により、ブラックリスト行きなんです」
「ブラックリスト行き…?いつの間にそんな制度が出来てたんですかぁ!?」
「国が導入した信用スコア制度なんです。ワクチン接種証明が出来るまで預金残高は0ですね」
「そ……そ……そんな……ことって……」
デジタル管理体制の共有率は凄まじく早く拡散し、反政府主義者のライフラインを断ってくる。
奈落の底に落ちる感覚となったまなかの視界がグニャリと歪み、両膝が崩れ落ちていく。
ガタガタ震え抜く青い顔をした彼女のソウルジェム指輪から強烈な絶望の光が生まれてしまう。
「アハ…ハハハ…ハハハハハ……助けて……阿見先輩……タスケテ……」
このままでは銀行内で円環逝きとなる中、同じように両替に来た十咎ももこが慌てて駆け寄る。
まなかを抱きしめながらエナジードレインを行い、絶望の穢れを吸い出すことが間に合うのだ。
「もう限界だ…これ以上は国家権力に抵抗出来ない…かなえさんの言う通りにするしかない…」
こんなのはまだ序の口であり、自由貿易の影響をモロに受ける東地区は大荒れになっている。
関税撤廃によって国内生産が潰されれば伝統的な工業区である工匠区は外資以外は全滅だろう。
すなわち失業者でごった返し、生活出来ない者達は路頭に迷う状態となっていく。
そんな家庭で生きるしかない東の魔法少女達を嘲笑うような宣伝カーの音声が響いてくる。
<<性の自由化によって性職業の偏見は無いです。仕事がない若い女性は是非ご応募下さい>>
大東区や工匠区を行き交うのは白昼堂々と行う
グローバル化によって福祉を断たれたチェコやウクライナやポーランドの光景でもあるのだ。
スラブ諸国は今なお東南アジアやアフリカに並ぶ世界有数の売春輸出国。
グローバリズム支配という同じ状況の日本もスラブ諸国の末路であり、悲劇の道を辿るのだ。
日本も風俗の求人車が大音量で徘徊し、マンションポストも下劣な求人広告が放り込まれる国。
制度やモラルは崩壊し、欲望剥き出しとなった末法の様相こそ悪の純粋状況とも呼べるだろう。
「ウチも…風俗で働いたら…竹細工工房の皆を…助けられるかな……?」
フェミニズム騒動の時の責任を未だに感じている天音月咲は風俗で働くか悩み抜く。
そんな彼女に対して、今では竹細工工房のリーダー的存在であるタケが叫んでくれるのだ。
「月咲ちゃんが責任を感じる必要はない!男の俺達が守り抜く…風俗落としにはさせない!」
「タ…タケさん……」
「貧困地獄の日本の女性社会は梅毒で苦しんでる…
タケの後ろには父親が残した弟子の男性達も並んでおり、必ず守り抜くと言ってくれる。
そんな男達の愛に触れた天音月咲は号泣しながらタケに抱き着き、男達の愛に身を委ねていく。
グローバリズムがもたらすフェミニズムは完全に間違いだと彼女はこの時に確信するのだろう。
しかしそんな彼女も反ワクチン派としてブラックリストに入っており、いずれは家出する。
隠棲するしかない月咲と留置場暮らしの代表のため、タケ達は地獄の現実を戦い抜くのだ。
それでも現実はかくも残酷である。
最初の緊急事態宣言の効果はソフトなものだが、国民に与えた心理的影響は計り知れない。
「おいコラ、千秋屋!!テメェらは感染拡大弁当なんて売るぐらいなら閉店しやがれ!!」
仕事を失って殺気だった東住民達に囲まれているのは尚紀も贔屓にした弁当屋の千秋屋である。
店を懸命に営業しようと努力する店主と看板娘の理子の前で暴言を吐き続けていく。
「私達は感染予防の努力はしてます!私達のお弁当を食べても未知の病魔にはならないです!」
「他人が触って料理した飯にばい菌が入ってたらどうする!?責任とれるのか?アァ!?」
「お…お母さん…怖い…怖いよぉぉぉ…」
小学6年生の理子は涙目で震えながら母親の背中にしがみつき、涙を零してしまう。
「そんな理屈はあんまりです!店の食材も人が触ってますし…営業出来ないと飢え死にする!」
「わ…私達…ちゃんとマスクをつけてるし…手洗いもちゃんとしてます…信じて下さい!!」
涙ながらに叫ぶ千秋屋の者達に対して一人の男が接種証明アプリを利用して見る。
すると娘の理子の体に接種証明のマイクロチップ反応が無いため、反ワクチン派だと叫び出す。
「おい…この弁当屋の娘は…ワクチン接種してねーぞ!?警察に通報しろ!!」
「み…見逃してください!娘は何故かワクチンを酷く怖がってて…接種出来なかったんです!」
「やかましい!これで千秋屋は感染拡大を広げるバイオテロ弁当屋だ…言いふらしてやる!!」
「後生です…それだけは堪忍してください!!店がないと生きていけなくなるんです!!」
店から出てきた理子の母親は暴徒達の前で土下座して頼み込み、娘は母親の背中にしがみつく。
「ごめんね…ごめんね、お母さん…私のせいで…千秋屋が…潰れちゃう…ッッ!!」
号泣する小学生などバイキンテロリストにしか見えない正義マン達は鬼畜な提案をしてくる。
「グローバルで多様性な時代のようだし…いっそ娘を風俗で働かせろよ?」
「な、なんですって!?娘の理子はまだ小学生なのよ!?正気なの……貴方達!!?」
「欧米のグローバリズムを受け入れた日本だ…倫理観よりも拝金主義が優先されるんだよ」
かつて、ロシアの大統領は欧米のポリコレに対してこんな言葉を残している。
――ポリコレの行き過ぎと膨張は
LGBTフェミニズムにはPZNも追加されるべきであり、ペドフィリアの奨励も推進するという。
フェミニズム先進国カナダでは同性愛結婚だけでなく獣姦も合法化され、セックス出来るのだ。
日本でも獣姦の明確な規制はなく、獣姦ポルノが流通しているのが現実である。
いずれネクロフィリアも合法化され、犯したい女子の死体とセックスしてもOKになるだろう。
「悪夢よ…こんな世界は悪夢よ!女子小学生が風俗行きになっても合法なんて…悪夢だわ!!」
「現実だよ。性の糾弾をする左翼政治家は小児性愛事件を数多く犯してる…それが現実なんだ」
「娘を風俗に売ろうが国は守ってくれないぜ~?なんせ、
「いやよ……こんな日本も……世界も……もう嫌ァァァァーーーーッッ!!!」
錯乱した理子の母親は号泣しながら逃げ出していく。
「お母さん!!!」
涙ながらに母親を呼ぶ理子であったが、彼女の母と後に続く父達は失踪することになるだろう。
グローバル化された社会では生命倫理すら崩壊し、全てが金儲けと引き換えにされる。
女の体は金儲けの道具にされ、その価値観が生殖補助医療法案という悪夢を生み出していく。
まさに聖書のソドムとゴモラの時代であり、
この時代こそバアルと妻のアナトの時代であり、ワイマール共和国時代のドイツを彷彿させる。
そんな時代に絶望し、飢えと怒りに満たされた虐げられし大人達は覚醒者となっていく。
「いや…やめてよ…お父ちゃん…私はお父ちゃんと殺し合いたくない…元に戻ってぇ!!」
アメリカとの自由貿易の影響でついに閉鎖した板金工場の中では異形化する元経営者がいる。
涙目で震え抜くのは魔法少女姿になっている矢宵かのこであり、悪魔に武器を向けているのだ。
「TPP…EPA…FTA…ヤンキーのアメリカめぇ…日本が死ぬまでカツアゲする…許せねぇ!!」
板金で作られた人型ロボットのような見た目の悪魔が怒りの雄叫びを上げていく。
【ナタタイシ】
道教で崇められている護法神であり、毘沙門天が原型の托塔天王から生まれた三男。
永遠に少年の姿をしている神造生命であり、乾坤圏という腕輪の形をした武器を身に纏う存在。
混天綾という真紅の布を身に纏った姿で産まれたとされ、二つを装備して龍王や魔王と戦う。
ナタク天王とも呼ばれ、封神演義などの書物や民間神話で馴染み深い神であった。
「国の自粛要請で多くの飲食店や小売店、旅館やホテルが倒産する!そして外資が奪うんだ!」
「分かった…もう分かったからそんなに怒らないでお父ちゃん…お願いだから正気に戻って!」
「防疫を名目に政府が国民生活を外資に売った!俺の工場も潰された…腐れ政府を焼き払う!」
炎のローラースケートのような装備で浮遊するナタタイシがブースター上昇する。
板金工場の屋根を突き破りながら夜空に消え去り、売国日本政府の自衛隊と戦うのだろう。
いずれは静香達と合流して共に復讐を果たす存在となるのだが、娘は絶望していくのである。
「ハハ…ハハハ…全部失っちゃった…デザイナーの夢も…工場も…お父ちゃんも…失った…」
両膝が崩れるかのこは放心状態のままソウルジェムを急速に濁らせていく。
ももこからの連絡で東の魔法少女達を見回って欲しいと言われてる八雲姉妹が彼女を見つける。
「大変だよ…姉ちゃ!!ソウルジェムが絶望に染まってるよぉ!!」
「しっかりして…かのこさん!!」
みたまがかのこを抱きしめ、エナジードレインを展開して穢れを吸い出してくれる。
それでもかのこの両目のハイライトは消えており、振り向いてくれた彼女が抱き着いてくる。
「みたまさん…みたまさん…グスッ…エッグ…アァァァァーーーーッッ!!!」
言葉が言葉にならないかのこが泣きじゃくる中、みたまは強く抱きしめてくれる。
「尚紀さんの屋敷に逃げ込みましょう…私達の力ではもう…どうにもならないわ…」
国民は未知の病魔や反政府テロリスト討伐が一番重要な問題だと今でも錯覚している。
政治や経済について考え無くなり、金融や外交など分かりにくい報道は必要としない。
ソフト・ニュース化が蔓延する背後ではこのように外資が日本を破壊し尽くす光景がある。
次の日も街では距離を取れ!マスクをしろ!密になるな!咳をするな!とか、愚民共が叫ぶ。
まるで中国共産党占領下のチベットのようであり、
住民の思想改造の道具として用いられているとも考えず、従順な群れに魔改造されていく。
「姉ちゃ…ミィはね…もう学校に行きたくない…マスクを強制されるし…同調圧力が怖い…」
みたまの後ろを離れなくなった妹を優しく抱きしめてくれる姉がこう言ってくれる。
「分かったわ…もう責めたりしない。東の魔法少女達も家出を決意してる…次は私達の番ね…」
「パパやママになんて言えばいいの…?ミィは分からない…ごめんじゃ済まない問題だよね…」
「そうね…あの人達も雇止めをされて苦しんでる…これから先すら分からない絶望状態よ…」
「グスッ…ヒック…あした屋さんも潰れちゃったよぉ…もうやだ…こんな世界…もうやだぁ…」
「尚紀さんや十七夜達を信じましょう…あの人達なら世界を変えられると…私は信じてる…」
悲痛な気持ちのまま団地街に戻っていると警察のパトカーが停められているのに気が付く。
何事かと物陰に隠れながら様子を見ていると姉妹達の顔が絶望に染まっていくのだ。
「パパ…ママ…ッッ!!?」
「そんな……嘘でしょ!!?」
警察に連行されていくのは共謀罪によって逮捕された八雲姉妹の両親達である。
「なんで我々が逮捕されなければならない!?違法集会を行ったのは娘達なんだぞ!?」
「貴様らは連中の両親だろ?何かしらの犯罪の共謀、それ自体を構成要件として逮捕出来る」
「共謀罪の構成要件は2017年にテロ等準備罪に新設されている。貴様らはそれで裁かれる」
「私達までテロリストにされてしまうの!?お願いやめて…娘達だけが残されてしまう!!」
「言い訳なら署で聞いてやるが…いずれは貴様らも強制収容所行きだ。生きて帰れると思うな」
両親が警察に連行される中、魔法少女に変身して武器を構えるみかげを姉が必死に抑え込む。
「んんんん~~~~っ!!!」
口を手で抑え込みながら羽交い絞めにするのは娘達も見つかれば逮捕されかねないせいだろう。
震えながら涙を流すばかりの姉妹達の目の前でパトカーは去っていく。
「いや…こんなのいや…何で私達は政治を放置してきたの…?どうして他人任せにしたの…?」
政治が自分達国民の生活と直結している
この光景は違法集会を行った全ての魔法少女の家でも起きており、彼女達の両親が逮捕される。
泣き喚きながら家出の支度を済ませた魔法少女達が尚紀の屋敷に逃げ込むことになるのだろう。
ここは国家権力でも侵害出来ないCHAOS勢力最高権力者の屋敷であり、踏み込めないのだ。
「相部屋になりますが部屋数は足りてます。どうか皆さん…心を強く保ってください…」
メイド長のタルトの案内で屋敷の部屋に案内されていく少女達であるが、すすり泣く音が響く。
メンタルケアが先ず必要だと感じたタルトは業魔殿から呼び寄せた者達の部屋に向かわせる。
大きなリビングを利用して出張調整屋を開いていたのはリヴィア達ピュエラケアだったようだ。
「みんな…ほんまに酷い状態や…。極度の悲しみと恐怖心のせいで…魂が劣化しきっとる…」
深刻な表情のまま調整を施すリヴィアやヨズルやすだちの元に屋敷の主人の代理人が訪れる。
「お前達が神浜に訪れていたのは天の恵みだな…悪魔になったみたまでは調整出来なかった…」
「ごめんなさい…リヴィア先生…悪魔になった私の代わりに負担を押し付けてしまって…」
「気にせんでええ。私達も追い詰められとる…ここで暫く仕事をしながら身を隠す事になる…」
「彼女達はもう戦う余力もないだろう…代金の魔石の代わりに私の方から金を払わせてくれ」
「その必要は無いで…私達の衣食住コストを払ってくれる仏様をたかる気にはなれんし…」
「私は幻魔と呼ばれる悪魔であって、神仏となる悪魔ではない。遠慮はいらないんだぞ?」
「どんな悪魔であっても礼儀はしっかりする、それが私のポリシーや。弟子の前で恥は晒せん」
「そうか……みたまは良い師匠に巡り合えていたようだな」
「みたま、私達に出来るのは調整だけ…一時しのぎに過ぎん。突発的な絶望も表れる時がくる」
「分かってます、先生。私達悪魔が屋敷を巡回していき、魔法少女達の絶望を吸い出します」
「フッ…みたま達はもう、歩く自動浄化システムやね。これから厳しくなる…よろしく頼むわ」
生き残った魔法少女達は尚紀の屋敷で隠棲生活となり、暫くした後にやちよ達が入ってくる。
身代金を払って強制収容所から解放されたようだが三人とも酷くやつれた体になっている。
屋敷のリビングに集まった魔法少女達の前で語る内容とは、日本の強制収容所の実態なのだ。
「あの場所は本物の地獄よ…
ガタガタ震え抜くやちよ達が語るのは天災や人災に対処する管理庁施設の恐ろしさについて。
戒厳令下においては管理庁は虐殺機関となり、
「アタシ達に人権なんてなかった…ただ撃ち殺されていく人々を目の前で見せられ続けた…」
「それじゃまるで……ナチスドイツの強制収容所と同じじゃないですか!?」
「FEMAは陰謀論デマだと信じなかったけど…戒厳令下では本物の虐殺機関になるだなんて…」
「科学者として
都ひなのが尊敬しているノーベル医学、生理学賞を受賞した日本人の名誉教授はこう語る。
自らの研究に対する姿勢を質問されると、好奇心と簡単に信じないことの重要性を強調する。
科学誌のような権威情報に出ているものの9割が嘘であり、10年経てば残るのは1割程度。
自分の目で確かめることの大切さを説き、都ひなのに大きな影響を与えてくれた存在なのだ。
「湾岸戦争やイラク戦争ですら嘘だったんだ…
常に断定を避けるのが科学的態度であり、異なる仮説に対して頭を常に開いていく。
人間は常に認識や判断を誤るのだから、それを前提として柔らかに思考すべき。
それこそが
懐疑主義と違って、可謬主義は我々が知識を捨てる必要性を
我々は我々が知っていることを論理的に確実に正当化する根拠を持つ必要はない。
可謬主義は経験的知識をさらに観察することによって、修正されうるということを理由とする。
我々が知識とみなしているものはどれも誤りであることが判明する可能性があるということだ。
「それを言えば前提主義者はこう言うだろう…誤った価値観を観察すべきはお前らの方だと…」
「腹が立つわ…問題のすり替えしか使わない擦り付け連中は…指摘も追及も成立しなくなる…」
「
「言い負かした方が勝ち…騙しきった方が勝ち…そんな世の中にされたせいなんでしょうね…」
「私達は国のような義務や責任は用意出来ない…悪の魔法少女のように洗脳魔法を使うしか…」
やちよがそれを言いかけた時、やつれてしまった常盤ななかに視線を向けてしまう。
震え抜く夏目かこの横で座るななかは顔を俯けてしまい、無言の態度を見たやちよは理解する。
彼女は未だに正義の魔法少女でいたい矜持があり、悪の洗脳魔法少女になりたくないと願う者。
悪の洗脳魔法少女を否定しておいて、正義の洗脳魔法行使はOKではヴィラン以下の卑怯者だ。
無力さを痛感する少女達に対して、哲学者のニーチェはこんな言葉を残している。
――事実というものは存在しない、
――自分の幻想を壊されたくないので、時に人々は真実を聞きたがらないだろう。
ニーチェの格言こそが可謬主義を表し、前提主義者に警鐘を残してくれる。
不都合な真実よりも安心出来る嘘に人は流されていくのだと啓蒙を残しているのだ。
個人においては狂気は珍しい。
しかし集団や政党、国家、時代においては、
陰謀論者を狂人に仕立て上げる者達が外国資本政府を賛美し、喜びながら自由貿易で自滅する。
そんな現実を突きつけられている神浜魔法少女達は恐怖に慄き、ついには絶望していく。
「……僕、もうこんな世界で生きるのは嫌だ。異世界転生してくる…」
「えっ…?ちょ、ちょっと……水樹!?」
「姉ちゃ……ミィももう……無理……こんな現実……耐えられないよ……」
「な…何を言い出すのミィ…?ちょっと……ッッ!?」
虚ろな表情で立ち上がった水樹塁とみかげの言葉は他の絶望少女達の気持ちを代弁している。
中二病の少女は世界の陰謀を解決したかったが本物の陰謀の脅威に絶望し、みかげも絶望する。
強制収容所に収監されると警官達が語った言葉が事実なら、両親の命は無いと分かったせいだ。
他の15人の魔法少女達も同じように席を立ち上がり、虚ろな表情をしながら屋敷を出て行く。
慌てた悪魔少女や気丈な気持ちで踏み止まった魔法少女達が追いかけてきた時、異変が起きる。
「この強大な魔力は…何なの!!?」
行く手を塞ぐようにして雷雲渦巻く空から雷が落ちていき、追手の者達の前方空間に直撃する。
雷が大地を駆け巡ったことで体が感電していき、追手の者達は地面に倒れ込んでしまうのだ。
「ここは何処…?もしかして異世界転生する時に…神様がチートパワーを授ける光景…?」
水樹塁達は異空間のような場所に立っており、濃霧のような白い世界から二人の影が現れる。
やってきたのはホワイトメン化した氷室ラビと里見那由他であり、虚ろな表情で語り掛ける。
「…絶望を知った魔法少女達、私達はホワイトメン。午前0時のフォークロアと名乗る者よ」
「貴女達もホワイトメンになる資格がありますの…一緒に世界を…宇宙を…滅ぼしましょう」
現れたのは行方不明だった親友の那由多であるが、虚ろな目をしたみかげは喜ばない。
それでもかつての親友の前に近寄ったみかげが質問し、那由他はそれに答えてくれる。
「私達の努力など焼け石に水…いいえ、もっと価値が無い。全ては宇宙意思のせいですの」
「宇宙意思の…せい…?」
「この世界を金融を用いて乗っ取った大魔王と…宇宙意思を務める唯一神は…影でグルですの」
「それじゃあ…ミィ達のような魔法少女は…両方の勢力から苦しめられてきたの…?」
「人間社会も含めて…そうですわ。私はラビさんからそれを聞かされて…絶望したのです」
「ミィも…絶望しちゃった…こんなのヒーローだのヒロインだのの問題じゃない…無理だよ…」
「その通りよ、みかげさん。これは魔法少女が解決出来る次元じゃない…だから全てを消すわ」
「うん…それが可能なら…ミィも手伝うよ…ミィ達ね…本当に…疲れちゃったから……」
絶望の使者に導かれた神浜魔法少女達は次々とホワイトメン化していき、彼女達は消えていく。
時空を彷徨うホワイトメン達は過去も未来も行き来する者達であり、未来の戦場に向かうのだ。
八雲みかげ、矢宵かのこ、保澄雫、毬子あやか、粟根こころ、加賀見まさら、江利あいみ。
春名このみ、千秋理子、胡桃まなか、阿見莉愛、梢麻友、史乃沙優希、水樹塁。
古町みくら、吉良てまり、三穂野せいらを合わせた合計17名の魔法少女が氷室ラビに組する。
彼女達が目にした戦場とは日本のザイオンのエネルギーをまかなう施設、無限発電炉であった。
最終バトルに向けてのお膳立てもあと少しで終わりそうです。
次はいよいよ混沌王な人修羅VS大魔王なルシファー戦ですかね…。