人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
数々の魔王達を打ち倒し、欧米の首都を守る軍事基地の数々も破壊してきた人修羅達。
そのため欧米各国は首都を守るために国内戦力を首都に集結させようと躍起になるであろう。
これこそが人修羅の狙いであり、続々と集まる首都防衛部隊の中にトロイの木馬を潜ませる。
フリーメイソンを利用して軍の派閥に影響力を与えた人修羅は彼らを革命軍として利用する。
人修羅の合図と同時に首都防衛部隊を裏切り、革命軍として動かす手筈なのだろう。
悪魔達は強大な力があっても陣地を制圧するには沢山のマンパワーが必要なのが現実なのだ。
人修羅は天使軍の到来と破壊活動を知ったことで焦っている。
少しでも早く革命戦争を終結させ、天使軍を迎え撃つ布陣を敷かなければならないのだろう。
まどか達が天使軍と戦ってくれるとは思ってなかった人修羅はついに首都解放戦線を決意する。
日本を含めた欧米各国の首都同時解放戦争がついに行われる日が訪れたのであった。
……………。
<……諸君、よくぞ覚悟を決めて今日この日に集ってくれたな>
演説台の上に立つのは黒衣の衣装を纏う人修羅であり、左手には将門の刀が握られている。
刀の鞘には革命と殺戮を表す色である赤い布が撒かれており、革命軍の指導者の色だと示す。
彼が立つ場所とは自衛隊の東部方面隊の基地の一つであり、第一師団の駐屯地。
ここは既に革命勢力の拠点となっており、自衛隊の兵士達だけでなく革命軍の兵士達も並ぶ。
演説台の前に整列しているのは男の兵士達だけでなく時女一族の魔法少女達も並んでいる。
彼ら、彼女達は自分達の錦の旗ともいえる人修羅の念話演説を緊張した顔つきで清聴する。
彼が行う念話演説はこの基地だけでなく様々な自衛隊基地の革命兵士達にも伝わっているのだ。
<今日のため…諸君らは家族と別れる辛い決断をしてくれた…心から感謝している>
演説台の横にはゴトウ一等陸佐や国津神の代表者、それに十七夜や織莉子やサマナー達もいる。
彼ら、彼女達は今日の為に今までの人生を捨て、逆賊テロリストになる決断をしたのだろう。
<俺達は金融支配からの解放を掲げるが…世間は俺達を国賊と罵るだろう…我々は悪である>
そう言われたことで自衛隊の兵士達や時女一族の魔法少女達の顔が俯いてしまう。
自衛隊の兵士達は国の正義のために厳しい任務に励んだ者達であり、それは時女一族も同じ。
そんな者達はこれから悪者になる為に戦場に行くのだと言われた事で無念の気持ちが溢れ出す。
<俺達の正義など犠牲者には関係ない、俺達は殺戮を敷く悪として…全員が地獄に落ちるんだ>
戦争に向かう兵士達を鼓舞するべき為政者側が戦争の現実を突きつけてくる。
これでは兵士達の士気は崩れ落ち、迷いに支配されながら去っていく危険性も大きい。
それでも人修羅は自分達が行う非道の所業を正義にすり替え、善行にする印象操作はしない。
彼は犠牲を敷く責任から逃げない男であり、彼について来るならば同じ覚悟が問われるのだ。
(嘉嶋さん……)
演説内容に心配する静香が顔を向けてくるのだが、少しの沈黙の後、人修羅はこう語っていく。
その内容は我々は何者で、何の為に命をすり減らしながら苦労して働いてきたのかについてだ。
<諸君らは戦士である前に人間だ。家族の為、生活の為に多くの我慢を強いられてきただろう>
今が良くても、自分の周りが良くても、悪い方向に国が進んでいけばその被害は被っていく。
家族や自分の生活すらも脅かすことになってしまうと彼は語ってくれる。
<最低限生活を守りながら働いているだけでは将来的に家族は守れない。それでいいのか?>
残業代が1割減少した、収入が減った、じゃあ残業すればいいんだ。
仕事を無理して頑張れば良いんだという我慢の上に我慢を重ねる悪循環を繰り返す労働者達。
なんで制度や国をよい方向に変えようとせず、自虐的に我慢してしまうのかを問われる。
<我慢する事だけが大人じゃない、
子供の為にいい社会を残したいと多くの人々が思うのに、子供の為に我慢を選んで権威に従う。
いい社会を次の世代に残す気持ちが死ぬまで我慢という最悪の未来を次に残す結果となるのだ。
<我々の我慢のせいで次の世代も最悪な環境で我慢を強いられ、その次も死ぬまで苦しむんだ>
(嘉嶋さんの言葉こそ…神浜の東社会だった…我慢のせいで我々は死ぬまで虐げられてきた…)
(私が生まれた美国家は我慢を美徳と洗脳してきた…そのせいで多くの人々の未来が死んだ…)
<この地獄の連関こそ金融独裁者共が我々に敷いてきた支配の仕組み。
ずっと口を閉じていた人もいる、ずっと戦ってきた人もいる。
声を上げて亡くなった方もいる、現状に絶望した人もいる。
いつまで社会に我慢し続けるのか?我慢し続けた先にいい未来はあるのか?
子供の未来はどうなる?いつ社会は良くなるのか?
<それは
狭い枠の中で我々の命は金や技術などとして権力者の良いように使われ、海外流出させられる。
元から内向きだった日本人をさらに内向きにし、自虐的にさせたのが今の支配体制。
<ここまで日本人を卑屈にさせたのは権威共の洗脳の言葉だ。本当の日本人は凄い価値がある>
努力家で、勤勉で、精神性も高い。
だからその力を外側に向けさせないよう内側へ向けさせ、何でも自己責任として印象操作する。
社会を変えよう、国を変えよう、世界を変えようという外交的な意識が印象操作で失っていく。
<我々が力を発揮するのは
内側に囚われていた殻を破り、殻の中で鍛え上げられた内向きの力が外向きに向かう。
その時こそ、世界をひっくり返せる程の人間達の力になるのだと人修羅は叫んでくれるのだ。
<我々に必要なのは内と外に求める力!自分も努力する、社会も変える、それが均衡なんだ!>
自分が努力せず誰かのせいにし続けたり、自分は努力するけど社会の悪いところは我慢する。
そんな偏り地獄に陥ってはいけない、大切なのは両方必要とするNEUTRAL精神なのだと叫ぶ。
<外に求める内なる力こそが我々の戦力!その戦力はここにいる全員が所有してくれている!>
内向きの力だけでは権力者に都合よく利用され、支配の力として利用されるのみ。
外向きの力で社会をよい方向にもっていく意思や行動こそが内の力を真に発揮してくれる。
<権力者など内向きの腰抜けだ!支配の都合の良さしか求めない弱者共だ!我々の方が強い!>
人修羅が今まで体現してきた道の言葉によって魂が震える者達の目には大粒の涙が溢れ出す。
<我々は悪と罵られても外に求める内なる力がある!それこそが俺の足を奮い立たせてきた!>
「嘉嶋さん…グスッ…ヒック…そんな貴方だから…神浜の東を…自分を…救ってくれた…!!」
「現実に絶望していた私の心も…グスッ…奮い立たせてくれたのが…ヒック…尚紀さんです!」
「ヒック…エッグ…私はそんな嘉嶋さんの背中について行きたい…死ぬまでついて行きたい!」
<我々の我慢とは子供達の未来の為にある!ならば悪と罵られる道に耐えてでも戦っていく!>
どこまでが我々の努力の範囲で、我慢の範囲なのか?
どこまでが社会の責任で、社会の問題なのか?
日本やアメリカの労働は我慢が多い、教育も周りと一緒の行動をする我慢が多い。
その歪みが実際の本質的な問題。
人間の自由と人権を封殺したい金融支配者と売国政府が敷く、
<俺達はもう我慢や沈黙はしない!!我慢や沈黙こそが支配を完成させる洗脳支配だった!!>
神浜の社会問題にも沈黙せずに戦い、国や世界の金融支配問題にさえ沈黙せずに戦い抜く。
それこそが目の前の男であり、この男の背中になら死ぬまでついて行くと皆が叫び出す。
「俺達は政府という…あやふやな存在を守るために自衛隊に入隊したんじゃない!!」
「俺達が命を懸けてでも守りたいのは民の未来であり!子供達が明るく暮らせる未来だ!!」
「私達のような子供達は政府や金融資本家が敷いた地獄の環境のせいで追い詰められたのよ!」
「そのせいで皆が甘い契約の罠に陥って…その命を使い果たす末路になる事を繰り返した!!」
「我々の命は魔法少女と呼ばれる子供達や…次に産まれる子供達のために捧げるべきだ!!」
「そうだ!!彼女達のような子供が戦場で死んでいたと聞かされた時…俺達は恥じたんだ!!」
「今度は俺達が彼女達を守りたい!少女達が魂を燃やして死ぬのなら…男達も魂を燃やす!!」
皆の心が一つとなって叫ぶ光景を見下ろす人修羅は彼ら、彼女達の魂の叫びに触れる。
(これだ…俺が求めていた真の団結の光景は。今までメディアが見せてきた団結は偽物なんだ)
日本は社会のため自分は我慢するという集団意識があるにもかかわらず対立光景が生まれる。
宗教の対立や、与党野党の対立、凶悪な事件などをメディアが流す事で対立が生まれていく。
集団意識はあって我慢はするけど社会を変える団結にはなり得ない。
極めて支配層向きの団結をメディア誘導で生み出し、ガス抜き効果でさらに我慢を強いるのだ。
そんな支配層の誘導ではなく、民が真に望む魂の叫びこそが真の団結を生み出してくれる。
<俺達が求めるのはイデオロギーではない!人間らしく生きられる
たとえ偽りに塗れた今までの天国の外側に落ちようとも、望むものが憂国の烈士達にはある。
<地域の人達で支え合い、それぞれ国を動かしていく!そこには資本主義も共産主義もない!>
――ついに金融支配からの解放が得られるだろう…我々民衆の独立記念日を…勝ち取ろうか!!
<<ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーッッ!!!!!>>
魂の雄叫びを上げながら感涙を零したり、敬礼する者達に対してサマナー達が口を開きだす。
「人修羅…いや、嘉嶋尚紀だったか。なんという偉大な男なのだ…」
「そうだな…ゴウト。自分はあの男に勝てる気がしない…あれ程の精神には触れた事が無い…」
「あたしも我慢を選んでた…そのせいでヤタガラスの駒になって…人生を台無しにしてたわ…」
「人々に足りないものは内と外に求める陰陽調和…それを叫んでくれたナオキに感謝するわ…」
「フン……くだらん」
サマナー達だけでなくゴトウも涙を零しながら口を開きだす。
「宗像さん…演説は聞こえていたでしょう?彼こそ我ら日本の…新たな新皇となるべき男だ!」
<<新皇陛下万歳!!新皇陛下万歳!!新皇陛下万歳!!>>
ゴトウの叫びに呼応するようにして烈士達が人修羅を新たな皇帝として称えてくれる。
新たな太陽神の神話が築かれようとしている光景に対して国津神達も認めざるを得ないだろう。
「人修羅殿が新たな日の本の皇帝となるならば…うちのコノハナサクヤと結婚させたいものだ」
「ちょ、ちょっとお父様!?わたくしは既婚者ですわよ!?」
「ニョホホホ♪それはいい考えだと思うぞ?わらわも娘を嫁がせたいぐらいの益荒男だと思う」
「お母様まで!?いい加減にしてください!わたくしにはかつての夫がいるのです!」
「フッ…オオヤマツミよ、こんな場所で国津神の政略を考える必要もあるまいて」
「そうだな…こんな熱い光景を前にしてるのに、無粋な話は持ち出さないでおこうや」
「私は彼を支える立場で十分だ。これ程までに民のために戦える皇帝をどうして拒めようか…」
人間に擬態した姿の国津神達も盛大な拍手を送ってくれる。
皆の覚悟が決まった光景を見渡した後、人修羅は頷きながらこう叫ぶのだ。
「お前達の命…俺が預かる!子供達に希望を残す為…烈士達よ!!俺と共に戦場を駆けろ!!」
「これより我らは死地に赴く!!首都制圧作戦を開始せよ!!」
<<回せぇぇぇぇーーーーッッ!!!>>
人修羅と首都制圧後の司令官を務めるゴトウ一等陸佐の叫びに反応した者達が全員駆けていく。
第一師団の者達はトロイの木馬として見滝原在日米軍基地に向かう車両に乗り込んでいく。
次々と発進していく自衛隊車両や輸送ヘリの群れだけでなく、多神教連合も車両に乗り込む。
「我らが先陣を切る事になる!攻撃目標は見滝原米軍基地だ!外と内からの挟撃を行う!!」
「見滝原米軍基地を奪取した後、私達の陣地とする!あそこが首都制圧の架け橋となるわ!!」
「米軍基地の奪取後は私も前線指揮官としてゴトウ一等陸佐の補佐を務めます!」
「自分も先陣を切らせてもらう!この命…今日燃え尽きようとも構わない!!」
「我らサマナー部隊は神浜のザイオンに向かう!ザイオンを制圧し、売国奴の退路を断つ!!」
人修羅もケルベロスと共に多神教連合の車両に乗り込むのだが、彼の表情は沈んでいる。
「ドウシタノダ…?コレカラ世界同時作戦ガ実行サレヨウトシテイル時ニ何ヲ迷ウ…?」
「さっきまでの団結の光景は嬉しかったが…俺を新たな皇帝だと叫ぶ連中に不安を感じる…」
「ソノ憂イハマサカ…個ノ確立ヲ阻害シテイル光景ダト感ジタノカ…?」
「そうだ…烈士達と言えどもイコンとなる存在がいなければ…こうも纏まらないものなのか…」
「人間トハナ…アダムトエヴァノ時代ヨリ神ノ子羊…本質ハカワランノダロウ…」
「牧師に導かれなければ自発的に一方向には向かえない…あまりにも情けない存在だな…」
「今ハ子羊デモ未来ハワカラン…ソレマデハ誰カガ親ノカワリヲ努メテヤルシカナイダロウ」
「その為にも…この革命戦争を終決させる。そしてバアルを打ち倒し…天使共を迎え撃とう」
風の如く移動していく烈士達の軍勢を照らすのは朝日が昇っていく光。
血のように赤い朝日であるが、未来を築くために流れる血の色となって昇るのであった。
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まどか達がザイオン都市に移された後、見滝原市の光景は神浜市同様にして荒廃している。
ワクチンの毒によって病死する者が後を絶たず、戒厳令下の飢えに苦しみ悪魔化する者も多い。
街は残された食料を略奪する者達で溢れ返り、見えない悪魔の群れが人々を殺して略奪する。
そして街の者達を見捨てるかのようにして敷かれた自衛隊部隊は暴徒さえ相手にしていない。
彼らは新たな首都を反乱軍に制圧されない守りを固めるだけであり、民は見捨てられたのだ。
「ねぇ…小巻。こんな地獄で生きてたって…辛いだけだよ。私はもう…疲れたから…」
見滝原市の工業区にある廃墟ビルに潜んでいたのは見滝原で活動してきた魔法少女の二人。
呉キリカと浅古小巻はザイオンに招かれなかった者達だからこそ自分達で生きるしかない。
混乱のさなかに家族と離れ離れとなり、その安否も不明。
もはや彼女達の心は絶望に支配されており、いつ円環に導かれてもおかしくない状態である。
「諦めたくないって…言いたいけどさ…私だってどうしていいか…分からないの…」
「私達は織莉子に見捨てられたんだ…家族の安否さえ分からない…生きてる理由がないよ…」
「グスッ…パパ…ママ…小糸…私…本当は弱いの…あんた達がいないと…生きられないわ…」
「ねぇ…小巻は何処にも行かないよね…?私を置き去りになんて…しないよね…?」
「しないわ…絶対にしない!私は弱いの…だから呉までいなくなったらもう…耐えられない…」
「一緒に死ねるなら…小巻と一緒がいい。こんな私と最後まで一緒にいてくれた人だから…」
廃墟ビルの片隅で並びながら三角座りしているやつれた魔法少女達がもたれ込んでいく。
ソウルジェムも絶望の穢れで侵食されており、二人揃って円環に逝く覚悟が出来たのだろう。
肩を寄せ合いながら微笑んで死のうとした時、遠くから聞こえた爆発音が響いてくる。
何事かと顔を上げた二人は懐かしい魔力を感じたことで起き上がる力が湧いてくるのだ。
「この魔力は…織莉子なの?織莉子の魔力だよね!?」
「美国の魔力と似てるけど…何処か違うわ…?悪魔の魔力のようにも感じられるけど…」
「そんなの関係ない!私は織莉子に会いたい…死ぬ前に…もう一度会いたいんだ!!」
「落ち着きなさい!美国だけじゃないわ…大勢の悪魔の魔力や魔法少女の魔力を感じる…」
「一体何が起こってるの…?この見滝原市で何が起ころうとしてるわけ…?」
「分からないけど…その時がきたら動けるようにしておかないとね…」
小巻が懐から取り出したのは残しておいた最後の魔石。
絶望の穢れを取り除く気力すら消えて死のうとしたようだが、最後の生きる望みが芽生える。
互いのソウルジェムに魔石を当てて穢れを吸い出した後、二人は廃墟ビルの屋上に昇る。
「あ…あの黒煙が昇ってる方角って…」
「あっちはたしか…新設された見滝原在日米軍基地がある方角だと思うわ…」
「じゃあ襲撃されてるってこと?緊急放送でやってるテロリストの襲撃ってわけ!?」
「その可能性は高いわ…それに今になって美国の魔力が現れたのなら…」
「織莉子はテロリストに加わっている…?そのために私達の元から去ったというわけ…?」
「全てが繋がってきたわ…あのオタンコナス!いっぱつぶん殴ってやらないと気が済まない!」
「アハハ♪小巻も元気が出てきたし、私も同じだよ。何でもいい…織莉子に会いたい!!」
「行くわよ、呉!!ここが死に場所だと思ったけど…まだまだ先まで取っておくわ!!」
ビルを飛び越えながら目指すのは燃え上がる見滝原在日米軍基地。
一方、見滝原在日米軍基地では激しい戦闘が繰り広げられていく。
残存戦力を結集させた在日米軍に襲い掛かったのは国津神達の部隊である。
「自衛隊の部隊は狙うな!我々が倒すべきは日本人を騙しながら味方のフリをした略奪軍だ!」
「応とも!!友達ズラしたカツアゲヤンキー共にいっぱつかましてやろうぜ、兄者!!」
上空を飛ぶアビヒコとナガスネヒコが円環を描くようにして高速回転する。
大きな光の輪となって突撃する一撃こそ兄弟神の必殺技である『連枝のあまとび』である。
高速回転する光輪が米軍兵器を破壊しながら基地の外に展開した米軍兵を殺戮していく。
「ヒャッハー!金融資本家に飼われた詐欺師の軍勢を殺戮するのは最高の気分だぜぇ!!」
「弟よ!我と共に
爆走する兄弟神に対して照準を向けるのは自衛隊の10式戦車であるがわざと狙いを外す。
戦車兵達も革命部隊の戦力であるがゴトウの命令があるまで米軍の味方のフリを行うようだ。
そんな反乱軍部隊と同調するのはアラハバキとモムノフ達であり、外周部隊に突撃する。
「我が三位一体の攻撃ぃぃぃぃーー受けてみよぉぉぉぉーーーーッッ!!」
空から現れたアラハバキの体が三つに分解され、基地の外周を守る米軍部隊の周囲を回転する。
放つのは『コキュートス』であり、回転するパーツから次々と氷結弾が放たれる。
回転の内側にいた米軍部隊は次々と凍り付き、凍り付いた兵士達をモムノフの軍勢が破壊する。
苛烈な基地の守りの中でも一番分厚い正面から攻め込む軍勢の中には人修羅もいる。
「フッ…アラハバキの奴、仲魔だった頃と変わらないな。あいつの戦いを見てると嬉しくなる」
「奴ニハマケラレンナ」
「勿論だ。俺達も行くぞ!ケルベロス!!」
陰陽葛葉を抜刀しながらケルベロスに乗る人修羅達も斬り込み、基地正面は地獄の様相と化す。
見滝原在日米軍の正面は地獄の景色となっているが、それは左右や裏側も同じこと。
右側面から突撃してくるのは時女一族のサマナー魔法少女達であり、管を抜いて召喚を行う。
<<いでよ…我らと契約せし仲魔達よ!御身の怒りこそ我らの怒りなり!!>>
狐面を纏う緑色の和服衣装を纏う魔法少女達が召喚したのは大国村で暮らした様々な悪魔達。
「ヤットオレサマノ活躍ノ時ガキタァァァァァーーーーッッ!!」
「オレサマぱんち!!」
「オレサマ、マル壊シ!!」
「オレサマ、サンダーアタック!!」
暴れまくるのは雷を纏ったヌエ達であり、魔法少女達の先陣を切る形で戦ってくれる。
「
<<何イッテルカ、ワカラン!ダガ、オシトオル!>>
地響きを立てながら大地が砕かれ、間欠泉めいた水しぶきが打ち上っていく。
濁流の如き間欠泉に打ち上げられた米軍兵器が次々と地上に落下して倒れ込むのだ。
「アイムソーリー!デ通ジルノカ?シカシ、謝ッテ済ムナラ貴様ラノ罪ヲ裁ク者ナドイラン!」
水の中から現れたのはとぐろを巻く蛇であり、とぐろの形はまるで地中を掘るドリルである。
【ニャミニャミ】
南アフリカのトンガ族やロジ族に伝わるザンベジ川の神である。
蛇の体に魚、もしくは龍の頭という姿をしており水辺の人々を守り、食べ物を与えるとされる。
「
「
ストライカー装輪装甲車の派生型として開発された短距離防空システム搭載車に異変が起きる。
内部の電子機器が次々と作動不良を起こす中、デモニカ兵士達が混乱していく。
<<ケケケ!兵器なんざ電子部品の塊だからね!分解してやりゃ動かない鉄の塊さ!!>>
子供のような言葉が聞こえてきた兵士達が周囲に視線を向ければ小さな光が舞っている。
小さな光が形を成せば悪戯好きな妖精の姿に変化していくのだ。
【グレムリン】
イギリスで伝えられる機械に取り憑いて悪さをする妖精である。
緑色の小人の姿で描かれる事が多く、彼らが取り憑いた機械は突如不調をきたす。
18・19世紀の産業革命以降に語られるようになった新しいタイプの妖精達であった。
「
「嫌なこった!それにアタシ達は小僧じゃない!女の子だよー!!」
工具を両手に持つ妖精達がゲラゲラ嘲笑いながら米軍兵器を分解していく。
ヒョロヒョロな見た目の幽霊な姿をしたグレムリンは戦場であろうが遊び感覚で悪戯をする。
そんな妖精達を率いるのは三浦旭が使役するオベロンであり、彼も戦場の空で戦うのだ。
「霧峰村を焼き払い…我が妖精の王国まで滅ぼした貴様らに慈悲などかけん!!」
ドワーフの妖精である小さなオベロンがサーベルを振るえばヒートウェイブが放たれる。
海兵隊所属の攻撃ヘリコブラの最終進化であるヴァイパーの数機が衝撃波で撃墜する。
空を飛び交うオベロンに対して短距離防空システム搭載車が狙いをつける。
スティンガー対空ミサイルが発射されようとした時、それを狙う狙撃兵魔法少女が動く。
「オベロン殿はやらせないであります!!」
片膝立ちの状態で大型狙撃銃のNTW-20を構える三浦旭に気が付いた米軍兵が動く。
車体上部のターレットを回転させながら狙いを変え、搭載した30mm機関砲を発砲する。
狙い撃たれる旭であるが、息を整えたまま鋼の精神で身動きを取らない。
彼女の周囲に轟音と共に飛来する機関砲の弾丸すら意に介さず正確な射撃を行うのだ。
「
短距離防空システムを搭載したストライカー装甲車の機関部が貫通する。
旭の魔力が込められた機関砲サイズの銃弾を浴びたことで装甲車が爆発炎上していくのだ。
<フフッ、私には頼れる守護精霊がいるようですね?>
<お褒めに預かり光栄であります。もっとも我にとっての守護精霊はオベロン殿でありますよ>
<魔法少女とも互いに頼れる関係を築き合える…貴女達も立派なサマナーになりましたね>
念話を送り合うようだが轟音のせいで旭の聴覚はダメージを負っている。
耳鳴りが酷い程の痛みは回復魔法で癒した後、彼女も前線を押し上げるために動き出す。
突撃部隊の青葉ちかと合流した旭は腰に備えたサブマシンガンを抜き、彼女と共に戦うのだ。
「右翼を攻める時女一族の者達に遅れはとらんぞ!!」
「私達だって戦えます!この一戦こそ日本の未来がかかっているのです!」
「無茶はしちゃ駄目よ、和泉さん!美国さん!吸血鬼の貴女達は日中では力が弱まってる!」
「その為に国津神達から魔力の回復道具を頂くことが出来た。これでどうにか戦える!」
「だ、だけど……」
「私達を心配して右翼の指揮をすなおさんに譲ってまでこちら側に来てくれて感謝してます」
「それでも心配は無用だぞ、時女。自分達は不退転の覚悟を決めて今まで戦ってきたのだ!」
「分かったわ…貴女達の覚悟を信じる!さぁ、一気に突破しましょう!!」
静香が率いる左翼の部隊も右翼に負けない戦いぶりを示し、米軍基地の守りは破壊される。
基地の後方の戦場は一方的であり、オオクニヌシ率いる国津神達が軍勢を薙ぎ払う。
「一掃せよ、オオヤマツミ」
「承知!!」
百メートルもある巨大なオオヤマツミの右肩に乗るオオクニヌシが剣を地上に向ける。
オオヤマツミの大きな口が開き、豪快な氷結ブレスを放つと同時に周りの者達も攻撃を放つ。
コノハナサクヤ、カヤノヒメも次々と魔法攻撃を放ち、容赦なく米軍兵士を殺すのだ。
しかし戦場の中にはミシャグジさまの姿は見えないようだ。
「タケミナカタもこちらで暴れれば良かったのにのぉ…わらわは不満ぞよ」
「ミシャグジ…いや、タケミナカタはライドウ達と共に神浜のザイオンに向かったのだ」
「ザイオンにはヤタガラスが潜んでいる…制圧するならば戦闘は避けられません」
「決着をつけに行きたかったのだろう…タケミカヅチとな。我らも気持ちは同じだ」
「天津神族との因縁はまだ終わっていない…どちらが日の本を司る神なのかの戦いがな…」
既に基地の守りは崩壊しており、基地司令部の者達はパニックと化している。
「ゴトウ!貴様の軍勢は何をしている!自衛隊の力はその程度なのか!」
「我らの部隊も奮戦しておりますが…相手は悪魔の群れ。状況は厳しいかと…」
「もういい!貴様ら自衛隊など当てにはせん!航空支援部隊の到着はまだかぁ!!」
檄を飛ばす在日米軍基地司令官に対し、ゴトウは物陰に視線を向ける。
既に第一師団の突撃部隊の者達が司令部の裏に潜んでおり、号令を待っているのだ。
戦局は反乱軍に傾いていると判断したゴトウがついに突撃のハンドサインを送る。
「な、なんだぁ!!?」
基地司令部に突撃してきた第一師団の兵士達が89式小銃を構えながら次々と発砲する。
司令部の米軍兵士達が次々と撃ち殺されていき、司令官は机の下に入り込んで怯え抜く。
「貴様らは…反乱軍側の者だったのかぁ!!?」
「その通りですとも」
基地司令官の机の椅子を蹴り飛ばして銃を向けるのは自衛隊の戦闘服姿のゴトウである。
隠れる場所がない米軍司令官は涙目になりながら罵倒してくるが、ゴトウはこう叫ぶ。
その言葉には今まで友達ズラしながらも日本を搾取した欧米への怒りが籠るのだ。
「我々兵士達の命はな…欧米を儲けさせる為にあるのではない!日本人の未来の為にある!!」
「や、やめろぉぉぉぉぉーーーーッッ!!!」
次々と引き金を引いて発砲するゴトウによって基地司令官は射殺される。
突入部隊も司令部の者達を一掃した事で見滝原在日米軍基地は完全に支配下となるのだ。
「これより私は戒厳司令と名乗ろう!この戒厳令下において新たな日本を築く者となるのだ!」
基地司令部を乗っ取ったことで外で戦う第一師団の者達にも通信が届く。
反旗を翻す時がきたのを待っていた第一師団の者達は反乱軍側に寝返りながら米軍兵を殺す。
「戦局ハケッシタヨウダナ」
「そのようだ。後はここを補給基地とし、前線を構築する。いよいよ首都攻略戦が始まるんだ」
「人修羅ヨ、汝ニハ欧米ノ首都解放戦線モノコッテイル…アマリ無茶ハスルナヨ…」
こうして首都攻略戦の第一歩が終了するが、解放への戦火は留まる事なく燃えるのであった。
アウターヘブンに堕ちた戦士達を率いるのは勿論ルシファースネークな人修羅君ですよね(メタルギア脳)
エースコンバット6解放への戦火はファンには不評ですけど僕は個人的に好きなんですよねぇ。
みんなで協力しながら首都を解放する長期ミッションは燃えたんですよ。