人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
葛葉ライドウと共に屹立するのは共に視線を超えた仲魔達。
スサノオに続き召喚されたのはモー・ショボー、モコイ、ヒトコトヌシ、キンマモン。
それに業魔殿に行った時についてきたイッポンダタラ、ムラサキカガミ。
そして上空に顕現した巨大な龍神こそコウリュウであり、全てを出し尽くす構えである。
「笑止!!コウリュウとキンマモン以外は雑兵共ではないか?恐れるに足らず!!」
「神格だけで悪魔の強さを推し量る…その器量の小ささが身の破滅を招くのだと知れ!!」
巨体を向けてくるツクヨミ達が放つのは月下氷霜であり、無数の氷塊隕石が迫りくる。
「ここはオバチャンに任せとき!」
仲魔達の前に出たのはムラサキカガミであり、物理と万能以外は全て反射する悪魔耐性を行使。
反射された氷塊隕石がツクヨミ達に直撃しても氷結吸収耐性でダメージは通らない。
それでもムラサキカガミに意識を奪われた者の隙を逃さないモー・ショボーが動くのだ。
「貴女達も固まってないでライドウと一緒に戦いなさい!ここが正念場なんだからーっ!!」
氷漬けの者達を救う為にモー・ショボーが回復魔法を行おうとするが邪魔が入ろうとする。
分身の一体が彼女に手を向けながら氷結魔法を放とうとした時、他の仲魔も動いてくれる。
「モー・ショボー選手がピンチであります!ここはうぉれ様達の出番だぜーっ!!」
「なぎたんは悪魔になってでも世直ししてる!なら悪魔のうぉれも負けてられねぇぇぇ!!」
ヒトコトヌシが飛んでいき、ツクヨミ達の体を覆う巨大竜巻を生み出す。
イッポンダタラは金槌で大地を打ち込んでいき、巨大な土壁を生み出して壁とする。
その間にモー・ショボーが行った『メパトラ』で氷漬けの者達の状態異常が回復するのだ。
「た…助かったのですか?」
「これが悪魔の魔法の力なのね…私達もこの戦いで生き残ったら御霊合体しようかしら?」
「マミさん…死亡フラグめいた余計な言葉を言うのはやめてくださいよ!?」
「そういうこった!そういうセリフは勝った後で言うもんだぜ!!」
「へっ!元気な魔法少女共だぜ!オレも負けてられねぇ…ケリをつけようぜ、兄弟!!」
ヒトコトヌシの竜巻とイッポンダタラの土壁を破壊したツクヨミが印を結ぶ。
絶対零度の氷結暴風が襲い掛かったことでヒトコトヌシとイッポンダタラが弾かれてしまう。
「「寒くなるのは財布の中身だけにしてくれェェェェーーッッ!!!」」
氷漬けになりながら吹き飛ばされた者達が稼いでくれた時間を他の者達は無駄にはしない。
「さぁ、私達も仕掛けるわよ!相手が神様でも、魔法少女は戦うわ!」
「月に代わって、オシオキなのです!」
テレビで見た事がある昔の美少女アニメのポーズを行う少女達に対してツクヨミが激怒する。
「貴様らぁ!?月神の我に対して月に代わろうなどとは…言語道断だ!滅ぼしてやる!!」
「悪いんだけど、あたしら魔法少女は日本神話の月神を信仰してる存在じゃねーよ!」
「あたしらが頼りにする月神はね…魔女達を救う女神様なんだから!!」
同じ月神であろうとも信じる神は円環の女神のみとした杏子とさやかが跳躍する。
なぎさが口から生み出したお菓子の魔女の背に乗り、巨大な月神の周囲を旋回する囮となる。
「私から意識を逸らした存在がどういう目に合わされるか…身をもって経験しなさい!」
有効攻撃を狙えないマミは手を叩いてリボン拘束を生み出し、ツクヨミ達の腕を拘束する。
魔法を発動させる印を結べなくなろうと体の内側に広がる宇宙空間から氷塊が降り注いでいく。
なぎさが操るお菓子の魔女の上に乗った杏子とさやかは合体魔法を行うのだ。
「「男神のお前なんて月神じゃない!月神になれるのは女神様だけだ!!」」
編み込み結界の鎖をさやかが放つ剣の柄に結び付けた鎖剣の数々が頭部に襲い掛かる。
「ヌォォォォーーーーッッ!!?」
巨大冠に備わった神鏡が砕かれたことでツクヨミ達の体に広がる宇宙空間が歪んでいく。
星々の煌めきが輝く世界が変化していき、黄泉の如き禍々しさを放つ領域となるのだ。
「ツクヨミのヨミは黄泉を表すッス。あの門の向こう側が変化したなら…攻撃も変わるよね…」
「それってどういう事に……って!?な、なんなの…この小人さんは!?」
「ドゥフフフ、ボクはモコイさんだよ。ウヒョー、カワイイ魔法少女と共闘なんてイカスよね」
「今は戦いの時間でしょ!変なナンパは他所でやりなさい!」
「ショボーン…ボクのハートは傷ついたッス。君と一緒にプーアル茶を飲みたかったな…」
「私が好きなお茶は紅茶なの!でも偶にはグリーンティを飲みたくもなるわね…」
「じゃあボクと一緒にお茶しようよ!神浜って街に美味しい喫茶店があるの知ってるッス!」
「神浜に詳しいのね?神浜の子との親睦も兼ねて行ってみても…って、キャァァァーッッ!?」
苦しむツクヨミ達の体から放たれる黄泉の呪殺弾が無数に飛来する中、モコイが盾となる。
呪殺を得意とするモコイの呪殺無効に守られたマミは彼を抱えながら呪殺弾を避けるしかない。
異界の月の力を取り込む神鏡を割られたツクヨミは黄泉の力を解放しながら暴れてくるのだ。
「黄泉に囚われるでない!イザナギが禊したマガツの穢れに囚われればマガツ神となるぞ!」
苦しむツクヨミ達の前で宙に浮くキンマモンは琉球神道の神として説得を試みようとする。
それでも怒り狂うツクヨミ達の呪殺弾が飛来したため、両手で印を結びながら光を放つ。
<<ヌォォォォォォォォォーーーーッッ!!!>>
眩い光が放射された事によって呪殺弾が消し飛び、体の内側に広がる黄泉の暗闇が晴れていく。
黄泉路の道が見えたことで突撃していくのはコウリュウに乗ったライドウとスサノオの姿。
<<滅びよ……全て滅びよ……何もかも……消えてしまえェェェェーーッッ!!>>
再び呪殺弾が発射され、無数の呪殺攻撃がコウリュウに迫りくる。
それを止めるのはキョウジであり、ポケットから取り出した沢山の護符を空に投げ放つ。
「急急如律令!!」
両手で印を結ぶキョウジが放った護符が式神の鳥となり、コウリュウに迫る魔弾に突撃する。
魔弾に立ち塞がる式神達の体が弾け飛び、破魔の爆発を生みながら魔弾を消し飛ばしてくれる。
「行ってこい、葛葉ライドウ!!ツクヨミを倒し…再び俺の前に現れる気概を示せ!!」
「ああ!!必ずや成し遂げよう!!」
コウリュウの突撃を浴びたツクヨミの体の中に巨大な龍神が飲み込まれていく。
多くの者達に支えられたことでライドウはツクヨミが築いた真の奥の院に辿り着くのであった。
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「なんという禍々しい領域…まるでイザナギの体に染みついた穢れで構成された異界だな…」
「オレとアマテラスとツクヨミが生まれた時…既にアイツはマガツの穢れに侵されていたか…」
赤黒い雲に覆われた毛細血管内部のような景色に対してライドウ達は顔をしかめる。
地上に見えるのはマガツの穢れが溜まった海であり、落ちれば神でも無事では済まないだろう。
「見ろよライドウ、あの切り立った崖の上にある神社を」
「あそこにいるのか…ツクヨミの本体となる神霊が…?」
コウリュウに頼んで崖の上にある境内に下ろしたもらったライドウ達が神社に近寄る。
ボロボロの様相を見せる光景はツクヨミが味わってきた心の苦しみを表す光景のようだろう。
月読殿の前まで来ると奥に見えたのは割れた神鏡であり、三日月の形で辛うじて残されている。
警戒するライドウ達に対して恐ろしい念話が響いてくるのだ。
<<ここまで踏み込んでくるか…我にとっては振り返りたくもない…苦しみの領域に…>>
割れた神鏡が月の光を放ち、月読殿の前に人型の形を生み出していく。
形となっていくのはナホビノと呼ばれた時代のツクヨミの体であるが、夜の暗闇で覆われる。
不完全なナホビノ体はまるで夜中に見える人影そのものであり、三日月の大鎌を所持している。
マガツの穢れが体から立ち上る陽炎めいた人影の口元が不敵な笑みを見せながらこう語るのだ。
「見るがいい…朽ち果てた我の心の景色を。千数百年間日の本を守ろうとした神の慟哭をな…」
「マガツに侵された神であろうとも…天皇家を支える三貴子として誇りはあったってわけか?」
「神の血筋こそが日の本の民を導く存在であったが…支配者共は神の血筋を踏み躙ってきた…」
神道の権威も江戸時代の頃には形骸化させられ、徳川の血筋が天皇の代わりとなっていく。
東天照大権現として徳川家康を神格化させ、日の本を支配する偽神に成り代わろうとする。
そして徳川の血筋でさえ支配は千年続かず、今度は欧米から植民地支配を受けてしまう。
その支配者である欧米金融資本家達もまた家康と同じく現人神になるため神秘主義を掲げた者。
葛葉キョウジが語った通り、
「それでも我は守りたかった…三貴子の日陰者として扱われた我を崇拝してくれた者達をな…」
「秦氏一族…いや、渡来人として日の本で暮らした元イスラエルの民を守ってきたわけか…」
「虐げられたヘブライ人は極東の地でようやく平安京を見出せたのに…ユダ族が現れたのだ!」
裏切りのヘブライ人であるカナン族ユダヤの悪行を並び立てたらきりがない。
そんな連中が水面下で悪行を行っていることに気づき、叫んだところで誰も見向きもしない。
第二次大戦戦勝国となった欧米ユダヤ帝国が敷いた嘘の歴史の中だけで生きる者には通じない。
例を上げるなら2003年にクアラルンプールで行われたイスラム会議であろう。
116カ国の首脳達の前でマレーシアの首相が述べた言葉こそがユダヤ財閥の悪行内容だ。
――ユダヤは代理国を通じて世界を支配しています。
――彼らは他の者達を自分の都合の為に戦争に送り、死なせています。
――彼らは共産主義、社会主義、人権主義、民主主義を発明している。
――
――ユダヤはそのような権利を踏み台に世界で最も影響力のある国々を自在に操るようになる。
――こうしてこのごく小さなコミュニティが世界的な支配力を手中に収めていったのです。
「ユダ族が敷いた世界の嘘に閉じこもる連中に啓蒙しようが王族の言葉でも通じないのだ!!」
タイの王族の一人がホロコーストは捏造だと発言している。
それに対してイスラエルからユダヤ差別と言われた事に対し、手紙でこんな言葉を綴る。
――シオニストの銀行家達はその強欲に駆られた新たな世界の植民地化を望む。
――目的達成の為に賄賂、恐喝、脅し、強制、または内部工作で人為的に負債を引き起こす。
――その方法で世界中の国々の自然資源、石油、ガス、主要財産や金融機関を収奪する。
――
「こんな極悪民族に日の本は乗っ取られた苦しみが分かるか!?分かってたまるかぁ!!」
被害者ビジネスの為の人権主義、博愛や平等思想で他国の文化を破壊するグローバル共産主義。
権威主義を刷り込まれた者達では扱いきれない民主主義を敷き、選挙で選んだ連中を支配する。
今まで我々が生きてきた世界は、狡猾を極めた金融民族が敷いた
「この領域は我の嘆きの世界だ!ユダヤに逆らえない資本主義世界に絶望した光景だぁ!!」
戦後のヤタガラスを支えてきた代表者が叫ぶ慟哭に対して、ライドウが重い口を開きだす。
「猶太とは…それ程までの脅威だったのか…。大正時代でさえ既に猶太支配が及んでいる…」
「貴様にやらせた退魔任務もユダヤ資本主義が生んだ末路だ!民の苦しみには原因があった!」
「悪魔は人間の苦しみを御馳走にする…悪魔の在り方こそ…猶太共の姿そのものじゃねーか…」
「究極の寄生虫民族に抗い続けたが…我は破れた。悪魔崇拝カナン族に貴様は勝てるのか…?」
ライドウを試すような態度で三日月の大鎌を振るいながら構えてくる。
それに対してライドウとスサノオも剣を構え、コウリュウも身体を帯電させていく。
「自分の力だけでは勝てないだろう…だからこそ大正時代のヤタガラスを変えていきたい」
「過去の我々を導く存在になると言うのか?」
「それだけではない。帝都の任務を終えたなら…自分は欧米の人々にも協力を頼みに行きたい」
「その道は過酷を極めるだろう…いつ暗殺されるか分からない地獄の道になるだろう…」
「覚悟している…それでも自分はこの時代で嘉嶋尚紀と出会えた…彼の覚悟に続きたいんだ!」
「いいだろう…それが出来るかどうかの力を示せ。我が全力で葛葉ライドウを測ってやる!!」
実像分身を用いて実体の有る影を生みだしたツクヨミの本体が仕掛けてくる。
迎え撃つライドウ達も踏み込んでいき、ヤタガラスとの最終決戦が行われるのであった。
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異界の外で戦わせるツクヨミ三体だけでなく、異界の中でも無数の分身を同時に操ってくる。
無数のツクヨミ達に襲い掛かられるライドウ達は激しい戦いを強いられていく。
飛翔したツクヨミ達が三日月の大鎌を回転させながら消滅光を生みだし、至高の魔弾を放つ。
対するコウリュウは果敢に避けながら大放電を放ち続けるのだが苦戦を強いられるしかない。
「その巨体が消滅するまで削り取ってやろうぞ!!」
「やってみるがいい…相手にとって不足なし!四神の長として誉れある戦を見せようぞ!!」
異界の空で行われる激しい戦いだけでなく、月読殿の前でも激戦が繰り広げられる。
三体の分身達に襲われるスサノオは天叢雲剣を振るいながら兄弟喧嘩を行うのだろう。
「スサノオ!どちらが日の本の海神であり穀物神なのかを決めようか!勝った者が本物だ!!」
「いいぜ、やろうか!テメェとは神としての役割が被っちまうせいでよく間違えられたしな!」
ツクヨミとスサノオは同一の神であるという説が残っており、神としての類似性を生む。
その為スサノオの影に隠される屈辱の鬱憤を最後に晴らしてみせようと襲い掛かってくる。
迎え撃つスサノオはバアルと同じく牛神の系統神としての力を行使。
「いくぜぇぇぇぇーーーーッッ!!!」
本気となったスサノオが天叢雲剣を天に掲げると極大の水流を生み、天を穿つ螺旋を描く。
放つ一撃とはバアルが放った天剣叢雲と同じ技であるが、ナホビノ化してないため威力は劣る。
それでも極大の奔流が振り下ろされる一撃に対して、ツクヨミもまた本気の一撃を放つ。
至高の魔弾と天剣叢雲がぶつかり合い、激しい閃光を生み出していくのだ。
一方、ツクヨミの一体と戦うライドウもまた苛烈な剣舞を行っていく。
月読殿の中にまで入り込んで戦うライドウであるが、彼はツクヨミの弱点を見抜いている。
「マダが最後に伝えてくれた言葉で理解した!貴様の実像分身は神鏡で生み出す月の人影だ!」
「それを見抜くとは…中々に鋭い。ならば我を超えて神鏡を破壊してみせろ!!」
月読殿の最奥に飾られた割れた神鏡を守る為に月の人影が苛烈な剣舞を放ってくる。
刹那五月雨斬りを高速で放ってくるのに対し、ライドウは居合状態から高速斬撃を放つ。
「14代目葛葉ライドウ…貴様の強さとは何だ?その源を教えて欲しい」
「自分の強さの源とは…人々と築いた絆の力。人々が安心して暮らせる国を欲する願いだ」
「だからこそ大正時代に帰ってもカナン族ユダヤと戦う決意を固めた…というわけだな?」
「そうだとも…聖書が残し続けた危険を知る努力もせず…無関心に生きてきた責任を背負おう」
「貴様のように無知を恥じる事が出来る気持ちが愚民にもあったなら…こうはならなかったな」
正眼の構えを行っていたライドウが先に動く。
狙いを神鏡に変えた彼が素早く銃を抜いて神鏡に銃弾を放つ。
高速で動いたツクヨミが放たれた銃弾を大鎌の腹で受け止めるがすかさずライドウが斬り込む。
踏み込みから横薙ぎを放つが、跳躍からの月面宙返りで斬撃を避ける。
振り向くライドウに対して袈裟斬りを放つが上半身を屈めながら斬撃を避ける。
そのまま後ろに跳躍し、側転を行いながら着地した彼に対してツクヨミが剣戟を仕掛ける。
袈裟斬り、逆袈裟と放たれる大鎌斬撃を打ち払うようにしていなしながら霞の構えを行う。
素早い的殺突きが放たれるが大鎌の柄で受け流し、そのまま柄をライドウの後ろ首に回し込む。
首に引っ掛けられたライドウの上半身が俯けになった時、右膝蹴りが顔面に決まる。
「ゴフッ!!!」
鼻骨を砕かれたライドウが倒れ込み、追い打ちの唐竹割りを放たれるが転がって避ける。
立ち上がったライドウが左右に斬撃を振り、避ける相手に刀の石突き部分で打突を狙う。
しかしツクヨミが持ち上げた足で石突き部分を蹴り止められ、そのまま押し出される。
さらに踏み込んで袈裟斬りを放つ横に回り込み、ライドウに斬撃を打ち込む。
「チッ!!」
片手持ちのまま背中に刀を回し込んで大鎌の斬撃を受け止め、弾きながら距離を離す。
互いが踏み込み、激しい斬撃を打ち込む中で雄叫びの如き叫び合いを行うのだ。
「自分は独りで戦う者ではない!14代目以降も続くだろう…ライドウ達の魂を背負う者だ!」
「初代葛葉ライドウであった従者の名を継いだ者よ!個が連なろうと…矮小でしかないのだ!」
「矮小ならば大きくしていけばいい!それには他人を信じる器量の広さが必要なのだ!!」
「他人を信じる者程馬鹿を見る!愚民など御上に従う楽な道しか選ばない家畜でしかない!!」
「信じる事をやめてしまったからこそ…貴様も矮小となったのだ!思う一念は岩をも通す!!」
「そう信じて啓蒙活動をした魔法少女はどうなった?愚民共から虐待を受けたではないか!!」
「それでも叫び続けるんだ!今がダメでも先は分からない…先を信じる気持ちが器量なんだ!」
「狂気とはすなわち、同じ事を繰り返して行い、違う結果を期待すること!貴様のようにな!」
「やり方など修正していけばいい!何度も挑戦する気持ちこそが執念だ…執念こそが力だ!!」
葛葉キョウジから送られた言葉の数々、人修羅から送られた言葉の数々。
それがライドウの心に沁み込んだ事で歴代のライドウ達の魂以上の力まで発揮していく。
(何故だ…?何故この男の心は折れない…?これ程までの現実を突きつけられて…何故だ!?)
心が折れた月神が放つ苛烈な斬撃と現実の苦しみを浴びせられてもライドウは折れてくれない。
その姿はまるで柳であり、どれだけ強風を浴びても再び立ち上がれる自然の形となっている。
(自然神である我が折れてしまうなら…目の前の折れない男以下でしかないというのか!?)
折れない男の在り方に対して激しい動揺を引き起こす。
今のライドウこそ、打っても打っても折れない程にまで鍛えられた刀そのものなのだ。
「認めぬ…認めぬぞぉ!!神が人間以下だなどとは…絶対に認めてやらん!!」
劣等コンプレックスを爆発させたツクヨミが大鎌を振り上げながら袈裟斬りを放つ。
柳のように体が揺れた相手の姿が消え、横に回り込んだライドウが唐竹割りを放つ。
打ち下ろされた大鎌が地面に深く突き刺さり、引き抜く間もなく斬撃が迫りくる。
バク転で避けるべきであったが、何故かツクヨミは動けないでいる。
力強い目をしたライドウの在り方に見惚れていたのか、首が跳ね落とされるのだ。
「自分の折れぬ心こそ…人々の絆を信じ通したい…
倒れ込んだツクヨミの人影が崩れ落ち、外で戦っている分身達まで崩れていく。
月読殿の中にスサノオも入り込み、ライドウと共に奥に飾られた神鏡の前にまで行く。
そこで見た物とは三日月の形で残されていた鏡の部分まで割れていく光景である。
「そなたの輝きは…月神である我よりも…眩しかった…。認めよう…我は…負けたのだ…」
崩れていく神鏡からツクヨミの声が響くが、その気配も消えようとしていく。
「自分に負けたのではない、貴様は己に負けたんだ。現実の苦しみに絶望してな…」
「そうだな…我は己に負け…そなたは己に勝った…なんと難しい戦いか…己との戦いとは…」
「それがエゴとの戦いさ。テメェはエゴに支配されたからアマテラスと袂を分かたれたんだ」
「厳しい戦いだな…エゴとの戦いとは…神々でさえも人間のように…呪縛されていく…」
「自分の劣等性を許さない、間違ってなどいない。その呪いが人や神をマガツに落とすんだ…」
「スサノオ…そなたも葛葉ライドウと共に…信じていけるか…?人々の…可能性とやらを…?」
「ああ…信じていきたい。出来るならそれを見届けてやりたい程…21世紀に愛着が持てた」
「ならば…そなた達に…託したい…日の本を…支えてやってくれ…国津神達と…とも…に……」
最後の言葉を残した後、ツクヨミの本体である神鏡が全て砕け散る。
膨大なMAGとなった光が月読殿の屋根を突き破り、光の柱となっていく。
兄弟神の最後を見届けたスサノオはやり切れない表情を浮かべながら空を見つめていく。
「問題を追及側にすり替えず認める事が出来たじゃねーか?最後には…エゴに勝ってくれたな」
高天原の乱暴者として追放された自分なんかに国を託されたスサノオがライドウに顔を向ける。
彼は微笑みながら頷いてくれたことでスサノオは使役仲魔として解放される事になるだろう。
「スサノオ…その姿は…?」
「えっ…おわっ!?な、なんだコリャ!!?」
黒ずんだ肌と白髪塗れの髪が変化していき、日本人らしい肌と黒髪の姿に変化していく。
棘の冠も変化し、月と海と光を司る神鏡が備わった額当てに変化していく。
ふんどし一丁の姿も古墳時代の白袴と月の色に輝く臑当と籠手が備わり、神々しい御姿となる。
「どうやらツクヨミの一部がオレの中に入ってきたようだ。あいつの心の痛みが分かるぜ…」
「その姿こそ天津神時代の頃の姿なのだろう。三貴子として相応しい姿だな、スサノオ?」
「オレ的には高天原から蹴り出される前に戻ったような気分になっちまうが…オレはオレさ」
「それでいい…お前はお前のままこの世界の日本を導いてやれ。静香達と共にな…」
崩れ落ちていくツクヨミの領域から脱出する為に急ぎコウリュウの元に駆けていく。
ライドウとスサノオを乗せたコウリュウは全速力で異界を飛んでいくが崩壊が激しい。
異界の門となるツクヨミの体も崩壊していく中、ライドウの身を案じる者達が叫び出す。
「不味いよサマナー君…早く飛び出してきておくれよ!」
「ライドウがこんな場所で死ぬわけないでしょ!彼は大正時代を守るサマナーなんだから!」
「大正時代からわざわざ21世紀にまで来てくれるなんてな…ほんとスゲー奴だよ…」
「21世紀の世界はあたし達が守っていく…だから…無事に帰ってきて!ライドウさん!!」
ライドウの仲魔達やさやか達が叫ぶ中、ツクヨミの門が壊れる前にコウリュウが飛び出す。
巨体がザイオンの空に舞い上がっていくと夜の世界が晴れ渡っていくのだ。
歓声を上げる者達の背後ではボロボロのキョウジがボロボロの仲魔達に対してこう告げる。
「フン…これで俺の獲物は大正時代に帰るのだろうが…いずれは追いかけて行ってやるぞ」
「ムゥ!ツマリハ…大正時代デモ…ランダトバトルニナルノカ?オレサマ…ゲンナリ…」
「フフッ、はやる気持ちは分かりますが…今は勝利の余韻に浸ればいいじゃないですか?」
「そうだな…ようやく忌々しいヤタガラスが滅びてくれたんだ。俺としても万々歳だ」
ポケットから煙草を取り出して火を点けるキョウジに対して、なぎさがトコトコやってくる。
「お、おい…何だ貴様は…?」
「神社で煙草は厳禁なのです!ポイ捨てする輩ばかりなのです!」
「そんなの知った事か!俺が吸いたくなったらそこが俺の喫煙場なんだよ!」
「マナーが悪い大人ね!なぎさちゃん、こういう大人になっちゃダメよ」
「はいなのです」
「き、貴様ら…俺に喧嘩を売る気ならば買ってやるぞぉ!?」
激おこぷんぷん丸と化したキョウジであるが、背後から羽交い絞めにされてしまう。
後ろを向けば戻ってきたレイとナオミがにこやかな笑みをしながらこう言ってくる。
「この際だし、禁煙してみたら?」
「それはいい提案ね♪煙草の臭いは私も嫌いな方だし、私達の今後の為にも禁煙しなさいね♪」
「どういうことだ…おい…?もしかして今の俺には…女難の相が生まれているのか!?」
手相占いが出来る仲魔を急いで召喚しようとあたふたするキョウジを見た女性達が微笑む。
そんな者達を見下ろすライドウの顔も微笑みが生まれていくが、再び真剣な顔つきになる。
「自分達はやり遂げた…後はお前だけだ。生きて帰って来いよ…尚紀…」
ザイオンを制圧し終えた者達はザイオンの避難区画に向かい、秦氏の者達を確保する。
彼らを地上に送る大きな手間を背負う事になった為、制圧の報告が遅れるのであった。
これにて拙作内でのライドウさんの活躍は終わりとなりますね。
ライドウさんの活躍がもっと見たい!と感じてくれたなら、switch2のライドウリマスターを是非プレイしてみてください!