人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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363話 産みの苦しみ

黙示録に登場する神の玉座の如き箱舟戦艦と天使ロボ達がもたらす被害規模は甚大である。

 

LAW勢力の次の目標となった中国は壊滅的な被害を被り、主要都市が次々と滅ぼされていく。

 

経済の中心であった上海は高高度から放たれたメギドファイアによって地図から消えてしまう。

 

続いて政治の中心であり、共産主義政党の牙城である北京は天使ロボ軍団が殲滅していく。

 

「背教、暗黒時代ヲ築キアゲタ共産主義ニ死ヲ!コミュニズムハ、地獄ニ堕チルノダ!」

 

「コミュニストハ、カナン族ニ惑ワサレタ、裏切リ者達!悪魔ノ仲間ニハ、死ガ与エラレル!」

 

「資本主義ト共産主義ハ、同ジ罪デアル!ドチラモエリートダケヲ救ウ、悪魔ノ詐欺デアル!」

 

「預言者モーセハ、惑ワス者ハ裁カレルト言葉ヲ残ス!裁キノ時ガ訪レタノダ!」

 

中国語に変換されたプロパガンダを大量に垂れ流しながら破壊の限りを尽くす天使ロボ達。

 

彼らの圧倒的な戦力はデモニカ技術が導入された中国人民解放軍ですら太刀打ちできない。

 

瞬く間に政治の中心であった北京は崩壊し、中国は国家存亡の危機となっていくのだ。

 

「我々が手を下さなくとも、ワクチン接種で悪魔にされた者共によって国々は滅んでいく」

 

「悪魔にされた人々は死にたくても死ねない。死が逃げていく程に悪魔の狂暴性を発露する」

 

「彼らこそが()()()()()()()()()()姿()…金の冠を被り、顔は人間の顔をした悪魔なのです」

 

「金の冠とは第一の騎士(ホワイトライダー)…白人国家を金融支配したカナン族の罠で人類はイナゴとなるのだ」

 

箱舟のメインブリッジで地上の戦果を見守るのは熾天使達の姿である。

 

彼らがもたらすのはヨハネ黙示録で描かれるこの世の地獄の光景なのであろう。

 

地上を焼き払う天使ロボこそ黙示録に描かれたケルプであり、地上に死の洪水をもたらす。

 

「罪人共がイナゴの悪魔になるのは自業自得…主の教えを忘れ、カナン文化に迎合した報いだ」

 

「そんな背教者を粛清する我ら三天使こそ、人類に永遠の福音を与える役目を任されてます」

 

「三番目の天使こそが私です。私は獣と堕落の像を拝む者達を告発し、極刑にするのですよ」

 

背教者を告発するガブリエルがもたらすのは神の怒りのぶどう酒の如き火と硫黄の天罰。

 

獣とその像を拝み、額や手に獣の刻印を受けた者は煙となって消し飛ぶ程のメギドを浴びる。

 

苦しみの煙は世々限りなく立ち上り、昼も夜も安らぐことはないだろう。

 

「最後の審判は目前と迫る中…CHAOS勢力は変わらず潰し合っている。まるで人類そのものだ」

 

「彼らの内戦を利用し、我らは地上の三分の一を焼き尽くすまで殲滅戦を続けていきましょう」

 

「その前にマンセマットからもたらされた情報にあったザイオン都市を滅ぼす必要があります」

 

「地球に13存在する巨大な地下コロニーのようですね?往生際が悪いイナゴ共の巣ですよ…」

 

「我らの為にミカエル殿が増援部隊を手配してくれた。アマラ経絡を通ってこちらに合流する」

 

「彼らにはザイオン殲滅戦を実行してもらいましょう。それまで我らは地上を滅ぼすのみです」

 

強大な天使軍は首都の北京を滅ぼすだけでは飽き足らず、広大な中国全てを攻撃目標にする。

 

立ち向かう人民解放軍は天使ロボに蹂躙され、空軍ですら空の彼方の箱舟に攻撃出来ない。

 

戦闘機が昇れる高度を超えた三万メートルを浮遊する箱舟戦艦に対して攻撃手段がないのだ。

 

成す術なく大虐殺される漢民族達の光景は文化大革命時代を遥かに超える規模の地獄である。

 

天使軍が殺す漢民族の数は最終的には13億人規模にまで膨れ上がるだろう。

 

逃げ惑う漢民族達は天使軍から遠ざかるために南に向かって逃げていく。

 

向かう先は香港であるのだが、中国に見切りをつけた香港政府は漢民族を裏切る政策を行う。

 

香港政府は勝手に国境線を敷いて軍隊を配備し、難民となった漢民族を受け入れない体制だ。

 

これは台湾や周辺国も同じであり、膨大な難民を受け入れられないという合理的な判断だろう。

 

これこそが移民問題の答えであり、鬼となって自分達の国民生活を優先しなければならない。

 

可哀想だからという感情論だけで家に大量難民を迎え入れては家長も家族も飢え死にするのだ。

 

阿鼻叫喚と化した難民は沿岸都市に流れ着き、世界に点在する華僑の元に辿り着く舟を求める。

 

しかしそれを待ち構えていたのは天使軍のメルキセデク部隊であり、空から爆撃されていく。

 

残された最後の希望は中国に作られたザイオンの一つであるが、それは箱舟戦艦が処分する。

 

中国ザイオンの情報を得ている天使軍は天空から砲撃して地下都市ごと大地を消滅させるのだ。

 

漢民族は成す術なく滅ぼされていき、共産主義中国は国として滅びる末路となるのであった。

 

────────────────────────────────

 

天使軍の到来によってCHAOS勢力は窮地に立たされている。

 

朝鮮半島や中国、それにザイオンへの攻撃によって支配基盤がどんどん失われる状況なのだ。

 

「天使軍は中国のザイオンを見つけ出して破壊した!つまり我々の機密が漏れているのです!」

 

イスラエルのバアル宮殿では執務室の机の椅子に座る神に対して命懸けの具申をする者がいる。

 

その人物も堕天使であり、バアルをサポートしてくれる悪魔なのだろう。

 

【ダンダリアン】

 

ソロモン王の72柱に数えられる魔神の一柱であり、36の軍団を率いる異相の公爵。

 

右手に本を持ち、その顔は老若男女のものが変化し続けている。

 

あらゆる芸術や科学の知識に精通し、また思考を読んだり操る能力も持つ知将の悪魔であった。

 

「アスラ軍より天使軍を迎え撃つべきですわ!他のザイオン情報さえ漏れてる危険が大きい!」

 

魔術師ローブの背中には蝙蝠翼が生え、襞襟の上には複数の貴族男や淑女の頭部を同時に持つ。

 

そのため口調がコロコロ変わる奇怪な堕天使の具申に対して、バアルはこう告げるようだ。

 

「それでは我々の背後をアスラ軍と多神教連合に取られてしまう。背を向けるわけにはいかん」

 

「それでは各地のザイオンが天使に潰されるのですじゃ!ここは休戦協定を結びましょうぞ!」

 

「貴様…このバアルが人修羅共に泣き寝入りするべきだと申すか!!命がいらんと見えるぞ!」

 

「ヒィィィーーッッ!?滅相もございません!いずれにせよ我々は追い詰められてるのです!」

 

ウイルス攻撃によって世界の金融は崩壊しており、各国の経済界は疲弊しきっている。

 

そのため政府が軍を動かせば動かす程に困窮していき、経済界の支援なしには力尽きるだろう。

 

それだけでなくイルミナティやフリーメイソンを構成した金融資本家達は逃げ腰状態である。

 

我先にと各国のザイオンに逃げ込み、彼らが溜め込んだ財をザイオンに移す状況なのだという。

 

既に地上世界は国際金融資本家に捨てられた状況であり、ディープステートも混乱を極める。

 

今の状況で各国の首都に奇襲攻撃を仕掛ける軍勢が現れたら対処することは不可能だろう。

 

「…ウクライナに展開させたNATO軍をアスラ共にぶつけろ。それでどうにか時間を稼げ」

 

「ですが…NATO軍はロシアとの戦争状態なのですよ…?それに彼らはただの人間の軍勢…」

 

「つべこべ言うな!今直ぐ全軍を反転させ、欧州で暴れる逆賊共の対処をやらせるのだ!」

 

「わ、分かりましたですわ!!」

 

頑ななバアルの説得を諦めて去ろうとするダンダリアンであるが呼び止められる。

 

バアルが聞きたい作戦内容を伝えるのだが、部下はいい顔をしていない程の暴挙のようだ。

 

「日本のディープステートが倒された際に動かせる国連軍の編成は済んでおりますが…その…」

 

「……まだ何かを言いたそうだな?」

 

「金融崩壊の影響で継続戦闘能力がない大軍勢では…日本の武力制圧は成り立ちません…」

 

「だれが進駐軍を残せと言った?我が求めているのはな…日本を瓦礫の山にすることだ」

 

「ま、まさか日本に武力侵攻するのは…戦力在庫の一斉放出でしかないと仰るのですかぁ!?」

 

「朝鮮半島が消え、中国も消えた。アジアはもう用済みだろう…日本も地図から消してやれ」

 

狂気の作戦を実行しろという主君に対して、腰抜けのダンタリアンは止めることも出来ない。

 

戦力在庫の放出だけの戦争では戦後の利益が得られず、巨額の負債だけしか残らない。

 

莫大な投資をしてもリターン0で巨額の負債を抱えるだけの経済活動と同じことをやれという。

 

欧米にとっては大損にしかならないというのに権力の暴走を止めることは出来ないのだろう。

 

これがピラミッド式トップダウン構造の大弊害であり、独裁国家やブラック企業の弊害なのだ。

 

ダンタリアンが去った後、立ち上がったバアルが執務室にある扉を開けて外に出る。

 

地中海が見える巨大庭園の噴水前で立ち止まったバアルは血のように赤い太陽に視線を向ける。

 

「…金融資本とディープステートの影響力低下のせいで…世界の保守派共が活発化している…」

 

今の世界情勢はもはや金融資本勢力からの脱却を求める勢力の影響力が日に日に増している。

 

これをもたらした諸悪の根源である人修羅に対して憤怒を爆発させていく。

 

「次に相まみえる時は…我も本気を出さねばな。そのためにも…あれの封印を解く時がきたか」

 

体から噴き上がる嵐の神の力によって血のように赤い太陽が雷雲に飲まれていく。

 

巨大な竜巻と暴風、雷鳴で荒れ狂う天空から地中海に放たれるのは一直線に伸びる轟雷の一撃。

 

預言者モーセが海を割ったエピソードを彷彿させる程の風の力によって海底が露出していく。

 

そこはウガリット神話の主神であるバアルと海神ヤムが戦った地であり、封印の棺がある。

 

バアルの望みに応えるようにして封印の棺が開いていき、浮遊して出てきたのは二対の棍棒。

 

これこそがバアルの神器である()()()()()()()()()()であり、意思を持つように飛んでくる。

 

ミョルニルのような打撃部分が備わった銀のヤグルシは海神ヤムに最初の一撃を与えたという。

 

丸太のように太く、黄金に輝くアイムールは海神ヤムの頭部を砕いたという。

 

追放と撃退の名を持った神器が高速で飛来するのだが、バアルは両手で棍棒の柄を掴み取る。

 

手に吸い付くように馴染む神器に嵐の神の力が宿ったことで雷と風の力が噴き上がっていく。

 

「フハハハハァ!!馴染む…馴染むぞぉ!!久方ぶりにお前達を振るう時がきたのだぁ!!」

 

至高神エルによって神々の主に選ばれたヤムに対し、バアルはヤムの奴隷となれと命じられる。

 

それに業を煮やしたバアルは工芸神コシャル・ハシスと協力してヤムを倒す神器を生んだのだ。

 

「神々の主となるのは我なのだ!!人修羅ではない、唯一神でもない…このバアルなのだ!!」

 

宇宙を破壊出来る雷霆であるゼウスのケラウノスに匹敵する程の神器を持って全てを滅ぼす。

 

逆賊の人修羅を撃退し、至高天の玉座を奪う唯一神を追放するための神器を振るう時がくる。

 

それを感じているのはバアル神モロクに取り込まれてしまった名も無き少年の心のようだ。

 

(……これ以上、世界の子供達をバアルに殺されたくない。そんな地獄の世界は…嫌だ……)

 

バアルのナホビノとして取り込まれた少年の心の中には深い深い悲しみと決断が宿っていく。

 

その覚悟がいずれバアルを滅ぼす機会を導くのだと、今のバアルは気が付かないのであった。

 

────────────────────────────────

 

極限の戦場と化す世界にやってきた悪魔達もまた光と闇の最終戦争に参加を希望していく。

 

悪魔本来の強欲さを満たしてくれるCHAOS勢力に組する悪魔達だけではない。

 

ギリシャ神話や北欧神話、ヒンズー教や仏教勢力に組する悪魔達は人修羅側に集うのだろう。

 

それぞれの消耗した戦力を補う新たな戦力を加えたことで戦争の激しさは増すばかり。

 

それでも人修羅側には悪魔の中でもトップクラスの悪魔達が勢揃いしている。

 

そのため新たな悪魔や人間の軍隊がいくら束になって戦おうが敗北するしかないのだろう。

 

「ハーッハッハッハァ!!ぬる過ぎる!!雑兵がいくら集まろうと…無駄死になのだぁ!!」

 

フランスで暴れるのはCHAOS勢力の副王であった魔王ベルゼブブである。

 

フランスの空は漆黒の曇天に包まれているように見えるだろうが、雲の正体は蠅王の軍勢。

 

曇天を形成出来る程の死蠅達がフランス各地に点在する軍事基地に一斉攻撃を仕掛けていく。

 

成す術なく死蠅に呪殺される兵士達は魂を奪われるだけでなく死体に卵を植え付けられる。

 

死体を苗床にしてどんどん死蠅が生み出されるため、想像を絶する程の死蠅が生まれるのだ。

 

兵士達の魂を運んできた死蠅はベルゼブブの巨体に飲み込まれていき、魂を喰らっていく。

 

七つの大罪においては暴食を司るベルゼブブの恐ろしさが垣間見える地獄の光景なのだろう。

 

<<これ以上貴様の好きにはさせんぞ!!裏切り者の蠅王めぇ!!>>

 

フランスの軍事勢力を壊滅させた頃、ベルゼブブの前に現れたのはかつての同胞の一体。

 

その魔王の名はアリオクであり、醜悪なまでに肥大化した巨大ボディで構成される存在だ。

 

体に牙と鱗のある醜く太った巨人姿の体には縦に伸びた巨大な口が広がっている。

 

その口には無数の牙が生え、大きな舌を伸ばすその形はまるで女性器に見えるのかもしれない。

 

大きな蝙蝠翼を背中に生やし、巨大な剣を持つ魔王が蠅王に挑もうとしている。

 

「アリオク!無駄な雑兵を用いて我を疲弊させようとしたのだろうが無駄なのだ!!」

 

「くっ…貴様程の存在が何故我らを裏切るのだ!?貴様は魔界の副王であったというのに!!」

 

「副王という地位こそ我の侮辱なり!我こそが本物のバアル!モロクなどではないのだぁ!!」

 

「読めたぞ…貴様は閣下やバアル殿を蹴落として大魔王の座に就くために反逆したのだな!!」

 

「その通りだとも!人修羅殿は大魔王の座を譲ると確約してくれた!ならば力を貸そうぞ!!」

 

「欲望に目が眩んだ愚か者め!!貴様は踊らされているだけなのだ!目を覚ますがいい!!」

 

「黙れ!!この得難いチャンスをものに出来るならば…我は同胞であろうが踏み越えようぞ!」

 

空に君臨する巨大な蠅王が髑髏の杖を地上に向けながら死蠅の軍勢に号令をかける。

 

迎え撃つのはアリオクが用意した悪魔の軍勢であり、呪殺無効耐性持ちで固められている。

 

アリオクが引き連れた存在はケルト神話では魔王と恐れられた悪魔のようだ。

 

【バロール】

 

ケルト神話の単眼が強調される魔王であり、その視線を浴びた者は戦闘能力を失い灰と化す。

 

ダナーン神族の敵であるフォモール族の首領であり、その恐ろしい魔眼で名を轟かせた。

 

「バロールの分霊共を集めたところで我が軍勢の死からは逃れられん!滅びるがいい!!」

 

天空から突撃してくる曇天の如き死蠅の軍勢に対して魔王達が一気に動く。

 

アリオクは口からファイアブレスを放ち、巨人のバロール達も単眼を開けながら炎を放つ。

 

バロールの呪殺魔眼は同じ属性のベルゼブブと死蠅には通用しないが死蠅も呪殺が通じない。

 

それぞれが攻撃魔法や物理攻撃を仕掛け合う大乱戦と化し、周辺の街は火の海と化す。

 

飛び交う戦闘機は死蠅に取り憑かれて地上に落ち、戦車や装甲車は雷に焼かれて爆発する。

 

地獄のフランスの隣にあるスペインでは地獄の蓋が開いたような魔王と戦う神々がいるのだ。

 

「なんという醜悪な魔王なのだ……」

 

「まるで地獄の蓋が開いたような光景ですわね……」

 

異界に囚われたシヴァとパールヴァティが地上を見下ろせば冷や汗が浮かんでしまう。

 

異界の光景とはスペイン全域を模倣した空間である。

 

そこに顕現した恐ろしい存在とは東京都全域を口の中に放り込める巨体なのだ。

 

その巨体は全長一万メートルにまで達する程に巨大であり、大都市を腹に収められるだろう。

 

超巨大な山の如き魔王こそ黙示録のイナゴを表し、全てを飲み込み消費するイナゴの王である。

 

【アバドン】

 

黙示録の世界において第五の封印が解かれた時に現れるイナゴの群れと災いを表す魔王。

 

封印を解かれることにより地獄の縁の扉が開かれ、煙の中より無数のイナゴが現れるとされる。

 

煙より無数のイナゴが現れ、蠍のような針を持ち、戦車のような羽音をたてて飛び回るという。

 

彼らは獅子の歯を備えた人の顔を持ち、金の冠を被って女の髪を振り乱し、胸当てをしている。

 

神の刻印を持たない者に対して、五ヶ月の間は死よりも苦しい苦痛を与える存在であった。

 

「ガッハッハッハッハァ!!どうだ…インドの神々よ?今の世界の人々を見てどう思う!!」

 

喋るだけで巨大な轟音めいた音を周囲に撒き散らす大悪魔の体は醜悪そのもの。

 

不気味な緑色の体そのものが奈落を表し、その大口は全てを飲み込む程にまで巨大。

 

奈落とは大食いを表し、滅びるまで世界を消費し尽くす消費者達の姿を表す存在なのだ。

 

「…貴様と同じく醜悪極まりない。求めるものは食事と娯楽のみ…精神の成長など誰も求めん」

 

「その末路こそ人間の悪魔化だ!ワクチンの毒などキッカケに過ぎん…人は最初から悪魔だ!」

 

「一理ありますわ…悪魔化した人間達の獰猛さの中にはイナゴと同じ消費を求める欲がある…」

 

「人類全てにイナゴが宿るのならば人類全てをカナン族化出来る!その為の堕落支配だった!」

 

「誰も英知など求めず権威に全てを丸投げし…求める者は異常者にされ、迫害されるのみか…」

 

「消費者は消費出来るのなら同族だって消費しますわ…娯楽感覚で虐めを行える連中ですし…」

 

「共食いさえ行い、それに違和感も感じぬ光景こそ魔女狩り時代から変わらぬイナゴの姿だ!」

 

「全ては自分こそ正しく、相手は間違いだという偏見とエゴが人間をイナゴに変えてしまうか」

 

「人類は過ちを繰り返す心の負けを経験してきましたわ…ですが負けから得られるものもある」

 

勝って学ぶより、負けて学ぶ方がインプットの質は高い。

 

失敗をそのままにしておくから失敗になるのだろう。

 

学び方とは何か?

 

1 何故負けたのかを状況判断する分析。

 

2 ではどうすれば良いかの仮説を立てる。

 

3 仮説で判明した対策解を実行する検証を繰り返す。

 

「全ての言葉は結果をもたらす、全ての沈黙も同様にな。沈黙ほど支配を強めるものはない」

 

「だからこそ我々は破壊神となってでも叫ぶのです。支配を受け入れる沈黙こそ悪なのだとね」

 

「貴様の腐り切った魂こそ、誰かが指摘してやらねばならん。間違いは正さねばならんのだ!」

 

「無駄無駄ぁ!イナゴにそれを指摘してもエゴが爆発し!問題を指摘側にすり替えるだけだ!」

 

「自己批判しない連中がメビウスの環を仕掛けてきても諦めません!沈黙してはなりません!」

 

「誰かがそれでも!と言い続ける道こそが人類の革新であり!イナゴ世界の変革である!!」

 

負け続けた末に悪魔化しようが人類は学び直せるとシヴァとパールヴァティは叫んでくれる。

 

人類に救い無しと諦めて絶望すれば最後、全てを破壊したい虚無主義(ホワイトメン)に支配されるのみ。

 

破壊だけでなく破壊の先に新たな創造を求める救いこそ、絶望の中に希望を見出す在り方。

 

破壊と創造は表裏一体なのだと人修羅や唯一神が体現するようにしてシヴァも体現するのだ。

 

「グハハハハァ!!人間は何処までもイナゴの悪魔なのだと…コレを見て知るがいい!!」

 

東京都を丸呑みできる程にまで巨大な大口を空に向けて開いたアバドンが何かを吐き出す。

 

奈落の口から飛び出してくる無数の分霊とはアバドン神話の別名を司るイナゴの群れ。

 

【アポリオン】

 

その姿は黒い王冠を被った巨大イナゴであり、サソリの尾を持つアバドン虫。

 

ギリシャ神話における太陽神アポロンが自ら打ち倒した邪龍ピュートーンと同一視される。

 

奈落・破壊者を意味するアバドンの時代的に古いギリシャ語で表される別名であった。

 

<<クァァァァァァァァーーーーッッ!!!>>

 

体は巨大な黒いイナゴであり、顔は悪魔とも人間とも思えるおぞましい存在が現れる。

 

その数は膨大であり、ベルゼブブの死蠅の軍勢を彷彿させる規模で吐き出されるのだ。

 

一体一体が10mは超えた巨体で羽ばたく姿はこの世の悪夢としか思えない光景だろう。

 

アポリオン達の頭部が左右に分かれていき、中からせり出してきたのは巨大な回転ノコギリ。

 

かつての帝都で起きたアバドン王事件を彷彿させるイナゴの軍勢に対して破壊神が動くのだ。

 

「犠牲無くして再生なし…人修羅もその罪を背負っている…ならば我もまた背負おうぞ!!」

 

一回転した後、右手のチャクラムを回転させながら詠唱を行っていく。

 

何を放つのか理解したパールヴァティがシヴァを援護するためにドゥルガーの気を解放する。

 

再びカーリー化したパールヴァティが放つのは六本の剣を用いて放つデスバウンド。

 

猛烈な衝撃波によってアポリオン共を押し留める中、シヴァは周るように踊りながら構える。

 

その構えとはシヴァ神の異名を表すナタラージャであり、宇宙の律動を司る一撃なのだ。

 

「貴様らCHAOS勢力が数千年間行った悪行は許し難い!!ヤマの国で永遠に焼かれよ!!」

 

シヴァの額にある第三の目が縦に開いたことで放たれるのは『ターンダヴァ』である。

 

宇宙の創造、維持、破壊、幻惑、解放を司る極限の破壊魔法が天から降り注ぐ。

 

「こ…この力が…本物の…破壊神の…力なのかぁ!!?」

 

敵全体に特大威力の万能属性攻撃を放つ消滅光によってアバドンとアポリオン達が消滅する。

 

加減した威力とはいえ尋常ならざる破壊エネルギーが異界に落ちたことで地形が一変していく。

 

メギドラオンを遥かに超える威力のため、スペイン全域を構築した異界世界が消滅するのだ。

 

アバドンが展開した異界が消え去り、元の景色が見えたシヴァは安堵の溜息を漏らしてしまう。

 

「異界でなければ使えなかった…もし地上で使っていればこの国どころか周辺国も滅んでいた」

 

「破壊神の力は宇宙さえも破壊するからねぇ…それを極限に微調整しても限界があるさ…」

 

「奴はイナゴの魔王として喰らうことしか頭にない…喰らう土地を守るための異界だったのだ」

 

「そのお陰で守れた命は大勢いる…アタシ達のような神や悪魔も似た者同士なんだろうねぇ…」

 

「喰らうために守るか…まさに消費者(イナゴ)と呼ばれる人間の在り方を体現する魔王だったな…」

 

第三の目を閉じたシヴァは以後、この力を行使するべきではないと戒める。

 

この世界で生きる人々の運命はまだ終わるべきではないと信じているのだろう。

 

それでも他の破壊神が同じことを考えてくれるかどうかの保障は無い。

 

後ろを振り返ったシヴァの向こう側に見えるのはイギリスであり、ギリシャの軍勢が展開する。

 

シヴァが恐れているのは豪胆で乱暴なゼウスであり、彼のケラウノスを恐れているようだ。

 

「イギリスを守る魔王は悪魔ほむら…そしてクロノスを従えた彼女はティタン神族を用いる」

 

「ゼウスも本気になりかねないねぇ…もしかしたら、ケラウノスの真の力を解放するかもね」

 

「そうなれば我に代わってゼウスが地球を滅ぼしかねん…いざとなれば我らが止めに入るぞ」

 

シヴァ達はイギリス方面を気にしつつもスペインの軍事勢力を無力化する戦争を繰り返す。

 

欧州全土を燃やしてでも軍事力の全てを無力化させる狙いとはディープステートの無条件降伏。

 

ディープステートに支配された欧州政権を奪取するには抗う全ての戦力を破壊する必要がある。

 

腐ったヤンキーを従わせたいならヤンキーをボコボコにして抗う気力を奪う行為と同じなのだ。

 

しかしヤンキーと違う部分は戦う戦力とは罪無き公務員達であり、彼らは操り人形に過ぎない。

 

それでも家族を養う給料のために武器を取り、兵器を動かしながら命を散らしに来るだろう。

 

金融マフィアとグルになり、国を動かす売国奴だけをぶちのめしたいのに罪無き手駒が来る。

 

それらを一掃して抗う戦力全てを滅ぼす程、罪無き命が蹂躙され、家族も地獄に落ちる。

 

最悪なのは彼らは売国奴から国を守る正義を吹き込まれたせいでこちらが悪にされる部分だ。

 

「世直しという破壊行為はやりきれないものだな…我らのせいで多くの人々が嘆き苦しむ…」

 

「それでも産みの苦しみ、味わうのは必然だよ。これは神である前に女として言える言葉さ」

 

「そうだろうな…人修羅だって苦しんでいるのだ。もしかしたら唯一神も…同じなのかもな」

 

多くの者達が産みの苦しみを抱えて戦っていく。

 

その中には悪魔である前に女である暁美ほむらの姿もあるのであった。

 




「産みの苦しみ、味わうは必然!しかし草壁に徳無し!」
劇場版ナデシコの月臣元一朗のセリフは未だに耳に残る名言なんですよねぇ…。
拙作もある意味、熱血クーデターなノリですしね(汗)
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