人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
荒れ狂う雷光、乱れ狂う流星、宇宙空間が破壊される程の神々の戦闘が行われていく。
血のように赤い流星と深碧に輝く流星が無数の光弾を放ち合い、辺りが激しく爆発する。
ゼロスビートと神矢来を放ち合う流星が互いにぶつかり合う度に衝撃波が生み出される。
<<オオォォォォォォォーーーーッッ!!!>>
斬撃をぶつけ合うのは人修羅とバアルであり、互いの背中からは光と炎の翼が噴き上がる。
天使と悪魔の六枚翼は光の翼と化しており、宇宙空間なのだがバアルの背中には炎の翼。
魔力によって具現化されたゲヘナの炎は真空である宇宙においても炎として機能するのだろう。
<フハハハハ!天を司るこのバアルに逆らうその姿は天使長時代のルシファーに見えてくる!>
<唯一神であろうとバアルであろうと…独裁者には反逆する!!その覚悟が必要なんだよ!!>
<愚者には相応の末路をくれてやる!長い物には巻かれる賢さを持たない愚者は滅ぶのみぞ!>
<事なかれ主義こそ独裁を完成させる!日本人だけでなく世界の人々に必要なのは反骨心だ!>
<革命で国を作れた連中ならいざ知らず、革命で国を生む経験がない日本に期待をする気か?>
<維新戦争とてクーデターだ…革命を経験出来なかった日本人に期待するのは難しいな…>
<それでも信じたいのか?それこそ愚者の発想だ!日本に生まれた事を呪いながら死ねぇ!>
<それでも歴史から学ぶことぐらいは出来る!歴史こそが人類の過ちを止める英知なんだ!!>
<ならば今直ぐ愚民共に英知を授けてみせろぉ!!>
巨大な翼と化している背中の両腕の右手を前に向けながら放つのは至高の魔弾の一撃。
迫りくる万能属性ビームに対して回避機動をとるのだが、動きを読んだ一撃が飛来する。
<チッ!?>
飛来したのは悪魔ほむらが放った極大の矢の一撃であるがワームホールに入り込んで回避する。
アスモデウス達の相手をアリナに押し付けた彼女も光の翼を背中に放出させながら迫ってくる。
<人修羅ァァァーーーーッッ!!!>
怒りの形相を浮かべながら念話を飛ばしてくる彼女は自身の前方に極大の魔法陣を生み出す。
魔力の矢を放ち、魔法陣に触れた矢が無数の鴉となりながらホーミングレーザーとなっていく。
ワームホールから出てきた人修羅は蹴り足に魔力を込め、一回転する後ろ回し蹴りを放つ。
ジャベリンレインと無数の鴉の矢がぶつかり合い、宇宙空間に激しい爆発現象が起きていく。
爆発の光を煙幕にして接近戦を仕掛けようとする人修羅に対してほむらは魔法盾を掲げる。
<そうはいかないわよ!!>
時間停止する宇宙空間であるが、ワームホールから飛び出した人修羅の動きは止まっていない。
ノルンの体を構成する黄金時計の針を動かす事でクロノスの時間停止が強制的に動き出す。
その影響は他の悪魔達にまで届いており、ノルンがいる限り時間停止魔法は無力化されるのだ。
<ゴフッ!!?>
ノルンの連携魔法によって時間停止魔法を超えた人修羅の回転踵落としが彼女の頭に直撃する。
月輪脚の直撃を浴びた悪魔ほむらが弾き飛ばされていくが背中の翼を羽ばたかせて制止させる。
しかし彼女を狙う至高の魔弾が飛来したことでブースト加速しながら回避するのだ。
<アリナに面倒事を押し付けて…自分はメインディッシュを頂こうってワケ?ムカつくカラ!>
怒りの表情を浮かべながら背中から光の翼を生み出すイナンナが超高速で迫ってくる。
彼女に対して反撃の矢を放とうとするが人修羅が放つ破邪の光弾によって妨害されてしまう。
敵味方の区別がない程の乱戦状態となっている戦場に攻め込んでくるのはモト達も同じだ。
<バアル…!!貴様との因縁…今日ここで終わらせてくれる!!>
<モトか…我の宿敵としての決着を望むようだが…かつての我と同じだと思うなら滅ぶのみだ>
<ぬかせぇ!今この場には貴様の妻はおらぬ…再び喰らった後、冥界で永遠に封印してやる!>
<どうかな?アナトやアシュトレトがいなくとも、彼女達のルーツであるイナンナがいるのだ>
ウガリッド神話における宿敵同士が放つメギドラオンの光によって眩い閃光が生み出される。
次々と炸裂するメギドの中から迫りくるのは隕石の群れであり、ミトラスも果敢に攻め込む。
<我が名はミトラス!!牡牛を屠る太陽神として…邪悪なカナン族の牛神を討伐しにきた!!>
ラグナロクの一撃が迫るのだがバアルの悪魔耐性は極限であり、炎の隕石を吸収する。
<ば、馬鹿なぁ!!?>
自らも燃え上がる隕石として体当たりを仕掛けたのだが、炎の翼の手で受け止められている。
<その程度の力で天を司る太陽神を名乗ってきたのか?笑わせてくれる!!>
鉤爪の手が握り込まれていき、12星座の記号が刻まれた岩ごとミトラスが滅ぼされていく。
<たとえ我が滅ぼされようと…ヴァルナであるアスラ王がいてくれる!先に地獄で待つぞぉ!>
豪快に砕かれたミトラスが膨大なMAGの光と化す中、モトとアスモデウスが攻め込んでくる。
<来るがいい…我が宿敵!そして裏切りの魔王よ!この天空神であるバアルが裁きを下す!!>
激しい猛攻を繰り返すのは人修羅と悪魔ほむらも同じであり、アリナもまたノルンと戦い合う。
光弾の雨と魔力の矢の雨が激しくぶつかり合い、眩い閃光を生む中で念話を送り合うのだ。
<俺はお前に語ったはずだ…フェミニズムの弊害をな。それでもそれを選ぶのか?>
<弊害なんて知ったことじゃないわ!私はどんな手段を用いてでもまどかとの未来を築く!>
<貴様が選んだフェミニズムのせいで…大勢が性の難民化に陥ってもいいというのか!?>
<お前達の反乱だって大勢の犠牲を強いるものよ!自分達を棚上げするんじゃないわよ!!>
<そうだな…いいだろう。俺も貴様も共に極悪人同士…悪と悪の潰し合いをしようかぁ!!>
極右を掲げる人修羅と極左を掲げる悪魔ほむらは互いの信念を懸けた殺し合いを行っていく。
共に掲げるのは赤旗精神であるのだが、社会革命を望む者達は望む方向性が全く違う。
この戦いはファシズムを掲げる国家社会主義とリベラルを掲げる共産主義との対決なのだ。
<悪なのは右翼よ!魔法少女同士の恋愛を封建的価値観で踏み潰す!レズビアンを脅かす!>
時間停止魔法を封じられてもクロノスの武器庫は健在であり、左腕を掲げながら兵器を用いる。
周囲に展開した異空間の光の中から飛び出してきたのはICBMであり、核ミサイルが迫りくる。
発射されたのはアメリカ空軍の大陸間弾道ミサイルであるミニットマンのようだ。
<イルミナティの政治・経済力を利用して、そんな物騒なもんまで用意していたか…>
悪魔ほむらの魔力加護を得ている核ミサイルは人修羅に猛追するようにして飛翔していく。
天使と悪魔の両翼を一気に羽ばたかせて制動をかけた人修羅は頭上に目掛けて一気に飛行。
彼を追うようにして上昇していく複数のICBMに対してフレアのように放つのは天使の羽。
無数に舞うようにして展開された天使の羽が後方で次々と炸裂し、ICBMが消滅していく。
ルシファーのメギドラダインによって核弾頭ごと消滅するのだが、前方からも攻撃が迫る。
<混沌王…お前の大げさな伝説も、今日で終わりよ!!>
人修羅の動きを読んでいた悪魔ほむらは周囲に展開した光の中から弾道ミサイルを発射する。
<お前も見せてみろ…まどかの運命を守ろうと足掻いてきた…信念の力をなぁ!!>
前方から再び迫りくる弾道ミサイル攻撃に対し、六枚翼を羽ばたかせて制動をかける。
右手に生み出すのは鬼神楽の光玉であり、握り込んで砕く。
小太陽が炸裂する程の眩い輝きの中で体が影を生み、発光する入れ墨が人型を形成する。
投げ放たれた一撃が無数の光弾の軌道を描き、花火の如く広がりながら悪魔ほむらに迫りくる。
<クゥ!!?>
弾道ミサイルを迎撃させて爆発を用いた煙幕を利用し、攻撃しようと弓を構えた女悪魔が怯む。
眩い光の中から迫りくるのは弾道ミサイルの群れを破壊してもなお迫りくる光弾の豪雨。
迎え撃つ悪魔ほむらは前方に展開した魔法陣に目掛けて魔力の矢を放ち、魔力の矢の雨を放つ。
光弾と魔力の矢が激しくぶつかり合い、眩い光を放ちながら爆発し、対消滅していく。
しかし悪魔ほむらの周囲には既に別の魔法が張り巡らされており、彼女の顔に冷や汗が浮かぶ。
<この力は何なの!?>
時空を操る大魔王の力であるワームホールが無数に開いており、逃げ出す隙間も見当たらない。
<悪いが、俺も譲れないな>
無数のワームホールから放たれたのはメギドラダインであり、炸裂する天使の羽が迫りくる。
<譲れないのは…こちらも同じよぉ!!>
上半身を俯け、鴉骨の翼から噴き上がらせたのは侵食する黒き翼の一撃。
次々と炸裂していくメギドラダインの消滅光さえも飲み込む程の侵食を展開して攻撃を防ぐ。
<ハァ…ハァ…ッッ!!私は負けない…私の双肩には…フェミニズムの未来がかかってる!!>
侵食する黒き翼を放ち終えた悪魔ほむらの顔には鬼の形相が浮かぶ。
ほむらとまどかだけでなく魔法少女の同性愛を守り抜くには男という概念を滅ぼす必要がある。
その為に必要なのがフェミニズムやポリコレであり、
<私こそがフェミニズムの新たな象徴であり…新たなリリスよ!邪悪な雄を排除してやる!!>
思想を違えたかつての友と本気の殺し合いをしなければならない。
人修羅の脳裏に浮かぶのはかつての親友達の姿であり、苦悶の表情を浮かべてしまう。
(思想や価値観が違うってだけで…どうして俺達は…潰し合わないとならないんだろうな…)
燃えるようにして魔力を全身から噴き上がらせる悪魔ほむらの背後に浮かぶのはリリスの姿。
フェミナチ化した時のリリスのようにおぞましい憎しみの炎をたぎらせながら飛んでくる。
<啓蒙主義が生んだリベラルは心の呪縛だ!!自分の価値観ばかりを優先するんじゃねぇ!!>
憎しみを叩きつけるようにして弓を振りかぶったほむらが魔力の弦を用いた斬撃を放つ。
袈裟斬り角度で放ってきた一撃を魔剣明星で受け止め、激しい鍔迫り合い現象を起こす。
眩い発光現象を遠くから見つめるのはノルンと戦っているイナンナである。
(我儘を通したい連中程ジャスティスを利用する…誰かを悪にすれば排除を正当化出来るワケ)
百合の世界を生み出すために男を悪に仕立て上げる悪魔ほむらを見ていると心が苛立ってくる。
思い出すのは学生時代の虐めであり、マッドアーティストという悪にされ、嘲笑われた苦しみ。
その苦しみは悪魔にすり替えられた神々も経験しており、卑劣なすり替え行為に激怒していく。
(他人を傷つける奴らは必ず相手を悪者に仕立て上げる…本当に……ムカつく連中だカラ!!)
自分の正しさのためなら相手の劣等性まで捏造してくる卑怯者に殺意をぶつけるために動く。
魔法攻撃を仕掛けてくるノルンに対してトラフーリを放つ。
眩い閃光を用いて消えたアリナが超高速で向かうのは怒りをぶつけたい悪魔ほむらの側面。
<アァァァァーーーーッッ!!!>
鍔迫り合いの側面から奇襲攻撃として飛び蹴りを放ったことで悪魔ほむらが弾き飛ばされる。
<アリナ……お前……>
佇むようにして宙に浮くアリナが人修羅に振り向いた後、こんな言葉を念話で送ってくる。
<前に言ったでしょ?アリナは虐められる連中の気持ちが分かる…アリナも虐められたカラ…>
<そうだったな…お前のような経験がほむらにもあったなら…ここまでにはならなかったな…>
<誰かを悪にしたい連中は勝手な正しさに酔いしれたい麻薬中毒者。何を言っても無駄なワケ>
<だろうな…どいつもこいつもエゴを優先する。間違ってるのはお前だと問題を擦り付ける…>
<そんなムカつく奴は先に消えて欲しいワケ。アリナはフェミワールドなんてノーサンキュー>
<お前はお前が求めるCHAOSの在り方があるんだろう……なら、先に障害を排除しておくか>
<フッ…自分の信念を貫き、友達であっても叩き潰す。それこそが私達が求めたヨスガよ>
<そうだったな…千晶。アリナの中で見ていてくれ…俺が示す俺なりのヨスガの道をなぁ!!>
遠い宙域にまで蹴り飛ばされた悪魔ほむらが超高速で迫りくる中、二体の魔王が武器を構える。
魔剣を背中に浮遊させる形で背負う人修羅は刀を左手に持ち、アリナはデスマスクを展開する。
<同じ魔法少女だったのに男に味方する名誉男性めぇ!!女の敵は男に味方する女なのよ!!>
<<支離滅裂なことを言ってんじゃねぇぇぇぇぇーーッッ!!!>>
ムスビが放つ虚言に対して激怒したシジマとヨスガが魔力を爆発させながら襲い掛かっていく。
夜のオーロラに引き籠るようにして展開した悪魔ほむらに批判を浴びせても彼女には通じない。
彼女は自分が見たいものしか信じない偏見世界に引き籠った女であり、ムスビを体現する存在。
どんな批判攻撃もオーロラで反射してしまい、相手の問題にすり替えながら擦り付けてくる。
ねじれ国会の如く話し合いも議論も成立しない現象こそが
永遠、無限の可能性、変化し続ける現象であり、限りがない輪廻の環と成り果てていく。
表と思ったものが裏で、裏だと思ったものが表になる回転となり、正解がオセロゲームと化す。
ループするプロットに陥った悪魔ほむらとの戦いこそ論戦であり、メビウスの環となった。
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<ヌゥゥゥゥゥ……ッッ!!あの戯け女共は何をやっているのだぁ!!?>
宿敵のモトや魔王アスモデウスと戦うバアルは黄金の牛兜内で怒りの形相を浮かべている。
協力して戦えと言ったのに仲違いを始めながら潰し合っている光景に愕然とするばかり。
彼女達を組ませたのは間違いだったと痛感していたところで追い打ちを仕掛ける女神が現れる。
<あっちはイナンナが味方をしているようだし、貴方達の援護を行うわ!>
加勢に来たのはノルンであり、『メディアラハン』を用いて仲魔全員の体力を全回復していく。
攻撃魔法や補助魔法だけでなく回復魔法も得意とするモイライ三姉妹の力は厄介そのもの。
そしてバベルの方角から飛んでくるのは強大な力を持ったベルゼブブとアスラ王の姿なのだ。
<モロクゥゥゥゥーーッッ!!ついに貴様をバアルの座から蹴り落とす日が訪れたぞぉ!!>
<バベルの塔は我々が制圧した!貴様ならば聞こえるだろう…我らの勝ちどきの雄叫びがな!>
念話に促されるようにしてバベルの塔から感じさせてくる感情エネルギーを感じ取る。
バベルの塔の頂上であるケテル城の至る所から三つ巴紋の赤旗が伸びており、制圧を示す。
塔の中ではクリフォトを含めて完全制圧したことに歓喜した者達が勝利の叫びを上げていく。
勝者達の力強い感情エネルギーを感じたことでついにバアルが怒り狂う。
<我が権威を象徴するバベルが反乱軍などに奪われるぐらいならば…我が破壊してやる!!>
<破壊されるべきは貴様の方だ!!我が死蠅の軍勢に喰い尽くされるがいい!!>
<黙れ…糞山の蠅めぇ!!貴様らごと…バベルを葬り去ってくれるわぁぁぁぁーーッッ!!>
ベルゼブブの周囲を飛ぶ黒い雲の如き死蠅の軍勢がバアルに襲い掛かっていく。
『死蠅の葬列』に群がられるのであったが、呪殺だけでなく物理的な攻撃まで吸収されていく。
<バ…バカなぁ!!?我が死蠅軍の猛攻が通用しないだとぉ!!?>
ナホビノ化したバアル神モロクの悪魔耐性は万能以外は全て吸収してしまう程の脅威。
究極の呪殺魔法ともいえる死蠅の葬列であっても体力を回復させる効果しか与えられない。
黒い雲の如き死蠅の群れから放たれたのはゲヘナの業火であり、一瞬で死蠅を焼き尽くす。
全身からゲヘナの炎を生み出しながら構える一撃こそ、日本神話で描かれた蛇を殺す一撃。
<天の怒りに触れた愚者共め…知恵の蛇に飼われた逆賊共め…貴様らの運命を断つ!!>
両手で陰陽を描きながら全身を用いて構えていき、天を貫かんと一気に右腕を掲げていく。
全身から噴き上がるゲヘナの炎が右腕を通して螺旋を生み出し、天を貫く断罪の刃と化す。
<あの一撃はまさか!?やらせるわけにはいかん!!>
決死の覚悟で突撃していくアスモデウスであるが、牛神が放つ極限の一撃は止められない。
<ムラクモの一撃……受けてみよォォォォーーーーッッ!!!>
叩きつける形で振り抜いた極大の一撃とは『天剣叢雲』であり、極大の万能属性が放たれる。
<<ウォォォォォォォーーーーッッ!!?>>
渾身の一撃で止めようとしたアスモデウスを飲み込んで滅ぼす程の天の怒りがバベルに落ちる。
<<ウォォォォォォォォォォォーーッッ!!?>>
<<キャァァァァァァァァァァーーッッ!!?>>
ケテル城から見えた恐ろしき天の刃の一撃に対して悲鳴が上がっていく。
プロビデンスの目を構築する神殿の中枢で懸命に戦ったスティーブンは最後を迎える事になる。
「やるべきことはやり遂げた…後は任せたよ。君ならば必ず…NEUTRALの道を貫けるさ…」
峻厳の城ごとプロビデンスの目を叩き切り、台座となるピラミッド型の神殿まで叩き切る。
極大に伸びた天の刃はクリフォトを構成する中層だけでなく世界政府となる下層まで両断する。
SF作品で描かれるような軌道エレベーターの如き塔が一撃で両断された事で崩壊していくのだ。
「そ…そんなことって……スティーブンが……ッッ!!」
防衛を務めてくれたリズと神将達はスティーブンの命令で慈悲の城まで戻っている。
そのお陰で極大の一撃を浴びずに済んだのだが、中央の神殿は峻厳の城ごと崩壊している。
「ま、不味いぞ!!この塔の中心が切断されたならば…巨大な塔を支えられなくなる!!」
「これだけの大質量が地上に向かって落ちてしまったら…日本が滅びてしまうわ!!」
絶体絶命の状況に陥ってしまった悪魔達であったのだが、彼らの体が光り輝いていく。
「こ……これは何なの!?」
何が起きているのかも分からない反乱軍の者達であったが、その姿が消失していく。
リブートコードを入力し終えていたスティーブンは最後の力で安全な場所に避難させたのだ。
システムが再起動するかのようにして地上に戻されていた者達が天を見上げていく。
「あっ……アァァァァーーーーッッ!!!」
恐れていた通り、真っ二つにされたバベルの塔は自重を支えられなくなっていく。
均衡の城と慈悲の城が傾いていき、地上に目掛けて落ちようとしていくのだ。
<フハハハハァァァーーッッ!!泣け!叫べ!そして死ねぇ!このバアルを楽しませよぉ!!>
高度数万キロメートルもあったバベルの塔が地上に激突すれば大被害は免れないだろう。
「オイオイオイ……戦争してる場合じゃなくねーかぁ…?バベルが倒れ込んでくるぞぉ!?」
海の中でティホンと戦うゼウス達であったが異常事態に気が付き、戦闘を中断してしまう。
「チッ!!アンナデカブツニ押シ潰サレルノハゴメンダナ。ココハ引セテモラオウカ!」
ゼウス達との戦いを中断したティホンは東京湾から逃げるようにして去っていく。
「お…お父様…どうする気なのですか…?」
海面で飛ぶアルテミス達がゼウスの元にまでやってきて対応を質問するのだが、返事は残酷だ。
「俺様達は撤退するぞ。この国が滅びようが構うもんか、人口削減こそ俺様の望みなんだぜ?」
「ですがお父様…老害共が滅びるなら構いませんが…魔法少女達の未来もあるんですよ!?」
「子供なら世界中にいるだろ?少し数が減ったって、また産ませて増やせば済むだけさ」
「全くゼウスったら…トロイア戦争の頃に出した答えを実行する気満々ですのね?」
「そういうわけさ、姉上。後は他の連中に任せるとする」
「ティホンも去ってくれたようですし、私も何処かで休みたいですな。今日は疲れました…」
ギリシャの神々は日本を見捨てるつもりのようだが、他の多神教連合は行動を起こしている。
天に昇りながら倒れ込む塔を破壊せんと魔法を放ち続けるのだが、破片が大きくなるばかりだ。
「ごめんなさい…お父様。わたくしも手伝ってきます。わたくしは魔法少女の守護神なのです」
「フン……勝手にしな」
アルテミスを残して消え去ったゼウス達であったが、彼女は拳を輝かせながら雄叫びを上げる。
「我が名はアルテミス…ワルプルギスを司る女神!バアル崇拝に穢された夜を元に戻す女だ!」
空が落ちてくる程の恐ろしい光景に目掛けて銀河列星拳を放ち続ける。
ヴィシュヌとシヴァ、パールヴァティとラクシュミも空を飛びながら魔法を放ち続ける。
しかしオーディンは戦いに参加しておらず、迎えに来たスレイプニルに跨ったままこう告げる。
「これから始まるのはCHAOS勢力だけでなく、世界の国々との総力戦だ。戦力を集めねばな」
「まさかオーディン様は…日本が滅んだ惨状を利用してエインヘルヤルを集めるのですか!?」
「その通りだ。既にヴァルキリーの招集を行う為の念話は送っている…我らの役目は終わりだ」
「わ、私も出来る限り戦わせてください!せめて瓦礫の規模が小さくなるまでは…」
「汝は相変わらずお人好しだな?人間もロキも変わらん…罪人共を救っても騙されるだけだぞ」
「騙されても構いません!信じる気持ちを失えば加害者にしかなれない…だから信じたい!!」
オーディンの制止も聞かずに飛翔していくイズンに対して、主神は無情にも手綱を打つ。
空に駆け上っていくオーディン達に見放されたことで地上は危機的状況となっていくのだ。
魔法攻撃で砕けていく塔ではあるが、その質量は未だに凄まじい規模である。
「な……なんだよ……アレ……?」
地上で暮らす人間達も空から落ちてくる絶望の塊に気が付いたため、悲鳴を上げていく。
塔の巨大破片が次々と落下していく関東地域は甚大な被害をもたらしてしまう。
その中には神浜市だけでなく見滝原市も含まれており、絶叫を上げながら人々が逃げていく。
そんな中、ガタガタ震えながら膝を崩して動けないのは見滝原中学校の女教師の姿なのだ。
「嘘でしょ…?黙示録のラッパが鳴っちゃったの?私…冗談で適当なこと言っただけなのに…」
涙を流しながら絶望する女教師とは鹿目まどか達の担任教師である早乙女和子先生である。
帰宅中の悲劇であったが、生徒の中沢が駆けつけて抱き起こし、懸命に逃げ延びようとする。
被害規模は関東だけでなく中部地方や日本海側、さらには東北地方にまで広がっていくのだ。
そして塔が倒れ込んで海面を叩きつければ大津波被害だって訪れるだろう。
「たかが塔の一つや二つ!!我々の手で押し出してみせる!!」
「やってみる価値はある!!ヒンズー教の主神の誇りを見せてやろうぞぉ!!」
大気圏の摩擦でも燃え尽きない塔の巨大な影に向かって飛んでいくのはヴィシュヌとシヴァ。
ヴィシュヌが崩れ落ちる慈悲の城の塔を支え込み、シヴァが均衡の城の塔を支え込む。
妻達も夫の後に続き、懸命に塔を持ち上げようとしていく。
しかし超巨大な塔の瓦礫を一点部分だけで押し上げようとしたところで根元から折れてしまう。
これだけの質量ならば起点部分から折れた瓦礫でさえ地上に甚大な被害を及ぼすのだ。
「ウォォォォーーーーッッ!!!」
「お…重過ぎる!!こんなの…女の子が持ち上げられる重量じゃないよぉ!!」
「それでも踏ん張れ…イズン!!私は諦めない…諦める姿を魔法少女に見せたくない…ッ!!」
「それでこそ本物のワルプルギスの夜だね…魔女の希望の象徴に負けないよう私も頑張るよ!」
アルテミスとイズンもヴィシュヌ達と共に超巨大な塔の瓦礫を押し上げようとしていく。
それでも塔の瓦礫は既に大気圏内であり、もはや地表との衝突は避けられない状態だ。
「諦めてなるものかぁ!!自分は戦う…愛する神浜を守るためならここで死んでも構わん!!」
「私も罪を清算するために抗います!キリカと小巻さんと一緒に暮らせた街を守りたいから!」
「可愛いタルトと弟子のセタンタが守ってくれる魔法少女達の未来を残すために…ッッ!!」
<<ヌォォォォォォォォォーーーーッッ!!!>>
十七夜と織莉子、スカディ化したリズや十二神将達まで塔を押し上げようと奮戦していく。
アタバクや残存したヤクシャ達まで飛翔しながら塔の瓦礫を押し上げようと足掻き続ける。
<フハハハハァーーーーッッ!!無駄無駄無駄ぁ!!派手に滅びるがいい…愚か者共めぇ!!>
ベルゼブブとモト、それにアスラ王とノルンを相手に戦うバアルが高笑いを行っていく。
地上で巻き起こる絶望が頂点にまで高まる瞬間を期待しながら見つめていたが、異変が起きる。
<な……何なのだ…?あの輝きは……ッッ!!?>
<あの光はまさか……感情エネルギーなのか……?>
宇宙から見えた光景とは世界中で戦う反乱軍サマナー達が日本に送り届ける感情エネルギー。
葛葉一族の里ではライドウだけでなく里のサマナー全員があぐら状態で座りながら印を組む。
全身から噴き上がるMAGを東京湾方面に送り届けようとするのは時女一族も同じ。
全国に散って戦う彼女達も印を組みながら感情エネルギーを練り上げ、東京湾方面に送る。
世界中で戦う多神教連合のサマナー達も同じようにしながらMAGを日本に送るのだ。
「力がみなぎってくる……この温かい感情エネルギーは……サマナー達のものか?」
「それだけではない…僅かばかりだが魔法少女達の感情エネルギーも感じさせてくれる…」
「フッ…温かいエネルギーだ…サマナー達だけでなく…魔法少女達の温もりも感じてしまう…」
「静香さん達の魂の力…確かに受け取りました。だからこそ…押し上げてみせる!!」
絶体絶命の状況のまま地表に叩きつけられそうな悪魔達の体に集まったMAGが輝きを放つ。
彼ら、そして彼女達は持てる魔力や神通力の全てを出し尽くす程の力を発揮していく。
超巨大な塔の落下が制止していき、深碧に輝くMAGの光と共に空に向かって昇っていくのだ。
<ば…馬鹿な…こんなことが…起きるはずがない……ッッ!!?>
分断されたバベルの塔が成層圏を超え、宇宙空間にまで飛び出し、地球から離れていく。
<何という光景だ……これこそが……人の可能性の光なのか……?>
メビウスの環が広がる宇宙に消えていく光り輝くバベルの塔を見送るアスラ王は合掌していく。
バベルを見送る人修羅も微笑みを浮かべていき、人類の未来に希望を感じてくれるのであった。
<いつか必ず……
――人類の分断だってな。
アクシズ・ショックぐらい出来なくて何がメガテンの主神級の力なのか!と思ったのでド派手にしてみました(汗)
スティーブンの即時退場はしゃーない…ゲームマスターのようなチート存在だし、るろうに剣心でいう比古清十郎のような存在だし…(汗)