人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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370話 女神と悪魔と天使のダンス

先進国の首都において革命戦線が築かれたことで世界は炎の渦と化している。

 

それは世界に存在しているザイオン都市も同じであり、突然の奇襲攻撃に晒されるのだ。

 

<<ヒィィィィィィィィィーーーーッッ!!!>>

 

アメリカのザイオン都市に突然現れたのは天使軍であり、指揮を執る大天使が叫んでいく。

 

「金と性交しか頭にない豚共を一掃せよ!穴倉で醜く生き抜こうなど言語道断なり!!」

 

指揮を執るのは元ペルシャの神であり、イスラム教が天使として取り込んだ存在である。

 

【スラオシャ】

 

古代ペルシャの神であり、ゾロアスター教にも取り入れられた大天使。

 

ゾロアスター教でのスラオシャは耳を傾ける者であり、善神アフラ・マズダに仕えている。

 

ゾロアスター教時代から悪魔と戦う存在であり、後にイスラム教が天使として取り入れた。

 

「スラオシャ様!豚共の巣窟を一掃すること完了いたしました!」

 

アメリカのザイオン都市を業火で焼き払った天使達が空を飛びながら報告にやってくる。

 

その存在は巨大な車輪に括り付けられた殉教者めいた天使姿である。

 

【ソロネ】

 

天使階級においてセラフィム、ケルビムに続く上級第三位の天使。

 

神の尊厳と正義を司っており、座天使オファニムとも同一視されていた。

 

「よくやった!悪に染まったカナン族ユダヤの末裔共の断末魔はここまで届く音色であった!」

 

「他のザイオンも陥落している頃でしょう。愚か者のマンセマットの情報は役に立ちましたな」

 

彼らの言う通り、他のザイオンも突然現れた天使軍によって破壊の限りを尽くされている。

 

逃げ込んだダボス階級の者達は情け容赦ない天使軍によって裁きの炎を与えられるのだ。

 

「金融という汚れ切った仕事で世界を牛耳る悪魔民族め!正義の裁きを受ける時がきたのだ!」

 

イギリスのザイオンもアメリカ同様にして虐殺の限りを尽くされていく。

 

天使軍を率いる大天使とは異形の女天使であり、アフラ・マズダである大日如来の娘でもある。

 

【アールマティ】

 

ゾロアスター教の善神アフラ・マズダの下に控える七柱の霊性、アムシャ・スプンタの一つ。

 

アフラ・マズダの娘であり、敬虔・献身を意味する大地の女神として知られた存在である。

 

「このザイオンに巣食う邪悪なユダヤ共は始末し終えたと念話が入りましたよ」

 

スラオシャやアールマティの補佐として天使部隊を率いる存在が語り掛けてくる。

 

【ドミニオン】

 

天使階級において中級第一位の天使達であり、名は支配・統治を意味する。

 

神の権力と栄光を象徴し、その力を物質界に配する下位の天使の務めを統括する行政官である。

 

「ご苦労であった。欧州やサウジアラビアのザイオンの状況はどうだ?」

 

「サウジアラビアのザイオンはアズラエル様とイスラフィール達が焼き尽くす事でしょう」

 

「ウリエル様と並ぶ程に苛烈な御方だ…失敗はあるまい。ハニエルやカズフェルも同じくな」

 

「ミカエル様より先んじて到着させてもらえた栄誉に恥じない聖戦が行われるのですよ」

 

「うむっ…そうだな…」

 

異形の女天使が顔を俯けてしまう態度に対してドミニオンが怪訝な表情を浮かべてしまう。

 

彼女やスラオシャは元ゾロアスター教の神であり、LAWに取り入れられる前の存在を気にする。

 

「…CHAOS勢力に反旗を翻したアスラ神族の代表者の中にはアスラ王がいるようですね?」

 

「…何が言いたいのかは分かっている。たとえ父上であろうとも…私は戦うつもりである」

 

「父神であろうと容赦なく殺す、それが貴女様が示す我らの主への忠誠心なのですね?」

 

「そのつもりだ…私とスラオシャは既にゾロアスター教の神ではない…天使としてここにいる」

 

「それを聞けて安心しましたよ、アールマティ様」

 

彼女達が話していたサウジアラビアのザイオンも既に陥落している。

 

ユダヤ財閥の投資によって石油王を気取ってこれた王族も全滅させられているようだ。

 

「我らがアッラーを裏切り…カナン族の金に屈した愚者共め。石油に飲まれて死ぬがいい」

 

石油王一族全員を縛ったまま石油の樽に頭から突っ込ませて殺した大天使が高笑いを行う。

 

その姿は異形であり、頭部は二つ、胴体そのものも頭部、手に持つ杖にも頭部が備わる。

 

彼こそイスラム教においてはウリエルに代わり四大天使として数えられる大天使なのだ。

 

【アズラエル】

 

死を司る天使であり、四つの顔と四枚翼を持ち、身体は全人類と同じ数の目で覆われる。

 

体表の目が一つ瞬く度にこの世で一人の人間が死に逝くとされ、強大な存在である。

 

唯一神が人類を作る土を求めた時、ミカエルやガブリエルよりも先に土を手にした存在だった。

 

「皆の者!邪悪なカナン族ユダヤ共の耳に聞こえるぐらいの死の音色を奏でるがいい!」

 

<<アッラーアクバル(神は偉大なり)!!>>

 

白いローブの上から赤い四枚翼で体を包み、頭部は目玉だらけの天使達が角笛を吹く。

 

するとガソリン樽に業火が生み出され、数千人にも上る王族の死体が燃え上がるのだ。

 

【イスラフィール】

 

イスラムの音楽を司る天使であり、地に足が付いた状態で天を突き抜ける程の巨大な姿。

 

地獄の監察官であり、黙示録のトランぺッターの役目も担うとされ死者を復活させる天使だ。

 

「奴らが溜めた金銀財宝が貴様らの墓標となる。金の豚共は精神と信仰の価値を知らぬからな」

 

資本主義の金融支配など一切通用しない天使軍によって全てのザイオンは制圧される。

 

避難していたダボス階級の者達が虐殺された事でついに事実上のイルミナティ崩壊を迎える。

 

「こ……こんなことって……」

 

人修羅からザイオンの情報を伝えられたリズとニュクスの部隊は内部の調査を行っている。

 

彼女達が見た光景とは死屍累々の光景であり、生存者は誰もいない。

 

「これはチャンスね…連中がスイス等から移した財産は残されたようだし、残らず回収するわ」

 

「CHAOS勢力が身内を虐殺するはずがないわ…恐らくは天使軍の仕業でしょうね…」

 

「そのようね…天使にとってCHAOS勢力の財宝など必要としないはず…有難く貰い受けるわ」

 

漁夫の利を得たアスラ神族はついに欧米各国の政府通貨を用意させる担保の財宝を手に入れる。

 

そして各国ザイオンも手中に収めたことでいざという時の避難場所としても利用出来るだろう。

 

これによって残された牙城はスイスとイスラエルだけであり、総力を挙げ進軍するのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ザイオンを制圧した天使軍の増援部隊であったが急遽反転を余儀なくされる。

 

それは熾天使達からの支援要請であり、強大な悪魔達との戦いが激戦を強いられるからだろう。

 

「ヌォォォォォォォォォーーーーッッ!!!」

 

「クゥ!!!」

 

ウリエルが繰り出す火龍撃の一撃を大弓で受け止めるのは悪魔ほむらである。

 

炎とメギド、そして強烈な物理攻撃を繰り出す熾天使の属性攻撃に対して彼女は劣勢のようだ。

 

「ムスビの呪縛が解かれた途端…夜のオーロラの力まで失ってしまうだなんてね…ッッ!!」

 

「かつてのムスビ思想に傾倒してしまう惰弱な貴様など!我ら熾天使の敵ではないわぁ!!」

 

鍔迫り合い状態から頭突きを顔面に放ち、怯んだ彼女に回し蹴りを放つ。

 

地上の山に叩き落とされ山が激しく砕ける中、ウリエルは断罪の剣を頭上に掲げる。

 

消滅の光が巨大球体のように生み出された後、地上に目掛けて落としてくる。

 

巨大クレーターから飛び出して高速移動する悪魔ほむらの背後が消滅光で消し飛ばされるのだ。

 

「フン!!逃がすものかぁ!!」

 

ウリエルの背中にある六枚翼が光翼となって飛翔していき、激しいドッグファイトを繰り返す。

 

ハルマゲドンの為に本気になれる力を唯一神から与えられた熾天使の実力は桁違いなのだろう。

 

「やめて!わたし達が本気の戦いを地上で行ってしまったら…地上の人々が死に絶えるの!!」

 

「それがどうしたのです?もう直ぐミカエル様の軍勢が現れ、地球はイレース(大破壊)されるのです!」

 

熾天使ラファエルと戦うのは円環のコトワリであるまどかであり、激しい空戦を繰り返す。

 

彼女達だけでなく天使軍を相手に戦うのはまどかが召喚した円環の軍勢達。

 

「天使様であろうと私は逆らいます!人々の未来の為に戦うのが…ジャンヌ・ダルクです!!」

 

「ジャンヌ・ダルク?貴様ガソウダトイウノナラ、火刑ニサレタ末路ハタダシカッタナ!!」

 

「所詮貴様ハ堕落者ヲ守ル背徳者!主ノ御心ニ従ワナイ堕落者ナド、キリスト教徒ニアラズ!」

 

「コノ魔女共メ!!略式裁判ヲ執リ行ウ!!判決ハ勿論…火刑ニヨル死罪デアル!!」

 

地上のケルプ部隊、それに航空戦力であるメルキセデク部隊を相手に魔法少女と魔女達が戦う。

 

魔法少女は地上のケルプを、空が飛べるタイプの魔女はメルキセデク部隊を相手に奮戦する。

 

唯一神から宇宙の熱として犠牲にされた魔法少女と魔女達は報復の気持ちと共に戦うのだ。

 

「さぁ、円環のコトワリよ!主に背を向け、反旗を翻した裁きを受ける時が来たのです!!」

 

光の六枚翼から魔力を噴射しながら高速で飛ぶラファエルに上を取られたまどかが逃げる。

 

貫く闘気を纏いながら光の六枚翼から無数の羽が生み出されて放つ一撃とはマハンマバリオン。

 

耐性を貫く闘気を纏った一撃によって万能属性以外は無効のまどかでもダメージを負うだろう。

 

「くぅ!!」

 

きりもみ飛行しながら雲海の世界を飛ぶまどかが光の羽を後方にばら撒いていく。

 

フレアとしてばら撒いたメギドラの消滅光によってマハンマバリオンの羽を全弾撃ち落とす。

 

後方から迫りくるラファエルに対し、豪風を全身で浴びる体勢を行いながら戦闘機動を行う。

 

「クルビットだと!?魔法少女でしかなかった女のくせに…空戦までこなせるのですか!?」

 

木の葉のように舞いながら後方に下がり、背後のラファエルの頭上を超えて後ろをとる。

 

背後を取られたラファエルが左右に旋回しながら振り切ろうとするが追撃を振り切れない。

 

「わたしの中には共に女神を務めるアラディアが宿ってる!彼女の力はわたしの力でもある!」

 

扇撃ちを行うことで無数の光の矢がホーミングレーザーのように前方に飛んでいく。

 

ラファエルも後方にフレアとしてメギドラをばら撒きながら隣にそびえる巨大な雲に入り込む。

 

姿を消した彼を飛び越えてしまったまどかの背後から飛び出してくるのは無数の羽ミサイル。

 

巨大な雲の中から放たれた光のミサイルシャワー攻撃に対してまどかは一気に急降下を行う。

 

光の翼でブースト加速しながら渓谷に入り込み、入り組んだ渓谷地形を利用していく。

 

迫りくる渓谷の壁をジグザグに旋回しながら光のミサイルシャワーを渓谷に激突させるのだ。

 

「彼らの相手をしている暇はない…こうしている間にもあの巨大な箱舟が地上を焼き払う!」

 

ガブリエルが艦長を務める箱舟戦艦はまどかとほむらを置き去りにしながら西を目指す。

 

箱舟戦艦が目指す国とは呪われたカナン族の国イスラエルであり、完全消滅を狙うのだろう。

 

ラファエルとウリエルが率いる天使軍はまどかとほむらを押し留めるために出撃したのだ。

 

<<他の心配をしている場合か?焼き払われるのは貴様ら魔女の軍勢共が先だぁ!!>>

 

前方の空に出現した大天使の念話が届いた瞬間、まどかは急速上昇を行う。

 

地上で放たれたメギドラオンによって渓谷どころか付近にあった集落まで消し飛んでしまう。

 

彼女を襲った存在は援軍に駆けつけた大天使アズラエルであり、まどかの背中を追いかける。

 

共に急速上昇しながらもアズラエルは頭部の形をした杖を上空に向けながら光弾を放っていく。

 

マシンガン射撃されるような攻撃をきりもみしながら避けるのだが、突然彼女が失速する。

 

そのまま落下体勢に入りながら高速で迫りくるアズラエルに接敵し、大弓で拘束を狙う。

 

「マニューバ機動だとぉ!?」

 

背中に取りつく形で大弓を首にひっかけ、そのまま両膝で背中を打ち付ける。

 

アズラエルの体を上空に向ける形で盾としたことでラファエルの殺風激が直撃するのだ。

 

「グアァァァァーーーッッ!!?」

 

耐性を貫通する極大の風魔法が直撃したことでアズラエルとまどかの体が地上に落下する。

 

大地に叩きつけられる前に拘束を解いて抜け出した事でアズラエルのみが地面に激突していく。

 

「オノレェェェェェーーッッ!?小賢しい真似をしてくれますねぇ!!」

 

「邪魔をしないで!私達はあの箱舟を止めに行かないとならないの!!」

 

「そうはいかんぞぉぉぉ!!ここが貴様の死に場所だぁぁぁぁーーーーッッ!!」

 

巨大クレーターの中から飛び出したアズラエルとラファエルが放つ光のミサイル攻撃が迫る。

 

光の羽一つ一つが強大な威力を誇る一撃であり、きりもみ飛行しながら避け、大弓を構える。

 

放たれた無数の矢が攻撃を撃ち落とす中、アズラエルとラファエルの突撃攻撃が迫るのだ。

 

一方、悪魔ほむらと戦うウリエルの元に加勢に来たのはスラオシャとアールマティの部隊。

 

高速で飛ぶ悪魔ほむらの上空をとり、次々と魔法攻撃を放っていく。

 

「くぅ…尚紀との戦いで消耗し過ぎている…今の私ではウリエル達を倒しきれない…」

 

それはまどかも同じであり、バアルの父神との戦いで思った以上に消耗している。

 

互いが決め手に欠ける時、悪魔ほむらはガンベルトに差したピースメーカーに手を伸ばす。

 

「瞬間火力を放てるのは残り3発…これが私の…最後の決め手よ!!」

 

「まだ諦めないようだな?貴様らの悪事の数々…今が年貢の納め時だぁ!!」

 

ウリエルが放つマハラギバリオンの一撃によって大地が激しく大炎上していく。

 

まるで巡航ミサイルの雨が大量に降り注いだような地獄の中、地上の部隊は壊滅状態である。

 

「ぐっ…うぅ…やっぱり…天使様に逆らったら…焼き尽くされるしか…ないのですね…」

 

全身を焼かれたタルトは倒れ込んでおり、彼女と合体していたリズも合体が解けて倒れ込む。

 

「負けませんわ…わたくしのドラゴンの旗を託した男だって戦ってる…彼には負けたくない!」

 

「うっ…うぅ…だけどエリザ様…私達では…実力差が…あり過ぎますよ…」

 

エリザとメリッサも全身を焼かれながらも立ち上がろうとしていく。

 

それは他の円環魔法少女も同じであり、水名露や千鶴、オルガやガンヒルト達も立とうとする。

 

それでも戦局は絶望的であり、魔女達もイスラフィールやソロネ、ドミニオン部隊に倒される。

 

魔女は邪悪な性質だからこそ破魔の光を得意とする天使軍が相手では愛称が悪過ぎるのだろう。

 

迫りくるケルプやメルキセデク部隊に対して成す術がない魔法少女達の顔が絶望していく。

 

そんな中、事態を動かす戦いの光景が上空で巻き起こるのだ。

 

巨大雲の側面を飛びながら反転した悪魔ほむらが大弓を構えて扇撃ちを放つ。

 

ウリエルとスラオシャが放つマジックミサイルの数々を射貫きながら消滅させていた時だった。

 

「はっ!!?」

 

側面の雲から飛び出したのはアールマティであり、異形の四枚翼を羽ばたかせながら上をとる。

 

悪魔ほむらの両肩を掴み取り、体から生えた触手めいたツタで体を絡め取っていく。

 

「捕らえたぞ小娘ぇ!!ここで終わるがいい!!」

 

「くぅ!!!」

 

捕らわれながらもきりもみ飛行を行いながら振りほどこうとする相手に目掛けて吸魔を行う。

 

ただでさえ余力がない状態なのにさらなる魔力吸引攻撃に対し、悪魔ほむらは両腕を伸ばす。

 

アールマティの脇の下に通す形で後ろに伸ばした後、大弓を逆さにして両手持ちを行う。

 

大弓から迸る魔力の弦が生み出された後、ほむらは首を下げながら大弓を前に突き出す。

 

「ガッ……ハッ……ッッ!!?」

 

魔力の弦によってアールマティの異形の頭部が切断されたことで拘束が解けながら地上に落下。

 

「「アールマティ!!?」」

 

地上に落ちた亡骸が砕け散り、膨大なMAGを放出する光景を地上の天使軍が目撃する。

 

それでも機械天使は感情が無いため、大将の一体が死のうが動揺一つ浮かべずに魔法を溜める。

 

放たれようとする熱線魔法によって殲滅されるしかない魔法少女達であるが誰かがこう叫ぶ。

 

「われはもとめる!あしきキカイテンシどもをやっつけてくれるカミをもとめる!!」

 

叫んだ魔法少女とは見滝原に現れた円環魔法少女の一人であるトヨ。

 

彼女の固有魔法は自身の求める人がやって来るという内容であるが、何の変化も起きていない。

 

「あわ…あわわわわ!!こ、こんなハズでは…われのマホウでだれかをよんだからくるのだ!」

 

「ト…トヨ…いくら何でもこんな地獄の状況を打開してくれる誰かなんて来るわけないよ…」

 

「そ、そんなことないのだ!きっとくる…われのマホウはかんぺきなのだぁ!!」

 

涙目になりながら震え抜くトヨの目前にまで迫ってくるケルプ隊。

 

上空はメルキセデク部隊が魔法のチャージを完了した事でアギダインの炎を生みだしている。

 

絶体絶命の状況の中、ついに魔法の一斉射撃が発射されてしまう。

 

「か……か……かみさまぁぁぁぁぁーーーーッッ!!!」

 

泣き喚くトヨを庇うようにして抱きかかえたヘルカが盾になろうとする。

 

しかし魔法で消滅させられた気配は無く、ヘルカとトヨが薄目を開けながら後ろを振り向く。

 

「あっ……あぁぁぁぁ……っ!!!」

 

円環魔法少女の軍勢に放たれた炎魔法に対してマカラカーンを唱えた存在が魔法を反射する。

 

反射された魔法が直撃したことで機械天使達が次々と破壊され、地上に落ちていく。

 

魔法少女達を庇うようにして空から下りてきたのは巨大な鳥人間の姿。

 

その存在は多神教連合に組するガルーダであり、その頭上にも女性が立っている。

 

「も…もしかして…あの巨大な鳥人間の頭に乗っている存在は…まさか…!?」

 

円環魔法少女のエボニーが思い出すのはかつての憎い支配者の姿。

 

ガルーダの上にいたのはエボニーの一族を道具として利用した女王が立っていたのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「き…きてくれたのだ……われのマホウはかんぺきだったのだぁ!!」

 

「貴女達を助けるためにやってきたわけじゃないけど…まぁいいわ、こいつらは任せなさい」

 

「その声はやっぱり……クレオパトラなのですか!!?」

 

素っ頓狂な叫びを上げた円環魔法少女を見下ろしたクレオパトラの目が見開いていく。

 

「エ……エボニーじゃない!?」

 

多神教連合に組するクレオパトラを知る存在とは生前に仕えていた魔法少女のエボニーである。

 

ガルーダから飛び降りて浮遊しながら着地した女王の前に来たエボニーであるが顔をしかめる。

 

エボニーは王家に利用されてきた運命に反逆した存在であり、今はクレオパトラを憎む女だ。

 

「…まだ怒っているようね?無理もないわ…貴女達メト一族を政争に利用してきたんですもの」

 

「姿が大きく変わっているようですが…その姿は何ですか?何のためにまた現れたのです…?」

 

「私は罪人として地獄に堕ち…魔王に魂を売って新しい概念存在となった。今では悪魔なのよ」

 

「悪魔になってまで美と野望を求めている存在に助けられても嬉しくないです、帰って下さい」

 

「こ、こらーっ!!われのマホウでよんだたすけなのだ!ていちょーにあつかうのだーっ!!」

 

険悪な関係の女王と従者の間に入ってきたのはトヨである。

 

プンスコしながら指差し説教してくる存在のお陰で溜息をついたエボニーがこう言ってくれる。

 

「クレオパトラ…今の望みは何ですか?」

 

「それはね…新世界を残す事よ。私は新しいラーを見つけたの…今はその人の為に戦ってるわ」

 

「ま、まさか…新しいラーというのは私が見滝原市で見つけた…あの人修羅様の事ですか…?」

 

「そうよ。あの御方が統治すべき世界を残す為に私は導かれる者…ラーを崇拝する者としてね」

 

「だとしたら望みは私も同じ…あの御方こそ…私の中にも太陽を感じさせてくれた神人です…」

 

「また従者に戻れだなんて言わないわ、エボニー。貴女の自由意志で誰と戦うか…選びなさい」

 

「フフッ♪変わりましたね…クレオパトラ様?昔の貴女様は私の自由なんて…認めなかった…」

 

微笑み合う女達に対して天使の軍勢と戦うガルーダが怒鳴ってくる。

 

「いい加減にしろよ…女共!!遊びに来たのではないぞ!お前達もさっさと加勢に来い!!」

 

頼れる増援が来てくれた事で魔法少女達が奮い立ち、タルトが光の回復魔法で全体を癒す。

 

地上の戦いも優勢になっていく中、悪魔ほむらの戦いも勝機が訪れようとしている。

 

「天使と踊るのも飽きてきたわ!仕掛けさせてもらう!!」

 

翼が生えた三体の存在が翼で雲を掴みながら流れる線を描くドッグファイト。

 

ウリエルが放つマジックミサイルをきりもみ飛行で避けつつ迫りくる熾天使の斬撃に反応する。

 

マジックミサイルを放ちながら刹那五月雨斬りを狙う相手に対してその場でループ飛行を行う。

 

「ゴハァ!!?」

 

ウリエルの頭部に落ちてきたサマーソルトキックが決まった事で墜落していく。

 

即座に腰のピースメーカーを抜くのだが背後にはスラオシャがメギドラオンを狙ってくる。

 

「見えてるわ」

 

撃鉄を引いた銃が狙いをつけるのは背後であり、背面撃ちを放つ。

 

悪魔ほむらの魔力が極限に詰まった魔弾が放たれた奔流に飲まれたスラオシャが崩壊していく。

 

「ウォォォォォォォォォォォーーーーッッ!!?」

 

光の奔流の中で体が砕け散り、膨大なMAGを空に撒き散らす最後を遂げる。

 

「貴様ら悪魔の大罪は…このウリエルが裁くのだぁぁぁぁーーーーッッ!!!」

 

蹴り落とされてなお上ってきたウリエルが剣を振り上げながらデスバウンドを狙ってくる。

 

振り落とされる袈裟斬りに対して反応した悪魔ほむらはピースメーカーの銃床で刃を弾く。

 

弾かれた勢いを利用して一回転の横薙ぎを放つ隙など彼女は与えてくれない。

 

「天使が怖くて…悪魔が務まるわけないでしょ?」

 

腰撃ちの構えからファニングショットを放ったことで極大の一撃が二連射されていく。

 

「ば……か……な……ッッ!!?」

 

極大の奔流に飲み込まれたウリエルの体まで砕けていき、ついに熾天使の一体が滅んでいく。

 

「…有難う、ピースメーカー。クロノスの次にぐらい役立ってくれた…大切な相棒だったわ」

 

一方、ウリエルの消失を感じ取ったラファエルとアズラエルが驚愕しながら後ろを振り向く。

 

その隙をまどかは逃さず、突っ込んでくる相手の意識が逸れた隙にスカートの裾を広げていく。

 

円環の女神のスカート内には自身の狩猟場である宇宙結界が内包され、それを展開する。

 

「「し、しまったぁ!!!」」

 

前方不注意だった天使達はまどかが構築した宇宙空間に取り込まれるのだが時間が無い。

 

宇宙規模の結界を構築する魔力は膨大であり、魔力切れのない頃のように長時間は使えない。

 

だからこそ勝負を決める一撃を放つのは惑星規模の円環魔法陣を生み出すまどかの姿。

 

<きっとほむらちゃんが作ってくれた勝機だよね……だったら絶対に無駄にはしない>

 

背後に構築された超巨大円環魔法陣の前で佇むように浮くまどかが大弓を杖に変えて掲げる。

 

星々に描かれていくのは円環魔法陣であり、万魔の乱舞である属性ビームを連射するのだ。

 

<<ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーッッ!!?>>

 

見える領域の星全てから放たれる属性ビーム攻撃の集中砲火を浴びるラファエル達。

 

各々が得意とする属性ビームは無効化出来てもそれ以外の属性ビームは防げない。

 

ラファエルとアズラエルの体も砕けていき、ウリエルの後を追うようにして滅んでしまう。

 

それと同時に宇宙結界を構築するのに限界が訪れたことで通常空間に戻ってしまうのだ。

 

空で佇むように浮くまどかは息を切らせるのだが、二体の天使達の姿は何処にも見えない。

 

「アラディア……わたしもまだまだだね。貴女みたいに上手く戦えなかったみたい……」

 

<そんな事はない、汝は十分戦えた。それでこそ…我の片翼を務める半身だな>

 

「フフッ♪そう言ってくれると……とっても嬉しいな」

 

ほむらや円環の仲間達の元に急いで戻るまどかであるが、勝敗は既に決している。

 

ガルーダやクレオパトラの加勢やウリエル達を仕留めたほむらの加勢で天使軍は全滅するのだ。

 

空に浮く神々を称える魔法少女達を見下ろすまどかとほむらが笑顔を浮かべてハイタッチする。

 

そんな者達を腕を組みながら見つめるクレオパトラの横にはエボニーもいるようだ。

 

「エボニー、私は天使軍の足止めの為にここに来たんだけど…箱舟戦艦は何処に行ったの?」

 

「箱舟は私達を置き去りにするようにして中東の方角に飛んでいきました…」

 

「不味いわね…恐らく狙うのはカナン族の本丸であるイスラエルだと思うわ…急がないと」

 

「クレオパトラ様…その…行っちゃうんですか…?」

 

「あら?寂しそうな顔をしてくれるだなんて驚きだわ?私の事は…嫌ってるのではなくて?」

 

「嫌ってましたけど…その…悪魔になった今のクレオパトラ様は…嫌いじゃないですから…」

 

「そう…有難う。この戦いに生き残れたら…また貴女の顔が見たいものね」

 

「行っちゃうんですね…?」

 

「ええ、戦いに行ってくる。今度会う時は主従関係ではなく…友達として接しなさい」

 

笑顔を浮かべてくれたクレオパトラは従者に自由を与えてくれると言ってくれる。

 

それが嬉しかったエボニーが涙を零してしまうため、クレオパトラが頭を撫でてくれる。

 

かつてのわだかまりを乗り越えられたエジプトの女達を見守る魔法少女も笑顔となるだろう。

 

「私達も急ぎましょう。箱舟にはまだ大勢の天使共が潜んでいるに違いないわ」

 

「あの船にはガブリエルも乗っているのが分かる…彼女は強い…油断しちゃ駄目だよ」

 

頷き合うまどかとほむらであったが、突然の眩い光が世界を飲み込む光景に驚いてしまう。

 

「な……なんなの……あの光の奔流は……?」

 

驚愕したほむらが視線を向ける方角とはイスラエルがある方角である。

 

「あの力はまさか……バアルの力なの……?」

 

眩い光の奔流が収まった時、女神と悪魔は目を瞑って魔力を探ろうとする。

 

それでも彼女達は天使軍の魔力を見つけ出すことは出来ないだろう。

 

天使の箱舟であり、選民のエデンはバアルの憤怒に触れた事で完全破壊されていたのであった。

 




円環の女神なまどかちゃんの活躍を描けると嬉しくなりますよね。
殆どの場合は神として外野扱いですけど、その神が戦える土俵を築けるのがメガテンでありメガテンクロスオーバーだと考えております。
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