人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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364話 信念をかけた神々の戦場

フリーメイソン・ロッジの本部が置かれているのは英国である。

 

英国の防衛を任されている悪魔ほむらは新たなリリスとして多神教連合を迎え撃つ構えだ。

 

「イギリスの東の海を渡って次々とティタン神族の兵隊達が合流してくるようね」

 

「東方とはフリーメイソンにとって至高の概念。奇しくも東から我が軍勢は現れるか…」

 

悪魔ほむらとクロノスが率いるティタン神族が陣を張るのは英国ロスチャイルドの屋敷。

 

英国ロスチャイルド一族の者達やフリーメイソンのグランドマスター達は既に逃げ出している。

 

英国ザイオンに身を潜めながら悪魔ほむらとティタン神族に縋りつくしかない立場なのだろう。

 

巨人姿から擬態して人間の兵隊めいた姿になっているティタン兵達が警備する屋敷の奥。

 

そこは屋敷の秘密室であり、バフォメット像やバアル像などが飾られた儀式部屋のようだ。

 

そこに潜む形で座っている悪魔ほむらはクロノスに対して質問してくる。

 

「フリーメイソンは東を重要視するというのはどういう意味なの?」

 

「欧州や南アメリカなどの最高本部を明示するのがオリエント(東方の世界)であり、イースト()なのじゃよ」

 

東はフリーメイソンの栄光の場として常に言及される。

 

大東社のメイソン達が共通して抱いた東方への崇敬は西洋文明の中に東方専制政治を敷く。

 

彼らは全体主義政府の組織を介して東方の独裁的な法の支配を実行させてきたという。

 

「東方的専制主義は先進国の法廷手続きに広く流布し、法廷は専制者に支配されたのじゃ」

 

象徴的にも専制者が入室すると一同起立して一礼しなければならず、その決定は絶対である。

 

一般市民からの質問を一切寄せ付けず、専制者に質問するのは選ばれた弁護士(神官)を通すしかない。

 

個人の権利は専制主義によって埋没させられ、一部の者達だけで法が動かされるのが専制だ。

 

「フリーメイソン勢力が法定を牛耳る限り、市民は太刀打ちできん。これが法の破壊であった」

 

フリーメイソンが法定を牛耳るヴァージニア州にあっては本人訴訟で有利な判決は得られない。

 

メイソンではない者が米国の法廷に望むことは東方的専制者に慈悲を求めに行くようなもの。

 

裁判官の不興を買ったり、その財産をメイソンに狙われたりして重罪を言い渡されるのだ。

 

「東方的専制はゾロアスターやバビロンなどの秘教の中に見出せる。それを取り入れたのじゃ」

 

「フリーメイソンやイルミナティは秘教の戒律を世界に敷く連中だったというわけね…」

 

「これが政治と法を破壊してきたイルミナティであり、ユダヤ財閥の手腕であった」

 

「それでも連中の法を恐れない神々には通用しないわ…だからこそ追い詰められている」

 

儀式の間を覆うのは赤いカーテンであり、いずれ自分も赤い血を流して死ぬ日を考えてしまう。

 

赤い旗を掲げる人修羅の軍勢が暁美ほむらの命を虐殺しに来る日を恐れているのだ。

 

「血のように赤いカーテンか。()()()()()()()()()()()、一派と混ざった()()()()()()()()()

 

ネブカドネザルによってカナン族はバビロン捕囚にされた歴史がある。

 

この間にカナン人の様々な種族は自由に混ざり合い、その中にはエドムの子孫がいる。

 

エドムは赤を意味し、捕囚以後、赤は革命ないしはカナン人による大量殺戮を意味していく。

 

啓明結社成立を支援したロスチャイルドの家名でさえバウアー(赤)と名乗った時期もある。

 

「捕囚の間に多くの民族と交わったため、自分達の慣習を決める教えのタルムードが生まれた」

 

ヘブライ語で教えを意味するタルムードとは、異民族との交わりで混乱する人々の統一教義。

 

基礎を成す口伝律法とその注釈書として完成させた。

 

「悪魔崇拝の都であるバビロニアで生まれたタルムードこそ、悪魔学と繋がりを持ってきた…」

 

悪魔学はデミウルゴスを世界の創造主として言及すると同時に様々な悪魔の姿を定義する。

 

紀元1280年頃にはタルムードを発展させたゾハル書、光耀(こうよう)編が現れ、カバラ思想となる。

 

「この思想は新たな教えの中で最も神聖な言葉としてのGenerationとなったのじゃ」

 

フリーメイソンシンボルであるGはジェネレーション(セックス)であり、豊饒の儀式(バアル崇拝)

 

カナン族のイスラエルだけが未来世界を所有出来るという教えとなり、これが基盤と化した。

 

「カバラは世界を真逆に解釈する教え。唯一神は邪神であり、アダム人は世界の癌細胞とした」

 

唯一神が生んだ最初の男であるアダムこそ、生命の流れ全体の均衡を狂わせた悪とする。

 

それゆえ世界のアダム人の肉体的存在を正式なものとする教会やキリスト教義も悪とされる。

 

カバラ組織であるフリーメイソンの目的とは反生命原理であり、唯一神とアダムへの復讐。

 

唯一神とアダム人を地球から抹殺した時こそ世界の二元論は消え去り、平和になるとするのだ。

 

「これこそがグノーシス主義でありフリーメイソンの存在理由…そしてフェミニズムなのじゃ」

 

「私が求めたフェミニズムとは…グノーシス主義だったのね…」

 

「秩序の真逆を求める悪魔よ…今でもその気持ちは変わらぬか?男であるアダムを呪うのか?」

 

子供達の血で描かれた六芒星魔法陣の上に置かれた椅子に座る老人が目の前の女に問いかける。

 

バアル像やバフォメット像に囲まれながら真意を問われるほむらは顔を俯けてしまうようだ。

 

「こんな場所に連れてきたのは…私の覚悟をバアル像の前で語らせたかったようね…?」

 

「今が最後のターニングポイントじゃ。バアル殿と共にイスラエル(堕落の国)を築くか?それとも…」

 

その先を言いかけた時、ほむらが右手を持ち上げながら制止させてくる。

 

立ち上がった彼女は息が詰まる秘密の儀式部屋から出て行ってしまうようだ。

 

後ろを付いて来るクロノスに対し、立ち止まった彼女は窓辺に立ちながら夜景を見つめる。

 

遠くには燃え上がるロンドンが見えており、人々の絶望の叫びをここでも感じるだろう。

 

「見なさい…あの景色を。あそこで苦しむ連中はね…自業自得の末路を遂げているのよ」

 

「それがどうかしたのか?」

 

「この国にだってカナン族支配に気が付いた人達もいたはず…でも彼らの言葉は届かなかった」

 

「イギリス人も羊の群れに過ぎん。権威主義という猛毒に飲まれた末に自滅したのじゃろう…」

 

「頭のおかしい陰謀論者と嘲笑われながら虐げられてきた人達の姿はね……私の姿なのよ」

 

――みんなキュウベぇに騙されている。

 

そう叫び続けた時代の暁美ほむらの言葉は魔法少女達には届かない。

 

マミ達は今までの常識を覆そうとする暁美ほむらに対して嫌悪感をぶつけてきたのだろう。

 

認知的不協和心理は誰でも起こす生理現象であり、どれだけ叫んでも相手を不快にさせるもの。

 

不快にさせた相手は怒り出し、怒った相手とは話し合いも議論も成立しない。

 

だからこそ暁美ほむらは孤独に成り果て、誰も助けてくれなかったのだろう。

 

「人間も魔法少女も変わらない…専門的な知識は誰かに丸投げする…だから騙されるのよ…」

 

「その通りじゃ…楽な方にばかり流されるせいでそれが間違いだった場合、修正が効かん」

 

「今までの常識なんて誰かが生んだ情報が全体に流布され、()()()()()()()()()()()だったわ」

 

初詣は明治に鉄道会社が作ったキャンペーン。

 

おせち料理は戦後の百貨店の販売戦略で一般家庭に広まったもの。

 

恵方巻は最大手のコンビニ企業が1989年に捏造して流行らせたもの。

 

ダイヤモンドはマーケティング詐欺であり、ロスチャイルド援助を受けた企業の市場独占管理。

 

靖国神社は明治に戦争のために突貫的に作られたインチキ神社。

 

まだ事例はあるが、このように常識など誰かが勝手に生んだ偽情報が全体に定着しただけ。

 

悪い魔女と戦う正義の魔法少女ヒロインという扇動情報も同じであり、誰も疑ってくれない。

 

これこそが資本主義の営業手口であり、利益は詐欺で作られ、需要はマッチポンプで作られる。

 

「常識の檻に囚われた世界で抗い続け、傷つけられてきたお前さんはどうして戦ってこれた?」

 

それを問われた悪魔ほむらは遠い眼差しを浮かべながらこう語ってくれる。

 

彼女が語るのはまだ眼鏡をかけていた人間時代の記憶の光景なのだ。

 

「大魔王が作った私の人生は砂のように脆く…砂時計のように流されるだけだったわ…」

 

心臓病を克服出来ても体は病弱なままであり、頭も悪く、少しの運動で貧血に陥る。

 

そんな自分に自己嫌悪を繰り返すばかりだった頃、彼女は魔女の結界に閉じ込められてしまう。

 

彼女は魔女に襲われるのだが、ほむらを救った存在こそ魔法少女の鹿目まどかであったと語る。

 

「自分に自信がない私にとって…献身的なまどかの姿は…眩しかった…眩し過ぎたわ…」

 

いつしか彼女を助けたいと思うようになる頃、ワルプルギスの夜との戦いでまどかは戦死する。

 

まどかの運命を変えたいという衝動は大魔王達に利用され、ほむらは砂のように流されるのみ。

 

それでも彼女が地獄の時間渡航に耐えられたのは鹿目まどかを心の底から愛してたからだ。

 

「私はまどかを愛している…心から愛してるわ。だってまどかはね…私なんかを助けてくれた」

 

まどかの優しさ、強さは自分よりずっと価値があるものだと勝手に思い込みながら戦い続ける。

 

己に価値を見出せない人間が他者に価値を見出し、その人の為に生きる事で存在価値を見出す。

 

自分に自信がないほど、相手が優れた人間であるほど、この感情は共依存にまで強まっていく。

 

「誰かを救いたい気持ちはな…誰かから必要とされたい気持ちじゃ。それがお前さんの本音か」

 

「そうね…私はまどかから必要とされたかった。人生を支えるパートナーになりたかったのよ」

 

「だからこそ女性同士の恋愛や結婚を切望し、フェミニズムを必要としたわけか…」

 

「そういうわけよ。私はまどかから必要とされたい…その為ならどんな罪だって背負えるわ…」

 

「お前さんが望む理想はユダヤが支配したワイマール共和国時代のドイツ…退廃の坩堝じゃよ」

 

「他人にとっては退廃でも、私にとっては理想なの。私の理想の邪魔はさせない…誰にもよ」

 

ワイマール共和国時代のベルリンは退廃、堕落、ポルノで彩られたソドムとゴモラの如き地獄。

 

ポルノ文化によってホモ人気まで生まれ、男装した女がレズの恋人を見せびらかす。

 

ワイマールと書いてキャバレーや変態異性装者、公然の同性愛や売春のイメージとなる。

 

そんな我儘極まった退廃と堕落の世界にまどかを連れて行こうとしているのが分からないのだ。

 

「…小娘、お前さんは自分を救ってくれたのが女性ではなく、男性だったなら…どうだった?」

 

「えっ…?な、何を言い出すのよ…急に…?」

 

「もし最初のお前さんを救っていたのが男性であり、アダムだったら…同じことを望めるか?」

 

細目を開いて顔を向けてくるクロノスは男神としてリリスとなった悪魔ほむらに質問してくる。

 

それに対して顔を俯けながら体を震わせる彼女は苛立ちを募らせる低い言葉でこう返す。

 

「まどかの代わりになれる男がいるわけないでしょ…まどかは私の全てよ…他は要らないわ!」

 

「お前さんは本当に鹿目まどかの献身だけで救われてきたのか?もう一度よく考えよ」

 

「考える必要はないわ!まどかの献身を超える存在は無いの…ましてや男なんてありえない!」

 

「男に対して…アダムに対して…そこまで言い切ってしまえるのか…小娘…?」

 

「だってそうじゃない…私を最初に救ったのは女性なのよ…男性じゃないわ!同性なのよ!!」

 

息を切らせる程にまで激情を爆発させた悪魔ほむらはアダムである男性存在を罵倒してくる。

 

「私を最初に救いもしなかった男なんて必要ないの!!私は同性愛だけで生きていけるわ!!」

 

怒りを爆発させた者には話し合いも議論も成立しないというのはクロノスも承知している。

 

百合(リリス)の劣等性は絶対に許さないエゴを貫く彼女はもう止められないと分かってしまうのだろう。

 

「男が敷く道徳世界なんて破壊してやる!私は世界の在り方を真逆にする悪魔で構わない!!」

 

グノーシス主義者として完成してしまった暁美ほむらはフリーメイソンと心が一つと化す。

 

彼女はユダヤ帝国を推進していき、ワイマール共和国の地獄を世界に敷く女魔王となるだろう。

 

「…あいわかった。お前はお前の道を進め…人には勝手な事を言わせておくがいい」

 

我儘を貫く暁美ほむらの覚悟を受け止めたクロノスの体が光を放ちながら消えていく。

 

その光はほむらの左腕に宿っていき、物言わぬ魔法盾の姿になったまま無言になるのだ。

 

「フッフッフッ…男はそれでいいのよ。女の役に立つ道具程度の価値で十分よ…アダムはね」

 

邪悪な高笑いを上げていく悪魔ほむらを止められる者はもういない。

 

彼女は望む我儘を貫き通すため、ティタン神族の男神達を道具として利用するだろう。

 

虐げられ続けた暁美ほむらの精神は自己完結してしまい、自分の世界だけに埋没していく。

 

男は彼女を傷つけるだけだと勝手に思い込み、同性愛の美しさだけを求める引き籠りとなった。

 

────────────────────────────────

 

「イヨォォォォ……魔王ほむら、親父殿、息災で何よりだな。決着をつけようぜ」

 

ティタン神族の増援部隊と合流した悪魔ほむらはクロノスらと共に出陣する。

 

ゼウスからの挑戦状に応える形で布陣した場所とは英国の湖水地方国立公園のようだ。

 

広大な面積を誇る国立公園ならば巨人達が広い布陣を敷いて戦えるのだろう。

 

ティタン神族の兵士達は巨大な丸盾と槍を装備しており、ゼウスの軍勢を迎え撃つ構えである。

 

ゼウスの軍勢の中には新たに合流したギリシャ神の部隊も大勢いるようだ。

 

「ティタン神族よ!このアレスと我が軍勢が加わった時点で…貴様らの命運は尽きたのだ!!」

 

ローマ兵のような鎧を纏った神族の兵士達の先頭に立つのはゼウスの息子の一体である。

 

【アレス】

 

ギリシャ神話の中心であるオリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスとヘラの息子の軍神。

 

戦場でもたらされる争いと災厄を司る荒々しい神であり、破壊神の類でもあるようだ。

 

アテナとは不和であり、彼女の引き立て役にされていることに怒りを募らせる軍神であった。

 

「フン、アレスの軍勢如きに後れは取りません。このティタノマキアを制するのは我が軍です」

 

アレスの軍勢と共に参上したのはアレスにとっては憎い存在である女神の軍勢である。

 

【パラスアテナ】

 

ギリシャ神話の戦いと芸術・工業の女神であり、気高い処女神にしてアテナイの守護神。

 

ゼウスが訳あって飲み込み同化した知恵の女神メティスの子である為、アテナも聡明とされる。

 

だが過剰に潔癖でヒステリックな性格であり、アラクネやメデューサ、ゴルゴン姉妹を虐げる。

 

彼女の不興を買ったことで悲惨な運命を辿った者達は数知れなかった。

 

「なんだとテメェ!?貴様の軍勢なんぞに後れを取るはずがねーだろ!!ぶっ殺すぞ!!」

 

「血気盛んなだけで知恵が足りない貴方とその軍勢だからこそ足手纏いになりそうですがね」

 

「オイオイ、こんな場所で喧嘩するんじゃねーよ?喧嘩したいなら親父殿の軍勢とやりな」

 

鎧を纏った神々の喧嘩を仲裁したゼウスは改めて魔王ほむらの軍勢に対して睨みつける。

 

陣形を組んだ巨神兵の奥にはティホンも君臨しており、この戦いに全戦力を投入したようだ。

 

「ゼウス…お前との因縁も今日までよ。男神の権威の象徴であるお前の存在だけは許さない!」

 

巨神達の上空で浮く悪魔ほむらも完全武装であり、左手の弓や魔法盾以外の武装もある。

 

腰にはガンベルトが装備されており、彼女の切り札であるピースメーカーが収納される。

 

ガンベルトには魔力が込められた弾丸が詰められており、合計で18発の魔弾が撃てるようだ。

 

「お前こそ女性蔑視の象徴的な男よ!アラクネやメデューサという女性は男の犠牲となった!」

 

「だからなんだってんだ?テメェは女性を守る正義の味方でもやりたいってのかぁ?」

 

「その通りよ!邪悪な男とその権威を成敗するフェミニズムの新たな象徴こそが私なのよ!!」

 

「フェミニズムだぁ?テメェはリリスの真似がしたいようだが、中身はグノーシス主義者だな」

 

「LGBTを推進する為に性の区別を曖昧にしたいのでしょう?男女ではなく、人と人にしたい」

 

「そうすれば女性同士ですら人と人の付き合いになる。人と人の結婚に出来る」

 

「テメェは男女区別の法や慣習を破壊したいだけだろ?かつてのカインがやった混血手口でな」

 

「冗談ではない、そんな世界にされたら女性が脅かされます。女湯に堂々と男共が入ってくる」

 

「スポーツだって同じさ。男選手が女選手をぶちのめし、男ではなく人なのだと喚き散らす」

 

「貴様は女性を救う正義を掲げていようが中身は真逆!女性を脅かすのは貴様の方だ!!」

 

「だ…黙りなさい!!だったら男なんて地上から消してやる…そうすれば女は救われるわ!!」

 

我儘の世界に引き籠った彼女は地球から男を抹殺すると宣言してくる。

 

ならばまどかやさやかの父親も殺され、神浜魔法少女達の父親さえも殺される事になるだろう。

 

このようにフェミニズムとは女性至上主義ではなく、フェミニズム至上主義でしかないのだ。

 

「現実すら認識せず!ご都合主義の世界に引き籠る貴様は許し難い!我らが天罰を下そうぞ!」

 

「やってみなさいよ…私の軍勢がお前達を蹴散らすわ!!」

 

「ハッ!それが出来るかな?テメェは現実が見えないように…下の男達も見えてないようだ」

 

「な、なんですって……?」

 

悪魔ほむらが地上に目を向ければティタン神族の男達全員が彼女を睨んでいる。

 

ティタン神族達もまた男神としてフェミニズムの理屈を憎悪しており、その思想を許さない。

 

いくらゼウス達と戦えるといっても、間違った思想を掲げながら戦うのは嫌なのだろう。

 

不安定な土台はついに音を立てて崩れる時が訪れようとしているのだ。

 

罵詈雑言の叫びを上げていくティタン神族とフェミニズム悪魔に天罰を下すギリシャの軍勢。

 

完全に挟み撃ち状態の悪魔ほむらの顔は青ざめながら冷や汗を垂れ流すことしか出来ない。

 

「……ここまでのようじゃな」

 

悪魔ほむらの左腕に備わる魔法盾が光を放ち、横の空にクロノスが顕現する。

 

「暁美ほむらよ、我らはもう貴様に組する事は無い。何処へとなり消えるがいい」

 

「クロノス……貴方まで……私を捨てるというのね……」

 

「現実を認識せず、幻想に引き籠り我儘な理屈を周りに押し付ける貴様では誰もついてこない」

 

「裏切り者!!私の旅を共に歩んだ魔法道具のくせに…主人である私に逆らうというの!?」

 

「ワシを道具扱いするなら下の同胞達とて道具に過ぎん。貴様にとって男は道具なのだろう?」

 

暁美ほむらの態度は男悪魔を道具にする行為。

 

使い捨て道具の如く消費し、その苦労をねぎらうことなく搾取するだけの存在。

 

これはフェミニストが望む男の扱い方であり、女達の支配道具として男を扱いたい我儘と同じ。

 

何処までも自分の都合の良さしか欲しがらないド偏見生物に対してついに堪忍袋の緒が切れる。

 

こんな傲慢極まりないフェミニストには悪魔達だけでなく、男達もついていくはずがない。

 

傲慢なアリナですら周りの男悪魔の苦労をねぎらう指導力があるのに暁美ほむらにはないのだ。

 

だからこそついに関係は決裂し、悪魔ほむらは放逐される末路となるのだろう。

 

「サッサトキエロ!テメェナンゾイナクタッテ、ゼウスト戦争ハデキルンダヨォ!!」

 

ティホンからも見捨てられた悪魔ほむらは涙目になりながら周りの男達を憎悪する。

 

「勝手に殺し合ってればいい…男と男に味方する女の皮を被った名誉男性は死んでしまえ!!」

 

男達を罵倒しながら飛び去って行ったフェミニストなどすぐさま忘れた両軍が向き直る。

 

「さぁ、親父殿!第二次ティタノマキアをおっぱじめようぜぇ!!」

 

「邪魔者はもうおらん!心ゆくまで死合おうぞ…ゼウスッッ!!」

 

アレスとアテナが引き連れたギリシャ軍が右手に雷の槍を生み出しながら投擲の構えを行う。

 

アルテミスは右手のクロスボウに雷の大矢を生み出し、デメテルは麦に雷を放出させていく。

 

ディオニュソスやアレスも雷の槍を生み出し、ローブと鎧を纏うアテナは槍に雷を纏わせる。

 

その中でも最大級の雷の大槍を生み出すのがゼウスであり、第一射の投擲を放つ。

 

ゼウスの大槍が天を穿てば曇天の空が極大の渦を巻いていき、天から雷の豪雨が降り注ぐ。

 

『電撃ギガプレロマ』で強化されたマハジオバリオンに対してティタン神族はスクラムを組む。

 

全員が巨大な大楯を頭上に掲げて雷の槍の雨を受け止めていく。

 

ティホンは巨大な体を回転させながら地中に潜っていき、雷の雨を掻い潜る。

 

ゼウスに続くようにして投げ放たれる雷の槍が次々と飛来してくる中、時間が停止。

 

歩くように地面を移動するクロノスが右手に生み出すのはアダマスの大鎌。

 

時間が再び動き出した時、ゼウスの胸には袈裟斬りの角度で斬撃が浴びせられているのだ。

 

「ハッハァァァーーッッ!!それでこそ親父殿だぁ!!俺様も本気でいくぜぇぇぇーッッ!!」

 

貫く闘気を纏ったゼウスが巨体を活かした豪快な回し蹴りを連続で放っていく。

 

ブレイブザッパーの一撃を時間停止で避け、再び時間が動けば周囲に無数の鎌が生み出される。

 

飛来してくる鎌の群れに対し、大きく右足を持ち上げたゼウスが地面を強く蹴り込むのだ。

 

<<うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーッッ!!?>>

 

『万物粉砕』が行使されたことで大地が大きく爆ぜていき、大地を砕く衝撃波が直進する。

 

迫りくる鎌ごと粉砕せんとした一撃によってスクラムを組む巨人の男達がかち上げられる。

 

「敵は浮足立ったぜ!全軍突撃ーーーーッッ!!!」

 

<<ウォォォォォォォーーーーッッ>>

 

破壊された大地の向こう側で倒れ込んだティタン神族の軍勢に対してギリシャ軍が突撃する。

 

スクラムを組ませまいと乱戦に持ち込んだことで大きな国立公園が地獄の戦場と化すのだ。

 

第二次ティタノマキアが繰り広げられる地獄の戦場の上空では主神達が激しく斬り合う。

 

<<ヌォォォォーーーーッッ!!!>>

 

両腕に装備した『ケラウノス』が繰り出す苛烈な連続斬りに対してクロノスは真正面から挑む。

 

雷霆の一撃を受け止める程のアダマスの大鎌を振るうのだが本気のゼウスの雷に焼かれていく。

 

斬り合いながらも全身を焼かれてしまったクロノスはついに時の翁としての姿を捨てる。

 

「ハッ!!機械仕掛けの魔法盾を演じてきた親父殿の真の姿は時計ロボットそのものかよ!!」

 

頭部は時計であり、その下の体は黄金の翼を服のようにあしらったロボットな見た目である。

 

背中には大きな黄金の翼が備わる時計ロボットこそ、暁美ほむらの旅を支えた神の正体なのだ。

 

「ティタン神族の長としての姿を滅ぼされ…魔人に堕ちてなお…この日を待ち望んできた!!」

 

「往生際が悪い親父殿だぜ!!今度は魂すら残らないように粉砕してやらねーとなぁ!!」

 

大鎌をアッパーカットで打ち上げたゼウスが回し蹴りを放ち、クロノスが空に蹴り飛ばされる。

 

両腕に備わった雷のような大鎌と死神のような大鎌から膨大な雷が噴き上がっていく。

 

「この角度なら地球を吹っ飛ばすことはねーよなぁ?だったら最大出力でやらせてもらう!!」

 

両手を放射状に構えたゼウスは宇宙を破壊出来るケラウノスの雷霆を解放する構え。

 

体勢が崩れたクロノスは時間停止で回避することは出来ないだろう。

 

そんな時、英国全土を揺るがす程の大地震が巻き起こるのだ。

 

「な、なんだぁ!!?」

 

ゼウスが見た光景とは天が堕ちる程の質量攻撃。

 

大地に潜り込んだティホンは近くの大都市の地下を掘り進めた末に背中に担ぎ上げる。

 

「アノ時ハヨクモエトナ火山ノ下ニ封印シテクレタナ…コレハオカエシダァ!!」

 

一気に押し上げた巨大岩盤大地の上にあった大都市ごとかち上げる程の怪力を見せる。

 

その光景はトラキアでバルカン山脈を持ち上げてゼウスに投げつけた神話の再現なのだ。

 

「チッ!!」

 

雷霆の一撃をクロノスではなく巨大岩盤大地に変えた一撃が放射される。

 

天に向かって放射された雷霆は拡散しながら岩盤大地を破壊していき、大都市ごと破壊する。

 

地球を破壊する程の雷霆は天にまで昇っていき、どうにか地球破壊だけは免れたようだ。

 

大都市で暮らしていた人々は瓦礫の大地と共に落下死するのだが、地上も被害を被っていく。

 

砕かれてなお巨大な岩盤を大楯で打ち払うティタン神族であるがギリシャ軍はそうはいかない。

 

小型のギリシャ軍兵士達は岩盤に潰される光景こそかつてのゼウスとティホンの戦いの地獄だ。

 

「あのトカゲに救われる時がくるとは思わなかったぞ!!」

 

「何っ!?グハァァァーーッッ!!?」

 

ケラウノスの一撃を防げたクロノスは時間停止を用いてゼウスの背後に現れる。

 

振り上げたアダマスの大鎌から放たれたブレイブザッパーがゼウスの背中を激しく斬り裂く。

 

苛烈な戦いを繰り広げる親子喧嘩に対して穴底に鎮座したティホンはゲラゲラ嘲笑うのだ。

 

「ハッハッハァーーッッ!!ゼウスノ奴メ…今度コソツブレタニチガイナイ!!」

 

巨大な大穴の下では岩盤大地を押し上げて投げ放ったティホンが高笑いを行っていく。

 

轟音めいた笑い声を出していたせいで上から落ちてくる小さな瓦礫が口の中に入っていく。

 

そんなのはお構いなしのティホンであったが、瓦礫の中に何かが混ざっていたようだ。

 

「グゥ!!?ナ…ナンダ…?体ニ力ガハイラネェ…コレト同ジコトガ前ニモアッタキガ…!?」

 

小さな瓦礫の中に混じっていた異物まで飲み込んだせいで苦しみだすティホン。

 

そんなマヌケに対して嘲笑うような女神達の声が響いてくるのだ。

 

「相変わらずのお馬鹿さんのようねぇ…この大トカゲは?」

 

「そのようだねぇ…こんなにもアッサリ飲み込ませることが出来るとは思ってなかったよ」

 

「如何かしら?私達が育てた無常の果実の味は?絶望する程に美味しいでしょう♪」

 

大穴の世界を照らす地上の光を浴びる三女神とはモイライ三姉妹である。

 

人修羅の部下である彼女達は乱暴者のゼウスを見張らせる為に合流させていたようだ。

 

「キ、キサマラァァァーーッッ!!?マタアレヲクワセタノカァァァーーッッ!!?」

 

激怒したティホンが大穴から昇ろうとするのだが全身に力が入らず奈落に落ちてしまう。

 

「そこで大人しくしてなさい。クロノスを相手にゼウス様が勝利したら新しい蓋をくれるわ」

 

「今度はエトナ火山よりも大きい山をプレゼントしてくれるだろうねぇ?」

 

「楽しみにしてなさい、お・ば・か・さ・ん♡」

 

<<チ”ク”シ”ョ”ォ”ォ”ォ”ォ”ーーーーッッ!!!>>

 

激しさを増すばかりのギリシャの神々とティタン神族の戦争は国立公園の周囲まで破壊する。

 

苛烈な戦いを遠くから見つめるのはドーバー海峡の上空で佇む悪魔ほむらの姿のようだ。

 

「フフフ…潰し合え…もっと潰し合え。バカな男共と名誉男性の末路に相応しい光景よね…」

 

邪悪な笑みを浮かべていた時、背後にはワームホールが開いていく。

 

そこから飛び出してきた存在に気が付いた彼女は咄嗟に後ろを振り向いて大弓を振りかぶる。

 

逆袈裟斬りの角度で大剣の一撃を防いだ悪魔ほむらは目を大きく広げながら戦慄するのだ。

 

「ギャラリー気取りか?なら俺と踊ろうぜ、ほむら」

 

弾かれた魔剣明星の勢いを利用しながら一回転蹴りを放つのは六枚翼が生えた人修羅の姿。

 

「グフッ!!?」

 

体勢を高速回転させながら放つ月輪脚が決まった悪魔ほむらはドーバー海峡に叩きこまれる。

 

すぐさま飛び出してきた彼女の顔は憤怒に歪んでおり、かつての光景を再現するだろう。

 

曇天の空から指す木洩れ日の光が周囲を照らす神々しい世界こそ、かつての戦いの光景なのだ。

 

「男共め…何処までも私の邪魔をする!!やはりアダムは邪悪よ…地球から消してやる!!」

 

逆上した悪魔ほむらの背後に見えてしまうのはフェミナチ化した時のリリスの怨念めいた姿。

 

男として避けては通れない戦いなのだと覚悟する人修羅は霞の構えを行うだろう。

 

激しき戦争は互いの信念を駆けた大戦争であり、地球を揺るがす程の神々の戦場と化していく。

 

そんな戦場に向けて高速で向かっていくのは円環のコトワリ神となったまどかの姿であった。

 




ゼウス軍とクロノス軍のバトル演出はまんまダークソウルのOPからパクッてしまってますな(汗)
僕が描く悪魔ほむらちゃん…るろうに剣心の瀬田宗次郎化してきましたな(汗)
最初に助けてくれた存在に依存して道を踏み外していく…(汗)
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