人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
日本において革命軍とクーデター軍による武力革命が成功した頃、国連軍が動き出す。
その規模は尋常ではなく、大船団となりながら日本を目指してくる。
米国海軍の空母四隻に囲まれながら進軍するのは霧峰村を襲った次世代揚陸艦と同型艦の姿。
これは量産型として完成した一号艦であり、これをベースとして量産されるのだろう。
空母と次世代揚陸艦、それに上陸部隊を乗せた揚陸艦の数々を囲むのは尋常ならざる大船団。
ミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦、補給艦に原子力潜水艦の数々が並び立つ光景は圧巻だろう。
その規模は空母打撃群を統合した数であり、欧米植民地日本を焼き払う為に進軍してくるのだ。
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米軍や英軍等を中心とした国連軍の大艦隊指揮所は次世代揚陸艦である。
アメリカの海将が国連軍艦隊の司令官となり、日本の自衛隊戦力を全て滅ぼす算段なのだろう。
日本の牙を全て破壊した後、グアムやアラスカに駐留させている空爆部隊も日本に飛来する。
戦略爆撃機を中心とした大編隊が日本に飛来した時こそ、日本が滅びる時なのだ。
国連軍が戦争根拠とする国連憲章こそが21世紀でも死文化していない敵国条項。
第二次大戦中に連合国の敵国であった国が再び戦争を起こそうとするのを止める条項である。
事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国は制裁出来る。
敵国条項に該当する国が起こした紛争に対して、自由に軍事制裁を課する事が容認されるのだ。
日本の代理支配を任せる田布施の朝鮮マフィアに逆らう行為は欧米利益を阻害する行為。
ましてや日本を奪い返す内戦を起こすなら、第二次大戦の戦勝国植民地を奪い返す行為である。
これこそが主権無き日本の現実であり、それでも烈士達は欧米資本家に逆らう覚悟を示す。
その代償は極めて重くなり、反乱軍どころか日本人の全てが犠牲を支払う事になるのであった。
……………。
「クーデターはトップのすげ替えだ。降伏した官僚共は恭順の意思を示せているか?」
「いや、まだだ。連中にとってトップが変わろうが自分達のマージンさえあればいい連中だ」
「支払ってやるしかないだろうな…売国官僚といえど国の行政経験を持つ代えは用意出来ない」
「腹が立つ…学歴だけで権威を気取ってきたエリート共など…自分の取り分しか頭に無かった」
「だから金さえあれば誰にでも尻尾を振る…そんな売国奴を国際金融資本家が飼ってきたんだ」
臨時の日本首都である見滝原市を完全制圧した反乱軍は基盤固めを迅速に行っていく。
官僚機構は反乱軍に降伏すると同時に指揮下に入れられるよう調整が急がれている。
また制圧した放送局を利用して革命戦争の正当性を報道するための準備に追われていく。
「問題なのは国民の抵抗だ…避難させられた見滝原市の住民の様子はどうだ?」
「我らをテロリストだと罵りながら喚き散らしている…いつ暴動が起きても不思議ではない」
「やむを得ない場合には…暴動を鎮圧しろ。コラテラルダメージとして…受け入れるしかない」
「そうだな…支配基盤が脆弱な革命政府には暴力統治も必要だ。そのように伝えておこう」
「俺達は国賊のままか、あるいは善政を敷く解放者なのかは…後の時代の連中に判断させよう」
見滝原政治行政区にそびえる政府ビルの会議室で話し合う人修羅とオオクニヌシ達。
彼らの元に現れたのは反乱軍の戒厳司令となったゴトウであり、報告を行っていく。
「そうか…防衛省の官僚共は取引に応じてくれたか。これで自衛隊を指揮下に入れられるな」
「しかし基盤は脆弱…引き続き戒厳令を敷いたまま我ら軍部の独裁を維持する必要があるかと」
「その通りだな…俺達の基盤を築くにも抵抗勢力が現れる。それを抑えるには力が必要なんだ」
「オオヤマツミ、本日より臨時の防衛大臣として汝を任命する。自衛隊三軍の指揮を執れ」
「了解した。日の本の軍神として恥じない国防を担っていこう」
「ゴトウ一等陸佐、汝は臨時の統合幕僚長に任命する。オオヤマツミの補佐を務めてくれ」
「仰せの通りに、オオクニヌシ様」
「オオクニヌシ、お前は新たな内閣総理大臣として自衛隊の最高指揮監督権を行使してくれ」
「国津神である私が軍部の最高指揮権を行使するか…まるで大日本帝国時代の天皇だな…」
「この国の権威として正当な主張を行える立場なのは日本土着の神々だ。お前こそ相応しい」
「日本の新たな太陽神として迎え入れたい汝が最高指揮官になるべきだと思うのだがな…」
「俺は日本の面倒を見る暇がない。欧米戦線の指揮を執りに行かなければいけない立場だぞ」
「そうか…そうだな、あいわかった。このオオクニヌシが臨時の総理大臣を務めようぞ」
警察庁長官にはナガスネヒコが選ばれ、アビヒコは法務省の法務大臣に任命される。
それぞれの役職を決める会議が続く中、会議場に静香が入室してくる。
「売国奴と外国勢力との繋がりを吐かせる作業は捗っているか?」
「勿論よ。すなおが張り切ってくれてるし、売国奴共は泣き喚きながら繋がりを吐き出すわ」
静香が尋問を任せるのは時女一族の巫達であり、尋問官のすなおの取り調べは過酷を極める。
収容所で行われる尋問は水責めであり、逆さに縛られた囚人は水が入るドラム缶に入れられる。
「ガボガボガボガボガボガボ!!た…助けて…!!お願いだから…命ばかりは…お助けを!!」
「まだダメよ。お前達が国を売って犠牲にしてきた日本人の苦しみは…もっと苦しかったのよ」
「楽には殺しません。洗いざらい吐かせた後、軍事法廷に立たせる日がくるまで痛めつけます」
「やめてくれぇ!!真実を喋ったら殺されるんだ…欧米資本家の恐ろしさはそこなんだよぉ!」
「追い詰められた時女一族の恐ろしさも負けませんよ?もう一度水底に案内してあげますね」
ちかがロープを操作して囚人をドラム缶に入れ込み、藻掻き苦しむ姿を心から楽しんでいく。
金儲けで国を売ってきた売国奴が泣き喚く姿を楽しむ巫達の顔は怒りの復讐鬼そのものだろう。
「悪魔の読心術なんて使ってあげないわ。お前達は苦しみ抜いた末に罪を自白する必要がある」
「霧峰村の川底より冷たく苦しい地獄の中で藻掻き苦しめばいい…それだけの事をしたんです」
暗く冷たい収容所で響き渡る売国奴の叫びこそ、反乱軍の者達が聞きたかった勝利の歌となる。
これこそ金融資本家に虐げられ続けた日本人の復讐であり、それを果たすのが狂気の女狐達だ。
「辛い役目を任せてしまって悪いな…それでも任せたかった。お前達も苦しめられてきた者だ」
「いいえ、任せてくれて感謝しているぐらいよ。時女一族の復讐は…ようやく果たされたわ」
軍事法廷を開く際に必要な証拠集めの進捗状況を行った後、静香は会議室から出て行く。
勝者として君臨している者達だが、会議室に残っている者達は厳しい表情を浮かべてしまう。
彼らが恐れている危機的状況とは国連の敵国条項であり、それが使われた場合を話し合う。
「恐らくは…欧米から再び戦争を仕掛けられる。俺が欧米戦線に向かうのは連中を倒した後だ」
「すまないな…人修羅よ。汝の強大な力がなければ…国連軍の大艦隊を阻止出来ないだろう…」
「気にするな。日本は俺の生まれ故郷…それを再び戦火で焼き尽くされるなど絶対に許さない」
まだ日本を動けない人修羅は日本のザイオン制圧部隊について口にしていた時、異変が起きる。
膨大な魔力が見滝原市に迫って来ているのを感じ取った者達が会議室を出て窓際に向かう。
「あれは天使共の軍勢か…!?」
「いや…違う。あれは天狗の軍勢だな…率いている者はクラマテングで間違いないだろう…」
「それだけじゃない…神浜方面からも二つの強大な魔力が迫っている…この魔力はまさか…」
「どうするのだ!?挟撃される事になるのだぞ!」
「俺は神浜方面からやってくる連中の相手をする!お前達は天狗共を迎撃してくれ!!」
「くそっ…国連軍が迫ってくるやもしれんというのに…ヤタガラス共は何を考えている!!」
飛ぶ鳥を落とす勢いで迎撃態勢を固める革命政府に対して天狗の軍勢が迫りくる。
その数は膨大であり、鞍馬集のような大天狗だけでなく鳥頭の鳥天狗の軍勢までいるようだ。
「そなたらが合流してくれるとは思ってなかった。お陰で侵攻作戦が遅れてしまったぞ」
「遅れた分は我らが取り戻す。我らは未来の日の本をどちらに託すべきかを悩み抜いてきた…」
「悩んだ末にヤタガラスを選んでくれたのは英断だ。そなたらの奮戦に期待しようぞ」
「日の本を取り仕切るのは国津神にあらず。異国より日の本に訪れて育てた秦氏であるべきだ」
見滝原市の戦場に向かうのは天狗達だけでなく、神浜から高速で飛行してくる者達も同じ。
やってくるのは業魔殿で魔力を回復してもらえた円環のコトワリと悪魔ほむらの姿なのだ。
「見滝原市が戦場になっている…恐らくはワルプルギスの夜が暴れる規模を超えるでしょうね」
「どうにかしてみんなの戦いを止めさせないと…戦争なんて喧嘩と同じだよ…間違ってる!!」
まどかはまどかなりの信念があるのだと思うほむらであるからこそ彼女と共に戦う覚悟である。
それでも幾多の戦場を超えてきたほむらだからこそ、戦争の現実に大小など関係ないと分かる。
戦争とは競争であり、勝敗を決めるもの。
競争はどちらも譲れないからこそ死闘となる程にまで苛烈となっていくのが現実であった。
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見滝原湾に迫りくる国連軍の大艦隊は先ず先制攻撃として航空部隊を出撃させる。
四隻の空母から発艦するのは海軍の艦載機であり、F/A18スーパーホーネットが出撃する。
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カタパルト・オフィサーの誘導やオペレーターによって次々と戦闘攻撃機が発進していく。
爆装したスーパーホーネットに続き同じく爆装したF35CライトニングIIも発艦していく。
空母四隻から発進する攻撃部隊の数は圧巻であり、それだけでなく艦船の巡行ミサイルもある。
「
国連憲章の敵国条項の内容に則り、バアルの命令である日本壊滅を実行する大軍隊が迫りくる。
後続には戦略爆撃機の大部隊も控えており、大船団が自衛隊を滅ぼした後に出撃するだろう。
一方、天狗の大軍勢に襲われている反乱軍は見滝原市で大戦闘を繰り広げている。
「女狐魔法少女共め!!悪魔を使役するサマナーになったようだが、付け焼き刃に過ぎんぞ!」
「くっ!!数が多い!!」
「せっかく革命が成功したのに…また戦争がしたいっていうのね…ヤタガラス共は!!」
緑の和装魔法少女達が応戦するのだが、クーデター軍と国津神勢力は別の脅威の対応に苦しむ。
「やはり国連軍が迫って来ていたようだな…迎撃配置を急がせろ!!」
美国織莉子から緊急連絡を受けたクーデター軍は急ぎ足で攻撃部隊を迎撃する配置につく。
「国連軍に呼応する部隊が迫っているのを予知夢で見ました…最悪の戦場になるでしょうね…」
「ここが自分の死地になるやもしれん…それでも構わん。自分の屍が新たな国の土台となる…」
十七夜や織莉子も前線指揮官として現場に出ており、頭にはイヤーマフ通信機を装着している。
この時、魔法少女時代の頃に観た予知夢の内容が現実になったのだと織莉子は確信するだろう。
「後少しで世界はイルミナティから受け続けた金融支配を終わらせられる…負けられないの!」
織莉子の予知通り、地上から見滝原市に迫りくるのは残存するパイナップル・ブリゲイツ部隊。
在日朝鮮部隊の残りを吸収した在日米軍残存部隊も国連軍の動きに合わせて進撃してくるのだ。
魔法少女達だけでなく男達も命を懸けた戦場を構築するしかない中、上空では激戦が行われる。
戦っているのはホウオウに乗った静香であり、激戦を繰り返す相手はクラマテングだ。
「「ハァァァァァァーーーーッッ!!!」」
本気で飛ばすホウオウの速度は音速領域であり、ビルの谷間を一気に飛行する。
真正面から迫るのは天狗の翼を広げながら魔力を放出し、ブースト加速するクラマテング。
互いがソニックウェーブを放出するせいでビルの窓が次々と砕ける中、一気に迫りくる。
「「チッ!!」」
互いが横を通過する瞬間、静香の剣とクラマテングの六角棒が激しくぶつかり合う。
鈍化した世界で激しい火花を噴き上がらせながら刃が滑り、鋼の六角棒を受け流す。
互いが通過していく状態から旋回していき、後方を取り合うドッグファイトを仕掛け合う。
「あの時とは比べ物にならん力を手に入れたようだが所詮は小娘!悪魔の力を操り切れるか?」
「見くびらないで!私はお前達ヤタガラスに復讐する為に…全てを捨てる修羅となってきた!」
上空からクラマテングの背中に向けて放つ静香の一撃とはマハラギオンである。
ホウオウの周囲から生み出された無数の火球がロケット弾と化しながら飛来してくる。
しかし雷魔法と比べて弾速が遅い炎魔法に対してクラマテングはきりもみ飛行で回避するのだ。
「貴様の中から恐ろしい荒神の魔力を感じさせられる…小娘と言えど侮れんかもな!!」
飛行しながら放つのは破魔の雷光であり、全身から迸る雷が後方に迫りくる。
それに対してホウオウは果敢に突っ込み、きりもみ回転しながら雷の波の隙間を潜り抜ける。
背中に乗る静香の足は羽毛が絡みついており、足を背中に固定する形で豪風世界を耐えている。
それでも小柄な静香の体では立っていることも出来ず、片膝をつきながら必死にしがみつく。
そんな静香に仕掛ける攻撃とは明星光であり、山を砕く程の消滅光が後方に生み出されていく。
それに対して真っ向から挑む静香はホウオウの背中の上で霞の構えを行いながら叫ぶのだ。
「私の中に宿る荒神よ…刀剣に宿る神よ…御身らの怒り!我に宿らせ敵の脅威を薙ぎ払え!!」
静香が握る
マハラギダインと明星光が激しくぶつかり合い、迸る光によって視界が遮られる。
両者の一撃が対消滅した時、後方をとっていた静香は敵を見失っているようだ。
「デコイに引っ掛かるとはな!!所詮は小娘でしかないようだ!!」
「えっ!!?」
空から急降下してくるのはループ飛行で上をとるクラマテングであり、六角棒で刺突を狙う。
「グワァァァァァーーーーッッ!!!」
ホウオウの背中に『貫通撃』が決まったことで背骨を砕かれたホウオウがきりもみ落下する。
「飛び降りろ……静香!!」
羽毛の拘束を解いたことで静香の体がホウオウから離れながら落下していく。
それでも回転しながらビルの屋上に着地するのだが、ホウオウは隣のビルの屋上に墜落する。
彼の巨体がビルの屋上を砕き、激しい粉塵が舞う中、屋上の端に駆け寄る静香が念話で叫ぶ。
<深手を負ったホウオウの傷を回復して欲しいの!誰か近くにいないの!?>
広域念話を周囲の戦場に送っても天狗の軍勢と乱戦を繰り返す者達は返事を返す余裕がない。
そんな彼女の元に翼を広げて下り立つのはクラマテングであり、六角棒を回転させて構える。
振り向いた静香も正眼の構えを行いながら迎え撃つ中、大天狗の口元に不敵な笑みが浮かぶ。
「巫女のような姿に変化したようだが…何を信奉する巫女になったのだ?」
「私が信奉するのは日の本の新たな太陽神となられるべき御方…それこそが嘉嶋さんなのよ」
「貴様が身に着ける裂かれた日輪の飾りは…ヤタガラスという古き日輪組織を断つ意味か?」
「その通りよ。私は天皇家の菊紋を斬り裂いた女…全ては新たな日輪が昇る事を望む女なの」
国名である日輪を司る天皇家の紋所を斬り裂いたと聞かされた時、大天狗の笑みが消える。
眉間にシワが寄り切り、不心得者に誅罰を下す執行官としての顔つきと化す。
「この国賊め!!天皇家の紋所を斬り裂いた時点で貴様らは逆賊だ!ヤタガラスの敵だ!!」
「私達は国を守ると掲げてきたわ!だけど私達が守りたいのは国じゃない!権威でもない!」
「ならば貴様らは何を守るために天皇家とヤタガラスに反旗を翻す!?」
「牙無き民を搾取から守る為に私達は戦うの!国とは御上の為にあらず!民の為にある!!」
「ハッ!!御上に平伏し、御上に導いてもらわなければ人生を迷う家畜共に価値があるのか?」
「その発想が傲慢なのよ!権威も企業の社長も同じよ…
納税者である国民が団結して納税しないと叫んだ時、国は生きられるのか?
労働者が働いてくれなくなった時、企業の取締役や株主共は会社を動かして利益を出せるか?
これこそが静香達が見出した真に守るべき価値ある存在達の答え。
「人間は牛馬じゃない!天から与えられた人権がある!その権利を死守するのが私達の道よ!」
自由が欲しいなら、自分の国に誇りを持て。
民主主義が欲しいなら、
そして平和が欲しいなら、あなたの国を愛せ。
未来はグローバリストのものではないのだと時女一族に語ってくれたのが国津神達の言葉。
そしてその意思は尚紀の信念でもあり、その信念に触れた時女一族も同じ心の炎を灯す。
「天津神と国津神では決定的に違う部分がある!
「家畜共は支配される事を喜びとする!御上に迎合し、取り分を期待するのが羊の群れだ!!」
「そうした方が支配者にとっては都合がいいでしょう…でも、国津神は人々に知恵を授ける!」
国津神達の望みとは革命後の支配によって得られる支配力などではない。
国を耕し、日本という地域を育ててきた国津神達の望みとは、
共に学び、共に働き、共に国という地域を育てていく道こそが大地に根を下ろす神々の在り方。
支配者と被支配者など存在せず、同じ労働者として国を支えるという発想こそが
「国津神は人を稲のように育てていく!そして稲達が権威を必要としないなら…去る覚悟よ!」
「神という権威でありながらその権威を捨てる覚悟か…ならば滅びよ!天津神が権威となる!」
「そうはさせない!古き日輪の支配を断つ…その為にこそ私は…悪魔の道を突き進む!!」
女狐としてではなく、時女一族の長として戦う女は纏う狐面を投げ捨てた後、霞の構えを行う。
化けの皮を自ら剥いだ静香に対してクラマテングは怒りを爆発させながらこう叫ぶのだ。
「黙れ!!民を守るとぬかしながら、民を死なせる戦争を起こす貴様らも……」
――同じ穴の…狢共だぁぁぁぁーーーーッッ!!
刹那、互いが仕掛ける。
弾かれたように飛び出したクラマテングが剛腕を振り上げながら六角棒の一撃を放つ。
袈裟斬りの角度で振り下ろされる鈍器の一撃に対して静香は跳躍。
「ヌゥ!!?」
クラマテングの真上を飛び越え、背後で倒れ込む形の体勢から両手を背後に回し込む。
クラマテングの両足を抱え込み、体勢を崩しながら両足で大天狗の尻を大きく蹴り上げる。
弾き飛ばされた相手に目掛けて静香が跳躍。
「私の全てを出し尽くす!!」
宙を舞うクラマテングの体を背後から掴み、地上に向けてきりもみ落下。
放つ技とはいずな落としであり、両腕を背後から掴まれたクラマテングは受け身がとれない。
「舐めるな小娘ェェェェーーーーッッ!!!」
両腕が動かなくとも天狗には翼があり、大きく羽ばたいた事で膨大な風が生み出される。
「キャァァァァーーーーッッ!!!」
竜巻の中でかまいたちが発生し、静香の体が斬り裂かれていく。
風魔法を無効化する耐性のクラマテングには通用せず、斬り裂かれた静香が手を放してしまう。
地面に叩きつけられる前に回転しながら着地するが彼女は片膝をついてしまうのだ。
「天皇家であるヤタガラスに立てつく不届き者め!不敬罪により、この場で極刑にしてやる!」
羽ばたきながら六角棒を振るうクラマテングが次々とかまいたち攻撃を仕掛けてくる。
傷ついた体に鞭を打つ静香はバク転跳躍しながらせまりくるかまいたちの刃を回避していく。
起き上がる静香に目掛けて飛んでくる大天狗に対し、巫女服の上着に仕込んだ武器を抜く。
「私の技の全てを受け止めてみせなさい!!」
左手で放つのは燃え上がるクナイ投擲であり、その程度の児戯など六角棒で弾き飛ばす。
そのまま六角棒で地面を砕く一撃を放つが、跳躍回避した静香が何かを投げ放つ。
地面に落とされたのは複数の宝禄火矢であり、炎魔法で火が点いた手投げ弾が炸裂する。
「ヌゥゥゥゥゥーーーーッッ!!!」
小鉄片や小石が詰まった手投げ弾によって傷つけられたがクラマテングは健在の様子。
路地裏で戦う静香は跳躍と同時にビルの壁を蹴り込み、三角飛びしながら屋上に飛び出す。
着地した静香の背後から現れた大天狗の一撃に対して素早く身を低めながらスライディング。
股下を潜り抜けた静香が起き上がって背後から斬り付けようと狙うが顎を蹴り上げられる。
「ゴハッ!!?」
背を向けたまま一回転の浴びせ蹴りを放った事でクラマテングが履く下駄が顎を強打する。
弾き上げられた静香に対して着地したクラマテングが振り向きざまに突撃しながら体を掴む。
「忍者の技術を持ち合わせる小娘だが修行が足りん!いずな落としとは、こうするのだぁ!!」
真横に飛びながらきりもみ回転していき、落下しながら隣のビルに激突する。
「アアアアァァァァーーーーッッ!!!」
静香の頭を破城槌にしながらビルの壁を次々と貫通していく程の一撃をお見舞いする。
頭から激しく流血を撒き散らす静香であったがヒノカグツチの力を発揮。
「ウオオォォォォォーーーッッ!!?」
静香の体が激しく燃え上がったことで大天狗の体も焼かれてしまい、手が離れる。
二人とも地面に叩きつけられる末路となるが、静香は不屈の闘志で立ち上がろうとする。
「まだ…よ…この程度の傷…母様だって乗り越えている…私だって…乗り越えられるッッ!!」
互いが息を切らせながらも武器を構え、最後の斬り結び合いを狙っていく。
「これ程までの豪傑に成長するとはな…?あの時に仕留めそこなったのが…悔やまれるぞ…」
「そっちも流石ね…あのヨシツネの師匠となった大天狗の名は…伊達じゃなかったわ…」
「フッ…貴様のような娘を弟子にしてみるのも一興だったが…運命とは残酷よのぉ…」
互いが円を描きながら歩き、次の一撃で終わらせようと狙っていく。
クラマテングの翼は炎で焼かれて飛べなくなっており、静香も頭部の傷が深く目が霞む。
それでも互いに不屈の精神が両足を支えながら勝負を仕掛ける時がくる。
「時女一心流、時女静香……参るわ!!」
「くるがいい、国賊の道を進んだ豪傑よ!!貴様らの道もまた…将門の道であったぞ!!」
刹那、世界が鈍化する。
互いが駆け抜けていき、振り下ろされる六角棒の一撃に対して静香の体が揺れる。
風になびく柳の木のように風の動きを読み、最小限の動きで六角棒の一撃を避けていく。
豪快な横薙ぎを潜り抜け、片手を地につける程の低空後ろ回し蹴りで顎を蹴り上げる。
「ゴフッ!!?」
顎を蹴り上げられた反動で体勢が崩れたクラマテングに対し、静香は武器を逆手に持つ。
「己が己に課した使命と矜持…それはどちらも譲れない道…だからこそ…勝ち取っていく!!」
譲れないクラマテングが後ろ足を引いて体勢が崩れるのを抑え込んだ時、勝負が決まる。
「ガッ……ハッ……ッッ!!!」
大天狗を通り抜ける形で決まった横薙ぎの一閃によってクラマテングが倒れ込む。
倒れ込んだ勢いで上半身と下半身が斬り分かれてしまう中、静香の両膝も崩れ落ちる。
「母様……私……やった……よ……」
静香も身体が倒れ込みそうになる中、駆けつけてきた魔法少女が彼女の体を受け止めてくれる。
「静香…死んじゃダメよ…静香ぁ!!貴女は私達の長なのよ…これからも私達を導いて頂戴!」
顔を上げて見れば駆けつけてくれたのはすなおであり、涙を流しながら抱きしめてくれるのだ。
「クラマテング様ァァァーーーーッッ!!?」
クラマテングの元にもカラステング達が駆けつけて抱き起こすのだが、体が砕け始める。
「ゴフッ…!!ワシはここまでじゃが…それでも譲れん…その為に切り札を用意してきた…」
震える手で懐から取り出したのは召喚管である。
クラマテングとなった者もヤタガラス所属のサマナーであり、悪魔を使役出来る者なのだ。
「こんな事もあろうかと…石鎚山法起坊に召喚して頂き借り受けた悪魔を…使わせてもらう」
最後の気力を振り絞りながら召喚管にMAGを注ぎ込んでいく。
己の体を構成するMAGを譲り渡す光景であるのだが死を間近にした大天狗だけでは足りない。
「すまんがお主達も…ワシと一緒に死んでくれるか…?」
「我らは生も死もクラマテング様と共に在るのです!この命…召喚の為に捧げましょう!!」
クラマテングが召喚する悪魔に感情エネルギーを捧げる為、カラステング達が印を組む。
彼らの体から溢れ出すMAGの光が召喚管に吸われていき、蓋がクルクルと開いていく。
体が砕けて死んでいくカラステング達に続くクラマテングは召喚する悪魔の名を呟くのだ。
「いでよ……ザオウ……ゴン……ゲン……」
召喚する悪魔の名を呟いた瞬間、クラマテングの体も砕け散る。
そのMAGを全て吸い尽くす形で地面に落ちて転がった召喚管から一気にMAGが噴き上がる。
死にかけている静香に回復魔法をかけ続けていたすなおは召喚を止める事が出来なかった様子。
彼女は静香を抱えながら逃げていたのだが、背後に振り向いた瞬間に絶望を目の当たりにする。
「あっ……あぁぁぁぁぁぁ……っ!!?」
屹立する存在はアスラ王と並ぶ程にまで巨大な悪魔。
ビルを砕きながら屹立した存在こそ日本独自の仏であり、仏教・神道・道教の習合神であった。
マギレコの静香ちゃんや時女一族はNINJAな戦い方がよく似合うと思ってました。
なのでコーエーテクモ脳がフル回転しながらNINJAバトルを描いてしまった。
お の れ 邪 鬼 王 !