人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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37話 死の軍隊

積乱雲と雷鳴が鳴り響く空を穿つのは天に伸びる光の塔。

 

光の柱はタワー屋上を貫き、都市ブロックを海底の奥深くにまで抉り取る。

 

「このビルにいるな…残りのペンタグラムメンバーは…」

 

光の柱が伸びる屋上を見上げると憎き魔力を感じ取る。

 

「あの屋上からチェンシーの魔力を感じる…待っていろ」

 

だが、もう一つ屋上に感じる魔法少女の魔力なのだが様子がおかしい。

 

「これは…アイラの魔力なのか!?以前感じた時よりも…遥かに強い!!」

 

アイラから感じ取れた今の魔力はかつての世界で言えば神や魔王の領域である。

 

「あの女にこの魔力を与えているのが…この光なのか?」

 

アイラがペンタグラム決起の要なのだと悪魔は考え、阻止する決意を固めるだろう。

 

「…そうはさせない」

 

両腕が燃え上がり、地面からも業火が巻き起こって悪魔の周囲を包む。

 

狙うのはタワー屋上にいるチェンシーとアイラ。

 

一直線の豪熱放射であるるマグマ・アクシスを放とうとした時、念話が届く。

 

<そこまでだ、悪魔よ>

 

聞こえてきたのはチェンシーの念話であり、彼も念話を返す。

 

<貴様らの命を貰いに来た>

 

<フフ…サイファー様と同じく、お前もソウルジェム念話と同じ事が出来るようだな?>

 

<サイファー?それが、お前達を手引している奴の名か?>

 

<その通りだ。サイファー様が我々を導き、決起を起こせる力を授けて下さった>

 

<ならばそいつも殺してやろう。お前達は先にあの世に行くんだな>

 

<このエリアごと私を葬り去ろうというのなら…この下の階にいる人質共も一緒に死ぬぞ?>

 

そう伝えられると両腕の炎を消し、周囲の業火も消えていく。

 

始めから撃つつもりなどなかったようだ。

 

(撃つフリに付き合ってくれたお陰で、人質の確認はとれた)

 

予想通り、人間の盾をビルに集積させているようだ。

 

<このビルは人間達を人質にしたエリアを東棟と西棟にも分け、分散させて集積してある>

 

<随分と手間のかけた分散だな?>

 

<フフフ…このビルに向けて強大な魔法攻撃を迂闊に使えば、人質も巻き込む事になるぞ?>

 

<…ならば、直接貴様らをぶちのめしに行くだけだ>

 

<その意気だ、悪魔よ。楽しい戦いをしようじゃないか>

 

念話を終えたチェンシーは無線で指示を出す。

 

「このジェット機の音は……!?」

 

音が聞こえる方角に振り向く。

 

ビルの影から現れたのは攻撃ヘリと同じ空中移動を行える垂直離着陸機ハリアーⅡ。

 

敵機に向けて破邪の光弾を放とうとするが、あれにもまた人間の盾が備わっている。

 

「…チッ」

 

コックピットに見えるのは洗脳されただけの罪なき兵士。

 

機銃掃射を間一髪避け、西棟エントランスに向けて駆け抜ける。

 

悪魔はペンタグラムが支配する塔を登りきらなければならない。

 

西棟エントランスホールに入り、周囲を警戒していく。

 

白い大理石の広々とした床、四階部分まで吹き抜けとなっている大きな天井空間。

 

エスカレーターは二階通路と繋がっており、奥のエレベーターで上に迎えるようだ。

 

気品溢れるエントランスホール内において場違いな連中の姿も見える。

 

それを見越した上で西棟を彼は選んだようだ。

 

I'm glad you're here, demon.(嬉しいわ、悪魔)

 

二階通路を見上げればレベッカが待ち構えている。

 

He chose the west wing where we are.(私達がいる西棟を選んでくれて)

 

周囲を取り囲んでいるのはレベッカのゴーレム達である。

 

「…あえてこっちを選んだ。お前達の魔力に気づいていたからな」

 

悪魔を取り囲むのは死者の軍隊。

 

両腕の代わりに備えられたのはミニガンやグレネードランチャーのようだ。

 

前回の戦いを経験した事で接近戦は不利だと判断したようだ。

 

「両腕が銃だと?引き金さえ引けない…と考えるべきじゃないんだろうな」

 

ゴーレムは彼女の魔力で操られており、銃と一体化した事もあり武器も操れると判断する。

 

レベッカの後ろから現れるのは巨大なゴーレムの姿。

 

「……まるでサイクロプスだな」

 

単眼の巨人として生み出されたのは二体のゴーレム。

 

背中には巨大ドラムマガジンを背負い、給弾ベルト先に繋がるのは巨大な銃身。

 

A10サンダーボルトIIに搭載されたGAU8アヴェンジャーである。

 

この機関砲が発射する30mm弾の威力は戦車どころか基地さえも破壊しつくせる。

 

「相変わらず取り巻きがいないとデカイ態度が出来ないようだな?」

 

不敵な笑みを浮かべながら悪魔はエントランスホールを進む。

 

ゴーレム達が一斉にミニガンを構える。

 

I don't want any more of your meat!(もうお前の肉はいらない)

 

蛇杖を悪魔にかざしながら戦いを挑んでくる。

 

I'll mince you right here and now!(この場でミンチにしてやる)

 

「お前に会ったら、言ってやろうと思っていた言葉があるんだよ」

 

右手を使い、親指を下に向ける。

 

Cowardly bitch.(腰抜け女が)

 

悪魔の『挑発』行為に対して眉間にシワを寄せたレベッカは激怒していく。

 

Kill him!!(殺せ!)

 

魔力で操られたゴーレム達の銃身が回転する中、悪魔の口元に不敵な笑みが浮かぶ。

 

「…ヘッ、バレットパーティってやつだな」

 

悪魔は持ち上げた右手を使い、人差し指で手招きしてくる。

 

アジアで見られる犬に向けて行うジェスチャーサインでさらに挑発してくるのだ。

 

「いつでも来な、負け犬」

 

一斉射撃の弾幕に対して悪魔は風を纏いながら二階通路に跳躍する。

 

立っていた場所を弾丸が飛び交う中、囲んでいたゴーレム達が次々と同士討ちとなっていく。

 

味方の同士討ちを考慮せず布陣を敷いたツケであり、レベッカは戦術を知らなかったようだ。

 

「さぁ、やろうぜ」

 

悪魔は一体目のサイクロプスゴーレムと対峙する。

 

巨大な銃身を鈍器にした右薙に対して光剣による右切りを放ち、銃身を光熱で溶断していく。

 

「チッ、あの女……」

 

目を向ければ、エレベーターに向かって走り去るレベッカの姿が見える。

 

左手を向け、破邪の光弾を放とうとした時、チェンシーからの警告を思い出す。

 

(このビルの何処に人質が詰め込まれているか判断出来ない…)

 

跳躍して一回転を行いながらサイクロプスの右側頭部に旋風脚の一撃を打ち込む。

 

「グオオォーーー!!!」

 

ガラスの手すりを砕きながら一階に落ちていく。

 

悪魔も着地すると同時にさらに跳躍し、二体目が構える機関砲が暴音を撒き散らす。

 

無数の薬莢をばら撒き、ビルの壁を30mm弾が砕いていく。

 

巨人を超えるように月面宙返りによる回避行動を行う悪魔が宙を舞う。

 

背後に着地して光剣でゴーレムを溶断しようとした時、横槍が入ってしまう。

 

「何っ!?」

 

一階で生き残っていたゴーレム兵達によるグレネード射撃が放たれる。

 

サイクロプスごと爆発に巻き込まれてしまい、壁まで転がされる。

 

「死人共は見境ないな……」

 

同じく倒れ込んだサイクロプスを睨みながら立ち上がっていく。

 

見れば機関砲の給弾ベルトが破損して千切れており、鈍器として使う道しかない。

 

起き上がりながら一気に踏み込み、巨人も銃身で頭部ごと叩き潰す勢いで振り上げてくる。

 

その胴体が宙を浮く一閃が決まり、さらに唐竹割が決まった事で十字に斬り裂かれるのだ。

 

「諦めが悪い奴らだ」

 

エスカレーターを駆け上がる人形サイズのゴーレム兵士達がミニガンを向け、銃弾を放つ。

 

両腕で顔を守りながら悪魔は接近し、手前の死人を袈裟斬り、逆袈裟を同時に行い切り捨てる。

 

「ハァァーーーッ!!」

 

右薙、袈裟斬り、右切り上げ、唐竹、左切り上げ、左薙と死人兵の体が次々と分断されていく。

 

突進の勢いで次々と斬り裂きながら一階に進むともう一体のサイクロプスが待ち構える。

 

「グオオォーーーッ!!」

 

背中のドラムマガジンを捨て、両拳をぶつけながら雄叫びを行ってくる。

 

右腕を振り上げ、悪魔に向けて突進攻撃を仕掛けようというのだろう。

 

「来な!!」

 

互いの右腕が振り下ろされ、パンチが激しくぶつかり合う。

 

「グガァァーーーッ!!?」

 

巨人に比べれば小さいはずの悪魔の右拳だが、結果は巨人の右拳が潰れて流血が噴き上がる。

 

「どうした、肉塊?俺と力勝負がしたいんだろ?」

 

3メートルを遥かに超える巨体が後ずさる中、跳躍した空中飛び後ろ回し蹴りによる一閃。

 

サイクロプスの首が折れ曲がり、エントランスの奥にまで蹴り飛ばされるのだ。

 

トドメの一撃を放つために右手の光剣による刺突を行い、巨人の腹部を貫いた時だった。

 

「このキャタピラの音は…!?」

 

背後を振り返ると同時に入り口を破壊する轟音が響く。

 

現れたのは生き残っていたM1エイブラムス戦車であり、砲身は既に悪魔に向いている。

 

戦車は走行しながら120mm砲を悪魔に目掛けて発射を行う。

 

「チッ!!」

 

鈍化する世界。

 

サイクロプスの腹部に刺した光剣を逆風に向けて切り上げていく。

 

上半身を割く勢いのまま後ろに向けての半回転斬りを放つ。

 

迫りくる砲弾が切断され、悪魔の顔の前で左右に別れて通り過ぎる。

 

背後で爆発が起きるが、目の前からは戦車が迫ってくる。

 

Die!!(死ね!)

 

悪魔は右足を後ろに引き、足元から放電を行う。

 

電磁により足を地面に固定しながら迫る戦車に向かって両手を掲げる。

 

What the hell!?(何だとぉ!)

 

巨体を誇る米軍主力戦車を相手に両手で掴みながら進行を押し止める。

 

地面に亀裂が入り、過負荷によって吸着も持たないだろう。

 

「オオオオーーー!!!」

 

両手からも放電し、手が戦車に吸い付くと同時にキャタピラが浮き上がっていく。

 

54.45tの重量を誇る戦車に仕掛ける技はド派手となるであろう。

 

「ラァァーーーッ!!!」

 

戦車に対して無理やり放つのはプロレス技のブレーンバスター。

 

背後で倒れる裂かれたゴーレムに目掛けて戦車の巨体が真上から押しかかりながら倒れ込む。

 

ひっくり返された亀の如く、キャタピラの音だけが虚しく空回りする光景が広がるだろう。

 

「あの女…逃さない!!」

 

レベッカを追う悪魔の姿が二階に向かって駆け抜けていくのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

エレベーターの前で案内を確認する。

 

「このエレベーターは最上階まで直通しない…行政の仕事を行う人達が利用する40階までか」

 

エレベーターのボタンを押すと扉が開き、登れる範囲まで上を目指す。

 

タワーを紹介する音声が内部で響いていた時、突然の轟音が響く。

 

「今度は何だ!?」

 

30階を超えた当たりで突然の振動が内部を襲い、エレベーターが急速で下降していく。

 

「くっ!」

 

無重力を感じさせる空間内で跳躍し、天井を光剣で溶断する。

 

エレベーターシャフト内に飛び出た悪魔が放電を行いながら壁に張り付く。

 

見下ろせば落ちていったエレベーターが地上に叩きつけられる轟音が響いたようだ。

 

「この魔力…上に何かいる」

 

頭上よりも高く離れた位置で微かに見えるのは人の胴体が繋がった三体の大蜘蛛。

 

鋭く伸びた足の爪をシャフト壁に突き刺し、体を固定している。

 

手に持たれているのはマチェーテ曲刀、それにドラムマガジン付きサブマシンガンである。

 

「楽には登らせてくれないか」

 

シャフト内の壁に対して磁場で足を吸着させながら左手の吸着を解く。

 

重力が体にかかり倒れ込むが、筋肉で抗いながら体勢を真横に向けて静止させる。

 

「だが、押し通る!」

 

シャフトの上に向かって足を吸着させながら悪魔は駆け抜ける。

 

上空からの弾幕に対して両腕で顔を隠しながら流れ弾を浴びても突き進む。

 

接敵したゴーレムがマチェーテを構える横を通過する勢いで両断していくのだ。

 

「この足元が40階だと思うが…」

 

エレベータードアに飛び移るため、向こう側のシャフトの壁に飛び移る。

 

体を壁に固定させた状態で右手をかざす。

 

「威力を弱めれば…何とかなるか?」

 

威力を最小限にまで抑えた破邪の光弾を放ち、周りの被害を抑え込む。

 

派手に貫かれたドアに向かって飛び移り、40階に辿り着く。

 

「ガラス張りの通路か…どうやらタワーの反対側に出たようだ」

 

夜の東京湾を窓から見下ろせばミサイル駆逐艦の姿も見えるだろう。

 

フロア案内に目を向け、次の行き先を決めたようだ。

 

「西棟から最上階に登れないか…東棟から屋上を目指すにも50階の連絡通路に行くしかない」

 

止まっている暇などない悪魔は走り出し、上に登る程に殺人衝動が噴き上がっていく。

 

「落ち着け…マスターと美雨の教えを忘れるな」

 

心を乱して勝てる相手ではないと自分に言い聞かせる。

 

ビルの屋上で待ち構えている強敵はチェンシーだけではないのだ。

 

「人質の開放に向かう訳にもいかない…」

 

下手に見つけて突撃すれば洗脳された兵士達が人質を攻撃し始めると悪魔は予測している。

 

兵士を操る魔法少女を殺せば米軍兵士達も目を覚ます。

 

彼らに人質を任せればいいと判断したようだ。

 

階段を昇り、41階のフロアマークが表示されたエリアに入ると敵影が現れる。

 

「あの攻撃機…ヘリと同じ飛行能力があったのか…」

 

窓ガラスの向こう側に見えたハリアーⅡが垂直飛行しながらタワー裏側に回り込んできたのだ。

 

右翼ハードポイントに搭載されたハイドラロケット弾が次々と撃ち込まれる。

 

「くっ!!」

 

右の通路に向かって跳躍し、手を付きながら跳ね上がり前転着地で回避する。

 

後ろでは爆発が次々と起こり、上の階を目指す階段の道は閉ざされてしまう。

 

「あくまで逃さないつもりか!」

 

高度を保ちながらホバリング移動し、悪魔を追いながらロケット弾を撃ち続ける。

 

後ろから迫る爆発の連鎖を振り向きもせずに悪魔は駆け抜けていく。

 

苛烈な攻撃で天井に亀裂が入り、前方通路の天井が崩落してしまう。

 

「道が出来たな!」

 

壁となった天井を蹴り上がりながら42階に進む。

 

攻撃機も上昇し、執拗に攻撃を繰り返す。

 

「ならば、こうするだけだ!!」

 

体を静止させた悪魔はビルの窓ガラスに向かって跳躍を行う。

 

窓ガラスを突き破り、空中に身を投げ出す下にはハリアーⅡの背中がある。

 

飛び移った彼が反転し、再びビルに向かって跳躍を行う。

 

体勢を回転させながら上の階にある窓ガラスに両足で張り付いたようだ。

 

「このまま一気に屋上まで昇ってやる!」

 

ガラスに張り付きながら高層ビルを昇り続けるが敵機は追撃してくる。

 

「後ろか!?」

 

走りながら蛇行運転のような回避運動を行うと直ぐ横をミサイルが飛び越えていく。

 

機首を上に向けて垂直に飛行してくるハリアーⅡからのミサイル攻撃が迫る。

 

「重力に逆らう張り付き状態では…いずれやられるか…」

 

覚悟を決めるしかないと判断した事で悪魔は決断するだろう。

 

「戦いの世界は……殺すか殺されるかだ!!」

 

鈍化した世界。

 

意を決してガラスを蹴り、夜空の上でバク転運動を行う悪魔が宙を舞う。

 

ビルの下に向かって落下していく中、見えるのは上昇してくる敵機の背中。

 

放電を行う左手で張り付き、空中で体勢を無理やり静止させるのだ。

 

Did he fall?(落下したのか)

 

目標が下に落ちていく光景しかパイロットには見えていない。

 

機体を水平飛行に戻していくパイロットがビルの窓に目を向けると驚愕してしまう。

 

Idiot!?(馬鹿な!)

 

機体の上に立つ悪魔の姿がビルのガラスに映る光景だったのだ。

 

「……許せ」

 

右手から放出された光剣が機体の背中を斬り裂く。

 

空中で両断された敵機の上からビルに向かって跳躍しながら飛び込む。

 

ガラスを破り、中で受け身を取りながらの着地を行う。

 

割った窓ガラスの下を覗き込むと地上で爆発炎上した敵機の無残な姿が見えるのだ。

 

「…あの洗脳されたパイロット、ベイルアウトする自由すら与えられなかったか」

 

自らの意志を持ち、守るべき人間の命を殺す。

 

人間の守護者として失格行為とも言えるやもしれない。

 

「…助けられなくて、すまなかった」

 

守ろうとすればする程に、彼の手から守り抜きたい人々の命が零れ落ちていく。

 

ボルテクス界で生きたマネカタ達の命さえ人修羅と呼ばれた尚紀は守れなかった男だ。

 

しかし迷っている暇すら人修羅には与えられない。

 

この戦いは犠牲者の数を減らそうと考える余裕すらない死闘。

 

そして彼は今まで多くの魔法少女を殺し、遺族や友達を泣かせた外道。

 

今更詫びの言葉など、あってはならない。

 

「……呪わば呪え。この身はもう…人に呪いを与える悪魔でしかない」

 

自らの手を血で染め上げる事を彼はもう躊躇いはしない。

 

「地獄の底に堕ちる特等席なら…もう手にしている」

 

 

西棟50階の階段を駆け上るのはレベッカであり、下から迫る魔力を感じながら怯えている。

 

自分の力では歯が立たないと判断した彼女は他のメンバーに縋り付く逃避行を繰り返す。

 

西棟50階の階段を登り、51階に続く階段を見た彼女が絶句してしまう。

 

Qu'est-ce que c'est que ça !?(何よこれ!?)

 

階段を見上げれば、既に瓦礫によって崩落している。

 

光熱を帯びた鋭利な刃物でズタズタに斬り裂かれたようにも見えるやもしれない。

 

Quelqu'un qui peut faire ce genre de coup...(こんな真似が出来る奴は…)

 

彼女の脳裏に浮かぶのは自分を殴り飛ばしたルイーザの姿である。

 

焦る中、悪魔の魔力も50階に到達しているのを感じ取る。

 

この階のゴーレムを動かすが、時間稼ぎがいいところであろう。

 

「…C'est inévitable.(やむを得ないわ)

 

目指すべきルートを決めた彼女は西棟から東棟に移れる連絡通路を目指す。

 

そして、そこに感じ取れるルイーザと合流するだろう。

 

Je survivrai avec cette femme comme bouclier !(あの女を盾にしてでも生き残る)

 

アリスが倒され、他に悪魔と戦える存在は限られてしまう。

 

最後の望みを頼りにした死の軍隊の腰抜け指揮官は連絡通路へと逃げていった。

 




読んで頂き、有難うございます。
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